【実施例】
【0029】
製造例1(シリカ多孔体の合成)
水ガラス(1号珪酸ソーダ)(SiO
2/Na
2O=2.00)50gにドコシルトリメチルアンモニウムブロマイドを0.1mol含むイオン交換水1Lに添加し70℃にて溶解した。さらに2NのHClを添加して、pHを8.5に調整し70℃で3時間撹拌した。その後水洗を5回繰り返し、40℃で乾燥した。この乾燥粉末を窒素ガス中450℃で3時間加熱した後、空気中550℃にて6時間焼成し、シリカ多孔体Aを得た。
【0030】
得られたシリカ多孔体Aの細孔分布をQuantachrome社製窒素吸着装置(Quadrasorb SI)で測定し、BJH法により求めたところ、平均細孔径は4.2nmであった(
図1)。また、得られたシリカ多孔体をX線蛍光分析装置で測定したところ、チタニウムの含有量は0.05重量%以下であった。また、シリカ多孔体Aをリガク社製X線回折装置(RINT2000)で分析したところ、X線回折のd間隔が5.0nmの位置にピークを有していた(
図2)。さらに、シリカ多孔体Aの比表面積を窒素吸脱着法により算出したところ970m
2/gであった。
【0031】
製造例2(シリカ多孔体への液相法によるチタニウムの導入)
製造例1で得たシリカ多孔体A 5gに、2.5gのチタンイソプロポキシドを含むn‐イソプロパノール溶液5mlを含浸させ120℃で24時間乾燥させる工程を2度繰り返し、チタニウムを含有するシリカ多孔体A1を得た。
得られたシリカ多孔体A1の細孔分布をQuantachrome社製窒素吸着装置(Quadrasorb SI)で測定し、BJH法により求めたところ、平均細孔径は3.7nmであった(
図3)。また、得られたシリカ多孔体A1のチタニウム含量をX線蛍光分析装置で測定したところ、33.0重量%であった。また、シリカ多孔体A1をリガク社製X線回折装置(RINT2000)で分析したところ、X線回折のd間隔が4.9nmの位置にピークを有していた(
図4)。さらに、シリカ多孔体A1の比表面積を窒素吸脱着法により算出したところ741m
2/gであった。
【0032】
実施例1(一酸化炭素メタン化触媒の製造)
製造例2で得たシリカ多孔体A1を3g、シュレンク管に入れて100℃に加熱し、1×10
−4mmHgで2時間真空脱気を行った。
50mlナス型フラスコに塩化ルテニウムn水和物(RuCl
3・nH
2O)0.18gと6N塩酸4.8mlとを入れて60℃で加温溶解し、塩化ルテニウム水溶液を調製した。
【0033】
得られた塩化ルテニウム水溶液に水80mlを加え、さらにシリカ多孔体A1を加えて24時間撹拌した。その後、70℃に加熱しながらエバポレータを用いて水を留去し、さらに110℃のオーブンで24時間乾燥した。
次に、得られた残留物を空気中200℃で2時間焼成し、乾燥水素気流中350℃で3時間還元することにより本発明の一酸化炭素メタン化触媒A1を得た。一酸化炭素メタン化触媒A1のルテニウム担持量は、全自動蛍光X線分析装置(XRF−1700WS)で測定した結果5質量%であった。透過電子顕微鏡観察により粒径2〜3nmのルテニウム粒子が細孔に沿って一定の間隔で並んでいる様子が観察された(
図5,6)。
【0034】
製造例3
製造例1で得たシリカ多孔体に、塩化チタンを原料としてCVD法によりチタニウムを導入し、チタニウムを含有するシリカ多孔体A2を得た。得られたシリカ多孔体A2の平均細孔径は3.9nmであった(
図7)。また、得られたシリカ多孔体A2のチタニウム含量をX線蛍光分析装置で測定したところ、8.8重量%であった。また、シリカ多孔体A2をリガク社製X線回折装置(RINT2000)で分析したところ、X線回折のd間隔が4.9nmの位置にピークを有していた(
図8)。さらに、シリカ多孔体A2の比表面積を窒素吸脱着法により算出したところ835m
2/gであった。
【0035】
実施例2
シリカ多孔体A1に代えて、シリカ多孔体A2を用いた以外は実施例1と同様の方法で一酸化炭素メタン化触媒A2を得た。透過電子顕微鏡観察により粒径2〜3nmのルテニウム粒子が細孔に沿って一定の間隔で並んでいる様子が観察された(
図9)。
【0036】
製造例4
