(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989472
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】ガートル台
(51)【国際特許分類】
A61J 1/16 20060101AFI20160825BHJP
A61M 5/14 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
A61J1/16 D
A61M5/14 532
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-203438(P2012-203438)
(22)【出願日】2012年9月14日
(65)【公開番号】特開2014-57663(P2014-57663A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年7月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】390022541
【氏名又は名称】アトムメディカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和
(72)【発明者】
【氏名】松原 一雄
(72)【発明者】
【氏名】松原 照巳
(72)【発明者】
【氏名】大橋 正明
(72)【発明者】
【氏名】小林 心一
(72)【発明者】
【氏名】若林 啓介
【審査官】
武内 大志
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−505962(JP,A)
【文献】
国際公開第2012/070260(WO,A1)
【文献】
実開昭55−142146(JP,U)
【文献】
特開2000−237283(JP,A)
【文献】
特開2002−143317(JP,A)
【文献】
特開昭53−24249(JP,A)
【文献】
特開昭63−132419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/16
A61M 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台重ねて収納することが可能なガートル台であって、支柱部が取付けられた中央部から先端に向かうにしたがって漸次低くなるように放射状に延びる複数の脚部を有し、前記脚部は少なくとも、1本の第1脚部と、この第1脚部とは前記中央部を介して反対側に該第1脚部の延長線を中心とする線対称に設けられた2本の第2脚部とを有し、前記第2脚部の基端部間に、前記中央部の下方及び前記延長線方向を開放状態とし、複数台重ねたときに隣接するガートル台の第1脚部を挿入状態として被挿入側の前記第1脚部の下方に重ねて格納することが可能なトンネル部を設けており、前記第1脚部の上面側に、該第1脚部の視認を容易にする着色部を設けたことを特徴とするガートル台。
【請求項2】
前記第1脚部上面の長さを前記トンネル部の開口部から前記第1脚部の下面のキャスタ取付部の後端までの長さよりも短くし、前記トンネル部の開口部の上端の高さを前記第1脚部の基端部の高さよりも高くし、前記トンネル部の上端面の水平面からの角度に対して前記第1脚部の上面の水平面からの角度を同じか又はより大きくなるように設けたことを特徴とする請求項1に記載のガートル台。
【請求項3】
前記第1脚部と各第2脚部との間に第3脚部がそれぞれ1本ずつ設けられ、この第3脚部は、前記第1脚部を前記隣接するガートル台の前記トンネル部に挿入状態としたときに、被挿入側の前記第2脚部の上方に重ねることが可能な位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガートル台。
【請求項4】
前記支柱部にねじ止めにより回転方向と高さ方向に位置調節可能な握り部を設け、この握り部を前記トンネル部の開口部の上方に位置させて固定したことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のガートル台。
【請求項5】
前記脚部を樹脂又はゴム製のカバーで被覆した請求項1から4の何れか1項に記載のガートル台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者等の使用者が輸液バッグ等を吊り下げて移動することができるガートル台に関し、特に、複数台を重ねてコンパクトに収納可能なガートル台に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ガートル台は、点滴の輸液バックなどを吊り下げた状態で患者等の使用者が円滑に移動できるようにするために複数の脚部が放射状に設けられ、この脚部にキャスタが設けられている。このようなガートル台を複数収納する場合、放射状の脚部同士が隣接するガートル台の脚部に接触することで各脚部の設置面積が必要になるため、通常は設置スペースが広くなる。
【0003】
この対策として、例えば、特許文献1の点滴スタンドが開示されている。この点滴スタンドでは、基部に対して複数のセグメント部材が同一平面内に設けられ、これらのセグメント部材よりも高い位置に張出部材が設けられ、この張出部材に柱部が設けられている。このような構成とすることで、セグメント部材同士を同一平面内で重ね合わせるようにし、複数の点滴スタンドを互いに近接した状態で格納しようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2011−505962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の点滴スタンドでは、セグメント部材同士を重ね合わせることで近接させて格納することはできるものの、使用時にはセグメント部材が同一平面内に設けられていることで、このセグメント部材が歩行の邪魔になって移動しにくくなるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、使用していないときには複数台を重ねてコンパクトに収納でき、使用時には脚部が歩行の邪魔になることのないガートル台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数台重ねて収納することが可能なガートル台であって、支柱部が取付けられた中央部から先端に向かうにしたがって漸次低くなるように放射状に延びる複数の脚部を有し、前記脚部は少なくとも、1本の第1脚部と、この第1脚部とは前記中央部を介して反対側に該第1脚部の延長線を中心とする線対称に設けられた2本の第2脚部とを有し、前記第2脚部の基端部間に、前記中央部の下方及び前記延長線方向を開放状態とし、複数台重ねたときに隣接するガートル台の第1脚部を挿入状態として被挿入側の前記第1脚部の下方に重ねて格納することが可能なトンネル部を設け
