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特許5989111制御バルブの個数を減少させた疑似移動吸着剤床式吸着分離を行う方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989111
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】制御バルブの個数を減少させた疑似移動吸着剤床式吸着分離を行う方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 15/00 20060101AFI20160825BHJP
   C07C 7/13 20060101ALN20160825BHJP
   C07C 15/067 20060101ALN20160825BHJP
【FI】
   B01D15/00 101A
   !C07C7/13
   !C07C15/067
【請求項の数】16
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-521911(P2014-521911)
(86)(22)【出願日】2012年7月16日
(65)【公表番号】特表2014-525830(P2014-525830A)
(43)【公表日】2014年10月2日
(86)【国際出願番号】CN2012000955
(87)【国際公開番号】WO2013013492
(87)【国際公開日】20130131
【審査請求日】2015年1月15日
(31)【優先権主張番号】201110213274.5
(32)【優先日】2011年7月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503191287
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】509059424
【氏名又は名称】中国石油化工股▲ふん▼有限公司石油化工科学研究院
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】王徳華
(72)【発明者】
【氏名】郁灼
(72)【発明者】
【氏名】王輝国
(72)【発明者】
【氏名】馬剣鋒
(72)【発明者】
【氏名】呉巍
【審査官】 岩下 直人
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0041788(US,A1)
【文献】 特表2010−520919(JP,A)
【文献】 特表2010−520809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 15/00
C07C 7/13
C07C 15/067
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御バルブの個数を減らした疑似移動床(SMB)式の吸着分離方法であって、
異性体を含む原料をSMBによる吸着によって分離する工程を備え、
当該SMBはm個の吸着剤床を備え、各吸着剤床にはグリッドが設けられ、各グリッドには材料の供給および排出を行うための吸着剤床のパイプラインが設けられ、
当該SMBへ供給されてそこから排出される材料は、吸着原料、脱着剤、抽出物、ラフィネート、および、異なる吸着剤床から供給される洗浄液を少なくとも含み、
当該抽出物には標的生成物が混入し、当該吸着原料、当該脱着剤、当該抽出物、および当該ラフィネートの何れか1つから選択される当該洗浄液の液流が少なくとも2つ存在し、
当該SMBに供給されてそこから排出される材料流は合計でn本存在し、
組成物および流れ方向がそれぞれ同一の材料がs種類存在し、
吸着剤床へ供給されてそこから排出されるn本の材料流を制御するようにp組の開閉バルブが使用され、
組成物および流れ方向がそれぞれ同一の2つの材料流からなる少なくとも1つの材料流群は1組のバルブによって制御され、
s≦p<nであり、
SMB式の操作方法において、材料の供給および排出を制御するために使用される当該開閉バルブの総数はp×mであることを特徴とする吸着分離方法。
【請求項2】
nは6〜8の整数であり、pは5〜7の整数であり、mは12〜30の整数であり、
上記SMBに供給されてそこから排出されるn本の材料流は、p個のバルブによって制御されるp本のパイプラインを介して各吸着剤床へ供給されることを特徴とする請求項1に記載の吸着分離方法。
【請求項3】
上記抽出物は、原料供給位置の上流に位置する1〜2個の吸着剤床および抽出物回収位置の下流に位置する2〜4個の吸着剤床へそれぞれ供給される洗浄液として使用され、
2つの洗浄液の流れは、同一組のバルブによって制御されるパイプラインを介して吸着剤床内へ流入し、
当該抽出物回収位置の下流に位置する2〜4個の吸着剤床へ供給される洗浄液は第2の洗浄液であり、当該原料供給位置の上流に位置する1〜2個の吸着剤床へ供給される洗浄液は第3の洗浄液であることを特徴とする請求項1に記載の吸着分離方法。
【請求項4】
1の洗浄液を設置し、
上記第1の洗浄液の成分は脱着剤であり、供給位置は上記抽出物回収位置の上流に位置する1〜2個の吸着剤床であり、
上記第1の洗浄液および上記脱着剤は、同一組のバルブによって制御されるパイプラインを介して吸着剤床へ供給されることを特徴とする請求項3に記載の吸着分離方法。
【請求項5】
1の洗浄液を設置し、上記第1の洗浄液の成分は脱着剤であり、供給位置は上記抽出物の回収位置の上流に位置する1〜2個の吸着剤床であり、
4の洗浄液を設置し、上記第4の洗浄液の成分は上記原料であり、供給位置はラフィネート回収位置の上流に位置する1〜2個の吸着剤床であり、
上記第1の洗浄液および上記脱着剤は、同一組のバルブによって制御されるパイプラインを介して吸着剤床へ供給され、
上記原料および上記洗浄液の第4の流れは、同一組のバルブによって制御されるパイプラインを介して吸着剤床へ供給されることを特徴とする請求項3に記載の吸着分離方法。
【請求項6】
上記第2の洗浄液の量は、洗浄液が通過する制御バルブから吸着剤床までのパイプラインの総容量の0.5倍〜1.5倍であり、
上記第3の洗浄液の量は、上記第3の洗浄液が通過する制御バルブから吸着剤床までのパイプラインの総容量の1.0倍〜2.5倍であることを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の吸着分離方法。
【請求項7】
上記第1の洗浄液の量は、上記第1の洗浄液が通過する制御バルブから吸着剤床までのパイプラインの総容量の0.7倍〜1.5倍であることを特徴とする請求項4または5に記載の吸着分離方法。
【請求項8】
上記第4の洗浄液の量は、上記第4の洗浄液が通過する制御バルブから吸着剤床までのパイプラインの総容量の0.6倍〜1.0倍であることを特徴とする請求項5に記載の吸着分離方法。
【請求項9】
導入された、同一の組成物を有する材料は、異なる吸着剤床へ通じる同一の主要パイプラインが通過する同一のバルブを介して、異なる吸着剤床へ供給されることを特徴とする請求項1に記載の吸着分離方法。
【請求項10】
洗浄液の量は、一工程時間中に吸着剤床の洗浄を行うよう供給される洗浄液を制御するバルブの開放時間または洗浄液の流量によって制御されることを特徴とする請求項1に記載の吸着分離方法。
【請求項11】
液相吸着分離方法であることを特徴とする請求項1に記載の吸着分離方法。
【請求項12】
吸着分離される上記異性体はキシレンおよびエチルベンゼンであり、吸着分離の対象とする上記標的生成物はパラキシレンまたはメタキシレンであることを特徴とする請求項1に記載の吸着分離方法。
【請求項13】
吸着分離に使用される上記脱着剤はパラジエチルベンゼンまたはトルエンであることを特徴とする請求項1に記載の吸着分離方法。
【請求項14】
請求項1に記載の吸着分離方法の適用装置であって、
m個の吸着剤床を備える疑似移動床を備え、各吸着剤床にはグリッドが設けられ、各グリッドには材料の供給および排出を行うための吸着剤床のパイプラインが設けられ、
材料の供給および排出を行う当該パイプラインはp個の流入および流出用のパイプラインと接続され、当該p個の流入および流出用のパイプラインは並列接続され、各パイプラインには1個のバルブが設置され、
吸着分離方法では、SMBに供給されてそこから排出される材料流がn本存在し、組成物および流れ方向がそれぞれ同一の材料がs種類存在し、s≦p<nであることを特徴とする適用装置。
【請求項15】
nは6〜8の整数であり、pは5〜7の整数であり、mは12〜30の整数であることを特徴とする請求項14に記載の適用装置。
【請求項16】
2つの材料流が通過する各吸着剤床内のパイプライン内には、流量制御バルブが設置されることを特徴とする請求項14に記載の適用装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は炭化水素を吸着により分離する方法および装置に関し、具体的には、炭化水素の異性体を疑似移動吸着剤床(SMB)式吸着により分離精製する方法および装置に関する。
【0002】
〔背景技術〕
