特許第5989435号(P5989435)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989435
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】成形装置
(51)【国際特許分類】
   D06J 1/04 20060101AFI20160825BHJP
   B21D 13/02 20060101ALI20160825BHJP
   B21D 13/04 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
   D06J1/04
   B21D13/02
   B21D13/04 B
【請求項の数】5
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-159703(P2012-159703)
(22)【出願日】2012年7月18日
(65)【公開番号】特開2014-19972(P2014-19972A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2015年4月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000112853
【氏名又は名称】フマキラー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東 邦彦
【審査官】 斎藤 克也
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭47−007591(JP,A)
【文献】 特公昭50−009910(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 13/00 − 13/10
B29C 53/00 − 53/84
B31F 1/00 − 7/02
D06B 1/00 − 23/30
D06C 3/00 − 29/00
D06G 1/00 − 5/00
D06H 1/00 − 7/24
D06J 1/00 − 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物に折り曲げ部分を連続して成形するための複数の歯が外周部に形成され、回転可能に支持された第1成形型と、
上記第1成形型の隣り合う歯の間に挿入される挿入部を有し、該挿入部が上記第1成形型の隣り合う歯の間に対向するように配置される第2成形型と、
上記第1成形型を回転駆動する第1成形型駆動装置と、
上記第2成形型の挿入部を上記第1成形型の隣り合う歯の間に挿入する方向及び隣り合う歯の間から離れる方向に往復駆動する第2成形型駆動装置とを備え、
上記第1成形型と上記第2成形型との間に被加工物を配置した状態で、上記第2成形型駆動装置により上記第2成形型の挿入部を上記第1成形型の隣り合う歯の間に挿入して被加工物を折り曲げることによって折り曲げ部分を成形し、上記第2成形型駆動装置により上記第2成形型の挿入部を上記第1成形型の隣り合う歯の間から抜いて上記第1成形型駆動装置により上記第1成形型を回転させることによって被加工物を送るように構成された成形装置において、
上記第2成形型駆動装置は、上記第1成形型の隣り合う歯の間に挿入された上記第2成形型の挿入部を、上記第1成形型の回転に同期させて該第1成形型の回転方向に移動させるように構成されるとともに、上記第2成形型を、上記第1成形型の隣り合う歯の間に挿入する方向及び隣り合う歯の間から離れる方向にガイドするガイド部材を備え、
上記ガイド部材は、上記第1成形型の回転中心周りに揺動可能に設けられ、該ガイド部材の揺動により上記第2成形型の挿入部が上記第1成形型の回転方向に移動することを特徴とする成形装置。
【請求項2】
被加工物に折り曲げ部分を連続して成形するための複数の歯が外周部に形成され、回転可能に支持された第1成形型と、
上記第1成形型の隣り合う歯の間に挿入される挿入部を有し、該挿入部が上記第1成形型の隣り合う歯の間に対向するように配置される第2成形型と、
上記第1成形型を回転駆動する第1成形型駆動装置と、
上記第2成形型の挿入部を上記第1成形型の隣り合う歯の間に挿入する方向及び隣り合う歯の間から離れる方向に往復駆動する第2成形型駆動装置とを備え、
上記第1成形型と上記第2成形型との間に被加工物を配置した状態で、上記第2成形型駆動装置により上記第2成形型の挿入部を上記第1成形型の隣り合う歯の間に挿入して被加工物を折り曲げることによって折り曲げ部分を成形し、上記第2成形型駆動装置により上記第2成形型の挿入部を上記第1成形型の隣り合う歯の間から抜いて上記第1成形型駆動装置により上記第1成形型を回転させることによって被加工物を送るように構成された成形装置において、
上記第2成形型駆動装置は、上記第1成形型の隣り合う歯の間に挿入された上記第2成形型の挿入部を、上記第1成形型の回転に同期させて該第1成形型の回転方向に移動させるように構成されるとともに、上記第2成形型の挿入部を往復駆動するための往復駆動用回転カムと、該第2成形型の挿入部を上記第1成形型の回転に同期して移動させる同期移動用回転カムと、上記往復駆動用回転カム及び同期移動用回転カムを一体に回転駆動するための共通のカム駆動軸とを備えていることを特徴とする成形装置。
【請求項3】
請求項に記載の成形装置において、
第1成形型の隣り合う歯の間に挿入され、被加工物を押さえるための押さえ部材と、
上記押さえ部材を上記第1成形型の隣り合う歯の間に挿入する方向及び隣り合う歯の間から離れる方向に往復駆動するための押さえ部材駆動装置とを備え、
上記押さえ部材は、被加工物の折り曲げ成形された部位を押さえて整形することを特徴とする成形装置。
【請求項4】
請求項に記載の成形装置において、
押さえ部材駆動装置は、押さえ部材を往復駆動する押さえ部材駆動用回転カムを備え、
上記押さえ部材駆動用回転カムは、第2成形型駆動装置のカム駆動軸により回転駆動されることを特徴とする成形装置。
【請求項5】
請求項に記載の成形装置において、
