(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した耐火処理材の一実施形態を
図1〜
図5に従って説明する。
図1に示すように、防火区画体としての防火区画壁Wには、配線・配管材33を防火区画壁Wの厚み方向に貫通させるための四角孔状の貫通孔34(貫通部)が形成されている。
【0016】
次に、防火区画壁Wにおける貫通部の耐火構造を形成するため、貫通孔34に充填される耐火処理材11について説明する。
図2に示すように、耐火処理材11は、ブロック状(より詳しくは、直方体状)に形成された処理材本体11aを備える。
図2及び
図4に示すように、処理材本体11aは、ブロック状(より詳しくは、直方体状)に形成されたブロック体12と、四角箱状をなす熱膨張性耐熱材製の外装部材13(熱膨張性耐火材)とを有する。より詳しくは、耐火処理材11を構成するブロック体12の全体が、四角箱状をなす熱膨張性耐熱材製の外装部材13内に収容されている。そして、ブロック体12は外装部材13によって全体が包まれることにより、外装部材13から脱落不能になっており、ブロック体12と外装部材13は分離不能に一体化されている。
【0017】
まず、ブロック体12について説明する。
図1に示すように、耐火処理材11を構成するブロック体12は、直方体状に形成されている。なお、ブロック体12は、セラミックウール、ロックウール等の不燃性材料よりなるとともに、ブロック体12自身はクッション性を有し、所要の弾性を有する。すなわち、ブロック体12は圧縮変形可能であるとともに、圧縮変形した状態から原形状に復帰可能である。また、ブロック体12は、火炎によって焼失することがなく、かつ熱によって加熱されても膨張しない。
【0018】
次に、外装部材13について説明する。
図2及び
図4に示すように、外装部材13は、外装部材13の内部空間にブロック体12を収容可能となるよう、ブロック体12の外形よりも僅かに大きく形成されている。また、外装部材13は、難燃性の熱膨張性耐熱材よりなり、該熱膨張性耐熱材は、120℃以上の熱を受けると体積が加熱前の3倍以上に膨張する膨張材(膨張黒鉛)を混入し、所定形状に成形した(成形工程を経た)ゴム(熱膨張性ゴム)に加硫工程を経てなるものである。なお、加硫工程とは、成形工程を経たゴムに熱を加え、加硫(架橋)反応や接着反応を起こさせ、ゴム弾性を有する製品を得る工程である。そして、加硫工程を経ることで熱膨張性耐熱材を四角箱状の外装部材13に成形することが可能となるとともに、外装部材13にゴム性を付与することが可能となる。これにより、処理材本体11aは、クッション性及びゴム性を有することになる。
【0019】
次に、耐火処理材11の製造方法について説明する。
まず、
図2に示すような四角箱状の外装部材13を製造する。次に、
図2の2点鎖線に示す位置から外装部材13の短手方向における一側部を切断する。すなわち、外装部材13を、開口部13aを有する袋状部材13bと、該開口部13aを閉鎖する蓋部材13cとに分離する。そして、袋状部材13bの開口部13aからその内部空間にブロック体12を収容し、蓋部材13cを袋状部材13bに溶着する。すると、外装部材13が四角箱状に成形され、ブロック体12全体が外装部材13によって包まれるとともに、ブロック体12と外装部材13とが一体化される。
【0020】
次に、耐火処理材11に潤滑処理を施す方法について説明する。
図3に示すように、処理材本体11aの外面、より詳しくは、外装部材13の外面には、その他の耐火処理材11との摩擦を軽減する潤滑部14が設けられている。潤滑部14は、耐火性を有する潤滑剤を外装部材13の外面に塗布することで形成される。なお、潤滑剤は、耐火性を有する粉状物であり、例えば、炭酸カルシウムや炭酸ナトリウムなどが用いられる。なお、潤滑部14の厚みは、外装部材13の厚みよりもはるかに薄くなっている。
【0021】
次に、耐火処理材11を用いて防火区画壁Wの貫通孔34に耐火処理を施す方法について説明する。
