特許第5989123号(P5989123)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ チャイナ ナショナル リサーチ インスティテュート オブ フード アンド ファーメンテーション インダストリーズの特許一覧

<>
  • 特許5989123-天然青果物の酵素飲料とその調製方法 図000002
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989123
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】天然青果物の酵素飲料とその調製方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/84 20060101AFI20160825BHJP
   A23L 2/02 20060101ALI20160825BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
   A23L2/34
   A23L2/02 E
   A23L2/00 F
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-528840(P2014-528840)
(86)(22)【出願日】2012年9月5日
(65)【公表番号】特表2014-525273(P2014-525273A)
(43)【公表日】2014年9月29日
(86)【国際出願番号】CN2012081021
(87)【国際公開番号】WO2013034080
(87)【国際公開日】20130314
【審査請求日】2014年5月1日
(31)【優先権主張番号】201110263097.1
(32)【優先日】2011年9月7日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】313005248
【氏名又は名称】チャイナ ナショナル リサーチ インスティテュート オブ フード アンド ファーメンテーション インダストリーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(74)【代理人】
【識別番号】100129610
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 暁子
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ、 ムウイー
(72)【発明者】
【氏名】グウ、 ルイズオン
(72)【発明者】
【氏名】ルウ、 ジュイン
(72)【発明者】
【氏名】イー、 ウェイシュエ
(72)【発明者】
【氏名】ドーン、 ジョー
(72)【発明者】
【氏名】マー、 ヨン
(72)【発明者】
【氏名】パン、 シンチャン
(72)【発明者】
【氏名】シュイ、 ヤーグアン
(72)【発明者】
【氏名】マー、 ヨンチン
(72)【発明者】
【氏名】リン、 フオン
(72)【発明者】
【氏名】ジン、 ジェンタオ
(72)【発明者】
【氏名】リウ、 ウェンイン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、 リアン
(72)【発明者】
【氏名】ルウ、 ルウ
【審査官】 田中 耕一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−254528(JP,A)
【文献】 特開2001−190251(JP,A)
【文献】 特開2010−130945(JP,A)
【文献】 特開2008−194010(JP,A)
【文献】 特開2008−283948(JP,A)
【文献】 特開2003−111580(JP,A)
【文献】 特開平03−172147(JP,A)
【文献】 特開2003−210133(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 2/84
A23L 2/02
A23L 2/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然青果物の酵素飲料の製造方法であって、ここで、酵素飲料は、乳酸菌および酵母を用いた発酵基質の段階的な発酵によって調製され、発酵基質は、青果物の軟塊および海産魚皮コラーゲンペプチド粉末を含有し、青果物の軟塊は、少なくとも2種以上の青果物を搾汁し、それらを混合することによって調製される、天然青果物の酵素飲料の製造方法
