【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、表1〜表3のプロトコルに従った所定の周波数で、流体圧パルス(FPP)を患者の口腔に印加するための空気供給装置(ADD)が提供される。表1〜表3は、本発明において開示される典型的なプロトコルを要約している。
【0010】
本発明の他の態様によれば、a)空気を第1の開口部(入力口)を介して圧力チャンバ内へ送り込む送風機と、b)第1の開口部及び圧力チャンバの第2の開口部(出力口)間に位置しており、圧力チャンバと流体連通して設けられた空気流の閉塞手段(AOM)と、c)第2の開口部(出力口)に流体連通している、患者のマウスピースと、d)動作中は、あらかじめ定められたプロトコルに従ってFPPを患者の口腔に印加するべく、所定の周波数及び圧力で空気流を遮断し放出するように構成された、AOMの制御手段とを備えているADDが提供される。
【0011】
本発明のさらに他の態様によれば、圧力チャンバが、患者の口腔に振動変調されたFPPを供給するべく、圧力チャンバ内のガス状流体を所定の周波数で振動させるように構成されているガス状流体振動手段(GFVM)をさらに備えている。
【0012】
本発明のまたさらに他の態様によれば、FPPの圧力が、周囲のガス状流体の圧力より大きいADDが提供される。
【0013】
本発明のさらに他の態様によれば、FPPの圧力が、周囲のガス状流体の圧力より小さいADDが提供される。
【0014】
本発明のまたさらに他の態様によれば、肺疾患の治療に有効なADDが提供される。
【0015】
本発明のさらに他の態様によれば、肺疾患が、ぜんそく、COPD及びCFからなる群から選択されるADDが提供される。
【0016】
本発明のまたさらに他の態様によれば、プロトコルが、ぜんそくプロトコル、COPDプロトコル及びCFプロトコルを含む群から選択される。
【0017】
本発明のさらに他の態様によれば、ガス状流体が、空気、酸素、窒素、亜酸化窒素、二酸化炭素、希ガス、薬剤増量流体、麻酔薬増量流体、粒子(例えば、食塩結晶)、微粒子、ナノ粒子、増量剤、流動物質、氷晶リポソーム、小胞、粘着付与剤、増粘剤、粘液の粘性減少剤、粘液の粘性増加剤、あらゆる植物又は微生物源からの微粒子、遺伝子組替えDNA、遺伝子組替えDNAを含む生物学的ベクター、抗体、タンパク質、ペプチド、酵素、ホルモン類、因子、共同因子、炭水化物、糖タンパク質、リポタンパク質、及び不水溶性剤からなる薬剤許容物質の群から選択される1つであるか又は2つ若しくはそれ以上の流体の混合物である。
【0018】
本発明のまたさらに他の態様によれば、ADDがガス加熱又は冷却手段を備えている。
【0019】
本発明のさらに他の態様によれば、ADDがガス加湿又は除湿手段を備えている。
【0020】
本発明のまたさらに他の態様によれば、ADDが薬用溶液を含むガスを加湿する手段を備えている。
【0021】
本発明のさらに他の態様によれば、ADDがガス流を集束させる手段、特にベンチュリ型集束器及び流体流促進器を備えている。
【0022】
本発明のまたさらに他の態様によれば、ADDが乱流誘発手段、バッファ手段及び層流誘発手段からなる群から選択される空気流制御手段を備えている。
【0023】
本発明のさらに他の態様によれば、ADDが喉頭鏡又は鼻カニューレを介してFPPを肺又は気管支へ直接的に供給する手段を備えている。
【0024】
本発明のまたさらに他の態様によれば、ADDが呼吸パラメータの測定手段及び分析手段を備えている。
【0025】
本発明のまたさらに他の態様によれば、呼吸パラメータが、強制肺活量、1秒間の強制呼気量、最大呼気流量、強制呼気流量の25〜75%又は25〜50%、強制吸気流量の25〜75%又は25〜50%、強制呼気時間、ゆっくり排気測定した肺活量、1回換気量、及び最大換気量からなる群から選択される。
【0026】
本発明のさらに他の態様によれば、ADDが呼吸パラメータの変化を分析し、適用された治療プロトコルを最適化するように構成されている。
【0027】
本発明のまたさらに他の態様によれば、測定手段が、患者の気道内の検出空気流に対応する電気信号を生成するように構成されている少なくとも1つのセンサを備えている。
【0028】
本発明のさらに他の態様によれば、センサが、音響波を検出し、対応する電気信号を分析手段に送信するように構成されている少なくとも1つのトランスデューサである。
【0029】
本発明のまたさらに他の態様によれば、分析手段が、検出した呼吸パラメータに従って治療プロトコルを変化させるように構成されている。
【0030】
本発明のさらに他の態様によれば、ADDがFPPの特性を測定する手段と、あらかじめ定めたプロトコルに従ってその特性を調整する手段とをさらに備えている。
【0031】
本発明のまたさらに他の態様によれば、特性がFPPの周波数及び圧力振幅からなる群から選択される。
【0032】
本発明のさらに他の態様によれば、調整手段が自動で制御される。
【0033】
本発明のまたさらに他の態様によれば、調整手段が手動で制御される。
【0034】
本発明のさらに他の態様によれば、圧力チャンバには、外部の圧縮空気源から圧縮空気が供給される。
【0035】
本発明のまたさらに他の態様によれば、ADDが持続的気道陽圧法(CPAP)治療に適合している。
【0036】
本発明のさらに他の態様によれば、ADDがCPAP装置と統合されている。
【0037】
本発明のまたさらに他の態様によれば、ADDがCPAP装置に組み込まれている。
【0038】
本発明のさらに他の態様によれば、ADDが呼吸パイプに組み込まれている。
【0039】
本発明のまたさらに他の態様によれば、ADDがマウスピースに組み込まれている。
【0040】
