特許第5989392号(P5989392)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989392
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】針付き縫合糸収容ケース
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/06 20060101AFI20160825BHJP
【FI】
   A61B17/06 520
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-104036(P2012-104036)
(22)【出願日】2012年4月27日
(65)【公開番号】特開2013-230249(P2013-230249A)
(43)【公開日】2013年11月14日
【審査請求日】2014年12月22日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000137052
【氏名又は名称】株式会社ホギメディカル
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】特許業務法人 インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120237
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 良規
(72)【発明者】
【氏名】山田 隆一
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 斉
【審査官】 佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開平7−402(JP,A)
【文献】 特開2003−126097(JP,A)
【文献】 特開2009−261527(JP,A)
【文献】 特開2010−5306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
未使用針が分離可能に取り付けられた針付き縫合糸を収容する収容ケース本体と、前記収容ケース本体に、凹凸嵌合によるヒンジを介して着脱可能に取り付けられた、容易に変形可能な平板状の蓋体とからなり、前記収容ケース本体は、1本または複数本の未使用針を一列に並べて係止可能な未使用針係止部と、前記収容ケース本体の周縁部に設けられた、前記針付き縫合糸を巻き付け可能な縫合糸巻き付け部とを有し、前記未使用針係止部は、前記収容ケース本体に形成された、前記蓋体により閉塞可能な凹陥部内に設けられ、前記蓋体は、裏面に、1本または複数本の使用済み針を一列に並べて係止し、回収可能な使用済み針係止部が設けられ、前記使用済み針係止部は、前記蓋体を閉めた際に、前記未使用針係止部と離間し、かつ、前記未使用針係止部の真上に来ない位置に設けられていることを特徴とする針付き縫合糸収容ケース。
【請求項2】
前記縫合糸巻き付け部は、前記収容ケース本体の周縁部に沿って間隔をあけて形成された複数個の係止爪を有し、前記係止爪は、前記針付き縫合糸を前記縫合糸巻き付け部に巻き付ける際に変形し、巻き付け後は、弾性力により元の状態に復帰して、縫合糸の収容ケース本体からの脱落を防止することを特徴とする、請求項1に記載の針付き縫合糸収容ケース。
【請求項3】
前記使用済み針係止部は、前記使用済み針の差し込み可能な柔軟性を有する係止部材からなっていることを特徴とする、請求項1または2に記載の針付き縫合糸収容ケース。
【請求項4】
前記係止部材は、スポンジからなっていることを特徴とする、請求項3に記載の針付き縫合糸収容ケース。
【請求項5】
前記未使用針係止部と前記使用済み針係止部の針係止箇所は、連続番号により特定されていることを特徴とする、請求項1から4の何れか1つに記載の針付き縫合糸収容ケース。
【請求項6】
前記未使用針係止部の針係止箇所を特定する前記連続番号は、前記凹陥部に付され、前記使用済み針係止部の針係止箇所を特定する前記連続番号は、前記蓋体の裏面に付されていることを特徴とする、請求項5に記載の針付き縫合糸収容ケース。
【請求項7】
前記未使用針係止部および前記使用済み針係止部の針係止箇所を特定する前記連続番号の順序は、互いに逆になっていることを特徴とする、請求項5または6に記載の針付き縫合糸収容ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、針付き縫合糸収容ケース、特に、使用済み針の回収と本数の確認が容易かつ確実に行え、さらに、使用済み針を安全かつ容易にしかも最小化した廃棄物量で廃棄することが可能な針付き縫合糸収容ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
