(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0005】
開示されている実施形態は、一方向性の複合材テープから形成された種々の繊維配向の複数のプライを含むストリンガー及びスパーのように、比較的長く幅の狭い積層構造を積層するための方法及び装置を提供する。実施形態は幅の狭いテープを使用し、長く幅の狭い部品の幅の寸法によりよく適合して無駄を低減することができる。比較的長いゼロ配向角テープコースは、改良されたしわ軽減手段によって積層可能であり、また、非ゼロ配向角テープコースは積層速度を高めながら材料の無駄を減らす方法で効率的に積層及び切断可能である。装置は、無駄をなくすように切断するため、様々な切断角まで回転させることができる迅速なギロチン式テープカッターを特徴としている。きわめて短いテープコースは迅速に積層可能である。ギロチン式カッターは、迅速なカッター移動を実現するため、特別に設計されたボイスコイルアクチュエータを特徴とする。カッターブレードは、テープの張力の好ましくない突出を低減するため、テープの動きと共に枢動する。積層ヘッドは、隣接するテープ細片間の間隙を調節するため、横方向に調整可能な複数のテープ制御モジュールを含む。ゼロ配向角コースの積層に使用されるテープ制御モジュールは、プライのしわを減らす不連続なテープコースを形成するため、大きな間隙なしでテープセグメント間の切断を可能にする。積層ヘッドは、必要に応じて、テープ細片間の間隙が変えられるように、互いに相対的に正確に配置可能である。
【0006】
開示されている1つの実施形態によれば、装置は、第1の軸に沿って基板に対して移動可能な積層機を含む基板上での複合材テープの積層のために用意されている。積層機は第1及び第2の隔置された支持体、及び第2の軸に沿って基板を横断して延在するビームを含む。ビームと各支持体との間の枢動結合により、第1の軸に対するビームの相対的な角度配向を変更することができる。装置は、基板上に複合材テープを積層するため、ビーム上の少なくとも1つのテープ積層ヘッドをさらに含む。積層機は複数のビーム及び各ビーム上のテープ積層ヘッドを含んでもよい。装置は、第1の軸に対する各ビームの角度配向の変更を可能にするため、各ビームと支持体との間に複数の枢動結合をさらに含む。支持体は第1の軸にほぼ平行な方向に互いに独立に移動可能である。ビームと支持体の1つとの間の摺動可能な接続により、ビームの角度配向が変えられたときには、ビームは支持体に対して摺動することができる。テープ積層ヘッドは、ビームに沿ってほぼ平行に動くように装着された複数のキャリッジ、及び基板上に複合材テープの細片をレイダウンするための各キャリッジ上のテープ制御モジュールを含む。
【0007】
別の実施形態によれば、基板上に複合材テープを積層する方法が提供される。方法は、軸に沿って積層機及び基板を相対的に移動すること、並びに積層機と基板が互いに相対的に移動するにつれて、ガントリ上のビームに沿ってテープ制御モジュールを移動することを含む。方法は、基板上に少なくとも1本の複合材テープの細片を積層するためテープ制御モジュールを使用すること、並びに軸に対してビームの角度配向を変えることをさらに含む。ビームの角度配向を変更することは、ビームを旋回することによって実施される。
【0008】
別の実施形態によれば、複合材テープ積層ヘッドは、複合材テープの供給及び基板上にテープを圧縮するため適用される圧縮ローラーを含む。ヘッドは、テープサプライから圧縮ローラーへテープを供給するためのテープフィードアセンブリ、並びに圧縮ローラーへ供給されたテープを切断するためのカッターブレードの往復運動を含むカッターアセンブリをさらに含む。カッターアセンブリは、複数の切断角のいずれかまでカッターブレードを回転するためのローターアセンブリを含む。ローターアセンブリは筐体及び筐体に回転可能に装着されたシリンダを含み、カッターアセンブリはカッターブレードに結合され、シリンダ内で往復運動可能に装着されたピストンを含む。
【0009】
別の実施形態によれば、基板のエッジに対して斜めの角度で基板を横断してテープ積層ヘッドを移動することを含む、基板上に複合材テープを積層する方法が提供される。方法は、基板エッジに対してほぼ平行にテープを切断することを含め、積層ヘッドが基板上を移動するにつれて、テープをある長さに切断すること、及びそのテープを基板上に圧縮することを含む。
【0010】
別の実施形態によれば、複合材テープ積層ヘッドは、複合材テープの供給、基板上でのテープの圧縮に適用される圧縮ローラー、及びテープサプライから圧縮ローラーまでテープを供給するためのテープフィードアセンブリを備える。積層ヘッドは、テープが切断されるにつれてテープと共に移動可能なカッティングブレードを含む、テープ切断のためのテープカッティングアセンブリを備える。テープカッティングアセンブリは、ヘッド上にブレードを枢動可能に装着するためのトラニオンを含む。ブレードは、切断時に円弧に沿って枢動可能であり、テープカッティングアセンブリはブレードがテープを切断するときに押し当てられる金床を含み、当該の金床はブレードと共に円弧に沿って枢動可能である。
【0011】
さらに別の実施形態によれば、基板を横断してテープ積層ヘッドを移動すること、及び積層ヘッド上の圧縮ローラーに複合材テープを供給することを含む、基板上に複合材テープを積層する方法が提供される。方法は、ブレードがテープを切断するにつれてテープと共にブレードを移動することなど、積層ヘッドが基板上を移動するにつれて複合材テープをある長さに切断するカッティングブレードを使用することを含む。方法はまた、テープを基板上に圧縮することを含む。テープに沿ってブレードを移動することは、ほぼ同一の速度で円弧に沿ってブレード及びテープを移動することを含む。
【0012】
さらなる実施形態によれば、複合材テープ積層ヘッドは、複合材テープの供給及び基板上にテープを圧縮するため適用される圧縮ローラーを含む。ヘッドは、テープサプライから圧縮ローラーへテープを供給するためのテープフィードアセンブリと、移動可能なカッティングブレードとブレードがテープを切断するときに押し当てられる移動可能な金床を含むテープ切断用テープカッティングアセンブリとをさらに含む。積層ヘッドは、ブレードと金床を互いに同期させて移動するための駆動システムをさらに含む。ブレードと金床はそれぞれ回転可能で、駆動システムはブレードと金床をほぼ同一の回転速度でそれぞれ回転するための一対のモーターを含む。
【0013】
さらに別の実施形態によれば、基板上にテープ積層ヘッドを移動すること及び積層ヘッド上の圧縮ローラーに複合材テープを供給することを含む、基板上に複合材テープを積層する方法が提供される。方法は、テープを切断するためのカッティングブレードと金床を使用して、ほぼ同一の回転速度でカッティングブレードと金床を回転すること、及び基板上にテープを圧縮することをさらに含む。ブレードと金床を回転することは、ブレードと金床を回転するために別々のモーターを使用すること、及びモーターの速度を同期させることを含む。テープの切断は、回転するブレードと回転する金床との間のニップにテープを供給することを含む。
【0014】
さらなる実施形態によれば、装置は長さと幅を有する基板上に複合材テープを積層するために提供される。装置は少なくとも基板の長さに沿って移動可能な第1の積層機を備える。第1の積層機は一対の移動可能な支持体及び基板の幅を横断して延在し各支持体と結合されたビームを含む。装置はまた、基板の幅を横断して複合材テープを積層するため、ビームに沿って装着され移動可能な第1の積層ヘッドを備える。第1の積層ヘッドは、複合材テープの供給、基板上にテープを圧縮するための圧縮ローラー、テープサプライから圧縮ローラーへテープを供給するためのテープフィードアセンブリ、及び圧縮ローラーへ供給されたテープをある長さに切断するためのテープカッティングアセンブリを含む。テープカッティングアセンブリは、テープと共に移動するように装着され、複数の切断角位置のいずれかまで回転可能なカッティングブレードを含む。
【0015】
