特許第5989451号(P5989451)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989451
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20160825BHJP
【FI】
   A63F7/02 317
   A63F7/02 315Z
【請求項の数】2
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2012-178418(P2012-178418)
(22)【出願日】2012年8月10日
(65)【公開番号】特開2014-33930(P2014-33930A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年5月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(72)【発明者】
【氏名】近藤 隆
【審査官】 上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−223678(JP,A)
【文献】 特開2013−176525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発射された遊技球が流下する遊技領域を備える遊技盤と、
遊技球が入賞できない閉状態と、遊技球が入賞容易な開状態とに開閉動作する特別変動入賞装置と、
遊技球が通過可能な複数の特定領域と、
複数の前記特定領域毎にそれぞれ設けられ、各特定領域毎に、通過する遊技球を検知する特定通過検知手段と、
遊技球の流下に基づく所定の開始条件が成立した際に遊技を開始し、所定の終了条件が成立した際に遊技を終了する遊技制御手段と、
遊技球の流下に基づく所定の抽選により遊技の当たりまたははずれを決定する当たり抽選手段と、
前記当たり抽選手段が当たりになることを決定した遊技が終了した際に特別条件を成立させ、前記特別条件が成立した後に、前記特定通過検知手段によりいずれかの前記特定領域を通過する遊技球が検知された場合に、前記特別変動入賞装置を開閉動作させることにより、遊技者が前記特別変動入賞装置に遊技球を入賞させて賞球を獲得可能な当たり遊技状態を発生させる当たり制御手段とを備え、
前記当たり制御手段は、前記特別変動入賞装置の開閉動作を制御することにより、前記当たり遊技状態中に遊技者が獲得可能な最大賞球数が異なる複数種類の前記当たり遊技状態から選択される種類の当たり遊技状態を発生可能にされている遊技機において、
前記当たり抽選手段により当たりとなることが決定された遊技後の前記当たり遊技状態の種類を含む当たり種類を抽選で決定するとともに、抽選で決定される前記当たり種類に、前記当たり遊技状態の種類が確定している確定当たり種類と、前記当たり遊技状態の種類が確定していない未確定当たり種類とを含んでいる当たり種類抽選手段と、
各特定領域のそれぞれに対して、前記当たり遊技状態中の遊技者が獲得可能な最大賞球数が異なる前記当たり遊技状態の全種類のうちの1種類または複数種類を示す情報を関連付けた当たり遊技種類情報を、前記当たり種類抽選手段により決定された前記未確定当たり種類毎にそれぞれ関連付けて記憶している当たり遊技種類情報記憶手段と、
前記当たり遊技状態の複数種類を示す情報が関連付けられた前記特定領域のそれぞれに対して、前記当たり遊技状態の複数種類から1種類を抽選により確定するための抽選確率を示す情報を関連付けた当たり遊技抽選情報を、前記未確定当たり種類毎にそれぞれ関連付けて記憶している当たり遊技抽選情報記憶手段とを備え、
前記当たり制御手段は、前記未確定当たり種類となった遊技後の前記当たり遊技状態を発生させる場合に、前記未確定当たり種類に関連付けられた前記当たり遊技種類情報を前記当たり遊技種類情報記憶手段から抽出するとともに、抽出された前記当たり遊技種類情報から前記特定通過検知手段により前記特別条件成立後に最初に通過する遊技球が検知された前記特定領域に関連付けられた前記当たり遊技状態の1種類または複数種類を示す情報を抽出する当たり遊技種類抽出手段と、
前記当たり遊技種類抽出手段により前記当たり遊技状態の複数種類を示す情報が抽出された場合に、前記未確定当たり種類に関連付けられた当たり遊技抽選情報を前記当たり遊技抽選情報記憶手段から抽出するとともに、抽出された前記当たり遊技抽選情報から前記特定通過検知手段により前記特別条件成立後に最初に通過する遊技球が検知された前記特定領域に関連付けられた前記抽選確率を示す情報を抽出し、抽出した前記抽選確率を示す情報に基づいて前記当たり遊技状態の複数種類から1種類を確定する当たり遊技種類抽選手段と、
前記当たり遊技種類抽出手段および前記当たり遊技種類抽選手段により確定された種類の前記当たり遊技状態に対応する遊技者が獲得可能な最大賞球数になるように、前記特別変動入賞装置を制御する特別変動制御手段とを備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技球が入賞可能な第1始動入賞口および第2始動入賞口と、
前記第2始動入賞口に遊技球が入賞できない閉状態と、前記第2始動入賞口に遊技球が入賞容易な開状態とに開閉動作する普通変動入賞装置と、
前記普通変動入賞装置の単位時間当たりの開状態となっている確率が低い低確率状態と、前記普通変動入賞装置の単位時間当たりの開状態となっている確率が前記低確率状態より高い高確率状態とのいずれかの状態にする確率制御手段とを備え、
前記遊技制御手段は、前記開始条件の1つとして前記第1始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて前記遊技としての第1遊技を開始し、前記開始条件の1つとして前記第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて前記遊技としての第2遊技を開始し、
前記当たり遊技種類情報記憶手段に記憶された前記当たり遊技種類情報の少なくとも一部は、前記当たり種類抽選手段で抽選により決定可能な少なくとも2つの前記未確定当たり種類にそれぞれ関連付けられ、2つの前記未確定当たり種類のうちの一方の前記未確定当たり種類に関連付けられた前記当たり遊技種類情報中の一つの前記特定領域に関連付けられた前記当たり遊技状態の複数種類を示す情報に含まれる各種類の前記当たり遊技状態にそれぞれ対応する遊技者が獲得可能な最大賞球数の最大値と最小値との差が、
2つの前記当たり遊技情報のうちの他方の前記未確定当たり種類に関連付けられた前記当たり遊技種類情報中の一つの前記特定領域に関連付けられた前記当たり遊技状態の複数種類を示す情報に含まれる各種類の前記当たり遊技状態にそれぞれ対応する遊技者が獲得可能な最大賞球数の最大値と最小値との差より小さくされ、
前記当たり種類抽選手段は、2つの前記未確定当たり種類のうちのいずれか一つの前記未確定当たり種類が決定される確率を他の前記未確定当たり種類が決定される確率より高く設定し、かつ、前記第1遊技が当たりになる場合と、前記第2遊技が当たりになる場合とで、決定される確率が高い前記未確定当たり種類が異なることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ店などの遊技場に設置して使用される遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なパチンコ遊技機として、所謂デジパチと呼ばれるものが知られている。
デジパチと称されるパチンコ遊技機においては、遊技球が打ち込まれて流下する遊技盤面に形成された遊技領域に始動入賞口が設けられ、当該始動入賞口に遊技球が始動入賞することに基づいて、内部の制御装置において、大当たりまたははずれの抽選が行われ、抽選で大当たりになると遊技領域に設けられたアタッカが開放して、アタッカに遊技球が入賞可能になる大当たり遊技状態(特別遊技状態)が発生する。
【0003】
この大当たりまたははずれの抽選結果は、特別図柄(以下、特図と略す)表示装置と演出用の可変表示装置で表示される変動表示ゲーム(遊技)により遊技者に報知される。また、当たりを報知する変動表示ゲームが終了することを条件に大当たり遊技状態が発生し、アタッカが開放して閉塞する開閉動作を繰り返す。アタッカの一回の開閉動作をラウンドと称し、大当たりの種類によって、変動表示ゲームが大当たりで終了した後の大当たり遊技状態で行われるラウンド数が決まるようになっている。
【0004】
例えば、大当たり遊技状態中のラウンド数が、2ラウンド、5ラウンド、6ラウンド、10ラウンド、15ラウンド、16ラウンド等のうちのいくつかのラウンド数となる複数種類の大当たりが各パチンコ遊技機の機種で設定されている、大当たりの種類としての2ラウンド当たりでは、大当たり遊技状態中に、アタッカが2回開閉動作を繰り返し、16ラウンド当たりでは、大当たり遊技状態中にアタッカが16回開閉動作を繰り返す。このラウンド数の違いにより、大当たり遊技状態中に遊技者が獲得可能な最大賞球数が異なる。アタッカが開放した後にアタッカが閉塞する条件は、アタッカへの遊技球の所定数の入賞または所定時間の経過であり、通常は、上述の所定数が例えば10以下であり、所定時間が例えば30秒以下であるが、2ラウンド当たりでは、所定時間が数秒以下と短くなっている。したがって、2ラウンド当たりでは、遊技者が獲得可能な最大賞球数が少ないものとなっている。すなわち、ラウンド数だけではなく、例えば、アタッカの閉塞条件によっても遊技者の獲得可能な最大球数が異なる。
【0005】
このような一般的な遊技機に対して、大当たりを報知する変動表示ゲームが終了しただけでは、アタッカが開閉動作せず、大当たりとなる変動表示ゲームが終了した後に、所定の2つのゲートのうちのいずれか一方のゲートを遊技球が通過した際にアタッカが開閉動作を開始するパチンコ遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、このパチンコ遊技機には、上述の大当たりの種類のうちの一つの種類については、大当たりの種類だけでは、上述のラウンド数が決定されず、上述の二つのゲートのそれぞれに対応付けられた抽選によりラウンド数が決定する。
【0007】
例えば、遊技球が一方のゲートを通過した際には、ラウンド数の抽選用のデータテーブルとして、10ラウンドだけが登録されるとともに10ラウンドの抽選確率を決める情報が割り当てられるが、ここではデータテーブルに1つのラウンド数しか登録されていないので、登録された1つのラウンド数の抽選確率を示す情報として、抽選確率が100%であることを示す情報が登録されている。
【0008】
したがって、大当たりを報知する変動表示ゲームが終了した後に、一方のゲートを遊技球が通過すると、10ラウンドの大当たり遊技状態が発生する。
【0009】
また、遊技球が他方のゲートを通過した際には、ラウンド数の抽選用のデータテーブルとして、例えば、4ラウンドと、16ラウンドが登録されたデータテーブルが用いられ、このデータテーブルには、それぞれのラウンド数に、抽選確率を示す情報が割り当てられている。この抽選確率に基づいて、大当たり遊技状態中のラウンド数が4ラウンドまたは16ラウンドになる。
【0010】
したがって、1つの大当たり種類においては、抽選で大当たり種類が決定しても、大当たり遊技状態中のラウンド数が決定せず、2つのゲートのうちのいずれかのゲートを遊技球が通過して、ラウンド数の抽選が終了しないとラウンド数が決定しない。また、ゲートによって発生可能なラウンド数と、発生可能な各ラウンド数の抽選確率が異なることから、どちらのゲートに遊技球を通過させるかによって、遊技者がラウンド数の決定にかかわることができる。特に、一方のゲートを遊技球が通過した場合には、ラウンド数が抽選されるが、抽選可能なラウンド数の種類が1つしかなく、一方のゲートに遊技球を通過させることで、遊技者がラウンド数を確定することができる。
【0011】
また、他方のゲートを遊技球が通過すると、例えば4ラウンド当たりまたは16ラウンド当たりが抽選で決定されて発生するが、遊技者は、16ラウンドが発生する可能性があることに基づいて他方のゲートを遊技球が通過するように遊技球を発射する可能性がある。
