(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記した従来のカセットコンロでは、ガード部材の高さを大きくすることで、鉄板がボンベ収容部側に張り出すのを確実に防ぐことができる。しかしながら、ガード部材の高さを大きくすると、カセットコンロを収納するときや持ち運ぶときに、ガード部材が他の部材に干渉し易くなるという問題がある。
【0007】
本発明は、前記した問題を解決し、鉄板や鍋がボンベ収容部側に張り出すのを防ぐとともに、使用していないときにはガード部材をコンパクトに収容することができるカセットコンロを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は、バーナーが収容されたケース本体と、カセットボンベを収容するためのボンベ収容部と、を備え、前記ケース本体の上面に前記バーナーの燃焼部が露出し、前記ケース本体の側部に前記ボンベ収容部が設けられているカセットコンロである。前記ボンベ収容部から前記バーナーに通じる供給管と、前記供給管に設けられた開閉弁と、を有している。前記燃焼部と前記ボンベ収容部との間には、前記ケース本体の上面に対して傾動自在なガード部材が設けられている。前記ガード部材は、前記開閉弁の操作部に連結されている。前記ガード部材を倒したときには、前記ガード部材が前記ボンベ収容部の上面よりも低くなるとともに、前記開閉弁が閉じた状態となる。また、前記ガード部材を起こしたときには、前記ガード部材が前記ボンベ収容部の上面よりも上方に突出するとともに、前記開閉弁が開いた状態になる。
【0009】
本発明のカセットコンロでは、ガード部材が倒れているときは開閉弁が閉じているため、燃焼部でガスを燃焼させることができない。すなわち、本発明のカセットコンロでは、ガード部材を起こして、燃焼部とボンベ収容部との間にガード部材を立てないと、燃焼部でガスを燃焼させることができない。したがって、本発明のカセットコンロでは、使用時に鉄板や鍋はガード部材よりも燃焼部側に必ず配置されるため、鉄板や鍋がボンベ収容部側に張り出すのを確実に防ぐことができる。
【0010】
また、本発明のカセットコンロでは、ガード部材の高さを大きくすることで、鉄板や鍋がボンベ収容部側に張り出すのを確実に防ぎつつ、カセットコンロを使用しないときには、ガード部材を倒してコンパクトに収容することができる。
【0011】
前記したカセットコンロにおいて、前記ガード部材が前記ボンベ収容部の長手方向に傾動自在である場合には、ガード部材を倒したときに、ガード部材を燃焼部とボンベ収容部との間に収容することができる。
【0012】
前記したカセットコンロにおいて、前記ガード部材が前記ボンベ収容部の長手方向に直交する方向に傾動自在であるように構成してもよい。この構成では、ガード部材を倒したときに、ガード部材が燃焼部側に倒れるため、カセットコンロを使用するときには、必然的にガード部材を起こすことになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のカセットコンロでは、使用時に鉄板や鍋はガード部材よりも燃焼部側に必ず配置されるため、鉄板や鍋がボンベ収容部側に張り出すのを確実に防ぐことができ、使用時の安全性を高めることができる。
また、本発明のカセットコンロでは、ガード部材の高さを大きくすることで、鉄板や鍋がボンベ収容部側に張り出すのを確実に防ぎつつ、カセットコンロを使用しないときには、ガード部材を倒してコンパクトに収容することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
【0016】
本実施形態のカセットコンロ1は、
図1(a)に示すように、屋内の卓上や野外で調理用の鉄板や鍋などの対象物を加熱するための調理用加熱器である。
カセットコンロ1は、バーナー30が収容されたケース本体10と、カセットボンベBを収容するためのボンベ収容部20と、を備え、ケース本体10の右側部にボンベ収容部20が設けられている。
【0017】
ケース本体10は、金属製の箱体であり(
図1(b)参照)、平面視で四角形に形成されている。ケース本体10の上面10aには、円形の開口部11が形成されている。
また、ケース本体10の上面10aには、開口部11の周囲に四個のゴトク12が立設されている。四個のゴトク12は、鉄板P(
図1(b)参照)や鍋を支持する部位であり、開口部11の周方向に等間隔に配置されている。
【0018】
バーナー30は、可燃性ガスを燃焼させる燃焼装置であり、ケース本体10の内部に収容されている。
バーナー30は、ガスを燃焼させる燃焼部31と、燃焼部31にガスを供給するための鋼管32と、を有している。
【0019】
燃焼部31の頂部31aは、ケース本体10の開口部11を通じてケース本体10の上面10aに露出している。
