(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の特徴は、接続対象物が着脱自在に挿抜されるコネクタ10であって、前記接続対象物と接触する接触部141
,151と基板に接続する接続部143
,153を有する所要数のコンタクト14
,15と、該コンタクト14
,15が挿入されるとともに配列・保持される挿入孔121と前記接続対象物が挿入される嵌合口30を有するハウジング12と、前記ハウジング12の嵌合口30の反対側に装着される回動部材18と、前記ハウジング12を覆うシェル20と、前記接続対象物の抜去を防止するロック部材202と、を備えるコネクタ10において、前記接続対象物は係止部82を有し、
前記コンタクト14,15は、一方端に前記接触部141を有する第1片と、一方端に前記接続部143を有する第2片と、前記第1片の他方端と前記第2片の他方端を連結する連結部145とを有し、前記接触部141と前記連結部145と前記接続部143を略コ字形状に配置する第1コンタクト14及び一方端に前記接触部151を有する第1片と、他方端に前記接続部153を有する第2片と、前記第1片の他方端と前記第2片の一方端を連結する連結部155とを有し、前記接触部151と前記連結部155と前記接続部153を略クランク形状に配置する第2コンタクト15との少なくともどちらか一方を含み、前記コンタクト14,15は前記接触部141,151の反対方向へ突出し前記回動部材18の押圧部182を抑えるための延設部144,154を有し、前記ロック部材202は、一方端に前記接続対象物の係止部82に係合する係合部205と他方端に前記回動部材18が作用する押受部206とを有する略クランク形状であり、前記シェル20の長手ピッチ方向両側付近で弾性連結部204により連結されることで前記シェル20と一体であり、前記シェルは前記ロック部材の長手ピッチ方向外側に強度を補強する補強片を有し、前記補強片は前記回動部材の軸が回転可能に装着できる略凹状の軸受部を有し、前記ハウジング12は前記ロック部材202が入る挿入溝122を有し、前記回動部材18は前記押受部206に作用する長手方向に連設した細長形状の押圧部182を有し、
前記回動部材18は前記延設部144,154が入る別個独立の係止孔183を有するともに隣接する前記係止孔183間に仕切り壁を有し、前記回動部材18を開いた際に前記回動部材18の押圧部182が前記ロック部材202の押受部206に作用することにより前記ロック部材202の係合部205が前記接続対象物の係止部82から外れてロックが解除されることを特徴とするコネクタである。
つまり、接続対象物を挿入するだけで、ワンタッチで安定した接続及び確実なロックができ、接続対象物の抜去時には簡単にロック部材のロックを解除できる構造のコネクタ10の提供を目的とし、前記接続対象物に係止部82を設け、一方端に前記接続対象物の係止部82と係合する係合部205と他方端に前記回動部材18が作用する押受部206とを略クランク形状に配置するロック部材202を用い、このロック部材202をハウジング12に配置し、押受部206に作用する押圧部182を有する回動部材18を前記接続対象物の挿入側と反対側に配置し、前記回動部材18が開いた際に前記回動部材18の押圧部182が前記ロック部材202の押受部206に作用することにより前記ロック部材202の係合部205が前記接続対象物の係止部82から外れるようにしたものである。
【0015】
図1から
図9に基づいて、本発明のコネクタ10の一実施例について説明する。
図1(A)は本発明のコネクタと矢印方向に抜去した状態のFPCを嵌合口側の上方からみた斜視図であり、(B)は本発明のコネクタと矢印方向に抜去した状態のFPCを嵌合口と反対側の下方からみた斜視図であり、(C)はFPCが挿入された状態の本発明のコネクタを嵌合口側の上方からみた斜視図である。
図2(A)はFPCが挿入されてなく、かつ、回動部材が閉じた状態で、ロック部材部分で断面した断面図であり、(B)はFPCが挿入され、かつ、回動部材が閉じた状態で、ロック部材部分で断面した断面図であり、(C)はFPCが挿入され、かつ、回動部材が開いた状態で、ロック部材部分で断面した断面図である。
図3(A)はFPCが挿入されてなく、かつ、回動部材が閉じた状態で、あるコンタクト部分で断面した断面図であり、(B)はFPCが挿入され、かつ、回動部材が閉じた状態で、あるコンタクト部分で断面した断面図であり、(C)はFPCが挿入され、かつ、回動部材が開いた状態で、あるコンタクト部分で断面した断面図である。