吸着分離法は、沸点差が極めて小さい異性体または異なる構造的特徴を有する異なる成分を分離(例えば、p−キシレンを他のC8芳香族異性体から分離およびn−アルカンを他の構造を有する炭化水素から分離)するのに非常に効果的である。
【0003】
SMB式吸着による分離方法は、液相および固相の向流接触を実現して分離効率を向上させている。US2985589、US3201491、US3626020、US3686342、US3997620、およびUS4326092では、SMB式吸着による分離装置および方法と、当該分離装置および方法をp−キシレンおよびm−キシレンの分離のために使用することとが記載されている。Douglas M. Ruthvenは、Chemical Engineering Science(1989, v44(5):1011−1038)において、連続向流式吸着による分離方法の原理、開発、試験、モデル研究、および産業方法を要約している。
【0004】
標準的なSMB式吸着分離方法は、少なくとも2つの投入材料(すなわち、原料(F)および脱着剤(D))流および少なくとも2つの排出材料(すなわち、抽出物(E)およびラフィネート(R))流を備え、当該抽出物には標的生成物が混入している。各投入材料流が吸着カラムに供給される位置または各排出材料流が吸着カラムから排出される位置は定期的に移動される。吸着カラム内において材料流の方向に沿って供給される材料および排出される材料は、順に、脱着剤(D)、抽出物(E)、原料(F)、およびラフィネート(R)である。吸着カラム内で材料を循環させることにより閉ループを構成する。吸着カラムへの材料の投入および吸着カラムからの材料の排出を制御する装置を回転バルブまたは一連の開閉バルブとしてもよい。
【0005】
吸着分離処理の最中では、複数の材料流は、送達パイプラインを共有して吸着カラムへ投入されるか、もしくは吸着カラムから排出される。上記吸着カラムの特定の吸着剤床位置内へ延伸し、且つ当該特定の吸着剤床位置から外側へ延伸する上記送達パイプラインは、ラフィネート(R)、原料(F)、抽出物(E)、および脱着剤(D)を順に通過させる。抽出物(E)は、先に通過した材料が上記送達パイプライン内に残留することによって汚染が生じてしまう。
【0006】
USP3201491では、連続分離吸着法により得られる生成物の純度を高める方法が開示されている。残留した原料によって抽出物の汚染が生じる状況に関しては、「供給流を受ける供給注入口流体分散中央部内への供給注入口と接触領域への供給注入口との間の流れのラインにおける液体容量を実質的に上回らない量で、供給流注入口の上流側に隣接して設けられた液体注入口内に向けて原料から分離可能な流体を含む洗浄流を投入する」ことが開示されている。上記洗浄液は、脱着剤注入口の下流側に固定された吸着剤の塊から除去される高脱着剤濃度の流れであるか、または、脱着領域を含む最も下流側の吸着剤の塊から回収した高吸収剤濃度の流れである。
【0007】
USP5750820では、マルチプルグレード(multiple grade)洗浄式の吸着分離方法が開示されている。上記吸着分離方法は、多成分の供給流から標的生成物を分離する方法であって、多成分の供給流を少なくとも1つの液通導管を介して装置内部へ導入する工程、第1の原料から得られる、少なくとも1つの所望成分を初期濃度で含む少なくとも1つの初期洗浄溶剤によって、少なくとも1つの液通導管を有する装置から当該供給流の残留物を洗浄するように、十分な量の当該初期洗浄溶剤で当該装置を洗浄する工程、第2の原料から得られ、当該少なくとも1つの所望成分を最終濃度で含む最終洗浄溶剤について、当該最終濃度が当該初期濃度より高くなるように、且つ、当該最終洗浄溶剤によって、当該液通導管内の当該初期洗浄溶剤の残留物を洗浄して当該装置内へと流すように、十分な量の当該最終洗浄溶剤で当該装置を洗浄する工程、および、当該装置から標的生成物を回収する工程を備え、当該第1の原料は当該第2の原料と異なる原料であり、当該第1の原料および当該第2の原料の少なくとも一方は吸着分離装置から隔てられている方法である。
【0008】
USP5972224では、疑似流動吸着剤床内における生成物の純度を向上させる方法および装置が開示されている。上記装置は固体または吸着剤を設けた多数の吸着剤床(A〜A)を備え、当該多数の吸着剤床(A〜A)は少なくとも1つの吸着カラム内に含まれ、各吸着剤床の間には液体分配プレート(P)が設けられ、各液体分配プレートは多数のセクター(P10、P11、P12)に区分され、各セクター(P)は、開口部を設けた少なくとも1つの分配室と、当該少なくとも1つの分配室の開口部の近傍の液体循環空隙とを備え、当該少なくとも1つの分配室は、当該少なくとも1つの分配室と当該少なくとも1つの吸着カラムの外部の位置との間に延伸する移送ラインに接続され、サイクル期間Tでは、異なる液体分配プレートの分配室に対する各原料の注入、且つ当該異なるプレートの分散室に対して注入された各原料の排出が行われ、上記方法は、上記液体分配プレートの異なる分配室を接続するバイパスライン内を液量が適当な流速で永続的に循環することを特徴とし、洗浄液は、循環している当該液体の組成物に近い組成物を含んでいる。上記方法および上記装置の目的は、外部から導入される洗浄材および上記吸着カラム内の材料の組成物の差異が大きくなることで発生する分離方法の障害を回避することにある。しかし、上述の解決法では、課題(すなわち、吸着剤床内のチャネリング流に相当し、且つ吸着分離処理にとって不都合となる、吸着室を通過しない材料流)が生じる。
【0009】
CN200710139991.1は、バルブの数を減少させるという解決策が提供されている。疑似移動吸着剤床(SMB)式分離装置は、カラムと、プレートPiによって隔てられている吸着剤床Aと、液体(特に、供給物F、脱着剤D、ラフィネートR、および抽出物E)の分配および抽出のための単一のネットワークと、該液体を分配するのに使用される幾つかの二方バルブとを備える。上記カラムは、重ね合された2つまたは3つの吸着剤床を有する幾つかのセグメントSkに区分される。各セグメントSkは外部バイパスパイプラインLKを備えており、当該外部バイパスパイプラインLKは、セグメントSkの吸着剤床の一つ一つに対応するバルブViを含む連結パイプを介して、セグメントSkの各吸着剤床に接続されている。各外部バイパスパイプラインLKは、その内部の流れを限定する制御装置を備えているとともに、単一のパイプラインを介して液体ネットワークF、D、R、およびEの各々に接続されている。上記単一のパイプラインは制御可能な単一の二方向遮断バルブを備え、当該二方向遮断バルブは、上記セグメントSkに対して対応の液体F、D、R、またはEを提供するか、または上記セグメントSkから対応の液体F、D、R、またはEを回収するために使用される。上記解決法によりバルブの数は著しく減少させることが可能であるが、制御の複雑性が増大してしまう。さらに、特定のセグメントに至る液体ネットワークのバルブの不良により、当該セグメントの各吸着剤床が影響を受けてしまう結果、システムの信頼性が大きく低下することになる。
【0010】
〔発明の開示〕
本発明の課題は、制御バルブの個数が減少されている、疑似移動吸着剤床(SMB)式吸着分離のための方法および装置を提供することである。上記方法では、吸着分離の標的生成物の純度、収率、処理量を確保する条件の下、制御バルブの個数を大きく減少させて、設備投資を著しく減少させることが可能である。
【0011】
本発明により提供される、制御バルブの個数を減少させた疑似移動吸着剤床(SMB)式の吸着分離方法は、異性体を含む原料をSMBにより吸着して分離する工程を備え、当該SMBは吸着剤から構成されるm個の吸着剤床を備え、各吸着剤床にはグリッドが設けられ、各グリッドには吸着剤床の材料供給および排出用のパイプラインが設けられ、SMBへ供給され、当該SMBから排出される材料は、吸着原料、脱着剤、抽出物、ラフィネート、および、異なる吸着剤床から供給される洗浄液を少なくとも含み、当該抽出物には標的生成物が混入し、当該吸着原料、当該脱着剤、当該抽出物、および当該ラフィネートの何れか1つから選択される当該洗浄液の液流が少なくとも2つ存在し、当該SMBについて供給および排出される材料の材料流は全部でn本存在し、組成物および流れ方向がそれぞれ同一の材料がs種類存在し、吸着剤床へ供給されてそこから排出される材料のn本の材料流を制御するようにp組の開閉バルブが使用され、1組のバルブにより組成物および流れ方向がそれぞれ同一の2つの材料流の少なくとも1つが制御され、s≦p<nであり、SMBの作業方法において、材料の供給および排出を制御するよう使用される上記閉開バルブの総数はp×mである。
【0012】
本発明の方法は、疑似移動吸着剤床を用いて異性体の吸着分離を行い、SMBへ供給され、当該SMBから排出される材料(吸着原料、脱着剤、抽出物、およびラフィネート)のうち最も塩基性の高い何れか1つを洗浄液として使用し、且つSMBへ供給されてそこから排出される材料を制御するように閉開バルブを使用する。上記SMBへ供給されてそこから排出される材料に関しては、全部でn本の材料流がある。組成物および流れ方向がそれぞれ同一の材料からなる少なくとも1つの材料群は一組のバルブにより制御され、これにより上記SMBの閉開バルブの数が効果的に減少され、パイプラインの数が減少され、且つ作業方法が最適化される。
