特許第5989438号(P5989438)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989438
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】回転電機及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/26 20060101AFI20160825BHJP
   H02K 1/24 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
   H02K1/26 C
   H02K1/24 A
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-165796(P2012-165796)
(22)【出願日】2012年7月26日
(65)【公開番号】特開2014-27774(P2014-27774A)
(43)【公開日】2014年2月6日
【審査請求日】2015年1月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101352
【氏名又は名称】アスモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】寺田 裕一
【審査官】 柿崎 拓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−077497(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0072657(US,A1)
【文献】 特開2004−297947(JP,A)
【文献】 特開2011−182488(JP,A)
【文献】 特開2006−141197(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0097601(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/26
H02K 1/24
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状に設けられたマグネットと、
前記マグネットと径方向に対向するコア本体部材と、
前記コア本体部材の軸芯部に形成された貫通孔に挿入されたモータシャフトと、
前記コア本体部材の軸方向端面に重ね合わされた本体部と、前記本体部の外周部から前記コア本体部材と反対側へ延出され、前記マグネットと径方向に対向する延出部と、前記本体部に形成されると共に、前記コア本体部材に形成された被嵌合部と嵌合され、前記コア本体部材を径方向に圧縮している嵌合部とを有し、前記コア本体部材と共にコアを構成するコア端面部材と、
前記コアに形成されたティース部に巻回された巻線と、
を備えた回転電機。
【請求項2】
前記コア端面部材は、前記コア本体部材の軸方向両側にそれぞれ装着されている、
請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記延出部は、前記本体部の外周部における前記ティース部と対応する位置から前記コア本体部材と反対側へ延出されている、
請求項1又は請求項2に記載の回転電機。
【請求項4】
前記嵌合部は、前記本体部の外周部における前記延出部と対応する位置に形成されている、
請求項3に記載の回転電機。
【請求項5】
前記コア本体部材は、前記コアの軸方向に積層された複数のコアシートにより構成され、
前記被嵌合部は、前記コア本体部材における軸方向端面及び外周面に開口する嵌合凹部とされ、
前記嵌合部は、前記本体部の外周部から前記コア本体部材側へ突出された嵌合凸部とされている、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の回転電機。
【請求項6】
前記モータシャフトは、前記貫通孔の内周面に密着して固定されている、
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の回転電機。
【請求項7】
前記コア本体部材は、周方向に分割された複数のコア構成部材により構成され、
前記複数のコア構成部材のうち周方向に隣り合うコア構成部材は、互いに密着している、
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の回転電機。
【請求項8】
前記巻線は、前記本体部よりも前記コア本体部材と反対側に張り出しており、
前記延出部の延出高さは、前記巻線の張り出し高さ以上とされている、
請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の回転電機。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の回転電機の製造方法であって、
前記コア端面部材を前記コア本体部材に装着して前記コア本体部材を径方向に圧縮させた後に前記モータシャフトを前記貫通孔に圧入する工程を有する、
回転電機の製造方法。
【請求項10】
請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の回転電機の製造方法であって、
