【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、発明に従い、独立主請求項に記載の特徴によって解決される。
【0011】
発明に従い、電動負圧ポンプの標準モードにおける始動か、または特別モードにおける始動が代替的に意図される。
【0012】
標準モードは、その際、通用の運転方式に相当する。この運転方式では、負圧ポンプは特別な制御、調整、またはパルス無しに供給電圧に接続される。
【0013】
しかし特別モードでは、負圧ポンプは中断なくではなくて、パルス式に、つまり時間的にインターバル式に供給電圧に接続される。これによって、標準モードにおける始動の際よりも(平均として)明らかに低い電流が負圧ポンプ始動の際に図られる。
【0014】
両始動モード間の選択は、発明に従い周辺パラメータ(例えば温度)に基づいて、及び/又は負圧ポンプの運転パラメータ(例えば以前の静止時間)に基づいて行われる。
【0015】
これらが、望まれないほど高い電流摂取を伴う標準モードの始動に通じる恐れがあるとき、始動の為に通常のモードでなく、特別モード(または特別モードの一つ)が選択され、これによって電流摂取が標準モードに対して減少される。
【0016】
このような本発明に係る方法によって、エネルギー浪費が明らかに減少されるが、しかし負圧ポンプシステムは同時に、負圧ポンプシステムが、例えば暖められ、そして再び通常の運転パラメータに移行するよう要求を受ける。
【0017】
本発明の形態に従い、有利には以下のパラメータが、周辺パラメータ及び/又は運転パラメータとして使用されることが可能である。その際、これらは個々に、または組合せとして使用可能である。
【0018】
特別モードにおける始動は、以下の場合に実施される。
a)負圧ポンプの温度が、一つの閾値T_pよりも低い、
b)ECUの温度または電気制御部(エンジン制御部/負圧ポンプモーター制御部)の温度が、一つの閾値T_eより低い、
c)負圧ポンプの駆動の為の出力ドライバーの温度が、一つの閾値T_lよりも高い、
d)負圧ポンプの静止時間が、一つの閾値T_szよりも長い、
e)負圧ポンプがウェークアップの後、または端子交換の後、未だ運転されていないことを示すウェークアップマネジメント情報が出力される、
f)周囲温度が、一つの閾値T_uよりも低い、
g)負圧ポンプスタートの際の実際の始動速度が、一つの閾値V_pよりも下にある、
h)測定された負圧が、一つの閾値p_vac_thよりも下にある、
i)負圧ポンプスタートの際の実際の負圧勾配が、一つの閾値p_vac_grad_thよりも上にある。
【0019】
よって、負圧ポンプの始動の為のモードの選択のための重要なパラメータとして、特に、負圧ポンプの温度、ECUの温度、出力ドライバーの温度、負圧ポンプの静止時間、ウェークアップマネジメント情報、周囲温度、(例えばホールセンサー、またはモデルによって決定される、例えば負圧ポンプの実際の電流消費または負圧ポンプ電流による)負圧ポンプの始動速度、測定された負圧、負圧の勾配が使用される。これら全ての記載された条件は、任意に(及び/又は)関連づけられることが可能である。
【0020】
これら全ての負圧の考察は、ネガティブに考察されるべきであるという点注意されたい。つまり、一つの高い負圧は、周囲圧に対するより大きな圧力差を意味し、そして一つの負の圧力勾配は、負圧の構築を意味する。
【0021】
本発明の別の有利な形態に従い、各閾値が、場合によっては異なる段階的な複数閾値へ拡張されることも可能である。これらは其々異なる始動モードに通じる。
【0022】
同様に、条件の異なる組合せもまた、異なる始動モードに通じることができる。
【0023】
本発明の別の有利な形態に従い、以下の場合にはすぐに特別モードを離れる。
a)特別モードにおける負圧ポンプの駆動が、すでに期間T_enhだけ行われている、
b)システム中に、負圧ポンプが、通常のパラメータ、例えば負圧ポンプ回転数、実際の電流/電流推移、負圧ポンプ温度、負圧/負圧勾配で動いているという表示がある、
c)負圧ポンプ動作の要求がもはや。
上述した全ての条件は任意の方法で(及び/又は)関連づけられることが可能である。
【0024】
負圧ポンプ始動制御(制御の概念は、オープンループ/クローズドループ制御を含む)は、選択された特別モードに応じて選択される。その際、標準モードにおいては、常に、負圧ポンプの簡単な稼働(例えば出力エレクトロニックの静的接続)を根底に置く。
【0025】
特別モードでは、本発明の別の有利な形態に従い、出力エレクトロニックの動的接続(パルス)が以下のように選択的に行われることが可能である。
a)所定の駆動時間t_aの間、各所定の時間T_onおよびT_offを有するオン/オフサイクルからなるパターンが駆動される。
b)時間T_onおよびT_offは、周囲条件に応じて変化可能であり、有利にはT_onは、供給電圧、例えば車両の電気供給システムの運転電圧に応じて、(一次的依存性またはフィールドによって)変化可能であるので、T_onは低い運転電圧のもとでは延長される。
c)T_offは、実際に計測された負圧ポンプ電流に基づいて、または出力ドライバー温度に基づいて変化を受けることが可能であり、及び/又は
d)時間T_onおよびT_offは、それ以前の始動の期間に応じて、または駆動推移の期間に応じて変化を受けることが可能であるので、有利には、負圧ポンプ稼働のスタート後の増加する時間Tと共に時間T_onは延長、時間T_offは短縮され、その際全期間T_on+T_offも同様に可変であることが可能である。
【0026】
本発明の別の有利な形態に従い、時間挙動は、一つのモデル、またはフィールドによって決定される。
【0027】
本発明の別の有利な形態に従い、時間T_onまたはT_offのオーダーは数秒または100msの領域にある。
【0028】
本発明の別の有利な形態に従い、安全重要性に基づいて、選択された特別モードの場合(負圧ポンプは全性能で動いておらず/負圧は十分に提供されない)、走行情報、音響的、視覚的またはこれらが組み合わされた警告、例えばインストルメンタルパネル内における示唆、音響的チャイム、または警告灯が出力される。
【0029】
本発明の別の有利な形態に従い、安全重要性に基づいて、選択された特別モードの場合(負圧ポンプは全性能で動いておらず/負圧は十分に提供されない)、上位配置された走行システムが情報を受ける結果、これらはある種の緊急運転プログラムへと移行する(例えばエンジントルク減少、マスターシリンダにおける液圧ポンプによるブレーキ圧構築、オートマチックトランスミッションにおけるギア段制限等)。
【0030】
よって、電動負圧ポンプの始動制御のための本発明に係る方法は、負圧ポンプを駆動するエレクトロニクスの設計を、コスト面で安価に、スペース節約的に、エネルギー面で効率的に、かつ温度依存せず設計することを可能とし、その際負圧ポンプの機能提供性を減少することが無い。同時にコンポーネントの寿命は、より低い要求の結果延長される。
【0031】
本発明は、パラメータ考慮のもと簡単な駆動を、ハードウェアに対する追加的コストが発生せず、同時に、自動車産業の技術的特徴、例えばEMV値が、運転領域に保たれることができるよう行うことを可能とする。
【0032】
以下に本発明のいくつかの実施例を添付の図面に基づき詳細に説明する。