図5に示すように、貫通孔34の内部に配線・配管材33を配置するための配線・配管材支持ラック20を、防火区画壁Wに形成された貫通孔34に配設する。次に、配線・配管材支持ラック20に複数の配線・配管材33を支持させるとともに、防火区画壁Wに配線・配管材33を貫通させる。なお、配線・配管材33とは、建築物内に配設される配線(制御用ケーブル、同軸ケーブル、光ケーブル等)及び配管材(合成樹脂製可撓電線管、鋼製電線管等)の総称のことである。
【0022】
そして、
図1に示すように、貫通孔34の内面と配線・配管材33の外面との間に多数の耐火処理材11を充填する。すなわち、貫通孔34の横方向へのサイズに合わせて耐火処理材11を複数充填し、貫通孔34の縦方向へのサイズに合わせて耐火処理材11を複数充填する。貫通孔34の縦方向及び横方向に隣接する耐火処理材11同士は、隙間を無くすために互いが縦方向及び横方向に圧接している。
【0023】
耐火処理材11は、ブロック体12がクッション性を有するため圧縮変形可能であり、外装部材13もゴム性を有するため弾性変形可能である。そして、耐火処理材11は圧縮変形可能となっており、その圧縮変形状態で貫通孔34内に充填されている。このため、貫通孔34に充填された耐火処理材11は、圧縮変形状態から原形状への復帰力によって縦方向及び横方向に隣接する耐火処理材11の外面となる外装部材13に圧接している。さらに、外装部材13はゴム性を有するため、圧接した外装部材13同士が互いに滑り難くなっており、貫通孔34に充填された耐火処理材11が位置ずれすることが防止される。そして、配線・配管材33の外面に対して耐火処理材11の外装部材13の外面が圧接している。
【0024】
なお、前述したように、耐火処理材11は圧縮変形可能であることにより、圧縮変形状態から原形状への復帰力によって、その他の耐火処理材11の外面となる外装部材13に圧接している。また、外装部材13がゴム性を有することで、圧接した外装部材13同士が互いに滑り難くなっている。これにより、貫通孔34内に収容可能な耐火処理材11のうち大半を収容した状態では、既に挿入されている耐火処理材11の圧縮変形状態から原形状への復帰力や、外装部材13のゴム性によって、残りの耐火処理材11(例えば、残り一個)を貫通孔34内に挿入し難くなっている。
【0025】
そこで、貫通孔34内に収容可能な耐火処理材11のうち大半を収容した状態で、残りの耐火処理材11を貫通孔34内に収容させる場合、これから挿入させようとしている耐火処理材11に前述した手順で潤滑処理を施し、耐火処理材11に潤滑部14を形成する。そして、潤滑処理を施した耐火処理材11を貫通孔34内に挿入する。このとき、既に挿入されている耐火処理材11の外装部材13に潤滑部14が当接するが、潤滑部14によって摩擦が軽減されることで滑り易くなり、潤滑処理を施した耐火処理材11を円滑に貫通孔34内に収容させることが可能となる。なお、
図1では、潤滑処理を施した耐火処理材11を色付きで示している。
【0026】
また、貫通孔34の縦方向及び横方向において、耐火処理材11同士の間や貫通孔34の内周面と配線・配管材支持ラック20との間に該耐火処理材11のサイズよりも小さい隙間が形成された場合は、該隙間の大きさに合わせた耐火処理材11が充填される。すなわち、耐火処理材11を所要のサイズに切断して用いられる。また、切断された耐火処理材11が貫通孔34に充填される際、ブロック体12の露出面に対して隣接する耐火処理材11の外装部材13が圧接するように耐火処理材11が貫通孔34に充填される。
【0027】
このように、耐火処理材11の外面が貫通孔34の内周面に圧接することによって、耐火処理材11の外面と貫通孔34の内周面との間に隙間がなくなる。同様に、耐火処理材11の外面が配線・配管材33の外面に圧接することによって、耐火処理材11の外周面と配線・配管材33の外面との間に隙間がなくなる。
【0028】
また、配線・配管材支持ラック20と配線・配管材33との間や配線・配管材33同士の間に形成される僅かな隙間には熱膨張性耐熱シール材(図示せず)が充填される。