【0013】
〔図面の簡単な説明〕
図1は、比較例1において一工程時間内に吸着カラムへ供給され、当該吸着カラムから排出される材料を制御するバルブの設定の図表示を示す。
【0014】
図2は、本発明の実施例1において一工程時間内に吸着カラムへ供給され、当該吸着カラムから排出される材料を制御するバルブの設定の図表示を示す。
【0015】
図3は、本発明の実施例2において一工程時間内に吸着カラムへ供給され、当該吸着カラムから排出される材料を制御するバルブの設定の図表示を示す。
【0016】
図4は、本発明の実施例3において一工程時間内に吸着カラムへ供給され、当該吸着カラムから排出される材料を制御するバルブの設定の図表示を示す。
【0017】
図5は、比較例2において一工程時間内に吸着カラムへ供給され、当該吸着カラムから排出される材料を制御するバルブの設定の図表示を示す。
【0018】
図6は、本発明の実施例4において一工程時間内に吸着カラムへ供給され、当該吸着カラムから排出される材料を制御するバルブの設定の図表示を示す。
【0019】
〔発明を実施するための形態〕
本発明の方法は、組成物および流れ方向がそれぞれ同一であり、且つ吸着剤床に供給され、当該吸着剤床から排出されるSMB内の2つの材料流を単一のバルブによって制御する。また、当該制御バルブの開放時間を制御することで当該吸着剤床に供給される材料の量を制御するので、材料の供給および排出を制御するために当該SMBにて使用している開閉バルブの数を減少させている。
【0020】
本発明の方法の吸着分離に使用するSMBは1つ以上の吸着カラムを備え、各吸着カラムはグリッドによって多数の吸着剤床に区分される。上記グリッドは、先行の吸着剤床から後続の吸着剤床へ材料を再分配する機能、当該先行の吸着剤床から供給される材料と外部から導入される材料を均一に混合する機能、および当該先行の吸着剤床から供給される材料の一部を吸着カラムから回収する機能を有する。上記グリッドは、液体を通過させる一方で、吸着剤床から流出する吸着剤粒子を遮断する。上記グリッドの上面および下面は、通常、織りワイヤークロス、金属焼結スクリーン、またはJohnson Screenである。外部から特定の吸着剤床に導入される材料および先行の吸着剤床(したがって、吸着カラム)から回収される材料は、吸着剤床のグリッドに接続されているパイプランを介して、吸着剤床へ供給され、そして当該吸着剤床から排出される。
【0021】
本発明の方法において吸着カラムへ供給され、そして当該吸着カラムから排出される材料は、原料(F)、脱着剤(D)、抽出物(E)、ラフィネート(R)、および、少なくとも洗浄液を、少なくとも含む。原料は、吸着分離により精製される標的生成物を含む少なくとも2つ以上の成分を含む混合物である。原料の各成分は、吸着剤に関して異なる選択性を有している。吸着剤は、標的生成物に関してより高い吸着選択性を有している。脱着剤は、その沸点が原料の沸点から大きく異なっているので、原料の成分から精留によって分離されてもよい。抽出物には標的生成物が混入している。抽出物は、その一方で脱着剤の一部を含んでいる。ラフィネートは、標的生成物を少量含んでいる。ラフィネートの含有量が少ないほど、分離吸着効率が高くなる。ラフィネートの主な成分は、脱着剤、および標的生成物以外の原料の成分である。脱着剤は、精留カラムによって抽出物およびラフィネートからそれぞれ分離され、再利用される。
【0022】
上記吸着カラム内の供給材料および排出材料は、材料流の流れ方向に沿って順に、脱着剤(D)、抽出物(E)、原料(F)、およびラフィネート(R)である。上記脱着剤の流入口と上記抽出物の排出口との間の充填剤吸着剤床は脱着領域である。上記抽出物の排出口と上記原料の流入口との間の吸着剤床は精留領域である。上記原料の流入口と上記ラフィネートの排出口との間の吸着剤床は吸着領域である。上記ラフィネートの排出口と上記脱着剤の流入口の間の吸着剤床は単離領域である。疑似移動吸着剤床は6〜30個の吸着剤床を備えており、好ましくは12〜24個の吸着剤床を備えている。通常、2つの吸着カラムが使用され、吸着剤床は総計で24個となる。このうち、4〜6個の吸着剤床は脱着領域となり、8〜10個の吸着剤床は精留領域となり、6〜8個の吸着剤床は吸着領域となり、2〜3個の吸着剤床は単離領域となる。本発明では、洗浄液の供給が行われる、一部の特定材料の供給位置および排出位置の上流および下流は、上記吸着カラム内の当該一部の特定材料の供給位置および排出位置の吸着剤床に対して相対的である。上記吸着カラム内の材料流の流れ方向に沿う方向が下流であり、その反対方向が上流である。例えば、洗浄液は、上記抽出物の回収位置の下流の1つの吸着剤床に対して供給される。すなわち、洗浄液は、上記吸着剤床の材料流の流れ方向において上記抽出物の回収位置の次の吸着剤床に対して供給される。
【0023】
洗浄を要する残留材料の量を最小限に抑止するために、本発明の方法は、材料の流量の制御に回転バルブを採用せず、その一方で、グリッドに連結したパイプラインに供給材料および排出材料の各々を接続させて、これらをそれぞれの開閉バルブにより制御している。このことにより、開閉バルブを吸着カラムに最大限近付けることを可能にさせて、パイプラインの体積を減少させている。
【0024】
吸着分離方法に対する送達パイプライン内の残留材料の影響を排除するために、吸着剤床を洗浄液で洗浄する。したがって、SMBは、供給および排出される材料流をn本、吸着剤床をm個、組成および流れ方向がそれぞれ同一の材料からなる材料グループであって、各々が2本の材料流から構成されている材料グループをs個含んでいる。特定の時点では、材料の供給流および排出流の各流を異なる吸着剤床と接続する閉開バルブのうち、少なくともs個〜最大でn−1個の閉開バルブが開放状態であり、その他の閉開バルブは閉止状態である。特定の間隔(すなわち、一工程時間)で、材料の放出流および排出流の各流の位置を1吸着剤床分下流に移動させる。上記一作業時間は好ましくは45秒〜200秒である。
【0025】
本発明の方法では、nは、SMBに供給され、当該SMBから排出される材料流の本数を示し、好ましくは6〜8の整数であり、pは、組成物および流れ方向がそれぞれ同一の2本の材料流の組み合わせ後に吸着剤床に供給され、且つ当該吸着剤床から排出される材料流の本数を示し、好ましくは5〜7の整数であり、mは12〜30の整数である。上記組み合わせ後、上記SMBに供給された後に上記SMBから排出されるn本の材料流は、p個の開閉バルブによって制御されるp本のパイプラインを介して各吸着剤床に供給される。
【0026】
本発明の1つの解決法は、原料供給位置の上流の1〜2個の吸着剤床および抽出物回収位置の下流の2〜4個の吸着剤床にそれぞれ供給され、且つパイプライン内に滞留する原料(F)によって抽出物(E)が影響されることを排除するためにそれぞれ用いられる、2本の洗浄液流を設定することである。なお、洗浄液として抽出物が使用される。上記2本の洗浄液流は、同一組の開閉バルブで制御されるパイプラインを介して上記吸着剤床に供給される。上記抽出物回収位置の下流の2〜4個の吸着剤床に供給される洗浄液は第2の洗浄液である。上記原料供給位置の上流の1〜2個の吸着剤床に供給される洗浄液は第3の洗浄液である。上記2本の洗浄液流は、より高純度の標的生成物を取得することを促進する。精留領域の2つの端部(原料および抽出物の位置にそれぞれ近接する端部)に2本の洗浄液流を設定し、この洗浄液によって吸着剤床を内側に向けて洗浄することを精留領域洗浄と称す。
【0027】
SMB式分離方法の過程では、上記パイプライン内に残存する抽出物(E)は、脱着剤(D)によって脱着領域および単離領域の境界内にまで洗い流されるが、これにより収率の減少が招来されてしまう。上記脱着剤は、上記抽出に近接する位置の脱着領域内の吸着剤床の内側に向けて洗い流されてもよいが、上記脱着剤の供給位置に近接する位置の吸着剤床から材料を回収することによって外側に向けて洗い流されてもよく、このような洗浄を脱着領域洗浄と称す。本発明の方法は、上記脱着領域内に第1の洗浄液を設定することが好ましい。上記第1の洗浄液の成分は脱着剤であり、その供給位置は上記抽出物回収位置の上流の1〜2個の吸着剤床である。上記第1の洗浄材および上記脱着剤は、同一組の開閉バルブにより制御されるパイプラインを介して上記吸着剤床に供給される。2つの洗浄材流は上記精留領域内に設定される。上記2つの洗浄材流は、洗浄液として抽出物を使用し、上記原料供給位置の上流の1〜2個の吸着剤床および上記抽出物回収位置の下流の2〜4個の吸着剤床にそれぞれ供給される。上記2つの洗浄液流は、同一組の開閉バルブにより制御されるパイプラインを介して上記吸着剤床へ供給される。上記抽出物回収位置の下流の2〜4個の吸着剤床に供給される洗浄液を第2の洗浄液とする。上記原料供給位置の上流の1〜2個の吸着剤床に供給される洗浄液を第3の洗浄液とする。
【0028】
