特許第5989152号(P5989152)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989152
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】断面システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20160825BHJP
【FI】
   H01L21/66 N
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-16616(P2015-16616)
(22)【出願日】2015年1月30日
(62)【分割の表示】特願2011-514741(P2011-514741)の分割
【原出願日】2009年6月16日
(65)【公開番号】特開2015-122524(P2015-122524A)
(43)【公開日】2015年7月2日
【審査請求日】2015年2月17日
(31)【優先権主張番号】61/074,361
(32)【優先日】2008年6月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513064276
【氏名又は名称】カール ツァイス マイクロスコーピー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100185225
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 恭一
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス シピオニ
(72)【発明者】
【氏名】レイナー ニッペルメイヤー
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ リーデゼル
(72)【発明者】
【氏名】ジョン モーガン
(72)【発明者】
【氏名】ウルリッヒ マンツ
(72)【発明者】
【氏名】ウルリッヒ ヴァーゲマン
【審査官】 井上 弘亘
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/020151(WO,A1)
【文献】 特開2006−079846(JP,A)
【文献】 特開2003−194746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1装置を用いて試料の第1断面を生成するステップと、
前記第1装置とは異なる第2装置を用いて前記試料の前記第1断面を修正して、前記試料の第2断面を生成するステップと、を含み、
前記第1装置は、レーザビーム源、プラズマイオンビーム源、および液体金属イオンビーム源を含む群から選択した装置であり、
前記第2装置はガス電界電離型イオン源であり、
前記第1装置と前記第2装置の少なくとも一方は、一つの筐体内に複数あることを特徴とする方法。
【請求項2】
試料の第1断面を形成するステップであって、該第1断面は第1粗度を有し、該第1断面は側壁および底壁を有することを特徴とするステップと、および
前記試料の前記第1断面を修正して該試料の第2断面とするステップであって、該第2断面は、前記第1粗度とは異なる第2粗度を有し、該第2断面は側壁および底壁を有する、ことを特徴とするステップと、を含む方法であり、該方法は、
第1装置を使用して前記試料の前記第1断面を形成し、第2装置を使用して前記試料の前記第2断面を形成し、該第2装置は該第1装置とは異なり、
前記第1装置は、レーザビーム源、プラズマイオンビーム源、および液体金属イオンビーム源を含む群から選択した装置であり、
前記第2装置はガス電界電離型イオン源であり、
前記第1装置と前記第2装置の少なくとも一方は、一つの筐体内に複数あることを特徴とする、方法。
【請求項3】
前記第1粗度は前記第2粗度の少なくとも2倍であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1断面を生成するステップと前記断面を修正するステップとの間に一定時間を設けたことを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記試料の第1断面を形成した後であり前記試料の前記第1断面を修正する前に、前記試料を移動するステップを更に含むことを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記試料は半導体製品であることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1装置及び前記第2装置は同一チャンバ内に収容したことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