このようなパチンコ遊技機によれば、上述のように、遊技者が一方のゲートと他方のゲートのいずれに遊技球を通過させるかによって、大当たりのラウンド数の決定に関与することが可能になる。なお、このようなパチンコ遊技機では、遊技者が2つのゲートのうちの1つのゲートを狙って遊技球を発射できるようになっている必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2011−124939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、上述のゲートによって、ラウンド数を決定可能な種類の大当たり以外の種類の大当たりにおいても、大当たりを報知する変動表示ゲームが終了した後に2つのゲートのうちの一方のゲートに遊技球を通過させる必要がある。この場合には、大当たりを報知する変動表示ゲームが終了した後に、いずれのゲートを遊技球が通過しても大当たり種類に対応する一つのラウンド数が選択されて、アタッカが開閉動作を開始することになる。
【0014】
また、遊技者がララウンド数の選択に関与できる種類の大当たりが発生しても、二つのゲートのそれぞれに割り付けられるラウンド数は固定された状態である。例えば、上述のように一方のゲートには10ラウンドが固定的に割り付けられ、他方のゲートには4ラウンドと16ラウンドとが固定的に割り付けられた状態になる。また、他方のゲートにおける4ラウンド当たりと、16ランウド当たりとを決定する抽選確率も固定的に決められている。このことから、遊技者がララウンド数の選択に関与できる種類の大当たりが発生しても、遊技が単調になってしまう虞がある。例えば、ラウンド数の選択に遊技者が関与可能になっていても、遊技者が複数回関与した後に、飽きてしまう可能性があり、例えば、ラウンド数の選択に関与できる種類の大当たりが発生した際に、毎回同じゲートに遊技球を通過させる虞があり、ラウンド数の選択に関与できる機能が有効に用いられない虞がある。
【0015】
本発明は、前記事情に鑑みて為されたものであり、遊技者がラウンド数の決定に関与可能な大当たりの場合に、各特定領域に割り付けられるラウンド数が当たりの種類によって変化することにより、同じ遊技機で遊技を行った際に遊技者が飽きるのを抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するために、本発明の遊技機は、発射された遊技球が流下する遊技領域を備える遊技盤と、
遊技球が入賞できない閉状態と、遊技球が入賞容易な開状態とに開閉動作する特別変動入賞装置と、
遊技球が通過可能な複数の特定領域と、
複数の前記特定領域毎にそれぞれ設けられ、各特定領域毎に、通過する遊技球を検知する特定通過検知手段と、
遊技球の流下に基づく所定の開始条件が成立した際に遊技を開始し、所定の終了条件が成立した際に遊技を終了する遊技制御手段と、
遊技球の流下に基づく所定の抽選により遊技の当たりまたははずれを決定する当たり抽選手段と、
前記当たり抽選手段が当たりになることを決定した遊技が終了した際に特別条件を成立させ、前記特別条件が成立した後に、前記特定通過検知手段によりいずれかの前記特定領域を通過する遊技球が検知された場合に、前記特別変動入賞装置を開閉動作させることにより、遊技者が前記特別変動入賞装置に遊技球を入賞させて賞球を獲得可能な当たり遊技状態を発生させる当たり制御手段とを備え、
前記当たり制御手段は、前記特別変動入賞装置の開閉動作を制御することにより、前記当たり遊技状態中に遊技者が獲得可能な最大賞球数が異なる複数種類の前記当たり遊技状態から選択される種類の当たり遊技状態を発生可能にされている遊技機において、
前記当たり抽選手段により当たりとなることが決定された遊技後の前記当たり遊技状態の種類を含む当たり種類を抽選で決定するとともに、抽選で決定される前記当たり種類に、前記当たり遊技状態の種類が確定している確定当たり種類と、前記当たり遊技状態の種類が確定していない未確定当たり種類とを含んでいる当たり種類抽選手段と、
各特定領域のそれぞれに対して、前記当たり遊技状態中の遊技者が獲得可能な最大賞球数が異なる前記当たり遊技状態の全種類のうちの1種類または複数種類を示す情報を関連付けた当たり遊技種類情報を、前記当たり種類抽選手段により決定された前記未確定当たり種類毎にそれぞれ関連付けて記憶している当たり遊技種類情報記憶手段と、
前記当たり遊技状態の複数種類を示す情報が関連付けられた前記特定領域のそれぞれに対して、前記当たり遊技状態の複数種類から1種類を抽選により確定するための抽選確率を示す情報を関連付けた当たり遊技抽選情報を、前記未確定当たり種類毎にそれぞれ関連付けて記憶している当たり遊技抽選情報記憶手段とを備え、
前記当たり制御手段は、前記未確定当たり種類となった遊技後の前記当たり遊技状態を発生させる場合に、前記未確定当たり種類に関連付けられた前記当たり遊技種類情報を前記当たり遊技種類情報記憶手段から抽出するとともに、抽出された前記当たり遊技種類情報から前記特定通過検知手段により前記特別条件成立後に最初に通過する遊技球が検知された前記特定領域に関連付けられた前記当たり遊技状態の1種類または複数種類を示す情報を抽出する当たり遊技種類抽出手段と、
前記当たり遊技種類抽出手段により前記当たり遊技状態の複数種類を示す情報が抽出された場合に、前記未確定当たり種類に関連付けられた当たり遊技抽選情報を前記当たり遊技抽選情報記憶手段から抽出するとともに、抽出された前記当たり遊技抽選情報から前記特定通過検知手段により前記特別条件成立後に最初に通過する遊技球が検知された前記特定領域に関連付けられた前記抽選確率を示す情報を抽出し、抽出した前記抽選確率を示す情報に基づいて前記当たり遊技状態の複数種類から1種類を確定する当たり遊技種類抽選手段と、
前記当たり遊技種類抽出手段および前記当たり遊技種類抽選手段により確定された種類の前記当たり遊技状態に対応する遊技者が獲得可能な最大賞球数になるように、前記特別変動入賞装置を制御する特別変動制御手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、当たり抽選手段が当たりになることを決定した遊技が終了した際に特別条件を成立させ、特別条件が成立した後に、特定通過検知手段によりいずれかの特定領域を通過する遊技球が検知された場合に、特別変動入賞装置を開閉動作させることになる。
【0018】
また、各特定領域には、当たり種類抽選手段で抽選により決定される当たり種類毎に、当たり遊技状態中に遊技者が獲得可能な最大賞球数が異なる当たり遊技状態の1種類または複数種類が関連付けられている。したがって、当たりの種類によって、特定領域に関連付けられる当たり遊技状態の種類を異なるものとすることができる。また、特定領域に関連付けられる当たり遊技状態の種類が複数の場合に、これら複数の種類から1種類を抽選で決定する必要があるが、この際の抽選確率を当たりの種類毎に異なるものとすることができる。
【0019】
したがって、当たりの種類が違うことにより、特定領域に関連付けられる当たり遊技状態の種類を変えることが可能であり、当たりになる遊技が終了した後に毎回同じ特定領域を遊技球が通過した場合でも、当たりの種類によって、異なる当たり遊技状態を発生させ、遊技者が獲得可能な最大賞球数を異ならせることが可能になる。また、当たりの種類によって各特定領域に関連付けられる当たり遊技状態の種類が異なることから、遊技者は自分に有利だと思われる種類の遊技状態が発生し易い特定領域に遊技球を通過させるために、当たりの種類によって、通過させる特定領域を変える可能性がある。これにより、遊技球を通過させる特定領域を選択させることで、ラウンド数の決定に遊技者がかかわる構成を有効に利用できる。
【0020】
また、大当たりになる遊技の終了後、複数種類の当たり遊技状態が関連付けられている特定領域を遊技球が通過した場合に、抽選により1種類の当たり遊技状態を選択することになるが、当たり種類の違いによって、複数種類の当たり遊技状態のうちの遊技者が獲得可能な最大賞球数が多い種類と、最大賞球数が少ない種類との抽選確率を変更可能である。
【0021】
したがって、当たりの種類によって、遊技者が獲得可能な最大賞球数が多い種類の当たり遊技状態が発生し易くしなったり、遊技者が獲得可能な最大賞球数が少ない種類の当たり遊技状態が発生し易くしなったりするように設定することが可能である。
以上のことから、特定領域に関連付けられる当たり遊技状態の種類と当たり遊技状態を選択する抽選確率が固定ではなく、当たり種類毎に変更可能になっていることにより、遊技が単調になるのを防止することができる。
【0022】
本発明の上記構成において、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口および第2始動入賞口と、
前記第2始動入賞口に遊技球が入賞できない閉状態と、前記第2始動入賞口に遊技球が入賞容易な開状態とに開閉動作する普通変動入賞装置と、
前記普通変動入賞装置の単位時間当たりの開状態となっている確率が低い低確率状態と、前記普通変動入賞装置の単位時間当たりの開状態となっている確率が前記低確率状態より高い高確率状態とのいずれかの状態にする確率制御手段とを備え、
前記遊技制御手段は、前記開始条件の1つとして前記第1始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて前記遊技としての第1遊技を開始し、前記開始条件の1つとして前記第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて前記遊技としての第2遊技を開始し、
前記当たり遊技種類情報記憶手段に記憶された前記当たり遊技種類情報の少なくとも一部は、前記当たり種類抽選手段で抽選により決定可能な少なくとも2つの前記未確定当たり種類にそれぞれ関連付けられ、2つの前記未確定当たり種類のうちの一方の前記未確定当たり種類に関連付けられた前記当たり遊技種類情報中の一つの前記特定領域に関連付けられた前記当たり遊技状態の複数種類を示す情報に含まれる各種類の前記当たり遊技状態にそれぞれ対応する遊技者が獲得可能な最大賞球数の最大値と最小値との差が、
2つの前記当たり遊技情報のうちの他方の前記未確定当たり種類に関連付けられた前記当たり遊技種類情報中の一つの前記特定領域に関連付けられた前記当たり遊技状態の複数種類を示す情報に含まれる各種類の前記当たり遊技状態にそれぞれ対応する遊技者が獲得可能な最大賞球数の最大値と最小値との差より小さくされ、
前記当たり種類抽選手段は、2つの前記未確定当たり種類のうちのいずれか一つの前記未確定当たり種類が決定される確率を他の前記未確定当たり種類が決定される確率より高く設定し、かつ、前記第1遊技が当たりになる場合と、前記第2遊技が当たりになる場合とで、決定される確率が高い前記未確定当たり種類が異なることが好ましい。
【0023】
このような構成によれば、普通変動入賞装置の時間当たりの開状態となる確率が高い高確率状態では、第1始動入賞口より第2始動入賞口に遊技球が入賞し易く、開状態となる確率が低い低確率状態では、第2始動入賞口より第1始動入賞口に遊技球が入賞し易い設定とすることが可能である。
【0024】
また、第1始動入賞口には、変動入賞装置が設けられていないことから、高確率状態と低確率状態とで入賞率が変化せず、第2始動入賞口だけ低確率状態と、高確率状態とで入賞率が異なるものとなる。したがって、高確率状態の方が遊技が行われ易くなり、それにより低確率状態より高確率状態の方が、遊技が大当たりになる単位時間当たりの確率が高くなる。
【0025】
また、高確率状態では、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づく第2遊技が行われ易く、低確率状態では、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づく第1遊技が行われ易い。この場合に、例えば、第1遊技では、一つの特定領域に関連付けられる複数種類の当たり遊技状態に対応する遊技者が獲得可能な最大賞球数の最大値と最小値の差が小さい当たり種類が決定され易くする(最大値と最小値の差が小さい当たり種類の抽選確率を高くする)。
【0026】
また、第2遊技では、一つの特定領域に関連付けられる複数種類の当たり遊技状態に対応する遊技者が獲得可能な最大賞球数の最大値と最小値の差が大きい当たり種類が決定され易くする(最大値と最小値の差が大きい当たり種類の抽選確率を高くする)。
【0027】
このようにすると、第2遊技が行われ難いことから、主に第1遊技が行われるとともに、第1遊技と第2遊技とを合わせた遊技の発生回数が少ない低確率状態においては、例えば、第1遊技が一方の当たり種類となる確率を高くできる。
【0028】
