(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の半導体ウェーハのダイシング方法を用いて、化合物半導体を材料とし第1主面112側にデバイス形成面を有する半導体ウェーハ110をダイシングする場合には、当該半導体ウェーハ110においては通常、第1主面112側が硬くて割れやすい性質を有し第2主面114側が脆くて欠けやすい性質を有するため、
図13に示すように、半導体ウェーハ110をダイシングする際に、第1主面112側におけるダイシングブレード200が入り込む領域(
図13の破線枠Aで囲まれた領域)に割れが生じたり第2主面114側におけるダイシングブレード200が抜け出る領域(
図13の破線枠Bで囲まれた領域)に欠けが生じたりするおそれがあるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、化合物半導体を材料とし第1主面側にデバイス形成面を有する半導体ウェーハをダイシングする際に、第1主面側に割れが生じたり第2主面側に欠けが生じたりすることを防ぐことが可能な半導体ウェーハのダイシング方法を提供することを目的とする。また、このような半導体ウェーハのダイシング方法を用いて半導体装置を製造する半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
なお、本明細書中、「化合物半導体」とは、2つ以上の原子が結合してなる半導体のことをいう。また、「硬い」とは、力を加えたときに変形しにくい状態のことを示し、「柔らかい」とは、力を加えたときに変形しやすい状態のことを示す。また、「堅い」とは、形や状態が崩れにくい状態のことを示し、「脆い」とは、形や状態が崩れやすい状態のことを示す。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[1]本発明の半導体ウェーハのダイシング方法は、化合物半導体を材料とし第1主面側にデバイス形成面を有する半導体ウェーハをダイシングする半導体ウェーハのダイシング方法であって、前記第1主面側とは反対側の第2主面側から入り込んで前記第1主面側から抜け出るようにダイシングブレードを回転させるとともに前記ダイシングブレードを相対的に移動させながら前記半導体ウェーハをダイシングすることを特徴とする。
【0012】
[2]本発明の半導体ウェーハのダイシング方法においては、前記半導体ウェーハは、前記第1主面における半導体ウェーハの硬さが前記第2主面における半導体ウェーハの硬さよりも硬いことが好ましい。
【0013】
[3]本発明の半導体ウェーハのダイシング方法においては、前記半導体ウェーハの第1主面及び第2主面は、共に六方晶の(0001)面であることが好ましい。
【0014】
[4]本発明の半導体ウェーハのダイシング方法においては、前記半導体ウェーハは、SiCウェーハであることが好ましい。
【0015】
[5]本発明の半導体ウェーハのダイシング方法においては、前記半導体ウェーハは、GaNウェーハであることが好ましい。
【0016】
[6]本発明の半導体ウェーハのダイシング方法においては、前記半導体ウェーハの第1主面及び第2主面は、共に立方晶の(111)面であることが好ましい。
【0017】
[7]本発明の半導体装置の製造方法は、化合物半導体を材料とし第1主面側にデバイス形成面を有する半導体ウェーハを準備する半導体ウェーハ準備工程と、[1]〜[6]のいずれかに記載の半導体ウェーハのダイシング方法を用いて半導体ウェーハをダイシングして半導体装置を製造するダイシング工程とをこの順序で含むことを特徴とする。
【0018】
[8]本発明の半導体装置の製造方法においては、前記半導体ウェーハ準備工程は、前記デバイス形成面を区切るように前記第1主面側に第1主面側スクライブラインを形成する第1主面側スクライブライン形成工程と、前記第1主面側スクライブラインを基準として第2主面側にスクライブラインを形成するスクライブライン形成工程とをこの順序で含み、前記ダイシング工程は、前記スクライブラインに沿って前記半導体ウェーハをダイシングする工程であることが好ましい。
【0019】
[9]本発明の半導体装置の製造方法においては、前記半導体ウェーハ準備工程は、前記第1主面側に位置決めマークを形成する位置決めマーク形成工程と、前記位置決めマークを基準として第2主面側にスクライブラインを形成するスクライブライン形成工程とをこの順序で含み、前記ダイシング工程は、前記スクライブラインに沿って前記半導体ウェーハをダイシングする工程であることが好ましい。
【0020】