【請求項2】
発酵基質は青果物の軟塊および海産魚皮コラーゲンペプチド粉末を含有し、青果物の軟塊は、少なくとも2種以上の青果物ならびに1種または複数種の食用菌類および海藻を搾汁し、それらを混合することによって調製される、請求項1に記載の方法
【請求項3】
海産魚皮コラーゲンペプチド粉末は、1000未満の平均分子量を有する、請求項1または2に記載の方法
【請求項4】
以下のステップ:
(1)発酵基質の調製:基本的に同じ重量比の少なくとも2種の青果物を搾汁し、それらを混ぜて青果物ジュースを形成し、青果物ジュースを基本的に同じ体積の精製水で希釈して青果物の軟塊を形成し、軟塊中に2〜3%(w/v)の海産魚皮コラーゲンペプチド粉末を加え、高温滅菌して冷却するステップ;
(2)乳酸菌による発酵:発酵基質中に、発酵基質を基準として2〜4U/1000Lの乳酸菌スターター菌を加え、発酵を30〜35℃の温度で行い、pHが4.3に達したら終了し、乳酸菌発酵液を形成するステップ;
(3)酵母による発酵:乳酸菌発酵液中に、蔗糖および1.0〜1.5%(w/v)の海産魚皮コラーゲンペプチド粉末を加え、高温滅菌し、冷却し、次いで0.08〜0.12%(w/v)の高活性乾燥酵母を加え、発酵を25〜30℃の温度で行い、pHが4.0に達したら終了し、続いて、結果として生じる発酵生成物を高温で滅菌し、それを冷却し、酵母発酵液を形成するステップ;および
(4)均質化、濃縮および混合:酵母発酵液を均質化し、濃縮および混合して、酵素飲料を得るステップ
を含む方法によって調製される、請求項1に記載の方法
【請求項5】
前記方法が、さらに以下の:
均質化し、10Brixに濃縮後、酵母発酵液を遠心分離し濾過し、結果として生じる濾液に甘味料を加えて混合し、次いで、濾過し滅菌するステップ
を含む、請求項4に記載の方法
【請求項6】
前記方法が、さらに以下の:
濾液の重量を基準として、0.5〜1.0%のマルチトール、0.1〜0.2%のガラクトオリゴ糖および0.01〜0.02%のアセスルファムを濾液中に加えるステップと、それらを混合するステップと、続いて、再び濾過し滅菌するステップと
を含む、請求項5に記載の方法
【請求項7】
天然青果物の酵素飲料を調製する方法であって、以下のステップ:
(1)発酵基質の調製:基本的に同じ重量比の2種以上の新鮮な青果物を洗浄し、切った後、搾汁し、それらを混合して青果物ジュースを形成し、ジュースを基本的に同じ体積の精製水で希釈して青果物の軟塊を形成し、軟塊中に2〜3%(w/v)の海産魚皮コラーゲンペプチド粉末を加え、次いで、結果として生じる混合物を発酵槽で高温滅菌し、冷却するステップ;
(2)乳酸菌による発酵:発酵基質中に2〜4U/1000Lの乳酸菌スターター菌を加え、発酵を30〜35℃の温度で行い、pHが4.3に達したら終了し、乳酸菌発酵液を形成するステップ;
(3)酵母による発酵:乳酸菌発酵液中に、適当量の蔗糖および1.0〜1.5%(w/v)の海産魚皮コラーゲンペプチド粉末を加え、結果として生じる混合物を高温滅菌し、冷却し、次いで、0.08〜0.12%(w/v)の高活性乾燥酵母を加え、発酵を25〜30℃の温度で行い、pHが4.0に達したら終了し、続いて、高温滅菌し、冷却して、酵母発酵液を形成し、次いで、それを14〜21日間、8〜12℃で貯蔵するステップ;および
(4)均質化、濃縮および混合:酵母発酵液を40MPaで10〜15分間均質化し、60〜80℃で10Brixに濃縮し;2500〜3500rpmで15〜25分間遠心分離して濾過し;結果として生じる濾液に甘味料を加え混合し、次いで、濾過し、低温殺菌して酵素飲料を得るステップ
を含む、方法。
【請求項8】
濾過し低温殺菌するステップの前に、0.5〜1.0%のマルチトール、0.1〜0.2%のガラクトオリゴ糖および0.01〜0.02%のアセスルファムを濾液中に加え、酵素飲料を得る、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
