特許第5989424号(P5989424)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989424
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】台間装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20160825BHJP
【FI】
   A63F7/02 352N
   A63F7/02 352L
   A63F7/02 327Z
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-147333(P2012-147333)
(22)【出願日】2012年6月29日
(65)【公開番号】特開2014-8255(P2014-8255A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年4月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】下村 勇治
【審査官】 高藤 華代
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−189672(JP,A)
【文献】 特開2009−207777(JP,A)
【文献】 特開2004−305576(JP,A)
【文献】 特開2002−011237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に対応して設けられ、固定用の枠体とこの枠体に着脱可能な装置本体とを有し、前記枠体と前記装置本体のうちの一方に設けられる係合爪と他方に設けられる係合受部との係合により前記枠体に装着された前記装置本体を固定する台間装置であって、
前記係合爪は、前記係合受部との係合位置と非係合位置との間を往復移動可能であるとともに付勢部材により前記係合位置に向けて付勢され、
前記係合爪には、弾性変形可能な部材で構成され前記係合位置から前記非係合位置に移動した前記係合爪を前記非係合位置で保持する保持部材を設けるとともに、前記保持部材の弾性変形が可能な状態で前記保持部材を覆うカバーを設け
ことを特徴とする台間装置。
【請求項2】
前記枠体と前記装置本体のうちの前記係合受部が設けられる側には、前記係合爪が前記非係合位置にあるときに前記係合爪および前記保持部材が侵入可能な孔部が設けられ、
前記保持部材は、前記孔部に係合することで前記係合爪を前記非係合位置に保持する
ことを特徴とする請求項1記載の台間装置。
【請求項3】
前記孔部の周辺には、当接面が設けられ、
前記保持部材は、前記係合爪が前記係合位置にある場合には前記当接面に突き当たった状態で弾性変形しており、前記係合爪が前記非係合位置に移動した場合には弾性復帰力により前記孔部に侵入して係合する
ことを特徴とする請求項2記載の台間装置
【請求項4】
前記保持部材が前記係合爪を前記非係合位置に保持する保持位置にあることを検出する検出手段を有し、
前記検出手段で前記保持部材が前記保持位置にあることを検出している場合に、前記枠体に対して前記装置本体が固定されていない状態と判断する非固定状態判断手段を具備している
ことを特徴とする請求項1ないしいずれか一記載の台間装置。
【請求項5】
前記枠体と前記装置本体のうちの一方に前記係合爪の往復動に連動して変位する第2の係合爪を有し、他方に前記第2の係合爪と係合する第2の係合受部を有する
ことを特徴とする請求項1ないしいずれか一記載の台間装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に対応して設けられる台間装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技店に設置されるパチンコ機やパチスロ機などの遊技機に並設され、遊技客によって紙幣やプリペイドカードといった有価媒体が挿入されると、パチンコ玉やメダルなどの遊技媒体を貸し出す台間装置が知られている。
【0003】