[10]本発明の半導体装置の製造方法においては、前記半導体ウェーハ準備工程は、前記第1主面側における前記デバイス形成面の所定のパターンを基準として前記第2主面側にスクライブラインを形成するスクライブライン形成工程を含み、前記ダイシング工程は、前記スクライブラインに沿って前記半導体ウェーハをダイシングする工程であることが好ましい。
【0021】
[11]本発明の半導体装置の製造方法においては、前記スクライブライン形成工程においては、レーザー光を照射することによって前記スクライブラインを形成することが好ましい。
【0022】
[12]本発明の半導体装置の製造方法においては、前記スクライブライン形成工程においては、レーザー光を前記第1主面側から照射することによって前記スクライブラインを形成することが好ましい。
【0023】
[13]本発明の半導体装置の製造方法においては、前記スクライブライン形成工程においては、前記半導体ウェーハをダイシングする際に前記第2主面における前記ダイシングブレードが入り込む領域に前記レーザー光を照射することによって前記スクライブラインを形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明の半導体ウェーハのダイシング方法によれば、第2主面側から入り込んで第1主面側から抜け出るようにダイシングブレードを回転させながら半導体ウェーハをダイシングするため、割れにくい第2主面側からダイシングブレードが入り込むことによって半導体ウェーハに割れが生じにくくなるとともに欠けにくい第1主面側からダイシングブレードが抜け出ることによって半導体ウェーハに欠けが生じにくくなる。その結果、化合物半導体を材料とする半導体ウェーハをダイシングする際に、第1主面側に割れが生じたり第2主面側に欠けが生じたりすることを防ぐことが可能となる。
【0025】
本発明の半導体装置の製造方法によれば、本発明の半導体ウェーハのダイシング方法を用いて半導体ウェーハをダイシングして半導体装置を製造するダイシング工程を実施するため、半導体ウェーハをダイシングする際に、第1主面側に割れが生じたり第2主面側に欠けが生じたりすることを防ぐことが可能となる。その結果、割れや欠けが少ない高品質の半導体装置を製造することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の半導体ウェーハのダイシング方法及び半導体装置の製造方法について、図に示す実施形態に基づいて説明する。
【0028】
[実施形態1]
まず、実施形態1に係る半導体装置の製造方法を、実施形態1に係る半導体ウェーハのダイシング方法とともに説明する。
図1は、実施形態1に係る半導体装置の製造方法を説明するために示すフローチャートである。
図2は、実施形態1に係る半導体装置の製造方法を説明するために示す図である。
図2(a)〜
図2(e)は各工程図である。なお、
図2(e)中、符号Pはダイシングブレードにかかる圧力を示す。
図3は、実施形態1における半導体ウェーハ110を説明するために示す図である。
図4は、実施形態1における半導体ウェーハ110を説明するために示す図である。
図4(a)は第1主面側スクライブライン形成工程を実施した後の半導体ウェーハ110における第1主面112の平面図を示し、
図4(b)は
図4(a)の破線枠aで囲まれた領域の拡大図を示し、
図4(c)は第1主面側スクライブライン形成工程を実施した後の半導体ウェーハ110における第2主面114の平面図を示し、
図4(d)は
図4(c)の破線枠bで囲まれた領域の拡大図を示す。
【0029】
実施形態1に係る半導体装置の製造方法は、
図1に示すように、「半導体ウェーハ準備工程S10」と「ダイシング工程S20」とをこの順序で実施する。「半導体ウェーハ準備工程S10」は、「デバイス形成工程S11」と、「第1主面側スクライブライン形成工程S12」と、「スクライブライン形成工程S13」とをこの順序で含む。以下、実施形態1に係る半導体装置の製造方法を工程順に説明する。
【0030】
(1)デバイス形成工程S11
まず、化合物半導体を材料とし第1主面112側に複数のデバイス形成面120を有する半導体ウェーハ110を準備して、当該デバイス形成面120にデバイス(図示せず。)を形成する(
図2(a)参照。)。複数のデバイス形成面120は、隣り合うデバイス形成面120が所定の間隔を有するように形成されており、全体としてマス目状のパターンを構成している。
【0031】
半導体ウェーハ110は、化合物半導体を材料とする半導体ウェーハであり、具体的には、4H−SiCウェーハである。4H−SiCは六方晶の結晶構造をしており、半導体ウェーハ110(4H−SiCウェーハ)の第1主面112及び第2主面114は、共に六方晶の(0001)面(