この場合には、当たりとなる第1遊技が終了した後に上述の一つの特定領域に遊技球を通過させると、例えば、遊技者の獲得可能な最大賞球数の差が小さい複数種類の大当たり遊技状態から一つの種類の大当たり遊技状態が抽選で決定されて開始される(特別変動入賞装置の開閉動作が開始される)。
この場合に、いずれの種類の大当たり遊技状態が発生しても、遊技者が獲得可能な最大賞球数に大きな差がつかないことになる。
【0029】
また、低確率状態より、開始される遊技が多くなることから、時間当たりでみると、大当たりが発生し易く、かつ、第2遊技が行われ易い高確率状態においては、例えば、第2遊技が他方の当たり種類で当たりとなる確率を高くすることができる。この場合には、当たりとなる第2遊技が終了して上述の一つの特定領域を遊技球が通過して当たり遊技状態が開始される場合に、例えば、遊技者の獲得可能な最大賞球数の最大値と最小値との差が大きい複数種類の当たり遊技状態から一つの種類の大当たり遊技状態が抽選で決定されて開始されることになる。
【0030】
開始される大当たり遊技状態で遊技者が獲得可能な最大賞球数の最大値と、最小値との差が大きいので、遊技者が獲得できる最大賞球数が多い場合と、少ない場合との格差が大きくなる。したがって、遊技者が上述の1つの特定領域に遊技球を通過させた場合に、遊技者に有利な抽選結果となれば、多くの賞球を獲得できるが、遊技者に不利な抽選結果となると、獲得できる賞球数がかなり少なくなってしまう。
【0031】
このようにすれば、単位時間に行われる遊技が多く、大当たりになる可能性が高くなる高確率状態では、遊技者が獲得可能な最大賞球数が少なくなる危険を冒しても、獲得可能な最大賞球数の多い種類の当たり遊技状態が抽選で選択されることを求めて、上述の一つの特定領域に遊技球を通過させることができる。また、単位時間に行われる遊技が少なく、大当たりになる可能性が低くなる低確率状態においては、上述の一つの特定領域に遊技球を通過させても、大当たり遊技状態が発生した場合に、獲得可能な最大賞球数が極端に低くなるのを避けることができる。
【0032】
なお、遊技者に不利な低確率状態において、負けている遊技者が獲得可能な賞球数がかなり低くなってしまう危険を冒しても最大賞球数が多い当たり遊技状態が発生する可能性を求めることも考えられ、上述の場合と逆に、第1遊技で他方の当たり種類を発生し易くし、第2遊技で一方の当たり種類を発生し易くしてもよい。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、当たりとなる遊技が終了した後に、いずれかの特定領域を遊技球が通過することにより、当たり遊技状態が発生するとともに、遊技球が通過した特定領域によって、遊技者が獲得可能な最大賞球数が異なる当たり遊技状態を発生させる場合に、当たりの種類によって、各特定領域に関連付けられる当たり遊技状態の種類を異なるものとすることが可能であり、かつ、複数の種類の当たり遊技状態が割り付けられている場合に、抽選で1つの種類の当たり遊技状態を決定する場合の抽選確率を異なるものとすることができる。これにより、遊技機における遊技が単調になるのを防止することができる。
【0034】
また、当たりの種類によって、各特定領域を遊技球が通過した場合の遊技者の獲得可能な最大賞球数が異なる可能性があることから、当たりの種類によって、遊技者が遊技球を通過させる特定領域を変える可能性が高くなり、複数の特定領域を有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の実施の形態に係るパチンコ遊技機の遊技盤上の遊技領域を示す正面図である。
図2】前記パチンコ遊技機の制御係を示すブロック図である。
図3】前記パチンコ遊技機の前記主制御装置で行われるメインシステム処理を説明するためのフローチャートである。
図4】前記主制御装置で行われるタイマ割り込み処理を説明するためのフローチャートである。
図5】前記主制御装置で行われる通過口切替処理を説明するためのフローチャートである。
図6】前記主制御装置で行われるスイッチ管理処理を説明するためのフローチャートである。
図7】前記主制御装置で行われる特別遊技管理処理を説明するためのフローチャートである。
図8】前記主制御装置で行われるラウンド数決定処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に示すように、このパチンコ遊技機は、発射された遊技球が流下する遊技領域2を備える遊技盤1を有する。
遊技盤1の盤面上の遊技領域2内には、表示手段として、可変表示装置3が設けられている。可変表示装置3は遊技領域2内の略中央部に設けられている。また、可変表示装置3は液晶表示装置からなるもので、当たり抽選手段として機能する後述の主制御装置14で行われる抽選の各種大当り(当たり)およびはずれの抽選結果を表示するものであり、抽選結果の表示に際し、識別情報としての装飾図柄の変動表示ゲーム(遊技)を表示し、この変動表示ゲームの大当りおよびはずれによって抽選結果を報知するようになっている。
【0037】
遊技盤1の下部には、第1および第2特図表示装置4a,4bが設けられている。第1および第2特図表示装置4a,4bは、例えば、7セグ等のセグメント型のLED表示装置からなる。第1および第2特図表示装置4a,4bは、変動表示ゲームにおける図柄の変動の変動パターンの一部として設定される変動表示時間だけ変動表示(一部のセグメントを点滅表示)した後に識別情報としての特別図柄(特図)を停止表示する。
【0038】
ここで、第1および第2特図表示装置4a,4bの前記点滅表示後に複数種類の特図から1種類の特図(停止図柄)を停止表示する特図の変動表示ゲームには、第1特図表示装置4aで行われる第1変動表示ゲーム(第1遊技)と、第2特図表示装置4bで行われる第2変動表示ゲーム(第2遊技)とがある。第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームとは、同時に行われることがなく、後述の変動表示ゲームの開始条件に基いて、第1変動表示ゲームより第2変動表示ゲームが優先的に開始される。言い換えれば、開始可能な第2変動表示ゲームが後述のように保留されている場合には、第1変動表示ゲームの開始条件が成立しない。また、可変表示装置3に表示される装飾図柄の変動表示ゲームは、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームのうちの実行されている第1または第2変動表示ゲームと略同時に表示されるとともに、実行されている第1または第2変動表示ゲームと同じ結果になる実質的に同一のゲームである。
【0039】
また、可変表示装置3には、画面の周縁部分に後述の保留数の表示が行われる保留数表示領域31a、31bが設定されている。主制御装置14では、第1始動球検知センサ53aから第1始動入賞信号が入力した場合に、上限になる数値(例えば4)の範囲内で第1保留数に1加算し、この始動入賞に基づいて第1変動表示ゲームおよび装飾図柄の変動表示ゲームが開始される場合に、保留数から1減算する。この第1保留数が保留数表示領域31aにマークの数として表示される。
【0040】
同様に、主制御装置14では、第2始動球検知センサ53bから第2始動入賞信号が入力した場合に、上限になる数値(例えば4)の範囲内で第2保留数に1加算し、この始動入賞に基づいて第2変動表示ゲームおよび装飾図柄の変動表示ゲームが開始される場合に、保留数から1減算する。この第2保留数が保留数表示領域31bにマークの数として表示される。なお、後述のようにこれら保留数は、状態表示装置9でも表示される。
【0041】
前記可変表示装置3の直ぐ下には、第1始動入賞口52が設けられている。
また、第1始動入賞口52の下に第2始動入賞口54を備えた所謂電チューと呼ばれる普通変動入賞装置5が設けられている。
この普通変動入賞装置5は、開閉動作自在な1対の可動片51,51を備え、第2始動入賞口54に遊技球が入賞できない可動片51,51が閉じた状態(閉状態)と、第2始動入賞口54に遊技球が入賞し易くなるように可動片51,51が開いた状態(開状態)との間で可変するようになっている。
【0042】
なお、閉じた状態の2つの可動片51,51の間には、遊技球が通過可能な遊技球の直径より少し広い間隔が開けられているが、この例では、閉じた可動片51,51の直上に第1始動入賞口52があり、可動片51,51が閉じた状態で遊技球が第2始動入賞口54に入賞できないようになっている。
【0043】
第1始動入賞口52には、遊技球の入賞を検知する第1始動球検知センサ53a(図2に図示)が設けられており、第1始動球検知センサ53aは、主制御装置14に、遊技球が第1始動入賞口52に入賞した際に第1始動入賞信号を出力する。また、第2始動入賞口54には、遊技球の入賞を検知する第2始動球検知センサ53b(図2に図示)が設けられており、第2始動球検知センサ53bは、主制御装置14に、遊技球が第2始動入賞口54に入賞した際に第2始動入賞信号を出力する。主制御装置14は、第1始動入賞信号の入力に基づいて第1変動表示ゲームの各大当りおよびはずれを決める乱数を取得し、第2始動入賞信号の入力に基づいて第2変動表示ゲームの各大当りおよびはずれを決める乱数の取得を行う。これら第1変動表示ゲームおよび第2変動表示ゲームの大当たり判定に用いられる乱数は、後述のハード乱数発生回路14eで生成されたハード乱数が用いられる。
【0044】
第1始動入賞口52の下方に、大入賞口61を有する特別変動入賞装置(アタッカ)6が設けられている。このアタッカ6には、大入賞口61を開閉する可動扉62が備えられている。通常遊技状態では可動扉62は、遊技球を大入賞口61に流入させないように立って閉じた閉状態になっている。また、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームの結果が大当りになり、大当たり遊技状態が発生した場合に遊技球が流入し易いように可動扉62が前に略水平に倒れて開いた開状態になる。この場合に、可動扉61は、設定されたラウンド数だけ開閉動作を繰り返す。また、大入賞口61には、大入賞口61に入賞した遊技球を検知する大入賞球検知センサ63(図2に図示)が設けられている。
【0045】
大当たり遊技状態では、特別変動入賞装置6が閉状態から開状態になって再び閉状態になる開閉動作としての1ラウンドの動作を、設定されたラウンド数だけ繰り返し行う。なお、大当たり遊技状態中に実行されるラウンド数については後述する。
【0046】
可変表示装置3の左側方には、普通図柄(普図と略す)ゲート7が設けられている。また、普図ゲート7には、普図ゲート7内を通過した遊技球を検知する通過球検知センサ71(図2図示)が設けられ、通過球検知センサ71は遊技球を検知すると主制御装置14に通過球検知信号を出力する。当該通過球検知信号の入力に基づいて主制御装置14は、普通変動入賞装置5を開状態とする当たりと、普通変動入賞装置5を閉状態のままとするはずれとを抽選する普図抽選を行う。この普図抽選の結果は、普図の変動表示ゲームを可変表示装置3の表示領域7aと、後述の状態表示装置9内の普図表示装置8(図2に図示)とに表示することにより報知される。
【0047】
普図ゲームが当たりになった場合に、普通変動入賞装置5が開放し、第2始動入賞口54への遊技球の入賞率が高まり、第2変動表示ゲームの開始機会が増加するようになっている。また、遊技領域2の左側部には、複数の一般入賞口10,10が設けられている。また、一般入賞口10,10に対応して、一般入賞口10,10に入賞した遊技球を検知する一般入賞球検知センサ11(図2図示)がそれぞれ設けられている。
【0048】
また、遊技盤1には、大当たり遊技状態の際の大当たりの種類および通過する後述の特定ゲート81,82に基づくラウンド数、第1変動表示ゲームの保留数、第2変動表示ゲームの保留数、また、これら保留数と同様に求められる普図の変動表示ゲームの普図保留数等を表示するとともに、普図表示装置8を備えた状態表示装置9が設けられている。
【0049】
なお、普図保留数は、主制御装置14により、普図ゲート7を遊技球が通過して、通過球検知センサ71から主制御装置14に通過球検知信号が入力した際に、上限になる数(例えば、4)の範囲で、1加算され、普図の変動表示ゲームが開始されると1減算される。なお、普図の表示ゲームの開始条件は、普図の変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置5の開放が行われていない状態で普図保留数が1になるか、はずれになる普図の変動表示ゲームが終了した際、または、当たりになる普図の変動表示ゲームが終了して普通変動入賞装置5が開放し、その開放が終了した際に普図保留数が1以上の場合である。