発酵基質を調製するステップが、さらに、前記新鮮な青果物と基本的に同じ重量比を有する1種または複数種の食用菌類および海藻を搾汁するステップと、次いで、それらを青果物ジュースと共に混ぜるステップとを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(1)および(3)で用いられる海産魚皮コラーゲンペプチド粉末が1000未満の平均分子量を有する、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然青果物の酵素飲料およびその調製方法、特に、乳酸菌および酵母を用いた段階的発酵によって天然青果物の発酵飲料を製造する技術に関し、食品および飲料技術の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
果物および野菜ジュース飲料は、それらの美味しい味覚と豊かな栄養分によって特徴付けられ、かつヒトの身体の有害な「フリーラジカル」を取り除くことができる天然の酸化防止剤を含有している。しかしながら、通常の青果物ジュース飲料の品質と風味は貯蔵時間と共に変化し、したがって保存料、酸化防止剤および安定剤を加える必要がある。微生物発酵によって作られた酵素飲料は、青果物ジュースの安定性を高め、保存料の添加によって生じるヒトの身体への害を取り除くのみではなく、青果物ジュースの本来の栄養分を保持しながら、また、様々な風味物質を生成し、栄養価を高め、かつ消化および吸収を助ける。
【0003】
青果物ジュースの微生物発酵により酵素飲料を調製するプロセスによって、青果物中の炭水化物、タンパク質、脂質などの代謝反応を促進し、多数の一次および二次代謝産物を生産かつ蓄積し、有機酸、オリゴ糖、糖アルコール、酵素、オリゴペプチドおよびポリフェノールなどのような様々な有益な成分を生成することができる。一方で、結果として得られる酵素飲料はまた、青果物中に本来含有されている栄養および機能的成分ならびに微生物そのものを含有している。これらの有益な成分は、有益な腸の細菌の増殖を促進し、有害な細菌の繁殖および腐敗物質の形成を抑制することができ、それによって、腸内フローラのバランスを調節したり、免疫を高めたり、睡眠を促進したり老化を遅らせるなどのような、ヒトにおける様々な有益な効果をもたらす。このようにして、天然青果物から調製された酵素飲料は、それらの栄養および健康機能と、独特な風味とのために、広く消費者に支持されている。
【0004】
現在、青果物ジュースの酵素飲料または発酵飲料は、大部分が単一菌株または複合菌株を用いた一段階発酵を採用している。例えば、中国特許出願CN200410045421.2は、ラクトバチルス プランタラム菌およびストレプトコッカス クレモリス菌の混合物を用いた一段階発酵によって作られた複合青果物ジュース飲料ならびにその調製方法を開示している。中国特許出願CN200810042081.6は、ラクトバチルス プランタラム菌およびラクトバチルス ブルガリクス菌の混合物を用いた一段階発酵により野菜ジュース飲料を調製する方法を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、乳酸菌および酵母を用いた天然青果物の段階的発酵の方法を提供し、この方法は、発酵プロセスをより十分に、天然青果物中に含有される栄養分の代謝をより完全にすることができ、かつより多くの風味物質および栄養分を生成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、天然青果物の酵素飲料を提供し、この酵素飲料は、混合物ジュース中に乳酸菌と酵母をそれぞれ接種することにより、青果物混合物ジュースの段階的発酵によって調製され、また、天然青果物混合物に由来する活性物質、および、乳酸菌と酵母の発酵によって生産される代謝物を利用することにより、調製された酵素飲料は、美味しく、ヒトの身体に有益な栄養分を含有し、栄養的機能および健康的機能の両方を備えている。また、本発明は、酵素飲料を調製する方法を提供する。
【0007】
本発明は、天然青果物の酵素飲料を提供し、この酵素飲料は、乳酸菌および酵母による発酵基質の段階的発酵によって調製され、ここで、この発酵基質は、青果物の軟塊および海産魚皮コラーゲンペプチド粉末を含有し、この青果物の軟塊は、少なくとも2種以上の青果物を搾汁し、それらを混合することによって調製される。
【0008】
本発明の実施形態によれば、発酵基質は青果物の軟塊および海産魚皮コラーゲンペプチド粉末を含有し、青果物の軟塊は、少なくとも2種以上の青果物ならびに1種または複数種の食用菌類および海藻を搾汁し、それらを混合することによって調製される。
【0009】
本発明の酵素飲料において、海産魚皮コラーゲンペプチド粉末は、1000未満の平均分子量を有する。