図3参照。)となる。このため、第1主面112と第2主面114とは異なった性質を有する面となり、第1主面112がSi面、第2主面114がC面となる。第1主面112(Si面)における半導体ウェーハ110の硬さは、第2主面114(C面)における半導体ウェーハ110の硬さよりも硬い。
【0032】
なお、Si面は、エピタキシャル成長によって半導体ウェーハ110を製造する際の結晶欠陥が少ないことや、デバイスを形成する際に不純物濃度を調整しやすいことから、所望の性能を有するデバイスを形成するのに適している。
【0033】
また、「六方晶の(0001)面」とは、六方晶の(0001)面そのものの面のみならず、六方晶の(0001)面から数度〜数十度のオフ角がつけられた面も含む。
【0034】
(2)第1主面側スクライブライン形成工程S12
次に、
図2(b)及び
図4(a)に示すように、デバイス形成面120を区切るように第1主面112側に第1主面側スクライブライン116を形成する。具体的には、まず、第1主面112側にレジストを塗布する。次に、第1主面側スクライブライン116を形成する領域のレジストを感光させて除去する。その後、残ったレジストをマスクとしてドライエッチングを行う。このようにして第1主面側スクライブライン116を形成する。その後、レジストを除去する。
【0035】
第1主面側スクライブライン116は、
図4(b)に示すように、複数のデバイス形成面120を区切る領域に形成されている。第1主面側スクライブライン116は、ドライエッチングによって第1主面112側に形成された溝からなる。実施形態1においては、第1主面側スクライブライン116の幅が、ダイシングブレード200の幅よりも狭い。
【0036】
(3)スクライブライン形成工程S13
次に、
図2(c)及び
図4(c)に示すように、第1主面側スクライブライン116を基準として第2主面114にスクライブライン118を形成する。具体的には、第1主面側スクライブライン116が形成されている位置と対応する第2主面114側の位置にレーザー光を集光し、第1主面側スクライブライン116をなぞるようにレーザー光を2次元的にスキャンしてスクライブライン118を形成する。スクライブライン形成工程S13においては、第1主面112側からレーザー光を照射する。照射するレーザー光は、波長が266nm〜355nmの紫外線レーザーである。レーザー光のスキャン速度は、例えば10〜100mm/秒である。レーザー光の加工出力は、3W以下であり、例えば、2.0W〜2.5Wの範囲内にある。
【0037】
スクライブライン118は、
図4(d)に示すように、平面図上に連続した直線状で表される形状となる。スクライブライン118の幅は、デバイス形成面120に重ならなければ任意の幅とすることができる。実施形態1においては、スクライブライン118の幅が、ダイシングブレード200の幅と同じかそれよりも狭い。
【0038】
(4)ダイシング工程S20
次に、
図2(d)に示すように、ダイシングを行う台(図示せず。)と第1主面112とを固定用テープ210を介して第2主面114側が上になるように半導体ウェーハ110を固定する。次に、
図2(e)に示すように、第2主面114側から入り込んで第1主面112側から抜け出るようにダイシングブレード200を回転させるとともにダイシングブレード200をスクライブライン118に沿って移動させながら半導体ウェーハ110をダイシングする。このように、半導体ウェーハ110をダイシングして半導体ウェーハ110を半導体装置ごとに切り分けることにより半導体装置を製造する。
【0039】
次に、実施形態1に係る半導体ウェーハのダイシング方法及び半導体装置の製造方法の効果を説明する。
【0040】
実施形態1に係る半導体ウェーハのダイシング方法によれば、第2主面114側から入り込んで第1主面112側から抜け出るようにダイシングブレード200を回転させるとともにダイシングブレード200を移動させながら半導体ウェーハ110をダイシングするため、化合物半導体を材料とする半導体ウェーハ110をダイシングする際に、第1主面112側(
図2(e)の破線枠Bで囲まれた領域)に割れが生じたり第2主面114側(
図2(e)の破線枠Aで囲まれた領域)に欠けが生じたりすることを防ぐことが可能となる。
【0041】
また、実施形態1に係る半導体ウェーハのダイシング方法によれば、半導体ウェーハ110の第1主面112及び第2主面114が共に六方晶の(0001)面であることから、第1主面112と第2主面114とが性質の異なる面となる。このような半導体ウェーハ110であっても、半導体ウェーハ110をダイシングする際に、第1主面112側に割れが生じたり第2主面114側に欠けが生じたりすることを防ぐことが可能となる。
