特許第5989216号(P5989216)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5989216
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】トリガー式スプレー容器用吊り下げ具
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/22 20060101AFI20160825BHJP
   B05B 11/00 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
   B65D25/22 A
   B05B11/00 102E
   B05B11/00 102Z
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-220978(P2015-220978)
(22)【出願日】2015年11月11日
【審査請求日】2016年3月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000109129
【氏名又は名称】株式会社ダイヤコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】豊澤 一誠
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 正
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−153419(JP,A)
【文献】 特開2005−239232(JP,A)
【文献】 特開2003−104385(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0199596(US,A1)
【文献】 米国特許第03920140(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D23/00−25/56
B05B 1/00− 3/18
B05B 7/00−11/06
B05C 7/00−21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の上部に、指掛け部としてのトリガーの操作にて作動し、ノズルから液体を噴射するポンプ体が設けられたトリガー式スプレー容器を吊り下げるための吊り下げ具であって、
被掛け体に掛けることができるフック部と、
このフック部の下方に設けられ、前記トリガーが掛けられる掛け部を有し、該掛け部にトリガーが掛けられることで前記トリガー式スプレー容器を吊り下げる吊り下げ体と、
を備えていることを特徴とするトリガー式スプレー容器用吊り下げ具。
【請求項2】
請求項1において、
前記吊り下げ体は、前記フック部から垂下される左右一対の垂下部と、この左右一対の垂下部に横架される横架部を有し、この横架部が前記掛け部を構成していることを特徴とするトリガー式スプレー容器用吊り下げ具。
【請求項3】
請求項2において、
前記横架部は、正面視で中央が両端に比べて下方に位置するV字形となっていることを特徴とするトリガー式スプレー容器用吊り下げ具。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか一項において、
前記吊り下げ体は、該吊り下げ体に吊り下げられたトリガー式スプレー容器のノズルに対向するノズルカバー部を有していることを特徴とするトリガー式スプレー容器用吊り下げ具。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか一項において、
前記フック部は側方に開口を有する全体として略C字形状を呈する弾性部材で構成し、前記被掛け体に掛けられる上部の円弧部の曲率半径をR、前記開口の開口長さをHとしたとき、H<2Rとなっていることを特徴とするトリガー式スプレー容器用吊り下げ具。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか一項において、
前記フック部は、前記吊り下げ体に対し、鉛直方向軸回りに回動可能となっていることを特徴とするトリガー式スプレー容器用吊り下げ具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリガー式スプレー容器用吊り下げ具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に見られるように、容器本体(10)の上部に、指掛け部としてのトリガー(25)の操作にて作動し、ノズル(24)から液体を噴射するポンプ体(20)が設けられたトリガー式スプレー容器が知られている。
しかし、このようなトリガー式スプレー容器を吊すのに適した物は従来知られていない。