第1成形型を備えた第1ユニットと、第2成形型を備えた第2ユニットとが分離自在に連結されていることを特徴とする成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば布材等の被加工物に折り曲げ部分を連続して成形する成形装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の成形装置として、プリーツ成形装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。プリーツ成形装置は、歯車形状の下型と、下型の隣り合う歯の間に入るように形成された上型と、上型と同様に形成されてプリーツ成形時に素材(被加工物)を押さえておくための押さえ型とを備えている。
【0003】
上記装置の下型は、回転駆動装置によって水平軸周りに間欠的に回転駆動される。上型と押さえ型とは、下型の周方向に並んでいる。上型は、往復駆動装置によって下型の隣り合う歯の間に出入りするように往復駆動される。また、押さえ型も上型と同様に往復駆動され、下型とは別の歯の間に出入りする。
【0004】
上記装置でプリーツを成形する場合には、まず、素材を上型の外周に沿うように配置する。このとき下型の回転は停止させておく。そして、押さえ型を駆動して下型の隣り合う歯の間に挿入することにより、素材を下型に押し付けて保持するとともに、上型を駆動して下型の隣り合う歯の間に入れることにより、 素材を上型及び下型により挟んでプリーツを成形する。このようにして1つのプリーツを成形すると、上型及び押さえ型を下型の歯の間から抜いて離し、これらが下型から完全に離れた後、下型を1歯分だけ回転する。これにより、素材が送られる。そして、下型を停止し、次のプリーツを成形する。
【0005】
このように、特許文献1、2の装置では、下型を間欠的に回転させて素材を送り、上型のみを往復動作させればよいので、上型及び下型の両方を往復動作させる構造に比べて多数のプリーツを短時間で製造可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公昭63−20614号公報
【特許文献2】特公昭63−59771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、近年、プリーツ成形に要する時間をより一層短縮することが望まれている。プリーツ成形に要する時間を短縮しようとすると、まず、素材の送りを速くすることが必要である。特許文献1、2の装置では、下型を間欠的に回転させて素材を送るようにしているので、下型が停止している時間を短くすれば素材を速く送ることができる。ところが、下型は、上型及び押さえ型が下型の歯の間に入っている間は停止させておかなければならないので、素材の送りを速くするためには、上型及び押さえ型の往復動作を高速化し、これによって下型の停止時間を短くすることが考えられる。
【0008】
しかし、上型の往復動作を高速化すると、上型を素材に押し付けている時間が極短時間になり、素材をプリーツ状に変形させるのに十分な時間を確保できず、成形不良を招くおそれがある。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回転動作する成形型と、往復動作する成形型とを組み合わせて被加工物に折り曲げ部分を連続して成形する場合に、成形不良を招くことなく、高速で成形できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、上記目的を達成するために、往復動作する成形型を、回転動作する成形型の回転に同期させてその回転方向に移動させるようにした。
【0011】
第1の発明は、被加工物に折り曲げ部分を連続して成形するための複数の歯が外周部に形成され、回転可能に支持された第1成形型と、上記第1成形型の隣り合う歯の間に挿入される挿入部を有し、該挿入部が上記第1成形型の隣り合う歯の間に対向するように配置される第2成形型と、上記第1成形型を回転駆動する第1成形型駆動装置と、上記第2成形型の挿入部を上記第1成形型の隣り合う歯の間に挿入する方向及び隣り合う歯の間から離れる方向に往復駆動する第2成形型駆動装置とを備え、上記第1成形型と上記第2成形型との間に被加工物を配置した状態で、上記第2成形型駆動装置により上記第2成形型の挿入部を上記第1成形型の隣り合う歯の間に挿入して被加工物を折り曲げることによって折り曲げ部分を成形し、上記第2成形型駆動装置により上記第2成形型の挿入部を上記第1成形型の隣り合う歯の間から抜いて上記第1成形型駆動装置により上記第1成形型を回転させることによって被加工物を送るように構成された成形装置において、上記第2成形型駆動装置は、上記第1成形型の隣り合う歯の間に挿入された上記第2成形型の挿入部を、上記第1成形型の回転に同期させて該第1成形型の回転方向に移動させるように構成されるとともに、上記第2成形型を、上記第1成形型の隣り合う歯の間に挿入する方向及び隣り合う歯の間から離れる方向にガイドするガイド部材を備え、上記ガイド部材は、上記第1成形型の回転中心周りに揺動可能に設けられ、該ガイド部材の揺動により上記第2成形型の挿入部が上記第1成形型の回転方向に移動することを特徴とするものである。
【0012】
この構成によれば、第1成形型を回転させて被加工物を送る際、第2成形型の挿入部を第1成形型の隣り合う歯の間に挿入したまま、第1成形型の回転に同期して移動させることが可能になる。
【0013】
従って、第1成形型の回転中(被加工物の送り中)に第2成形型の挿入部を被加工物に押し付けておくことが可能になるので、被加工物に対して折り曲げ変形させるための力が長時間に亘って作用することになる。
【0014】
また、ガイド部材を揺動させると第2成形型がガイド部材の揺動方向に移動する。このガイド部材の揺動中心は第1成形型の回転中心と同じなので、第2成形型の挿入部が第1成形型の回転方向に正確に移動することになる。
【0015】
の発明は、被加工物に折り曲げ部分を連続して成形するための複数の歯が外周部に形成され、回転可能に支持された第1成形型と、上記第1成形型の隣り合う歯の間に挿入される挿入部を有し、該挿入部が上記第1成形型の隣り合う歯の間に対向するように配置される第2成形型と、上記第1成形型を回転駆動する第1成形型駆動装置と、上記第2成形型の挿入部を上記第1成形型の隣り合う歯の間に挿入する方向及び隣り合う歯の間から離れる方向に往復駆動する第2成形型駆動装置とを備え、上記第1成形型と上記第2成形型との間に被加工物を配置した状態で、上記第2成形型駆動装置により上記第2成形型の挿入部を上記第1成形型の隣り合う歯の間に挿入して被加工物を折り曲げることによって折り曲げ部分を成形し、上記第2成形型駆動装置により上記第2成形型の挿入部を上記第1成形型の隣り合う歯の間から抜いて上記第1成形型駆動装置により上記第1成形型を回転させることによって被加工物を送るように構成された成形装置において、上記第2成形型駆動装置は、上記第1成形型の隣り合う歯の間に挿入された上記第2成形型の挿入部を、上記第1成形型の回転に同期させて該第1成形型の回転方向に移動させるように構成されるとともに、上記第2成形型の挿入部を往復駆動するための往復駆動用回転カムと、該第2成形型の挿入部を第1成形型の回転に同期して移動させる同期移動用回転カムと、上記往復駆動用回転カム及び同期移動用回転カムを一体に回転駆動するための共通のカム駆動軸とを備えていることを特徴とするものである。