【0042】
また、実施形態1に係る半導体ウェーハのダイシング方法によれば、半導体ウェーハ110が高い絶縁破壊電圧を有するSiCウェーハであるため、高い絶縁破壊電圧を有する半導体装置を製造することが可能となる。
【0043】
実施形態1の半導体装置の製造方法によれば、本発明の半導体ウェーハのダイシング方法を用いて半導体ウェーハ110をダイシングして半導体装置を製造するダイシング工程S20を実施するため、半導体ウェーハ110をダイシングする際に、第1主面112側に割れが生じたり第2主面114側に欠けが生じたりすることを防ぐことが可能となる。その結果、割れや欠けが少ない高品質の半導体装置を製造することが可能となる。
【0044】
また、実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、第1主面側スクライブライン116を基準として半導体ウェーハ110の第2主面114側にスクライブライン118を形成するため、半導体ウェーハ110をダイシングする際、デバイス形成面120を有さないために正確な位置でダイシングすることが難しい第2主面114側からでも半導体ウェーハ110を正確にダイシングすることが可能となる。その結果、寸法が正確な半導体装置を製造することが可能となる。
【0045】
また、実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、微細な加工が可能なレーザー光を照射することによってスクライブライン118を形成するため、第1主面側スクライブライン116を基準としたスクライブライン118を微細な部分まで正確に形成することが可能となる。
【0046】
また、実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、透過性のあるレーザー光を照射することによってスクライブライン118を形成するため、第1主面側スクライブライン116を正確になぞることが可能となり、第1主面側スクライブライン116を基準としたスクライブライン118を正確に形成することが可能となる。
【0047】
また、実施形態1に係る半導体装置の製造方法によれば、第1主面112側からレーザー光を照射するため、第1主面112側の第1主面側スクライブライン116を正確になぞることが可能となり、第1主面側スクライブライン116を基準としたスクライブライン118を正確に形成することが可能となる。
【0048】
[変形例1]
図5は、変形例1に係る半導体装置の製造方法を説明するために示す図である。
図5(a)〜
図5(e)は各工程図を示す図である。なお、
図5(e)中、符号Pはダイシングブレードにかかる圧力を示す。
【0049】
変形例1に係る半導体装置の製造方法は、基本的には実施形態1に係る半導体装置の製造方法と同様の工程を有するが、ドライエッチングの代わりにレーザー光照射によって第1主面側スクライブラインを形成する点が実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合とは異なる。すなわち、変形例1に係る半導体装置の製造方法においては、第1主面側スクライブライン形成工程において、レーザー光を照射することによって第1主面側スクライブライン116aを形成する(
図5参照。)。
【0050】
変形例1においては、第1主面側スクライブライン116aを形成する位置に第1主面112側から照射したレーザー光を集光し、レーザー光を2次元的にスキャンして第1主面側スクライブライン116aを形成する。変形例1においても、第1主面側スクライブライン116aの幅が、ダイシングブレード200の幅よりも狭い。
【0051】
このように、変形例1に係る半導体装置の製造方法は、ドライエッチングの代わりにレーザー光照射によって第1主面側スクライブラインを形成する点が実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合とは異なるが、実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合と同様に、第2主面114側から入り込んで第1主面112側から抜け出るようにダイシングブレード200を回転させるとともにダイシングブレード200を移動させながら半導体ウェーハ110をダイシングするため、化合物半導体を材料とする半導体ウェーハ110をダイシングする際に、第1主面112側に割れが生じたり第2主面114側に欠けが生じたりすることを防ぐことが可能となる。
【0052】
