(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の配線回路基板の一実施形態である回路付サスペンション基板を備えるアセンブリの平面図、
図2は、
図1に示すアセンブリのA−A線に沿う断面図、
図3は、
図1に示すアセンブリのB−B線に沿う断面図、
図4は、
図3に示すアセンブリの圧電側端子の拡大断面図、
図5は、
図1に示すアセンブリのC−C線に沿う断面図、
図6は、
図1に示すアセンブリの接続アームの拡大底面図、
図7および
図8は、回路付サスペンション基板を製造する方法を説明する工程図を示す。
【0021】
なお、
図1において、ベース絶縁層28およびカバー絶縁層29は、金属支持基板18および導体層19の相対配置を明確に示すため、省略している。
【0022】
図1および
図2において、アセンブリ1は、磁気ヘッド(図示せず)を実装するスライダ22が実装された配線回路基板の一例としての回路付サスペンション基板3を支持プレート2によって支持させて、ハードディスクドライブ(図示せず)に実装されるヘッドスタックアセンブリ(HSA)である。アセンブリ1は、支持プレート2と、支持プレート2の上(厚み方向他方側、以下同様)に配置され、支持プレート2によって支持される回路付サスペンション基板3と、支持プレート2に支持されながら、回路付サスペンション基板3の位置および角度を精細に調節するための電子素子としての圧電素子(ピエゾ素子)5とを備えている。
【0023】
支持プレート2は、長手方向(先後方向)に延びるように形成されており、アクチュエータプレート部6と、アクチュエータプレート部6の下(厚み方向一方側、以下同様)に形成されるベースプレート部7と、アクチュエータプレート部6の先側に連続して形成されるロードビーム部8とを備えている。
【0024】
アクチュエータプレート部6は、後プレート部9と、後プレート部9の先側に間隔を隔てて配置される先プレート部10と、後プレート部9および先プレート部10の間に形成される可撓部11とを一体的に備えている。
【0025】
後プレート部9は、アクチュエータプレート部6の後端部において、平面視略矩形状に形成されている。
【0026】
先プレート部10は、幅方向(先後方向に直交する方向)に延びる平面視略矩形状に形成されている。
【0027】
可撓部11は、アクチュエータプレート部6の幅方向両側に設けられている。幅方向一方側の可撓部11は、後プレート部9の先端部と、先プレート部10の後端部とを架設するように形成されている。また、幅方向他方側の可撓部11は、後プレート部9の先端部と、先プレート部10の後端部とを架設するように形成されている。
【0028】
各可撓部11は、その先後方向中央部が幅方向両外側に湾曲し、かつ、先後方向にわたって略同幅に形成されている。詳しくは、可撓部11の先後方向中央部は、幅方向両外側に略U字(あるいは略V字)形状に張り出すように形成されている。
【0029】
従って、可撓部11は、後述するが、圧電素子5の伸縮によって、先プレート部10を、後プレート部9に対して離間および近接可能に形成されている。
【0030】
また、アクチュエータプレート部6には、後プレート部9の先面、先プレート部10の後面、および、可撓部11の幅方向内面によって仕切られるプレート開口部12が形成されている。プレート開口部12は、アクチュエータプレート部6の厚み方向を貫通する。
【0031】
また、後プレート部9の先端部および先プレート部10の後端部には、圧電素子5の後端部および先端部がそれぞれ取り付けられる取付領域13が、2組区画されている。各取付領域13は、後プレート部9の先端部と、先プレート部10の後端部とに対応して、幅方向一端部または幅方向他端部において、幅方向に長い底面視略矩形状に、それぞれ、区画されている。
【0032】
ベースプレート部7は、後プレート部9の下面の幅方向中央部および先後方向中央部に固定されている。また、ベースプレート部7は、平面視において、先部が、略矩形状に形成されるとともに、後部が略半円形状に形成されている。
【0033】
また、支持プレート2には、後プレート部9の中央部およびベースプレート部7の中央部を貫通する底面視略円形状の穴14が形成されている。
【0034】
なお、ベースプレート部7には、アセンブリ1の先端部を、穴14を中心として揺動するための駆動コイル(図示せず)が取り付けられる。
【0035】
ロードビーム部8は、アクチュエータプレート部6と一体的に形成されており、具体的には、先プレート部10の先端から先側に向かって延びるように形成され、平面視において、先方に向かうに従って幅狭となる略台形状に形成されている。
【0036】
支持プレート2は、例えば、ステンレス、アルミニウム、鉄、および、それらの合金などの金属材料から形成されている。
【0037】
支持プレート2の寸法としては、適宜設定され、例えば、アクチュエータプレート部6およびロードビーム部8の厚みが、例えば、30〜150μmであり、ベースプレート部7の厚みが、例えば、150〜200μmである。
【0038】
なお、この支持プレート2は、アクチュエータプレート部6とロードビーム部8とを一体的に備えるアクチュエータプレート・ロードビーム一体型プレートとされている。
【0039】
回路付サスペンション基板3は、先後方向に延びる平面視略平帯形状に形成されている。
【0040】
回路付サスペンション基板3は、
図1に示すように、金属支持基板18と、金属支持基板18に支持される導体層19とを備えている。
【0041】
金属支持基板18は、回路付サスペンション基板3の外形形状に対応するように形成されており、配線部16と、配線部16の先側に形成される先部15と、配線部16の後側に形成される後部17とを一体的に備えている。