【0016】
この構成によれば、動力源が1つであっても、第2成形型の挿入部を往復駆動できるとともに、第1成形型の回転方向へも駆動できる。
【0017】
の発明は、第の発明において、第1成形型の隣り合う歯の間に挿入され、被加工物を押さえるための押さえ部材と、上記押さえ部材を上記第1成形型の隣り合う歯の間に挿入する方向及び隣り合う歯の間から離れる方向に往復駆動するための押さえ部材駆動装置とを備え、上記押さえ部材は、被加工物の折り曲げ成形された部位を押さえて整形することを特徴とするものである。
【0018】
この構成によれば、押さえ部材により被加工物を押さえることにより、被加工物の折り曲げ成形時に被加工物のズレが防止される。そして、その押さえ部材によって被加工物の折り曲げ成形された部位が整形される。
【0019】
の発明は、第の発明において、押さえ部材駆動装置は、押さえ部材を往復駆動する押さえ部材駆動用回転カムを備え、上記押さえ部材駆動用回転カムは、第2成形型駆動装置のカム駆動軸により回転駆動されることを特徴とするものである。
【0020】
この構成によれば、押さえ部材を往復駆動するにあたり、新たな駆動源は不要になる。
【0021】
の発明は、第の発明において、第1成形型を備えた第1ユニットと、第2成形型を備えた第2ユニットとが分離自在に連結されていることを特徴とするものである。
【0022】
この構成によれば、第1成形型あるいは第2成形型を交換する際に、第1ユニットと第2ユニットとを分離させて容易に交換作業を行うことが可能になる。
【発明の効果】
【0023】
第1の発明によれば、回転駆動される第1成形型の隣り合う歯の間に、往復駆動される第2成形型の挿入部を挿入して被加工物に折り曲げ部分を成形する場合に、第1成形型の隣り合う歯の間に挿入された第2成形型の挿入部を第1成形型の回転に同期して回転方向に移動させるようにしている。これにより、第1成形型の回転中に第2成形型の挿入部を被加工物に押し付けておくことがきるので、第1成形型による被加工物の送りを速めても、被加工物を折り曲げ変形させるのに十分な成形時間を確保でき、よって、折り曲げ部分を高速で、かつ、成形不良を招くことなく成形できる。
【0024】
また、第2成形型をガイドするガイド部材を、第1成形型の回転中心周りに揺動させるようにしたので、第2成形型の挿入部の動きを第1成形型の回転方向の動きと正確に一致させることができ、高精度な成形を行うことができる。
【0025】
の発明によれば、第2成形型の挿入部を往復駆動するための往復駆動用回転カムと、第1成形型の回転に同期して移動させる同期移動用回転カムとを共通のカム駆動軸で回転駆動するようにしている。これにより、動力源の数を減らして設備費用を低減しながら、往復駆動のタイミングと、第1成形型の回転方向への駆動タイミングとを狙い通りにコントロールでき、高精度な成形を行うことができる。
【0026】
の発明によれば、被加工物を押さえる押さえ部材を設け、押さえ部材により被加工物の折り曲げ成形された部位を整形するようにしたので、被加工物に折り曲げ部分を所期の形状に正確に成形できる。
【0027】
の発明によれば、押さえ部材駆動用回転カムを第2成形型駆動装置のカム駆動軸により回転駆動するようにしたので、新たな動力源が不要で設備費用を低減できる。また、押さえ型の動作タイミングと第2成形型の動作タイミングとを狙い通りにコントロールでき、高精度な成形を行うことができる。
【0028】
の発明によれば、第1成形型を備えた第1ユニットと、第2成形型を備えた第2ユニットとを分離自在に連結したので、第1成形型あるいは第2成形型の交換作業を容易に行うことができ、メンテナンス作業性を向上できる。
【0029】
よって、本発明により、成形スピード及び精度の向上によるプリーツ成形物の安価な供給が可能となる、製造コストの低減を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施形態にかかる成形装置の部分断面図である。
図2図3におけるII−II線断面図である。
図3】下型ユニットの平面図である。
図4】成形装置の駆動系の概略図である。
図5】上型ユニットの上下往復動作部分と下型ユニットの関係を説明する図である。
図6】上型ユニットの前後往復動作部分と下型ユニットの関係を説明する図である。
図7】押さえ型ユニット及び下型ユニットの関係を説明する図である。
図8】カム駆動軸の回転角度が0゜であるときの各部の状態を説明する図である。
図9】カム駆動軸の回転角度が90゜であるときの各部の状態を説明する図である。
図10】カム駆動軸の回転角度が180゜であるときの各部の状態を説明する図である。
図11】カム駆動軸の回転角度が270゜であるときの各部の状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0032】
図1は、本発明の実施形態にかかるプリーツ成形装置1の概略構造を示す部分断面図である。このプリーツ成形装置1は、不織布等の布材(被加工物)に多数のプリーツ(折り曲げ部分)を連続して成形する場合に用いられるものである。
【0033】
尚、本発明にかかるプリーツ成形装置1でプリーツを成形する被加工物としては、布材以外にも、例えば、紙、樹脂板、金属板等、各種材料が挙げられる。
【0034】
被加工物は、図1に白抜きの矢印で示すように右側から左側へ向かって供給されてプリーツ成形後に左側へはき出されるようになっている。この実施形態の説明では、説明の便宜を図るために、プリーツ成形装置1の被加工物が供給される側を前側といい、プリーツ成形後の部材がはき出される側を後側という。
【0035】