【0050】
また、特別変動入賞装置6の下方の遊技領域2の最下端部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域2の外部になる遊技盤1裏面に排出させるアウト口12が設けられている。また、遊技盤1の前面には、遊技球の流下方向を規制するとともに流下方向を転換する遊技釘13(一部だけ図示)や風車(図示略)等の流下規制転換部材が設けられている。
【0051】
この実施形態のパチンコ遊技機においては、遊技盤1上の遊技領域2に第1特定ゲート(特定領域)81と、第2特定ゲート(特定領域)82とが設けられている。これら第1特定ゲート81および第2特定ゲート82は、遊技球が通過可能に遊技領域2に設けられている。第1特定ゲート81には、第1特定ゲート81を通過する遊技球を検知する第1特定通過球検知センサ(特定通過検知手段)81aが設けられ、第2特定ゲート82には、第2特定ゲートを通過する遊技球を検知する第2特定通過球検知センサ(特定通過検知手段)82aが設けられている。
【0052】
また、二つの第1および第2特定ゲート81,82は、左右に並んで設けられるとともに、誘導振分装置83内に設けられている。
誘導振分装置83は、遊技球を内部に流入させる流入口84と、第1特定ゲート81または第2特定ゲート82を通過した遊技球を誘導振分装置83の外に流出させる流出口85と、流入口84から第1特定ゲート81に分岐する第1分岐路86と、流入口84から第2特定ゲート82に分岐する第2分岐路87と、左右に揺動して流入口84から流入した遊技球を第1分岐路86または第2分岐路87に振り分ける振分部材88と、振分部材88を揺動させる振分駆動装置88a(図2図示)とを備える。
流入口84は、例えば、遊技者が遊技球を右打ちした場合に、遊技釘等によって、遊技球が流入し易い状態にされている。
【0053】
振分部材88は、例えば、5秒間隔等の比較的長い時間間隔で左から右、右から左に揺動している。振分部材88がその揺動範囲の右端にある場合に遊技球を左の第1分岐路86(第1特定ゲート81)に振り分け、振分部材88がその揺動範囲の左端にある場合に遊技球を右の第2分岐路87(第2特定ゲート82)に振り分ける。
遊技者は、所謂右打ちを開始することにより、誘導振分装置83に遊技球を流入させることができるが、この際の右打ちの開始のタイミングを振分部材88の揺動のタイミングに対応して調整することにより、前記振分部材88による振り分けによって、第1特定ゲート81または第2特定ゲート82のいずれかに遊技球を通過させるように打ち分けることが可能になっている。なお、第1特定ゲート81と第2特定ゲート82を遊技領域2内で左右に離れた位置に配置し、遊技球の発射勢を強めたり、弱めたりすることで、第1特定ゲート81と、第2特定ゲート82とのいずれに遊技球を通過させるかを遊技者が決められるようになっていてもよい。
【0054】
第1特定ゲート81を通過する遊技球を第1特定通過球検知センサ81aが検知した場合に、第1ゲート通過信号を主制御装置14に出力する。また、第2特定ゲート82を通過する遊技機を第2特定通過球検知センサ82aが検知した場合に、第2ゲート通過信号を主制御装置14に出力する。これら第1ゲート通過信号または第2ゲート通過信号が入力された主制御装置14では、後述のように第1または第2変動表示ゲームが大当たりとなって終了して特別条件が成立している場合に、特別変動入賞装置6の開閉動作を開始するようになっている。
【0055】
すなわち、このパチンコ遊技機では、第1または第2変動表示ゲームが大当たりを報知して終了しても、第1特定ゲート81または第2特定ゲート82を遊技球が通過しないと、特別変動入賞装置6の開閉動作を開始しない。すなわち、実質的な大当たり遊技状態は、変動表示ゲームで大当たりが報知された後に、第1特定ゲート81または第2特定ゲート82を遊技球が通過することにより発生する。
【0056】
また、後述のように、特定の大当たりの種類が抽選で選択された場合に、その特定の大当たりの種類と、特別条件成立後に最初に遊技球が通過した特定ゲート(第1特定ゲート81または第2特定ゲート82)との組み合わせにより選択されるデータテーブルとしてのラウンドテーブルに基づく抽選でラウンド数が決まる。したがって、特別条件成立後に主制御装置14に第1ゲート通過信号が入力するか、第2ゲート通過信号が入力するかで、大当たり遊技状態のラウンド数が変わることになる。
【0057】
次に、パチンコ遊技機の制御系を図2に示されるブロック図を参照して説明する。パチンコ遊技機の制御系は、大きく分けて主制御部(主基板の制御装置としての主制御手段)15と、副制御部(副基板側の制御装置としての副制御手段)16と、これら主制御部15および副制御部16の各装置に電力を供給する電源供給装置18とから構成されている。電源供給装置18は、遊技店に設けられた遊技機外のAC24V電源21に接続され、交流を直流に変換して電力を供給する。
【0058】
主制御部15には、例えば、遊技機用のワンチップマイコン等で構成される主制御装置14が備えられ、主制御装置14には、プログラムを実行するCPU14a、プログラムやプログラムで使用するデータを記憶したROM14bや、ROM14bから読み出したプログラムを実行可能に記億するとともに、プログラムの実行に基づいて発生したデータやROM14bから読み出した各種データ等を記憶するRAM14cや、同期用のクロック(周波数)信号を出力するクロック14dや、変動表示ゲームの大当たり判定に用いる乱数(擬似乱数)を発生するハード乱数発生回路14e等が備えられている。
【0059】
主制御装置14(CPU14a)には、パチンコ遊技機に設けられた各種センサからの信号が入力可能になっており、前述の第1および第2始動球検知センサ53a,53b、大入賞球検知センサ63、通過球検知センサ71、一般入賞球検知センサ11が接続されるとともに、パチンコ遊技機におけるエラー(例えば、磁気検知、電波検知等)を検知するエラー検知センサ19等が接続されている。
【0060】
また、主制御装置14には、上述の第1特定ゲート81に設けられた第1特定通過球検知センサ81aおよび第2特定ゲート82に設けられた第2特定通過球検知センサ82aが接続されている。
【0061】
また、主制御装置14は、パチンコ遊技機の各種装置を動作させるため各種信号を出力するようになっている。例えば、主制御装置14には、外部情報端子基板40が接続されており、この外部情報端子基板40を介して各種データを遊技機外のホールコンピュータ20に出力可能になっている。ホールコンピュータ20は、各遊技機からのデータを集中管理し、各遊技機の稼動状況を出力可能になっている。
【0062】
また、主制御装置14には、副制御部16のサブ制御装置30、主制御部15の払出制御装置22等が接続され、これらに対してコマンド(制御指令)を出力可能とされている。
サブ制御装置30は、可変表示装置3における画像表示を制御する図柄制御部、演出用の後述のランプ(LED)の点灯及び消灯を制御するランプ制御装部、各種音声、効果音、音楽等の出力を制御する音声制御部としての機能を有する。
また、払出制御装置22は、賞球としての遊技球の払い出しの制御を行う払出制御部としての機能と、遊技領域2への遊技球の発射を制御する発射制御部としての機能を有する。
【0063】
また、主制御装置14には、第1および第2特図表示装置4a,4bと普図表示装置8と状態表示装置9が接続され、主制御装置14が第1および第2特図表示装置4a,4bにおける第1変動表示ゲーム、第2変動表示ゲームの表示制御と、普図表示装置8における普図の変動表示ゲームの表示制御と、状態表示装置9における上述の各種の状態を示すLEDの表示制御とを行う。
【0064】
また、主制御装置14には、普通変動入賞装置5の可動片51,51を駆動する普通可変入賞駆動装置55が接続されている。また、主制御装置14には、特別変動入賞装置6の可動扉62を駆動する特別可変入賞駆動装置64が接続されている。この主制御装置14が、普通変動入賞装置5、特別変動入賞装置6の開閉動作を制御する。
【0065】
主制御装置14は、パチンコ遊技機における遊技の進行を制御するもので、第1および第2始動球検知センサ53a,53b、大入賞球検知センサ63、一般入賞球検知センサ11から遊技球の検知信号が入力された場合、すなわち、各入賞口に遊技球が入賞した場合に、払出制御装置22にコマンドを出力して、賞球として遊技球の排出を行なう。
【0066】
また、主制御装置14は、通過球検知センサ71から遊技球の検知信号が入力した場合に、普図保留数が上限未満ならば、上述の普図保留数に1加算する処理を行うとともに、普図ゲームの当たり外れを決定する抽選処理で用いられる各種乱数を取得し、乱数を記憶する。なお、この乱数は、主制御装置14で生成されるソフト乱数である。また、主制御装置14は、上述の所定の開始条件にしたがって普図ゲームを開始し、普図保留数を1減算する。この際に乱数による抽選処理によって、普図ゲームの当たり外れを決定し、この決定に基づいて当たりまたははずれになる普図ゲームを普図表示装置8に表示する。
【0067】
また、主制御装置14は、第1および第2始動球検知センサ53a,53bからの始動入賞信号の入力に基づいて、第1変動表示ゲームの第1保留数および第2の変動表示ゲームの第2保留数が上限未満の場合に、上述の第1および第2保留数の加算処理を行い、変動表示ゲームが開始される際に減算処理を行う。また、変動表示ゲームの大当り外れを決定する抽選処理で用いられる抽選決定情報としての各種乱数(当たり判定乱数、図柄乱数(当たり種類乱数)、演出乱数)を取得し、当該乱数をRAM14cに記憶する。なお、後述のラウンド乱数を、始動入賞信号の入力時に取得してもいいが、この実施形態では、上述の第1ゲート通過信号または第2ゲート通過信号が主制御装置14に入力した際に取得する。
【0068】
なお、当たり判定乱数は、上述のハード乱数を用い、その他は上述のソフト乱数を用いる。また、前記抽選処理によって、当たり判定乱数に基づいて第1および第2変動表示ゲームの大当りおよびはずれを決定し、第1および第2特図表示装置4a,4bを制御して第1および第2変動表示ゲームを表示するとともに、可変表示装置3における装飾図柄の変動表示ゲームの表示や結果の報知や演出のためにサブ制御装置30にコマンドを出力する。
【0069】
主制御装置14で設定されている第1変動表示ゲームの所定の開始条件は、前の第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームがはずれで終了した際と、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームが大当りになったことにより、特別変動入賞装置6を開放する大当たり遊技状態になり、この大当たり遊技状態が終了した際とのいずれかにおいて、第2保留数が0で、第1保留数が1以上になっている場合と、第1変動表示ゲーム、第2変動表示ゲーム、大当たり遊技状態のいずれでもない場合に、第1始動入賞信号が入力して第1保留数が1になった場合(第2保留数は0)である。
【0070】
主制御装置14で設定されている第2変動表示ゲームの開始条件は、前の第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームがはずれで終了した際と、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームが大当りになったことにより、特別変動入賞装置6を開放する大当たり遊技状態になり、この大当たり遊技状態が終了した際とのいずれかにおいて、第2保留数が1以上になっている場合と、第1変動表示ゲーム、第2変動表示ゲーム、大当たり遊技状態のいずれでもない場合に、第2始動入賞信号が入力して第2保留数が1になった場合である。
【0071】
また、主制御装置14は、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲーム開始から上述の演出乱数を用いた抽選により決定される変動パターンに設定された変動表示時間に、特図(停止図柄)を停止表示する所定の停止表示時間を加えたゲーム時間が終了した際に第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームを終了させる。したがって、主制御装置14は、変動表示ゲームの開始と終了を制御する遊技制御手段として機能する。