さら別の実施形態によれば、基板の長さに沿って第1の積層機及び基板を相対的に移動すること、及び基板の幅を横断してテープを積層する第1の積層機上で第1のテープ積層ヘッドを使用することを含む、長さと幅を有する基板上に複合材テープを積層する方法が提供される。方法は、基板の長さに沿って第2の積層機及び基板を相対的に移動すること、及び基板の長さに沿ってテープを積層するため第2の積層機上の第2のテープ積層ヘッドを使用することをさらに含む。
【0016】
要約すると、本発明の一態様によれば、第1の軸に沿って基板に対して移動可能な積層機であって、間隔を空けて配置された第1と第2の支持体及び第2の軸に沿って基板を横断して延在するビームを含む積層機;第1の軸に対してビームの角度配向の変更を可能にするため、ビームと支持体の各々との間の枢動結合;及び基板上に複合材テープを積層するためビームの上の少なくとも1つのテープ積層ヘッドを含む積層機を含む、基板上に複合材テープを積層するための装置が提供される。
【0017】
有利には、積層機は基板上に複合材テープを積層するため、ビームの各々の上のテープ積層ヘッドを含む装置であって、第1の軸に対してビームの各々の角度配向の変更を可能にするため、各ビームと支持体との間の複数の枢動結合をさらに含む装置。
【0018】
有利には、支持体が第1の軸にほぼ平行な方向に互いに独立に移動可能である装置。
【0019】
有利には、ビームが1つの支持体に対して摺動することを可能にするため、ビームと支持体の1つとの間に摺動可能な接続をさらに含む装置。
【0020】
有利には、テープ積層ヘッドは、ビームに沿ってほぼ平行に移動するように装着された複数のキャリッジ;基板に複合材テープの1本の細片をレイダウンするため各キャリッジに搭載された少なくとも1つのテープ制御モジュール;及びビームの角度配向が変更されたとき、テープ制御モジュールを互いに相対的に位置調整するための手段を含む装置。
【0021】
本発明の別の態様によれば、軸に沿ってテープ積層機及び基板を相対的に移動すること;積層機上のビームに沿ってテープ制御モジュールを移動すること;テープ制御モジュールを使用して、基板上に複合材テープの少なくとも1本の細片を積層すること;及び軸に対してビームの角度配向を変更すること、を含む、基板上に複合材テープを積層する方法が提供される。
【0022】
有利には、ビームの角度配向を変更することが、ビームを旋回することによって実施される装置。
【0023】
有利には、ビームの角度配向を変更することが、ビームの端部上で2つの支持体をそれぞれ相対的に動かすことによって実施される装置。
【0024】
有利には、軸に対するビームの角度配向を変更することは支持体の1つに対するビームの直線的な摺動を含み、方法はビームの角度配向の変化に基づいて、テープ制御モジュールの位置の始動を変更することを含む装置。
【0025】
本発明のさらなる態様によれば、複合材テープの供給;基板上でテープを圧縮するため適用される圧縮ローラー;テープサプライから圧縮ローラーまでテープを供給するためのテープフィードアセンブリ;圧縮ローラーに供給されたテープを切断するためのカッターブレードの往復運動を含むカッターアセンブリであって、複数の切断角のいずれかまでカッターブレードを回転するためのローテーターアセンブリをさらに含むカッティングアセンブリ、を含む、複合材テープ積層ヘッドが提供される。
【0026】
有利には、ローテーターアセンブリが、筐体、筐体に回転可能に装着されたシリンダ、及びカッターブレードに結合されたシリンダ内で往復運動可能なピストンを含む装置。
【0027】
有利には、ローテーターアセンブリが、複数の回転位置のいずれかまでシリンダを回転するためシリンダに結合されたアクチュエータを含む装置。
【0028】
有利には、カッティングアセンブリが、圧縮空気源に結合されるように適合されたバルブ、及びバルブを操作するための電気ボイスコイルをさらに含む装置。
【0029】
有利には、カッターアセンブリが、ブレードがテープを切断するときに押し当てられる金床であって、シリンダに結合されて回転可能である金床をさらに含む装置。
【0030】
本発明のなおさらなる態様によれば、基板のエッジに対して斜めの角度で基板を横断してテープ積層ヘッドを移動すること;基板エッジに対してほぼ平行にテープを切断することを含め、積層ヘッドが基板上を移動するにつれて、複合材テープをある長さに切断すること;及び当該テープを基板上に圧縮することを含む、基板上に複合材テープを積層する方法が提供される。
【0031】
有利には、積層ヘッド上の圧縮ローラーに複合材テープを供給することをさらに含み、テープを圧縮することは積層ヘッド上で圧縮ローラーによって実施される装置。
【0032】
有利には、テープをある長さに切断することを含む装置は、カッティングブレードを往復運動させること、及びブレードを基板のエッジに対してほぼ平行に配向することをさらに含む。
【0033】
有利には、ブレードを配向することを含む装置は、ブレードを回転することをさらに含む。
【0034】
有利には、テープをある長さに切断することを含む装置は、テープを切断するための金床上でブレードを使用すること、及びブレードの配向に基づいた位置に金床を配向することを含む。
【0035】
本発明のなおさらなる態様によれば、複合材テープの供給と;基板上でテープを圧縮するため適用される圧縮ローラーと;テープサプライから圧縮ローラーまでテープを供給するためのテープフィードアセンブリと;さらに、テープが切断されるにつれてテープと共に移動可能なカッティングブレードを含むテープ切断用テープカッティングアセンブリとを含む、複合材テープ積層ヘッドが提供される。
【0036】
有利には、テープカッティングアセンブリがヘッド上にブレードを枢動可能に装着するためのトラニオンを含む装置。
【0037】
有利には、ブレードは切断時に円弧に沿って枢動可能であり、テープカッティングアセンブリはブレードがテープを切断するときに押し当てられる金床を含み、当該の金床はブレードと共に円弧に沿って枢動可能である装置。
【0038】
有利には、フレームをさらに含み、テープカッティングアセンブリはフレーム上に枢動可能に装着される装置。
【0039】
有利には、テープカッティングアセンブリがヘッド上の複数の切断角のいずれかまで回転可能である装置。
【0040】
本発明の別の態様によれば、基板上にテープ積層ヘッドを移動することと;積層ヘッド上の圧縮ローラーに複合材テープを供給することと;ブレードがテープを切断するにつれてブレードをテープと共に移動することを含めて、積層ヘッドが基板上を移動するにつれて複合材テープをある長さに切断するためにカッティングブレードを使用することと;さらに、基板上にテープを圧縮することとを含む、複合材テープを基板上に積層する方法が提供される。
【0041】
有利には、テープと共にブレードを移動することは、円弧に沿ってブレード及びテープを移動することを含む装置。
【0042】
有利には、テープとほぼ同一の速度で円弧に沿ってブレードが移動される装置。
【0043】
有利には、テープをある長さに切断するためにカッティングブレードを使用することが、金床上でテープを切断すること及びブレードと共に金床を移動することを含む装置。
【0044】
有利には、テープと共にブレードを移動することが、テープが圧縮ローラーに供給されるにつれてブレードを旋回することを含む装置。
【0045】
本発明のなお別の態様によれば、複合材テープの供給と;基板上でテープを圧縮するため適用される圧縮ローラーと;テープサプライから圧縮ローラーまでテープを供給するためのテープフィードアセンブリと;移動可能なカッティングブレードとブレードがテープを切断するときに押し当てられる移動可能な金床を含むテープ切断用テープカッティングアセンブリと;さらにブレードと金床を互いに同期させて移動するための駆動システムとを含む、複合材テープ積層ヘッドが提供される。
【0046】
有利には、ブレードと金床は各々が回転可能である装置。
【0047】
有利には、駆動システムはブレードと金床をそれぞれ回転するため一対のモーターを含む装置。
【0048】
有利には、ブレードと金床をほぼ同一の回転速度でそれぞれ回転するようにモーターが同期されている装置。
【0049】