上記SMB式分離方法の過程では、パイプライン内に残存するラフィネート(R)は、原料(F)によって上記吸着領域内にまで洗い流されるので、標的生成物の吸着容量を減少させてしまう。上記原料は、上記ラフィネートの近接位置の吸着領域内の吸着剤床内を内側に向かって流されてもよいが、上記原料に近接する位置の吸着剤床内を外側に向かって洗い流されてもよく、こうした洗浄を吸着領域洗浄と称する。分離効果に影響を及ぼす要因を最小限に抑止するために、本発明は、上記脱着領域に上記第1の洗浄液を設定し、且つ上記吸着領域に第4の洗浄液を設定することが好ましい。上記第1の洗浄液の成分は脱着剤であり、その供出位置は上記抽出物回収位置の上流の1〜2個の吸着剤床である。上記第4の洗浄液の成分は原料であり、その供出位置は上記ラフィネート回収位置の上流の1〜2個の吸着剤床である。上記第1の洗浄液の流れおよび上記脱着剤は、同一組のバルブによって制御されるパイプラインを介して上記吸着剤床へと供給される。上記原料および上記第4の洗浄液の流れは、同一組のバルブによって制御されるパイプラインを介して上記吸着剤床へと供給される。2つの洗浄液の流れは上記精留領域内に設定される。上記抽出物は上記洗浄液として使用される。上記2つの洗浄液の流れは、上記原料供給位置の上流の1〜2個の吸着剤床および上記抽出物回収位置の下流の2〜4個の吸着剤床へとそれぞれ供給される。上記洗浄液の2つの流れは、同一組のバルブによって制御されるパイプラインを介して上記吸着剤床へと供給される。上記ラフィネート回収位置の下流の2〜4個の吸着剤床へ供給される洗浄液を第2の洗浄液とし、上記原料供給位置の上流の1〜2個の吸着剤床へ供給される洗浄液を第3の洗浄液とする。
【0029】
本方法に開示の上記第2の洗浄液の体積は、制御バルブから吸着剤床までのパイプラインの総容量の0.5倍〜1.5倍である。上記第3の洗浄液の体積は、制御バルブから吸着剤床までのパイプラインの総容量の1.0倍〜2.5倍である。
【0030】
上記第1の洗浄液の量は、制御バルブから吸着剤床までのパイプラインの総容量の0.7倍〜1.5倍である。
【0031】
上記第4の洗浄液の量は、制御バルブから吸着剤床までのパイプラインの総容量の0.6倍〜1.0倍である。
【0032】
本発明の方法によれば、導入された、同一の組成物を含む材料は、異なる吸着剤床へと延伸する同一の主要パイプラインが通過する同一組のバルブを介して異なる吸着剤床へと供給される。例えば、上記脱着剤および上記第1の洗浄液は1つの主要パイプラインによって送達される。特定の時点では、上記脱着剤および上記第1の洗浄液が必要となる吸着剤床は異なる2つの吸着剤床である。上記脱着剤は、その後、2つの流れとなって吸着剤床の脱着剤制御バルブを介して上記異なる2つの吸着剤床へと供給される。本発明の上記同一組のバルブは、各吸着剤床において同一の標識を有している一群のバルブのことを指す。例えば、D/C1と標識される各吸着剤床のバルブが同一組の開閉バルブである。
【0033】
本発明では、上記2つの材料の流れは、組成物および流れ方向がそれぞれ同一であるが、一工程時間内に必要となる量は異なっている。異なる供給量を実現することが可能な方法としては、2つの方法がある。1つ目の方法では、対応の吸着剤床へと通じている開閉バルブが開放状態となる時間は、必要な材料量に応じて一工程期間中に設定される。より多量の原料を必要とする吸着剤床に対応する開閉バルブは、より長い時間開放される。すなわち、吸着剤床へ供給され、当該吸着剤床から排出される洗浄液を制御するバルブの開放時間によって、洗浄液の量は一工程時間内において制御されるものとする。他の方法では、材料を異なる吸着剤床に供給する経路に流量制御バルブがそれぞれ設置され、同一組の開閉バルブを共有する2つの流れに対応する吸着剤床の開閉バルブは一工程時間内に開口状態に保持され、当該対応の吸着剤床に設置された流量制御バルブを用いて、各吸着剤床に必要な材料量に応じて、容量を制御する。
【0034】
本発明の方法の適用装置は、m個の吸着剤床を含む疑似移動吸着剤床を備え、各吸着剤床にはグリッドが設けられ、各グリッドには、材料の供給および排出を行うための吸着剤床のパイプラインが設けられ、材料の供給および排出を行うための当該吸着剤床のパイプラインは、流入および排出を行うためのp個のパイプラインに接続され、当該流入および排出を行うためのp個のパイプラインは並列接続され、各パイプラインには1個の開閉バルブが設置されている。吸着分離方法では、SMBに供給され、当該SMBから排出される7本の材料の流れがあり、組成物および流れ方向がそれぞれ同一のs種類の材料がある。ここで、s≦p<nであり、nは6〜8の整数であり、pは5〜7の整数であり、mは12〜30の整数である。
【0035】
吸着剤床に供給される材料の容量を制御するために、2本の材料の流れが各吸着剤内へと流入するパイプライン内に流量制御バルブを設置する。上記流量制御バルブの開口度合いによって上記2本の材料の流れが制御される。
【0036】
本発明の方法を適用可能な吸着分離方法は液相吸着分離方法である。吸着分離温度は好ましくは20℃〜300℃である。作業圧によって、システムが完全な液相となることを確実にするものとする。
【0037】
本発明で吸着分離する異性体は、好ましくはキシレンおよびエチルベンゼンである。吸着分離の標的生成物は、好ましくはパラキシレンまたはメタキシレンである。上記吸着分離で使用する脱着剤は、好ましくはp−ジエチルベンゼンまたはトルエンである。
【0038】
C8芳香族異性体の混合物からp−キシレンを分離する場合、生成物の純度は少なくとも99.5質量%であることが要求される。上記生成物の純度は、好ましくは99.7質量%より高い値である。上記脱着剤は、好ましくはp−ジエチルベンゼン(PDEB)である。上記吸着剤は、好ましくは、バリウムおよび/またはカリウムで交換したフォージャサイトである。上記吸着剤は、好ましくはX型のゼオライトである。通常、2個の吸着カラムが使用されて、吸着剤床は全部で24個となる。このうち、4〜6個の吸着剤床は脱着領域であり、8〜10個の吸着剤床は精留領域であり、6〜8個の吸着剤床は吸着領域であり、2〜3個の吸着剤床は単離領域である。作業温度は120℃〜190℃であり、作業圧は0.8MPa〜1.22MPaである。
【0039】
C8芳香族異性体の混合物からm−キシレン(MX)を分離する場合、生成物の純度は少なくとも99.5質量%であることが要求される。上記生成物の純度は、好ましくは99.7質量%より高い値である。上記脱着剤は、好ましくはトルエンである。上記吸着剤は、好ましくは、アルカリ金属イオンで交換したフォージャサイトである。上記吸着剤は、好ましくはY型のゼオライトである。通常、2個の吸着カラムが使用されて、吸着剤床は全部で24個となる。このうち、4〜6個の吸着剤床は脱着領域であり、8〜10個の吸着剤床は精留領域であり、6〜8個の吸着剤床は吸着領域であり、2〜3個の吸着剤床は単離領域である。作業温度は100℃〜180℃であり、作業圧は0.8MPa〜1.2MPaである。
【0040】
以下の実施例では本発明をさらに開示する。しかし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0041】
図1〜6は、一工程時間内に開閉している各吸着剤床内のバルブを示す。図中、白色で中抜きのバルブは開放しているバルブを示し、黒色でベタ塗りのバルブは閉鎖しているバルブを示し、バルブの下に記載された英文字は各バルブによって制御される材料を示す。Dは脱着剤を示し、Eは抽出物を示し、Fは原料を示し、Rはラフィネートを示す。
【0042】
〔比較例1〕
SMBは24個の吸着剤床を備え、このうち、脱着領域が5個の吸着剤床を有し、精留領域が9個の吸着剤床を有し、吸着領域が7個の吸着剤床を有し、単離領域が3個の吸着剤床を有していた。作業温度を177℃とし、作業圧を0.88MPaとした。エチルベンゼンを含む混合キシレンを原料とし、当該混合キシレンは、18.4wt%のPXと、44.5wt%のMXと、20.2wt%のOX(o−キシレン)と、12.1wt%のエチルベンゼンと、炭素原子数が8〜9のアルカンまたはナフテン、少量のトルエン、および炭素数が9の芳香族炭化水素を含む他の成分とを含むものであった。吸着分離の標的生成物をPXとした。吸着剤として、バリウムイオンで交換したX型のモレキュラーシーブを主成分とする、SIPOPEC Catalyst Company製のRAX−2000A型の吸着剤を使用した。上記脱着剤を洗浄液として使用し、抽出物回収位置の上流側の2つ目の吸着剤床に供給される第1の洗浄(C)を設定した。抽出物を洗浄液として使用する第2の洗浄(C)を上記抽出物回収位置の下流側の2つ目の吸着剤床へ供給した。抽出物を洗浄液として使用する第3の洗浄(C)を原料供給位置の上流側の2つ目の吸着剤床へ供給した。原料を洗浄液として使用する第4の洗浄(C)を上記抽出物回収位置の上流側の2つ目の吸着剤床へ供給した。一工程時間を80秒とした。
【0043】
疑似移動吸着剤床全体へ供給され、当該疑似移動吸着剤床全体から排出される材料の流れは合計で8本ある。各吸着剤床へ供給され、当該各吸着剤床から排出される材料の流れに対して、個々の開閉バルブを配置した。各吸着剤床は8本のパイプラインを有しており、8個の開閉バルブが設置されている。上記8本のパイプラインは、上記吸着剤床のグリッド内において、材料の供給および排出用のパイプラインと接続されている。各吸着剤床において材料の供給および排出を制御するために24×8=192個の開閉バルブが必要であった。一工程時間内における上記SMBの各吸着剤床のバルブの配置を図1に示す。