【0042】
配線部16は、金属支持基板18の先後方向中央部に形成されており、先後方向に延びる直線部20と、直線部20の後端部から幅方向一方に屈曲した後、さらに、後方に屈曲する屈曲部21とを一体的に備えている。なお、直線部20および屈曲部21は、先後方向にわたって略同幅に形成されている。
配線部16は、配線25(後述)を支持する。
【0043】
先部15は、直線部20の先端から連続しており、配線部16に対して幅方向両外側に徐々に膨出する平面視略矩形状に形成されている。詳しくは、先部15は、スライダ22(後述)が実装されるジンバル23と、ジンバル23および直線部20を連結するジンバル後部24とを備えている。
【0044】
ジンバル23は、直線部20の幅より大きい幅の、平面視略矩形状に形成されている。ジンバル23は、先側端子26(後述)を支持するとともに、先側端子26(後述)と電気的に接続される磁気ヘッド(図示せず)を有するスライダ22(後述)が実装される。
【0045】
ジンバル後部24は、ジンバル23の後端に連続し、後方に向かうに従って幅狭となる略三角形状に形成されている。ジンバル後部24は、配線25(後述)を支持する。
【0046】
後部17は、屈曲部21の後端から連続しており、屈曲部21と略同幅の平面視略矩形状に形成されている。後部17は、後側端子27(後述)を支持する。
【0047】
導体層19は、金属支持基板18の上において、先後方向に沿って延びる配線25と、配線25の先端部に連続する先側端子26と、配線25の後端部に連続する後側端子27とを一体的に備えている。
【0048】
配線25は、磁気ヘッド(図示せず)およびリード・ライト基板(図示せず)間に電気信号を伝達する信号配線25Aを備え、回路付サスペンション基板3の先後方向全体にわたって配置されている。信号配線25Aは、幅方向に間隔を隔てて複数(4個)配置されている。
【0049】
また、配線25は、さらに、電源配線25Bを複数(2個)備えている。
【0050】
電源配線25Bは、次に説明する電源側端子27Bと電気的に接続されており、後部17において、電源側端子27Bに連続し、後部17および屈曲部21において、信号配線25Aの両側に間隔を隔てて並行して配置され、直線部20の先後方向中央部において、幅方向両外側に屈曲して、後述する圧電側端子40の外側導体部50(
図6参照)に至るように配置されている。
【0051】
先側端子26は、先部15に配置され、具体的には、ジンバル23の先側において、スライダ22の先端面に沿い、幅方向に間隔を隔てて複数(4個)配置されている。
【0052】
先側端子26は、磁気ヘッド(図示せず)が電気的に接続されるヘッド側端子26Aである。
【0053】
後側端子27は、後部17の後端部に配置され、具体的には、先後方向に間隔を隔てて複数(6個)配置されている。後側端子27は、信号配線25Aに連続し、リード・ライト基板の端子が接続される複数(4個)の外部側端子27Aを備えている。
【0054】
また、後側端子27は、さらに、電源配線25Bに連続し、圧電素子5と電気的に接続される電源側端子27Bを複数(2個)備えている。なお、電源側端子27Bは、外部側端子27Aの先後方向両側に間隔を隔てて配置されており、電源(図示せず)に電気的に接続される。
【0055】
そして、
図3および
図5に示すように、回路付サスペンション基板3は、金属支持基板18と、その上に形成される絶縁層30と、絶縁層30に被覆される導体層19とを備えている。
【0056】
金属支持基板18は、例えば、ステンレス、42アロイ、アルミニウム、銅−ベリリウム、りん青銅などの金属材料から形成されている。好ましくは、ステンレスから形成されている。金属支持基板18の厚みは、例えば、15〜50μm、好ましくは、15〜20μmである。
【0057】
絶縁層30は、金属支持基板18の上面に形成される第1絶縁層の一例としてのベース絶縁層28と、ベース絶縁層28の上に、配線25を被覆するように形成される第2絶縁層の一例としてのカバー絶縁層29とを備えている。
【0058】
ベース絶縁層28は、
図1が参照されるように、先部15、配線部16および後部17における金属支持基板18の上面に、導体層19に対応するパターンに形成されている。
【0059】
ベース絶縁層28は、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの合成樹脂などの絶縁材料から形成されている。好ましくは、ポリイミド樹脂から形成されている。
【0060】
ベース絶縁層28の厚み(最大厚み)は、例えば、1〜35μm、好ましくは、8〜15μmである。
【0061】
カバー絶縁層29は、配線部16、先部15および後部17において、配線25から露出するベース絶縁層28の上面と、配線25の上面および側面とを被覆するように形成されている。また、カバー絶縁層29は、図示しないが、先部15において、先側端子26を露出するとともに、後部17において、後側端子27を露出するパターンに形成されている。
【0062】
カバー絶縁層29は、ベース絶縁層28の絶縁材料と同様の絶縁材料から形成されている。カバー絶縁層29の厚みは、例えば、1〜40μm、好ましくは、1〜10μmである。
【0063】
導体層19は、
図1および
図3に示すように、先部15、配線部16および後部17におけるベース絶縁層28の上面に、上記したパターンに形成されている。
【0064】
導体層19は、例えば、銅、ニッケル、金、はんだ、またはそれらの合金などの導体材料などから形成されている。好ましくは、銅から形成されている。
【0065】
導体層19の厚みは、例えば、3〜50μm、好ましくは、5〜20μmである。
【0066】