有利には、テープカッティングアセンブリが筐体と;回転のため筐体上に軸支され、それぞれ回転のために固定されたブレードと金床を有する第1及び第2のローターとを含む装置。
【0050】
本発明のさらに別の態様によれば、基板上にテープ積層ヘッドを移動することと;積層ヘッド上の圧縮ローラーに複合材テープを供給することと;カッティングブレードと金床をほぼ同一の回転速度で回転することと;テープを切断するためにカッティングブレードと金床を使用することと;さらに、基板上にテープを圧縮することとを含む、複合材テープを基板上に積層する方法が提供される。
【0051】
有利には、ブレードと金床を回転することは、ブレードと金床を回転するために別々のモーターを使用することと;モーターの速度を同期させることとを含む装置。
【0052】
有利には、テープの切断は、回転するブレードと回転する金床との間のニップにテープを供給することを含む装置。
【0053】
有利には、テープを切断し圧縮することは、テープセグメント間にほとんど間隙がないように隣接される一連のテープセグメントを切断し圧縮することによって基板上に不連続なテープコースを形成することを含む装置。
【0054】
本発明の別の態様によれば、少なくとも、基板の長さに沿って移動可能な第1の積層機であって、一対の移動可能な支持体と基板の幅を横断して延在し、支持体の各々に結合されるビームを含む第1の積層機と;基板上に複合材テープを積層するためビームに沿って装着され移動可能な第1の積層ヘッドであって、複合材テープの供給、基板上にテープを圧縮するため適用される圧縮ローラー、テープサプライから圧縮ローラーまでテープを供給するためのテープフィードアセンブリを含む第1の積層ヘッドと、さらに圧縮ローラーに供給されたテープをある長さに切断するためのテープカッティングアセンブリであって、テープと共に移動するように装着され、複数の切断角位置のいずれかまで回転可能なカッティングブレードを含むテープカッティングアセンブリとを含む、長さと幅を有する基板上に複合材テープを積層するための別の装置が提供される。
【0055】
有利には、ビームの角度配向の変更を可能にするビートと支持体との間の枢動結合をさらに含む装置。
【0056】
有利には、第1の積層ヘッドが基板の幅を横断して複合材テープを積層し、支持体は基板の長さに沿って互いに相対的に移動可能である装置。
【0057】
有利には、テープカッティングアセンブリは、テープ切断時にテープ及びブレードと共に円弧を通って移動可能な金床を含む装置。
【0058】
有利には、基板の長さに沿って移動可能な第2の積層機であって、基板の幅を横断して延在するビームを含む第2の積層機と;基板の長さに沿って基板上に複合材テープを積層するため第2の積層機のビーム上に装着された第2の積層ヘッドであって、複合材テープの供給、基板上にテープを圧縮するための圧縮ローラー、テープサプライから圧縮ローラーまでテープを供給するためのテープフィードアセンブリ、及び圧縮ローラーに供給されたテープをある長さに切断するためのテープカッティングアセンブリを含む第2の積層ヘッドとをさらに含む装置。
【0059】
有利には、第2の積層ヘッド上のテープカッティングアセンブリは、回転カッターブレード、回転金床、及びブレードと金床をほぼ同一の回転速度でそれぞれ回転するため互いに同期された一対のモーターを含む装置。
【0060】
本発明の別の態様によれば、基板の長さに沿って第1の積層機と基板を相対的に移動することと;基板の幅を横断してテープを積層するため第1の積層機上の第1のテープ積層ヘッドを使用することと;基板の長さに沿って第2の積層機と基板を相対的に移動することと;さらに基板の長さに沿ってテープを積層するため第2の積層機上の第2のテープ積層ヘッドを使用することとを含む、長さと幅を有する基板上に複合材部品レイアップを積層するためのさらに別の方法が提供される。
【0061】
有利には、テープを積層するため第1の積層機上で第1のテープ積層ヘッドを使用することは、基板のエッジに対してほぼ平行にテープの端部を切断することを含む装置。
【0062】
有利には、基板のエッジに対してほぼ平行にテープの端部を切断することは、基板のエッジに対してほぼ平行なブレード配向にカッティングブレードを回転することを含む装置。
【0063】
有利には、基板の幅を横断してテープを積層するため第1の積層機上で第1のテープ積層ヘッドを使用することは、金床に押し当ててテープをある長さに切断するためのカッティングブレードを使用すること、及びテープが切断されるにつれてテープと共にブレードと金床を移動することを含む装置。
【0064】
有利には、基板の長さに沿ってテープを積層するため第2の積層機上で第2のテープ積層ヘッドを使用することは、回転するカッティングブレードと回転する金床との間のニップにテープを通すことと;さらにテープが切断されるにつれてほぼ同一の回転速度でブレードと金床を回転することとを含む装置。
【0065】
有利には、基板の幅を横断してテープを積層するため第1のテープ積層ヘッドを使用することはビームに沿って第1の積層ヘッドを移動することを含み、且つ移動することは第1の積層ヘッドによってテープが基板上に積層される方向をビームの角度配向の変更によって変えることをさらに含む装置。
【0066】
有利には、レイアップ上でトリマーを動かすため第2の積層機を使用して、部品レイアップを最終形状にトリミングすることをさらに含む装置。
【0067】
新規の機能と考えられる有利な実施形態の特徴は、添付の特許請求の範囲に明記される。しかしながら、有利な実施形態と、好ましい使用モードと、さらにはその目的及び利点とは、添付図面を参照して本発明の有利な一実施形態の以下の詳細な説明を読むことにより最もよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図1】複合材料を積層するための装置の機能ブロック図の図解である。
【
図2】複合材料を積層するための方法のフロー図の図解である。
【
図3】
図1に示した装置の一実施形態の平面図の図解である。
【
図4】
図3の中で「
図4」と表示されている領域の平面図の図解である。
【
図5】
図3及び4に示した装置の一部を形成している、非ゼロ配向角プライのレイアップに使用される非ゼロ配向角積層機の等角図の図解である。
【
図6】
図4の中で「
図6」と表示されている方向から見た端面図の図解である。
【
図7】
図5と同様の図解であるが、45度のテープコースをレイダウンするように非ゼロ配向角で再配置された積層機を示す。
【
図9】
図5から8に示した非ゼロ配向角積層機の一部を形成するビーム群の1つの側面図の図解である。
【
図10】
図9に示したビーム群の斜視図の図解である。
【
図11】テープ制御モジュールの1つ並びに
図9及び10に示したビーム群の一部を形成する付随のキャリッジガイドの斜視図の図解である。
【
図12】テープ制御モジュール及び
図11に示した付随のキャリッジの斜視図の図解である。
【
図13】45度プライを形成するため、非ゼロ配向角積層機の連続パス(通過)によって配置されるテープコースを示す図解である。
【
図14】
図5から8に示した非ゼロ配向角積層機を使用して複合材を積層する方法のフロー図の図解である。
【
図15】
図1及び2に示された実質的にゼロ配向角のプライをレイアップするためのゼロ配向角積層機の等角図の図解である。
【
図16】底面から見た
図15に示したゼロ配向角積層機の別の等角図の図解である。
【
図17】
図15及び16に示したゼロ配向角積層機によってレイアップされた1本のテープコースの図解である。
【
図18】
図15及び16に示したゼロ配向角積層機で採用されているテープ制御モジュールの一側面の図解である。
【
図19】
図18に示したテープ制御モジュールの別の側面の図解である。
【
図20】
図19と同様の図であるが、テープ制御モジュールのサブアセンブリを示すため分解されている。
【
図21】
図18から20に示したテープ制御モジュールの一部を形成するカッターローターと金床ローターの端面図である。
【
図22】
図15及び16に示したゼロ配向角積層機によってレイアップされた不連続なテープを有するプライの平面図の図解である。
【
図24】