プリーツ成形装置1は、ベース部10と、ベース部10の上部に設けられた支持台11と、実際にプリーツを成形する部分であるプリーツ成形部12とを備えている。ベース部10は、枠部材を組み合わせて構成されている。ベース部10の下部には、車輪10aが設けられている。支持台11は、ベース部10の上面から上方へ延びる板材及び棒材等で構成されている。
【0036】
プリーツ成形部12は、詳細は後述するが、その一部はベース部10に収容され、残りの部分は支持台11に支持されている。
【0037】
プリーツ成形部12は、下型ユニット(第1ユニット)14、下型駆動装置(第1成形型駆動装置)15、上型ユニット(第2ユニット)16、押さえ型ユニット18及び動力源としてのモーター19を備えている。
【0038】
図3に示すように、下型ユニット14は、4つの下型(第1成形型)20,20,…と、下型20,20,…を支持する支軸21と、支軸21が回転可能に取り付けられるフレーム22とを備えている。下型20は図2に矢印で示す方向に回転する。この下型ユニット14は、例えば、ピッチの異なるプリーツを成形する場合、深さの異なるプリーツを成形する場合、下型20が損傷、摩耗した場合等に、他の下型ユニット14と容易に交換できるようになっている。この下型ユニット14は、ベース部10の上方で支持台11の内部に収容されるようになっており、メンテナンスも容易となる。
【0039】
また、図1に示すように、下型ユニット14は、ユニット載置台100に載置されるようになっている。ユニット載置台100の下部には、車輪100a,100aが設けられている。下型ユニット14を交換する際には、このユニット載置台100で運び、支持台11にセットする。尚、図1では、下型ユニット14を支持台11から外した状態を示す。
【0040】
図3に示すように、各下型20は、3枚の円盤25,25,25を互いに厚み方向に接近させて組み合わせた状態で構成されている。図2に示すように、各円盤25の外周部には、多数の歯25a,25a,…が周方向に等間隔に並んで設けられている。歯25a,25aは、布材にプリーツを成形するためのものであり、歯25aの外面がプリーツ成形面となる。
【0041】
円盤25に形成する歯25aの数を増やし、この数に対応するように後述するカム形状を変更することでプリーツのピッチが狭まる。また、歯25aの高さを高くする(歯先から歯底までの寸法を長くする)とプリーツの深さが深くなる。本実施形態では、円盤25に形成する歯25aの数は、100にしており、また、歯25aの高さは数十mm程度に設定している。
【0042】
円盤25の中心部には、支軸21が挿通する挿通孔25bが形成されている。この挿通孔25bに挿通された支軸21と円盤25とは相対回転しないようにキー等で結合されている。図3に示すように、支軸21の軸方向に隣り合う下型20,20は、互いに軸方向に間隔をあけて配置されている。各下型20で被加工物を成形できるようになっており、従って、本装置1では、最大で4枚の被加工物を同時に成形できる。尚、同時に成形する被加工物の枚数は4枚でなくてもよく、3枚以下であってもよいし、5枚以上であってもよい。
【0043】
支軸21は、中空軸であり、略水平に延びている。支軸21の両端部には転がり軸受21a、21aが設けられている。転がり軸受21a、21aは、フレーム22の側板部に取り付けられている。
【0044】
支軸21の一端部には、従動ギヤ21bが回転一体に固定されている。また、支軸21の両端部には、軸線と同心上にテーパー孔21d,21dがそれぞれ形成されている。
【0045】
図2に示すように、フレーム22の下面には、車輪22bが取り付けられている。車輪22bは、ベース部10の上面を転動するようになっている。下型ユニット14の交換時には、下型ユニット14を車輪22bによって容易に移動させることが可能である。
【0046】
フレーム22の側板には、支持台11への収容方向(前側)に開放する凹溝22cが形成されている。凹溝22cは、下型ユニット14を支持台11の内部に収容した状態で、支持台11の係合部(図示せず)が係合するように形成されている。係合した状態では、それ以上、下型ユニット14が前方へ移動するのが阻止される。
【0047】
また、図3に仮想線で示すように、支持台11の両側板には、下型ユニット14のテーパー孔21d,21dに嵌入される凸状の嵌入部材11a,11aがそれぞれ設けられている。これら嵌入部材11a,11aをそれぞれテーパー孔21d,21dに嵌入することで、支軸21の芯出しが行われて支持台11に回転可能に支持された状態となり、これにより下型ユニット14が支持台11に固定される。下型ユニット14の交換時には、嵌入部材11a,11aをテーパー孔21d,21dから抜けばよいので簡単な操作で済む。
【0048】
図2に示すように、フレーム22の上部の前側には、各下型20に被加工物をガイドするための前側ガイド板30が下型20毎に合計4つ設けられている。各前側ガイド板30は、フレーム22の前縁部よりも前方から後方へ向かって延びており、後側へ行くほど上に位置するように緩やかに傾斜している。前側ガイド板30の後端部は、下型20の直上方に位置しており、歯25aの先端に接近している。これにより、被加工物が歯25aの近傍まで確実にガイドされることになる。
【0049】
フレーム22の上部の後側には、プリーツ成形後のものが下型20から一定の区間だけ離れないようにするための後側ガイド板31が下型20毎に合計4つ設けられている。後側ガイド板31はフレーム22の後端部から前方へ延びており、前端部は、下型20の直上方に位置している。後側ガイド板31の前端部と、前側ガイド板30の後端部とは接近しているが、それらの間には、後述する上型40及び押さえ型71が上下に往復動作できるだけの空間が確保されている。
【0050】
各後側ガイド板31の下縁部には、下型20の外形状に沿う円弧部31aが形成されている。この円弧部31aと下型20の歯25aの先端とは接近している。また、円弧部31aの周方向の長さは、下型20の回転角度で表すと30゜程度に相当する長さである。このように一定の間、被加工物を下型20の内部に留まらせてプリーツ成形面に接触させておくことにより、プリーツ成形後の部材を落ち着かせてプリーツ形状を安定させることが可能になる。
【0051】