台間装置は、遊技島に固定される枠体と、この枠体に着脱可能な装置本体とから構成されている。そして、通常時は、枠体と装置本体のうちの一方に設けられる係合爪と他方に設けられる係合受部との係合により枠体に対して装着された装置本体を固定している。また、リモコン操作に応じた電気的駆動や手動操作により係合爪を係合受部から外れる非係合位置に移動させることによって固定を解除し、装置本体を枠体から引き出してメンテナンスが行われる。
【0004】
ところで、係合爪を係合受部から外しただけでは、電気的駆動の解除や手動操作を止めてしまうと、係合爪が係合受部に係合する係合位置に移動して再び固定状態となってしまい、装置本体を枠体から引き出すことができなくなる。
【0005】
そこで、係合受部側に保持部材を設けておき、係合爪が係合位置に移動する際には保持部材が退避して係合爪が係合受部に係合するのを許容し、また、電気的駆動の解除や手動操作で係合爪を非係合位置に移動させた際には、ばね付勢されている保持部材が係合爪を非係合位置に保持する位置に移動することにより、電気的駆動の解除や手動操作を止めても、係合爪を非係合位置に保持し、装置本体を枠体から引き出せるようにしている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−29533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の台間装置では、係合受部側に保持部材を設けているため、保持部材と係合爪との寸法のばらつきや、係合爪を保持する位置に移動する保持部材の位置と非係合位置に移動する係合爪の位置とのばらつきなどの影響により、係合位置から非係合位置に移動した係合爪を保持部材によって保持できない場合が生じるおそれがある。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、係合位置から非係合位置に移動した係合爪を確実に保持することができる台間装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の台間装置は、遊技機に対応して設けられ、固定用の枠体とこの枠体に着脱可能な装置本体とを有し、前記枠体と前記装置本体のうちの一方に設けられる係合爪と他方に設けられる係合受部との係合により前記枠体に装着された前記装置本体を固定する台間装置であって、前記係合爪は、前記係合受部との係合位置と非係合位置との間を往復移動可能であるとともに付勢部材により前記係合位置に向けて付勢され、前記係合爪には、弾性変形可能な部材で構成され前記係合位置から前記非係合位置に移動した前記係合爪を前記非係合位置で保持する保持部材を設けるとともに、前記保持部材の弾性変形が可能な状態で前記保持部材を覆うカバーを設けたものである。
【0010】
請求項2記載の台間装置は、請求項1記載の台間装置において、前記枠体と前記装置本体のうちの前記係合受部が設けられる側には、前記係合爪が前記非係合位置にあるときに前記係合爪および前記保持部材が侵入可能な孔部が設けられ、前記保持部材は、前記孔部に係合することで前記係合爪を前記非係合位置に保持するものである。
【0011】
請求項3記載の台間装置は、請求項2記載の台間装置において、前記孔部の周辺には、当接面が設けられ、前記保持部材は、前記係合爪が前記係合位置にある場合には前記当接面に突き当たった状態で弾性変形しており、前記係合爪が前記非係合位置に移動した場合には弾性復帰力により前記孔部に侵入して係合するものである。
【0012】
求項記載の台間装置は、請求項1ないしいずれか一記載の台間装置において、前記保持部材が前記係合爪を前記非係合位置に保持する保持位置にあることを検出する検出手段を有し、前記検出手段で前記保持部材が前記保持位置にあることを検出している場合に、前記枠体に対して前記装置本体が固定されていない状態と判断する非固定状態判断手段を具備しているものである。
【0013】
請求項記載の台間装置は、請求項1ないしいずれか一記載の台間装置において、前記枠体と前記装置本体のうちの一方に前記係合爪の往復動に連動して変位する第2の係合爪を有し、他方に前記第2の係合爪と係合する第2の係合受部を有するものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の台間装置によれば、係合爪自体に保持部材を設けたため、係合位置から非係合位置に移動した係合爪を保持部材によって確実に保持することができ、さらに、カバーで、保持部材を保護し、保持部材によって係合爪を非係合位置に確実に保持することができる。