また、変形例1に係る半導体装置の製造方法によれば、レーザー光を照射することにより発生する熱によってシリコンと炭素との結合を切断することができる。従って、レーザー光が照射されていない領域の場合よりも低い硬度を有するシリコン過多及び(もしくは)炭素過多の状態が形成されることとなる。その結果、当該領域をダイシングする際に、ダイシングブレード200を半導体ウェーハWに食い込ませやすくすることが可能となる。
【0053】
[実施形態2]
図6は、実施形態2に係る半導体装置の製造方法を説明するために示す図である。
【0054】
実施形態2に係る半導体装置の製造方法は、基本的には実施形態1に係る半導体装置の製造方法と同様の工程を有するが、第1主面側スクライブラインを形成する代わりに位置決めマークを形成する点が実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態2に係る半導体装置の製造方法は、デバイス形成工程と、位置決めマーク形成工程と、スクライブライン形成工程と、ダイシング工程とをこの順序で含む。
【0055】
位置決めマーク形成工程においては、第1主面112側に位置決めマーク116bを形成する。位置決めマーク116bは、
図6に示すように、デバイス形成面120のパターンの外縁に形成されている。
【0056】
スクライブライン形成工程においては、位置決めマーク形成工程において形成された位置決めマーク116bを基準として第2主面114側にスクライブライン118を形成する。具体的には、第1主面112側の1の位置決めマーク116bが形成されている位置と対応する第2主面114側の位置にレーザー光を集光し、1の位置決めマーク116bと対応する他の位置決めマーク116bに向かってレーザー光を2次元的にスキャンしてスクライブライン118を形成する。
【0057】
このように、実施形態2に係る半導体装置の製造方法は、第1主面側スクライブラインを形成する代わりに位置決めマークを形成する点が実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合とは異なるが、実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合と同様に、第2主面114側から入り込んで第1主面112側から抜け出るようにダイシングブレード200を回転させるとともにダイシングブレード200を移動させながら半導体ウェーハ110をダイシングするため、化合物半導体を材料とする半導体ウェーハ110をダイシングする際に、第1主面112側に割れが生じたり第2主面114側に欠けが生じたりすることを防ぐことが可能となる。
【0058】
なお、実施形態2に係る半導体装置の製造方法は、第1主面側スクライブラインを形成する代わりに位置決めマークを形成する点以外の点においては実施形態1に係る半導体装置の製造方法と同様の工程を有するため、実施形態1に係る半導体装置の製造方法が有する効果のうち該当する効果を有する。
【0059】
[実施形態3]
図7は、実施形態3に係る半導体装置の製造方法を説明するために示す図である。
【0060】
実施形態3に係る半導体装置の製造方法は、基本的には実施形態1に係る半導体装置の製造方法と同様の工程を有するが、第1主面側スクライブラインを基準としてスクライブラインを形成する代わりにデバイス形成面の所定のパターンを基準としてスクライブラインを形成する点が実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態3に係る半導体装置の製造方法は、デバイス形成工程と、スクライブライン形成工程と、ダイシング工程とをこの順序で含む。
【0061】
実施形態3に係る半導体装置の製造方法においては、第1主面側スクライブライン116を基準としてスクライブライン118を形成する代わりにデバイス形成面120の所定のパターン116c(
図7参照。)を基準としてスクライブライン118を形成する。具体的には、デバイス形成面120に形成された配線パターンの一部に所定のパターン116cを設け、当該パターン116cを基準として、ダイシング工程においてダイシングブレード200を移動させる軌跡を特定する。次に、第2主面114側にレーザー光を集光しレーザー光を当該軌跡に沿って2次元的にスキャンしてスクライブライン118を形成する。
【0062】