試料の第1断面であって第1粗度を有する第1断面を形成するように構成した第1装置、および
前記試料の前記第1断面を修正して、第2粗度を有する前記試料の第2断面を生成するように構成した第2装置、を備えたシステムであって、前記第2装置は前記第1装置とは異なり、
前記第1装置は、レーザビーム源、プラズマイオンビーム源、および液体金属イオンビーム源を含む群から選択した装置であり、
前記第2装置はガス電界電離型イオン源であり、
前記第1装置と前記第2装置の少なくとも一方は、一つの筐体内に複数あることを特徴とする、システム。
【請求項9】
前記第1粗度は前記第2粗度の少なくとも2倍であることを特徴とする、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1装置および前記第2装置と異なる第3の装置であって、前記試料を検査するように構成した第3の装置を更に備えることを特徴とする、請求項8又は9に記載のシステム。
【請求項11】
チャンバを備え、
前記第1装置及び前記第2装置を前記チャンバに収容したことを特徴とする、
請求項8〜10の何れか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する本発明は断面システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製品等の試料の断面を形成し、続いて、その半導体製品の形成した断面上またはその周辺の対象領域を検査および/または修正する様々な方法が知られている。
【発明の概要】
【0003】
本明細書で開示する本発明は、包括的に、試料の断面を形成することおよび画像化することに関し、また、その関連システムおよび関連部品に関する。いくつかの実施形態において、試料として半導体製品を用いることができる。一般に、本発明の方法によれば、スループットおよび/または効率を向上することができる。
【0004】
本発明の一実施態様により包括的に開示する方法は、第1試料の断面を画像化するステップと、および、同時に、第2試料の断面を形成してその第2試料の断面を画像化できるようにするステップを含む方法である。
【0005】
本発明の別の実施態様により包括的に開示する方法は、ガス電界電離型イオン顕微鏡を使用して第1試料の断面を画像化するステップ、および、第1試料の断面を画像化することと同時に、第1複数の試料のそれぞれについて断面を形成してその第1複数の試料のそれぞれの断面を画像化できるようにするステップ、を含む方法である。本発明の方法は、また、第1試料の断面を画像化した後に第1複数の試料のうち少なくとも1つの断面を画像化するステップ、および、第1複数の試料のうち少なくとも1つの断面を画像化するステップと同時に、第2複数の試料のそれぞれについて断面を形成してその第2複数の試料のそれぞれの断面を画像化できるようにするステップと、を含む方法である。第1複数の試料は第1試料を含まず、第2複数の試料は第1複数の試料を含まない。
【0006】
本発明のさらなる実施態様により包括的に開示されるシステムは、第1試料の断面を画像化するように構成した第1器機、および、第1器機が第1試料の断面を画像化する間に第2試料の断面を形成するように構成した第2器機、を備えたシステムである。
【0007】
本発明の付加的な実施態様により包括的に開示される方法は、試料の第1断面を形成するステップであって、この第1断面は第1粗度を有することを特徴とするステップ、および試料の第1断面を修正してこの試料の第2断面とするステップであって、この第2断面は、第1粗度とは異なる第2粗度を有することを特徴とするステップ、を含む方法である。
【0008】
本発明の別の実施態様により包括的に開示される方法は、第1装置を使用して試料の第1断面を形成するステップ、および、第1装置とは異なる第2装置を使用して試料の第1断面を修正して試料の第2断面とするステップ、を含む方法である。
【0009】