図15及び16に示したゼロ配向角積層機を使用して複合材を積層する方法のフロー図の図解である。
【
図25】
図5から8に示した非ゼロ配向角積層機で使用されるテープ制御モジュールの1つの一部の等角図の図解である。
【
図26】
図25に示した装置の一部を形成するカッターアセンブリの付加的な詳細を示す斜視図の図解である。
【
図27】切断時のテープ及び金床と共に、
図25及び26に示したカッターアセンブリのカッティングブレードの動きを示す略図の図解である。
【
図28】
図25に示したテープ制御モジュールを使用してテープを積層する方法のフロー図の図解である。
【
図29】基板に対して平行な角度で切断された1つの45度配向角テープコースの図解で、斜め切断によって無駄な領域が回避されることを示している。
【
図30】
図29に示したように基板エッジに平行なテープカットを使用して複合材料を積層する方法のフロー図の図解である。
【
図31】
図25に示したテープ制御モジュールの一部を形成するテープカッターアセンブリの斜視図の図解である。
【
図32】
図31の線32−32に沿って得られた断面図の図解である。
【
図33】
図32と同様の断面図であるが、カッターアセンブリの付加的な詳細を示している。
【
図34】
図26に示すテープ制御モジュールの上面図の図解で、第1の位置にあるブレードローテーターアクチュエータを示している。
【
図35】
図34と同様の図であるが、ブレードローテーターアクチュエータが第2の位置まで作動されたことを示している。
【
図36】異なる回転位置にある
図31に示したカッターアセンブリの図解である。
【
図37】異なる回転位置にある
図32に示したカッターアセンブリの図解である。
【
図38】異なる回転位置にある
図33に示したカッターアセンブリの図解である。
【
図39】
図1及び3に示した装置の電気式及び空気圧式コンポーネントのブロック図の図解である。
【
図40】航空機の製造及び保守方法を示すフロー図の図解である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
最初に
図1を参照すると、テーブル54又はツールを含みうる基板上に複合材部品52をレイアップするための積層装置50は、概して、PC、PLC(プログラマブル論理制御装置)又は他の電子式コントローラを含みうる制御装置86によって、それぞれ自動的に操作される第1の積層機56及び第2の積層機58を含む。テーブル又は基板54及び積層機56、58は相対的に移動可能で、例示的な実施形態では、積層機56、58はテーブル54に対して独立に移動可能であるが、他の実施形態では、この相対運動は、積層機56、58に対してテーブル54を動かすことによって実施されてもよい。テーブル54は、テーブル54の昇降の制御、すなわち部品レイアップ52と積層機56、58との間の垂直距離の制御のためのテーブル昇降制御53を含んでもよい。部品レイアップ52は積層された複合材テープの複数のプライ(図示せず)を含むことがあり、プライの各々は、テーブル54の上又は部品レイアップ52のこれまでに積層されたプライの上に一方向性テープを複数のコース積層することによって形成される。部品レイアップ52のプライは所定のプライ計画に基づく繊維配向を有してもよい。以下でより詳細に説明されるように、積層装置50は航空宇宙産業で使用されるストリンガー及びスパー(図示せず)などの比較的長く幅の狭い部品のレイアップに特に好適である。
【0070】
第2の積層機58はこれ以降、ゼロ配向角積層機58と呼ばれることがあり、概して0度の配向角で一方向性複合材テープの複数のコース(
図1には図示せず)を同時に積層するように適用される。比較的長く、幅の狭い部品レイアップ52の場合には、部品レイアップ52の長さに沿って0度の配向角が延在する。積層機58は、テーブル54を横断して延在し、支持体62、64によって対向する両端部で指示されるクロスビーム60を備えるガントリ57を含む。一又は複数のテープ積層ヘッド66は、ビーム60に沿って運動するように装着される。積層ヘッド66の各々は、部品レイアップ52上で複合材テープ(
図1には図示せず)をある長さに切断、追加及び圧縮するように機能する一又は複数の制御モジュール68を含んでもよい。
【0071】
第1の積層機56はこれ以降、非ゼロ配向角積層機56と呼ばれることがあり、配向角が0度でない配向に沿って一方向性複合材テープを積層する。例えば、限定しないが、第1の積層機56は、部品レイアップ52の長手軸(
図3のX軸)などの基準方向に対して45度、90度、又は135度に配向された一方向性複合材テープを積層することができる。積層方向は他の角度配向も可能である。非ゼロ配向角積層機56は、一対の支持フレーム72、74によって支持されるほぼ平行なビーム群76を備えるガントリ59を含む。支持フレーム72、74は、テーブル54の長さに沿って運動するようにテーブル54上のレール107(
図3及び6)に装着されている。ビーム76の各々は、一又は複数の積層ヘッド78を含む。積層ヘッド78の各々は、積層ヘッド78がビーム76に沿って移動するにつれて、部品レイアップ52上で一方向性複合材テープをある長さに切断、追加及び圧縮するように機能する一又は複数の制御モジュール80を含む。第1のアクチュエータ82の組はビーム76間の間隔を調整するように提供され、且つ第2のアクチュエータ84の組は積層ヘッド78の各々の上のテープ制御モジュール80の隣接するビーム間の間隔を調整するように提供されてもよい。
【0072】
図2は、
図1に示した積層装置50を使用して複合材部品を積層する方法を図解している。初めにステップ88では、第1の非ゼロ配向角積層機56及び基板54は互いに相対的に移動される。既に述べたように、基板はテーブル54、ツール、又はプライレイアップ52の一部を形成する事前に配置されたプライを含んでもよい。ステップ90では、基板54の幅(
図3のY軸98)を横断して、基板54の長さ(X軸98)に対して所望の非ゼロ配向角で複合材テープを積層するため、非ゼロ配向角積層機56上の一又は複数の積層ヘッド78が使用される。ステップ92では、ゼロ配向角積層機58及び基板54は、基板52、54の長さ(X軸98)に沿って互いに相対的に軸方向へ移動される。ステップ94では、基板54の長さに沿って一方向性の複合テープを積層するため、ゼロ配向角積層機58上の一又は複数の積層ヘッド66が使用される。複数のコースの複合材テープを貼付して、複数のプライの部品レイアップ52を形成するため、ステップ88から94は反復されることがある。例示的な実施例では、基板54は固定されており、積層機56、58は基板54に対して可動であるが、他の実施形態では、積層機56、58に対して基板54を動かすことが可能であってもよい。
【0073】
図3及び4は、積層装置50の1つの典型的な実施形態を図解している。積層装置50は3次元のX、Y、Z座標系98の中で動作し、X軸は部品レイアップ52の長さに対応し、Y軸98は部品レイアップ52の幅「W」に対応し、Z軸98はX−Y平面にほぼ鉛直に延在する。積層機56、58は、テーブル表面54a上に部品レイアップ52のプライをレイアップするため、互いに整列され、テーブル54の長さ(X軸98)に沿ってテーブル54のレール107上を独立に移動する。既に述べたように、部品レイアップ52は幅「W」に対して比較的長いことがあり、航空宇宙又は他の応用で使用されるスパー又はストリンガーなどの複合材部品を含んでもよい。例示的な実施例では、テーブル表面54aはほぼ平坦であるが、他の実施形態では、表面54aはある程度の曲率又は起伏を有するツール(図示せず)であってもよい。
【0074】
テーブル表面54aは、部品レイアップ52を加熱して積層速度を高めるために抵抗加熱エレメント(図示せず)を組み込んでもよい。テーブル54は、機械の利用効率を高めるため完成した部品レイアップ52を持ち運べるように、着脱可能及び/又は携帯可能であってもよい。テーブル54は、制御装置86によって動作されるモーター(図示せず)によって、Z軸98に沿って垂直に変位されてもよい。テーブル昇降制御53(
図1)を用いたZ軸98に沿ったテーブル位置の調整機能により、テーブル表面54a(