【0072】
また、主制御装置14は、普図ゲームが当たりになった場合に、普通変動入賞装置5の可動片51,51を駆動する普通可変入賞駆動装置55を制御して普通変動入賞装置5を閉状態から開状態とする制御を行う。また、主制御装置14は、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームが大当りになった場合、すなわち、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームが大当たりを報知して終了した場合に、特別条件を成立させ、例えば、特別条件フラグを立てる。
【0073】
この特別条件が成立している状態で、遊技球が第1特定ゲート81または第2特定ゲート82を通過し、第1特定通過球検知センサ81aまたは第2特定通過球検知センサ82aから、第1ゲート通過信号または第2ゲート通過信号が最初に入力した場合に、特別変動入賞装置6の可動扉62の特別可変入賞駆動装置64を制御して所定の条件に基づいて特別変動入賞装置6を閉状態から開状態に可変させて大当たり遊技状態を発生させる制御を行う。
【0074】
なお、第1ゲート通過信号または第2ゲート通過信号が入力した際に、特別条件フラグはリセットされ、特別条件が成立していない状態になる。なお、上述の振分部材88を駆動する振分駆動装置88aは、主制御装置14により制御され、定期的に左右に揺動するように制御される。また、上述のように、第1ゲート通過信号または第2ゲート通過信号が入力した際に、主制御装置14は、ラウンド数を抽選で決める場合に用いられるラウンド乱数を取得する。
【0075】
また、当たり抽選手段としての主制御装置14は、前述の始動入賞信号に基づいて第1変動表示ゲームおよび第2変動表示ゲームが大当りになるかはずれになるかを決める抽選処理を行う。また、主制御装置14は、大当りとはずれとのいずれかを示す第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームを順次表示する際に、確変遊技状態等の発生に基づいて前記抽選処理により第1変動表示ゲームおよび第2変動表示ゲームが大当りになる確率を低確率状態より高い高確率状態へ移行し、通常遊技状態の発生に基づいて前記抽選処理により第1変動表示ゲームおよび第2変動表示ゲームが大当りになる確率を高確率状態より低い低確率状態に移行する移行制御を行う。また、主制御装置14は、高確率状態としての確変遊技状態となった際に、普図の変動表示ゲームの当たり確率を通常より高確率にし、普図の変動表示ゲームの変動表示時間を通常より短くし、普図の変動表示ゲームが当たりとなった場合の普通変動入賞装置5(電動チューリップ(電チュー))の開放時間を通常より長く(開放回数を通常より多く)した電チューサポート状態(電サポ状態)にする。
【0076】
また、確変遊技状態では、第1および第2変動表示ゲームの大当たり確率が10倍程度高くなる高確率状態にするともに、第1および第2変動表示ゲームの変動表示時間(装飾図柄や特図を変動表示させている時間)を通常より短くし、さらに上述の電サポ状態にする。
電サポ状態では、電サポ状態になっていない通常の状態としての非電サポ状態に対して普通変動入賞装置5が単位時間当たりの開状態となっている確率が高くなっていることになる。したがって、電サポ状態は、普通変動入賞装置5が単位時間当たりの開状態となっている確率が高い高確率状態であり、非電サポ状態は、普通変動入賞装置5が単位時間当たりの開状態となっている確率が上述の高確率状態より低い低確率状態である。
【0077】
また、副制御部16のサブ制御装置30は、制御装置としてCPU30a、ROM30b、RAM30c等を備える。このサブ制御装置30は、図柄制御部として可変表示装置3を制御するものであり、可変表示装置3がグラフィックプロセッサ38を介して接続されている。
主制御装置14により決定された各大当りおよびはずれと、変動パターンとしての変動表示時間等に基づいて、サブ制御装置30により装飾図柄の変動表示ゲームの可変表示装置3における表示が制御される。
【0078】
また、サブ制御装置30は、ランプ制御部として遊技盤1の盤面に設けられた盤面ランプ32と、パチンコ遊技機のガラス扉に設けられたガラス扉ランプ33とが接続され、これら盤面ランプ32、ガラス扉ランプ33としてのLEDの点灯や消灯による演出を制御する。
【0079】
また、サブ制御装置30は、音声制御装部としてサウンドプロセッサ34およびアンプを介してスピーカ35が接続され、演出用の効果音、音声、音楽等の出力を制御する。
【0080】
また、サブ制御装置30には、パチンコ遊技機の上皿の近傍等に設けられた演出ボタン36が接続され、演出ボタン36が有効な状態で演出ボタン36が操作された場合に、演出ボタン36(スイッチ)からのオン信号がサブ制御装置30へ送られ、サブ制御装置30が演出ボタン36が操作された場合のために用意されている演出用の画像表示や音声出力を制御する。
また、遊技盤1に演出可動役物が設けられる場合に、サブ制御装置30は、この演出可動役物を作動させる演出可動役物駆動装置37を制御することにより、演出可動役物による遊技演出を制御する。
【0081】
払出制御装置22は、制御装置としてCPU22a、ROM22b、RAM22c等を備える。この払出制御装置22は、払出制御部として、払出装置29が接続され、上述のように遊技球の入賞に基いて、主制御装置14から出力されるコマンドに対応して払出装置29を制御して、賞球を払い出させる。
【0082】
また、払出制御装置22には、ガラス扉および遊技盤1を収納する内枠の開放を検知する扉開放スイッチ41、払い出された遊技球を保持する皿(例えば、上皿や下皿)に溜まった遊技球が満タンになったことを検知する皿満タンスイッチ42が接続され、これら扉開放スイッチ41、皿満タンスイッチ42からの信号に基づき、払出装置29からの払出や、発射装置からの遊技球の発射が制限される。
【0083】
また、払出制御装置22は、払出装置29から払い出される遊技球の数を計数する払出計数スイッチ43が接続され、実際に払い出された遊技球の数が計数され、この計数結果に基いて払い出すべき遊技球が払い出されるように払出装置29を制御する。
【0084】
また、払出制御装置22には、中継基板23が接続され、この中継基板23に、遊技機外に設けられて、挿入されたプリペイドカード(記録媒体)のデータを読み込んで遊技球の貸出制御を行うためのCRユニット28が接続されている。
また、この中継基板23には、遊技機の例えば、上皿の近傍に設けられる球貸スイッチ24、返却スイッチ25、度数表示装置26、球貸表示装置27が接続されている。
【0085】
度数表示装置26には、CRユニット28に読み込まれたプリペイドカードに記億されて遊技球に変換可能な度数が表示される。度数に残りがある状態で、球貸スイッチ24が操作されると払出制御装置22の制御により、度数の範囲内の設定された度数に対応する数の遊技球が払い出される。球貸表示装置27では、遊技球が払い出される際にLEDが点灯する。度数表示装置26に表示される度数に残りがある状態で、返却スイッチ25が操作されると、CRユニット28に挿入されたプリペイドカードが返却される。
【0086】
また、払出制御装置22は、発射制御部として遊技球発射装置を駆動する発射駆動装置39と、遊技球発射装置の遊技球の発射位置に遊技球を送る球送り装置を駆動する球送り駆動装置47が接続されている。これら球送り駆動装置47および発射駆動装置39を作動させることによって、上皿から供給される遊技球を遊技領域2に向けて発射する制御を行う。
【0087】
また、発射制御部としての払出制御装置22には、遊技球の発射を操作するためのハンドル操作に基いて、発射駆動装置39に供給される電力を変更するための発射ボリューム44が接続され、遊技者のハンドル操作により発射ボリューム44が調整されることにより遊技球発射装置から発射される遊技球の発射勢が調整される。
【0088】
また、払出制御装置22には、発射停止スイッチ45、タッチセンサ46が接続され、発射停止スイッチ45が操作された場合と、タッチセンサ46で操作者の手のタッチが検知されない場合に、球送り駆動装置47および発射駆動装置39を停止することにより、遊技球の発射を停止する。
また、払出制御装置22は、外部情報端子基板40を介してホールコンピュータ20にデータを出力可能に接続されている。
【0089】
このような遊技機の制御系において、主制御装置14では、上述のように第1始動入賞信号が入力された場合、または、第2始動入賞信号が入力された場合に、乱数の取得処理が行われる。主制御装置14は、ハード乱数発生回路14eから第1および第2変動表示ゲームの大当たりの抽選用のハード乱数を取得するとともに、その他の抽選用のソフト乱数を生成して取得する。なお、始動入賞信号が入力された際に、上述の対応する保留数が上限未満の場合に乱数を取得するが、対応する保留数が上限の場合には、乱数を取得しない。
【0090】
また、主制御装置14は、上述のように取得した乱数をRAM14cに記憶し、この乱数に対応する変動表示ゲームの開始条件が成立し、記憶された乱数による抽選処理が行われた場合に乱数消去条件が成立したものとして乱数を消去し、第1または第2変動表示ゲームに用いた第1または第2保留数が一つ減算される。
【0091】
主制御装置14は、変動表示ゲーム開始の際に、上述のように取得された乱数(当たり判定乱数、図柄乱数、演出乱数)を用いて第1および第2変動表示ゲームを表示するための抽選処理を行う。抽選処理においては、まず、当否抽選処理として、当たり判定乱数と、設定されている当たり判定テーブル(低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブル)に記憶された当たり判定値とを比較する。主制御装置14のROM14bには、当たり判定テーブルが記憶されている。
【0092】
当たり判定値は、当たり判定乱数になる所定範囲の数値(整数)のうちから予め決められた数値であり、大当り確率は、(当たり判定値の数)/(当たり判定乱数になる所定範囲の数値の個数)になる。また、当たり判定値には、当たり確率が低確率になる通常時の低確率判定テーブルに記憶された当たり判定値と、確変決定後の高確率時の高確率判定テーブルに記憶された当たり判定値とがあり、通常時(低確率時)の当たり判定値の数に対して、高確率時の当たり判定値の数が例えば約10倍多く設けられている。これにより、低確率時に対して高確率時の大当り確率が例えば約10倍に設定されている。
【0093】
取得された当たり判定乱数の数値と、当たり判定値とが一致した場合に、大当りになり、一致しない場合にはずれになる。
また、低確率判定テーブルを用いるか、高確率判定テーブルを用いるかは、上述のように制御される確率状態が高確率状態か低確率状態かにより、主制御装置14で決定される。
大当りと判定された場合には、主制御装置14により、大当たりになる変動表示ゲーム終了後に大当たり遊技状態が発生する。
【0094】
当否判定処理の次に、停止図柄抽選処理が行われる。図柄乱数は、第1および第2特図表示装置4a,4bに変動表示ゲームの変動表示後に停止表示される停止図柄(特図)の種類を決定するものであるが、変動表示ゲームがはずれの場合には、はずれに対応した例えば一種類の特図が決定される。大当りの場合には、各大当りの種類にそれぞれ対応して複数種類ずつの特図が設定され、これら特図から一つの特図が抽選で選択される。抽選で選択された特図に対応する大当たり種類の大当たりが発生する。なお、大当たりの種類によって、基本的に、確変の有無、時短の有無、大当たり状態中のラウンド数等が決まることになる。
【0095】
特図の抽選は、上述の図柄乱数と、データテーブルである図柄テーブルとを用いて行われる。各特図には、図柄乱数となり得る全ての値にそれぞれ対応する判定値のうちの一部ずつが関連付けられている。上述のように取得される図柄乱数と一致する判定値が関連付けられた特図が抽選で選択されることになる。この図柄抽選の抽選確率は、図柄乱数が取り得る値の個数を分母とし、各図柄に関連付けられた判定値の個数を分子とする分数で表される。また、大当たりの各種類の抽選確率は、各大当たりの種類に関連付けられた図柄の抽選確率を加算したものである。
【0096】
表1は、大当たり種類と、各大当たり種類に関連付けられた抽選確率を示しており、上述の図柄テーブルを簡易的に示したものである。なお、大当たり種類によっては、その大当たり種類の抽選確率を0としてもよく、抽選確率が0の場合には、その大当たり種類が出現しなくなる。