手術時に使用される針付き縫合糸を収容するケースの一例が特許文献1(特開2009−261527号公報)に開示されている。以下、この針付き縫合糸収容ケースを従来ケースCという。
【0003】
また、別の針付き縫合糸収容ケースが特許文献2(特開2010−5306号公報)に開示されている。以下、この針付き縫合糸収容ケースを従来ケースDという。
【0004】
先ず、従来ケースCを、図面を参照しながら説明する。
【0005】
図7は、従来ケースCの使用状態を示す斜視図、図8は、上部保持部と下部保持部との間に縫合糸が入り込む通路を形成した状態を示す断面図である。
【0006】
図7および図8に示すように、従来ケースCは、小判形状の板状基台11と、基台11の周縁部に基台11と一体的に形成された、それぞれ立ち上がり部12a、13aと水平部12b、13bを有する上部保持部12および下部保持部13と、基台11の上面に形成された、複数本のスリット14aを有する針係止部14とから構成されている。
【0007】
上部保持部12および下部保持部13は、それぞれ基台11の周縁部に沿って間隔をあけて形成されている。そして、上部保持部12と下部保持部13とは、互いに噛み合い、かつ、下部保持部13の立ち上がり部13aが上部保持部12の水平部12bと対向するように形成されている。
【0008】
上部保持部12と下部保持部13との間には、スリット15が形成されている。スリット15は、基台11を変形しやすくする機能を有している。すなわち、針16が分離可能に取り付けられた縫合糸17を基台11に巻き付ける際には、上部治具と下部治具からなる変形治具(図示せず)の上部治具と下部治具との間に基台11を挟み込み、上部治具を押し下げることにより、図8に示すように、基台11を表裏面方向(図8の矢印方向)に押圧変形させて、上部保持部12と下部保持部13との間に縫合糸17が入り込む通路(S1)を形成するが、スリット15は、基台11の変形により通路(S1)を形成しやすくする機能を有している。
【0009】
従来ケースCによれば、以下のようにして、針16が取り付けられた縫合糸17を収容することができる。
【0010】
先ず、基台11の針係止部14のスリット14aに針16を差し込んで針16を基台11に固定する。次に、変形治具の上部治具と下部治具との間に基台11を挟み込み、上部治具を押し下げ、基台11を表裏面方向に押圧変形させて、上部保持部12と下部保持部13との間に縫合糸17が入り込む通路(S1)を形成する。このようにして、上部保持部12と下部保持部13との間に縫合糸17が入り込む通路(S1)を形成したら、縫合糸17を通路(S1)を通して基台11に、すなわち、上部保持部12の立ち上がり部12aに巻き付ける。
【0011】
基台11への縫合糸17の巻き付けが完了したら、変形治具を基台11から外す。変形治具を基台11から外すと、基台11は、基台11の弾性力により元の状態に復帰して、上部保持部12と下部保持部13との間の通路(S1)は、閉塞される。この結果、縫合糸17は、基台11から脱落せず、基台11に巻き付けられた状態を維持する。
【0012】
このようにして、針16が取り付けられた縫合糸17を従来ケースCに収容することができる。
【0013】
針16が取り付けられた縫合糸17を従来ケースCから取り出すには、針16を針係止部14のスリット14aから抜き取った後、そのまま、針16を引っ張る。これにより、針16が取り付けられた縫合糸17を従来ケースCから取り出すことができる。
【0014】
次に、従来ケースDを、図面を参照しながら説明する。
【0015】
図9は、従来ケースDの使用状態を示す斜視図、図10は、縫合糸が巻き付けられた基台を示す部分正面である。
【0016】
図9および図10に示すように、従来ケースDは、小判形状の板状基台28と、基台28の周縁部に基台28と一体的に形成された、それぞれ爪部29a、30aを有する上部保持部29および下部保持部30と、基台28の上面に形成された、複数本のスリット31aを有する針係止部31とから構成されている。
【0017】
上部保持部29および下部保持部30は、それぞれ基台28の周縁部に沿って間隔をあけて形成されている。そして、上部保持部29の爪部29aと下部保持部30の爪部30aとが互いに噛み合うように形成されている。
【0018】
従来ケースDによれば、以下のようにして、針16が取り付けられた縫合糸17を収容することができる。
【0019】