図1)/部品レイアップ52と積層ヘッド66、78との間の距離を変えることができる。これにより、追加のプライが配置されるにつれて積層部品の厚みの増加を相殺することが可能で、圧縮ストロークを比較的短く保ち、テーブル上表面54aを迅速に交換することができる。
【0075】
ゼロ配向角積層機58の一部を形成するガントリ57は、X軸98に対してほぼ平行に独立に移動可能な一対の支持体62、64に、対向する端部で枢動可能に接続され、横方向に延在するビーム60を備える。支持体62、64は、X軸98に沿って移動するようにテーブル54のレール107上に装着されてもよい。一又は複数の積層ヘッド66は、ビーム60に沿って移動し、テーブル54の幅を横断するように装着される。
【0076】
非ゼロ配向角積層機56の一部を形成するガントリ59はほぼ平行な複数のビーム76を備え、各ビームは対向する端部で横方向に間隔が空けられたフレーム支持体72、74に枢動可能に結合される。フレーム支持体72、74は、テーブル54の長さに沿ってガントリ59を移動させるガントリ駆動モーター103によって、レール107(
図3及び6を参照)に沿って駆動される。代替的に、ガントリ59は、テーブル54の長さに沿ってガントリ59の動きをガイドするため、車輪(図示せず)又は他の構造物によって支持されてもよい。一対のカンチレバーアーム100は、アクチュエータ82、84、テープ制御モジュール80及び積層機58の一部を形成する他の制御されたエレメントに制御装置86(
図1)を結合する柔軟な制御ケーブル102を支持する。
【0077】
図5及び6は、非ゼロ配向角積層機56のさらなる詳細を示している。ガントリ59のフレーム支持体72、74の各々は長方形で、ビーム76の各々の一端部104が通過できる開放された側面72a、74aを含む。ビーム76の各々は、フレーム支持体72、74の一部を形成する水平なフレーム部材72b、74bから吊り下げられる。アクチュエータ82はビーム76とフレーム部材74bとの間に結合され、ピッチすなわちビーム76の間の間隔「D」を調整するように機能する。図解されている実施形態では、ビーム76の各々は3個のテープ制御モジュール群80を備える積層ヘッド78を含む。しかしながら、3個超又は3個未満のテープ制御モジュール80が使用されてもよい。また、4本のビーム76が図解されているが、4本超又は4本未満のビームが使用されてもよい。例示的な実施形態では、積層機56は、基板54の上に4個の積層ヘッド群78が毎回通過することにより、最大12本のテープコースを同時に積層可能である。
【0078】
積層ヘッド78の各々は、ピッチすなわちビーム76上の隣接するテープ制御モジュール80の間の距離「D2」を制御するアクチュエータ84を含む。
図3から6では、ガントリ59は、ビーム76がY軸に対してほぼ平行に整列される90度の配向で図解されており、テープ制御モジュール80は、ほぼ90度の繊維配向を有する一方向性テープをレイダウンするため、ビーム76に沿って横断する。この構成では、フレーム支持体72、74は、X軸98に沿って移動する方向に、互いにほぼ整列されている。
【0079】
フレーム支持体72、74に枢動可能に装着されるビーム76の各々の角度配向を変更するため、フレーム支持体72、74は互いに相対的に、X軸98に対して平行なまま独立に移動可能である。ビーム76の一般的な角度配向は45度、90度及び135度であるが、他の角度配向も可能である。
図7及び8は、ビーム76をX軸98に対して45度の角度で配向するため、互いに相対的にX軸98に沿ってシフトされているフレーム支持体72、74を図解している。ビーム76の角度配向の変更、並びにビーム76に沿った積層ヘッド78の移動方向の変更は、駆動モーター103へ制御信号を送ることによって可能であり、駆動モーターによって支持フレーム72、74のうちの少なくとも一方は、支持フレーム72、74のうちの他方に対してX軸98と平行になるように変位される。支持フレーム72、74は互いに相対的に変位されるため、ビーム76はZ軸98に平行な軸のまわりに所望の角度配向まで枢動する。ビーム76が所望の積層角度まで枢動されると、互いに相対的にテープ制御モジュール80のX軸98に沿った整列は、モジュール80が基板54のエッジでテープのレイダウンを同時に開始できるように調整されてもよい。図解されている実施例では、X軸98に対して45度で配向されているビーム76により、積層ヘッド78は45度の角度配向を有する複数のテープコースを同時にレイダウンする。一連のテープコースがレイダウンされた後、ガントリ59は、積層ヘッド78によって次の一連の非ゼロ配向角テープコースがレイダウンされる次のインデックス位置まで、X軸98に沿って漸次前進させられる。ビーム76は所望の角度まで枢動可能であり、テープ制御モジュール80を互いに相対的に再整列して、非ゼロ配向角のプライの積層を同時に開始することができるため、モジュール80を移動しすぎることなく幅の広い帯状のテープコースをレイダウンすることが可能で、結果的に積層速度を高めることができる。既に述べたように、積層されたばかりのプライの厚みを相殺し、これによって圧縮ストロークを比較的短く保つため、テーブル54は、制御装置86によって動作されるモーター(図示せず)によって、Z軸98に沿って漸増的に変位されてもよい。
【0080】
図9及び10はビーム76の1つ及び関連する積層ヘッド78の付加的な詳細を図解している。ビーム76の各々は、ビームの1つの端部の上のピボット軸受118、及びピボット軸受118から間隔を空けて配置されるピボット滑り軸受120を含む。ビーム76が角度配向を変える際の枢動運動及び直線摺動運動のために、ピボット軸受118はフレーム支持体72の1つにビーム76を枢動可能に結合し、ピボット滑り軸受120は他方のフレーム支持体74にビーム76を結合する。既に述べたように、積層ヘッド78は3個のテープ制御モジュール群80を備えるが、3個超又は3個未満のテープ制御モジュール80が可能である。図解されている実施例では、積層ヘッド78の各々は、基板54上の3本のほぼ平行な一方向性複合材テープを積層する。ここで
図11及び12を参照すると、テープ制御モジュール80の各々が、支持体106の直線レール116に沿って摺動する直線レール移動ブロック110、112を有するキャリッジ108に固定されている。キャリッジ108は、キャリッジ108上に装着されているリニアサーボモーター115によって、レール116に沿って駆動される。支持体106の各々は、ビーム76の1つの上にロックダウンアクチュエータ114によって装着されている。
【0081】
図13は、非ゼロ配向角積層機58を使用して、基板52上に45度の繊維配向角を有する比較的幅の狭いプライ147の積層を図解している。プライ147は、ビーム76上の4個の積層ヘッド78を基板52上に複数回通すことによって形成される。積層ヘッド78の第1のパス124では、矢印145で示したように、互いに間隔を空けた位置関係で、4本のビーム76上の12個のテープ制御モジュール80によって、45度テープ細片132が12本レイダウンされる。第1のパス124の後、ガントリ59はX軸98に沿って増分距離だけ移動され、積層ヘッド78は第2のパス126で第2の45度テープ細片の組をレイダウンする。このレイダウン工程は、テープ細片132がほぼ連続的なプライ147を形成するまで、第3のパス128及び第4のパス130の間に反復される。各プライ147が形成された後、テーブル54(
図4)は、プライ147によって追加された付加的な積層厚を相殺するため、テーブル昇降制御53によってZ軸98に沿って下向きに漸増的に変位されてもよい。
【0082】
図14は、
図5から8に示した積層機56を使用して、基板52又は54の上に複合材テープを積層する方法のステップ全体を図解している。初めにステップ134では、積層機56及び基板52/54は軸98(例示的な実施例では、X軸98となる)に沿って、互いに相対的に移動される。ステップ136では、一又は複数のテープ制御モジュール80は積層機56上でビーム76に沿って移動され、ステップ138では、基板52/54上に少なくとも1本の細片を積層するため、テープ制御モジュール80が使用される。ステップ140では、X軸98に対してビーム78の角度配向を変更することによって、すなわちZ軸98の周りにビーム76を枢動することによって、積層方向が変更される。ステップ134から140で各プライが基板52/54の上に積層された後、テープ制御モジュール80に対する基板52/54の高さ、従ってこれらの間の距離は、積層されたばかりのプライの厚みを相殺するため、Z軸98に沿って調整されてもよい。この調整は、