本発明のさらなる実施態様により包括的に開示されるシステムは、試料の第1断面を形成するように構成した第1装置を備え、この第1断面は第1粗度を有する。また、本システムは、試料の第1断面を修正して、試料の第2断面とするように構成した第2装置を備える。この第2断面は第1粗度とは異なる第2粗度を有し、第2装置は第1装置とは異なる。
【0010】
その他の特徴および利点は、以下の説明、図面、および請求の範囲により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】切り取り断面を有する半導体製品の部分平面図である。
図1B】切り取り断面を有する半導体製品の部分断面図である。
図2】試料の断面を形成し、その試料を検査するのに使用するシステムの概略を示す図である。
図3】処理フロー図である。
図4】試料の断面を形成し、その試料を検査するのに使用するシステムの概略を示す図である。
図5】処理フロー図である。
【0012】
異なる図面における同一参照符号は同一要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[概論]
半導体を製造する際には、一般に、複数の材料を順に堆積および処理することで製品(半導体製品)を作成し、集積電子回路、集積回路素子、および/またはその他のマイクロ電子デバイスを構成する。そのような製品は、一般に、様々な構造(例えば、導電性材料で形成した回路線、非導電性材料を充填したウエル、半導体材料で形成した領域等)を有し、それらの構造は互いに正確に(例えば、通常、数ナノメータ単位で)位置決めされる。所与の構造の位置、サイズ(長さ、幅、奥行き)、組成(化学組成)、および関連特性(導電性、結晶の配向性、磁気特性)は、その製品の性能に重要な影響を及ぼすことがある。例えば、あるいくつかの例において、それらのパラメータうち1つまたはそれ以上が適切な範囲を逸脱すると、その製品は所望の機能を果たすことができないとして廃棄されることがある。結果として、一般に、半導体の各製造工程全てを良好に制御できることが望ましいとされ、また、半導体の様々な製造工程においてその製造を監視できる手段を使用することが有用であり、そうすれば、その半導体製造工程の様々なステージにおける1つまたはそれ以上の構造の位置、サイズ、組成、および関連特性についての検査を行うことが可能である。本明細書中で用いられる用語「半導体製品」として、集積電子回路、集積回路素子、マイクロ電子デバイス、または、集積電子回路、集積回路素子、およびマイクロ電子デバイスの製造過程で形成される製品が挙げられる。いくつかの実施形態においては、半導体製品は平面ディスプレイまたは太陽電池の一部を構成することができる。
【0014】
半導体製品の各領域は、異なるタイプ(導電性、非導電性、半導電性)の材料で形成する。導電性材料の例としては、例えば、アルミニウム、クロミウム、ニッケル、タンタル、チタン、タングステン、および1つまたはそれ以上のそれらの金属を含む合金(例えば、アルミニウム・銅合金類)等が挙げられる。金属シリサイド類(例えば、ニッケルシリサイド類、タンタルシリサイド類)も導電性とすることができる。非導電性材料の例としては、例えば、1つまたはそれ以上の上記金属類のホウ化物類、炭化物類、窒化物類、酸化物類、リン化物類、および硫化物類(例えば、ホウ化タンタル類、ゲルマニウムタンタル類、窒化タンタル類、窒化ケイ素タンタル類、および窒化チタン類)等が挙げられる。
半導電性材料の例としては、ケイ素、ゲルマニウム、およびヒ化ガリウム等が挙げられる。
他の選択肢として、半導体材料をドープ(リン(P)ドープ、窒素(N)ドープ)して、その材料の導電性を向上させることができる。
【0015】
所与の材料からなる層を堆積/加工する一般的なステップとしては、その製品を画像化すること(それにより、例えば、所望の構造を形成する位置を決定する)、適切な材料(例えば、導電性材料、半導電性材料、非導電性材料)を堆積すること、およびエッチングにより不要な材料をその製品の所定の箇所から除去すること、がある。多くの場合、例えばフォトレジスト高分子等のフォトレジストを堆積し、適切な照射を施し、選択的にエッチングして、所与の構造の形成位置とサイズの制御を支援する。一般に、フォトレジストを後続の1つまたはそれ以上の工程段階にて除去し、通常、最終的な半導体製品はフォトレジストをほとんど含まないことが望ましい。
【0016】