【0003】
一方、従来、例えば特許文献2に見られるように、スプレー容器(4)の首部に対し、容器本体(3)とこれに螺合される吐出口付きキャップ(2)とで取付部(5)を挟持することで容器(4)に取り付けられるボトルホルダーが知られている。
このボルトホルダーによれば、スプレー容器(4)を壁面に固定することができる。
【0004】
このようなボルトホルダーをトリガー式スプレー容器に適用すれば、トリガー式スプレー容器を壁面に固定することも可能であると思われる。
しかし、そのためには、容器本体(10)とポンプ体(20)の下部に設けられているベースキャップ(50)とでボトルホルダーの取付部(5)を挟持する作業が必要であり、その作業が繁雑である。また容器本体(10)とベースキャップ(50)との間で液漏れが生じやすくなるおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−198583号公報
【特許文献2】実用新案登録第3131564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、トリガー式スプレー容器を吊しておくのに適したトリガー式スプレー容器用吊り下げ具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明のトリガー式スプレー容器用吊り下げ具は、
容器本体の上部に、指掛け部としてのトリガーの操作にて作動し、ノズルから液体を噴射するポンプ体が設けられたトリガー式スプレー容器を吊り下げるための吊り下げ具であって、
被掛け体に掛けることができるフック部と、
このフック部の下方に設けられ、前記トリガーが掛けられる掛け部を有し、該掛け部にトリガーが掛けられることで前記トリガー式スプレー容器を吊り下げる吊り下げ体と、
を備えていることを特徴とする。
【0008】
このトリガー式スプレー容器用吊り下げ具によれば、フック部を被掛け体(例えば、浴室のタオル掛けやドアの取っ手、キッチンの吊り戸棚のポールや、ロッカー、洋服ダンス内のポール等、フック部を掛けることができる対象)に掛け、該フック部の下方に設けられた吊り下げ体の掛け部に対してトリガー式スプレー容器のトリガーを掛けることによってトリガー式スプレー容器を吊り下げることができる。
すなわち、トリガー式スプレー容器を床等において保管するのではなく、被掛け体に吊り下げて保管することが可能となる。
【0009】
このトリガー式スプレー容器用吊り下げ具においては、
前記吊り下げ体は、前記フック部から垂下される左右一対の垂下部と、この左右一対の垂下部に横架される横架部を有し、この横架部で前記掛け部を構成することができる。
このように構成すると、トリガー式スプレー容器を安定した状態で吊り下げることができる。
【0010】
このトリガー式スプレー容器用吊り下げ具においては、
前記横架部は、正面視で中央が両端に比べて下方に位置するV字形となっている構成とすることができる。
このように構成すると、トリガーを横架部に掛けてトリガー式スプレー容器を吊した際、V字形の横架部に沿って該横架部の中央部にトリガーが移動しやすくなるので、トリガー式スプレー容器を一層安定した状態で吊り下げることができる。
【0011】
このトリガー式スプレー容器用吊り下げ具においては、
前記吊り下げ体は、該吊り下げ体に吊り下げられたトリガー式スプレー容器のノズルに対向するノズルカバー部を有している構成とすることができる。
このように構成すると、トリガー式スプレー容器を吊り下げ体に吊り下げた際、トリガー式スプレー容器のノズルが、該ノズルに対向するノズルカバー部で覆われた状態となるので、ノズルが濡れていたり汚れていた場合でも、ノズルに衣類等が接触しにくくなる。
したがって、洋服ダンス等の中の被掛け体にも安心して吊すことができる。
【0012】
このトリガー式スプレー容器用吊り下げ具においては、
前記フック部は側方に開口を有する全体として略C字形状を呈する弾性部材で構成し、前記被掛け体に掛けられる上部の円弧部の曲率半径をR、前記開口の開口長さをHとしたとき、H<2Rとなっている構成とすることができる。
このように構成すると、前記開口の開口長さ方向と同方向の長さがH以上で幅が2R以下の被掛け体に対して、フック部の弾性を利用し開口を広げることでフック部を被掛け体に掛けることが可能となる。
そして、フック部を上記のような被掛け体(前記開口の開口長さ方向と同方向の長さがH以上で幅が2R以下の被掛け体)に掛け、吊り下げ体にトリガー式スプレー容器を吊した場合において、トリガー式スプレー容器を吊り下げ体から外すべく上方へ持ち上げた際に、トリガー式スプレー容器が本願吊り下げ具に当接して該吊り下げ具が、その開口が被掛け体から外れる方向へ移動したとしても、開口の開口長さHは被掛け体の前記開口の開口長さ方向と同方向の長さよりも小さくなっているので、フック部が被掛け体から外れにくくなる。