次に、耐火処理材11及び耐火構造の作用について記載する。
【0029】
防火区画壁Wに耐火処理が施された建築物において、防火区画壁Wの一方の壁表側で火災等が発生し、配線・配管材33が燃焼したとする。このとき、貫通孔34は、耐火処理材11の貫通孔34内周面への圧接により閉塞されている。このため、耐火処理材11によって貫通孔34が煙の経路となることが防止され、防火区画壁Wの他方の壁面側へ煙が伝わる不都合がなくなる。
【0030】
また、配線・配管材33の外面には、耐火処理材11の外装部材13が圧接している。そして、外装部材13は難燃性の熱膨張性耐熱材によって形成されている。このため、配線・配管材33から発生する熱によって外装部材13が即座に焼失してしまうことはなく、外装部材13は熱を受けて膨張する。また、ブロック体12は不燃性を有する材料より形成されているため、外装部材13が膨張したとき、ブロック体12は燃焼しない。
【0031】
すると、配線・配管材33が燃焼して隙間が形成されたとしても、加熱された外装部材13は配線・配管材33が燃焼して形成された隙間に向けて膨張する。このとき、潤滑処理が施された耐火処理材11の外装部材13には潤滑部14が形成されていることになる。ただし、前述したように、潤滑部14の厚みは、外装部材13の厚みよりもはるかに薄くなっている。よって、潤滑部14によって、圧接する外装部材13同士の接合(溶着)が阻害されることがない。
【0032】
そして、圧接する外装部材13同士が接合(溶着)すると、複数の耐火処理材11が一つの塊状となる。そして、配線・配管材33が燃焼して形成された隙間が、一つの塊状をなす耐火処理材11によって密封閉鎖される。その結果、配線・配管材33の外面と貫通孔34との間の隙間が火炎、煙、有毒ガス、熱の経路となり、防火区画壁Wの他方の壁表側へ火炎、煙、有毒ガス、熱が伝わることが防止され、耐火処理材11によって耐火機能が発揮される。
【0033】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)クッション性及びゴム性を有するとともに、熱によって膨張するブロック状の処理材本体11aによって耐火処理材11を形成した。そして、貫通孔34と該貫通孔34内に挿入された配線・配管材33との間に複数の耐火処理材11を充填し、貫通孔34を閉塞する。このとき、処理材本体11aの外面に潤滑剤を塗布し、貫通孔34内に耐火処理材11を充填するようにした。処理材本体11aの外面に潤滑剤を塗布することで、ゴム性を有する処理材本体11aであっても、潤滑剤によって摩擦が軽減されるので、耐火処理材11が滑り易くなり、貫通孔34内への耐火処理材11の詰め込み作業を円滑に行うことができる。
【0034】
(2)防火区画壁Wで火災が発生したとしても、耐火性材料で形成される潤滑剤を処理材本体11aの外面、より詳しくは外装部材13の外面に塗布することで、火災によって潤滑剤が焼失してしまうことがない。これにより、外装部材13に加え、塗布された潤滑剤によっても、貫通孔34での耐火構造を形成することができる。
【0035】
(3)潤滑剤を粉状物としたことで、外装部材13の外面に塗布した潤滑剤の層が薄くなる。よって、防火区画壁Wで火災が発生したとしても、外装部材13が膨張した際に複数の耐火処理材11が一つの塊状となる過程を阻害することなく、耐火機能を発揮させることができる。
【0036】
(4)耐火処理材11を構成する処理材本体11aの外面、より詳しくは外装部材13の外面に潤滑部14を設けた。貫通孔34内に複数の耐火処理材11を挿入する際に、既に挿入されている耐火処理材11と、これから挿入しようとしている耐火処理材11が接する場合であっても、潤滑部14によって摩擦が軽減されるので、耐火処理材11が滑り易くなり、貫通孔34内への耐火処理材11の詰め込み作業を円滑に行うことができる。
【0037】