図4(A)はコンタクトの斜視図であり、(B)は千鳥配置するための別のコンタクトの斜視図であり、(C)はZIF構造のコンタクトの斜視図である。
図5(A)は嵌合口側上方よりみたハウジングの斜視図であり、(B)はハウジングをあるコンタクト挿入孔部分で断面した断面図であり、(C)はハウジングをロック部材挿入溝部分で断面した断面図であり、(D)はハウジングを補強片装着孔部分で断面した断面図である。
図6(A)は回動部材の斜視図であり、(B)は回動部材をある係止孔部分で断面した断面図である。
図7(A)はシェルをハウジング接触側よりみた斜視図であり、(B)はロック部材をハウジング装着側よりみた斜視図である。
図8は回動部材の押圧部の別の説明図である。
【0016】
本発明のコネクタ10は、主にハウジング12とコンタクト14と回動部材18とロック部材22、202とを備えている。必要に応じてシェル20を備える場合もある。本実施例では、まず、シェル20を備え、ロック部材202が前記シェル20と一体構造になったものについて説明する。前記ロック部材202は前記シェル20と別部品でもよく、後述する。
【0017】
構成部品を説明する前に、本実施例に使用する接続対象物であるFPC80について説明する。前記FPC80には、主にコンタクト14の接触部141と接触する接点と該接点から回路へ繋がるパターンとを備えている。前記FPC80には、前記ロック部材202、22と係合する係止部82が設けられている。前記係止部82は、前記ロック部材202、22と係合でき、安定した保持力が得られればよく、その形状は溝や孔や止め孔等であってもよく、保持力や加工性等を考慮して適宜設計する。
【0018】
図に基づいて本発明のコネクタ10の構成部品について説明する。まず、シェル20について説明する。前記シェル20は金属製であり、公知技術のプレス加工によって製作されている。前記シェル20の材質としては、バネ性や導電性やEMI特性や寸法安定性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。本実施例では、前記シェル20に前記ロック部材202が一体に成型されている。
【0019】
前記シェル20には、主に、本体部201と該本体部201に連結したロック部材202及び補強片203とを有している。前記本体部201は、EMI対策やコジリ対策のために前記ハウジング12の天井部124を覆う部分であり、略板状片をしている。前記本体部201の形状・大きさは、前記ハウジング12の天井部124に沿うように適宜設計されている。
【0020】
一体構造の前記ロック部材202について説明する。前記ロック部材202は前記本体部201に弾性連結部204により長手ピッチ方向両側に連結されている。前記ロック部材202は、一方端側に前記FPC80の係止部82と係合する係合部205と他方端側に前記回動部材18の押圧部182が作用する押受部206を有している。前記係合部205と前記押受部206は略クランク形状に配置されている。
【0021】
前記ロック部材202は、前記FPC80を挿入する際には挿入力が掛かる、所謂、Non−ZIF構造になっている。つまり、前記FPC80を前記ハウジング12の嵌合口30に挿入すると、前記FPC80が前記係合部205を乗り越えて、前記係合部205が前記FPC80の係止部82に係合し、ロックされる。つまり、前記係合部205と前記ハウジングとの間隔は前記FPC80の厚さより狭くしている。
【0022】
前記ロック部材202は、前記FPC80を抜去する際には抜去力が掛からない、所謂、ZIF構造になっている。つまり、前記回動部材18を開くと、前記回動部材18の押圧部182が前記ロック部材202の押受部206に作用し、前記押受部206が下方向(実装基板側)に押し下げられるとクランクに折曲られた部分が前記弾性連結部204側に倒れることにより前記係合部205が上方向(実装基板と反対側)に持ち上げられることで、前記係合部205が前記FPC80の係止部82から外れるため、抜去力が掛からないで前記FPC80を抜くことができる。前記FPC80を抜去した状態を示した図面が
図1(A)及び(B)である。
【0023】
前記係合部205の形状・大きさは、前記FPC80の係止部82と係合できればよいが、挿入時や抜去時の上記役割(動き)を満足することや保持力や強度や加工性を考慮して適宜設計する。本実施例では、前記係合部205の先端部分を略三角形状にしている。
前記押受部206とクランク形状に折曲られた部分と前記弾性連結部204の形状・大きさは、挿入時や抜去時の上記役割(動き)を満足するように適宜設計されている。
【0024】