先ず、基台28の針係止部31のスリット31aに針16を差し込んで、基台28に固定する。次に、縫合糸17を上部保持部29の爪部29aと下部保持部30の爪部30aの上に巻き付ける。爪部29aと爪部30aの上に縫合糸17が巻き付けられると、縫合糸17の締め付け力により爪部29aと爪部30aが内側に変形して、縫合糸17の通路(S2)(図10参照)が形成される結果、縫合糸17は、基台28の側壁に巻き付けられる。爪部29aと爪部30aは、変形後、弾性力により元の状態に復帰して、縫合糸17の通路(S2)は、閉塞される。この結果、縫合糸17は、基台28から脱落せず、基台28に巻き付けられた状態を維持する。
【0020】
このようにして、針16が取り付けられた縫合糸17を従来ケースCに収容することができる。
【0021】
針16が取り付けられた縫合糸17を基台28から取り出すには、針16を針係止部31のスリット31aから抜き取った後、そのまま、針16を引っ張る。これにより、針16が取り付けられた縫合糸17を従来ケースDから取り出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】特開2009−261527号公報
【特許文献2】特開2010−5306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
上記従来ケースCおよび従来ケースDによれば、針16を取り付けた縫合糸17の収容および取り出しが容易に行えるが、以下のような問題があった。
【0024】
(1)手術終了後、縫合糸17から分離した使用済みの針16の体内への残存事故を未然に防止するために、未使用の針付き縫合糸17と使用済みの針16の合計の本数を計数し、手術前の本数と合致するか否かの確認を行う必要があるが、単に、使用済みの針16を針係止部14、31のスリット14a、31aに差し込んで回収するだけでは、この確認が行いづらかった。
【0025】
(2)使用済みの針16には、血液等が付着しており、しかも、スリット14a、31aは、幅狭であるので、使用済みの針16をスリット14a、31aに差し込んで回収する操作が行いづらく、場合によっては、使用済みの針16が従来ケースC、Dから脱落する危険性があった。
【0026】
(3)従来ケースC、Dに収容した使用済みの針16をケースごと廃棄する場合、使用済みの針16が露出しているので、危険が伴う。
【0027】
(4)使用済みの針16、未使用の針付き縫合糸17は、共に医療用廃棄物安全処理ボックス(商標名:シャープスコンテナ、等)に入れて処理するが、従来ケースC、Dでは、使用済みの針16と未使用の針付き縫合糸17の分別が行えないので、使用済みの針16をケースごと医療用廃棄物安全処理ボックスに入れて処理せざるを得ない。従って、廃棄物量が多くなって、廃棄物処理費用が嵩む。
【0028】
(5)従来ケースC、Dに回収された使用済みの針16を収容すると、使用済みの針16が未使用の針付き縫合糸17とケースに接触するので、これらが不潔になり、この結果、未使用の針付き縫合糸17は使用できなくなる可能性があることに加え、収容ケースの周りにある清潔な手術材料(メス、鉗子等)をも不潔にする可能性がある。そのため、ケース自体を清潔な場所(いわゆる清潔野)に置けなくなる。
【0029】
この発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、使用済みの針の本数の回収と確認が容易かつ確実に行え、さらに、使用済みの針を安全かつ容易にしかも最小限の廃棄物量で廃棄することが可能な針付き縫合糸収容ケースを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0030】
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、下記を特徴とするものである。
【0031】
請求項1記載の発明は、未使用針が分離可能に取り付けられた針付き縫合糸を収容する収容ケース本体と、前記収容ケース本体に、凹凸嵌合によるヒンジを介して着脱可能に取り付けられた、容易に変形可能な平板状の蓋体とからなり、前記収容ケース本体は、1本または複数本の未使用針を一列に並べて係止可能な未使用針係止部と、前記収容ケース本体の周縁部に設けられた、前記針付き縫合糸を巻き付け可能な縫合糸巻き付け部とを有し、前記未使用針係止部は、前記収容ケース本体に形成された、前記蓋体により閉塞可能な凹陥部内に設けられ、前記蓋体は、裏面に、1本または複数本の使用済み針を一列に並べて係止し、回収可能な使用済み針係止部が設けられ、前記使用済み針係止部は、前記蓋体を閉めた際に、前記未使用針係止部と離間し、かつ、前記未使用針係止部の真上に来ない位置に設けられていることに特徴を有するものである。