【0010】
本発明の実施形態による酵素飲料は以下のステップを含む方法によって調製することができる。
【0011】
(1)発酵基質の調製:基本的に同じ重量比の少なくとも2種の青果物を搾汁し、それらを混ぜて青果物ジュースを形成し、ジュースを基本的に同じ体積の精製水で希釈して、青果物の軟塊を形成し、軟塊中に2〜3%(w/v)の海産魚皮コラーゲンペプチド粉末を加え、次いで高温滅菌し冷却する。
【0012】
(2)乳酸菌による発酵:発酵基質中に、発酵基質を基準として2〜4U/1000Lの乳酸菌スターター菌を加え、発酵を30〜35℃の温度で行い、pHが4.3に達したら終了し、乳酸菌発酵液を形成する。
【0013】
(3)酵母による発酵:乳酸菌発酵液中に、蔗糖および1.0〜1.5%(w/v)の海産魚皮コラーゲンペプチド粉末を加え、高温滅菌し、冷却し、次いで0.08〜0.12%(w/v)の高活性乾燥酵母を加え、発酵を25〜30℃の温度で行い、pHが4.0に達したら終了し、続いて、得られた発酵生成物を高温で滅菌し、冷却して、酵母発酵液を形成する。
【0014】
(4)均質化、濃縮および混合:酵母発酵液を均質化し、濃縮および混合して、酵素飲料を得る。
【0015】
酵素飲料を調製する上記の方法において、酵母発酵液を、最初に均質化して10Brixに濃縮し、次いで、遠心分離と濾過にかけることができる。結果として得られる濾液に、濾液の重量を基準として、0.5〜1.0%のマルチトール、0.1〜0.2%のガラクトオリゴ糖および0.01〜0.02%のアセスルファムを加え、続いて、再び濾過と滅菌を行う。
【0016】
本発明の実施形態は、以下のステップを含む、天然青果物の酵素飲料を調製する方法もまた提供する。
【0017】
(1)発酵基質の調製:基本的に同じ重量比の2種以上の新鮮な青果物(一般的な野菜および果物の他に、1種または複数種の食用菌類および海藻を含む)を洗浄し、切った後、搾汁し、それらを混合して青果物ジュースを形成し、ジュースを基本的に同じ体積の精製水で希釈して青果物の軟塊を形成し、軟塊中に2〜3%(w/v)の海産魚皮コラーゲンペプチド粉末を加え、次いで、結果として得られる混合物を発酵槽で高温滅菌し、冷却する。
【0018】
(2)乳酸菌による発酵:発酵基質中に2〜4U/1000Lの乳酸菌スターター菌を加え、発酵を30〜35℃の温度で行いpHが4.3に達したら終了し(通常7〜11日)、乳酸菌発酵液を形成する。
【0019】
(3)酵母による発酵:乳酸菌発酵液中に、適当量(例えば、発酵基質への補充として、1〜1.5%(w/v))の蔗糖および1〜1.5%(w/v)の海産魚皮コラーゲンペプチド粉末を加え、結果として得られる混合物を高温滅菌し、冷却し、次いで、0.08〜0.12%(w/v)の高活性乾燥酵母を加え、発酵を25〜30℃の温度で行い、pHが4.0に達したら終了し(通常5〜7日)、続いて、高温滅菌して冷却し、酵母発酵液を形成し、次いで、それを8〜12℃で14〜21日間、タンクで貯蔵する。
【0020】
(4)均質化、濃縮および混合:酵母発酵液を40MPaで10〜15分間均質化し;例えば二重効用低温濃縮機により60〜80℃で約10Brixに濃縮し;2500〜3500rpmで15〜25分間遠心分離し;例えば有機膜精密濾過フィルターにより濾過し;結果として得られる濾液に甘味を加え混合し;次いで、濾過し、低温殺菌し、酵素飲料を得る。
【0021】
様々なグループの人々の要求を満たし、蔗糖の摂取を減らすために、甘味料を最終生産物に混合するために使用することができる。好ましい実施形態では、0.5〜1.0%のマルチトール、0.1〜0.2%のガラクトオリゴ糖および0.01〜0.02%のアセスルファムを濾液中に加え、次いで、濾過のために、例えば有機膜精密濾過フィルターを使用し、滅菌処理がその後に続く。
【0022】
本発明の酵素飲料は、経口液体生産プロセスに従って、充填して密封し、低温殺菌によって滅菌することができ、4〜10℃の低温で貯蔵される、経口液体の形態の飲料製品が調製される。
【0023】
本発明において、乳酸菌スターター菌は市販されているダイレクトバットセット(凍結乾燥)の乳酸菌スターター菌であってよい。
【0024】