また、フレーム22の後側には、成形後の被加工物を下型20から離脱させるための離脱部材33が下型20毎に合計4つ設けられている。離脱部材33は、各下型20の円盤25,25間に挿入される縦板で構成されている。離脱部材33は、フレーム22の下部から上方へ向かって下型20の上部近傍まで延びている。離脱部材33の後縁部は、下側へ行くほど後に位置するように形成されている。離脱部材33の後縁部の下側は、円盤25,25の間から後方へ突出している。下型20に入り込んだままのプリーツ成形後の部材が下型20の回転によって周方向に移動していくと、当該部材が離脱部材33の後縁部に摺接して下型20から離脱する方向(下型20の後方)へ押され、これにより、プリーツ成形後の部材が下型20から離脱するようになる。
【0052】
後側ガイド板31と離脱部材33とを設けたことで、成形後の被加工物を後側ガイド板31と離脱部材33との間から後側へ向けてはき出すことができる。
【0053】
図4に示すように、下型駆動装置15は、下型ユニット14の従動ギヤ21bが噛み合う駆動ギヤ23と、減速機Cと、パラレルカム装置Dとを備えている。駆動ギヤ23は、略水平に左右方向に延びる回転軸24に回転一体に結合されている。下型ユニット14が支持台11に固定された状態で、従動ギヤ21bと駆動ギヤ23とが噛み合うようになっている。尚、従動ギヤ21bと駆動ギヤ23とはバックラッシュレスギヤである。
【0054】
回転軸24は支持台11に回転可能に支持されている。回転軸24には、プーリP1が回転一体に結合されている。
【0055】
減速機Cの出力軸C1にはプーリP2が回転一体に結合されている。プーリP1とプーリP2とには、タイミングベルトB1が巻き掛けられている。
【0056】
減速機Cの入力軸C2にはプーリP3が回転一体に結合されている。また、パラレルカム装置Dの出力軸D1にはプーリP4が回転一体に結合されている。プーリP3とプーリP4とには、タイミングベルトB2が巻き掛けられている。パラレルカム装置Dの入力軸D2にはプーリP5が回転一体に結合されている。
【0057】
支持台11には、モータ19の出力を下型駆動装置15に伝達するための伝動軸Fが設けられている。伝動軸Fには、プーリP6が回転一体に結合されている。プーリP5とプーリP6とには、タイミングベルトB3が巻き掛けられている。
【0058】
伝動軸Fには、プーリP7も回転一体に結合されている。プーリP7とモーター19のプーリとには、VベルトB4が巻き掛けられている。
【0059】
従って、モーター19が作動すると、VベルトB4、伝動軸F及びタイミングベルトB3を介してパラレルカム装置Dに入力される。パラレルカム装置Dでは、入力軸D2を所定角度回転させる間に、出力軸D1を入力軸D2の回転角度よりも小さい角度だけ回転させ、その後、出力軸D1の回転を一定時間だけ停止する。パラレルカム装置Dでは、これが繰り返される。
【0060】
パラレルカム装置Dの出力は、タイミングベルトB2を介して減速機Cに伝達されて減速された後、タイミングベルトB1を介して駆動ギヤ23に伝達されて従動ギヤ21bが駆動される。
【0061】
これにより、下型20が回転駆動される。この下型20は、モーター19と駆動ギヤ23との間にパラレルカム装置Dが介在しているので、所定角度だけ回転した後、一定時間停止する動作を繰り返す。すなわち、下型20は間欠的に回転する。ここで、所定角度とは、3.6゜である。これは、下型20の歯25aが100個設けられていることから、360゜を100で割った値である。
【0062】
図5に示すように、上型ユニット16は、上型(第2成形型)40と、上型駆動装置(第2成形型駆動装置)41とを備えており、上記下型ユニット14に対して締結部材等を用いて分離可能に連結されている。このため、上型40や下型20の交換時には、上型ユニット16と下型ユニット14とを分離させることで交換作業を容易に行うことができる。
【0063】
上型40は、下型20毎に合計4つ設けられており、各々、上下方向に延びる板材で構成されている。上型40の下部は、下型20の隣り合う歯25a,25aの間に挿入される挿入部40aとされている。挿入部40aは、下端に近づくほど薄肉となる刃形状とされている。挿入部40aの外面はプリーツ成形面とされている。
【0064】
上型40は、上型駆動装置41によって上下方向に往復駆動されるとともに、前後方向にも往復駆動されるようになっている。
【0065】
すなわち、上型駆動装置41は、上下駆動用円盤カム(往復駆動用回転カム)43と、上下駆動用アーム44と、上下駆動用ロッド45と、図6に示す前後駆動用円盤カム(同期移動用回転カム)47と、前後駆動用アーム48と、前後駆動用ロッド49と、ガイドレール(ガイド部材)50と、上型ホルダ51(図5に示す)と、カム駆動軸52と、連結部材60(図6に示す)とを備えている。上記カム43,47,アーム44,48、ロッド45,49、ガイドレール50及び連結部材60は、プリーツ成形装置1の左右両側にそれぞれ設けられている。また、上型駆動装置41は、全体が支持台11の内部に収容されている。
【0066】
上下駆動用円盤カム43、前後駆動用円盤カム47及びカム駆動軸52は、支持台11の上部に配置されている。カム駆動軸52は、略水平に左右方向に延びている。図4に示すように、カム駆動軸52には、プーリP8が回転一体に結合されている。一方、伝動軸Fには、プーリP9が回転一体に結合されている。プーリP8とプーリP9とには、タイミングベルトB5が巻き掛けられている。
【0067】
上下駆動用円盤カム43は、前後駆動用円盤カム47よりも支持台11の左右方向中央部寄りに配置されており、上下駆動用円盤カム43と前後駆動用円盤カム47とはカム駆動軸52の軸方向に離れている。
【0068】
図5に示すように、上下駆動用円盤カム43の中心部にはカム駆動軸52が挿通する挿通孔43bが形成されている。カム駆動軸52は挿通孔43bに挿通した状態で上下駆動用円盤カム43と回転一体に結合されている。
【0069】
尚、図5では、前後駆動用アーム48や、前後駆動用ロッド49、押さえ型71等を省略している。
【0070】
上下駆動用円盤カム43の側面には、環状に延びるカム溝43aが形成されている。カム溝43aの形状は、上下駆動用円盤カム43を1回転させると、上型40を1回上下に往復させるように設定されている。上型40の動作タイミングについては後述する。
【0071】
上下駆動用アーム44は、側面視で略L字状に形成されており、略水平に左右方向に延びる支軸A周りに揺動可能に支持台11に取り付けられている。上下駆動用アーム44の一端部には、カム溝43aに挿入されて係合するフォロアー44aが設けられている。
【0072】