【0044】
洗浄が必要となるパイプラインの容量を0.04mとした。洗浄が必要となる上記パイプラインの容量に対する第1の洗浄液の体積の比を1.2とした。洗浄が必要となる上記パイプラインの容量に対する第2の洗浄液の体積の比を1.0とした。洗浄が必要となる上記パイプラインの容量に対する第3の洗浄液の体積の比を1.2とした。洗浄が必要となる上記パイプラインの容量に対する第4の洗浄液の体積の比を0.9とした。したがって、一工程時間内では、上記第1の洗浄液の体積は0.048mとなり、上記第2の洗浄液の体積は0.04mとなり、上記第3の洗浄液の体積は0.048mとなり、上記第4の洗浄液の体積は0.036mとなった。全材料の流量は次のようなものであった:原料(F)、28.28m/h;脱着剤(D)、35.76m/h;吸着カラムより回収される抽出物(E)、19.69m/h。しかし、上記抽出物の一部は上記第2および第3の洗浄液の材料として返流することになるため、後段の分離工程用に実際に得られる上記抽出物の流量は15.73m/hとなる。また、上記第1の洗浄液(C1)の流量は2.16m/hとなり、記第2の洗浄液(C2)の流量は1.8m/hとなり、上記第3の洗浄液(C3)の流量は2.16m/hとなり、上記第4の洗浄液(C4)の流量は1.62m/hとなった。上記材料の供給および排出の全体的なバランスが保たれるよう確実にするために、上記ラフィネートの流量をシステム圧によって制御した。
【0045】
装置による作業の結果より、上記標的生成物の純度は99.72%となり、収率は97.3%となったことが示された。
【0046】
〔実施例1〕
本発明の方法を使用してp−キシレンの分離を行った。原料、脱着剤、吸着剤、作業温度、および作業圧は、比較例1に示したものとそれぞれ同一とした。SMB、各領域内の吸着剤床の数、および第4の洗浄液の供給位置は、比較例1に示したものとそれぞれ同一とした。
【0047】
図2に示すようなバルブの設置形態により、第2および第3の洗浄液の材料を同一の主要パイプラインを介して送達し、その流量を主流量制御バルブによって制御した。上記材料を同一組の開閉バルブを介して吸着剤床へと供給した。すなわち、各吸着剤床のC/C共通バルブを介して、洗浄の必要な吸着剤床に対して供給した。SMBにおける材料の各流れの供給および排出を制御するためには、24×7=168個の開閉バルブが必要となった。
【0048】
各回において洗浄が必要となるパイプラインの容量を0.04mとした。洗浄が必要となる上記パイプラインの容量に対する第1の洗浄材の体積の比を1.2とした。洗浄が必要となる上記パイプラインの容量に対する第2の洗浄材の体積の比を0.9とした。洗浄が必要となる上記パイプラインの容量に対する第3の洗浄材の体積の比を1.2とした。洗浄が必要となる上記パイプラインの容量に対する第4の洗浄材の体積の比を0.9とした。したがって、一工程時間内では、必要な上記第1の洗浄材の体積を0.048mとし、上記第2の洗浄材の体積を0.036mとし、上記第3の洗浄材の体積を0.048mとし、上記第4の洗浄材の体積を0.036mとした。工程時間を75秒とした。比較例1と比較して、上記工程時間をより短くしたが、上記吸着剤の循環速度をより加速させ、且つ同一の比率で吸着原料の量を増大させた。全材料の流量は次のようなものであった:原料(F)、30.18m/h;脱着剤(D)、38.16m/h;吸着カラムより回収される抽出物(E)、20.82m/h。しかし、上記抽出物の一部は第2および第3の洗浄の材料として返流することになるため、後段の分離工程用に実際に得られる上記抽出物の流量は16.79m/hとなった。また、第1の洗浄(C1)の流量は2.3m/hとなり、第2の洗浄(C2)および第3の洗浄(C3)の総流量は4.03m/hとなり、第4の洗浄(C4)の流量は1.73m/hとなった。
【0049】
以下の内容は、上述の材料が所要の容量をもって異なる位置内に入ることを可能とするように同一組のバルブを用いてこれら材料を制御する方法を記載するものである。
【0050】
図2は、一工程時間内において各吸着剤床のパイプライン内の開閉バルブが開放されている状態を記録したものである。0秒の時点では、吸着剤床1上のグリッドに接続されている、脱着剤の制御を行うバルブDは開いており、吸着剤床4上のグリッドに接続されている第1の洗浄バルブC1は開いており、吸着剤床6上のグリッドに接続されている抽出物バルブEは開いており、吸着剤床8上のグリッドに接続されている共通バルブC2/C3は第2の洗浄液の流入を可能にするように開いており、吸着剤床15上のグリッドに接続されている原料制御バルブFは開いており、吸着剤床20上のグリッドに接続されている第4の洗浄バルブC4は開いており、吸着剤床22上のグリッドに接続されているラフィネートバルブRは開いており、その一方でそれ以外のバルブは閉じた状態となっている。32秒が経過した時点では、吸着剤床13上のグリッドに接続されている共通バルブC2/C3は第3の洗浄液の流入を可能にするように開かれ、上記吸着剤床8上のグリッドに接続されている上記共通バルブC2/C3が閉じられた。75秒が経過した時点では、上記原料、上記脱着剤、上記抽出物、上記ラフィネート、C1、およびC4の全ての位置が隣の吸着剤床へとシフトした。上記バルブの特定の動作工程は次のようなものであった:吸着剤床2上のグリッドに接続されている脱着バルブDは開かれ、且つ上記吸着剤床1上のグリッドに接続されている上記脱着バルブDが閉じられ;吸着剤床5上のグリッドに接続されているバルブC1は開かれ、且つ上記吸着剤床4上のグリッドに接続されている上記バルブC1は閉じられ;吸着剤床7上のグリッドに接続されている抽出物バルブEは開かれ、且つ上記吸着剤床6上のグリッドに接続されている上記抽出物バルブEは閉じられ;吸着剤床16上のグリッドに接続されている原料バルブFは開かれ、且つ上記吸着剤床15上のグリッドに接続されている上記原料バルブFは閉じられ;吸着剤床21上のグリッドに接続されているバルブC4は開かれ、且つ上記吸着剤床20上のグリッドに接続されている上記バルブC4は閉じられ;吸着剤床23上のグリッドに接続されているラフィネートバルブRは開かれ、且つ上記吸着剤床22上のグリッドに接続されている上記ラフィネートバルブRは閉じられた。上記共通バルブC2/C3の状態は次のようなものであった:吸着剤床9上のグリッドに接続されている共通バルブC2/C3は開かれ、且つ上記吸着剤床13上のグリッドに接続されている上記共通バルブC2/C3は閉じられ;75+32秒が経過した時点では、吸着剤床14上のグリッドに接続されている共通バルブC2/C3バルブは開かれ、且つ当該吸着剤床9上のグリッドに接続されている当該共通バルブC2/C3は閉じられた。各吸着剤床のパイプライン内の材料用の開閉バルブは、各工程時間内において同一の方法で操作された。
【0051】
比較例1に示すような状況と比較して、使用したバルブの数は合計で24個少なかった。標的生成物の純度は99.71%となり、収率は97.0%となったことが作業結果より示されたが、これらは比較例1で得られた結果から明白に異なるものではなかった。
【0052】
〔実施例2〕
本発明の方法を使用してp−キシレンの分離を行った。原料、脱着剤、吸着剤、作業温度、および作業圧は比較例1に示すものとそれぞれ同一とした。SMB、各領域内の吸着剤床の数、および4つの洗浄液の供給位置は比較例1に示すものとそれぞれ同一とした。
【0053】
図3に示すようなバルブの設置形態により、脱着剤および第1の洗浄材を同一の主要パイプラインを介して送達し、その流量を主流量制御バルブによって制御した。また、上記脱着剤および第1の洗浄液の両方を同一組の開閉バルブD/C1を介して所要の吸着剤床へ供給した。また、第2の洗浄液および第3の洗浄液を同一の主要パイプラインを介して送達し、その流量を主流量制御バルブによって制御した。また、上記第2の洗浄液および上記第3の洗浄液の両方を同一組の開閉バルブC2/C3を介して所要の吸着剤床へ供給した。また、原料および第4の洗浄液を同一の主要パイプラインを介して送達し、その流量を主流量制御バルブによって制御した。上記原料および上記第4の洗浄液の双方を同一組の開閉バルブF/C4を介して所要の吸着剤床へ供給した。各吸着剤床に供給するその他の抽出物およびラフィネートに対して開閉バルブをそれぞれ設置した。SMBの8本の材料流の供給および排出を制御するために、合計で24×5=120個の開閉バルブを必要とした。
【0054】
各回において洗浄が必要となるパイプラインの容量を0.04mとした。一工程時間を80秒とした。第1の洗浄の洗浄比を1.0とした。第2の洗浄の洗浄比を1.0とした。第3の洗浄の洗浄比を1.5とした。第4の洗浄の洗浄比を0.9とした。したがって、一工程時間内では、上記第1の洗浄液の体積を0.04mとし、上記第2の洗浄液の体積を0.04mとし、上記第3の洗浄液の体積を0.06mとし、上記第4の洗浄液の体積を0.036mとした。
【0055】