【0032】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記縫合糸巻き付け部は、前記収容ケース本体の周縁部に沿って間隔をあけて形成された複数個の係止爪を有し、前記係止爪は、前記針付き縫合糸を前記縫合糸巻き付け部に巻き付ける際に変形し、巻き付け後は、弾性力により元の状態に復帰して、縫合糸の収容ケース本体からの脱落を防止することに特徴を有するものである。
【0033】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記使用済み針係止部は、前記使用済み針の差し込み可能な柔軟性を有する係止部材からなっていることに特徴を有するものである。
【0034】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記係止部材は、スポンジからなっていることに特徴を有するものである。
【0035】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れか1つに記載の発明において、前記未使用針係止部と前記使用済み針係止部の針係止箇所は、連続番号により特定されていることに特徴を有するものである。
【0036】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記未使用針係止部の針係止箇所を特定する前記連続番号は、前記凹陥部に付され、前記使用済み針係止部の針係止箇所を特定する前記連続番号は、前記蓋体の裏面に付されていることに特徴を有するものである。
【0037】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の発明において、前記未使用針係止部および前記使用済み針係止部の針係止箇所を特定する前記連続番号の順序は、互いに逆になっていることに特徴を有するものである。
【発明の効果】
【0038】
この発明によれば、以下のような効果がもたらされる。
【0039】
(a)未使用針係止部と使用済み針係止部とが別々に設けられ、さらに、計数の数字が互いに逆の順序で付されているので、未使用の針付き縫合糸と使用済みの針の合計の本数を計数し、手術前の本数と合致するか否かの確認が容易かつ短時間に行える。この確認は、未使用針係止部と使用済み針係止部の針係止箇所の針係止箇所を連続番号により特定することにより一目で可能となり、さらに容易かつ短時間に行える。
【0040】
(b)使用済み針係止部を、収容ケース本体に着脱可能に取り付けられた蓋体に設けることによって、使用済み針が係止された蓋体を収容ケース本体から分離して廃棄することができるので、収容ケース本体の分だけ廃棄物量が減少する。
【0041】
(c)使用済み針係止部は、蓋体の裏面に取り付けられているので、収容ケース本体の凹陥部を蓋体により閉塞することによって、使用済み針が露出するおそれがなくなる。従って、使用済み針を安全に廃棄することができる。
【0042】
(d)使用済み針係止部を使用済み針が容易に係止可能なスポンジ等の係止部材により構成することにより、使用済み針に血液等が付着していても使用済みの針の係止操作が容易かつ確実に行えるので、使用済みの針の回収時に、使用済みの針が収容ケース本体から脱落するおそれはない。
【0043】
(e)使用済みの針は、収容ケースから取り外し可能な蓋体の使用済み針係止部に係止されるため、廃棄を仮に手術に従事していないスタッフ等の第三者が行う際、感染のリスクがある使用済みの針があるものと、感染のリスクがない未使用の針付き縫合糸があるものは、蓋体と収容ケース本体であるため、容易に判断でき、安全な廃棄作業が行うことができる。また、収容ケース本体には、未使用の針付き縫合糸しかないことが分かれば、当該針付き縫合糸を収容ケース本体から取り出して、これのみを医療用廃棄物安全処理ボックス(商標名:シャープスコンテナ、等)に入れて処理することもでき、より感染のリスクが低くなる。さらに空の収容ケース本体は、一般的な医療用廃棄物として処理することができ、この分別によって廃棄物量の最小化と、廃棄物処理費用の削減にも繋がる。
【0044】
(f)使用済みの針は、収容ケース本体から離れた蓋体に回収されるので、使用済みの針が未使用の針付き縫合糸と収容ケース本体に接触するおそれはない。この結果、未使用の針付き縫合糸と収容ケース本体の清潔性が保持されると共に、収容ケース本体を清潔野、蓋体を不潔野、といったように、収容ケース本体の置き場所が制限されることがない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】この発明の針付き縫合糸収容ケース(本発明ケースA)を示す斜視図である。
図2】蓋体を開いた、この発明の針付き縫合糸収容ケース(本発明ケースA)を示す斜視図である。
図3】この発明の針付き縫合糸収容ケース(本発明ケースA)の使用状態を示す斜視図である。
図4】使用済み針が係止された、この発明の針付き縫合糸収容ケース(本発明ケースA)の蓋体を裏から見た斜視図である。