【0015】
請求項2記載の台間装置によれば、請求項1記載の台間装置の効果に加えて、係合爪が非係合位置にあるときに、係合爪および保持部材が孔部に侵入し、保持部材が孔部に係合していることにより、係合爪を非係合位置に確実に保持することができる。
【0016】
請求項3記載の台間装置によれば、請求項2記載の台間装置の効果に加えて、保持部材は、係合爪が係合位置にある場合には当接面に突き当たった状態で弾性変形しており、係合爪が非係合位置に移動した場合には弾性復帰力により孔部に侵入して係合するため、1つの保持部材で係合爪を非係合位置に確実に保持することができ、部品点数を削減し、メンテナンス性を向上できる。
【0017】
求項記載の台間装置によれば、請求項1ないしいずれか一記載の台間装置の効果に加えて、保持部材が係合爪を非係合位置に保持する保持位置にあることを検出手段で検出している場合、枠体に対して装置本体が固定されていない状態であると非固定状態判断手段が判断するため、装置本体が固定されていないまま放置されるのを防止できる。
【0018】
請求項記載の台間装置によれば、請求項1ないしいずれか一記載の台間装置の効果に加えて、枠体と装置本体のうちの一方に係合爪の往復動に連動して変位する第2の係合爪を有し、他方に第2の係合爪と係合する第2の係合受部を有するため、枠体に対する装置本体の固定を確実にできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1の実施の形態を示す台間装置の枠体側の係合爪と装置本体側の係合受部とを示し、(a)は係合爪と係合受部とが係合する前の斜視図、(b)〜(d)は係合爪と係合受部とが係合する過程を順に示す斜視図、(e)は係合爪を非係合位置に保持した斜視図である。
図2】同上図1の(a)〜(e)の斜視図にそれぞれ対応した(a)〜(d)の側面図である。
図3】同上係合爪を含む枠体側の斜視図である。
図4】同上枠体および装置本体の斜視図である。
図5】同上装置本体の表示部の正面図である。
図6】第2の実施の形態を示す台間装置の枠体側の係合爪と装置本体側の係合受部とが係合する前の斜視図である。
図7】同上係合爪と係合受部とを示し、(a)は係合爪と係合受部とが係合する前の側面図、(b)(c)は係合爪と係合受部との係合過程を順に示す側面図、(d)は係合爪を非係合位置に保持した状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、第1の実施の形態を、図1ないし図5を参照して説明する。
【0021】
図4には、遊技島に設置される遊技機の側部に並設される台間装置10を示す。台間装置10は、遊技島に固定される枠体11、およびこの枠体11に対して前側から着脱可能とする装置本体12を備えている。
【0022】
そして、枠体11は、縦枠15およびこの縦枠15の上下に設けられた上枠16および下枠17を有している。上枠16と下枠17との間には、装置本体12が枠体11に押し込まれて固定される固定位置と枠体11から前方へ引き出される引出位置との間で前後方向にスライド可能に取り付けられる。縦枠15には、遊技島に設置されている紙幣搬送装置に紙幣を案内する紙幣案内部18、装置本体12を枠体11に固定するロック機構19の枠体側の構成、装置本体12と接続される枠体側のコネクタ(図示せず)などが配設されている。下枠17には、コネクタを通じて装置本体12に電力を供給する電源部20が配置されている。
【0023】
また、装置本体12は、枠体11に着脱可能に取り付けられるフレーム23を有している。フレーム23の前面上部側には、状態表示部24およびリモコン受光部25、さらにその下側に紙幣挿入口26が配設されている。紙幣挿入口26の後側には、紙幣を識別し、受け入れ可能な紙幣の場合に紙幣案内部18を通じて紙幣搬送装置に送り出す紙幣処理部27が配置されている。フレーム23の前面下部側にはカード挿入口28が設けられ、カード挿入口の後側にプリペイドカードや会員カードを処理するカード処理部29が配置されている。紙幣挿入口26および紙幣処理部27とカード挿入口28およびカード処理部29との間には、遊技機の仕様に応じたユニットが選択的に配置される。このユニットには、図5に示すように、各種の情報を表示する表示部30が取り付けられている。また、フレーム23内には、台間装置10を制御する制御部31が配置されている。