本発明において、原材料としての新鮮な青果物は任意の果物および野菜であってよい。適切な果物および野菜は、人々の異なる好み、味覚、および機能の要求、または生産地域のそれらの供給状況に応じて、互いに、調和し混合できるように選ぶことができる。当然、総合的に栄養と味覚を考慮すれば、果物と野菜の組み合わせを選ぶことが好ましく、果物または野菜は、それぞれ、異なった種類の果物または野菜の組み合わせであることが好ましい。さらに、食用菌類および海藻は特に限定されず、人々の好み、味覚、および機能の要求に応じて選ぶことができる。従って、以下の例では、本発明の実施形態を説明するためにいくつかの原材料を単に例示的に列挙するが、本発明の原材料を限定するものではなく、取り合わせおよび組み合わせについて調節することができる。
【0025】
本発明において、用語「青果物ジュース」は、さらなる濾過処理をせずに原材料としての青果物の汁を直接搾汁することによって得られる生産物のことを表す。従って、得られた生産物は青果物の繊維を含有し得る。原材料が食用菌類および海藻を含有する場合は、それらを搾汁することによって得られる生産物もまた青果物ジュースに属する。
【0026】
本発明による方法は、発酵基質を調製するステップにおいて、1種または複数種の食用菌類および海藻を搾汁し、それらを青果物ジュースと混ぜることをさらに含むことができる。
【0027】
ステップ(1)および(3)において記載された海産魚皮コラーゲンペプチド粉末は、1000未満の平均分子量を有する。
【0028】
海産魚皮コラーゲンペプチド粉末は、本明細書で用いられる場合、魚皮のコラーゲンオリゴペプチドとも呼ばれるが、その主成分として1000未満の分子量を有するオリゴペプチド(短ペプチド)を有する、原材料としての高緯度地域の深海鮭の皮の前処理、酵素分解、分離、精製および乾燥によって得られる粉末生産物であり得る。海産魚皮コラーゲンペプチドは、90%以上のタンパク質含有量、水への優れた溶解性、酸−塩基安定性を有し、酸性条件下においてでさえ完全に溶解することができ、良好な乳化特性および発泡特性などのような良好な加工特性を有する。海産魚皮コラーゲンペプチドは、生理活性ペプチドとして栄養および健康機能もまた有する。海産魚皮コラーゲンペプチドは、高い消化および吸収率のため、食品栄養強化用およびアミノ酸バランス栄養補助剤として主に用いられる。その上、海産魚皮コラーゲンペプチドは、栄養分に富み、特有な加湿特性を有するため、皮膚に潤い、滑らかさおよび弾力性をもたらすことができ、また外面的には日光によるダメージから皮膚を守り、内面的にはフリーラジカルによるダメージから皮膚を守ることができる。青果物飲料を調製するための発酵プロセスにおいて、海産魚皮コラーゲンペプチドを窒素の栄養補助の一つとして用いることは、本発明の革新であり、乳酸菌および酵母の増加と代謝を良く促進することができる。一方、海産魚皮コラーゲンペプチドはまた、それ自身の栄養および健康機能により、発酵した青果物ジュース生産物の栄養的および機能的特性を高める。
【0029】
本発明の海産魚皮コラーゲンペプチド粉末は、市販製品であり、そのいくつかは海産魚オリゴペプチド粉末とも呼ばれ、GB/T22729−2008に従って、国の基準<海産魚のオリゴペプチド粉末>に準拠している。
【0030】
上記から、本発明は、健康機能を有する酵素飲料を提供し、この飲料は美味しいだけではなく、栄養的機能および健康的機能両方を有し、病気を予防することができることを理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施形態による調製プロセスのフロー図である。
【実施例】
【0032】
本発明は、以下の実施形態によってさらに説明されるが、これらの実施形態に限定されない。これらの実施形態は、本発明の範囲を限定することは全く意図していない。当業者によって、添付の請求項の範囲内で様々な変更および修正が本発明になされてもよく、これらもまた本発明の範囲内に含まれるとみなされるべきである。
【0033】
実施例1
プロセスは、図1に示す通りである。新鮮な白いリンゴ、パイナップル、赤ぶどう、豊水梨、トマト、キャベツ、セロリおよびキュウリを各1kgの量を取り、洗浄し、小片に切り、そして搾汁する。混合後、得られた青果物ジュースを同じ体積の精製水で希釈して混合し、青果物の軟塊を得る。次いで、青果物の軟塊中に2%(w/v)の海産魚皮コラーゲンペプチド粉末を加え、得られた混合物を高温で滅菌し、冷却する。2U/1000Lのダイレクトバットセット(凍結乾燥)の乳酸菌スターター菌を加え、発酵を30℃で7日間行い、pHが4.3に到達したら発酵を終了し、乳酸菌発酵液を生成する。乳酸菌発酵液中に、1%(w/v)の蔗糖および1%(w/v)の海産魚皮コラーゲンペプチド粉末を加える。得られた混合物を高温で滅菌し、冷却し、次いで、0.08%の高活性乾燥酵母をその中に加え、発酵を25℃で約5日間行い、pHが4.0に到達したら発酵を終了する。得られた生産物を高温で滅菌し、冷却し、次いで、タンクで約15日間、8℃で貯蔵する。