上下駆動用ロッド45は略上下方向に延びている。上下駆動用ロッド45の上端部は、上下駆動用アーム44の他端部に回動可能に取り付けられ、上下駆動用ロッド45の下端部は、上型ホルダ51に回動可能に取り付けられている。この上型ホルダ51は、左右方向に延びており、4つの上型40が固定されている。
【0073】
ガイドレール50は、上下方向に延びている。ガイドレール50は、下型20の回転中心周りに揺動可能に支持台11に支持されている。すなわち、ガイドレール50の下端部には、水平方向に貫通する円形の取付孔50aが設けられている。取付孔50aには、支軸21と同心上に設けられた軸受Bが挿入されている。この軸受Bにより支持されたガイドレール50が揺動可能となっている。
【0074】
上型ホルダ51は、ガイドレール50に係合した状態でガイドレール50に対し上下方向にのみ直線移動するようになっている。
【0075】
従って、上下駆動用円盤カム43を図5の矢印の方向に回転させると、上下駆動用アーム44が支軸A周りに揺動し、上下駆動用アーム44の揺動によって上下駆動用ロッド45が上下方向に移動し、上型ホルダ51を上下に駆動する。これにより、上型ホルダ51がガイドレール50により上下方向にガイドされて上型40が上下に往復動作する。
【0076】
上型40の上下方向の移動範囲は、上型40が最も下に位置した状態で挿入部40aが歯25aの間に挿入されて挿入部40aの先端が上型20の歯25aの歯底に接する程度(図10に示す)とされ、また、上型40が最も上に位置した状態で挿入部40aの先端が上型20の歯25aの歯先よりも上方に位置する程度(図5に示す)とされている。
【0077】
図6に示すように、前後駆動用円盤カム47の中心部にはカム駆動軸52が挿通する挿通孔47bが形成されている。カム駆動軸52は挿通孔47bに挿通した状態で前後駆動用円盤カム4と回転一体に結合されている。
【0078】
尚、図6では、上下駆動用アーム44や、上下駆動用ロッド45、押さえ型71等を省略している。
【0079】
前後駆動用円盤カム47の側面には、環状に延びるカム溝47aが形成されている。カム溝47aの形状は、前後駆動用円盤カム47を1回転させると、上型40を1回前後に往復させるように設定されている。上型40の動作タイミングについては後述する。
【0080】
前後駆動用アーム48は、側面視で略くの字状に形成されており、略水平に左右方向に延びる支軸A周りに揺動可能に支持台11に取り付けられている。前後駆動用アーム48の上端部には、カム溝47aに挿入されて係合するフォロアー48aが設けられている。
【0081】
前後駆動用ロッド49は略前後方向に延びている。前後駆動用ロッド49の後端部は、前後駆動用アーム48の下端部に回動可能に取り付けられ、前後駆動用ロッド49の前端部は、連結部材60に回動可能に取り付けられている。
【0082】
連結部材60は、前後駆動用ロッド49とガイドレール50とを連結するためのものである。
【0083】
従って、前後駆動用円盤カム47を図6の矢印の方向に回転させると、前後駆動用アーム48が支軸A周りに揺動し、前後駆動用アーム48の揺動によって前後駆動用ロッド49が前後方向に移動し、連結部材60を前後に駆動する。これにより、ガイドレール50が支軸21の回転中心周りに前後に揺動し、その結果、ガイドレール50に連結されている上型40が前後に往復動作する。
【0084】
上型40の前後方向の移動範囲は、下型20の1回あたりの回転角度である3.6゜に対応しており、挿入部40aを下型20の歯25a,25aの間に挿入した状態で下型20を1回だけ回転させて移動する距離である。前後方向の移動範囲は、前後駆動用アーム49や前後駆動用ロッド49のレバー比で任意に設定できる。
【0085】
また、上型40の移動開始タイミングと、下型20の回転開始タイミングとは同時である。また、上型40の移動終了タイミングと、下型20の回転終了タイミングとは同時である。さらに、下型40及び上型20の移動速度も同じに設定されている。つまり、上型40と下型20とは、同期している。
【0086】
下型40及び上型20を同期させるにあたっては、例えば、上下駆動用円盤カム43、前後駆動用円盤カム47のカム溝43a,47aの形状設定や、下型駆動装置15の減速比やパラレルカム装置Dの種類の選定等により行うことができる。
【0087】
次に、押さえ型ユニット18の構造について説明する。図7に示すように、押さえ型ユニット18は、押さえ型71と、押さえ型駆動装置72とを備えている。押さえ型71は、上型40と同様に4つ設けられ、各々が上下方向に延びる板材で構成されている。押さえ型71の下部は、下型20の隣り合う歯25a,25aの間に挿入される挿入部71aとされている。挿入部71aは、下端に近づくほど薄肉となる刃形状とされ、その外面はプリーツ押さえ面とされている。また、押さえ型71の挿入部71aは、プリーツ成形後にプリーツの形状を整える整形機能を持っている。
【0088】
図8に示すように、押さえ型71は、上型40が挿入される歯25aの1つ後側において隣り合う歯25a,25aの間に挿入される。
【0089】
押さえ型71は、押さえ型駆動装置72によって上下方向に往復駆動され、また、上型駆動装置41によって前後方向に往復駆動されるようになっている。
【0090】
押さえ型駆動装置72は、押さえ型駆動用円盤カム(押さえ部材駆動用回転カム)73と、押さえ型駆動用アーム74と、押さえ型駆動用ロッド75と、押さえ型ホルダ81を備えている。上記押さえ型駆動用円盤カム73、押さえ型駆動用アーム74、押さえ型駆動用ロッド75、押さえ型ホルダ81及び連結部材82は、プリーツ成形装置1の左右両側にそれぞれ設けられている。
【0091】
押さえ型駆動用円盤カム73の中心部にはカム駆動軸52が挿通する挿通孔73bが形成されている。カム駆動軸52は挿通孔73bに挿通した状態で回転一体に結合されている。
【0092】
押さえ型駆動用円盤カム73の側面には、環状に延びるカム溝73aが形成されている。カム溝73aの形状は、押さえ型駆動用円盤カム73を1回転させると、押さえ型71を1回上下に往復させるように設定されている。押さえ型71の動作タイミングについては後述する。
【0093】
押さえ型駆動用アーム74は、上下駆動用アーム44と同様に構成されており、支軸A周りに揺動する。押さえ型駆動用アーム74の一端部には、カム溝73aに挿入されて係合するフォロアー74aが設けられている。