【0024】
さらに、図1に示すように、フレーム23の背面板23aには、装置本体12を枠体11に固定するロック機構19の装置本体側の構成が配設されている。なお、背面板23aには、枠体側のコネクタと接続される装置本体側のコネクタが設置されている。
【0025】
また、図1ないし図3に示すように、ロック機構19は、枠体11に設けられた係合爪(第1の係合爪)34および第2の係合爪35と、装置本体12に設けられた係合受部(第1の係合受部)36および第2の係合受部(図示せず)とを有し、これら係合爪34と係合受部36との係合および第2の係合爪35と第2の係合受部との係合により枠体11に対して固定位置に装着された装置本体12を固定するように構成されている。
【0026】
そして、ロック機構19の枠体側の構成を説明する。枠体11の縦枠15に連動板38が上下方向に移動可能に取り付けられ、連動板38の上部には縦枠15から前方へ向けて突出する係合爪34が一体に形成され、連動板38の下部には下方へ向けて突出する第2の係合爪35が一体に形成されている。連動板38と縦枠15との間には付勢部材としてのスプリング39が張設され、このスプリング39によって連動板38が常時下方へ向けて付勢されている。すなわち、係合爪34(および第2の係合爪35)は、下降した位置を係合受部36との係合位置とし、上昇した位置を係合受部36との非係合位置としていて、これら係合位置と非係合位置の間で往復移動可能であるとともに、スプリング39により係合位置へ向けて付勢されている。また、連動板38の上部後側には、手動で係合爪34(および第2の係合爪35)を非係合位置に移動させるための手動操作部38aが後方へ突出されている。
【0027】
係合爪34の先端側下部には、係合受部36に係合する爪部40が下方へ向けて突設されている。この爪部40には、下端に略水平な平坦面41aが形成され、係合爪34の先端側から平坦面41aに亘って下降傾斜する傾斜面41bが形成されている。係合爪34の一側面で先端側と基端側との中間位置には、係合解除用ピン42が突設されている。係合爪34の一側面で基端側には、保持部材43およびカバー44が1つのねじ45で共締め固定されている。
【0028】
保持部材43は、弾性変形可能な部材として例えば板ばねで構成されており、基端側にはねじ45で係合爪34に固定される取付部46が形成され、この取付部46から可動部47が突出して形成されている。可動部47の先端には装置本体12側の背面板23aの後述する当接面53に当接可能とする当接部48が折り曲げ形成され、可動部47の上縁には検出片49が前方へ向けて突設され、可動部47の下縁には折曲片43aが検出片49とは反対側の後方へ向けて折り曲げ形成されている。そして、可動部47は、無負荷時において係合爪34の一側面から斜め前方へ向けて突出され、当接部48が背面板23aに当接して押されることにより後方へ弾性変形可能としている。なお、可動部47の当接部48を折り曲げ形成していることにより、板ばねの折り曲げた曲面部分が当接面53に当接するようにすることで、板ばねの摩擦係数の高い端面が当接面53に当接するのを防止し、当接面53の磨耗や保持部材43の動作不良を防止している。
【0029】
カバー44は、板金製で、係合爪34の一側面に対して略直角に取り付けられ、先端および上下から縁部50が前方へ向けて折り曲げ形成されている。縁部50は、台間装置10の背面から連動板38の手動操作部38aを手動操作する場合に、板金の端面で手に傷付けるのを防止するために形成されている。そして、カバー44は、可動部47の後方への弾性変形を可能とした状態で可動部47を覆うように構成されている。
【0030】
また、図1および図2に、ロック機構19において枠体側の係合爪34に対応した装置本体側の構成を示す。係合受部36は、フレーム23内に配置され、フレーム23の内側面から背面板23aと平行に突設された円筒状または円柱状の軸で構成されている。
【0031】