半導体製品の検査は、例えば、電子および/またはイオン等の荷電粒子を用いて行うことができる。いくつかの例において、そのような検査を行うため、その製品の断面を形成し、その製品の検査対象領域を露出して、その後検査工程を行う。いくつかの例において、半導体製品を切断してその製品の断面を形成するのにかかる時間、および、引き続きその製品を検査するのにかかる時間、それぞれの絶対/相対時間が異なることがある。しかしながら、その製品の検査時間より、その製品を切断して断面を形成する方が、大幅に時間がかかることが多くある。通常、ビームカラムを用いて半導体製品の断面を作成する工程の方が、その断面を画像化する工程より、長時間かかる。例えば、半導体製品の断面を形成するのには約数分から数時間(例えば、3分、5分、10分、20分、30分、1時間、2時間)かかるが、一方、半導体製品の検査にかかる時間は、通常1分以下(例えば、1分、50秒、40秒、30秒、20秒、10秒)である。いくつかの例においては、半導体製品を切断してその断面を作成するのにかかる時間が、その製品の検査にかかる時間に対して、少なくとも2倍(例えば、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、少なくとも10倍)となることもある。
【0017】
したがって、本明細書で開示する本発明は、この時間の格差を減少することのできる処理方法を提供する。いくつかの実施形態において、複数の半導体製品をそれぞれ同時に切断して断面を形成し(並列処理)、その後その製品を順次検査する(連続処理)ことにより、本発明方法を提供する。あるいくつかの実施形態においては、異なる複数の切断デバイス(例えば、比較的粗い断面を形成する第1デバイスおよびその比較的粗い断面を比較的平滑な断面とする第2デバイス)を用いて1つの半導体製品の断面を形成することにより、本発明方法を提供する。他の選択肢として、これらの手段を組み合わせることができる。
【0018】
[半導体製品断面]
図1Aおよび図1Bはそれぞれ、半導体製品100の部分平面図および部分断面図である。図1Bに示すように、製品100を切断し、側壁110A、110Bおよび底壁110Cを有する断面110を露出させる。図1Aおよび図1Bには図示していないが、半導体製品100は異なる材料で形成した多数の層を有し、また、いくつかの例においては、同じ層の中に複数の異なる層を有する。
【0019】
[システムおよび工程]
図2は、試料処理システム200の概略を示す図である。この試料処理システム200は、筐体210、試料の断面を切断するためのデバイス220A〜220J、試料を検査するためのデバイス230、および試料ホルダ240A〜240Jを備える。後述するように、システム200は、オプションとして、試料ホルダ250A〜250Jを備える。図2では、デバイス220A〜220Jは1つの筐体に収容されているが、いくつかの実施例においては、1つまたはそれ以上の220A〜220Jを、デバイス230とは別の筐体に収容することもできる。
【0020】
使用の際は、各ホルダ240A〜240J内/上に半導体製品を1つずつ配置し、ホルダ240A〜240Jを、各々に対応するデバイス220A〜220Jに隣接配置する。
その後、デバイス220A〜220Jを同時に作動して、各デバイスにより、対応する試料ホルダ240A〜240J内/上に配置した各半導体製品の断面を切断する。デバイス220A〜220Jとして、例えば、液体金属イオン装置(例えば、ガリウム集束イオンビーム装置等の集束液体金属イオンビーム装置)、ガス電界電離型イオンビーム装置、電子ビーム装置、レーザビーム装置、またはプラズマイオン源等を挙げることができる。一般に、それらのデバイスは当業者には公知である。ガス電界電離型イオンビーム装置の例は、例えば、米国特許出願公開第2007/0158558号明細書に開示され、その開示を参照することにより本明細書に援用される。異なるデバイスを組み合わせて使用することもできる。
【0021】
各試料の断面を、対応するデバイス220A〜220Jにより切断後、それらの試料を順次各々に対応するホルダ240A〜240Jへ移動して、最終的にデバイス230にて各試料を検査する。デバイス230は、例えば、ガス電界電離型イオン顕微鏡(例えば、ヘリウムイオン顕微鏡)、電子顕微鏡(例えば、走査型電子顕微鏡)、レーザ走査顕微鏡、光波散乱計測装置、またはエリプソメータで構成することができる。
【0022】