ドコシルトリメチルアンモニウムブロマイドに代えて、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイドを用いた以外は実施例1と同様の方法でシリカ多孔体Bを得た。続いてシリカ多孔体Aに代えてシリカ多孔体Bを用いる以外は製造例2と同様の方法でシリカ多孔体B1を得た。得られたシリカ多孔体B1の平均細孔径は2.3nmであった。また、チタニウム含量をX線蛍光分析装置で測定したところ、32.7重量%であった。また、リガク社製X線回折装置(RINT2000)で分析したところ、X線回折のd間隔が3.7nmの位置にピークを有していた。さらに、シリカ多孔体B1の比表面積を窒素吸脱着法により算出したところ734m
2/gであった。
【0037】
実施例3
シリカ多孔体A1に代えて、シリカ多孔体B1を用いた以外は実施例1と同様の方法で一酸化炭素メタン化触媒Bを得た。透過電子顕微鏡観察により粒径2〜3nmのルテニウム粒子が細孔に沿って一定の間隔で並んでいる様子が観察された。
【0038】
比較例1
シリカ多孔体A1に代えて、製造例1で得たチタニウムを含有しないシリカ多孔体を用いた以外は実施例1と同様の方法で一酸化炭素メタン化触媒Cを得た。透過電子顕微鏡観察により粒径2〜3nmのルテニウム粒子が細孔に沿って一定の間隔で並んでいる様子が観察された(
図10)。
【0039】
比較例2
微粒子シリカ(アエロジル300(日本アエロジル株式会社製))1.35gと微粒酸化チタン(和光純薬製)1.65gをよく混合しシリカと酸化チタンの混合粉体を得た。この混合粉体のチタニウム含量をX線蛍光分析装置で測定したところ、32.7重量%であった。また、この混合粉体をリガク社製X線回折装置(RINT2000)で分析したところ、X線回折のd間隔が2nmより大きいところにピークが存在しなかった(
図11)。さらに、混合粉体の比表面積を窒素吸脱着法により算出したところ162m
2/gであった。
【0040】
シリカ多孔体A1に代えて、上記のシリカと酸化チタンの混合粉体を用いた以外は実施例1と同様の方法で一酸化炭素メタン化触媒Dを得た。透過電子顕微鏡観察により凝集したルテニウム粒子がシリカおよび酸化チタンの外表面に担持されている様子が観察された。
【0041】
試験例1(一酸化炭素メタン化触媒を用いたCO除去反応)
直径8mmのSUS製反応管に石英ウールを入れて、ガラスビーズ1.5gと一酸化炭素メタン化触媒0.1gを混合して充填し、反応管の外周にヒーターを設置して一酸化炭素メタン化器を作成した。触媒層の温度は、触媒層に埋設した熱電対でモニタし、前記ヒーターにより触媒層の温度を調節した。
【0042】
触媒層は反応開始前に、水素気流下350℃で2時間前処理を行った後、室温まで冷却することで活性化を行った。
その後反応管に、模擬反応ガス(CO;0.6%、CO
2;20.0%、水素バランスの混合ガス)を、マスフローメーターを用いてガス流量3000ml/(h・g
―触媒)で導入し、触媒層において反応を行った。
【0043】
なお反応中には、石鹸膜流量計で所定の流量が流れているのか確認を行った。
触媒層温度を140℃〜230℃に変化させて一酸化炭素メタン化反応を行い、反応管出口でガス組成を、ガスクロマトグラフによって測定した結果を表1に示した。
なお、CO選択率は下記式により算出した。
【0044】
【数1】
【0045】
【表1】
【0046】
CO濃度<10ppm、選択率>50%となった反応条件を太字で標記した
【0047】
比較例1、2に示した一酸化炭素メタン化触媒C、DではCOの除去活性が低く、また、COの反応選択率が悪くCO
2のメタン化反応が進行し、水素が浪費されてしまった。これに対し実施例に示した一酸化炭素メタン化触媒A1は反応温度150℃より高い温度では一酸化炭素を100%除去することができ、さらに210℃まで50%以上という高いCO反応選択率を維持することができた。また、実施例2および3に示した一酸化炭素メタン化触媒A2、一酸化炭素メタン化触媒Bもこれに近い性能を示した。
【0048】
このように本発明の一酸化炭素メタン化触媒は従来の触媒と比較し、低温から広い反応温度域でCOをメタン化して除去できる活性を有するとともに、導入ガス中にCO
2が含まれていてもCOに対して高い反応選択性を有することができ、燃料電池の水素精製において安定した性能を付与することができる。