背面板23aには、係合受部36の後方に孔部52が形成されている。孔部52は、係合爪34(係合解除用ピン42を含む)が通過可能とするとともに係合位置と非係合位置との間で上下方向に移動可能とする係合爪用孔部52a、および係合爪34が非係合位置に移動することで保持部材43が侵入可能とする保持部材用孔部52bを有している。
【0032】
孔部52の周辺であって、背面板23aの背面で保持部材用孔部52bの下側には、係合爪34が係合位置に位置する状態で保持部材43の可動部47が当接可能とする当接面53が形成されている。
【0033】
フレーム23内には、係合受部36に係合している係合爪34を係合位置から非係合位置に移動させて係合状態を解除するロック解除手段(係合解除手段)54が配設されている。ロック解除手段54は、ロック解除レバー55、およびこのロック解除レバー55を駆動する駆動手段としてのソレノイド56を有している。
【0034】
ロック解除レバー55は、フレーム23の内側面から突設された支軸57を支点として揺動可能に支持されている。ロック解除レバー55の先端には、係合受部36に係合する係合爪34の係合解除用ピン42の下方位置に配置される押動部58が設けられている。
【0035】
ソレノイド56は、フレーム23の内側面に取り付けられ、プランジャ56aがロック解除レバー55に連結されている。そして、ソレノイド56の非励磁状態では、ソレノイド56が備えたスプリングによる付勢により、押動部58が係合解除ピンの挿入域の下方へ退避するようにロック解除レバー55が揺動されており、また、ソレノイド56の励磁により、押動部58で係合解除用ピン42を押し上げて係合爪34を非係合位置に移動させるようにロック解除レバー55が揺動される。
【0036】
フレーム23内には、保持部材43の可動部47が孔部52に侵入して係合爪34を非係合位置に保持する保持位置にあることを検出する検出手段59が配設されている。この検出手段59は、フォトインタラプタで構成されており、保持部材43の可動部47が孔部52に侵入して係合爪34を非係合位置に保持する保持位置にある状態で、保持部材43の検出片49がフォトインタラプタの検出光の投受光領域に侵入して検出光を遮光することによって検出する。
【0037】
なお、図1(a)にはロック解除手段54および検出手段59を図示しているが、図1(b)〜(e)ではロック解除手段54および検出手段59の図示を省略している。
【0038】
そして、制御部31は、検出手段59で保持部材43が保持位置にあることを検出している場合に、枠体11に対して装置本体12が固定されていない状態と判断する非固定状態判断手段の機能、枠体11に対して装置本体12が固定されていない状態と判断することにより表示部30でその旨を表示する表示制御手段の機能を有している。図5には、表示部30に「本体ロック解除されました」と表示する一例を示す。なお、非固定状態判断手段による判断の具体的な例としては、検出手段59において、フォトインタラプタが所定時間(例えば30秒)遮光されている場合に非固定状態を判断する。
【0039】
また、図3に示すように、第2の係合爪35は下方へ向けて突出されており、装置本体12側の第2の係合受部は上方から第2の係合爪35が挿脱可能とする孔部で構成されている。
【0040】
次に、ロック機構19の動作を説明する。
【0041】
図1(a)および図2(a)には、枠体11から装置本体12が引き出されている状態を示す。枠体11の係合爪34(および第2の係合爪35)は、スプリング39による付勢および連動板38などを含む自重によって最も下降した最下降位置にある。保持部材43の可動部47は無負荷状態であるため前方へ向けて突出している。一方、装置本体12側のソレノイド56は非励磁状態にあり、ロック解除レバー55の押動部58は下方に退避した位置にある。
【0042】
そして、装置本体12を枠体11に固定するために、装置本体12を枠体11に押し込んでいくと、図1(b)および図2(b)に示すように、装置本体12の孔部52からフレーム23内に枠体11側の係合爪34の先端側が侵入し、係合受部36が係合爪34の傾斜面41bに当接し、係合受部36が傾斜面41bの傾斜に沿って係合爪34を押し上げ、係合受部36上に係合爪34の平坦面41aが乗り上がる。この状態では、係合爪34の高さ位置が、非係合位置より低く、係合位置と非係合位置との中間に位置しており、また、保持部材43の可動部47の高さ位置が、孔部52の下縁(保持部材用孔部52bの下縁)より低く、孔部52に侵入しない高さとなっている。また、係合爪34と一体に移動する第2の係合爪35の高さ位置は、第2の係合受部により高い位置となっている。