各配線25の幅は、例えば、5〜200μm、好ましくは、8〜100μmであり、各配線25間の間隔は、例えば、5〜1000μm、好ましくは、8〜100μmである。
【0067】
先側端子26および後側端子27の幅および長さは、例えば、20〜1000μm、好ましくは、30〜800μmである。また、各先側端子26間の間隔、および、各後側端子27間の間隔は、例えば、20〜1000μm、好ましくは、30〜800μmである。
【0068】
そして、この回路付サスペンション基板3は、
図1および
図2に示すように、金属支持基板18の下面が支持プレート2に支持されている。具体的には、配線部16および先部15の下面が、支持プレート2に支持され、後部17の下面が、支持プレート2に支持されることなく、支持プレート2から後方に突出している。
【0069】
詳しくは、回路付サスペンション基板3は、屈曲部21が、後プレート部9の幅方向一端部および先端部に沿って略L字形状に配置され、直線部20が、後プレート部9の先端部の幅方向中央部からプレート開口部12の幅方向中央部を横切り、その後、先プレート部10の幅方向中央部に至るように、配置されている。また、回路付サスペンション基板3は、先部15が、ロードビーム部8の先後方向にわたって、ロードビーム部8の幅方向中央部に形成されるように、配置されている。
【0070】
圧電素子5は、支持プレート2の下側に取り付けられている。
【0071】
具体的には、圧電素子5は、幅方向に間隔を隔てて複数(2個)設けられている。
【0072】
各圧電素子5は、先後方向に伸縮可能なアクチュエータであって、先後方向に長い平面視略矩形状に形成されている。圧電素子5は、プレート開口部12を先後方向に跨ぐように配置されている。
【0073】
詳しくは、各圧電素子5の先後方向両端部は、後プレート部9の先端部および先プレート部10の後端部における各取付領域13(
図1の破線)に、接着剤層31を介して接着され、固定されている。
【0074】
また、
図3に示すように、各圧電素子5の上面には、先後方向中央部に、圧電端子34が設けられており、圧電端子34が、回路付サスペンション基板3の圧電側端子40(後述)と電気的に接続されている。
【0075】
圧電素子5は、圧電側端子40から電気が供給され、その電圧が制御されることによって、伸縮する。
【0076】
次に、回路付サスペンション基板3における幅方向一方側の端子の一例としての圧電側端子40について詳述する。なお、幅方向他方側の圧電側端子40は、幅方向一方側の圧電側端子40と直線部20に対して対称となるように形成されており、その説明を省略する。
【0077】
回路付サスペンション基板3には、
図6に示すように、圧電側端子40を含む接続アーム32が設けられている。
【0078】
接続アーム32は、直線部20の先後方向中央部から幅方向外側にアーム状に突出するように設けられている。
【0079】
接続アーム32は、直線部20と幅方向一方側に間隔を隔てて配置されるパッド部33と、直線部20およびパッド部33を連結するジョイント部41とを備えている。
【0080】
パッド部33は、
図4に示すように、ベース絶縁層28と、ベース絶縁層28の上に形成される導体層19と、ベース絶縁層28の上、かつ、導体層19の周りに形成されるカバー絶縁層29とを備えている。
【0081】
パッド部33において、ベース絶縁層28は、
図4および
図6に示すように、外側絶縁部44と、内側絶縁部45とを備えている。
【0082】
外側絶縁部44は、平面視略円環(リング)形状に形成されている。
【0083】
内側絶縁部45は、その上下方向の厚みが、外側絶縁部44と略同一の平面視略円環(リング)形状に形成されている。内側絶縁部45は、外側開口部46から内側に間隔を隔てて形成されている。内側絶縁部45は、外側絶縁部44と同心円となるように形成されている。内側絶縁部45の中央部には、厚み方向を貫通する平面視略円形状の内側開口部47が形成されている。
【0084】
外側絶縁部44の内周面と、内側絶縁部45の外周面とから区画される空間が、外側開口部46として区画されている。外側開口部46は、平面視略円環(リング)形状に形成されている。外側開口部46は、内側開口部47と同心円となるように形成されている。
【0085】
内側開口部47と、外側開口部46とは、第1開口部の一例としてのベース開口部48を構成する。
【0086】
パッド部33において、導体層19は、圧電側端子40として形成され、圧電側端子40は、外側導体部50と、第2接点部の一例としての外側接点部51と、内側導体部52と、第1接点部の一例としての内側接点部53とを備えている。
【0087】
外側導体部50は、平面視において、その外径が、外側絶縁部44の外径よりもわずかに小さく、その内径が、外側絶縁部44の内径と略同径の平面視略円環(リング)形状に形成されており、厚み方向に投影したときに、外側絶縁部44と重なるように、形成されている。すなわち、外側導体部50は、外側絶縁部44の上面に積層されている。
【0088】
外側接点部51は、平面視において、外側導体部50の内周部に連続し、その外径が、外側絶縁部44の内径と略同径で、その内径が、内側絶縁部45の外径と略同径の平面視略円環(リング)形に形成されている。外側接点部51は、外側開口部46内に落ち込み、その下面が、ベース絶縁層28(外側絶縁部44および内側絶縁部45)よりも下側へ突出するように形成されている。
【0089】
内側導体部52は、平面視において、外側接点部51の内周部に連続し、その外径および内径が、内側絶縁部45の外径および内径とそれぞれ略同径の平面視略円環(リング)形に形成されており、厚み方向に投影したときに、内側絶縁部45と重なるように、形成されている。すなわち、内側導体部52は、内側絶縁部45の上面に積層されている。