【0097】
【表1】
【0098】
この実施形態では、大当たりの種類は、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームとで、同じ6種類ずつとなっている。なお、第2変動表示ゲームでは、2ラウンド確定確変大当たり(突確)が抽選確率0で出現しないものとなっているが、例えば、抽選確率を0%より大きくして、突確が出現するようにしてもよい。
【0099】
第1変動表示ゲームおよび第2変動表示ゲームの大当たり種類は、例えば、大当たり遊技状態中のラウンド数が16ラウンド確定で大当たり遊技状態後に確変遊技状態になる16ラウンド確定確変大当たりと、大当たり遊技状態中のラウンド数が2ラウンド確定で大当たり遊技状態後に確変遊技状態になる2ラウンド確定確変大当たりと、大当たり遊技状態中のラウンド数が大当たりの種類決定時(変動表示ゲーム開始時)に未確定であり、後述のラウンド数決定処理により決定され、かつ、大当たり遊技状態後が確変遊技状態になる第1または第2未確定確変大当たりと、大当たり遊技状態中のラウンド数が大当たりの種類決定時に未確定であり、後述のラウンド数決定処理により決定され、かつ、大当たり遊技状態後が通常遊技状態(非確変遊技状態)になる第1または第2未確定通常大当たりとがある。
【0100】
各大当たりの種類には、上述のように、例えば、セグメント表示装置である第1特図表示装置4a、第2特図表示装置4bにおけるセグメントの点灯パターンとしての特図が複数ずつ割り当てられており、複数の特図を含む特図A群、特図B群、特図C群、特図D群、特図E群、特図F群が割り当てられる。すなわち、16ラウンド確定確変大当たりには特図A群が割り当てられ、2ラウンド確定確変大当たりには特図B群が割り当てられ、第1未確定確変大当たりには特図C群が割り当てられ、第2未確定確変大当たりには特図D群が割り当てられ、第1未確定通常大当たりには特図E群が割り当てられ、第2未確定通常大当たりには特図F群が割り当てられる。
【0101】
上述のように第1始動入賞信号または第2始動入賞信号の主制御装置14への入力の際に取得された図柄乱数に基づいて、大当たりになる第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームが開始される際に抽選により変動表示ゲームの変動表示が終了した後に停止表示される特図を決定する。
【0102】
16ラウンド確定確変大当たりは、従来と同様の確変大当たりであり、2ラウンド確定確変大当たりが所謂突然確変大当たり(突確大当たり)である。なお、これら16ラウンド確定確変大当たりおよび2ラウンド確定確変大当たりに基づく特別変動入賞装置6の開閉動作(最初のラウンド)は、上述のように特別条件成立後に、主制御装置14に第1ゲート通過信号または第2ゲート通過信号が入力した後に開始される。
【0103】
また、第1変動表示ゲームにおける各大当たり種類の抽選確率と、第2変動表示ゲームにおける各大当たり種類の抽選確率とは異なるものとなっている。なお、第1変動表示ゲームは、通常遊技状態(非電サポ状態(電チューの単位時間の開放している確率が低確率))で主に行われ、第2変動表示ゲームは確変遊技状態(電サポ状態(電チューの単位時間の開放している確率が低確率より高い高確率))で主に行われる。
【0104】
第1変動表示ゲームでは、2ラウンド確定確変大当たりの抽選確率が30%であるが、第2変動表示ゲームでは抽選確率が0とされている。また、第1変動表示ゲームでは、第1未確定確変大当たりおよび第1未確定通常大当たりの抽選確率が30%なのに対して、第2変動表示ゲームでは、第1未確定確変大当たりおよび第1未確定通常大当たりの抽選確率が3%とされている。
【0105】
また、第1変動表示ゲームでは、第2未確定確変大当たりおよび第2未確定通常大当たりの抽選確率が3%なのに対して、第2変動表示ゲームでは、第2未確定確変大当たりの抽選確率が60%とされ、第2未確定通常大当たりの抽選確率が30%とされている。
これは、確変遊技状態では、突確が発生し難く、かつ、大当たりを報知する変動表示ゲームの終了時にラウンド数が未確定の大当たりの場合で、後述のようにラウンド数(大当たり遊技状態の種類)が抽選で選択される第2特定ゲート82に遊技球を通過させた場合に、ラウンド数が多い場合と少ない場合との差が大きくなっている。ただし、ラウンド数の多い方が少ない方より当選する確率が大きくなっている。
【0106】
通常状態では、突確が比較的頻繁に発生するとともに、大当たりを報知する変動表示ゲームの終了時にラウンド数が未確定の大当たりの場合で、後述のようにラウンド数が抽選で選択される第2特定ゲート82に遊技球を通過させた場合に、ラウンド数が多い場合と少ない場合との差が小さくなっている。ただし、ラウンド数の多い方と、少ない方とで当選する確率が同じになっている。すなわち、確変状態では、ラウンド数が多い大当たり遊技状態を発生させ易いが、ラウンド数がかなり少ない大当たり遊技状態が発生する虞がある通常状態では、ラウンド数がかなり少ない大当たり遊技状態は発生せず、ある程度の賞球を獲得可能な状態(突確を除く)になる。
【0107】
第1および第2未確定確変大当たり、および、第1および第2未確定通常大当たりでは、上述のように変動表示ゲーム開始時に、特図が決定されても大当たり遊技状態中のラウンド数が決定していない状態である。ラウンド数の決定は、特別条件成立後に最初に入力するゲート通過信号に対応する特定ゲートと、当該特定ゲートに関連付けられた大当たり遊技状態の種類としてのラウンド数の情報と、各ラウンド数に割り当てられる抽選確率を示す情報と、ゲート通過信号入力時に取得されるラウンド乱数とにより決定される。
【0108】
【表2】
【0109】
すなわち、表2に示すように、ラウンド数が未確定となる各大当たりの種類に対応する特図C群(第1未確定確変大当たり)、特図D群(第2未確定確変大当たり)、特図E群(第1未確定通常大当たり)、特図F群(第2未確定通常大当たり)と、各特定ゲート、すなわち、第1特定ゲート81および第2特定ゲート82との組み合わせ毎に、大当たり遊技状態の種類としてのラウンド数と各ラウンド数の抽選確率を示す情報とが関連付けられたデータテーブルとしてのラウンドテーブルが設定されている。このラウンドテーブルは、例えば、主制御装置14のROM14bに記憶されており、ラウンドテーブルは、大当り遊技状態の種類としてのラウンド数と、大当り遊技状態の種類を抽選する際の抽選確率を示すデータを含むものである。
【0110】
ここで、表2に示すように大当り遊技状態中のラウンド数が異なると、大当り遊技状態中に獲得可能な最大賞球数が異なるものとなる。表2に示される最大賞球数は、大当り遊技状態中に発射されて消費される遊技球数を考慮していない。また、ラウンドの終了条件(特別変動入賞装置6が開状態から閉状態になる条件)の1つを、遊技球の入賞数が10個になった場合とし、1ラウンドの最大入賞数を10個としている。また、大入賞口61への1個の遊技球の入賞に対する賞球数を15としている。したがって、遊技者が獲得可能な最大賞球数は、15×10×ラウンド数になる。なお、特別変動入賞装置が閉塞動作している間に、遊技球が入賞して遊技球の入賞数が11以上になる場合があるが、ここではこれを考慮していない。なお、2ラウンド確定確変(通常)大当りの場合には、特別変動入賞装置が開放している時間が短く、通常、大入賞口に遊技球が入賞しない場合が多いが、ここでは最大賞球数ということで、遊技球が最大3個入賞する可能性があるものとして最大賞球数を45個とした。
【0111】
したがって、ラウンド数が異なる大当り遊技状態の種類は、遊技者が獲得可能な最大賞球数が異なる種類でもある。したがって、ROMに記憶されるラウンドテーブルは、各特定ゲート(特定領域)81,82のそれぞれに対して、大当り遊技状態中の遊技者が獲得可能な最大賞球数が異なる大当り遊技状態の全種類のうちの1種類または複数種類を示す情報を関連付けた当たり遊技種類情報を含むものであり、ラウンドテーブルを記憶するROM14bは、当たり遊技種類情報を記憶する当たり遊技種類情報記憶手段として機能する。
【0112】
また、ラウンドテーブルにおいては、各ラウンド数に関連付けて抽選確率を示す情報が登録されており、このラウンドテーブルは、大当たり遊技状態の複数種類を示す情報が関連付けられた特定ゲート81,82のそれぞれに対して、当たり遊技状態の複数種類から1種類を抽選により確定するための抽選確率を示す情報を関連付けた当たり遊技抽選情報を含むのである。したがって、ラウンドテーブルを記憶しているROM14bは、大当たりの種類毎にそれぞれ関連づけて記憶している当たり遊技抽選情報記憶手段として機能する。
【0113】
このラウンドテーブルは、上述の図柄テーブルと同様にラウンド乱数となる全て値にそれぞれ対応する判定値のうちの一部ずつが、ラウンドテーブルに登録された各ラウンド数に関連付けられている。なお、この例では、確変大当たりの特図と、通常大当たりの特図とで同じ設定のラウンドテーブルを用いるようになっているので、ラウンドテーブルの例として、第1未確定確変大当たり(特図C群)の場合と、第2未確変大当たり(特図D群)の場合のラウンドテーブルの概略を表2に示している。
【0114】
表2に示すように、特図C(E)群および特図B(F)群と、第1特定ゲート81(第1ゲート通過信号の入力)および第2特定ゲート82(第2特定通過信号)との各組み合わせ毎に、ラウンドテーブルA、B、C、Dが関連付けられている。
【0115】
第1特定ゲート81に関連付けられたラウンドテーブルAおよびラウンドテーブルCでは、ラウンド数(大当り遊技状態の種類)が1つだけ割り付けられており、このラウンド数が選択される抽選確率が100%とされている。したがって、特別条件成立後に第1特定ゲート81に遊技球を通過させれば、ラウンドテーブルに設定された1つのラウンド数の大当り遊技状態が発生する。
【0116】
また、通常遊技状態で主に実行される第1変動表示ゲームで抽選確率が高い特図C(E)群では、10ラウンドが選択されるのに対して、確変遊技状態で主に実行される第2変動表示ゲームで抽選確率が高い特図D(F)群では、8ラウンドが選択される。
【0117】
また、第2特定ゲート82に関連付けられたラウンドテーブルBおよびラウンドテーブルDでは、ラウンド数が2つ割り付けられており、抽選により一つが選択される。すなわち、特別条件成立後に第2特定ゲート82に遊技球を通過させた場合には、特定ゲート81を通過させた場合より、少ないラウンド数の大当り遊技状態か、多いラウンド数の大当り遊技状態かのいずれかが発生する。
【0118】
また、第1変動表示ゲームで抽選確率が高い特図C(E)群では、4ラウンドと、15ラウンドが登録され、第2変動表示ゲームで抽選確率が高い特図D(F)群では、2ラウンドと、15ラウンドが登録されている。すなわち、通常遊技状態で主に行われる変動表示ゲームで発生する可能性が高い大当り種類では、選択可能なラウンド数間の差(獲得可能な最大賞球数の差)が小さく、確変遊技状態で主に行われる変動表示ゲームで発生する可能性が高い大当り種類では、選択可能なラウンド数間の差が大きくなっている。
【0119】
上述のように各特定ゲート81,82に割り付けられるラウンド数は、大当りの種類によって変わることになり、各特定ゲート81,82に割り付けられるラウンド数が変化しない場合に比較して、遊技が単調になるのを防止できる。
上述の16ラウンドが確定の大当りと、2ラウンドが確定の大当り以外の大当り種類では、特別条件成立後に第1特定ゲート81または第2特定ゲート82に遊技球を通過させた際に、上述のようにラウンドテーブルを用いた抽選によりラウンド数が決定され、決定されたラウンド数の大当り遊技状態が開始される。
【0120】
なお、表2に示すラウンドテーブルでは、第2特定ゲート82を通過させた場合に選択可能なラウンド数の差が大きいが、表3に示すように第2特定ゲート82を通過させた場合に選択可能なラウンド数の差を小さく設定してもよい。また、第1特定ゲート81に関連付けられているラウンド数も大当りの種類によって変化せず、比較的多いラウンド数となっている。このようにラウンドテーブルの設定内容を変更することにより、抽選によって大きくラウンド数が変化する設定としたり、抽選によるラウンド数の変化が大きくなく安定した設定としたりすることができる。
【0121】
【表3】
【0122】