【0043】
さらに装置本体12を枠体11に押し込んでいくと、図1(c)に示すように、背面板23aの当接面53が保持部材43の可動部47の当接部48に当接し、当接面53で保持部材43の可動部47を後方へ押圧して弾性変形させる。なお、可動部47の当接部48を折り曲げ形成していることにより、板ばねの折り曲げた曲面部分が当接面53に当接するため、可動部47の弾性変形に伴って当接部48が当接面53に対して円滑に摺動し、可動部47の損傷を防止することができる。
【0044】
さらに装置本体12を枠体11に押し込んでいくと、図1(d)および図2(c)に示すように、係合受部36が係合爪34の爪部40を乗り越えて爪部40の後方域に移動することにより、係合爪34が上述した付勢および自重の作用によって下降し、係合爪34の爪部40が係合受部36の前側に係合する係合位置となる。また、係合爪34と一体に第2の係合爪35も下降して第2の係合受部に係合する係合位置となる。これにより、装置本体12は、引き出せないように枠体11に固定される。
【0045】
装置本体12を枠体11に装着して固定した状態では、装置本体12側のコネクタが枠体11側のコネクタに接続され、電源部20から装置本体12に給電されるとともに、装置本体12の制御部31が外部と通信可能となる。
【0046】
また、装置本体12を枠体11から引き出す場合には、係員が所持するリモコンをリモコン受光部25に向けて操作することにより、制御部31がリモコン受光部25からの信号を入力してソレノイド56を励磁制御する。ソレノイド56の励磁により、ロック解除レバー55の押動部58で係合爪34を上述した付勢および自重の作用に抗して押し上げる。なお、リモコンによる装置本体12の解錠は、個別の台間装置10の個別解錠と、予め管理装置にてグループ登録されている複数の台間装置10を一斉に解錠するグループ解錠とがあり、これら個別解錠とグループ解錠とはリモコンで選択操作可能となっている。
【0047】
これにより、図1(e)および図2(d)に示すように、係合爪34は、爪部40が係合受部36から上方に外れる非係合位置に移動する。係合爪34と一体に保持部材43が上昇し、可動部47が当接面53に当接する位置から孔部52に対向する位置に移動するため、弾性変形されていた可動部47の弾性復帰力によって可動部47が孔部52内に侵入し、可動部47が係合爪34を非係合位置に保持する保持位置に移動する。また、係合爪34と一体に第2の係合爪35が第2の係合受部から上方に外れる非係合位置に移動する。
【0048】
なお、可動部47の当接部48を折り曲げ形成していることにより、板ばねの折り曲げた曲面部分が当接面53に当接するため、保持部材43の上方への移動に伴って可動部47が当接面53に対して円滑に摺動し、保持部材43の動作不良や損傷を防止することができる。
【0049】
さらに、可動部47の下縁に折曲片43aが折り曲げ形成されていることにより、可動部47が孔部52内に確実に侵入させることができる。これは、可動部47が孔部52内に侵入する際に、折曲片43aが設けられていないと可動部47の端面が孔部52の端面との摩擦によって引っ掛かり、可動部47が孔部52内に侵入しない不具合が起こる可能性があるが、折曲片43aを備えることでそのような不具合を防止できる。
【0050】
なお、保持部材43は、孔部52内に侵入した保持状態で、スプリング39による付勢に対して抗することができる程度の厚み・剛性を有し、なおかつ弾性変形力を有して構成されている。
【0051】
可動部47が保持位置に移動することにより、可動部47の検出片49を検出手段59が検出し、制御部31の非固定状態判断手段により装置本体12が固定されていない状態と判断し、図5に示すように表示部30に「本体ロック解除されました」と表示し、係員に報知する。
【0052】