【0013】
このトリガー式スプレー容器用吊り下げ具においては、
前記フック部は、前記吊り下げ体に対し、鉛直方向軸回りに回動可能となっている構成とすることができる。
このように構成すると、被掛け体に対するトリガー式スプレー容器の吊り下げ方向を自由に変更できるため、使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るトリガー式スプレー容器用吊り下げ具の一実施の形態を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は図(b)におけるd−d断面図、(e)は底面図、(f)は背面図、(g)は図(c)におけるg−g断面図。
図2】使用状態説明図。
図3】トリガー式スプレー容器の吊り下げ状態を示す図で、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は図(a)のc−c断面図、(d)は背面図。
図4】(a)〜(d)はそれぞれ作用説明図、(e)は他の実施の形態の作用説明図。
図5】他の実施の形態を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は左側面図、(d)は図(b)におけるd−d断面図、(e)は底面図、(f)は背面図、(g)は図(c)におけるg−g断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るトリガー式スプレー容器用吊り下げ具の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0016】
図1図3に示すように、この実施の形態のトリガー式スプレー容器用吊り下げ具10は、容器本体2(図2)の上部に、指掛け部としてのトリガー3の操作にて作動し、ノズル4から液体を噴射するポンプ体5が設けられたトリガー式スプレー容器1を吊り下げるための吊り下げ具である。
【0017】
このトリガー式スプレー容器用吊り下げ具10は、被掛け体40に掛けることができるフック部20と、このフック部20の下方に設けられ、前記容器1のトリガー3が掛けられる掛け部31を有し、該掛け部31にトリガー3が掛けられることでトリガー式スプレー容器1を吊り下げる吊り下げ体30とを備えている。
【0018】
このトリガー式スプレー容器用吊り下げ具10によれば、例えば図2図3に示すように、フック部20を被掛け体40(例えば、浴室のタオル掛けやドアの取っ手、キッチンの吊り戸棚のポールや、ロッカー、洋服ダンス内のポール等、フック部20を掛けることができる対象)に掛け、フック部20の下方に設けられた吊り下げ体30の掛け部31に対して、図2の矢印aで示すようにトリガー式スプレー容器1のトリガー3を掛けることによってトリガー式スプレー容器1を図3に示すように吊り下げることができる。
すなわち、トリガー式スプレー容器1を床等において保管するのではなく、利用場所に応じて被掛け体40に吊り下げて保管することが可能となる。
【0019】
例えば、トリガー式スプレー容器1が浴室で利用される浴室用洗剤等である場合には、浴室のタオル掛けやドアの取っ手等に吊すことができる。
トリガー式スプレー容器1がキッチンで利用されるキッチン用洗剤等である場合には、キッチンの吊り戸棚のポール等に吊すことができる。
トリガー式スプレー容器1が洋服等のための消臭スプレー等である場合には、ロッカー、洋服ダンス内のポール等に吊すことができる。
【0020】
主として図1に示すように、吊り下げ体30は、フック部20から垂下される左右一対の垂下部32,32と、この左右一対の垂下部32,32に横架される横架部(31)とを有し、この横架部(31)で前記掛け部31が構成されている。
このように構成すると、トリガー式スプレー容器1を安定した状態で吊り下げることができる。
横架部(31)は断面C字状の棒状体である。
【0021】
図示はしないが、吊り下げ体30は、フック部20から垂下される一つの垂下部(32)と、この一つの垂下部から横方向へ延出した横棒体(31)とを有し、この横棒体(31)で掛け部(31)を構成することも可能である。しかし、その場合に比べ、フック部20から垂下される左右一対の垂下部32,32と、この左右一対の垂下部32,32に横架される横架部(31)とを有し、この横架部(31)で掛け部31を構成することにより、トリガー式スプレー容器1を安定した状態で吊り下げることが可能となる。
【0022】
図1(b)(f)に示すように、横架部(掛け部31)は、正面視で中央31cが両端31bに比べて下方に位置するV字形となっている。
このように構成すると、図3に示すようにトリガー3を横架部31に掛けてトリガー式スプレー容器1を吊した際、図3(a)(d)に示すように、V字形の横架部31に沿って該横架部31の中央部31cにトリガー3が移動しやすくなるので、トリガー式スプレー容器1を一層安定した状態で吊り下げることができる。