(5)貫通孔34内に挿入する前段階で、耐火処理材11に潤滑剤を塗布するようにした。なお、既に潤滑部14が形成された耐火処理材11を貫通孔34内に挿入する場合、潤滑剤によって滑り易くなることで把持し難くなるため、結果的に挿入作業が行い難くなる。しかし、貫通孔34内に挿入する前段階で、作業者が耐火処理材11に潤滑剤を塗布するようにしたことで、大半の耐火処理材11の把持作業にも手間取らないので、結果的に、耐火処理材11を円滑に貫通孔34内に収容させることが可能となる。
【0038】
(6)貫通孔34内に耐火処理材11を挿入する場合、貫通孔34に収容されている耐火処理材11の数が少なければ(例えば、貫通孔34に耐火処理材11を2,3個挿入したような初期段階)、耐火処理材11の圧縮変形状態から原形状への復帰力も、その他の耐火処理材11の挿入を阻害するほど大きくはならない。また、外装部材13はゴム性を有しているものの、貫通孔34の内部に耐火処理材11よりも大きい空間が残されているのであれば、その他の耐火処理材11に触れることなく、耐火処理材11を貫通孔34内に挿入することも可能となる。したがって、貫通孔34に収容されている耐火処理材11の数が少ない場合は、耐火処理材11に潤滑処理を施さなくても、円滑に貫通孔34内に耐火処理材11を挿入することができる。一方、貫通孔34内に収容可能な耐火処理材11のうち大半を収容した状態(例えば、貫通孔34に耐火処理材11を残り1個しか挿入できないような最終段階)で、残りの耐火処理材11を貫通孔34内に収容させる場合、耐火処理材11が挿入される空間が狭いことが起因して、その他の耐火処理材11と接することで摩擦が生じることもある。そこで、これから挿入させようとしている耐火処理材11に潤滑処理を施し、潤滑部14を形成させるようにした。これによれば、貫通孔34内に挿入される全ての耐火処理材11に潤滑処理を施さなくても、貫通孔34に大半の耐火処理材11が挿入されてから、残りの耐火処理材11に潤滑処理を施せば良いことになる。これにより、耐火処理材11に潤滑処理を施す手間を削減しつつ、耐火処理材11を円滑に貫通孔34内に収容させることが可能となる。
【0039】
(7)ブロック体12は、クッション性を有しているので、外装部材13内にブロック体12を押し込む作業を容易に行うことができる。
(8)ブロック体12が熱膨張性耐熱材製の外装部材13で包まれていることから、ブロック体12に熱が伝わらない限り、ブロック体12が外装部材13の外部に逃げることがないので、耐火処理材11がクッション性を失うことがない。
【0040】
(9)さらに、外装部材13はゴム性を有し、外装部材13同士が接触した状態では互いに滑り難くなっている。よって、潤滑剤が塗布されない耐火処理材11に関しては、貫通孔34に充填された耐火処理材11が貫通孔34内からずれ落ちたり位置ずれしたりすることを防止でき、耐火処理構造を維持することができる。
【0041】
(10)ブロック体12と外装部材13とは接着されていない。このため、外装部材13内でブロック体12は自由に変形することができ、耐火処理材11を容易に圧縮変形させることができる。
【0042】
(11)耐火処理材11は、不燃性を有するブロック体12が難燃性を有する外装部材13により包まれている。このため、耐火処理材11全体は火災等によっても一気に焼失してしまうことがなく、貫通孔34の耐火機能を十分に発揮させることができる。
【0043】
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
○潤滑剤は、粉状物であれば、燃焼性の高低は問わない。
○潤滑剤は、耐火処理材11を貫通孔34内に円滑に挿入することを可能とするならば、燃焼性の高低は問わない。
【0044】
○外装部材13の外面にフッ素樹脂加工を施すことで、潤滑部14を形成しても良い。
○外装部材13の外面に潤滑油を塗布することで、潤滑部14を形成しても良い。
○実施形態では、貫通孔34内に挿入される全ての耐火処理材11に潤滑処理を施しても良い。また、全ての耐火処理材11ではなく、潤滑処理を施す耐火処理材11の個数は如何なる個数であっても良い。
【0045】