【0090】
内側接点部53は、平面視において、内側導体部52の内周部に連続し、その外径が、内側絶縁部45の内径と略同径の平面視略円形状に形成されている。内側接点部53は、内側開口部47内に落ち込むように形成され、その下面が、ベース絶縁層28(内側絶縁部45)の下面と略面一となるように形成されている。
【0091】
すなわち、内側接点部53は、外側接点部51から内側に間隔を隔てて形成され、外側接点部51の下面と、内側接点部53の下面とは、共に、ベース開口部48(外側開口部46および内側開口部47)から露出されている。内側接点部53は、外側接点部51と同心円となるように形成されている。
【0092】
パッド部33において、カバー絶縁層29は、カバー外周部57と、カバー内周部56とを備えている。
【0093】
カバー外周部57は、平面視において、その外径が、外側絶縁部44の外径よりもわずかに小さく、その内径が、外側導体部50の外径と略同径の平面視略円環(リング)形状に形成されており、厚み方向に投影したときに、外側絶縁部44と重なるように、形成されている。すなわち、カバー外周部57は、外側絶縁部44の上面に積層されている。
【0094】
カバー内周部56は、平面視において、カバー外周部57の上側部分の内周面から内側に突出し、外側導体部50を被覆するように形成されている。カバー内周部56は、その内径が、外側導体部50の内径よりも大きい平面視略円環(リング)形状に形成されている。そして、カバー内周部56の内周面によって区画される空間が、第2開口部の一例としてのカバー開口部58として区画されている。カバー開口部58は、ベース開口部48(外側開口部46および内側開口部47)と同心円となるように形成されている。カバー開口部58からは、導体層19の上面(外側導体部50の内側部分と、外側接点部51と、内側導体部52と、内側接点部53との上面)が露出されている。
【0095】
パッド部33の寸法は、適宜選択され、
図6に示すように、ベース絶縁層28の外側絶縁部44の外径(最大長さ)が、例えば、200〜1000μmであり、ベース絶縁層28の外側絶縁部44の内径(外側開口部46の外径(最大長さ))および導体層19の外側接点部51の外径(最大長さ)が、例えば、160〜960μmである。
【0096】
また、ベース絶縁層28の内側絶縁部45の外径(外側開口部46の内径(最大長さ))および導体層19の外側接点部51の内径(最大長さ)が、例えば、120〜920μmであり、ベース絶縁層28の内側絶縁部45の内径(内側開口部47の外径(最大長さ))および、導体層19の内側接点部53の外径(最大長さ)が、例えば、80〜880μmである。
【0097】
導体層19の外側接点部51の外径から、内径までの長さL1が、例えば、20〜200μm、好ましくは、30〜100μmである。
【0098】
長さL1が上記した範囲に満たない場合には、導電性接着剤42(後述)が外側接点部51の内側に注入された際に、導電性接着剤42(後述)が漏れ出すことを十分に抑制できない場合がある。
【0099】
さらに、導体層19の外側導体部50の外径(最大長さ)は、例えば、180〜980μmである。
【0100】
また、カバー絶縁層29のカバー外周部57の外径(最大長さ)は、例えば、190〜990μmであり、カバー絶縁層29のカバー内周部56の内径(カバー開口部58の内径(最大長さ))は、例えば、160〜960μmである。
【0101】
また、圧電側端子40の寸法は、適宜選択され、
図4に示すように、先後方向に投影したときに、外側接点部51の下面と、内側接点部53の下面との上下方向における間隔L2が、例えば、1〜50μm、好ましくは、2〜20μmである。
【0102】
間隔L2、つまり、圧電側端子40の凹凸の深さ(高さ)L2が、上記した範囲に満たない場合には、導電性接着剤42(後述)が外側接点部51の内側に注入されたときに、導電性接着剤42(後述)が漏れ出すことを十分に抑制できない場合がある。
【0103】
ジョイント部41は、
図6に示すように、直線部20の先後方向中央部における幅方向一端部と、パッド部33の幅方向他端部とを架設している。
【0104】
ジョイント部41は、幅方向に延び、パッド部33の外径より小さい幅(短い先後方向長さ)の平面視略矩形状に形成されている。なお、ジョイント部41の幅は、特に限定されず、例えば、パッド部33の外径と同一でもよく、パッド部33の外径より大きくてもよい。
【0105】
ジョイント部41は、
図5および
図6に示すように、ベース絶縁層28と、ベース絶縁層28の上に形成される電源配線25Bと、ベース絶縁層28の上に、電源配線25Bを被覆するように形成されるカバー絶縁層29とを備えている。
【0106】
ジョイント部41において、
図6に示すように、ベース絶縁層28は、ジョイント部41の外形形状に対応する形状に形成されている。ジョイント部41のベース絶縁層28は、直線部20におけるベース絶縁層28と、パッド部33におけるベース絶縁層28とに連続して形成されている。
【0107】
ジョイント部41における電源配線25Bは、幅方向に沿って延びるように形成され、直線部20の電源配線25Bと、パッド部33の外側導体部50の幅方向他端部とに連続して形成されている。
【0108】
ジョイント部41において、カバー絶縁層29は、電源配線25Bの上面および側面を被覆するとともに、パッド部33のカバー外周部57の幅方向他端部とに連続して形成されている。
【0109】
なお、この回路付サスペンション基板3において、
図3および
図5が参照されるように、各端子、具体的には、先側端子26(
図1参照)、後側端子27(
図1参照)、パッド部33の表面には、保護薄膜60が形成されている。
【0110】