一般に、ホルダ240A〜240Jは1つまたはそれ以上の対応するロボットアームまたはそのたのデバイスに連結して操作可能とし、システム200内で所望の動作をさせることができる。
【0023】
いくつかの実施形態において、システム200は、さらに別の一連の試料ホルダ250A〜250Jを備え、それぞれが各試料を保持するように構成される。この構成によれば、デバイス230にてホルダ240A〜240J内の試料を順次検査する間、試料ホルダ250A〜250Jに保持した新たな試料を移動して、デバイス220A〜220Jによりその断面をそこで切断するようにする。他の選択肢として、ホルダ240A〜240Jを、一続きの複数の試料を移動してデバイス220A〜220Jで切断すると同時に、一方で別の一続きの複数の試料をデバイス230で順次検査可能とする構成とすることもできる。その場合、システム200にホルダ250A〜250Jを設けない構成とすることもできる。
【0024】
図3は、工程300のフロー図である。ステップ310において、第1群試料の断面を切断する。ステップ312において、切断が完了したかどうかを問う。答えがNoであれば、ステップ314に進み、ステップ316にて試料の切断を継続して行い、その後ステップ312に戻る。ステップ312の問いに対する答えがYesであれば、ステップ318に進み、ステップ320にて試料を順次検査する。ステップ322にて、全ての試料の検査が完了したかを問う。答えがNoであれば、ステップ324に進み、ステップ326にて試料の検査を継続して行い、その後ステップ320に戻る。ステップ322の問いに対する答えがYesであれば、ステップ328に進み、ステップ340にて検査済試料を本工程の次の段階に移動する。再度ステップ318に戻り(ステップ312の問いに対する答えがYes)、ステップ330にて第2群試料の断面を切断する。ステップ332にて、切断が完了したかどうかを問う。答えがNoであれば、ステップ334に進み、ステップ336で試料の切断を継続して行い、その後ステップ330に戻る。ステップ332の問いに対する答えがYesであれば、ステップ338に進み、ステップ350にて第1群試料の検査が完了したかを問う。答えがNoであれば、ステップ352に進み、ステップ354にて待ち時間を開始し、その後ステップ350に戻る。ステップ350の問いに対する答えがYesであれば、ステップ356に進み、ステップ320にてその切断済試料を検査する。さらに、ステップ356(ステップ350の問いに対する答えがYes)にて、ステップ330で第2群試料の断面を切断する。ある試料群の複数の試料を同時に切断しつつ、別の試料群の複数の試料を順次検査する工程を、所望の回数繰り返して行う。
【0025】
図4はシステム400を示す図である。このシステム400は筐体405を備える。筐体405は、試料の断面を切断するデバイス410A〜410Jをさらに有する。システム400において、デバイス220A〜220Jを用いて、各試料の比較的粗い初期断面を形成し、続いて、デバイス410A〜410Jにて対応する各試料のその断面を比較的平滑な(より微細な)断面とする。このような構成が奏する効果は、試料の断面を比較的平滑に切断するほうが、比較的粗く切断するより大幅に時間がかかる、という理解に関連する。したがって、比較的平滑な断面を切断することのできる単独の手段を用いて比較的平滑な断面を切断するプロセスと比較して、第1デバイスを用いて比較的粗い断面を速やかに切断し、その後第2デバイスを用いてより微細な(より平滑な)断面を形成することにより、試料の最終的な断面を形成するのにかかる時間を短縮することができる。通常、1つまたはそれ以上のデバイス410A〜410Jは、先に列挙したデバイス220A〜220として構成可能な上記切断装置群から選択することができる。通常、1つまたはそれ以上のデバイス220A〜220Jを、ひとつまたはそれ以上のデバイス410A〜410Jと同じまたは異なるものとして構成することができる。いくつかの実施形態において、デバイス220A〜220Jをガリウム集束イオンビーム装置として、デバイス410A〜410Jをガス電界電離型イオン顕微鏡(例えば、ヘリウムイオン顕微鏡)または走査型電子顕微鏡として構成する。
【0026】