このように、実施形態3に係る半導体装置の製造方法は、第1主面側スクライブラインを基準としてスクライブラインを形成する代わりにデバイス形成面の所定のパターンを基準としてスクライブラインを形成する点が実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合とは異なるが、実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合と同様に、第2主面114側から入り込んで第1主面112側から抜け出るようにダイシングブレード200を回転させるとともにダイシングブレード200を移動させながら半導体ウェーハ110をダイシングするため、化合物半導体を材料とする半導体ウェーハ110をダイシングする際に、第1主面112側に割れが生じたり第2主面114側に欠けが生じたりすることを防ぐことが可能となる。
【0063】
なお、実施形態3に係る半導体装置の製造方法は、第1主面側スクライブラインを基準としてスクライブラインを形成する代わりにデバイス形成面の所定のパターンを基準としてスクライブラインを形成する点以外の点においては実施形態1に係る半導体装置の製造方法と同様の工程を有するため、実施形態1に係る半導体装置の製造方法が有する効果のうち該当する効果を有する。
【0064】
[実施形態4]
図8は、実施形態4に係る半導体装置の製造方法を説明するために示す図である。
図8(a)は第1主面側スクライブライン形成工程を実施した後の半導体ウェーハ110における第2主面114の平面図を示し、
図8(b)は
図8(a)の破線枠bで囲まれた領域の拡大図を示す。
【0065】
実施形態4に係る半導体装置の製造方法は、基本的には実施形態1に係る半導体装置の製造方法と同様の工程を有するが、スクライブラインの幅が実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態4に係る半導体装置の製造方法においては、スクライブライン118aの幅を、ダイシングブレード200の幅よりも広くなるように形成する。
【0066】
実施形態4に係る半導体装置の製造方法においては、スクライブライン形成工程において、半導体ウェーハ110をダイシングする際に第2主面114におけるダイシングブレード200が入り込む領域(
図2(e)の破線枠Aで囲まれた領域)にレーザー光を照射することによってスクライブライン118aを形成する。そのため、スクライブライン118aの幅は、ダイシングブレード200の幅よりも大きくなる。
【0067】
このように、実施形態4に係る半導体装置の製造方法は、スクライブラインの幅が実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合とは異なるが、実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合と同様に、第2主面114側から入り込んで第1主面112側から抜け出るようにダイシングブレード200を回転させるとともにダイシングブレード200を移動させながら半導体ウェーハ110をダイシングするため、化合物半導体を材料とする半導体ウェーハ110をダイシングする際に、第1主面112側に割れが生じたり第2主面114側に欠けが生じたりすることを防ぐことが可能となる。
【0068】
また、実施形態4に係る半導体装置の製造方法によれば、半導体ウェーハ110をダイシングする際に第2主面114におけるダイシングブレード200が入り込む領域にレーザー光を照射するため、当該領域が改質されることとなり、半導体ウェーハ110をダイシングする際にダイシングブレード200が入り込む領域に割れが生じることをより一層防ぐことが可能となる。
【0069】
なお、実施形態4に係る半導体装置の製造方法は、スクライブラインの幅以外の点においては実施形態1に係る半導体装置の製造方法と同様の工程を有するため、実施形態1に係る半導体装置の製造方法が有する効果のうち該当する効果を有する。
【0070】
[実施形態5]
実施形態5に係る半導体装置の製造方法は、基本的には実施形態1に係る半導体装置の製造方法と同様の工程を有するが、半導体ウェーハの種類が実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態4に係る半導体装置の製造方法において、半導体ウェーハ110は、GaNウェーハである。
【0071】
GaNウェーハの材料であるGaNは、実施形態1と同様に、六方晶の結晶構造をしており、半導体ウェーハ110の第1主面112及び第2主面114は、共に六方晶の(0001)面(
図3参照。)となる。GaNウェーハにおいては、第1主面112側がGa面であり、第2主面114側がN面となっている。なお、第1主面112(Ga面)側にデバイス形成面120が形成されているのは、Ga面は半導体ウェーハを製造する過程において結晶欠陥が少なく、不純物を混入させる際に濃度を調整しやすいため、所望の性能を有するデバイスを形成しやすいからである。
【0072】