【0023】
図1図3に示すように、吊り下げ体30は、該吊り下げ体30に吊り下げられたトリガー式スプレー容器1のノズル4に対向するノズルカバー部34を有している。
このように構成すると、トリガー式スプレー容器1を吊り下げ体30に吊り下げた際、トリガー式スプレー容器1のノズル4が、該ノズル4に対向するノズルカバー部34で覆われた状態となるので、ノズル4が濡れていたり汚れていた場合でも、ノズル4に衣類等が接触しにくくなる。
したがって、洋服ダンス等の中の被掛け体40にも安心して吊すことができる。
【0024】
図1図3に示す吊り下げ体30の垂下部32,32は板状であり、前方(掛け部31に掛けられたスプレー容器1のトリガー3よりもノズル4側)へ延びる延出部32f(図1)を有し、それら延出部32f同士が平面視アーチ状の湾曲板32cで一体に連結されていて、該連結部(32c)で前記ノズルカバー部34が形成されている。
吊り下げ体30は、合成樹脂製の一体成形品で構成することができる。
【0025】
図1(c)に示すように、フック部20は側方に開口21を有する全体として略C字形状を呈する弾性部材(例えばPPその他の合成樹脂)で構成されている。
図1(c)に示すように、被掛け体40に掛けられる上部の円弧部の曲率半径をR、開口21の開口長さをHとしたとき、H<2Rとなっている。
【0026】
このように構成すると、例えば図2に示すように、前記開口21の開口長さ方向と同方向(図示の場合、上下方向)の長さがH以上で幅が2R以下の被掛け体40に対して、フック部20の弾性を利用し開口21を開口方向(矢印Y1,Y2方向)に広げることでフック部20を被掛け体40に掛けることが可能となる。
【0027】
そして、例えば図3に示すように、フック部20を上記のような被掛け体40(前記開口21の開口長さH方向と同方向の長さL(図4)がH以上で幅が2R以下の被掛け体40)に掛け、吊り下げ体30にトリガー式スプレー容器1を吊した場合において、トリガー式スプレー容器1を吊り下げ体30から外すべく上方へ持ち上げた際に、トリガー式スプレー容器1が吊り下げ具10に当接し、例えば図4(a)から(b)に示すように、吊り下げ具10が、その開口21が被掛け体40から外れる方向へ移動したとしても、開口21の開口長さHは被掛け体40の前記開口21の開口長さ方向と同方向の長さLよりも小さくなっているので、フック部20が被掛け体40から外れにくくなる。
【0028】
また、例えば図4(c)(d)に示すように、被掛け体の断面が円形ではなく楕円形(トラック形状)の場合でも、開口21の開口長さHが被掛け体40の前記開口21の開口長さH方向と同方向の長さLよりも小さいときには、同様の作用効果が得られる。
また、例えば図4(e)に示すように、開口21がフック部20の斜め下方に設けられている場合も同様である。
なお、図4(e)に示すトリガー式スプレー容器用吊り下げ具の詳細を図5に示す。
【0029】
図1(b)に示すように、フック部20は、吊り下げ体30に対し、鉛直方向軸A回りに回動可能となっている。
このように構成すると、被掛け体40に対するトリガー式スプレー容器1の吊り下げ方向を自由に変更できるため、使い勝手が向上する。
【0030】
フック部20の下部には、割爪状の連結軸23が一体に設けられており、この連結軸23が、吊り下げ体30の前記一対の垂下部32,32の上部を一体に連結する正面視アーチ形の天板33に設けられた軸受け部33aに回転可能に係合していることによって、フック部20は吊り下げ体30に対して回動可能となっている。
【0031】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【符号の説明】
【0032】
1: トリガー式スプレー容器
2: 容器本体
3: トリガー
4: ノズル
5: ポンプ体
10: トリガー式スプレー容器用吊り下げ具
20: フック部
21: 開口
30: 吊り下げ体
31: 掛け部(横架部)
31b: 両端
31c: 中央
32: 垂下部
34: ノズルカバー部
40: 被掛け体
【要約】
【課題】トリガー式スプレー容器を吊しておくのに適したトリガー式スプレー容器用吊り下げ具を提供する。
【解決手段】容器本体2の上部に、指掛け部としてのトリガー3の操作にて作動し、ノズル4から液体を噴射するポンプ体5が設けられたトリガー式スプレー容器1を吊り下げるための吊り下げ具であり、被掛け体40に掛けることができるフック部20と、フック部20の下方に設けられ、トリガー3が掛けられる掛け部31を有し、掛け部31にトリガー3が掛けられることでトリガー式スプレー容器1を吊り下げる吊り下げ体30とを備えている。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5