前記モータシャフトを前記貫通孔に挿入した後に前記コア端面部材を前記コア本体部材に装着して前記コア本体部材を径方向に圧縮させて前記モータシャフトを前記貫通孔に圧入された状態とする工程を有する、
回転電機の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、環状に設けられたマグネットと、このマグネットと径方向に対向するコアと、このコアの軸芯部に形成された貫通孔に挿入されたモータシャフトとを備えた回転電機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−298917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような回転電機では、マグネットからコアに流れる磁束密度を向上させると共に、コアとモータシャフトとの密着度を向上させることが望まれる。
【0005】
そこで、本発明は、マグネットからコアに流れる磁束密度を向上させると共に、コアとモータシャフトとの密着度を向上させることができる回転電機を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の回転電機は、環状に設けられたマグネットと、前記マグネットと径方向に対向するコア本体部材と、前記コア本体部材の軸芯部に形成された貫通孔に挿入されたモータシャフトと、前記コア本体部材の軸方向端面に重ね合わされた本体部と、前記本体部の外周部から前記コア本体部材と反対側へ延出され、前記マグネットと径方向に対向する延出部と、前記本体部に形成されると共に、前記コア本体部材に形成された被嵌合部と嵌合され前記コア本体部材を径方向に圧縮している嵌合部とを有し、前記コア本体部材と共にコアを構成するコア端面部材と、前記コアに形成されたティース部に巻回された巻線と、を備えている。
【0007】
この回転電機によれば、コアは、コア本体部材に加えてコア端面部材を有している。このコア端面部材は、コア本体部材の軸方向端面に重ね合わされた本体部と、この本体部の外周部からコア本体部材と反対側へ延出されマグネットと径方向に対向する延出部とを有している。従って、コア本体部材に加えて、コア端面部材の延出部がマグネットと径方向に対向されているので、コアがコア本体部材単体で構成された場合に比して、コアにおけるマグネットとの対向面積を拡大することができる。これにより、マグネットからコアに流れる磁束密度を向上させることができる。
【0008】
しかも、コア端面部材は、嵌合部を有しており、この嵌合部がコア本体部材に形成された被嵌合部と嵌合されることにより、コア本体部材は径方向に圧縮されている。従って、このようにコア本体部材が径方向に圧縮されることにより、コアとモータシャフトとの密着度を向上させることができる。
【0009】
請求項2に記載の回転電機は、請求項1に記載の回転電機において、前記コア端面部材が前記コア本体部材の軸方向両側にそれぞれ装着された構成とされている。
【0010】
この回転電機によれば、コア端面部材は、コア本体部材の軸方向両側にそれぞれ装着されている。従って、コアにおけるマグネットとの対向面積がより拡大されて、マグネットからコアに流れる磁束密度をより向上させることができる。また、コアとモータシャフトとの密着度も、より向上させることができる。
【0011】
請求項3に記載の回転電機は、請求項1又は請求項2に記載の回転電機において、前記延出部が前記本体部の外周部における前記ティース部と対応する位置から前記コア本体部材と反対側へ延出された構成とされている。
【0012】
この回転電機によれば、延出部は、本体部の外周部におけるティース部と対応する位置からコア本体部材と反対側へ延出されている。従って、マグネットからの磁束を、延出部を通ってティース部に円滑に伝えることができる。
【0013】
請求項4に記載の回転電機は、請求項3に記載の回転電機において、前記嵌合部が前記本体部の外周部における前記延出部と対応する位置に形成された構成とされている。
【0014】
この回転電機によれば、嵌合部は、本体部の外周部における延出部と対応する位置に形成されているので、マグネットから延出部に伝わった磁束を、嵌合部及び被嵌合部を通じてコア本体部材における軸方向の内部に伝えることができる。
【0015】
請求項5に記載の回転電機は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の回転電機において、前記コア本体部材が前記コアの軸方向に積層された複数のコアシートにより構成され、前記被嵌合部が前記コア本体部材における軸方向端面及び外周面に開口する嵌合凹部とされ、前記嵌合部が前記本体部の外周部から前記コア本体部材側へ突出された嵌合凸部とされた構成とされている。
【0016】
この回転電機によれば、コア本体部材は、積層された複数のコアシートにより構成されており、被嵌合部は、このコア本体部材における軸方向端面及び外周面に開口する嵌合凹部とされている。従って、コア本体部材に被嵌合部を形成するためには、例えば、コア本体部材を構成する複数のコアシートのうち軸方向端側の幾つかのコアシートに凹部や切欠き等を形成すれば足りるので、被嵌合部をコア本体部材に容易に形成することができる。