燃焼部31の頂部31aの外周部には、複数の火口が形成されている。また、燃焼部31の頂部31aの周囲には着火装置が設けられている。
燃焼部31の内部には、燃焼部31の下端部から火口に通じるガス流路が形成されている。
【0020】
鋼管32は円筒状の部材である。鋼管32の先端部は燃焼部31の下端部に連結されている。鋼管32は燃焼部31から右方に向けて延びている。
鋼管32の内部にはガス流路が形成されており、鋼管32のガス流路は燃焼部31のガス流路に連通している。
【0021】
ボンベ収容部20は、ケース本体10の右側部に形成された箱状の部位であり(
図1(b)参照)、カセットボンベBを収容するための内部空間が形成されている。
ボンベ収容部20は、
図1(b)に示すように、ケース本体10の上面10aよりも上方に突出している。ボンベ収容部20の上蓋20aは、左右方向に開閉自在である。そして、ボンベ収容部20の上蓋20aを開けることで、ボンベ収容部20の内部空間にカセットボンベB(
図1(a)参照)を出し入れすることができる。
【0022】
カセットボンベBは、
図1(a)に示すように、円筒状の金属缶であり、可燃性ガスが封入されている。カセットボンベBの一端にはノズル(図示せず)が突出している。
カセットボンベBのノズルは、ボンベ収容部20の内部に設けられたガス供給部40の差込口に差し込まれる。
【0023】
ケース本体10の内部には、ガス供給部40からバーナー30に通じる供給管60が設けられている。供給管60は、バーナー30とボンベ収容部20との間で、ボンベ収容部20に沿って前後方向に延びている。
供給管60の前端部は、ガス供給部40の左側面に連結されている。そして、カセットボンベB内のガスは、ガス供給部40を通じて供給管60に供給される。
供給管60の後端部は、バーナー30の鋼管32の基端部に連結されており、供給管60から鋼管32の流路にガスが供給される。
【0024】
ボンベ収容部20の前面20bには、
図1(b)に示すように、円板状のダイヤル50が取り付けられている。ダイヤル50は、ボンベ収容部20に対して回転自在に取り付けられている。
ダイヤル50の前面には、板状の突起部51が形成されている。また、ダイヤル50の後面には、
図1(a)に示すように、取付軸52が突出している。取付軸52はガス供給部40に連結されている。
本実施形態では、ダイヤル50を回転させることで、カセットボンベBから供給管60に供給されるガス量を調整するとともに、バーナー30の着火装置を作動させることができる。
【0025】
供給管60の前後方向の中間部には、開閉弁70が設けられている。開閉弁70が開いた状態では、供給管60のガス供給部40側とバーナー30側とが連通する。また、開閉弁70が閉じた状態では、供給管60のガス供給部40側とバーナー30側とが遮断される。
図2(a)に示すように、開閉弁70は、ケース本体10の内部の底面に取り付けられたブラケット70aの上面に取り付けられている。
なお、開閉弁70の構造は限定されるものではなく、機械式や電磁式など各種の弁構造を用いることができる。
本実施形態の開閉弁70の右側面には、
図1(a)に示すように、操作部71が突出している。操作部71を軸回りに回転させることで、開閉弁70の開閉状態を切り替えることができる。
【0026】
ケース本体10の上面10aには、燃焼部31とボンベ収容部20との間にガード部材80が設けられている。ガード部材80は、金属製の細長い板状の部材である。
ガード部材80は、ボンベ収容部20の左側面に沿って前後方向に延びている。
図2(a)に示すように、ガード部材80の基端部(後端部)は、下方に向けて折り曲げられている。
【0027】
ケース本体10の上面10aには、
図1(a)に示すように、燃焼部31とボンベ収容部20との間に貫通穴15が形成されている。貫通穴15は、前後方向に細長い長方形に形成されている。貫通穴15は、ケース本体10の前後方向の中間部に配置されている。
【0028】
ガード部材80の基端部は、
図2(a)に示すように、貫通穴15を通じてケース本体10の内部に挿入されている。また、ガード部材80の基端部は、開閉弁70の操作部71に連結されている。
ガード部材80は、操作部71を回転軸として前後方向に傾動自在である(
図2(b)参照)。このように、ガード部材80は、ケース本体10の上面10aに対してボンベ収容部20の長手方向(前後方向)に傾動自在である。
本実施形態のガード部材80は、水平に倒した状態(
図2(a)の状態)と、垂直に起こした状態(
図2(b)参照)との間の約90度の範囲を傾動することができる。
【0029】
本実施形態では、ガード部材80を倒した状態では、ガード部材80は、供給管60およびボンベ収容部20に沿って配置される。この状態では、ガード部材80はボンベ収容部20の上面よりも低く配置される。
また、
図2(b)に示すように、ガード部材80を垂直に起こしたときに、ガード部材80の先端部(上端部)がボンベ収容部20の上面よりも上方に突出するように、ガード部材80の長さが設定されている。