図5】この発明の他の針付き縫合糸収容ケース(本発明ケースB)のカバーを示す斜視図である。
図6】蓋体を開いた、この発明の他の針付き縫合糸収容ケース(本発明ケースB)を示す斜視図である。
図7】従来ケースCの使用状態を示す斜視図である。
図8】上部保持部と下部保持部との間に縫合糸が入り込む通路を形成した状態を示す断面図である。
図9】従来ケースDの使用状態を示す斜視図である。
図10】縫合糸が巻き付けられた基台を示す部分正面である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
この発明の針付き縫合糸収容ケースの一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
【0047】
図1は、この発明の針付き縫合糸収容ケースを示す斜視図、図2は、蓋体を開いた、この発明の針付き縫合糸収容ケースを示す斜視図、図3は、この発明の針付き縫合糸収容ケースの使用状態を示す斜視図、図4は、使用済み針が係止された、この発明の針付き縫合糸収容ケースの蓋体を裏から見た斜視図、図5は、この発明の他の針付き縫合糸収容ケースのカバーを示す斜視図、図6は、蓋体を開いた、この発明の他の針付き縫合糸収容ケースを示す斜視図である。
【0048】
図1から図4に示すように、この発明の針付き縫合糸収容ケース(以下、本発明ケースAという。)は、針付き縫合糸3(図3参照)を収容する長方形状の収容ケース本体1と、収容ケース本体1にヒンジ2aにより開閉可能かつ着脱可能に取り付けられた蓋体2とから構成されている。
【0049】
本発明ケースAを、例えば、比較的容易に変形可能なポリプロピレン樹脂製とし、ヒンジ2aを、収容ケース本体1側に形成した凹部内(図示せず)に、蓋体2側に形成した突部(図示せず)を嵌め込んで収容ケース本体1と蓋体2とを開閉可能に連結する構造からなるものとすれば、収容ケース本体1に対して蓋体2を容易に着脱することができる。
【0050】
針付き縫合糸3は、縫合糸3aと縫合糸3aの一端に未使用針4aが縫合糸3aに対して分離可能に取り付けられたものからなっている。
【0051】
収容ケース本体1は、1本または複数本(この例では、10本)の針付き縫合糸3の未使用針4aを一列に並べて係止可能な未使用針係止部5と、収容ケース本体1の周縁部に設けられた縫合糸巻き付け部6とを有している。
【0052】
収容ケース本体1には、蓋体2により閉塞可能な凹陥部7が形成され、未使用針係止部5は、凹陥部7内に収容ケース本体1の長手方向に沿って設けられている。未使用針係止部5には、図3に示すように、未使用針4aを係止する複数本(この例では、10本)のスリット5aが間隔をあけて平行に形成されている。
【0053】
未使用針係止部5近傍の凹陥部7の表面には、未使用針係止部5の針係止箇所を特定する番号が連続して付されている。すなわち、未使用針係止部5の各スリット5a近傍の凹陥部7の表面には、連続番号が付されている。この例では、0、9、8、7、6、5、4、3、2、1の順序で番号が付されている。なお、0ではなく10と付しても良い。
【0054】
蓋体2の裏面には、1本または複数本(この例では、10本)の使用済み針4bを一列に並べて係止し、回収可能な使用済み針係止部8が未使用針係止部5と平行に設けられている。使用済み針係止部8は、蓋体2を閉めた際に、未使用針係止部5と干渉しない位置に設けられている。
【0055】
使用済み針係止部8は、容易に差し込んで係止可能な柔軟性を有するスポンジ(ポリエチレンまたはポリウレタン製スポンジ)等の係止部材からなっている。使用済み針係止部8近傍の蓋体2の裏面には、使用済み針係止部8への使用済み針4bの針係止箇所を特定する番号が連続して付されている。この例では、凹陥部7に付された番号とは逆に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、0の順序で番号が付されている。なお、0ではなく10と付しても良い。
【0056】
縫合糸巻き付け部6は、収容ケース本体1の周縁部に形成され、この周縁部に沿って間隔をあけて形成された複数個の係止爪6aを有している。係止爪6aは、上下に互いに噛み合うように形成され、針付き縫合糸3を縫合糸巻き付け部6に巻き付ける際に変形し、巻き付け後は、弾性力により元の状態に復帰して、針付き縫合糸3が収容ケース本体1から脱落しないようになっている。
【0057】
係止爪6aの変形のさせ方は、針付き縫合糸3の他端を巻き付け治具(図示せず)により把持し、巻き付け治具により係止爪6aを変形させながら針付き縫合糸3を縫合糸巻き付け部6に巻き付ける方法、あるいは、前述した従来ケースCのように、針付き縫合糸3係止を爪6aに巻き付けたときの圧力により変形させる方法の何れであっても良い。