パッド部33において、保護薄膜60は、圧電側端子40の上面(外側導体部50の内側部分の上面、外側接点部51の上面、内側導体部52の上面、内側接点部53の上面)と、ベース開口部48から露出されている圧電側端子40の下面(外側接点部51の下面、内側接点部53の下面)とにそれぞれ形成されている。
【0111】
保護薄膜60は、例えば、ニッケル、金などの金属材料から形成されている。保護薄膜60は、金などの単層から形成されてもよく、また、ニッケルおよび金などの複層から形成されてもよい。そのような場合において、保護薄膜60の厚みは、例えば、ニッケルは、0.01〜3μmであり、金は、0.3〜3.2μmである。
【0112】
次に、このアセンブリ1の製造方法について説明する。
【0113】
アセンブリ1を製造するには、回路付サスペンション基板3、支持プレート2および圧電素子5をそれぞれ用意する。
【0114】
まず、回路付サスペンション基板3を用意(製造)する方法について、
図7および
図8を参照して説明する。
【0115】
この方法では、
図7(a)に示すように、まず、金属支持基板18を用意する。
【0116】
次いで、
図7(b)に示すように、ベース絶縁層28を、金属支持基板18の上(
図7および
図8における製造工程図において、厚み方向一方側、以下同様)に形成する。
【0117】
具体的には、ベース絶縁層28を、金属支持基板18の上において、次に形成される圧電側端子40に対応する圧電側端子形成領域64が形成されるパターンに形成する。
【0118】
圧電側端子形成領域64は、外側導体部形成領域65と、外側接点部形成領域66と、内側導体部形成領域67と、内側接点部形成領域68とを備える。
【0119】
外側導体部形成領域65および内側導体部形成領域67のベース絶縁層28の厚みは、ジョイント部41のベース絶縁層28の厚みと略同一であり、また、内側接点部形成領域68のベース絶縁層28の厚みは、外側導体部形成領域65および内側導体部形成領域67のベース絶縁層28の厚みに対して、薄く形成されている。
【0120】
内側接点部形成領域68のベース絶縁層28の厚みは、例えば、外側導体部形成領域65および内側導体部形成領域67のベース絶縁層28の厚みに対して、例えば、15〜50%であり、具体的には、1〜50μmである。
【0121】
具体的には、ベース絶縁層28を形成するには、まず、例えば、金属支持基板18の上面に、感光性の絶縁材料のワニスを塗布して乾燥させて、感光性のベース皮膜を形成する。
【0122】
次いで、感光性のベース皮膜を、図示しない階調露光フォトマスクを介して露光(階調露光)する。階調露光フォトマスクは、遮光部分、光半透過部分および光全透過部分をパターンで備えており、外側導体部形成領域65および内側導体部形成領域67のベース絶縁層28を形成する部分には光全透過部分を、内側接点部形成領域68のベース絶縁層28を形成する部分には光半透過部分を、外側接点部形成領域66を形成する部分(つまり、ベース絶縁層28を形成しない部分)には遮光部分を、ベース皮膜に対して、対向配置する。
【0123】
その後、階調露光後のベース皮膜を現像し、必要により、加熱硬化させることにより、ベース絶縁層28を、外側導体部形成領域65と、外側接点部形成領域66と、内側導体部形成領域67と、内側接点部形成領域68とが形成されるパターンに形成する。
【0124】
次いで、
図7(c)に示すように、導体層19を、ベース絶縁層28および外側接点部形成領域66から露出する金属支持基板18の上面に、アディティブ法またはサブトラクティブ法などにより形成する。
【0125】
つまり、
図1が参照されるように、導体層19を、ベース絶縁層28の上に形成される配線25と、それに連続する先側端子26、後側端子27および圧電側端子40とを備えるように、形成する。
【0126】
具体的には、
図7(c)に示すように、圧電側端子40が、ベース絶縁層28における圧電側端子形成領域64に形成される。詳しくは、内側接点部形成領域68のベース絶縁層28の上面から内側導体部形成領域67のベース絶縁層28の上面、外側接点部形成領域66のベース絶縁層28の上面、外側導体部形成領域65のベース絶縁層28の上面に追従して、面方向(先後方向および幅方向)にわたって略同一厚みで形成される。
【0127】
これにより、上記した形状の導体層19を形成する。
【0128】
次いで、
図5および
図6が参照されるように、カバー絶縁層29を、上記したパターンで形成する。
【0129】
具体的には、導体層19およびベース絶縁層28を含む金属支持基板18の上面全面と、外側導体部50の外側部分上面および外周面に、感光性の絶縁材料のワニスを塗布して乾燥させた後、露光および現像して、加熱硬化する。
【0130】
次いで、
図8(d)に示すように、圧電側端子形成領域64から金属支持基板18を除去する。
【0131】
圧電側端子形成領域64から金属支持基板18を除去するには、例えば、ドライエッチング(例えば、プラズマエッチング)やウェットエッチング(例えば、化学エッチング)などのエッチング法、例えば、ドリル穿孔、レーザ加工などによって、除去する。好ましくは、ウェットエッチングによって、除去する。
【0132】
これによって、外側接点部形成領域66における外側接点部51の下部が除去され、それによって外側開口部46が形成され、外側接点部51の下面が、外側開口部46から露出する。
【0133】
なお、圧電側端子形成領域64から金属支持基板18を除去すると同時に、金属支持基板18を外形加工して、先部15、配線部16および後部17を形成する。
【0134】
次いで、
図8(e)に示すように、外側導体部形成領域65および内側導体部形成領域67のベース絶縁層28を部分的に除去し、内側接点部形成領域68のベース絶縁層28をすべて除去する。