図5は工程500のフロー図である。この工程は、試料群の比較的粗い断面を切断するステップ502を含む。ステップ504において、比較的粗い断面の切断が完了したかを問う。答えがNoであれば、ステップ506に進み、試料の比較的粗い断面の切断を継続して行い、その後ステップ502に戻る。ステップ504の問いに対する答えがYesであれば、ステップ508に進み、ステップ510にて、試料群の微細な(比較的平滑な)断面を切断する。ステップ512において、試料の微細な(比較的平滑な)断面の切断が完了したかを問う。ステップ514において、答えがNoであれば、ステップ516に進み、試料の微細な(比較的平滑な)断面の切断を継続して行い、その後ステップ512に戻る。ステップ512の問いに対する答えがYesであれば、ステップ518に進み、ステップ520にて試料を順次検査する。ステップ522において、全ての試料の検査が終了したかを問う。答えがNoであれば、ステップ524に進み、ステップ526にて試料の検査を継続して行い、その後ステップ520に戻る。ステップ522の問いに対する答えがYesであれば、ステップ528に進み、ステップ540にて検査済試料を本工程の次の段階に移動する。再度ステップ518に戻り(ステップ512の問いに対する答えがYes)、ステップ530にて別の試料群の比較的粗い断面を切断する。ステップ532にて、比較的粗い断面の切断が完了したかを問う。答えがNoであれば、ステップ534に進み、ステップ536にて比較的粗い断面の切断を継続して行い、その後ステップ530に戻る。ステップ530の問いに対する答えがYesであれば、ステップ538に進み、ステップ550にて試料の微細な(比較的平滑な)断面を切断する。ステップ552にて、微細な(比較的平滑な)断面の切断が完了したかを問う。答えがNoであれば、ステップ554進み、ステップ556にて試料の微細な(比較的平滑な)断面の切断を継続して行い、その後ステップ552に戻る。ステップ552の問いに対する答えがYesであれば、ステップ558に進み、ステップ560にて、先の試料群の検査が終了したかを問う。ステップ562にて、答えがNoであれば、ステップ564にて待ち時間を開始し、その後ステップ560に戻る。ステップ566にて、ステップ560の問いに対する答えがYesであれば、ステップ520にて切断した試料を検査する。さらに、ステップ556(ステップ560の問いに対する答えがYes)に続くステップ530にて別の試料群の粗い断面を切断する。一試料群の複数の試料の切断(比較的粗い切断に続く比較的平滑な切断)するのと同時に一方で別の試料群の複数の試料の検査を行う工程を所望の回数だけ繰り返す。
【0027】
いくつかの実施形態において、比較的粗い切断後の試料の断面の粗度は、微細な(比較的平滑な)切断後の試料の断面の粗度より、少なくとも2倍(例えば、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍)、および/または100倍まで(例えば、最大100倍)とする。あるいくつかの実施形態において、試料の粗い断面を形成するのにかかる時間は、試料の微細な(比較的平滑な)断面を形成するのにかかる時間と比較して、少なくとも2分の1(例えば、少なくとも3分の1、少なくとも4分の1、少なくとも5分の1)である。
【0028】
いくつかの実施形態において、試料の比較的粗い断面を作成するステップと試料の微細な(比較的平滑な)断面を作成するステップとの間に一定の時間(一時停止)を設けることもできる。この一定の時間は、例えば、5秒から5分(例えば、少なくとも30秒、少なくとも1分)とすることができる。
【0029】
以上、半導体製品の検査について説明した。
【0030】
上述した検査の例としては、ボイドを検出することが挙げられる。半導体製品の製造過程において、あるいくつかの構造または層にボイドが不用意に発生してしまうことがある。いくつかの実施形態においては、ボイドがデバイスの構造および/またはデバイス全体の性能(例えば、電気的性能、機械的性能)に望ましくない影響を及ぼすことがある。後続の加工段階で、そのボイドが開放されることがあり、例えば、液体および/またはガス状成分によりボイドが充填されてしまうことがある。そうすると、下部層の腐食、および/または粒子欠陥および/または残渣欠陥の原因となることがある。最終的に、ボイドの存在により、電気的および/または機械的特性が所望の値(例えば、設計値)から逸脱してしまうことがある。
【0031】