【0094】
押さえ型駆動用ロッド75は略上下方向に延びている。押さえ型駆動用ロッド75の上端部は、押さえ型駆動用アーム74の他端部に回動可能に取り付けられ、押さえ型駆動用ロッド75の下端部は、押さえ型ホルダ81に回動可能に取り付けられている。この押さえ型ホルダ81は、左右方向に延びており、4つの押さえ型71が固定されている。
【0095】
連結部材82(図7参照)は、ガイドレール50に係合した状態でガイドレール50に対し上下方向にのみ直線移動するようになっている。
【0096】
従って、押さえ型駆動用円盤カム73を回転させると、押さえ型駆動用アーム74が支軸A周りに揺動し、押さえ型駆動用アーム74の揺動によって押さえ型駆動用ロッド75が上下方向に移動し、押さえ型ホルダ81を上下に駆動する。これにより、押さえ型ホルダ81がガイドレール50により上下方向にガイドされて押さえ型71が上下に往復動作する。
【0097】
押さえ型71の上下方向の移動範囲は、上型40と同じに設定されている。すなわち、押さえ型71が最も下に位置した状態で挿入部71aが歯25aの間に挿入されて挿入部71aの先端が上型20の歯25aの歯底に接する程度とされ、また、押さえ型71が最も上に位置した状態で挿入部71aの先端が上型20の歯25aの歯先よりも上方に位置する程度とされている。
【0098】
上型40と押さえ型71との上下方向の往復動作のタイミングは異なっている。図8に示すように、上型40及び押さえ型71の両方が上昇端位置にあるときのカム駆動軸52の回転角度を0゜とする。カム駆動軸52が順方向(図8における時計回り)に回転すると、全てのカム43,47,73が同時に回転し、図9に示すように、上型40の位置は上昇端のままで押さえ型71のみが下降を始める。カム駆動軸52の回転角度が90゜になると、押さえ型71が下降端位置になる。
【0099】
押さえ型71が下降端位置になった後、図10に示すように、上型40が下降を始める。カム駆動軸52の回転角度が180゜になると、上型40が下降端位置になる。その後、図11に示すように、押さえ型71のみが上昇を始める。カム駆動軸52の回転角度が280゜よりも前の250゜くらいになると、押さえ型71が上昇端位置になる。
【0100】
押さえ型71が上昇端位置になった後、図示しないが、上型40が上昇を始める。カム駆動軸52の回転角度が350゜になると、上型40が上昇端位置になる。
【0101】
また、押さえ型71は、連結部材81によりガイドレール50に連結されているので、ガイドレール50の揺動によって上型40と同時に前後に往復動作する。
【0102】
上型40と押さえ型71とは、カム駆動軸52の回転角度が0゜のときには、前端位置にある。そして、カム駆動軸52の回転角度が図11に示す280゜よりも前の250゜くらいになると、上型40と押さえ型71が後側へ移動し始める。つまり、押さえ型71が上昇端位置近傍になってから上型40及び押さえ型71は後側へ移動し始める。
【0103】
上型40及び押さえ型71の後側への移動開始のタイミングは、下型20が回転を始めるタイミングに合わせてある。そして、下型20の回転と同じ速度で上型40と押さえ型71は後側へ移動していく。カム駆動軸52の回転角度が280゜くらいになると、上型40と押さえ型71は後端位置になる。その後、上型40及び押さえ型71はカム駆動軸52の回転角度が360゜くらいになるまでには前端位置に戻る。
【0104】
また、図1に示すように、このプリーツ成形装置1には、被加工物を加温するための温風供給装置90が設けられている。この温風供給装置90の温風吹出口は、プリーツ成形前の被加工物に温風が当たるように配置されている。
【0105】
次に、上記のように構成されたプリーツ成形装置1によりプリーツを成形する場合について説明する。まず、図5に示すように、被加工物をセットする。被加工物は、例えば、図示しないロールに巻かれた状態で連続的に供給されるようになっている。
【0106】
被加工物は、下型ユニット14の前側ガイド板30の上面に載置するとともに、下型20の外周部に載置し、プリーツ成形装置1の後側へ引っ張っておく。そして、図示しない起動スイッチを操作する。
【0107】
起動スイッチの操作によりモーター19に電力が供給されて作動し、モーター19の回転力が伝動軸Fに伝わり、下型20を間欠回転駆動するとともに、カム駆動軸52を回転駆動する。
【0108】
カム駆動軸52が回転すると、図9に示すように、始めに押さえ型71が下降を始めて被加工物を下型20の隣り合う歯25a,25aの間に挿入する。この被加工物は、押さえ型71によって下型20に押し付けられて保持される。
【0109】
その後、図10に示すように、上型40が下降を始めて被加工物を下型20の隣り合う歯25a,25aの間に挿入していき、被加工物を下型20及び上型40とで挟み、プリーツを成形する。このとき、被加工物が押さえ型71によって保持されているので、被加工物の位置ずれは起こらない。
【0110】
しかる後、押さえ型71が上昇して下型20の隣り合う歯25a,25aの間から離れる。
【0111】
次いで、下型20が1つ歯25aの分だけ(3.6゜)回転し、被加工物が送られる。下型20の回転時には、図11に示すように、上型40が下降端位置のまま下型20の回転に同期して後側へ移動する。従って、上型40を被加工物に押し付けている時間を長く確保できる。これにより、被加工物にプリーツを成形するための成形時間が長く確保される。
【0112】
下型20が回転を終えると、上型40が上昇して下型20の隣り合う歯25a,25aの間から離れる。その後、上型40及び押さえ型71が前端位置まで移動する。
【0113】
以上がプリーツを成形する1サイクルである。次のサイクルでは、前のサイクルで成形されたプリーツに押さえ型71が挿入され、プリーツ部分を下型20に押さえる。これにより、既に成形されたプリーツが整形されて形が整う。このサイクルを繰り返すことでプリーツが連続して形成される。
【0114】
プリーツが形成された部材は、下型ユニット14の後側ガイド板31によりガイドされて下型20の歯25aの間に位置したまま下型20と一緒に回転していく。このように成形後にしばらくの間、下型20の歯25aの間に位置させたままにしておくことで、プリーツが成形された部材が冷却され、狙い通りの形状のプリーツが得られる。
【0115】