上記脱着剤に必要となる流量を35.77m/hとした。上記第1の洗浄に必要な液体の体積を一工程時間内に合計で1.80m/hの流量とした。その後、上記脱着剤および上記第1の洗浄の共通パイプライン内の総流量を2つの37.57m/hの合計に応じて制御した。上記第2の洗浄および上記第3の洗浄の共通パイプライン内の流量は、一工程時間内に通過する液体の体積が2つの0.10mの合計値に到達することを可能にするものとし、流量を4.50m/hとした。上記原料に必要となる流量を28.28m/hとした。上記第4の洗浄に必要な液体の体積を一工程時間内に合計で1.62m/hの流量とした。上記原料および上記第4の洗浄の共通パイプライン内の総流量を2つの29.90m/hの合計値に応じて制御した。吸着カラムから回収する抽出物(E)の流量を19.33m/hとした。しかし、上記抽出物の一部は上記第2および第3の洗浄の材料として返流することになるため、後段の分離工程用に実際に得られる上記抽出物の流量は14.83m/hとなった。
【0056】
以下の内容は、上記材料が所要の体積をもって異なる位置に流入できるように、上記材料を上記同一組のバルブによって制御する方法を説明するものである。
【0057】
一工程時間内では、対応する吸着剤床に供給される脱着剤が通過する上記共通バルブD/C1は常に開かれており;対応する吸着剤床から流出する抽出物が通過する上記バルブEは常に開かれており;対応する吸着剤床に到達する上記第3の洗浄が通過する上記共通バルブC2/C3は常に開かれており;対応する吸着剤床に到達する上記原料が通過する上記バルブF/C4は常に開かれており;対応する吸着剤床から流出する上記抽出物が通過する上記バルブRは常に開かれていた。対応の吸着剤床に達する上記第1の洗浄を通過する上記共通バルブD/C1を一工程時間中に7.7秒間開き、その他の期間は閉じていた。対応の吸着剤床に達する上記第2の洗浄を通過させる上記共通バルブC2/C3を一工程時間中に64秒間開き、その他の期間は閉じていた。対応の吸着剤床に達する上記第4の洗浄を通過させる上記共通バルブF/C4を一工程時間中に8.7秒間開き、その他の期間は閉じていた。
【0058】
図3は、一工程時間内における各吸着剤床内のバルブの開閉状態を記録したものである。0秒の時点では、吸着剤床1上のグリッドに接続している上記バルブD/C1を上記脱着剤の流入を可能にするように開き、吸着剤床6上のグリッドに接続している上記抽出物バルブEを開き、吸着剤床13上のグリッドに接続している上記共通バルブC2/C3を開き、吸着剤床15上のグリッドに接続している上記バルブF/C4を流入する上記原料に対して開き、吸着剤床22上のグリッドに接続している上記バルブRを開き、ラフィネートを排出させ、且つそれ以外のバルブを閉じていた。特定の時点(例えば、8秒が経過した時点)では、吸着剤床8上のグリッドに接続している上記共通バルブC2/C3を当該吸着剤床8の2度目の洗浄を行えるように64秒間開き、その後の8+64=72秒が経過した時点で閉じた。特定の時点(例えば、20秒が経過した時点)では、吸着剤床4上のグリッドに接続している上記共通バルブD/C1を当該吸着剤床4の一度目の洗浄を行えるように7.7秒間開き、その後の20+7.7=27.7秒が経過した時点で閉じた。特定の時点(例えば、20秒が経過した時点)では、吸着剤床20上のグリッドに接続している上記共通バルブF/C4を当該吸着剤床20の4度目の洗浄が行えるように8.7秒間開き、その後の20+8.7=28.7秒が経過した時点で閉じた。80秒が経過した時点では、上記原料、上記脱着剤、上記抽出物、上記ラフィネート、および上記洗浄液C3の位置全てを隣の吸着剤床へとシフトした。上記バルブの特定の作業工程は次のとおりであった:吸着剤床2上のグリッドに接続している共通バルブD/C1を開き、且つ上記吸着剤床1上のグリッドに接続している上記共通バルブD/C1を閉じ;吸着剤床7上のグリッドに接続している抽出物バルブEを開き、且つ上記吸着剤床6上のグリッドに接続している上記抽出物バルブEを閉じ;吸着剤床14上のグリッドに接続している共通バルブC2/C3を開き、且つ吸着剤床13上のグリッドに接続している共通バルブC2/C3を閉じ;吸着剤床16上のグリッドに接続している共通バルブF/C4を開き、且つ上記吸着剤床15上のグリッドに接続している上記共通バルブF/C4を閉じ;吸着剤床23上のグリッドに接続されているラフィネートバルブRを開き、且つ上記吸着剤床22に接続している上記ラフィネートバルブRを閉じ;これに対応して、上記第1、第2、および第4の洗浄液を下流の吸着剤床へと移動させ;且つ、上記第1、第2、および第4の洗浄液を下流へと移動させる前では、対応のバルブの閉鎖時間を各吸着剤床に必要となる洗浄液の供給時間と等しくしていた。その他については、同一の方法で行うことが可能である。
【0059】
特定の吸着剤床に関しては、供給および排出する材料の各流れの流入および排出を制御する方法は次に記載するとおりであった。0秒の時点では、上記特定の吸着剤床へと通じる共通バルブD/C1を開き、上記特定の吸着剤床上のグリッドに接続しているパイプラインを介して脱着剤を上記吸着剤床内へと流入し始めた。このとき、上記特定の吸着剤床は脱着領域内にあった。80秒間の一工程時間経過後、上記バルブD/C1を閉じ、上記特定の吸着剤床内へ上記脱着剤が流入するのを止め、上記脱着剤を次の吸着剤床内へ流入させた。上記単離領域内にある当初の吸着剤床に供給される材料、またはこの吸着剤床から排出される材料は無くなった。3×80秒が経過した時点では、上記吸着剤床上のグリッドに接続されている上記バルブRが開放され、ラフィネートは、上記吸着剤床上のグリッドに接続されているパイプラインを介して吸着カラムから流出し始めた。4×80秒が経過した時点では、上記吸着剤床上のグリッドに接続されている上記ラフィネートバルブが閉じられ、上記ラフィネートは上記吸着剤床下のグリッドに接続されているパイプラインを介して上記吸着剤床から流出し始め、上記吸着剤床は上記吸着領域内へと移動した。(5×80+20)秒が経過した時点では、上記吸着剤床へと通じる共通バルブF/C4は、C4洗浄が行われるように開かれた。(5×80+28.7)秒が経過した時点では、上記共通バルブF/C4が閉じられた。10×80秒が経過した時点では、上記吸着剤床へと通じる共通バルブF/C4が開放され、上記原料は、上記吸着剤床上のグリッドに接続されているパイプラインを介して上記吸着剤床内に流入し始めた。このとき、上記吸着剤床は依然として上記吸着領域内にあった。11×80秒が経過した時点では、上記吸着剤床へと通じる上記共通バルブF/C4が閉じられる一方で、上記吸着剤床へと通じる上記共通バルブC2/C3は、C3洗浄が行われるように開放された。このとき、上記吸着剤床は上記精留領域内へと移動された。12×80秒が経過した時点では上記吸着剤床へと通じる上記共通バルブC2/C3が閉じられた。(17×80+8)秒が経過した時点では、上記吸着剤床へと通じる上記共通バルブC2/C3は、C2洗浄が行われるように開放された。(17×80+72)秒が経過した時点では、上記吸着剤床へと通じる上記共通バルブC2/C3が閉じられた。19×80秒が経過した時点では、上記吸着剤床上のグリッドに接続されている上記抽出物バルブEが開放され、上記抽出物は、上記吸着剤床上のグリッドに接続されているパイプラインを介して吸着カラムから流失し始めた。21×80秒が経過した時点では、上記吸着剤床上のグリッド内のパイプラインに接続されている上記抽出バルブEは閉じられ、上記抽出物は、上記吸着剤床下のグリッドに接続されているパイプラインを介して上記吸着カラムから流出し始めた。このとき、上記吸着剤床は上記脱着領域内へと移動した。(21×80+20)秒が経過した時点では、上記吸着剤床へと通じる上記共通バルブD/C1は、上記C1洗浄が行われるように開放された。(21×80+27.7)秒が経過した時点では、上記バルブが閉じられた。24×80秒が経過した時点では、上記吸着剤床へと通じる上記共通バルブD/C1が開放され、上記脱着剤は、上記吸着剤床内へ再度流入した。こうして完全な循環を実現した。
【0060】
比較例1に示すような状況と比較して、使用された開閉バルブの数は合計で72個少なかった。標的生成物の純度は99.74%であり、その収率は96.9%であったことが作業結果により示されたが、これらは比較例1で得られた結果と目立って異なるものではなかった。
【0061】
〔実施例3〕
本発明の方法を使用してp−キシレンの吸着分離を行った。原料、脱着剤、吸着剤、作業温度、および作業圧については、比較例1に記載のものとそれぞれ同一とした。SMBおよび各領域内の吸着剤床層の数については、双方とも比較例1に記載のものと同一とした。第1の洗浄(C1)を設置した。上記第1の洗浄は、抽出物回収位置に対して上流側に位置する2番目の吸着剤床に供給される脱着剤である。第2の洗浄(C2)は抽出物であり、上記抽出物回収位置に対して下流側に位置する2番目の吸着剤床へと供給された。第3の洗浄(C3)は抽出物であり、原料供給位置に対して上流側に位置する2番目の吸着剤床へ供給された。比較例1のように、第4の洗浄は設置されなかった。
【0062】