半導体製品の欠陥検出の他の例として、オーバーレイシフトレジストレーションが挙げられる。用語「オーバーレイシフトレジストレーション」とは、一般に、半導体製品の所与の層内の構造と別の層内の構造の位置を合わせる(アラインメントする)ことである。上述のように、半導体製品の製造においては、多くの層を適切に形成することが必要である。一般に、1つの半導体製品が含む層の数は20を大幅に上回る。多くの場合、各層は複数の異なる構造を含むことがあり、それぞれの構造を高精度で配置し、半導体製品が適切に機能するようにすることが望ましい。例として、半導体製品は、例えば導電配線(ワイヤ)等の平面構造を複数備え、それらの構造は異なる層に配置され、ビアにて互いに接続される。通常、半導体製品内の構造は互いに適切に位置合わせされていることが望ましい。
【0032】
半導体製品の欠陥検出の付加的な例として、限界寸法計測が挙げられる。用語「限界寸法計測」とは、半導体製品内の構造であって、デバイスの性能に決定的な影響を及ぼす可能性のある構造の線寸法を計測することである。そのような構造の例としては、例えばライン(例えば、導電性材料のライン、半導電性材料のライン、非導電性材料のライン)が挙げられる。1つの半導体製品は、1つまたは複数の構造を備え、その規模寸法は20nm以下(例えば、10nm以下、5nm以下、4nm以下、3nm以下、2nm以下、1nm以下)である。いくつかの実施形態において、構造の寸法を複数回計測して、構造のサイズに関する統計情報を得る。限界寸法計測においては、多くの場合、例えば、ウエハ上のパターン化構造の長さを測定することを必要とする。複数のウエハ(複数のダイスを含み、各ダイスが半導体製品を形成するウエハ)を製造ラインからランダムに選択して検査すること、またはラインの全てのウエハを検査することができる。選択した限界寸法の計測には、画像化器機を用いると比較的高いハイスループット率で計測を行うことができる。計測した限界寸法が許容範囲外であれば、そのウエハを廃棄する。ある特定の製造機により製造される試料のうち複数のものの限界寸法が許容範囲外であった場合、その製造機の稼動を停止する、または、その稼動パラメータを変更する。
【0033】
欠陥検出のさらなる例として、ラインエッジラフネスおよび/またはライン幅ラフネスの計測が挙げられる。用語「ラインエッジラフネス」は、一般に、半導体製品内の材料のラインエッジ粗さのことであり、用語「ライン幅ラフネス」は、一般に、半導体製品内の材料のライン幅粗さのことである。望ましくは、これらの値を検出して、所与の半導体製品に実際にまたは潜在的に問題が内在するかを究明する。例えば、導電性材料からなる隣接するラインのエッジが互いに外側へ突出していると、そのラインが互いに接触し、短絡を招くことがある。望ましくは、ラインエッジラフネスおよび/またはライン幅ラフネスが5nm以下(例えば、4nm以下、3nm以下、2nm以下、1nm以下、0.9nm以下、0.8nm以下、0.7nm以下、0.6nm以下、0.5nm以下)の範囲にあることを確かめる。
【0034】
半導体製品検査の例については、例えば、米国特許出願公開第2007/0158558号明細書に開示される。
【0035】
[その他の実施形態]
いくつかの実施形態について説明したが、その他の実施形態も可能である。
【0036】
1つの例として、システム内の製品の断面を切断するデバイスの数を10としたが、より一般的には、そのようなデバイスの数は任意(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、12等)とすることができる。いくつかの実施形態においては、システム内に数十または数百もの切断デバイスを設け、それらが並列に動作するように構成することもできる。
【0037】
さらなる例として、1つのデバイスを用いて試料を順次検査する実施形態について説明したが、いくつかの実施形態においては、使用する検査デバイスの数を2以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10等)とすることができる。いくつかの実施形態においては、システム内に数十または数百ものデバイスを設けて試料を順次検査するように構成することもできる。
【0038】
さらなる例として、1つまたはそれ以上のデバイスを用いて試料を順次検査する実施形態について説明したが、いくつかの実施形態においては、複数のデバイスを並行して用い、少なくともいくつかの(例えば、全ての)試料を並行して検査することができる。
【0039】