図3及び4に示したテーブル54の昇降調整によって実施されてもよい。
【0083】
ここで
図15及び16に注目すると、
図1、3及び4で示したゼロ配向角積層機58の付加的な詳細が図解されている。積層機56は、テーブル54の対向する側面上にそれぞれ一対の支持体62、64を備えるガントリ57、及びテーブル54を横断して延在し、支持体62、64によって保持されるビーム60を含む。ビーム60は、
図9及び10に関連して既に説明したピボット軸受118、120に類似する、間隔が空けられたピボット軸受150、152によって、支持体62、64に結合されている。図面には示していないが、ピボット軸受152は
図10に示したピボット滑り軸受120で使用されるものに類似した摺動アセンブリを含んでもよく、これによりピボット軸受152は直線的に摺動することが可能になる。ピボット軸受150、152により、ビーム60はX軸98に対する角度配向を変更することができる。この角度配向の変更は、X軸98に沿って、支持体62、64のうちの一方を、支持体62、64のうちの他方に対して移動することによって達成される。一対のテープ積層ヘッド66は、ビーム66の長さに沿って移動するようにレール148上に装着されている。積層ヘッド66の各々は、以下でより詳細に説明される複数のテープ制御モジュール68を含む。他の実施形態では、積層機58は3個を超える積層ヘッド66又は単一の積層ヘッド66のみを含むことがある。
【0084】
テープ制御モジュール68は、X軸98の方向で部品レイアップ52の長さに沿ってエッジからエッジまで関係付けて、複合材テープの連続または不連続コースをレイダウンしてもよい。しかしながら、
図17に示したようにビーム60の角度配向が変えられることがあるため、X軸98に対するテープコース155の角度配向は変化する可能性がある。幾つかの実施形態では、テープコース155の角度が約0度から5度の間となるような、比較的小さな値でビーム60の角度配向が変更されることがある。しかしながら、他の実施形態では、特定の部品レイアップ52に対して規定されるプライ計画によっては、ビーム60はテープコース155の角度が5度よりも大きく、最大約45度になるような角度配向まで回転されることがある。積層機58によって、約5度から45度までの配向角を有する部品レイアップ52の長さに沿って積層されたテープコース155は、部品に付加的なクロスプライ剛性をもたらすことができ、非ゼロ配向角積層機56による積層に要するクロスプライの数を低減すること及び/又は部品の性能を改善することが可能となる。積層機56は、最終形状の部品になるまでレイアップをトリミングするための超音波トリミングヘッド142、及び積層されたテープの隣接するコース間の間隙を測定するための工程間間隙検査装置144をさらに含んでもよい。トリミングヘッド142を使用して最終形状まで部品レイアップをトリミングすることは有利であるが、これは部品レイアップが硬化した後に部品レイアップを機械加工する必要がなくなり、他の部品と共接着するのではなく、他の部品と共硬化することができるからである。図面には示していないが、テープコース155の角度配向は、Z軸98の周りに回転するため、ビーム66上に積層ヘッド66を装着することによって変更可能である。
【0085】
ここで
図18、19及び20に注目すると、
図15及び16で示した積層機56で使用されているテープ制御モジュール68の1つの付加的な詳細が図解されている。テープサプライアセンブリ160は一方向性テープのリール172を備え、好適な能動的張力及びテープ供給のための停止機構(図示せず)を含んでもよい。テープフィードアセンブリ162はサプライアセンブリ160からテープを引出し、カッターアセンブリ166にテープを供給する。カッターアセンブリ166は、筐体188に装着された一対の同期サーボモーター182、184を備える同期されたカッター駆動システムを含む。サーボモーター182、184は、回転のため筐体188に軸支されるカッターローター190及び金床ローター192をそれぞれ駆動する。カッターローター190及び金床ローター192は共にニップ197(
図18及び21)を形成し、テープはニップの中に供給され、カッターブレード200と金床ローター192上の金床表面195との間で切断される。
【0086】
追加/圧縮アセンブリ179は、リール172から切断された長さのテープ156を基板54(
図18)上に圧縮する圧縮ローラー178までテープをガイドするピンチローラー(
図18)176及び傾斜台186を含む。ピックアップアセンブリ168は、テープ156が圧縮ローラー178まで供給される前にテープ156から剥がされる裏当て紙(図示せず)を拾い上げ、巻き取りリール180に巻きつける。昇降アセンブリ164は、アセンブリ160、162、179、及び186を上昇及び下降させ、圧縮ローラー178によってテープ156に印加される圧縮力を制御する。
【0087】
図21は、
図18から20に示したテープ制御モジュール160で使用されるカッターローター190と金床ローター192の実施形態を図解している。カッターローター190は、ローター本体194に装着された細長いカッターブレード200を含む。ローター本体194の対向する端部上の一対の軸受196は、
図20に示す筐体188上で回転するようにローター190を装着する。ローター本体194に結合されたシャフト198は、サーボモーター182に接続されている。カッターローター190と金床ローター192はテープ156が供給されるニップ197を形成するよう配置されている。金床ローター192は装着軸受191を備える金床本体193、及びブレード200がテープ156を切断するときに押し当てられる金床外表面195を含む。
図19及び20に示したサーボモーター182、184は、カッターローター190と金床ローター192をそれぞれほぼ同一の速度で駆動するように同期されている。
【0088】
図22及び23は、複数のほぼ平行なゼロ配向角テープコース208から形成される典型的な複合材プライ206を図解している。上で述べたカッターと金床の速度同期により、テープ156はカッターアセンブリ166(
図20)に入って連続的に短い細片セグメント208aに切断され、端部と端部が隣接してほぼ隙間なく配置され、不連続なテープコース208を形成することが可能になる。数字210は、コース208の各々が不連続で、切断212によって分離された複数のセグメント208aを含む、プライ206の領域210を含む。
図23で最もよくわかるように、各コース208の隣接するテープセグメント208aは、互いの間隙はほとんど或いは全くなく、ほぼ連続している。テープコース208内で間隙がほとんど或いは全くないように複数の切断片を使用することは、形成時のプライ208のしわの低減又は除去に役立ちうる。プライ208のセクション210のみが複数の切断片212を有するように示されているが、複数の切断片212を有するテープコース208はプライ206の任意の領域に形成されてもよく、又はプライ206の一又は複数或いは全てのコース208全体に渡って延在してもよい。
【0089】
図24は、
図18から20に示したテープ制御装置160を使用して複合材テープを積層する方法を図解している。初めにステップ214では、テープ積層ヘッド66は基板54上に移動され、ステップ216では、テープは積層ヘッド66の一部を形成する一又は複数のテープ制御モジュール160の圧縮ローラー178へ供給される。ステップ218では、カッティングブレード200と金床192はほぼ同一の速度で回転され、ステップ220では、テープを不連続な細片又はセグメント208aに切断するため、ブレード200と金床192が使用される。ステップ222では、不連続なテープ細片又はセグメント208aは基板54上に圧縮される。最後に、ステップ214から222でプライが基板54の上に積層された後、積層ヘッド66に対する基板54の高さ、従ってこれらの間の距離は、積層されたばかりのプライの厚みを相殺するため、Z軸98に沿って調整されてもよい。この調整は、