プリーツが成形された部材は、下型20の歯25aの間に位置したまま下型20と一緒に回転していくと、やがて離脱部材33に接触し、下型20の歯25aの間から離脱して後側へはき出される。
【0116】
尚、図示しないが、プリーツ成形後の部材を冷却するための冷却装置を設けてもよい。冷却装置としては、例えば、冷風を吹き付ける装置等が挙げられる。
【0117】
以上説明したように、この実施形態にかかるプリーツ成形装置1によれば、回転駆動される下型20の隣り合う歯25a,25aの間に、往復駆動される上型40の挿入部40aを挿入して被加工物にプリーツを成形する場合に、下型20の隣り合う歯25a,25aの間に挿入された上型40の挿入部40aを下型20の回転に同期して移動させるようにしている。これにより、下型20の回転中に上型40の挿入部40aを被加工物に押し付けておくことがきるので、下型20による被加工物の送りを速めても、被加工物をプリーツ状に変形させるのに十分な成形時間を確保でき、よって、プリーツを高速で成形不良を招くことなく成形できる。
【0118】
また、上型40をガイドするガイドレール50を、下型20の回転中心周りに揺動させるようにしたので、上型40の挿入部40aの動きを下型20の回転方向の動きと正確に一致させることができ、高精度な成形を行うことができる。
【0119】
また、上型40の挿入部40aを上下に往復駆動するための上下駆動用円盤カム43と、下型20の回転に同期して移動させる前後駆動用円盤カム47とを共通のカム駆動軸52で回転駆動するようにしている。これにより、動力源の数を減らして設備費用を低減できる。また、上型40の上下方向の往復駆動と前後方向の往復駆動とのタイミングを狙い通りにコントロールでき、高精度な成形を行うことができる。
【0120】
また、被加工物を押さえる押さえ部材71を設け、押さえ部材71により被加工物のプリーツ成形された部位を整形するようにしたので、プリーツを所期の形状に正確に成形できる。
【0121】
また、押さえ型駆動用円盤カム7をカム駆動軸52により回転駆動するようにしたので、新たな動力源が不要で設備費用を低減できる。また、上型40の往復駆動と押さえ型71の往復駆動とのタイミングを狙い通りにコントロールでき、高精度な成形を行うことができる。
【0122】
尚、上記実施形態では、押さえ型71を設けるようにしているが、押さえ型71は省略してもよい。
【0123】
また、上型40及び押さえ型71の他に、これら上型40及び押さえ型71と同様に移動する第3の型を設けてもよい。この場合、第3の型を駆動するためのカムを設けるのが好ましい。
【0124】
また、本プリーツ成形装置1でプリーツを成形する被加工物としては、例えば、加熱することによって軟化する樹脂繊維を含む布材(不織布)等が好ましく、この場合は、温風供給装置90による温風によって被加工物を軟化させた後に、上型40及び下型20で成形することで確実にプリーツが成形される。その後、冷却することで、プリーツの形状が維持される。
【0125】
また、布材としては、不織布に防虫剤、殺虫剤、忌避剤、防菌剤、殺菌剤等を含浸させたものであってもよく、この場合、電気式防虫装置のカートリッジに組み込まれるプリーツ形状の防虫剤含浸布を製造することが可能になる。
【0126】
また、布材としては、流体を濾過するろ材等であってもよく、この場合、フィルタ装置のエレメントを製造することが可能になる。
【0127】
また、上記実施形態では、布材にプリーツを成形する場合について説明したが、本発明の適用範囲はこれに限られるものではなく、被加工物の形状としては、平面状のもの以外にも、例えば、線状部材、棒材、管部材等であってもよく、具体的には、ワイヤー、針金、丸パイプ、角パイプ等が挙げられる。また、本発明は、金属板に複数の折り曲げ部分を成形して熱交換器用のフィンを製造する場合に用いることができ、また、鋼板に複数の折り曲げ部分を成形して波板を製造する場合に用いることができる。
【0128】
また、上記実施形態では、1つのモーター19で下型20、上型40及び押さえ型71を駆動するようにしているが、これに限らず、例えば、別々のアクチュエータを用いて動作させるようにしてもよい。1つのモーター19で駆動することで、下型20、上型40及び押さえ型71の動作タイミングが狂うことはなく、また、低設備費用になるという利点がある。
【0129】
また、上側40、下型20及び押さえ型71の材質は、成形時に作用する力に対して十分な強度を持ち、かつ、耐摩耗性の高い材質が好ましく、例えば、工具鋼(炭素工具鋼、合金工具鋼、高速度工具鋼)、セラミック等が挙げられる。
【0130】
また、万が一、上側40と、下型20又は押さえ型71との動作タイミングがずれると、上側40と、下型20又は押さえ型71とが接触することが考えられる。接触時に上側40、下型20及び押さえ型71の破損を防止するために、上側40を弾性部材で構成する、または、下型20及び押さえ型71を弾性部材で構成することも可能である。この弾性部材としては、例えば、硬度の高い高分子材料(ウレタンゴム、ポリブタジエン、イソプレンゴム、アクリルニトリルブタジエンゴム等)や、バネ鋼等を用いることができる。
【0131】
また、上側40、下型20及び押さえ型71の材質としては、上記以外にも、例えば、繊維強化プラスチック(GFRP、CFRP)、チタン合金、エンジニアリングプラスチック(ポリアセタール、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート等)が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0132】
以上説明したように、本発明にかかる成形装置は、例えば、布材等にプリーツを成形する場合に適用できる。
【符号の説明】
【0133】
1 プリーツ成形装置
14 下型ユニット(第1ユニット)
15 下型駆動装置(第1成形型駆動装置)
16 上型ユニット(第2ユニット)
20 下型(第1成形型)
25a 歯
40 上型(第2成形型)
40a 挿入部
41 上型駆動装置(第2成形型駆動装置)
43 上下駆動用円盤カム(往復駆動用回転カム)
47 前後駆動用円盤カム(同期移動用回転カム)
52 カム駆動軸
71 押さえ型(押さえ部材)
72 押さえ型駆動装置(押さえ部材駆動装置)
73 押さえ型駆動用円盤カム(押さえ部材駆動用回転カム)
100 ユニット載置台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11