別の例として、システムに異なる2列(比較的粗い切断をする列および比較的平滑な切断をする列)の切断デバイスを備えた実施形態について説明したが、いくつかの実施形態において、3列以上(例えば、3列、4列、5列、6列、7列、8列、9列、10列)の切断デバイスを用いることもできる。いくつかの実施形態においては、切断デバイスの列を直列に用いて各試料の断面を切断する。例えば、そのような実施形態において、切断デバイスの各列は、それぞれ先行する列のデバイスの断面より平滑な断面を形成するように構成する。いくつかの実施形態においては、切断デバイスの複数の列を並行して用い、異なる群の試料の断面を切断する。オプションとして、切断デバイスの列の直列構成および並列構成を組み合わせて用いることができる。
【0040】
付加的な例として、異なる列の切断デバイスを直列に、または並列に用いて試料の断面を切断する実施形態について述べたが、いくつかの実施形態においては、システムに、比較的粗い断面切断をするデバイスおよび比較的平滑な断面切断をするデバイスをそれぞれ単独で設けることもできる。通常、そのようなシステムにおいては、デバイスを(比較的粗いものから比較的平滑なものへ)直列に用い、その後試料の検査を行う。
【0041】
別の例として、半導体製品を試料として構成した実施形態について説明したが、いくつかの実施形態において、その他のタイプの試料を用いることができる。例としては、生物学的試料(例えば、組織、核酸、タンパク質、炭水化物、脂質、および細胞膜)、薬剤試料(例えば、小分子薬)、凍結水(例えば、氷)、磁気記憶デバイスに用いるリード/ライトヘッド、および金属および合金試料類が挙げられる。試料の例としては、例えば、米国特許出願公開第2007/0158558号明細書に開示される。
【0042】
さらなる例として、試料を検査する実施形態について説明したが、代案として、または、付加的な案として、上記のシステムおよび方法を用いて、試料を修正(例えば、修復)する(例えば、断面を露出した製品した部分またはその周辺のある領域を修復する)ことができる。そのような修正としては、ガスアシスト化学処理を用いるものがあり、それにより材料を試料(試料の所与の層)に対して追加および/または回収することができる。
例としては、ガスアシスト化学処理により、半導体回路編集を行うことができ、それにより半導製品内の損傷または誤って製造した回路を修理する。一般に、回路編集とは、回路に材料を追加する(例えば、開いている回路を閉じる)こと、および/または回路から材料を回収する(例えば、閉じている回路を開く)ことを含む。ガスアシスト化学処理により、フォトリソグラフィーマスクの修復をすることもできる。マスクの欠陥としては、通常、マスク材料が存在すべきでない領域にマスク材料が余剰して付着すること、および/またはマスク材料が存在すべき領域で材料が欠如することが挙げられる。したがって、ガスアシスト化学処理によりマスク修復を行い、所望により、マスクに対し材料を追加および/または回収することができる。一般に、ガスアシスト化学処理においては、荷電粒子ビーム(例えば、イオンビーム、電子ビーム、またはその両方)を用い、荷電粒子ビームを適切なガス(例えば、Cl、O、I、XeF、F、CF、HO、XeF、F、CF、WF)と相互作用させる。別の例として、試料の修正としては、スパッタリングがある。いくつかの例において、製品を製造する際、いくつかの段階(例えば、回路から不要な材料を除去してその回路を編集する際、マスクを修正する際)において材料を除去するのが望ましいことがある。材料を除去するにはイオンビームを使用することができ、それにより試料から材料をスパッタする。特に、本明細書に記載のように、ガス原子とガス電界電離型イオン源との相互作用により生成されたイオンビームを用いて試料をスパッタすることができる。ヘリウム(He)ガスイオンを用いることもできるが、一般に、好ましくは、重イオン類(例えば、ネオン(Ne)ガスイオン類、アルゴン(Ar)ガスイオン類、クリプトン(Kr)ガスイオン類、キセノン(Xe)ガスイオン類)を用いて材料を除去する。材料を除去する間は、試料上の除去対象の材料が位置する領域にイオンビームを合焦する。そのような検査の例については、例えば、米国特許出願公開第2007/0158558号明細書に開示される。
【0043】
一般に、上述した実施形態の様々な態様は、所望により組み合わせることができる。
【0044】
その他の実施形態は、特許請求の範囲により包含される。

図1A
図1B
図2
図3
図4
図5