図3及び4に示したテーブル54の昇降調整によって実施されてもよい。
【0090】
ここで
図25及び26に注目すると、積層ヘッド78(
図1、5から12)で使用されているテープ制御モジュール80の1つの一部が図解されている。テープ追加/カッターアセンブリ226は、積層ヘッド78の移動方向(図示せず)に対して垂直に延在する軸234の周りで枢動運動するように、トラニオン232によってサブフレーム230上に装着されている。サブフレーム230は、摺動アセンブリ228によって直線的に昇降運動するように、メインフレーム224に装着されている。枢動アセンブリ226は、金床250上を通過するテープ(図示せず)を切断するアセンブリ226のほぼ中心に配置されている、往復運動するギロチン式カッターブレード238を含む。ローラー242は、テープ切断時に金床250に押し当てられる位置にあるブレード238を保持する。テープ/追加/カッターアセンブリ226は、テープの端部を一貫して正確に配置する。後でより詳細に説明されるように、カッターブレード238は、
図13に関連して既に説明されているような斜めのテープ切断を行うため、複数の切断位置のいずれかまで、アクチュエータ240によって回転されてもよい。
【0091】
とりわけ
図26を参照すると、テープ制御モジュール80上のテープサプライ(図示せず)からの複合材テープは、ガイド244を通りローラー246を横断して、枢動テープ追加/カッターアセンブリ226まで供給され、ここで複合材テープはブレード238によって切断され、サブフレーム230上の圧縮ローラー236によって基板(図示せず)に圧縮される。テープ切断時には、枢動アセンブリ226は、ブレード238がテープを通過して金床250上でテープを切断するにつれて、軸234の周りに枢動する。
【0092】
図28は、枢動アセンブリ226によって「進行中」に行われるテープ切断を図式的に説明している。切断中には、ブレード238と金床250は、256で示した位置から258で示した位置まで、円弧252を通って互いに移動する。256では、ブレード238は下方254に移動して最初にテープ156を嵌合する。ブレード238と金床250が引き続き円弧252に沿って移動し、258でテープが切断されるまで、ブレード238はテープ156を通過して金床250を越える。したがって、ブレード238は、切断中及び切断が完了するまで、金床250及びテープ156と共に移動する。切断の「進行中」における、ブレード238とテープ156の同時運動の結果として、テープ156の張力の突出は低減され、圧縮ローラー236へのテープの滑らかな供給が促進され、その後の圧縮でテープが基板から持ち上がる可能性は低下する。
【0093】
図28は、
図25及び26に示した枢動カッターアセンブリ226を採用するテープの積層ヘッド78を使用して、基板54上に複合材テープを積層する方法のステップを図解している。初めにステップ270では、テープ積層ヘッド78は基板上に移動され、ステップ272ではテープは圧縮ローラー236へ供給される。ステップ274では、ブレード238はヘッド78が移動を続ける間にテープをある長さに切断するのに使用される。ブレード238は切断時にテープと共に移動される。ステップ276では、切断されたテープは基板54上に圧縮される。
【0094】
ここで
図29を参照すると、
図13に関連して既に説明したように、
図26及び27に示した種類のテープ制御モジュール80を採用する積層ヘッド78は、基板52のエッジ52aとほぼ平行にテープコース132の端部85が斜めに切断される基板54上に、非ゼロ配向角テープコース132を積層するために採用されてもよい。テープ132の縦方向エッジ135に対して垂直ではなく、基板エッジ52aにほぼ平行にテープ132の端部85を切断することによって、斜線領域132aによって示されるテープ領域の無駄が回避される。このような斜めのテープ切断は、基板エッジ52aに対してほぼ平行になるようにカッターブレード238を回転することによって実現される。
【0095】
図30は、
図29に示した斜めのテープ切断を用いる基板54上への非ゼロ配向角テープコースの積層方法を図解している。初めにステップ280では、積層ヘッド78は基板54のエッジ52aに対して斜めの角度137(
図29)で、基板54上に移動される。ステップ282では、ヘッド78が基板54上に移動するにつれてテープ132はある長さに切断され、テープ132は基板エッジ52aに対してほぼ平行に切断される。ステップ284では、切断されたテープ132は基板54上に圧縮される。
【0096】
図31、32及び33は、
図25及び26に関連して既に説明されている枢動追加/カッターアセンブリ226の付加的な詳細、並びに上述のように行われる斜めのテープ切断を可能にする機能を具体的に図解している。カッターアセンブリ226は、筐体288内部で回転可能な軸受314を有するシリンダ248を備えるローターアセンブリ245を含む。シリンダ248は、シリンダ248と共に回転するシリンダトップ290を含む。シリンダ248内部で往復運動するピストン300は、ブレード238の上端部に固定されている。ブレード238は、切断時に樹脂がブレードに粘着するのを避けるため、窒化チタン又はPVD(物理蒸着)などの好適な非付着性被覆を有してもよい。テープ支持体286と共に金床250は、金床アーム305によってシリンダ248に接続されており、その結果、筐体288内部のシリンダ248と共に回転可能となっている。ブレードラッチ308はブレード238をピストン300に固定し、さらにアセンブリ226の底部からブレードの取り外し及び交換を可能にするように解放される。フォームダンパー298は、ピストンが運動の上端に到達したときピストン300の運動を緩衝するため、ピストン300とシリンダトップ290との間に提供されてもよい。
【0097】
ピストン300、及びブレード238の往復運動は、吸気ポート296を通ってカッターアセンブリ226に入る圧搾空気によって駆動される。
図33で最もよくわかるように、吸気ポート296に入る空気は、電気ボイスコイル294によって制御されるスプールバルブ308を通過する。切断サイクル時にバルブ308を通過できた圧搾空気は、バルブポート310とシリンダトップ290からシリンダ248に入る。シリンダ248及びブレード238の回転位置に応じて、バルブ308をシリンダ248にそれぞれ接続する複数対のバルブポート310が提供される。シリンダ248に入る圧搾空気はピストン300を、したがってブレード238を下方に押し、テープを金床250に押し当ててある長さに切断する。ボイスコイル294は例外的に高速で動作し、スプールバルブ308を高速で作動及び後退させ、ブレード238による迅速な切断ストロークを促進する。
【0098】
図34及び35は、
図25及び26に示された3点配置リニアアクチュエータ240とシリンダトップ290との間の機械的接続を図解している。例示的な実施例では、リニアアクチュエータは空気圧で動作される3点配置シリンダであるが、他の形態のアクチュエータも可能である。3点配置アクチュエータ240は、出力シャフト240aを任意の3つの直線位置まで直線的に変位させる。出力シャフト240aはシリンダトップ290に枢動可能に接続され、シリンダトップ290をシリンダ248、ブレード238、及び金床250と共に、所望の数の回転位置のいずれかまで、例示的な実施形態ではテープ制御モジュール80の移動方向に対して45度、90度及び135度まで回転する。
図36、37及び38はそれぞれ、45度、135度及び90度の切断位置までのブレード238の回転を図解している。
【0099】