このように、実施形態5に係る半導体装置の製造方法は、半導体ウェーハの種類が実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合とは異なるが、実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合と同様に、第2主面114側から入り込んで第1主面112側から抜け出るようにダイシングブレード200を回転させるとともにダイシングブレード200を移動させながら半導体ウェーハ110をダイシングするため、化合物半導体を材料とする半導体ウェーハ110をダイシングする際に、第1主面112側に割れが生じたり第2主面114側に欠けが生じたりすることを防ぐことが可能となる。
【0073】
また、実施形態5に係る半導体装置の製造方法によれば、半導体ウェーハ110が高い絶縁破壊電圧を有するGaNウェーハであるため、高い絶縁破壊電圧を有する半導体装置を製造することが可能となる。
【0074】
なお、実施形態5に係る半導体装置の製造方法は、半導体ウェーハの種類以外の点においては実施形態1に係る半導体装置の製造方法と同様の工程を有するため、実施形態1に係る半導体装置の製造方法が有する効果のうち該当する効果を有する。
【0075】
[実施形態6]
図9は、実施形態6における半導体ウェーハを説明するために示す図である。
図9(a)はGaAsウェーハのGa面を示す図であり、
図9(b)はGaAsウェーハのAs面を示す図である。
【0076】
実施形態6に係る半導体装置の製造方法は、基本的には実施形態1に係る半導体装置の製造方法と同様の工程を有するが、化合物半導体の結晶構造が実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合とは異なる。すなわち、実施形態6に係る半導体装置の製造方法において、半導体ウェーハ110の材料である化合物半導体は、立方晶の結晶構造をしている。
【0077】
実施形態6において、半導体ウェーハ110は、GaAsウェーハである。GaAsウェーハの材料であるGaAsは、実施形態1及び5とは異なり、立方晶の結晶構造をしており、半導体ウェーハ110の第1主面112及び第2主面114は共に立方晶の(111)面(
図9参照。)となる。このため、第1主面112と第2主面114とが異なった性質を有する面となり、第1主面112がGa面、第2主面114がAs面となる。なお、Ga面は、エピタキシャル成長によって半導体ウェーハ110を製造する際の結晶欠陥が少ないことや、デバイスを形成する際に不純物濃度を調整しやすいことから、所望の性能を有するデバイスを形成するのに適している面である。
【0078】
なお、「立方晶の(111)面」とは、立方晶の(111)面そのものの面のみならず、立方晶の(111)面から数度〜数十度のオフ角がつけられた面も含む。
【0079】
このように、実施形態6に係る半導体装置の製造方法は、化合物半導体の結晶構造が実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合とは異なるが、実施形態1に係る半導体装置の製造方法の場合と同様に、第2主面114側から入り込んで第1主面112側から抜け出るようにダイシングブレード200を回転させるとともにダイシングブレード200を移動させながら半導体ウェーハ110をダイシングするため、化合物半導体を材料とする半導体ウェーハ110をダイシングする際に、第1主面112側に割れが生じたり第2主面114側に欠けが生じたりすることを防ぐことが可能となる。
【0080】
また、実施形態6に係る半導体装置の製造方法によれば、半導体ウェーハ110は、高い抵抗率を有するGaAsウェーハであるため、高い抵抗率を有しリーク電流が少ない半導体装置を製造することが可能となる。
【0081】
なお、実施形態6に係る半導体装置の製造方法は、化合物半導体の結晶構造以外の点においては実施形態1に係る半導体装置の製造方法と同様の工程を有するため、実施形態1に係る半導体装置の製造方法が有する効果のうち該当する効果を有する。
【0082】
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0083】
(1)上記実施形態1〜2及び4〜6においては、デバイス形成工程の後に第1主面側スクライブライン形成工程(又は位置決めマーク形成工程)を実施する場合を例にとって本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1主面側スクライブライン工程(又は位置決めマーク形成工程)を実施した後にデバイス形成工程を実施する場合や、デバイス形成工程と第1主面側スクライブライン形成工程(又は位置決めマーク形成工程)とを同時に実施する場合であっても本発明を適用可能である。