【0017】
また、嵌合部は、本体部の外周部からコア本体部材側へ突出された嵌合凸部とされている。従って、この嵌合部としての嵌合凸部が被嵌合部としての嵌合凹部に嵌合されることにより、簡単な構造でコア本体部材を径方向に圧縮させることができる。
【0018】
請求項6に記載の回転電機は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の回転電機において、前記モータシャフトが前記貫通孔の内周面に密着して固定された構成とされている。
【0019】
この回転電機によれば、モータシャフトは、コア端面部材によってコア本体部材が径方向に圧縮されることにより、貫通孔の内周面に密着して固定されている。従って、コアとモータシャフトとの密着度をより向上させて、コアとモータシャフトとを強固に固定することができる。
【0020】
請求項7に記載の回転電機は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の回転電機において、前記コア本体部材が周方向に分割された複数のコア構成部材により構成され、前記複数のコア構成部材のうち周方向に隣り合うコア構成部材が互いに密着している構成とされている。
【0021】
この回転電機によれば、コア本体部材は、周方向に分割された複数のコア構成部材により構成されているが、この複数のコア構成部材は、コア端面部材によってコア本体部材が径方向に圧縮されることにより、互いに密着されている。従って、周方向に隣り合うコア構成部材間にエアギャップが形成されることが抑制され、この隣り合うコア構成部材間での磁気損失を低減することができる。これにより、マグネットからコアに流れる磁束密度をより向上させることができる。
【0022】
請求項8に記載の回転電機は、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の回転電機において、前記巻線が前記本体部よりも前記コア本体部材と反対側に張り出しており、前記延出部の延出高さが前記巻線の張り出し高さ以上とされた構成とされている。
【0023】
この回転電機によれば、延出部の延出高さが、巻線の張り出し高さ以上、すなわち、巻線の張り出しによってもたらされるデッドスペースの高さ以上とされているので、巻線によって無駄となるデッドスペースを少なくすることができる。
【0024】
なお、上述の請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の回転電機を製造するための製造方法では、請求項9に記載のように、コア端面部材をコア本体部材に装着してコア本体部材を径方向に圧縮させた後にモータシャフトを貫通孔に圧入していても良い。また、請求項10に記載のように、モータシャフトを貫通孔に挿入した後にコア端面部材をコア本体部材に装着してコア本体部材を径方向に圧縮させてモータシャフトを貫通孔に圧入された状態としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係る回転電機の縦断面図である。
図2図1に示される回転電機の要部拡大図である。
図3図1に示される電機子の分解斜視図である。
図4図1に示される嵌合凸部及び嵌合凹部が嵌合される様子を示す要部拡大図である。
図5図1に示される嵌合凸部及び嵌合凹部の変形例を示す要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面に基づき、本発明の一実施形態について説明する。
【0027】
図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る回転電機10は、一例として、ブラシ付き直流モータとされており、モータハウジング12と、ブラシ装置14と、マグネット16と、電機子18とを備えている。
【0028】
モータハウジング12は、筒状のハウジング本体20と、それぞれ円盤状に形成されたフロントハウジング22及びエンドハウジング24とを有している。フロントハウジング22は、ハウジング本体20の軸方向一方側に取り付けられており、エンドハウジング24は、ハウジング本体20の軸方向他方側に取り付けられている。このフロントハウジング22及びエンドハウジング24の軸芯部には、それぞれ軸受26,28が設けられている。
【0029】
ブラシ装置14は、フロントハウジング22及びハウジング本体20に一体に取り付けられている。このブラシ装置14は、ブラシ30と、ブラシボックス32と、スプリング34とを有している。ブラシ30は、ブラシボックス32に収容されており、スプリング34によってハウジング本体20の径方向内側(後述する整流子44側)に付勢されている。
【0030】
マグネット16は、環状に形成されており、ハウジング本体20の内周面に固着されている。このマグネット16には、複数の磁極36(N極、S極)が形成されている。この複数の磁極36は、ハウジング本体20の周方向に沿って環状に配列されている。なお、このようにハウジング本体20の内周面に環状に設けられたマグネット16は、環状に形成される以外に、周方向に複数分割された上でハウジング本体20の内周面に沿って環状に配置されていても良い。
【0031】