上記バルブの設置は図4に従って行われた。上記第2および第3の洗浄の材料は同一のパイプラインを介して送達され、これら洗浄の材料の流量は主要の流量制御バルブによって制御された。上記第2および第3の洗浄の材料は同一組の開閉バルブC/Cを介して各吸着剤床へ供給された。流量制御バルブは、各吸着剤床へと通じるC2/C3共通パイプライン内に設置された。各吸着剤床へ供給される材料の他の流れの各々について、開閉バルブがそれぞれ設置された。材料の供給および排出を行う7本の流れを制御するために、合計で24×6=144個の開閉バルブを必要とした。
【0063】
洗浄が必要となるパイプラインの容量を0.04mとした。一工程時間を75秒とした。比較例1と比較して、上記工程時間はより短くなり、且つ、上記吸着剤は循環速度が増大されるとともに、その量が同一の比率をもって増大された。上記第1の洗浄の比を1.0とした。上記第2の洗浄の比を0.9とした。上記第3の洗浄の比を1.2とした。したがって、一工程時間内において、第1の洗浄液の量を0.04mとし、第2の洗浄液の量を0.036mとし、第3の洗浄液の量を0.048mとした。各洗浄材の流量は次のとおりであった:原料(F)、31.9m/h;脱着剤(D)、38.16m/h;吸着カラムより回収される抽出物(E)、20.43m/h。しかし、上記抽出物の一部は上記第2および第3の洗浄の材料として戻されることになるため、後段の分離工程用に実際に得られる上記抽出物の流量は16.40m/hとなり、上記第1の洗浄(C1)の流量は1.92m/hとなり、上記第2の洗浄(C2)および上記第3の洗浄(C3)の総流量は4.03m/hとなった。
【0064】
以下の内容は、所要量の原料が異なる位置内に流入することを可能にするように、2つの原料の流れを同一の一組のバルブを用いて制御するとともに、各吸着剤床へと通じる分岐パイプライン内の上記流量制御バルブを異なる開放度合いに設定する方法を開示するものである。
【0065】
図4は、一工程時間内における各吸着剤床のバルブの開閉状態を示す。0秒の時点では、吸着剤床1上のグリッドに接続されている脱着剤バルブDは開放されており、吸着剤床4上のグリッドに接続されているバルブC1は開放されており、吸着剤床6上のグリッドに接続されている抽出物バルブEは開放されており、吸着剤床8上のグリッドに接続されている共通バルブC2/C3は開放されており、吸着剤床13上のグリッドに接続されている共通バルブC2/C3は開放されており、吸着剤床15上のグリッドに接続されている原料バルブFは開放されており、且つ吸着剤床22上のグリッドに接続されているラフィネートバルブRは開放されていたが、その一方でこれら以外のバルブは閉じられていた。上記吸着剤床8へ供給される上記第2の洗浄の流量を調節するバルブの開放度合いは、上記吸着剤床13へ供給される上記第3の洗浄の流量を調節するバルブの開放度合いと異なるものとした。上記吸着剤床8へ供給される上記第2の洗浄の流量を調節するバルブの開放度合いは比較的小さいので、上記第2の洗浄の流量は1.73m/hの標的流量となった。上記吸着剤床13へ供給される上記第3の洗浄の流量を調節するバルブの開放度合いは比較的大きいので、上記第3の洗浄の流量は2.30m/hの標的流量となった。75秒が経過した時点では、上記原料の位置と、上記脱着剤の位置と、上記抽出物の位置と、上記ラフィネート、およびC1、C2、およびC3の洗浄の位置とは全て隣の吸着剤床へとシフトされた。バルブの特定の作業工程は次のようにした。上記吸着剤床2上のグリッドに接続されている脱着剤バルブDは開放され、その一方で上記吸着剤床1上のグリッドに接続されている脱着剤バルブDは閉じられ;吸着剤床5上のグリッドに接続されているバルブC1は開放され、その一方で上記吸着剤床4上のグリッドに接続されているバルブC1は閉じられ;上記吸着剤床7上のグリッドに接続されている抽出物バルブEは開放され、吸着剤床6上のグリッドに接続されている抽出物バルブEは閉じられ;上記吸着剤床9上のグリッドに接続されている共通バルブC2/C3は開放され、その一方で上記吸着剤床8上のグリッドに接続されている上記共通バルブC2/C3は閉じられ;吸着剤床14上のグリッドに接続されている共通バルブC2/C3は開放され、その一方で上記吸着剤床13上のグリッドに接続されている上記共通バルブC2/C3は閉じられ;吸着剤床16上のグリッドに接続されている原料バルブFは開放され、その一方で上記吸着剤床15上のグリッドに接続されている上記原料バルブFは閉じられ;吸着剤床23上のグリッドに接続されているラフィネートバルブRは開放され、その一方で上記吸着剤床22上のグリッドに接続されている上記ラフィネートバルブRは閉じられ;上記シフト前では、上記吸着剤床9および14へと通じる上記共通バルブC2/C3内の上記流量制御バルブの開放度合いは、上記シフト前の対応の吸着剤床の共通バルブC2/C3内の流量制御バルブの開放度合いと同一となるように事前に調節され、且つ、上記吸着剤床14へと通じる流量制御バルブの開放度合いは、上記吸着剤床9へと通じる流量制御バルブの開放度合いよりも大きなものであった。
【0066】
第4の洗浄は設定されていなかったため、収率は減少した。上述の動作の結果より、生成物の純度は99.71%となり、収率は94.9%となったことが示された。
【0067】
〔比較例2〕
p−キシレンの吸着分離を行う従来の方法と、SMBと、各領域内の吸着剤床の数と、吸着原料と、吸着剤と、脱着剤と、作業温度と、作業圧とは、比較例1のものとそれぞれ同一とした。脱着剤の供給位置に対して下流に位置する最初の吸着剤床の吸着カラムから外側へ向けて急流する第1の洗浄(C1)を設定した。洗浄液として脱着剤を使用する第2の洗浄(C2)は、抽出物回収位置に対して下流に位置する最初の吸着剤床へ供給された。上記第1の洗浄で回収される材料を洗浄液として使用する第3の洗浄(C3)は、原料供給位置に対して上流に位置する2番目の吸着剤床へ供給された。上記原料を洗浄液として使用する第4の洗浄(C4)は、ラフィネート回収位置に対して上流に位置する2番目の吸着剤床へ供給された。一工程時間を80秒間とした。洗浄が必要となるパイプラインの容量を0.04mとした。洗浄が必要となる上記パイプラインの容量に対する第1の洗浄材の体積の比は1.2とした。洗浄が必要となる上記パイプラインの容量に対する第2の洗浄材の体積の比を1.0とした。上記第1の洗浄材の体積と同一とする第3の洗浄材の体積は、洗浄が必要となる上記パイプラインの容量の1.2倍とした。洗浄が必要となる上記パイプラインの容量に対する第4の洗浄材の体積の比を0.8とした。各材料の流量は次のようにした:原料(F)、28.46m/h;脱着剤(D)、35.76m/h;抽出物(E)、19.69m/h;第1の洗浄(C1)、2.16m/h;第2の洗浄(C2)、1.8m/h;第3の洗浄(C3)、2.16m/h;第4の洗浄(C4)、1.44m/h。
【0068】
疑似移動吸着剤床の全体へ供給され、その当該疑似移動吸着剤床の全体から排出される材料の流れは合計で8本とした。各吸着剤床に供給され、その当該各吸着剤床から排出される材料の各流れに対して、個々の開閉バルブが設置された。各吸着剤床は8本のパイプラインを有し、8個の開閉バルブが設置された。8本のパイプラインは、上記吸着剤床のグリッド内の材料供給排出パイプラインに接続されていた。各吸着剤床内の材料の供給および排出を制御するために、合計で24×8=192個の開閉バルブが必要となった。一工程時間内におけるSMBの各吸着剤床のバルブの配置を図5に示す。生成物の純度は99.71%となり、収率は92%となった。
【0069】
〔実施例4〕
本発明の方法を使用してp−キシレンの吸着分離を行った。SMBと、各領域内の吸着剤床の数と、吸着原料と、吸着剤と、脱着剤と、作業温度と、作業圧と、工程時間と、第4の洗浄の位置および体積とについては、比較例2に示すものとそれぞれ同様とした。
【0070】
図6に示すようなバルブの設置形態によれば、脱着剤および第2の洗浄の材料を同一の主要のパイプラインを介して送達し、その流量を主要の流量制御バルブによって制御した。上記脱着剤および上記第2の洗浄液の両方は、同一組の開閉バルブD/C2を介して所要の吸着剤床へと供給した。また、上記原料および第4の洗浄液は同一の主要パイプラインを介して送達し、その流量は主要流量制御バルブによって制御した。上記原料および上記第4の洗浄液は、同一組の開閉バルブF/C4を介して所要の吸着剤床へ供給した。他のラフィネート、抽出物、および、各吸着剤床に供給される第1および第3の洗浄に対しては、開閉バルブをそれぞれ設置した。SMBの8本の材料流の供給および排出を制御するために、合計で24×6=144個の開閉バルブが必要となった。
【0071】
各材料の流量は次のようにした。原料および第4の洗浄(F/C4)の総体積を29.9m/hとし;脱着剤および第2の洗浄(D/C2)の総体積を37.56m/hとし;抽出物(E)の体積を19.69m/hとし;第1の洗浄の体積(C1)を2.16m/hとし;第3の洗浄(C3)の体積を2.16m/hとした。以下の内容は、所要量の原料が異なる位置内に流入することを可能にするように、同一の一組のバルブを用いて材料を制御する方法を開示するものである。
【0072】