【0135】
ベース絶縁層28は、例えば、エッチング、好ましくは、ウェットエッチングなどによって、除去される。
【0136】
これによって、内側導体部形成領域67および内側接点部形成領域68におけるベース絶縁層28の下部が除去され、それによって、内側開口部47が形成され、内側接点部53の下面が、内側開口部47から露出する。
【0137】
これによって、パッド部33において、内側接点部53の周りに間隔を隔て、かつ、内側接点部53よりも下側へ突出する外側接点部51が形成される。
【0138】
その後、
図8(f)に示すように、保護薄膜60を、例えば、めっき、好ましくは、無電解めっきによって、先側端子26(
図1参照)、後側端子27(
図1参照)、外側導体部50の内側部分の上面、外側接点部51の上面および下面、内側導体部52の上面、内側接点部53の上面および下面にそれぞれ形成する。
【0139】
このようにして、回路付サスペンション基板3を用意(製造)する。
【0140】
次に、
図1および
図2が参照されるように、回路付サスペンション基板3と、支持プレート2と、圧電素子5とを組み付ける。
【0141】
具体的には、回路付サスペンション基板3を支持プレート2の上面に配置する。すなわち、
図1に示すように、回路付サスペンション基板3は、配線部16における直線部20が、プレート開口部12の幅方向中央部を横切り、屈曲部21が、後プレート部9の幅方向一端部および先端部に配置され、かつ、先部15がロードビーム部8の先後方向にわたって、ロードビーム部8の幅方向中央部に配置されるように、支持プレート2に、例えば、溶接あるいは接着剤などによって固定される。
【0142】
その後、
図3に示すように、圧電素子5を、支持プレート2に固定するとともに、圧電側端子40の外側接点部51および内側接点部53の下面(厚み方向一方面)を圧電素子5の圧電端子34に電気的に接続させる。
【0143】
圧電素子5を支持プレート2に固定するには、
図3(a)に示すように、アクチュエータプレート部6における取付領域13に接着剤層31を設置し、その接着剤層31を介して、圧電素子5の先後方向両端部を取付領域13に取り付ける。圧電素子5は、
図1に示すように、プレート開口部12において、回路付サスペンション基板3の直線部20の幅方向両外側に間隔を隔てて配置される。
【0144】
そして、
図3(a)および
図5に示すように、導電性接着剤42を介して、回路付サスペンション基板3の圧電側端子40と、圧電素子5の圧電端子34とを電気的に接続する。具体的には、圧電側端子40と圧電端子34との間に導電性接着剤42を介在させ、それらを、例えば、比較的低温(具体的には、100〜200℃)に加熱することにより、圧電側端子40と圧電端子34とを接着するとともに、導電性接着剤42を介して圧電側端子40と圧電端子34とを電気的に接続する。
【0145】
導電性接着剤42は、比較的低温の加熱(例えば、100〜200℃)により接着作用を発現する接続媒体(例えば、銀ペーストなどの導電性ペースト)である。圧電側端子40は、導電性接着剤42を介して圧電素子5の圧電端子34と電気的に接続されるとともに、圧電端子34に接着する。
【0146】
このとき、
図3(b)に示すように、導電性接着剤42の量が多い場合は、導電性接着剤42が外側接点部51と圧電端子34との間に介在される。これによって、外側接点部51と圧電端子34とは、導電性接着剤42を介して、電気的に接続される。
【0147】
また、
図3(c)に示すように、導電性接着剤42の量が少ない場合は、導電性接着剤42は、内側接点部53と圧電端子34との間にのみ介在される。そのため、外側接点部51は、圧電端子34と直接接触し、電気的に接続される。
【0148】
また、
図1および
図2に示すように、磁気ヘッド(図示せず)を搭載したスライダ22を、ジンバル23に実装して、磁気ヘッド(図示せず)と先側端子26とを電気的に接続する。
【0149】
さらに、リード・ライト基板(図示せず)と外部側端子27Aとを電気的に接続するとともに、電源(図示せず)と電源側端子27Bとを電気的に接続する。
【0150】
また、ベースプレート部7に、駆動コイル(図示せず)を取り付ける。
【0151】
そして、これによって、アセンブリ1が得られる。得られたアセンブリ1は、ハードディスクドライブ(図示せず)に実装される。
【0152】
ハードディスクドライブにおいて、アセンブリ1は、スライダ22が、回転する円板状のハードディスクに周方向に相対的に走行しながら、ハードディスクの表面に微小間隔を隔てて浮上するとともに、磁気ヘッド(図示せず)が、駆動コイルの駆動に基づいて、ハードディスクの径方向に移動しながら、情報を読み書きする。
【0153】
さらに、磁気ヘッドは、圧電素子5の伸縮によって、ハードディスクドライブに対する位置が精細に調節される。
【0154】
すなわち、一方の圧電素子5は、電気が、電源(図示せず)から、電源側端子27B、電源配線25Bおよび圧電側端子40を介して供給されて、電気の電圧が制御されることによって、収縮する。すると、幅方向一端部における後プレート部9の先端部および先プレート部10の後端部は、可撓部11に柔軟に支持されながら、互いに近接する。
【0155】
これと同時に、他方の圧電素子5は、電気が、電源(図示せず)から、電源側端子27B、電源配線25Bおよび圧電側端子40を介して供給されて、電気の電圧が制御されることによって、伸長する。すると、幅方向他端部における後プレート部9の先端部および先プレート部10の後端部は、可撓部11に柔軟に支持されながら、互いに離間する。
【0156】