電機子18は、コア38と、モータシャフト40と、複数の巻線42と、整流子44とを備えている。コア38は、マグネット16の径方向内側に配置されている。このコア38は、コア本体部材46と、一対のコア端面部材48とを有している(図2も参照)。このコア本体部材46及び一対のコア端面部材48は、いずれも透磁性を有する材料(例えば、鉄など)により形成されている。
【0032】
また、コア本体部材46は、コア38の軸方向に積層された複数のコアシート50により構成されている。このコア本体部材46は、図3に示されるように、環状の中心部52と、この中心部52の外周部から径方向外側に放射状に延びる複数のティース本体部54とを有している。
【0033】
ティース本体部54は、コア本体部材46の径方向に沿って延びる軸部56と、この軸部56の先端部からコア本体部材46の周方向の両側に拡がる傘部58とを有しており、コア本体部材46の軸方向視にて概略T字状を成している。
【0034】
この複数のティース本体部54のうち周方向に隣り合うティース本体部54の間には、コア本体部材46の径方向に延びる分割線60が形成されている。そして、コア本体部材46は、この分割線60により、周方向に隣り合うティース本体部54の間の位置において複数のコア構成部材62に分割されている。つまり、このコア本体部材46は、周方向に分割された複数のコア構成部材62により構成されている。
【0035】
また、各傘部58には、被嵌合部の一例である嵌合凹部64がそれぞれ形成されている。各嵌合凹部64は、傘部58のうちコア本体部材46の軸方向端面46A側の部分に形成されており、コア本体部材46における軸方向端面46A及び外周面46Bに開口している(図2図4も参照)。
【0036】
図4に示されるように、本実施形態では、一例として、積層された複数のコアシート50のうち軸方向端側の二枚のコアシート50に切欠きが形成されることにより、嵌合凹部64が形成されている。なお、積層された複数のコアシート50のうち軸方向端側の一枚以上のコアシート50に切欠きが形成されることにより、嵌合凹部64が形成されていれば良く、積層された複数のコアシート50の全てに切欠きが形成されることにより、嵌合凹部64が形成されていても良い。
【0037】
図3に示されるように、一対のコア端面部材48は、互いに同一の構成とされている。各コア端面部材48は、本体部66と、複数の延出部68とを有している。本体部66は、上述の中心部52及び複数のティース本体部54とそれぞれ対応する形状(同様の形状)を有する中心部72及び複数のティース端面部74を有している。複数のティース端面部74は、中心部72の外周部から径方向外側に放射状に延びており、軸部76及び傘部78を有している。このティース端面部74は、後述する如くコア端面部材48がコア本体部材46に装着された状態では、ティース本体部54と共にコア38のティース部80を構成する。
【0038】
延出部68は、本体部66の外周部におけるティース部80と対応する位置、つまり、より具体的には、各ティース端面部74の先端の傘部78に形成されている。この延出部68は、傘部78の全体をコア本体部材46と反対側へ延長した形状で形成されており、ティース端面部74の先端の傘部78からコア本体部材46と反対側へ延出されている。
【0039】
また、本体部66の外周部における延出部68と対応する位置、つまり、より具体的には、各ティース端面部74の先端の傘部78には、コア本体部材46側(延出部68と反対側)へ突出された嵌合凸部84がそれぞれ形成されている。この嵌合凸部84は、嵌合部の一例であり、傘部78の横幅方向の中央部、つまり、軸部76の延長線上に形成されている。この嵌合凸部84は、嵌合凹部64の深さ方向の全長とコア38の軸方向にオーバーラップするように、その突出高さが嵌合凹部64の深さと略同一に設定されることが望ましい。
【0040】
図4に示されるように、この嵌合凸部84のうちコア端面部材48の径方向内側に形成された面は、嵌合凹部64のうちコア本体部材46の径方向内側に形成された被嵌合面64Aと嵌合する嵌合面84Aとされている。この嵌合面84Aは、嵌合凸部84の先端側に向かうに従ってコア端面部材48の径方向外側に向かうように、コア端面部材48の軸方向に対して傾斜されている。一方、上述の被嵌合面64Aは、コア本体部材46の軸方向に沿って延びている。コア端面部材48をコア本体部材46に装着する前の状態で、このコア本体部材46及びコア端面部材48を互いに同軸上に配置した状態では、被嵌合面64Aの延長線上に嵌合面84Aの略中央部が位置するように、嵌合面84Aの形成位置及び傾斜等が設定されている。
【0041】
そして、図2に示されるように、各本体部66がコア本体部材46の軸方向端面46Aにそれぞれ重ね合わされると共に、複数の嵌合凸部84が複数の嵌合凹部64とそれぞれ嵌合されることにより、一対のコア端面部材48がコア本体部材46の軸方向両側にそれぞれ装着されている。
【0042】
また、上述の如くコア端面部材48の軸方向に対して傾斜した嵌合面84Aを有する嵌合凸部84が、コア本体部材46の軸方向に沿って延びる被嵌合面64Aを有する嵌合凹部64に嵌合されることにより(図4参照)、嵌合面84Aから被嵌合面64Aにコア本体部材46の径方向内側への締め付け力が作用する。そして、これにより、コア本体部材46が径方向に圧縮されている。また、このようにコア端面部材48によってコア本体部材46が径方向に圧縮されることにより、周方向に分割された複数のコア構成部材62のうち周方向に隣り合うコア構成部材62(図3参照)が互いに密着されている。