○実施形態では、既に潤滑部14が設けられた耐火処理材11を製品としても良い。つまり、作業者自身が潤滑処理を施す手間を省いても良い。
○実施形態において、既に収容されている耐火処理材11の外面と接する面のみ(例えば、外装部材13を形成する六つの面のうち互いに対向する最も大きい二つの面)、潤滑処理を施すようにしても良い。これによれば、作業者は、既に挿入されている耐火処理材11と接する面にのみ潤滑剤を塗布して潤滑部14を形成したとしても、貫通孔34内に耐火処理材11を円滑に詰め込むことができる。よって、全ての面に潤滑剤を塗布しなくても摩擦を軽減することが可能となるため、潤滑処理を施す耐火処理材11の製造コスト及び塗布する手間を削減することができる。
【0046】
○耐火処理材11において、ブロック体12の全体を外装部材13で覆わなくても良い。例えば、ブロック体を形成する六つの面のうち互いに対向する最も大きい二つの面のみ、外装部材13で覆うようにしても良い。又は、貫通孔34に耐火処理材11を充填した状態における耐火処理材11の前面及び背面を除く上下左右4方向のブロック体12の外面を、外装部材13で覆うようにしても良い。そして、耐火構造において、火災等の発生時に、配線・配管材33が燃焼して隙間が形成されたとしても、配線・配管材33が燃焼して形成された隙間に向けて外装部材13が膨張し、互いに圧接する外装部材13同士が接合(溶着)する。したがって、外装部材13の膨張によって複数の耐火処理材11が一つの塊状となるのであれば、ブロック体12全体を外装部材13で覆わなくても、ブロック体12の一部を外装部材13で覆うだけでも、外装部材13同士を接合(溶着)させることができる。よって、耐火処理材11の製造コストを抑えながらも、貫通孔34が火炎、煙、有毒ガス、熱の流入経路になることを防止して耐火機能を発揮することができる。
【0047】
○耐火処理材11において、外装部材13からブロック体12が脱落しない状態であれば、外装部材13に開口部を形成し、ブロック体12を外装部材13外へ露出させても良い。
【0048】
○熱膨張性耐熱材製の外装部材13が膨張することで、貫通孔34を閉塞することができるのであれば、ブロック体12は、火災時に焼失するような可燃性の材料で形成されていても良い。
【0049】
○外装部材13を、軟質合成樹脂を主体とする熱膨張性耐火材で形成しても良い。
○ブロック体12を、ウレタン、ポリスチレン系樹脂等の難燃性の発泡性材料によって形成しても良い。ウレタン、ポリスチレン系樹脂などの発泡性材料は、繊維質ではなく、樹脂内に気泡が不均一に分散されて形成されている。ただし、気泡を除く樹脂同士の凝集性が、セラミックウールやロックウールを構成する繊維の凝集性よりも高い。このため、ブロック体12を切断したり折り曲げたりしたとしても、ブロック体12の切断面(露出面)や折り曲げた箇所から、ブロック体12を形成する発泡性材料が飛散することはない。よって、ブロック体12の露出面を外装部材13とは別部材で覆う必要もなくなり、耐火処理材11を簡単に施工することができる。
【0050】
○ブロック体12と外装部材13とは接着剤によって接着されていても良い。
○実施形態において、外装部材13が弾性を有しているため、外装部材13に収容空間を設けず、外装部材13のみによって処理材本体11aを形成しても良い。また、外装部材13に収容空間を設けるが、該収容空間にブロック体12を収容しなくても良い。つまり、耐火処理材自身がクッション性を有するのであれば、そのクッション性は、ブロック体又は外装部材のどちらによって付与されても構わない。
【0051】
○耐火処理材11は直方体状でなくてもよく、球状、八面体状、三角錐状のように形状を変更しても良い。
○配線・配管材として、配線や配管材を複数本纏めたものであっても良い。
【0052】
○防火区画体として、コンクリート壁のような中実壁や床、天井、又は造営材を一対の壁材で挟んで形成する中空壁の貫通孔に耐火処理材11を用いて耐火処理構造を設けても良い。
【0053】
○貫通孔34の形状は、円形状や四角形状を除く多角形状としても良い。