そうすると、先プレート部10およびロードビーム部8が、後プレート部9の先端部の幅方向中央部を支点として、幅方向一方側に向かって揺動する。それとともに、ロードビーム部8に固定される回路付サスペンション基板3およびスライダ22が幅方向一方側に向かって揺動する。
【0157】
一方、一方の圧電素子5を伸長させ、他方の圧電素子5を収縮させれば、先プレート部10およびロードビーム部8が上記と逆向きに揺動する。
【0158】
これによって、磁気ヘッドのハードディスクドライブに対する位置を精細に調節することができる。
【0159】
そして、この回路付サスペンション基板3では、内側接点部53を、導電性接着剤42を介して、圧電素子5の圧電端子34と接続させることができる。
【0160】
また、外側接点部51が、内側接点部53の周りに設けられ、かつ、内側接点部53より下側(厚み方向一方側)へ突出しているため、外側接点部51により、導電性接着剤42が外側接点部51から外側へ漏れ出すことを抑制することができる。
【0161】
しかも、外側接点部51は、内側接点部53より下側(厚み方向一方側)へ突出しているため、直接、あるいは、導電性接着剤42を介して、圧電素子5の圧電端子34と接続させることができる。
【0162】
そのため、圧電側端子40を大型化させることなく、圧電素子5に対して電気的に接続される圧電側端子40の接触面積を増大させることができる。
【0163】
その結果、圧電側端子40の大型化を抑制しつつ、導電性接着剤42が、外側接点部51より外側へ漏れ出すことを抑制することができるとともに、圧電側端子40と圧電素子5との電気的な接続信頼性を十分に向上させることができる。
【0164】
また、圧電素子5の圧電端子34が、配線25と電気的に接続されることにより、与えられた電圧を圧電素子5が伸縮する駆動力に変換することができる。
【0165】
その結果、回路付サスペンション基板3の位置を微細に調整することができる。
【0166】
また、圧電側端子40の下側(厚み方向一方側)に、ベース絶縁層28を備えており、ベース絶縁層28には、ベース開口部48が形成されているため、圧電側端子40の外側接点部51および内側接点部53の下面を、ベース開口部48から露出させることができる。
【0167】
そのため、パッド部33を下側からベース絶縁層28によって支持(補強)することができながら、圧電側端子40の下面と、圧電素子5の圧電端子34とを電気的に接続させることができる。
【0168】
その結果、圧電側端子40の機械強度を向上させて、圧電側端子40と圧電端子34との接続信頼性を向上させることができる。
【0169】
また、圧電側端子40の外側接点部51は、ベース絶縁層28(外側絶縁部44および内側絶縁部45)よりも下方(厚み方向一方側)へ突出しているため、外側接点部51を圧電素子5の圧電端子34に確実に接続させることができる。
【0170】
そのため、外側接点部51によって導電性接着剤42が漏れ出すことを抑制できるとともに、圧電素子5の圧電端子34に対して電気的に接続される圧電側端子40の接触面積を確保することができる。
【0171】
また、圧電側端子40の上側(厚み方向他方側)に、カバー絶縁層29を備えており、カバー絶縁層29には、カバー開口部58が形成されているため、圧電側端子40の上面をカバー開口部58から露出させることができる。
【0172】
そのため、圧電側端子40の機械強度を向上させながら、圧電側端子40の上面と、圧電素子5の圧電端子34とを電気的に接続させることもできる。
【0173】
図9は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(パッド部の上面全面に積層されるカバー絶縁層を備える態様)の断面図、
図10は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(内側接点部が、外側接点部の内周部に連続するように形成され、カバー開口部が形成されるカバー絶縁層を備える態様)の断面図、
図11は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(内側接点部が、外側接点部の内周部に連続するように形成され、パッド部の上面全面に積層されるカバー絶縁層を備える態様)の断面図、
図12は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(ベース絶縁層を備えず、カバー開口部が形成されるカバー絶縁層を備える態様)の断面図、
図13は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(ベース絶縁層を備えず、パッド部の上面全面に積層されるカバー絶縁層を備える態様)の断面図、
図14は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(ベース絶縁層を備え、上側において圧電端子34と接続される態様)の断面図、
図15は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(金属支持基板が平面視略円形状に形成される態様)の断面図、
図16は、本発明の配線回路基板の他の実施形態である回路付サスペンション基板のパッド部(ベース絶縁層およびカバー絶縁層を備えず、上側において圧電端子34と接続される態様)の断面図を示す。
【0174】
なお、上記した各部に対応する部材については、以降の各図において同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0175】
また、
図4の実施形態では、パッド部33において、カバー絶縁層29はカバー開口部58を形成しているが、例えば、
図9に示すように、カバー絶縁層29をパッド部33の上面全面に積層されるように、形成することもできる。