そして、係員が装置本体12を枠体11から引き出し操作すると、引き出される装置本体12側のコネクタが枠体11側のコネクタから外れ、電源部20から装置本体12への給電が遮断され、ソレノイド56が非励磁状態となる。これにより、ロック解除レバー55の押動部58による係合爪34の押し上げが解除されるため、係合爪34が上述した付勢および自重の作用により下降しようとするが、可動部47が孔部52の下縁に当接し、係合爪34を非係合位置に保持する。また、係合爪34と一体に移動する第2の係合爪35も非係合位置に保持する。
【0053】
さらに装置本体12を引き出していくと、係合受部36が係合爪34の爪部40と係合可能な位置より前方へ移動した後、孔部52から保持部材43の可動部47が外れる。これにより、係合爪34は、上述した付勢および自重の作用によって下降する。このとき、図1(c)および図2(b)に示すように、係合爪34の爪部40の平坦面41aが係合受部36上に当接し、係合爪34の爪部40が係合受部36に係合することはない。また、係合爪34と一体に移動する第2の係合爪35も第2の係合受部に係合することはない。したがって、引き続き装置本体12の引き出しが可能となる。
【0054】
さらに装置本体12を引き出していくと、係合爪34が係合受部36から外れ、係合爪34が上述した付勢および自重の作用によって最下降位置に下降する。また、係合爪34と一体に第2の係合爪35も最下降位置に下降する。その後、図1(a)および図2(a)に示すように、孔部52から係合爪34が外れ、装置本体12が枠体11から引き出される。
【0055】
また、装置本体12を枠体11から引き出す際、装置本体12の故障などによりリモコン操作でロック解除ができない場合には、係員が遊技島の内側を通じて枠体11の後側から連動板38の手動操作部38aに指を掛けて引き上げる。これにより、図1(d)および図2(c)に示す係合爪34が係合受部36に係合した固定状態から、図1(e)および図2(d)に示すように係合爪34を非係合位置に移動し、保持部材43の可動部47が孔部52に侵入して保持位置に移動し、係合爪34を非係合位置に保持する。また、係合爪34と一体に移動する第2の係合爪35を非係合位置に保持する。
【0056】
この状態で、装置本体12を枠体11から引き出し操作することにより、装置本体12を引き出すことができる。装置本体12を引き出すことにより、係合爪34および第2の係合爪35が上述した付勢および自重の作用によって最下降位置に下降する。
【0057】
次に、図6および図7に、第2の実施の形態を示す。なお、第1の実施の形態と同様の構成および作用効果は、同じ符号を用いてその説明を省略する。
【0058】
連動板38に装置本体12の背面板23aに対して平行に対向する取付片38bが折曲形成され、この取付片38bに保持部材43が取り付けられている。
【0059】
保持部材43は、取付片38bの背面側にねじなどで取り付けられる取付部46、およびこの取付部46から突出された略L字形の可動部47を有している。可動部47は、無負荷状態において取付部46の上方域から前方へ向けて突出され、可動部47の先端が当接部48として構成されている。
【0060】
そして、図7(a)には、枠体11から装置本体12が引き出されている状態を示す。枠体11の係合爪34は、スプリング39による付勢および連動板38などを含む自重によって最も下降した最下降位置にある。保持部材43の可動部47は無負荷状態であるため前方へ向けて突出している。
【0061】
装置本体12を枠体11に固定するために、装置本体12を枠体11に押し込んでいくと、図7(b)に示すように、装置本体12の孔部52からフレーム23内に枠体11側の係合爪34の先端側が侵入し、係合受部36が係合爪34の傾斜面41bに当接し、係合受部36が傾斜面41bの傾斜に沿って係合爪34を押し上げ、係合受部36上に係合爪34の平坦面41aが乗り上がる。この状態では、係合爪34の高さ位置が、非係合位置より低く、係合位置と非係合位置との中間に位置しており、また、保持部材43の可動部47の先端の高さ位置が、孔部52の下縁(保持部材用孔部52bの下縁)より低く、孔部52に侵入しない高さとなっている。
【0062】
さらに装置本体12を枠体11に押し込んでいくと、図7(c)に示すように、背面板23aの当接面53が保持部材43の可動部47の先端に当接し、当接面53で保持部材43の可動部47を後方へ押圧して弾性変形させる。さらに、係合受部36が係合爪34の爪部40を乗り越えて爪部40の後方域に移動することにより、係合爪34が上述した付勢および自重の作用によって下降し、係合爪34の爪部40が係合受部36の前側に係合する係合位置となる。これにより、装置本体12は、引き出せないように枠体11に固定される。