前記補強片203について説明する。前記補強片203は、長手ピッチ方向両側で、嵌合口30側で、前記本体部201と連結されている。前記補強片203の主な役割は、前記シェル20(前記ロック部材202を含め)を前記ハウジング12に保持(固定)するためのものである。そのため、前記補強片203には、前記ハウジング12へ固定するための保持部207が設けられている。前記保持部207は、前記ハウジング12へ固定出来ればよく、前記保持部207の形状、大きさ及び位置は保持力やバランスや加工性や強度等を考慮して適宜設計している。
【0025】
本実施例では、前記補強片203には前記回動部材18の軸185に対応する位置に軸受部
208が設けられている。前記軸受部
208は前記回動部材18の軸185と回動できるように軸着できればよく、その形状・大きさは前記回動部材18が回動した際に、前記押圧部182が移動及び回転できることや加工性や強度等を考慮して適宜設計する。本実施例では前記軸受部
208を前記シェル20に設けたが、前記ハウジング12に設けてもよい。磨耗等を考えると、前記シェル20に設けることが望ましい。
【0026】
ここで、前記シェル20と別体にしたロック部材22について説明する。以下では、前記シェル20と一体構造にした前記ロック部材202との相違点について説明する。
【0027】
前記ロック部材22にも、上記と同様の補強片223が
図7(B)のように弾性連結部224によって一体構造になっている。前記補強片223の形状・大きさ及び役割は、上述と同様である。
【0028】
前記ロック部材22に設けられた係合部225や押受部226の形状・大きさ及び配置も上述と同様であり、それぞれの役割や作用も同じである。クランクに折曲られた部分と前記弾性連結部224の役割・作用も同様である。相違点と言えば、弾性連結部224の連結部位である。
【0029】
次に、コンタクト14について説明する。前記コンタクト14は金属製であり、公知技術のプレス加工によって製作されている。前記コンタクト14の材質としては、バネ性や導電性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。本実施例では、前記コンタクト14は前記ハウジング12の挿入孔121内に挿入される。
【0030】
前記コンタクト14には、少なくとも前記FPC80の上面に接触する上側の接触部141と前記ハウジング12に固定する固定部142と基板に接続する接続部143を有している。本実施例では、前記接触部141と前記接続部143はコ字形状に配置されている。前記接触部141と前記接続部143の中間部分には、2つの片同士を連結する連結部145が設けられている。本実施例においては、さらに、前記接触部141と反対方向(前記FPC80の挿入方向)に延設した延設部144と前記接触部141と対向する位置にもう一つの下側の接触部141が設けられている。このようにすることにより上下接点が可能になり、かつ、Non−ZIF構造でも安定した接続が得られる。
【0031】
前記接触部141、141は、前記FPC80と接触し易いように凸部形状にしており、前記接続部143は本実施例では
図4(A)のように表面実装タイプ(SMT)にしているが、ディップタイプでも良い。前記接続部143の近傍に、前記ハウジング12への固定部142が設けられている。前記固定部142が前記ハウジング12へ圧入することにより保持される。
【0032】
前記コンタクト14の2つの接触部141、141間は、前記FPC80の厚さよりも狭くしており、所謂、Non−ZIF構造にしている。つまり、前記FPC80を前記ハウジング12の嵌合口30に挿入すると、前記FPC80が2つの前記接触部141、141を押し広げるように挿入され、前記接触部141、141が前記FPC80の接点に接触することで電気的に導通する。本実施例の前記コンタクト14の場合、前記FPC80の挿入時にも、抜去時にも力を要する、所謂、Non−ZIF構造である。前記コンタクト14をNon−ZIF構造にすることで、前記FPC80の保持力をアップさせている。つまり、前記FPC80を挿入するワンタッチで接続できる構造である。
【0033】
前記延設部144は、前記回動部材18が回動し開いた際の前記押圧部182を抑えるためのものである。つまり、前記押圧部182が実装基板と反対側(上方向)に持ち上がらないようにするためのものである。前記押圧部182が持ち上がってしまうと、前記ロック部材20、202の押受部206、226を押圧出来なくなってしまうためである。このような状況から前記コンタクト14には、前記延設部144を設けることが望ましい。前記延設部144の形状・大きさは、このような役割や加工性や強度等を考慮して適宜設計する。