【0084】
(2)上記各実施形態においては、スクライブラインの形状が、連続した直線状で表される形状である場合を例にとって本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
図9は、変形例2に係る半導体装置の製造方法を説明するために示す図である。例えば、スクライブラインの形状が、連続していない直線状で表される形状である場合(
図9(a)及び
図9(b)参照。)である場合であっても本発明を適用可能である。
【0085】
(3)上記変形例1においては、第1主面側スクライブライン116aの幅がダイシングブレード200の幅と同じかそれよりも狭い場合を例にとって本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
図11は、変形例3に係る半導体装置の製造方法を説明するために示す図である。
図11(a)は第1主面側スクライブライン形成工程を実施した後の半導体ウェーハ110における第1主面112の平面図を示し、
図11(b)は
図11(a)の破線枠aで囲まれた領域の拡大図を示す。例えば、第1主面側スクライブライン116dの幅がダイシングブレード200の幅よりも広い場合にも本発明を適用可能である。このような構成とすることにより、半導体ウェーハ110をダイシングする際に第1主面112におけるダイシングブレード200が抜け出る領域全体にレーザー光を照射することになるため、当該領域が改質されることとなり、半導体ウェーハ110をダイシングする際にダイシングブレード200が抜け出る領域に欠けが生じることをより一層防ぐことが可能となる。
【0086】
(4)上記各実施形態においては、ドライエッチングによって第1主面側スクライブラインを形成した場合を例にとって本発明を説明し、変形例1においてはレーザー光照射によって第1主面側スクライブラインを形成した場合を例にとって本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、酸化膜や窒化膜を線状に形成することによって第1主面側スクライブラインを形成した場合や、ダイシングブレード200で浅く溝を形成することによって第1主面側スクライブラインを形成した場合にも本発明を適用可能である。
【0087】
(5)上記各実施形態においては、ダイシングブレード200を移動させながら半導体ウェーハ110をダイシングする場合を例にとって本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、半導体ウェーハ110を移動させながら半導体ウェーハ110をダイシングする場合であっても本発明を適用可能である。
【0088】
(6)上記各実施形態においては、半導体ウェーハ110がSiCウェーハ、GaNウェーハ又はGaAsウェーハである場合を例にとって本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。半導体ウェーハの第1主面112及び第2主面114が共に六方晶の(0001)面である半導体ウェーハ(例えば、6H−SiCウェーハやAlNウェーハ等)である場合や、共に立方晶の(111)面である半導体ウェーハ(例えば、3C−SiCウェーハやSiNウェーハ等)である場合には本発明を適用可能である。
【0089】
(7)上記各実施形態においては、半導体ウェーハ110が2種の原子が結合してなる半導体ウェーハである場合を例にとって本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。半導体ウェーハ110が3種以上の原子が結合してなる半導体ウェーハ(例えば、InGaNウェーハやGaAlNウェーハ等)である場合にも本発明を適用可能である。また、2種以上の半導体ウェーハが組み合わされた半導体ウェーハ(例えば、GaN及びGaAlNが組み合わされた半導体ウェーハ、GaN及びInGaNが組み合わされた半導体ウェーハ、GaAs及びAlGaAsが組み合わされた半導体ウェーハ等)であっても本発明を適用可能である。
【0090】
(8)上記各実施形態においては、紫外線レーザーを用いてスクライブライン118や第1主面側スクライブラインを形成する場合を例にとって本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、可視光レーザー(例えば、グリーンレーザー)を用いてスクライブラインや第1主面側スクライブラインを形成した場合であっても本発明を適用可能である。