本発明のさらに他の態様によれば、ADDが吸気及び呼気の間、FPPを供給するように構成されている。
【0041】
本発明によれば、(a)表1〜表3に定義したプロトコルに従った所定の周波数でFPPを印加するように構成されたADDを得るステップと、(b)FPPを患者の口腔に印加するステップとを備えた、患者を治療する方法が提供される。
【0042】
本発明の他の態様によれば、(a)空気を第1の開口部(入力口)を介して圧力チャンバ内へ送り込む送風機と、第1の開口部及び圧力チャンバの第2の開口部(出力口)間に位置しており、圧力チャンバと流体連通して設けられた空気流の閉塞手段(AOM)と、第2の開口部(出力口)に流体連通している、患者のマウスピースと、動作中は、あらかじめ定められたプロトコルに従って前記FPPを患者の口腔に印加するべく、所定の周波数及び圧力で前記空気流を遮断し放出するように構成された、AOMの制御手段とを備えているADDを得るステップと、(b)マウスピースを患者の空気腔に係合させるステップと、(c)制御手段を含むあらかじめ定められたプロトコルを選択するステップと、(d)FPPがあらかじめ定められたプロトコルに従って患者の口腔に投与されるように、プロトコルを動作させるステップとを備えている方法が提供される。
【0043】
本発明のさらに他の態様によれば、この方法は、(a)圧力チャンバ内の空気を所定の周波数で振動させるために該圧力チャンバに空気振動手段(AVM)を提供するステップと、(b)患者の口腔に振動するFPPを供給すべく記AVMを動作させるステップとを備えている。
【0044】
本発明のまたさらに他の態様によれば、この方法は、周囲空気圧より高い圧力のFPPを供給するステップをさらに備えている。
【0045】
本発明のさらに他の態様によれば、この方法は、周囲空気圧より低い圧力のFPPを供給するステップをさらに備えている。
【0046】
本発明のまたさらに他の態様によれば、この方法は、ぜんそく、COPD及びCFからなる群から選択される健康状態を治療するに有用なADDを提供するステップをさらに備えている。
【0047】
本発明のさらに他の態様によれば、この方法は、(a)あらかじめ定められたプロトコルに従って所定の周波数でFPPを生成するステップと、(b)このFPPを患者の口腔に投与するステップとをさらに備えている。
【0048】
本発明の主たる特徴は、(a)ぜんそくプロトコル、COPDプロトコル及びCFプロトコルを含む群からプロトコルを選択するステップと、(b)このプロトコルを患者の口腔に投与するステップとをさらに含む方法を提供することにある。
【0049】
本発明の主たる態様は、FPPの周波数特性を正確に測定する手段及び方法を提供することにある。本発明さらなる態様は、装置の動作を患者又は医師が調整でき、校正でき、又は減衰できるように、上述したデータを装置のマイクロプロセッサに伝え、データを処理する手段及び方法を提供することにある。同様に、FPPの圧力振幅を正確に測定する手段及び方法を提供することも、本発明の主たる態様である。
【0050】
装置の動作を患者又は医師が調整でき、校正でき、又は減衰できるように、このデータを装置のマイクロプロセッサに伝え、データを処理する手段及び方法を提供することも本発明のさらなる態様である。FPPによる治療を改善するために、正又は負に圧力変化を制御する手段及び方法を提供することも本発明の主たる態様である。
【0051】
装置の動作を患者又は医師が調整でき、校正でき、又は減衰できるように、このデータを装置のマイクロプロセッサに伝え、データを処理する手段及び方法を提供することも本発明のさらなる態様である。
【0052】
FPPによる治療を改善するために、正又は負に空気流の方向を制御する手段及び方法を提供することも本発明の主たる態様である。装置の動作を患者又は医師が調整でき、校正でき、又は減衰できるように、このデータを装置のマイクロプロセッサに伝え、データを処理する手段及び方法を提供することも本発明のさらなる態様である。
空気流の方向は、全てが特定のプロトコルに従って、患者の呼気若しくは吸気と反対方向であるか同一方向であり得る。
【0053】
本発明によれば、さらに、ADDによってFPPを印加するプロトコルが提供される。このプロトコルは、(a)ADDを得ること、(b)表1〜表3に従った所定の周波数、圧力及び間隔で、FPPを患者の口腔に印加することを含む。
【0054】
本発明によれば、さらにまた、ADDを得ることを含み、このADDによってFPPを印加するプロトコルが提供される。このADDは(a)空気を第1の開口部(入力口)を介して圧力チャンバ内へ送り込む送風機と、(b)第1の開口部及び圧力チャンバの第2の開口部(出力口)間に位置しており、圧力チャンバと流体連通して設けられた空気流の閉塞手段(AOM)と、(c)第2の開口部(出力口)に流体連通している、患者のマウスピース又はフェイスマスクと、(d)AOMを制御し、動作させ、表1〜表3に従った周波数、圧力及び間隔でFPPを患者の口腔に印加する手段とを備え
ている。
【0055】
本発明のさらに他の態様によれば、前述の方法は、あらかじめ定められたプロトコルに従って特性を調整するFPPの特性を測定するステップをさらに備えている。
【0056】
本発明のまたさらに他の態様によれば、特性を測定するステップが、周波数測定及び圧力測定からなる群の少なくとも1つの要素を備えている。
【0057】
本発明のまたさらに他の態様によれば、特性を調整するステップが、自動で実行される。
【0058】
本発明のさらに他の態様によれば、特性を調整するステップが、手動で実行される。
【0059】
本発明を理解し、本発明がどのように実施されるかを知るために、複数の実施形態が非限定的な実施形態として、以下に述べる添付の図面を参照して記載されている。