図6は、一工程時間内における各吸着剤床のパイプライン内のバルブの開閉状態を示す。一工程時間内では、対応の吸着剤床へ供給される脱着剤が通過する共通バルブD/C2は常に開放されており;対応の吸着剤床へ到達する第1の洗浄が通過するバルブC1は常に開放されており;対応の吸着剤床から流出する抽出物が通過するバルブEは常に開放されており;対応の吸着剤床に到達する第3の洗浄が通過するバルブC3は常に開放されており;対応の吸着剤床へ供給される原料が通過する共通バルブF/C4は常に開放されており;対応の吸着剤床から流出する抽出物が通過するバルブRは常に開放されており;対応の吸着剤床に到達する第2の洗浄が通過する共通バルブD/C2は、一工程時間内に7.67秒間開放された状態であり、それ以外の期間は閉じられた状態のままであり;対応の吸着剤床へ到達する第4の洗浄が通過する共通バルブF/C4は、一工程時間内に7.71秒間開放された状態であり、それ以外の期間は閉じられた状態のままである。
【0073】
0秒の時点では、吸着剤床1上のグリッドに接続されているバルブD/C2は、脱着剤の流入を可能にするように開放されていた。また、吸着剤床2上のグリッドに接続されている第1の洗浄(C1)バルブは開放されており、吸着剤床6上のグリッドに接続されている抽出物バルブEは開放されており、吸着剤床13上のグリッドに接続されている上記第3の洗浄(C3)用のバルブは開放されており、原料の流れを流入させるように、吸着剤床15上のグリッドに接続されている上記バルブF/C4は開放されており、吸着剤床22上のグリッドに接続されているバルブRは開放されており、ラフィネートは流出しており、且つこれら以外のバルブは閉じられていた。特定の時点(例えば、8秒が経過した時点)では、吸着剤床7上のグリッドに接続されている共通バルブD/C2は、当該吸着剤床7の2度目の洗浄が行われるように7.67秒間開放され、その後に8+7.67=15.67秒が経過した時点で閉じられた。特定の時点(例えば、20秒が経過した時点)では、吸着剤床20上のグリッドに接続されている共通バルブF/C4は、当該吸着剤床20に上記第4の洗浄が行われるように7.71秒間開放され、その後の20+7.71=27.71秒が経過した時点で閉じられた。80秒が経過した時点では、上記原料の位置と、上記脱着剤の位置と、上記抽出物の位置と、上記ラフィネートの位置と、上記第1の洗浄C1の位置と、上記第3の洗浄C3の位置との全てが隣の吸着剤床へとシフトされた。上記バルブの特定の作業工程は次のとおりであった:上記吸着剤床2上のグリッドに接続されている上記共通バルブD/C2は開放され、その一方で上記吸着剤床1上のグリッドに接続されている上記共通バルブD/C2は閉じられ;上記吸着剤床3上のグリッドに接続されている上記第1の洗浄(C1)用のバルブは開放され、その一方で上記吸着剤床2上のグリッドに接続されている上記第1の洗浄(C1)用のバルブは閉じられ;上記吸着剤床7上のグリッドに接続されている上記抽出物バルブEは開放され、その一方で上記吸着剤床6上のグリッドに接続されている上記抽出物バルブEは閉じられ;上記吸着剤床14上のグリッドに接続されている上記バルブC3は開放され、その一方で上記吸着剤床13上のグリッドに接続されている上記バルブC3は閉じられ;上記吸着剤床16上のグリッドに接続されている上記共通バルブF/C4は開放され、その一方で上記吸着剤床15上のグリッドに接続されている上記共通バルブF/C4は閉じられ;上記吸着剤床23上のグリッドに接続されている上記ラフィネートバルブRは開放され、その一方で上記吸着剤床22上のグリッドに接続されている上記ラフィネートバルブRは閉じられ;上記第2および第4の洗浄の位置は吸着剤床一つ分下流に移動され;上記吸着剤床8上のグリッドに接続されている上記共通バルブD/C2は、88秒が経過した時点で開放され、その後の95.67秒が経過した時点で閉じられ;上記吸着剤床21上のグリッドに接続されている上記共通バルブF/C4は、100秒が経過した時点で開放され、その後の107.71秒が経過した時点で閉じられ;同様の方法により、その他全てのバルブは、各工程時間の経過毎に吸着剤床一つ分だけ下流側に移動された。
【0074】
特定の吸着剤床に関しては、供給および排出される材料の各流れの流入および排出を制御する開閉バルブを制御する方法は次のとおりであった。0秒の時点では、上記特定の吸着剤床へ繋がる上記共通バルブD/C2は開放され、上記脱着剤は、上記特定の吸着剤床上のグリッドに接続されているパイプラインを介して上記特定の吸着剤床内へ流入し始めた。このとき、上記特定の吸着剤床は脱着領域内にあった。80秒間の一工程時間の経過後、上記バルブD/C2は閉じられるので、上記特定の吸着剤床内への上記脱着剤の流入が中断され、上記脱着剤は隣の吸着剤床内へ流入した。単離領域内の当初の吸着剤床では、材料の供給および排出の何れも行われなかった。3×80秒が経過して時点では、上記特定の吸着剤床上のグリッド内のパイプラインに接続されている上記バルブRが開放され、上記ラフィネートは、上記特定の吸着剤床上のグリッドに接続されているパイプラインを介して吸着カラムから流出し始めた。4×80秒が経過した時点では、上記特定の吸着剤床上のグリッド内のパイプラインに接続されている上記ラフィネートバルブが閉じられ、上記ラフィネートは、上記特定の吸着剤床下のグリッドに接続されているパイプラインを介して上記吸着カラムから流出し始めた。また、上記特定の吸着剤床は吸着領域内へと移動された。(5×80+20)秒が経過した時点では、上記特定の吸着剤床上のグリッドに接続されている上記共通バルブF/C4は、上記C4洗浄が行われるように開放された。(5×80+27.71)秒が経過した時点では、上記バルブが閉じられた。10×80秒が経過した時点では、上記特定の吸着剤床上のグリッドに接続されている上記共通バルブF/C4は開放され、上記原料は、上記特定の吸着剤床上のグリッドに接続されているパイプラインを介して上記特定の吸着剤床内へ流入し始めた。このとき、上記特定の吸着剤床は未だに上記吸着領域内に留まっていた。11×80秒が経過した時点では、上記特定の吸着剤床上のグリッドに接続されている上記共通バルブF/C4は閉じられた。このとき、上記特定の吸着剤床は精留領域内へ移動した。12×80秒が経過した時点では、上記特定の吸着剤床上のグリッドに接続されている上記バルブC3は、上記C3洗浄が行われるように開放された。13×80秒が経過した時点では、上記吸着剤床上のグリッドに接続されている上記バルブC3は閉じられた。(18×80+8)秒が経過した時点では、上記特定の吸着剤床上のグリッドに接続されている上記共通バルブD/C2は、上記C2洗浄が行われるように開放された。(18×80+15.67)秒が経過した時点では、上記特定の吸着剤床へと通じる上記共通バルブC2/C3は閉じられた。19×80秒が経過した時点では、上記特定の吸着剤床上のグリッドに接続されている上記抽出物バルブEは開放された。上記抽出物は、上記特定の吸着剤床上のグリッドに接続されているパイプラインを介して上記吸着カラムから流出し始めた。21×80秒が経過した時点では、上記特定の吸着剤床上のグリッド内のパイプラインに接続されている上記抽出物バルブEは閉じられ、上記抽出物は、上記特定の吸着剤床下のグリッドに接続されているパイプラインを介して上記特定の吸着剤床から流出し始めた。このとき、上記特定の吸着剤床は脱着領域内に移動した。23×80秒が経過した時点では、上記特定の吸着剤床上のグリッドに接続されている上記バルブC1は、上記C1洗浄が行われるように開放され、その後の24×80秒が経過した時点で閉じられた。24×80秒が経過した時点では、上記特定の吸着剤床に至る上記共通バルブD/C2は開放され、上記脱着剤が上記特定の吸着剤床内へ再度流入することになるので、完全な循環が完成する。
【0075】
比較例2に示した状態と比較して合計で48個少ない開閉バルブを使用した。上述の作業の結果から、生成物の純度は99.71%であり、収率は91.8%であることが示されたが、これらは比較例2で得られる結果から目立って異なるものではない。
【0076】
比較例および実施例の状態を以下の表にまとめる。
【0077】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【0078】
図1図1は、比較例1において一工程時間内に吸着カラムへ供給され、当該吸着カラムから排出される材料を制御するバルブの設定の図表示を示す。
図2図2は、本発明の実施例1において一工程時間内に吸着カラムへ供給され、当該吸着カラムから排出される材料を制御するバルブの設定の図表示を示す。
図3図3は、本発明の実施例2において一工程時間内に吸着カラムへ供給され、当該吸着カラムから排出される材料を制御するバルブの設定の図表示を示す。
図4図4は、本発明の実施例3において一工程時間内に吸着カラムへ供給され、当該吸着カラムから排出される材料を制御するバルブの設定の図表示を示す。
図5図5は、比較例2において一工程時間内に吸着カラムへ供給され、当該吸着カラムから排出される材料を制御するバルブの設定の図表示を示す。
図6図6は、本発明の実施例4において一工程時間内に吸着カラムへ供給され、当該吸着カラムから排出される材料を制御するバルブの設定の図表示を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6