図39は装置50の制御コンポーネントを示す機能ブロック図である。既に示したように、制御装置86はPC、PLC又は他の電気制御デバイスを備え、各積層機56、58上の一連の空気式及び電気式制御、及びテーブル昇降制御53を制御するように機能する。制御装置86によって制御される第1の積層機56の要素は、カッタードライブ322、テープ制御モジュール機能324、テープ制御モジュールリニアモーター115、ビーム間隔調整アクチュエータ82、テープ制御モジュールアクチュエータ84、及びガントリ駆動モーター102を含む。制御装置86はガントリフレームドライブ102を動作してガントリ59を漸増的に前進させ、
図13に関連して説明したように、ビーム群76を次の積層位置まで進ませる。フレーム支持体72、74を互いに対して相対的に変位させることによって、ガントリフレームドライブ102がビーム76の積層角度を変えると、制御装置86は、モジュール80は基板54の開始エッジ(例えば、
図13のエッジ52a)に沿ってテープの配置を同時に開始できるように、ビーム76に沿って互いに対して相対的にモジュール80を再調整するテープ制御モジュールリニア駆動モーター115に制御信号を送る。
【0100】
積層機58の場合には、制御装置86は、ガントリ移動ドライブ318、ブレードローターモーター182、金床ローターモーター184、及び、例えば限定しないが、圧縮圧力のほかにテープ追加及び切断機能を含むテープモジュール制御機能320を制御する。制御装置86はまた、部品レイアップ52を最終形状まで切断するために使用しうる積層機58上の一又は複数のトリミングヘッド53の動作を制御することができる。サーボモーター182、184の速度は、既に説明したように、制御装置86によって同期される。ガントリドライブ318は、例えば限定しないが、ガントリビーム60を横断して積層ヘッド66を駆動するモーター(図示せず)に加えて、テーブル54の長さに沿ってガントリ57(
図15及び16)を駆動するホイールモーター(図示せず)を含んでもよい。
【0101】
本開示の実施形態は、特に、例えば航空宇宙、船舶、自動車の応用、及び自動化レイアップ装備が使用される他の応用を含む輸送産業の分野で、様々な潜在的な応用に用途を見出すことができる。したがって、
図40及び41に示したように、本開示の実施形態は、
図40に示す航空機の製造及び保守方法326、及び
図41に示した航空機328に関して使用することが可能である。本開示の実施形態による航空機の用途は、例えば、限定しないが、スパー及びストリンガーなどのスティフナー部材のレイアップを含みうる。製造前の段階では、例示的な方法326は、航空機328の仕様及び設計330及び材料の調達332を含みうる。製造段階では、航空機328のコンポーネント及びサブアセンブリの製造334と、システムインテグレーション336とが行われる。したがって、航空機328は運航340に供するために、認可及び納品388が行われる。顧客により運航される間に、航空機328は定期的な整備及び保守342(改造、再構成、改修なども含みうる)を受ける。
【0102】
方法328の各工程は、システムインテグレーター、第三者、及び/又はオペレーター(例えば顧客)によって実施又は実行されうる。本明細書の目的のために、システムインテグレーターは、限定しないが、任意の数の航空機メーカー、及び主要システムの下請業者を含むことができ、第三者は、限定しないが、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含むことができ、オペレーターは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などでありうる。
【0103】
図41に示すように、例示的な方法326によって製造された航空機328は、複数のシステム346及び内装348を有する機体344を含むことができる。高レベルのシステム346の例には、推進システム350、電気システム352、油圧システム354、及び環境システム356のうちの一又は複数が含まれる。任意の数の他のシステムが含まれていてもよい。航空宇宙産業の例を示したが、本開示の原理は、海運及び自動車産業などの他の産業にも適用しうる。
【0104】
ここで実施されるシステム及び方法は、製造及び保守方法326の一又は複数の任意の段階で用いられる。例えば、製造工程334に対応するコンポーネント又はサブアセンブリは、航空機328の運航中に製造されるコンポーネント又はサブアセンブリと同様の方法で作製又は製造することができる。また、一又は複数の装置の実施形態、方法の実施形態、或いはそれらの組み合わせは、例えば、航空機328の組立てを実質的に効率化するか、又は航空機328のコストを削減することにより、製造段階334及び336の間に利用することができる。同様に、一又は複数の装置の実施形態、方法の実施形態、或いはそれらの組み合わせを、航空機138の運航中に、例えば限定しないが、整備及び保守342に利用することができる。
【0105】
種々の有利な実施形態の説明は、例示及び説明を目的として提示されているものであり、網羅的な説明であること、又は開示された形態に実施形態を限定することを意図していない。当業者には、多数の修正例及び変形例が明らかであろう。さらに、種々の有利な実施形態は、他の有利な実施形態に照らして異なる利点を提供することができる。選択された一又は複数の実施形態は、実施形態の原理、実際の応用を最もよく説明するため、及び他の当業者に対し、様々な実施形態の開示内容と、考慮される特定の用途に適した様々な修正との理解を促すために選択及び記述されている。
また、本願は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
基板上に複合材テープを積層するための装置であって、
第1の軸に沿って前記基板に対して移動可能な積層機で、間隔を空けて配置された第1と第2の支持体及び第2の軸に沿って前記基板を横断して延在するビームを含む積層機;
前記第1の軸に対して前記ビームの角度配向の変更を可能にするため、前記ビームと前記支持体の各々との間の枢動結合;及び
前記基板上に複合材テープを積層するため前記ビームの上の少なくとも1つのテープ積層ヘッド
を備える装置。
(態様2)
前記積層機は前記基板上に複合材テープを積層するため、複数の前記ビーム及び前記ビームの各々の上のテープ積層ヘッドを含み、前記装置は、
前記第1の軸に対して前記ビームの各々の角度配向の変更を可能にするため、前記ビームの各々と前記支持体との間の複数の枢動結合をさらに含む、態様1に記載の装置。
(態様3)
前記支持体は前記第1の軸にほぼ平行な方向に互いに独立に移動可能である、態様1又は2に記載の装置。
(態様4)
前記ビームが前記1つの支持体に対して摺動することを可能にするため、前記ビームと前記支持体の1つとの間に摺動可能な接続をさら備える、態様1から3のいずれか一項に記載の装置。
(態様5)
前記テープ積層ヘッドは、
前記ビームに沿ってほぼ平行に移動するように装着された複数のキャリッジ;
前記基板に複合材テープの1本の細片をレイダウンするための前記キャリッジの各々に載せられた少なくとも1つのテープ制御モジュール;及び
前記ビームの角度配向が変更されたとき、前記テープ制御モジュールを互いに相対的に位置調整するための手段
を含む、態様1から4のいずれか一項に記載の装置。
(態様6)
基板上に複合材テープを積層する方法であって、
軸に沿ってテープ積層機及び前記基板を相対的に移動すること;
前記積層機上のビームに沿ってテープ制御モジュールを移動すること;
前記テープ制御モジュールを使用して、前記基板上に複合材テープの少なくとも1本の細片を積層すること;及び
前記軸に対して前記ビームの前記角度配向を変更すること
を含む方法。
(態様7)
前記ビームの前記角度配向を変更することは、前記ビームを旋回することによって実施される、態様6に記載の方法。
(態様8)
前記ビームの前記角度配向を変更することは、前記ビームの端部上で2つの支持体をそれぞれ相対的に移動することによって実施される、態様6又は7に記載の方法。
(態様9)
前記軸に対する前記ビームの前記角度配向を変更することは前記支持体の1つに対する前記ビームの直線的な摺動を含み、前記方法は、
前記ビームの角度配向の変化に基づいて、前記テープ制御モジュールの位置の始動を変更することをさらに含む、態様6から8のいずれか一項に記載の方法。