【0043】
モータシャフト40は、図2に示されるように、コア本体部材46の軸芯部に形成された貫通孔86、及び、一対のコア端面部材48の軸芯部にそれぞれ形成された貫通孔88にそれぞれ挿入されている。上述の如く、コア本体部材46は、コア端面部材48によって径方向に圧縮されており、これにより、モータシャフト40は、より具体的には、コア本体部材46の貫通孔86に圧入された状態とされている。
【0044】
また、このモータシャフト40は、上述の一対の軸受26,28によって回転可能に支持されている。このようにモータシャフト40が一対の軸受26,28によって支持された状態では、モータシャフト40に固定されたコア38のうち、コア本体部材46は、マグネット16における軸方向中央側の部分と径方向に対向されている。また、このコア本体部材46の軸方向両側に位置する一方の延出部68と他方の延出部68とは、マグネット16における軸方向一方側の部分と他方側の部分とそれぞれ径方向に対向されている。
【0045】
複数の巻線42は、コア38に形成されたティース部80にそれぞれ巻回されている。各巻線42は、本体部66よりもコア本体部材46と反対側に張り出しており、上述の延出部68の延出高さH1は、巻線42の張り出し高さH2以上とされている。また、各巻線42の端末部は、整流子44と接続されている。
【0046】
そして、この回転電機10では、ブラシ30から整流子44を通じて各巻線42に電流が流れると、各巻線42によって磁界が形成されてコア38とマグネット16との間に吸引反発力が作用し、電機子18が回転される。
【0047】
次に、この回転電機10の製造方法(組立方法)について説明する。
【0048】
この回転電機10の製造方法には、電機子18を組み立てる工程が含まれる。この工程は、例えば、次の通りである。
【0049】
すなわち、先ず、図3に示されるように、一対のコア端面部材48がコア本体部材46の軸方向両側に配置される。そして、各本体部66がコア本体部材46の軸方向端面46Aに重ね合わされると共に、複数の嵌合凸部84が複数の嵌合凹部64とそれぞれ嵌合されて、一対のコア端面部材48がコア本体部材46の軸方向両側にそれぞれ装着される。このとき、複数の嵌合凸部84が複数の嵌合凹部64とそれぞれ嵌合されることにより、一対のコア端面部材48によってコア本体部材46が径方向に圧縮される。その後、モータシャフト40が貫通孔86,88にそれぞれ圧入される。また、図1に示されるように、整流子44がモータシャフト40に組み付けられると共に、巻線42がティース部80に巻回され、この巻線42と整流子44とが接続される。
【0050】
なお、モータシャフト40が貫通孔86,88に挿入され後に、一対のコア端面部材48がコア本体部材46に装着されてコア本体部材46が径方向に圧縮されても良い。そして、このようにコア本体部材46が径方向に圧縮されることにより、モータシャフト40がコア本体部材46の貫通孔86に圧入された状態とされても良い。この場合、モータシャフト40は、一対のコア端面部材48の貫通孔88に圧入されても良く、また、遊挿されていても良い。以上により、電機子18が完成される。
【0051】
そして、このようにして組み立てられた電機子18と、他の部材が順次組み付けられることにより、回転電機10が完成される。
【0052】
次に、本発明の一実施形態の作用及び効果について説明する。
【0053】
以上詳述したように、本発明の一実施形態に係る回転電機10によれば、コア38は、コア本体部材46に加えてコア端面部材48を有している。このコア端面部材48は、コア本体部材46の軸方向端面46Aに重ね合わされた本体部66と、この本体部66の外周部からコア本体部材46と反対側へ延出されマグネット16と径方向に対向する延出部68とを有している。
【0054】
従って、コア本体部材46に加えて、コア端面部材48の延出部68がマグネット16と径方向に対向されているので、コア38がコア本体部材46単体で構成された場合に比して、コア38におけるマグネット16との対向面積を拡大することができる。これにより、マグネット16からコア38に流れる磁束密度(図2に示される磁束M1の密度)を向上させることができる。つまり、巻線42の張り出しによって無駄になっていたデッドスペースを磁束の伝達のために有効に活用することができ、磁気損失を抑制することができる。
【0055】
しかも、コア端面部材48は、複数の嵌合凸部84を有しており、この嵌合凸部84がコア本体部材46に形成された嵌合凹部64と嵌合されることにより、コア本体部材46は径方向に圧縮されている。従って、このようにコア本体部材46が径方向に圧縮されることにより、コア38とモータシャフト40との密着度を向上させることができる。
【0056】
また、コア端面部材48は、コア本体部材46の軸方向両側にそれぞれ装着されている。従って、コア38におけるマグネット16との対向面積がより拡大されて、マグネット16からコア38に流れる磁束密度をより向上させることができる。また、コア38とモータシャフト40との密着度も、より向上させることができる。