【0034】
次に、回動部材18について説明する。この回動部材18は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やポリフェニレンサルファイド(PPS)やこれらの合成材料を挙げることができる。前記回動部材18は主に操作部181とハウジング12に回動可能に装着される軸185部分と押受部206を押圧する押圧部182とを備えている。本実施例では、更に、前記コンタクト14の延設部144が入る係止孔183が設けられている。前記軸185は、回動部材16を回動するための支点であり、ハウジング12若しくは前記シェル20の長手方向両側に回動部材18が回動可能に適宜装着されている。前記軸185と前記ハウジング12若しくは前記シェル20の軸受との関係は、前記回動部材18が回動した際に、前記押圧部182が移動及び回転できる程度の0.05〜0.07mm程度クリアランスを設けている。
【0035】
前記押圧部182は、前記ロック部材202、22の押受部206、226に押し付ける部分であり、その形状としては細長形状にする。前記押圧部182の形状は、本実施例では楕円形状をしている。このように楕円形状にすることによって、前記回動部材18を回動させ、前記ロック部材202、22の押受部206、226に作用させることで、前記押圧部182の大きさの変化により前記ロック部材202、22の押受部206、226が押し下げられ、前記FPC80の係止部82から前記ロック部材202、22の係合部205、225が外れる。前記押圧部182の形状としては、前記ロック部材202、22の押受部206、226に作用でき、長軸と短軸といった大きさの違いにより前記ロック部材202、22の押受部206、226を押し下げられれば、如何なるものでもよい。
【0036】
また、前記回動部材18を回動し開いた際に、前記ロック部材202、22の押受部206、226を確実に押し下げる為に、前記コンタクト14の延設部144が入る係止孔183が別個独立に設けられている。別個独立に設けることで、結果的に隣接する前記コンタクト14の間には、仕切り壁184が設けられることになり、前記係止孔183を別個独立に設け、かつ、前記仕切り壁184を設けることで、前記回動部材18の強度アップや回動時の変形を防止している。
【0037】
さらに、前記操作部181は、前記回動部材18を回動させる際に、指や治具等で押す部分である。前記操作部181の形状・大きさは、指や治具等で押せればよく、コネクタの小型化や強度や加工性や操作性等を考慮して適宜設計する。
【0038】
さらにまた、前記回動部材18の幅方向両側には、前記回動部材18が閉じた際に確実にロックするロック186を設けるとよい。前記ロック186の形状・大きさは確実にロックできればよく、保持力やコネクタの小型化や強度や加工性等を考慮して適宜設計する。
【0039】
次に、ハウジング12について説明する。このハウジング12は電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。前記ハウジング12には、前記FPC80が挿入される嵌合口30が設けられている。前記嵌合口30は、前記FPC80が入ればよく、前記FPC80の厚さより大きくしているが、前記FPC80を挿入した際には、前記コンタクト14の接触部141と接触する所謂non−ZIF構造になっている。
【0040】
前記ハウジング12には、所要数のコンタクト14が装着される挿入孔121が設けられており、圧入や引っ掛け(ランス)や溶着等によって固定されている。前記挿入孔121は、前記回動部材18が装着される側から前記嵌合口30側に向かう方向に設けられている。前記コンタクト14は前記嵌合口30側より挿入されている。
【0041】
前記ハウジング12の長手方向両側には、前記ロック部材202、22が入る挿入溝122と前記補強片203、223が入る装着孔123とが設けられている。前記挿入溝122と前記装着孔123の形状・大きさは、前記ロック部材202、22及び前記補強片203、223の形状に沿い、保持力や加工性や強度やコネクタの小型化等を考慮して適宜設計する。
【0042】
前記ハウジング12は、前記コンタクト14の接触部141を被覆する天井部124を備えている。前記天井部124はほこりや塵などから前記コンタクト14の接触部141を保護する部分である。前記回動部材18が回動するために、前記ハウジング12には、前記FPC80の挿入方向と反対側に切欠部125を設けている。