【0034】
上記のように得られた発酵液を40MPaで10分間均質化し;二重効用低温濃縮機により真空下60℃で10Brixに濃縮し;2500rpmで25分間遠心分離し;有機膜精密濾過フィルターによって濾過する。次いで、1.0%のマルチトール、0.1%のガラクトオリゴ糖、および0.01%のアセスルファム(濾液の重量に基づく;以下同じ)を得られた濾液中に加える。得られた混合物を再び有機膜精密濾過フィルターによって濾過し、経口液体生産プロセスに従って、充填して密封し、次いで、低温殺菌によって滅菌し、経口液体の形態でびん詰めされた、4℃の低温で貯蔵される飲料製品を得る。
【0035】
実施例2
新鮮な赤いリンゴ、スイカ、ブルーベリー、レモン、青ピーマン、とうがん、アスパラガスおよびアオサを各5kgの量を取り、洗浄し、小片に切り、そして搾汁する。混合後、得られた青果物ジュースを基本的に同じ体積の精製水で希釈して混合し、青果物の軟塊を得る。次いで、青果物の軟塊中に2.5%(w/v)の海産魚皮コラーゲンペプチド粉末を加え、得られた混合物を高温で滅菌し、冷却する。3U/1000Lのダイレクトバットセット(凍結乾燥)の乳酸菌スターター菌を加え、発酵を35℃で10日間行い、pHが4.3に到達したら発酵を終了し、乳酸菌発酵液を生成する。乳酸菌発酵液中に1.2%(w/v)の蔗糖および1.2%(w/v)の海産魚皮コラーゲンペプチド粉末を加える。得られた混合物を高温で滅菌し、冷却し、次いで、0.10%の高活性乾燥酵母をその中に加え、発酵を28℃で約6日間行い、pHが4.0に到達したら発酵を終了する。得られた生産物を高温で滅菌し、冷却し、次いで、タンクで約18日間、10℃で貯蔵する。
【0036】
上記のように得られた発酵液を40MPaで12分間均質化し;二重効用低温濃縮機により真空下70℃で10Brixに濃縮し;3500rpmで15分間遠心分離し;有機膜精密濾過フィルターによって濾過する。次いで、得られた濾液中に、0.5%のマルチトール、0.2%のガラクトオリゴ糖、および0.01%のアセスルファムを加える。得られた混合物を再び有機膜精密濾過フィルターによって濾過し、経口液体生産プロセスに従って、充填して密封し、次いで、低温殺菌によって滅菌し、経口液体の形態のびん詰めされた、4℃の低温で貯蔵される飲料製品を得る。
【0037】
実施例3
新鮮なキウイ、ハミ瓜、ネーブルオレンジ、ブラウンプラム、大根、ズッキーニ、フラットマッシュルームおよびエノキタケを各10kgの量を取り、洗浄し、小片に切り、そして搾汁する。混合後、得られた青果物ジュースを基本的に同じ体積の精製水で希釈して混合し、青果物の軟塊を得る。次いで、青果物の軟塊中に、2%(w/v)の海産魚皮コラーゲンペプチド粉末を加え、得られた混合物を高温で滅菌し、冷却する。4U/1000Lのダイレクトバットセット(凍結乾燥)の乳酸菌スターター菌を加え、発酵を35℃で10日間行い、pHが4.3に到達したら発酵を終了し、乳酸菌発酵液を生成する。乳酸菌発酵液中に、1.5%(w/v)の蔗糖および1.5%(w/v)の海産魚皮コラーゲンペプチド粉末を加える。得られた混合物を高温で滅菌し、冷却し、次いで、0.12%の高活性乾燥酵母をその中に加え、発酵を30℃で約7日間行い、pHが4.0に到達したら発酵を終了する。得られた生産物を高温で滅菌し、冷却し、次いで、タンクで約20日間、12℃で貯蔵する。
【0038】
上記のように得られた発酵液を40MPaで15分間均質化し;二重効用低温濃縮機により真空下80℃で10Brixに濃縮し;3000rpmで20分間遠心分離し;有機膜精密濾過フィルターによって濾過する。次いで、得られた濾液中に0.5%のマルチトール、0.1%のガラクトオリゴ糖、および0.02%のアセスルファムを加える。得られた混合物を再び有機膜精密濾過フィルターによって濾過し、経口液体生産プロセスに従って、充填して密封し、次いで、低温殺菌によって滅菌し、経口液体の形態のびん詰めされた、10℃の低温で貯蔵される飲料製品を得る。
図1