【0057】
さらに、コア本体部材46は、周方向に分割された複数のコア構成部材62(図3参照)により構成されているが、この複数のコア構成部材62は、コア端面部材48によってコア本体部材46が径方向に圧縮されることにより、互いに密着されている。従って、周方向に隣り合うコア構成部材62間にエアギャップが形成されることが抑制され、この隣り合うコア構成部材62間での磁気損失を低減することができる。これにより、マグネット16からコア38に流れる磁束密度をより向上させることができる。
【0058】
また、延出部68は、本体部66の外周部におけるティース部80と対応する位置からコア本体部材46と反対側へ延出されている。従って、図2の矢印M2で示される如く、マグネット16からの磁束を、延出部68を通ってティース部80に円滑に伝えることができる。
【0059】
特に、嵌合凸部84は、本体部66の外周部における延出部68と対応する位置に形成されている。従って、図2の矢印M2で示される如く、マグネット16から延出部68に伝わった磁束を、嵌合凸部84及び嵌合凹部64を通じてコア本体部材46(ティース本体部54)における軸方向の内部に伝えることができる。
【0060】
また、モータシャフト40は、コア端面部材48によってコア本体部材46が径方向に圧縮されることにより、コア本体部材46の貫通孔86に圧入された状態とされている。従って、コア38とモータシャフト40との密着度をより向上させて、コア38とモータシャフト40とを強固に固定することができる。
【0061】
また、コア本体部材46は、積層された複数のコアシート50により構成されており、嵌合凹部64は、このコア本体部材46における軸方向端面46A及び外周面46Bに開口されている。従って、コア本体部材46に嵌合凹部64を形成するためには、コア本体部材46を構成する複数のコアシート50のうち軸方向端側の幾つかのコアシート50に凹部や切欠き等を形成すれば足りるので、嵌合凹部64をコア本体部材46に容易に形成することができる。
【0062】
また、嵌合凸部84と嵌合凹部64とがコア38の軸方向にオーバーラップされているので、マグネット16からコア38側へ円滑に磁束を伝達させることができる。また、嵌合凸部84が嵌合凹部64に嵌合されることにより、簡単な構造でコア本体部材46を径方向に圧縮させることができる。
【0063】
また、図2に示されるように、延出部68の延出高さH1が、巻線42の張り出し高さH2以上、すなわち、巻線42の張り出しによってもたらされるデッドスペースの高さ以上とされているので、巻線42によって無駄となるデッドスペースを少なくすることができる。
【0064】
次に、本発明の一実施形態におけるその他の変形例について説明する。
【0065】
上記実施形態において、回転電機10は、一例として、ブラシ付き直流モータとされていたが、その他の種類のモータ(例えば、ブラシモータ等)とされていても良い。また、回転電機10は、インナーロータタイプの他に、アウタロータタイプとされていても良い。
【0066】
また、コア本体部材46に嵌合凹部64が形成され、コア端面部材48に嵌合凸部84が形成されていたが、コア本体部材46に嵌合凸部84が形成され、コア端面部材48に嵌合凹部64が形成されても良い。この場合には、嵌合凹部64が嵌合部に相当し、嵌合凸部84が被嵌合部に相当する。
【0067】
また、コア38は、一対のコア端面部材48を有していたが、片側のコア端面部材48のみを有していても良い。
【0068】
また、図5に示されるように、嵌合凸部84の嵌合面84Aは、コア端面部材48の軸方向に沿って延び、嵌合凹部64の被嵌合面64Aは、コア本体部材46の軸方向端面46Aに向かうに従ってコア本体部材46の径方向内側に向かうように、コア本体部材46の軸方向に対して傾斜されていても良い。このように構成されていても、嵌合凸部84が嵌合凹部64に嵌合されることにより、簡単な構造でコア本体部材46を径方向に圧縮させることができる。
【0069】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0070】
10・・・回転電機、12・・・モータハウジング、14・・・ブラシ装置、16・・・マグネット、18・・・電機子、20・・・ハウジング本体、22・・・フロントハウジング、24・・・エンドハウジング、26,28・・・軸受、30・・・ブラシ、32・・・ブラシボックス、34・・・スプリング、36・・・磁極、38・・・コア、40・・・モータシャフト、42・・・巻線、44・・・整流子、46・・・コア本体部材、46A・・・軸方向端面、46B・・・外周面、48・・・コア端面部材、50・・・コアシート、52・・・中心部、54・・・ティース本体部、56・・・軸部、58・・・傘部、60・・・分割線、62・・・コア構成部材、64・・・嵌合凹部、64A・・・被嵌合面、66・・・本体部、68・・・延出部、72・・・中心部、74・・・ティース端面部、76・・・軸部、78・・・傘部、80・・・ティース部、84・・・嵌合凸部、84A・・・嵌合面、86,88・・・貫通孔
図1
図2
図3
図4
図5