【0030】
図2(a)に示すように、ガード部材80が倒れているときには、開閉弁70は閉じている。そして、
図2(b)に示すように、ガード部材80を起こすと、ガード部材80に連動して開閉弁70の操作部71が回転し、開閉弁70が開いた状態となる。
【0031】
本実施形態のカセットコンロ1を使用する場合には、
図1(b)に示すように、ガード部材80を倒した状態で持ち運び、カセットコンロ1を卓上などに設置する。このとき、開閉弁70は閉じられているため、ダイヤル50を操作したとしても、カセットボンベBからバーナー30にガスが供給されない。
【0032】
カセットコンロ1を設置した後に、
図2(b)に示すように、ガード部材80を起こして、ガード部材80をボンベ収容部20の上面よりも上方に突出させる。これにより、開閉弁70が開いた状態となる。
【0033】
その後、使用者は、
図1(b)に示すように、燃焼部31とボンベ収容部32との間に立てられたガード部材80よりも燃焼部31側(左側)で、鉄板Pを各ゴトク12に載せることになる。このように、鉄板Pは、ガード部材80よりも燃焼部31側に必ず配置されるため、鉄板Pがボンベ収容部20の上方に張り出すことはない。
この状態でダイヤル50を回転させ、カセットボンベBからバーナー30にガスを供給するとともに、燃焼部31でガスに着火してガスを燃焼させる。
【0034】
カセットコンロ1の使用後は、
図2(a)に示すように、ガード部材80を倒して、ガード部材80をボンベ収容部20の上面よりも低くする。
このように、ガード部材80を燃焼部31とボンベ収容部20との間に収容した状態で、カセットコンロ1を持ち運んで箱などに収納する。
【0035】
以上のような本実施形態のカセットコンロ1では、
図1(b)に示すように、ガード部材80を倒しているときには、開閉弁70が閉じているため、燃焼部31でガスを燃焼させることができない。すなわち、カセットコンロ1では、
図2(b)に示すように、ガード部材80を起こして、燃焼部31とボンベ収容部20との間にガード部材80を立てないと、燃焼部31でガスを燃焼させることができない。
したがって、本実施形態のカセットコンロ1では、使用時に鉄板Pや鍋はガード部材80よりも燃焼部31側に必ず配置されるため、鉄板Pや鍋がボンベ収容部20側に張り出すのを確実に防ぐことができ、使用時の安全性を高めることができる。
【0036】
また、本実施形態のカセットコンロ1では、ガード部材80の高さを大きくすることで、鉄板Pがボンベ収容部20側に張り出すのを確実に防ぎつつ、カセットコンロ1を使用しないときには、
図2(a)に示すように、ガード部材80を倒してコンパクトに収容することができる。
さらに、カセットコンロ1では、ガード部材80がボンベ収容部20の長手方向に傾動自在であるため、ガード部材80を倒したときに、ガード部材80を燃焼部31とボンベ収容部20との間にコンパクトに収容することができる。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
例えば、
図3(b)に示すように、平板状のガード部材80Aがボンベ収容部20の長手方向に直交する方向(左右方向)に傾動するように構成してもよい。
ガード部材80Aは、
図3(a)に示すように、下縁部の前後両端部が、ケース本体10の前面および後面に回転自在に支持されている。そして、ガード部材80Aの下縁部の前端部が開閉弁70の操作部71に連結されている。
【0038】
この構成では、
図3(b)に示すように、ガード部材80Aは燃焼部31側に倒れるため、ガード部材80Aが燃焼部31を覆うことになる。したがって、カセットコンロ1を使用するときには、必然的にガード部材80Aを起こすことになる。
【0039】
本実施形態では、ガード部材80,80A(
図2および
図3参照)が細長い板状や平板状に形成されているが、ガード部材80,80Aの形状は限定されるものではない。例えば、平板状のガード部材に通風用の開口を形成してもよい。
また、ガード部材80をケース本体10に対して傾動自在に取り付ける構造も限定されるものではなく、例えば、蝶番を用いてガード部材80をケース本体10の上面10aに取り付けてもよい。
【解決手段】ケース本体10の上面10aにバーナー30の燃焼部32が露出し、ケース本体10の側部にボンベ収容部20が設けられているカセットコンロ1である。ボンベ収容部20からバーナー30に通じる供給管60と、供給管60に設けられた開閉弁70と、を有している。燃焼部32とボンベ収容部20との間に傾動自在なガード部材80が設けられている。ガード部材80は、開閉弁70の操作部71に連結されており、ガード部材80を倒したときに開閉弁70が閉じた状態となり、ガード部材80を起こしたときに開閉弁70が開いた状態になる。