次に、このようなパチンコ遊技機の主制御装置14で行われる処理について説明する。
図3のフローチャートを参照してメインシステム処理を説明する。メインシステム処理は、主制御装置14のCPU14aで行われるメインフローとなる処理である。電源投入時処理(ステップSA1)は、システムリセット更新時のCPUの初期化処理であり、電源投入時のみ行われる。
【0123】
次に、割り込みを禁止し(ステップSA2)、特別図柄の図柄乱数用初期値更新乱数を更新する(ステップSA3)。次に、主制御装置14からサブ制御装置30および払出制御装置22にコマンドを送信するサブコマンド送信処理を行う(ステップSA4)。次に、割り込みを許可し(ステップSA5)、特別図柄の変動パターンに係る乱数(演出乱数)の更新処理を行い(ステップSA6)、ステップSA2に戻る。
【0124】
次に、4ms毎に行われるタイマ割り込み処理を図4のフローチャートを参照して説明する。
タイマ割り込み処理発生時にメインプログラムで使用されているレジスタを退避し(ステップSB1)、上述の誘導振分装置83の振分部材88を揺動する振分駆動装置88aを制御する通過口切替処理を行う(ステップSB2)。次に、特図表示装置4a,4b、状態表示装置9等に表示するLEDデータの出力をダイナミック点灯方式で制御するダイナミックポート出力処理を行う(ステップSB3)。
【0125】
次に、主制御装置14の入力ポートの状態を確認するポート入力処理を行う(ステップSB4)。次に、プログラム内で使用している各種タイマを更新するタイマ更新処理を行う(ステップSB5)。次に、メインシステム処理と同様の初期値乱数更新処理を行う(ステップSB6)。次に、停止表示される特別図柄を抽選する図柄乱数の更新処理を行う(ステップSB7)。各種スイッチ(第1および第2始動球検知センサ53a,53b、大入賞球検知センサ63、通過球検知センサ71、第1特定通過球検知センサ81a、第2特定通過球検知センサ82a)の状態に応じたスイッチ管理処理を行う(ステップSB8)。
【0126】
次に、特別図柄表示装置4a,4bおよび特別変動入賞装置6の動作を管理する特別遊技管理処理を行う(ステップSB9)。次に、普図表示装置8および普通変動入賞装置5(電チュー)の動作を管理する普通遊技管理処理を行う(ステップSB10)。次に、各種エラーの判定およびエラー判定結果に応じたサブコマンドの設定を行うエラー管理処理を行う(ステップSB11)。
【0127】
次に、各種入賞口スイッチ(第1および第2始動球検知センサ53a,53b、大入賞球検知センサ63、一般入賞球検知センサ11)のチェックを行い、各入賞口の入賞に対応して、該当する賞球制御用のカウンタおよび外部情報用の始動口カウンタを加算する入賞口スイッチ処理を行う(ステップSB12)。次に、払出コマンドの作成および払出コマンドを送信するための払出制御管理処理を行う(ステップSB13)。
【0128】
次に、発射位置指定用のフラグをセットする発射位置指定信号管理処理を行う(ステップSB14)。次に、外部情報用の出力データをセットするための外部情報管理処理を行う(ステップSB15)。次に、試験信号用の出力データをセットするための試験信号管理処理を行う(ステップSB16)。次に、各種表示用LED(特図表示装置4a、4b、普図表示装置8、状態表示装置9、メモリ用等)の動作を管理するLED表示設定処理を行う(ステップSB17)。
【0129】
次に、特別可変入賞駆動装置(ソレノイド)64、普通可変入賞駆動装置(ソレノイド)55の出力イメージを合成し、この出力イメージを出力ポートバッファへ格納するためのソレノイド出力イメージ合成処理を行う(ステップSB18)。
【0130】
次に、各出力バッファの値を各出力ポートから出力するためのポート出力処理を行う(ステップSB19)。次に、タイマ割り込み発生時点に退避したメインプログラムで使用しているレジスタの値を復帰する(ステップSB20)。これらの処理が4ms秒毎に繰り返される。
【0131】
次に、図5のフローチャートを参照して、主制御装置14で行われる通過口切替処理を説明する。
通過口切替処理は、誘導振分装置83の振分部材88を定期的に順次左右に揺動させるように振分駆動装置88a(ソレノイド)を制御する処理である。
通過口切替処理では、タイマにより所定時間が経過したかを判定し(ステップSC1)、
所定時間経過していない場合は、処理を終了し、所定時間が経過した場合には、遊技球が流下する経路を第1分岐路86と、第2分岐路87との間で切り替える(ステップSC2)。これにより、誘導振分装置83の流入口84から流入した遊技球が第1特定ゲート81を通過する状態と、第2特定ゲート82を通過する状態とを切り替えるようになっている。この振分のタイミングに合わせて遊技球を発射することにより、遊技者は、第1特定ゲート81に遊技球を通過させるか、第2特定ゲート82に遊技球を通過させるかを任意に選択することが可能になっている。
【0132】
次に、図6のフローチャートを参照して、スイッチ管理処理を説明する。
普図ゲートの通過球検知センサ71を遊技球が通過したことを示す通過球検知信号が入力したか否かを判定し(ステップSD1)、入力した場合に、普図抽選用の各種乱数を取得する普図ゲート通過処理を行う(ステップSD2)。
【0133】
第1始動入賞口52の第1始動球検知センサ53aを遊技球が通過したことを示す第1始動球検知信号が入力(特図1通過)したか否かを判定し(ステップSD3)、入力した場合に、大当り抽選用の上述の各種乱数を取得する特図1通過処理を行う(ステップSD4)。
【0134】
第2始動入賞口54の第2始動球検知センサ53bを遊技球が通過したことを示す第2始動球検知信号が入力(特図2通過)したか否かを判定し(ステップSD5)、入力した場合に、大当り抽選用の各種乱数を取得する特図2通過処理を行う(ステップSD6)。
【0135】
第1特定ゲート81の第1特定通過球検知センサ81aを遊技球が通過したことを示す第1ゲート通過信号が入力(ラウンド通過口1通過)したか否かを判定し(ステップSD7)、入力した場合に、ラウンド数の抽選用のラウンド乱数を取得するラウンド通過口1通過処理を行う(ステップSD8)。
【0136】
第2特定ゲート82の第2特定通過球検知センサ82aを遊技球が通過したことを示す第2ゲート通過信号が入力(ラウンド通過口2通過)したか否かを判定し(ステップSD9)、入力した場合に、ラウンド数の抽選用のラウンド乱数を取得するラウンド通過口2通過処理を行う(ステップSD10)。
【0137】
大入賞口61の大入賞球検知センサ63を遊技球が通過したことを示す検知信号が入力(大入賞口通過)したか否かを判定し(ステップSD11)、入力した場合に、不正入賞か否かを確認する大入賞口通過処理を行う(ステップSD12)。
【0138】
次に、図7のフローチャートを参照して主制御装置14で行われる特別遊技管理処理を説明する。
第1または第2変動表示ゲーム開始前の特別図柄変動待ち状態か否かを判定する(ステップSE1)。特別図柄変動待ち状態の場合には、特図保留数の確認を行い、変動表示ゲーム開始時に、当たり、停止図柄、変動パターン等の決定を行うとともに、変動を開始するための設定などを行う(ステップSE2)。
【0139】
第1または第2変動表示ゲーム中である特別図柄変動中状態か否かを判定する(ステップSE3)。特別図柄変動中状態の場合には、特別図柄変動中状態を制御するための特別図柄変動中処理を行う(ステップSE4)。
【0140】
第1または第2変動表示ゲームの変動表示が終了し停止図柄が表示中である特別図柄停止図柄表示状態か否かを判定する(ステップSE5)。特別図柄停止図柄表示状態の場合には、特別図柄停止図柄表示状態を制御するための特別図柄停止図柄表示処理を行う(ステップSE6)。
【0141】
第1または第2変動表示ゲームが終了し、特別条件が成立し、かつ、特別変動入賞装置における開閉動作が開始される前の大当り大入賞口開放前状態か否かを判定する(ステップSE7)。大当り大入賞口開放前状態の場合には、大当り遊技状態における大当り大入賞口開放前状態を制御するための大当り大入賞口開放前処理を行う(ステップSE8)。大当り大入賞口開放前状態において、第1または第2特定ゲート81,82を遊技球が通過した際に、大当りの種類としてラウンド数が未確定の種類の場合に、上述のラウンド数の決定を行う。
【0142】
特別変動入賞装置が開閉動作している大当り大入賞口開放制御状態か否かを判定する(ステップSE9)。大当り大入賞口開放制御状態の場合には、大当り遊技状態における大当り大入賞口開放制御状態を制御するための大当り大入賞口開放制御処理を行う(ステップSE10)。
【0143】
特別変動入賞装置が開閉動作が終了する際の大当り大入賞口閉鎖有効状態か否かを判定する(ステップSE11)。大当り大入賞口閉鎖有効状態の場合には、大当り遊技状態における大当り大入賞口閉鎖有効状態を制御するための大当り大入賞口閉鎖有効処理を行う(ステップSE12)。
特別変動入賞装置が開閉動作が終了し、次の変動表示ゲームが開始される前の大当り終了ウエイト状態か否かを判定する(ステップSE13)。大当り終了ウエイト状態の場合には、大当り終了ウエイト状態を制御するための大当り終了ウエイト処理を行う(ステップSE14)。
【0144】
次に、大当りになる第1または第2変動表示ゲームが終了した際に特別条件を成立させ、特別条件成立後に第1特定ゲート81または第2特定ゲート82を遊技球が通過した際に、大当り遊技状態中のラウンド数を決定するラウンド数決定処理を図8のフローチャートを参照して説明する。なお、このフローチャートで示されるラウンド数決定処理は、上述の図7のフローチャートに示す特別遊技管理処理のステップSE6(特別図柄停止図柄表示処理)とステップSE8(大入賞口開放前処理)でそれぞれ行われる処理を一つのフローチャートにまとめたものである。大当たりになる第1または第2変動表示ゲームが終了した際に特別条件フラグをセットする後述のステップS2,S3,S4の処理が特別図柄停止図柄表示処理で行われる処理になり、特別条件フラグセット後に第1または第2ゲート通過信号が入力した際に、停止図柄と遊技球が通過した各特定ゲート81,82とに対応してラウンド数を決定する後述のステップS5以降の処理が大入賞口開放前処理で行われる処理になる。なお、後述のステップS1の特別条件フラグの有無の判定の処理、すなわち、特別条件が成立しているか否かの判定の処理が、特別遊技管理処理のステップSE8の処理(ステップS5以降の処理)を行うか否かの判定となり、ステップSE7の処理に対応する。
【0145】
上述の特別条件が成立していることを示す特別条件フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1)。特別条件フラグがセットされている場合には、ステップS5に移行する。
【0146】
特別条件フラグがセットされていない場合には、大当りになる第1変動表示ゲームが終了したタイミングか否かを判定し(ステップS2)、大当りになる第1変動表示ゲームが終了したタイミングの場合に、ステップS4に移行し、終了したタイミングでない場合には、大当りになる第2変動表示ゲームが終了したタイミングか否かを判定する(ステップS3)。大当りになる第2変動表示ゲームが終了したタイミングでもない場合には、処理を終了する。
【0147】
大当りになる第1または第2変動表示ゲームが終了するタイミングの場合には、特別条件フラグをセットする(ステップS4)。
次に、特別条件フラグがセットされている状態で第1特定ゲート81を遊技球が通過することにより第1ゲート通過信号が主制御装置14に入力したか否かを判定する(ステップS5)。第1ゲート通過信号が入力していない場合には、ステップS16に移行する。
【0148】
第1ゲート通過信号が入力している場合には、ラウンド乱数を取得し、大当りとなる変動表示ゲーム開始時に決定された停止図柄が大当りの種類として16ラウンド確定確変大当たりに対応する特図A群の停止図柄か否かを判定する(ステップS6)。
図A群の停止図柄の場合には、16ラウンド確定の大当りなので、大当り遊技状態中のラウンド数として、16ラウンドをセットし、特別変動入賞装置6(アタッカ)の開閉動作処理(大入賞口開放制御処理)を開始して処理を終了する(ステップS7)。
【0149】
図A群の停止図柄でない場合には、上述の停止図柄が2ラウンド確定確変大当たりに対応する特図B群の停止図柄か否かを判定する(ステップS8)。特図B群の停止図柄の場合には、大当り遊技状態中のラウンド数として2ラウンドをセットし、特別変動入賞装置6の開閉動作処理(大入賞口開放制御処理)を開始して処理を終了する(ステップS9)。なお、この実施形態では、第2変動表示ゲームで大当たりとなった場合には、特図B群が選択されず、ステップS9の処理は行われない。