【0058】
本発明ケースAによれば、以下のようにして、針付き縫合糸3を収容することができる。
【0059】
先ず、図2に示すように、蓋体2を開く。次に、図3に示すように、針付き縫合糸3の未使用針4aを、全ての未使用針係止部5のスリット5aに差し込んで、収容ケース本体1に係止する。次に、例えば、針付き縫合糸3の他端を巻き付け治具(図示せず)により把持し、巻き付け治具により縫合糸巻き付け部6の係止爪6aを変形させながら縫合糸3aを縫合糸巻き付け部6に巻き付ける。
【0060】
このようにして、針付き縫合糸3を本発明ケースAに収容することができる。
【0061】
針付き縫合糸3を本発明ケースAから取り出すには、未使用針4aを未使用針係止部5のスリット5aから抜き取った後、そのまま、未使用針4aを引っ張る。これにより、針付き縫合糸3を本発明ケースAから取り出すことができる。この際、未使用針4aのスリット5aからの抜き取りは、番号0から順次、行う。
【0062】
針付き縫合糸3から分離した使用済み針4bは、図3に示すように、蓋体2の使用済み針係止部8に係止して、回収する。使用済み針係止部8の係止操作は、使用済み針係止部8がスポンジ等の柔軟性を有する樹脂により構成されているので、容易に差し込んで確実に係止することができる。この際、使用済み針4bの使用済み針係止部8への係止は、番号1から順次、行う。
【0063】
このように、針付き縫合糸3の取り出しと回収を、付された番号順に行うことによって、未使用の針付き縫合糸3と使用済み針4bの合計の本数を計数し、手術前の本数と合致するか否かの確認が一目で可能となる。すなわち、図3に示す例では、未使用の針付き縫合糸3の本数は8本であり、使用済み針4bの本数は2本であることは、数えなくても付された番号から一目で分かる。従って、合計の本数が手術前の10本と合致するか否かの確認が容易かつ短時間で確実に行える。
【0064】
しかも、使用済み針係止部8は、収容ケース本体1に着脱可能に取り付けられた蓋体2に設けられているので、使用済み針4bが係止された蓋体2を収容ケース本体1から分離して廃棄することができるので、収容ケース本体1の分だけ廃棄物量が減少する。
【0065】
また、使用済み針係止部8は、蓋体2の裏面に取り付けられているので、収容ケース本体2の凹陥部7を蓋体2により閉塞することによって、使用済み針4bが露出するおそれがなくなる。従って、使用済み針4bをケースごと廃棄する場合には、安全に廃棄することができる。
【0066】
さらに、使用済み針係止部8を使用済み針4bが容易に係止可能なスポンジ等の係止部材により構成することにより、使用済み針4bに血液等が付着していても使用済みの針4bの係止操作が容易かつ確実に行える。従って、使用済みの針4bの回収時に、使用済みの針4bが収容ケース本体1から脱落するおそれはない。
【0067】
次に、この発明の他の針付き縫合糸収容ケースを、図面を参照しながら説明する。
【0068】
図5は、この発明の他の針付き縫合糸収容ケースのカバーを示す斜視図、図6は、図6は、蓋体を開いた、この発明の他の針付き縫合糸収容ケースを示す斜視図である。なお、図5および図6において、図1から図4におけると同一番号は、同一物を示す。
【0069】
図5および図6に示すように、この発明の他の針付き縫合糸収容ケース(以下、本発明ケースBという。)は、上記本発明ケースAの収容ケース本体1を蓋体2付きカバー9により覆ったもので構成され、蓋体2付きカバー9は、収容ケース本体1に嵌め込まれる。この他の構成および作用は、本発明ケースAと同様である。
【0070】
本発明ケースBによれば、収容ケース本体1の縫合糸巻き付け部6をカバー9により覆うことができるので、縫合糸3aの縫合糸巻き付け部6からの脱落をより確実に防止することができる。
【0071】
なお、上記例は、何れも、蓋体2が1つの場合であるが、蓋体2を2つ以上に分けても良い。このように、蓋体2を分けることによって、回収場所を2つ以上に分けることができる。例えば、手術部位、手技および手術室の都合上、回収する場所が異なる方が便利な場合がある。
【符号の説明】
【0072】
1:収容ケース本体
2:蓋体
2a:ヒンジ
3:針付き縫合糸
3a:縫合糸
4a:未使用針
4b:使用済み針
5:未使用針係止部
5a:スリット
6:縫合糸巻き付け部
6a:係止爪
7:凹陥部
8:使用済み針係止部
9:カバー
11:基台
12:上部保持部
12a:立ち上がり部
12b:水平部
13:下部保持部
13a:立ち上がり部
13b:水平部
14:針係止部
14a:スリット
15:スリット
16:針
17:縫合糸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10