【0063】
また、装置本体12を枠体11から引き出す場合、ソレノイド56の駆動または手動により、図7(d)に示すように、係合爪34を、爪部40が係合受部36から上方に外れる非係合位置に移動させる。これにより、係合爪34と一体に保持部材43が上昇し、可動部47の先端が当接面53に当接する位置から孔部52に対向する位置に移動するため、弾性変形されていた可動部47の弾性復帰力によって可動部47が孔部52内に侵入し、可動部47が係合爪34を非係合位置に保持する保持位置に移動する。したがって、係合爪34が係合受部36に係合する状態に戻ることなく、装置本体12を枠体11から引き出すことができる。
【0064】
以上のように構成された台間装置10では、係合爪34自体に保持部材43を設けたため、係合位置から非係合位置に移動した係合爪34を保持部材43によって確実に保持することができる。
【0065】
また、係合爪34が非係合位置にあるときに、係合爪34および保持部材43が孔部52に侵入し、保持部材43が孔部52に係合していることにより、係合爪34を非係合位置に確実に保持することができる。
【0066】
また、保持部材43は、例えば板ばねなどの弾性変形可能な部材で構成され、係合爪34が係合位置にある場合には当接面53に突き当たった状態で弾性変形しており、係合爪34が非係合位置に移動した場合には弾性復帰力により孔部52に侵入して係合するため、1つの保持部材43で係合爪34を非係合位置に確実に保持することができ、部品点数を削減し、メンテナンス性を向上できる。
【0067】
また、係合爪34に保持部材43の弾性変形が可能な状態で保持部材43を覆うカバー44を設けたため、保持部材43を保護し、保持部材43によって係合爪34を非係合位置に確実に保持することができる。
【0068】
また、保持部材43が係合爪34を非係合位置に保持する保持位置にあることを検出手段59で検出している場合、枠体11に対して装置本体12が固定されていない状態であると非固定状態判断手段が判断することにより、その旨を表示部30に表示して報知するなどの対応が可能となり、装置本体12が固定されていないまま放置されるのを防止できる。
【0069】
また、枠体11側に係合爪34の往復動に連動して変位する第2の係合爪35を有し、装置本体12側に第2の係合爪35と係合する第2の係合受部を有するため、枠体11に対する装置本体12の固定を確実にできる。
【0070】
なお、ロック機構19は、枠体11側に係合爪34などの構成を設け、装置本体12側に係合受部36などを設けたが、枠体11側に係合受部36などの構成を設け、装置本体12側に係合爪34などを設けてもよい。
【0071】
また、ロック機構19の係合爪34および係合受部36などは、少なくとも1箇所に設けられていればよいが、装置本体12の固定を確実にするために複数箇所に設けれてもよい。
【0072】
また、保持部材43は、板ばねに限らず、弾性変形可能な部材で構成されていればよい。
【0073】
また、前記実施の形態では、枠体11の下部に電源部20を配置している例を示したが、枠体11の下部には遊技機で獲得した遊技媒体を計数するための計数装置を配置してもよい。
【0074】
この計数装置の枠体11への固定は、リモコンで解錠(取り外し)できるようにしてもよい。この場合にも、上述したようにリモコンで個別解錠とグループ解錠を可能にしてもよく、さらに、グループ解錠を行う場合は、装置本体12の解錠および/または紙幣収納部(装置本体12が紙幣収納部を有する場合)の解錠とは異なるグループ設定をすることが可能である。
【符号の説明】
【0075】
10 台間装置
11 枠体
12 装置本体
31 非固定状態判断手段の機能を有する制御部
34 係合爪
35 第2の係合爪
36 係合受部
39 付勢部材としてのスプリング
43 保持部材
44 カバー
52 孔部
53 当接面
59 検出手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7