【0150】
図B群の停止図柄でない場合には、上述の停止図柄が第1未確定確変大当たり、または、第1未確定通常大当りに対応する特図C、E群の停止図柄か否かを判定する(ステップS10)。特図C,E群の停止図柄の場合には、上述のラウンド乱数と、ラウンドテーブルAを用いてラウンド数の抽選を行う(ステップS11)。ラウンドテーブルAには、ラウンド数が一つだけ登録され、このラウンド数の抽選確率が100%なので、このラウンド数としての10ラウンドが抽選により決定され、このラウンド数をセットし、特別変動入賞装置6の開閉動作処理(大入賞口開放制御処理)を開始して処理を終了する(ステップS12)。
【0151】
図C.E群の停止図柄でない場合には、上述の停止図柄が第2未確定確変大当たり、または、第2未確定通常大当りに対応する特図D、F群の停止図柄になる(ステップS13)。次に上述のラウンド乱数とラウンドテーブルCを用いてラウンド数の抽選を行う(ステップS14)。ラウンドテーブルCには、ラウンド数が一つだけ登録され、このラウンド数の抽選確率が100%なので、このラウンド数としての8ラウンドが抽選により決定され、このラウンド数をセットし、特別変動入賞装置6の開閉動作処理(大入賞口開放制御処理)を開始して処理を終了する(ステップS15)。
【0152】
ステップS5で第1ゲート通過信号が入力していない場合に、第2特定ゲート82を遊技球が通過することにより第2ゲート通過信号が主制御装置14に入力したか否かを判定する(ステップS16)。第2ゲート通過信号が入力していない場合には、処理を終了する。
【0153】
第2ゲート通過信号が入力している場合には、ラウンド乱数を取得し、大当りとなる変動表示ゲーム開始時に決定された停止図柄が大当りの種類として16ラウンド確定確変大当たりに対応する特図A群の停止図柄か否かを判定する(ステップS17)。
図A群の停止図柄の場合には、16ラウンド確定の大当りなので、大当り遊技状態中のラウンド数として、16ラウンドをセットし、特別変動入賞装置6(アタッカ)の開閉動作を開始して処理を終了する(ステップS18)。
【0154】
図A群の停止図柄でない場合には、上述の停止図柄が2ラウンド確定確変大当たりに対応する特図B群の停止図柄か否かを判定する(ステップS19)。特図B群の停止図柄の場合には、大当り遊技状態中のラウンド数として2ラウンドをセットし、特別変動入賞装置6の開閉動作処理(大入賞口開放制御処理)を開始して処理を終了する(ステップS20)。上述のように第2変動表示ゲームで大当たりとなった場合には、特図B群が選択されず、ステップS20の処理が行われることがない。
【0155】
図B群の停止図柄でない場合には、上述の停止図柄が第1未確定確変大当たり、または、第1未確定通常大当りに対応する特図C、E群の停止図柄か否かを判定する(ステップS21)。特図C,E群の停止図柄の場合には、上述のラウンド乱数とラウンドテーブルBを用いてラウンド数の抽選を行う(ステップS22)。ラウンドテーブルBには、ラウンド数として、4ラウンドと15ラウンドの2つが登録され、かつ、それぞれの抽選確率が50%となっており、これらの抽選確率に基づいて4ラウンドか15ラウンドかを決定する抽選を行う。
【0156】
次に、ラウンド数として4ラウンドが抽選により決定されたか否かを判定する(ステップS23)。
4ラウンドが抽選で決定された場合には、4ラウンドをセットし、特別変動入賞装置6の開閉動作処理(大入賞口開放制御処理)を開始して処理を終了する(ステップS24)。
【0157】
抽選結果が4ラウンドではなく、15ラウンドの場合には、15ラウンドをセットし、特別変動入賞装置6の開閉動作処理(大入賞口開放制御処理)を開始して処理を終了する(ステップS25)。
ステップS21において、特図C.E群の停止図柄でない場合には、上述の停止図柄が第2未確定確変大当たり、または、第2未確定通常大当りに対応する特図D、F群の停止図柄になる(ステップS26)。次に上述のラウンド数とラウンドテーブルDを用いてラウンド数の抽選を行う(ステップS27)。
【0158】
すなわち、ラウンドテーブルDには、ラウンド数として、2ラウンドと15ラウンドの2つが登録され、かつ、2ラウンドの抽選確率として30%が登録され、15ラウンドの抽選確率として70%が登録されている。これらの抽選確率に基づいて2ラウンドか15ラウンドかを決定する抽選を行う。
【0159】
次に、ラウンド数として2ラウンドが抽選により決定されたか否かを判定する(ステップS28)。
2ラウンドが抽選で決定された場合には、2ラウンドをセットし、特別変動入賞装置6の開閉動作処理(大入賞口開放制御処理)を開始して処理を終了する(ステップS29)。
【0160】
抽選結果が2ラウンドではなく、15ラウンドの場合には、15ラウンドをセットし、特別変動入賞装置6の開閉動作処理(大入賞口開放制御処理)を開始して処理を終了する(ステップS30)。
このラウンド数決定処理は、上述のタイマ割り込み処理中の処理として繰り返し行われる。
【0161】
このような遊技機においては、上述のように各特定ゲート81,82に関連付けられる1種類または複数種類のラウンド数を、大当たりの種類によって異なるものとできるので、従来のように2つの特定ゲートに割り付けられる1種類または2種類のラウンド数が固定の場合よりも、遊技を多彩なものにできる。これによって、従来のように遊技が単調となって遊技者が比較的短期間で飽きてしまうような事態を防止できる。
【0162】
特に、大当たりの種類によって、各特定ゲート81,82に割り付けられるラウンド数が異なることにより、遊技者が遊技球を通過させたくなる特定ゲートが大当たりの種類によって異なるように設定することが可能であり、遊技者が大当たりの種類によって、遊技球を通過させる特定ゲート81,82を変える可能性が高くなる。このように、大当たりの種類によって、遊技者が遊技球を通過させる特定ゲートを選んで遊技を行うようになった場合に、遊技者の興趣をより高めることができる。
【0163】
各大当たりの種類の抽選確率を、主に通常遊技状態で行われる第1変動表示ゲームの場合と、主に確変遊技状態(電サポ状態)で行われる第2変動表示ゲーム場合とで、異なるものとすることにより、比較的頻繁に変動表示ゲームが発生する場合と、それより変動表示ゲームの発生回数が少ない場合とで、主に特定ゲート81,82に関連付けられるラウンド数を異なるものとすることができる。すなわち、遊技状態によって、特定ゲート81,82、特に複数種類のラウンド数が関連付けられる第2特定ゲート82において、関連づけられた二つのラウンド数の差を大きくしたり、小さくしたりできる。
【0164】
さらに、複数種類のラウンド数が関連付けられた特定ゲート82において、各ラウンド数が選択される抽選確率を遊技状態(大当たりの種類)によって異ならせることができる。例えば、確変遊技状態中に主に発生する大当たりの種類に関連付けられたラウンドテーブルBにおいては、第2特定ゲート82に関連付けられた多い方のラウンド数の抽選確率が高いが、少ない方のラウンド数がかなり小さくされている。
また、ラウンドテーブルAに示すように、第1特定ゲート81に関連付けられた一つのラウンド数が少なめに設定されている。
【0165】
したがって、確変遊技状態においては、例えば、第1特定ゲート81に遊技球を通過させて、少なめのラウンド数で我慢して、地道に賞球数を増やしていくか、第2特定ゲート82に遊技球を通過させて、大当たりの抽選に加えてラウンド数の抽選も当てて、多くの賞球を得ることを狙うかを選択することになり、この選択を行うことで興趣を得ることができる。
この際に、第1特定ゲート81に関連付けられたラウンド数が少なめで、かつ、第2特定ゲート82に関連付けられた多い方のラウンド数の抽選確率が高くなっているので、遊技者に対して、第2特定ゲート82に遊技球を通過させるように誘導する傾向の設定となっており、遊技者に大当たりを当てた後に、さらに多いラウンド数を当てられるか否かに興趣を持たせるようになっている。すなわち、遊技者のテンションを高めて遊技を行われることができる。
【0166】
それに対して通常遊技状態中に主に発生する大当たりの種類に関連付けられたラウンドテーブルCでは、第1特定ゲート81に割り付けられた一つのラウンド数が比較的多く、同じく通常遊技状態中に出に発生する大当たりの種類に関連付けられたラウンドテーブルBでは、第2特定ゲート82に割り付けられた多い方のラウンド数と、少ない方のラウンド数との差が小さく、かつ、多い方のラウンド数と少ない方のラウンド数の抽選確率が同じになっている。
【0167】
したがって、遊技者は、第2特定ゲート82に遊技球を通過させた場合に、少ない方のラウンド数の抽選確率が比較的高いことから、少ない方のラウンド数がラウンドテーブルBの場合より多くても、第1特定ゲート81に割り付けられたラウンド数が比較的多いことから、第1特定ゲートを狙うように遊技者を誘導する傾向の設定になっている。また、いずれの特定ゲート81,82を狙っても、ラウンド数の差が大きくないので、遊技者が落ち着いて遊技をすることが可能な状態となり、例えば、確変遊技状態が発生しないことに対する焦りのような感情を押さえて遊技を続行させられる可能性がある。
【0168】
上述のパチンコ遊技機では、特定ゲート81,82の数を2つとしたが3つ以上としてもよい。また、第2特定ゲート82に割り付けられるラウンド数を2つとしたが、3つ以上としてもよい。また、通常大当たりの場合に、通常大当たり遊技状態後に所謂時短遊技状態を発生させてもうよい。また、遊技者が獲得可能な最大球数を変更する方法として、ラウンド数を変えるものとしたが、各ラウンドの開放時間を変えたり、各ラウンドの閉塞条件としての遊技球の入賞個数を変えたりしてもよい。
【0169】
また、ラウンド乱数の取得時期を、特別条件成立後の第1特定ゲート81または第2特定ゲート82の通過時としたが、特別条件を成立させる当たりとなる変動表示ゲームの開始に係わる第1始動入賞口52または第2始動入賞口54への遊技球の入賞時期でもよい。
この場合に、ラウンド乱数を取得してから特別条件が成立して、特定ゲート81,82を遊技球が通過するまで、少なくとも1回の変動表示ゲームが行われるが、当該変動表示ゲームでラウンド乱数の抽選により第2特定ゲート82を遊技球が通過した際に、多い方のラウンド数が選択されるか、少ない方のラウンド数が選択されるかの予告演出を行うようにしてもよい。
【0170】
すなわち、主制御装置14において、ラウンド乱数により抽選の判定を行う時期より前に、ラウンド乱数とラウンドテーブルとを用いて、第2特定ゲート82で抽選で選択されるラウンド数を先読みする。このラウンド数に基づいて、主制御装置14からサブ制御装置30にラウンド数予告演出用のコマンドを送る。なお、多い方のラウンド数が選択されるような予告演出があっても、必ずしも多い方のラウンド数が選択されるわけではなく、予告演出が有った場合の方が、予告演出が無い場合より、多い方のラウンド数が決定される場合が多いような設定になっていればよい。
【0171】
遊技者が安定した賞球の獲得を求めて、第1特定ゲート81に遊技球を通過させることが多いような場合に、第2特定ゲート82に遊技球を通過させるように促すことができ、このパチンコ遊技機本来の遊技性を楽しんでもらえる可能性が高まる。
【0172】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述および図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【符号の説明】
【0173】
1 遊技盤
2 遊技領域
5 普通変動入賞装置
6 特別変動入賞装置
14 主制御装置(遊技制御手段、当たり抽選手段、当たり制御手段、当たり種類抽選手段、当たり遊技種類情報記憶手段、当たり遊技抽選情報記憶手段、当たり遊技種類抽出手段と、当たり遊技種類抽選手段、特別変動制御手段、確率制御手段)
52 第1始動入賞口
54 第2始動入賞口
81 第1特定ゲート(特定領域)
81a 第1特定通過球検知センサ(特定通過検知手段)
82 第2特定ゲート(特定領域)
82a 第2特定通過球検知センサ(特定通過検知手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8