【0176】
図9の実施形態では、
図4の実施形態と同様の作用効果を奏する他に、パッド部33をカバー絶縁層29によって支持(補強)することができる。そのため、圧電側端子40の機械強度を向上させて、圧電側端子40と圧電端子34との接続信頼性を向上させることができる。
【0177】
また、
図4の実施形態では、パッド部33において、内側絶縁部45を形成しているが、例えば、
図10に示すように、内側絶縁部45を形成することなく、内側接点部53の面積を拡大することができる。すなわち、圧電側端子40において、内側導体部52が形成されることなく、内側接点部53は、外側接点部51の内周部に連続されるように形成される。
【0178】
図10の実施形態では、
図4の実施形態と同様の作用効果を奏する他に、内側絶縁部45がなくなった分、内側接点部53の面積が増大させることができる。そのため、圧電側端子40と圧電端子34との接続信頼性を向上させることができる。
【0179】
また、
図10の実施形態では、パッド部33において、カバー絶縁層29はカバー開口部58を形成しているが、例えば、
図11に示すように、カバー絶縁層29をパッド部33の上面全面に積層されるように、形成することもできる。
【0180】
図11の実施形態では、
図10の実施形態と同様の作用効果を奏する他に、パッド部33をカバー絶縁層29によって支持(補強)することができる。そのため、圧電側端子40の機械強度を向上させて、圧電側端子40と圧電端子34との接続信頼性を向上させることができる。
【0181】
また、
図4の実施形態では、パッド部33において、外側絶縁部44および内側絶縁部45を形成しているが、例えば、
図12に示すように、外側絶縁部44および内側絶縁部45の両方を形成することなく、外側接点部51および内側接点部53の面積を拡大することができる。すなわち、圧電側端子40において、外側導体部50および内側導体部52が形成されることなく、内側接点部53は、外側接点部51の内周部に連続されるように形成される。
【0182】
図12の実施形態では、
図4の実施形態と同様の作用効果を奏する他に、外側絶縁部44および内側絶縁部45がなくなった分、外側絶縁部44および内側絶縁部45の面積を増大させることができる。そのため、圧電側端子40と圧電端子34との接続信頼性を向上させることができる。
【0183】
また、
図12の実施形態では、パッド部33において、カバー絶縁層29はカバー開口部58を形成しているが、例えば、
図13に示すように、カバー絶縁層29をパッド部33の上面全面に積層されるように、形成することもできる。
【0184】
図13の実施形態では、
図12の実施形態と同様の作用効果を奏する他に、パッド部33をカバー絶縁層29によって支持(補強)することができる。そのため、圧電側端子40の機械強度を向上させて、圧電側端子40と圧電端子34との接続信頼性を向上させることができる。
【0185】
また、
図4の実施形態では、パッド部33の上面に、カバー絶縁層29が形成されているが、例えば、
図14に示すように、カバー絶縁層29を形成することなく、外側接点部51を内側接点部53よりも上側へ突出するように形成することもできる。
【0186】
図14の実施形態では、ベース絶縁層28が第2絶縁層の一例として、ベース開口部48が第2開口部の一例として対応し、導電性接着剤42は、圧電側端子40の上側(厚み方向一方側)から注入される。
【0187】
そして、圧電側端子40の上面に導電性接着剤42が注入されたときに、外側接点部51によって、導電性接着剤42が漏れ出すことを抑制し、圧電側端子40の上面を圧電端子34に電気的に接続することができる。
【0188】
図14の実施形態では、
図4の実施形態と同様の作用効果を奏する他に、カバー絶縁層29を別途設ける必要がなく、圧電側端子40の上面を圧電端子34に電気的に接続することができるため、構成部材の点数低減を図ることができる。
【0189】
また、
図14の実施形態では、ベース開口部48から圧電側端子40が露出しているが、例えば、
図15に示すように、パッド部33の下側において、金属支持基板18を平面視略円形状に形成することができる。
【0190】
図15において、金属支持基板18の上面には、圧電側端子40の下面と、ベース絶縁層28の下面とが、接触している。
【0191】
また、圧電側端子40の上面には、導電性接着剤42が注入され、その上に配置される圧電端子34と電気的に接続される。
【0192】
図15の実施形態では、
図14の実施形態と同様の作用効果を奏する他に、圧電側端子40がベース絶縁層28および金属支持基板18によって支持されるので、圧電側端子40の機械強度をより一層向上させ、それによって、圧電側端子40と圧電端子34との接続信頼性をより一層向上させることができる。
【0193】
また、
図4の実施形態では、ベース絶縁層28およびカバー絶縁層29の両方が形成されているが、例えば、
図16に示すように、ベース絶縁層28およびカバー絶縁層29の両方を形成することなく、外側接点部51を内側接点部53よりも上側へ突出するように形成することもできる。
【0194】
そして、
図14の実施形態と同様に、圧電側端子40の上面に導電性接着剤42が注入されたときに、外側接点部51によって、導電性接着剤42が漏れ出すことを抑制し、圧電側端子40の上面を圧電端子34に電気的に接続することができる。
【0195】
図16の実施形態では、
図4の実施形態と同様の作用効果を奏する他に、ベース絶縁層28およびカバー絶縁層29を別途設ける必要がなく、圧電側端子40の上面を圧電端子34に電気的に接続することができるため、
図14の実施形態と比較して、より一層の構成部材の点数低減を図ることができる。