【0043】
以下、違うコンタクトについて説明する。まず、狭ピッチを実現するためのコンタクトについて説明する。前記コンタクトも、少なくとも接触部と接続部を有している。前記コンタクトは、一方端に接触部151を有する第1片と他方端に基板に接続する接続部153を有する第2片と前記第1片の他方端と前記第2片の一方端を連結する連結部155を有しているものを、第2コンタクト15という。更に、本実施例では
図4(B)のように前記接続部153と対向するように延設部154が設けられている。前記延設部154は上述と同様の役割を果す部分である。狭ピッチにするために、前記コンタクト14と前記第2コンタクト15を千鳥に配置した。つまり、1本おきに、前記コンタクト14を嵌合口30方向から挿入し、前記第2コンタクト15を嵌合口30の反対側より挿入している。
【0044】
上述した2つのコンタクト14、15は、前記延設部144、154を有しないものであってもよい。また、上述した2つのコンタクト14、15は、略倒h形状のものを実施例として説明したが、さらに、前記コンタクト14の場合には前記延設部144と対向するように延設した第2延設部を設け、前記第2コンタクト15の場合には前記接触部151と対向するように延設した第2延設部を設け、それぞれ略倒H形状にしたものでもよい。(図示せず)
【0045】
コネクタとしては、上述した2つのコンタクト14、15のどちらか一方を含むものであってもよいし、両方のコンタクト14、15を含むものであってもよい。前記第2コンタクト15の第2延設部の先端で前記接触部151と対向する位置に、2つの目の接触部を設けてもよい。上述した2つのコンタクト14、15は、挿抜の両方とも力(挿入力と抜去力)が掛かるものである。
【0046】
次に、コンタクトをZIF構造(挿入時には力が掛かるが、抜去時には力が掛からない)にしたものについて説明する。
図4(C)に示したZIF構造のコンタクトは、上述した第2コンタクト15と同一形状をしており、前記第2コンタクト15の延設部154を第4押受部164とし、前記連結部155を弾性連結部165とした第4コンタクト16とし、前記第4押受部164に前記回動部材18の押圧部182が作用し、前記第4押受部164を持ち上げることにより前記弾性連結部165が接触部である第4接触部161側に倒れ、前記第4接触部161が下方変位することで前記第4接触部161が前記FPC80の接点に接触するようにしたものである。
【0047】
前記第4押受部164と前記弾性連結部165の形状・大きさは、このような作用(動き)を満足するように、適宜設計する。前記第4コンタクト16は、挿入時には力が掛かるが、抜去時には力が掛からないものである。
【0048】
図示はしないが、
図4(A)と同一形状で、かつ、ZIF構造の第3コンタクトがある。前記第3コンタクトも、前記コンタクト14の延設部144を第3押受部とし、前記連結部144を弾性連結部としたものである。前記第3押受部と前記弾性連結部は上述と同様である。前記第3コンタクトと前記第4コンタクト16の形状を略倒H形状にしたものも同様である。コネクタとしては、上述した第3コンタクトと第4コンタクト16のどちらか一方を含むものであってもよいし、第3コンタクトと第4コンタクト16の両方を含むものであってもよい。また、第3コンタクトと第4コンタクト16の第3接触部と第4接触部161の対向する側にも2つの目の接触部を設けてもよい。これらの第3コンタクトと第4コンタクト16は、挿入時には力が掛かるが、抜去時には力が掛かるものである。
【0049】
最後に、前記FPC80の挿入時には力が掛かるが、抜去時には力が掛からないコンタクトをZIF構造にし、かつ、前記ロック部材202、22をNon−ZIF構造にする場合の前記回動部材18について、相違点のみを説明する。
図8に示すように、前記回動部材18の押圧部182を90度変えることによって対応できる。90度変えることにより、一方が作用するときはもう一方(90度変えた方)は作用しないので、ZIF構造とNon−ZIF構造が実現できる。つまり、前記FPC80の挿入時(前記回動部材18を閉じる時)には、前記押圧部182はそれぞれのコンタクト14、15、16の押受部に作用し、90度変えた前記押圧部182は前記ロック部材202、22の押受部206、226には作用しない。逆に、前記FPC80の抜去時(前記回動部材18を開く時)には、前記押圧部182はそれぞれのコンタクト14、15、16の押受部に作用しないし、90度変えた前記押圧部182は前記ロック部材202、22の押受部206、226には作用する。