ており、前記第1脚部の上面側に、該第1脚部の視認を容易にする着色部を設けたことを特徴とする。
【0008】
このガートル台によれば、第2脚部同士の間のトンネル部から隣接するガートル台の第1脚部を挿入状態としたときに、被挿入側の第1脚部の下方に挿入側の第1脚部を重ねて格納することが可能になり、コンパクト化を図りながら複数台を収納可能となる。使用時においては、第2脚部の基端部間のトンネル部により設けられる空間内に使用者の足を入れることができ、この場合、脚部は中央部から低い位置に向けて放射状に延び、中央部が脚部よりも高い位置にあることからトンネル部の下方の空間が大きくなり、足を入れるスペースを大きく確保できる。このため、脚部が使用者の邪魔になることがなく無理のない姿勢でスムーズな歩行が可能となる。
【0009】
本発明のガートル台において、前記第1脚部上面の長さを前記トンネル部の開口部から前記第1脚部の下面のキャスタ取付部の後端までの長さよりも短くし、前記トンネル部の開口部の上端の高さを前記第1脚部の基端部の高さよりも高くし、前記トンネル部の上端面の水平面からの角度に対して前記第1脚部の上面の水平面からの角度を同じか又はより大きくなるように設けることが望ましい。
このように設けることで、トンネル部から隣接するガートル台の第1脚部を挿入する場合に、挿入側の第1脚部の先端側が被挿入側の第1脚部に接触したり、挿入側の第1脚部がトンネル部の開口部に接触したり、挿入側の第1脚部の上面が被挿入側の第1脚部の下面に接触したりすることがなく、第1脚部をトンネル部から最大限挿入しながらコンパクトに格納できる。
【0010】
また、本発明のガートル台において、前記第1脚部と各第2脚部との間に第3脚部がそれぞれ1本ずつ設けられ、この第3脚部は、前記第1脚部を前記隣接するガートル台の前記トンネル部に挿入状態としたときに、被挿入側の前記第2脚部の上方に重ねることが可能な位置に設けられているとよい。
隣接するガートル台のトンネル部からガートル台の第1脚部を挿入したときに、第3脚部が第2脚部に干渉することがなく、第1脚部の挿入後に確実に第3脚部を第2脚部の上方に重ねることでガートル台をコンパクトに格納可能となる。
【0011】
さらに、本発明のガートル台において、前記支柱部にねじ止めにより回転方向と高さ方向に位置調節可能な握り部を設け、この握り部を前記トンネル部の開口部の上方に位置させて固定するとよい。
これにより、握り部をトンネル部の開口部の向きに固定でき、この手前側に配置されている握り部を握りながら歩行したときにトンネル部の開口部の下方に使用者の足を誘導できる。そのため、使用者は、トンネル部の開口部から中央部の下方側に形成されている空間に足をすすめて、脚部に接触しにくい状態で歩行可能となる。
また、握り部が第1脚部とは中央部を介して反対側に設けられるため、格納する際には、この握り部を握りながら第1脚部を隣接するガートル台のトンネル部に手前側から挿入して複数のガートル台を簡単に格納できる。
【0012】
また、前記脚部を樹脂又はゴム製のカバーで被覆してもよい。
この場合、被覆したカバー同士が接触することで格納時に発生する音を緩和したり脚部が傷付いたりすることを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のガートル台によれば、使用していないときには脚部を重ね合わせながら複数台をコンパクトに収納でき、使用時には脚部が歩行の邪魔にならずに円滑に歩行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明のガートル台の一実施形態を示す斜視図である。
【
図2】
図1のガートル台の脚部を示す平面図である。
【
図6】脚部を覆うカバーの
図5同様の断面図である。
【
図7】
図2のB−B線、C−C線、D−D線に沿う断面を順に並べた図である。
【
図8】脚部を重ね合わせた状態を示す全体斜視図である。
【
図9】
図8の脚部の重なり状態を異なる方向から示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態に係るガートル台10について
図1〜
図9を参照しながら説明する。
図1において、ガートル台10は、金属製又は樹脂製の複数の脚部20A〜20C、支柱部21を備え、脚部20A〜20Cの中央部22に支柱部21が垂直に取付けられている。
【0016】
脚部20A〜20Cは、中央部22から先端に向かうにしたがって漸次低くなるように放射状に延びて複数本形成され、少なくとも、1本の第1脚部20Aと、この第1脚部20Aとは中央部22を介して反対側に該第1脚部20Aの下面25の延長線Sを中心とする線対称に設けられた2本の第2脚部20B,20Bとを有している。これにより、中央部22が床面側から最も高い位置にあり、各脚部20A〜20Cは、先端側に向かうにしたがって床面側からの高さが低くなる形状になっている。
【0017】
本実施形態では、第1脚部20Aと第2脚部20Bとに加えて、さらにこれらの脚部20A,20B間に第3脚部20Cが1本ずつ設けられ、全体で5本の脚部20A〜20Cが中央部22からほぼ均等角度に設けられている。本発明においては、脚部20A〜20Cは、第1脚部20A,第2脚部20Bを有していれば5本以外であってもよい。各脚部20A〜20Cの先端部の下面にはキャスタ23がそれぞれ取付けられ、このキャスタ23によってガートル台10全体を移動可能になっている。
【0018】
図2〜
図5に示すように第1脚部20Aはほぼ直線状に設けられ、この第1脚部20Aの下面25側にこの第1脚部20Aと隣接する別のガートル台10の第1脚部20Aの上面26側を重ねるように挿入して格納することが可能になっている。
【0019】
すなわち、第2脚部20B,20Bの間にはトンネル部30が設けられている。トンネル部30は、第2脚部20B,20Bの間を下方から繰り抜くように第2脚部20B,20Bの基端部間に設けられ、このトンネル部30によって中央部の下方及び第1脚部20Aの延長方向が開放状態となる。トンネル部30は、
図5に示すように第1脚部20Aの下面25の延長線Sが開口部30aの上端側になるように形成され、このトンネル部30の開口部30aの上端下面の高さH1が、第1脚部20Aの最大高さである基端部の上面の高さH2よりも高くなっており、かつ、このトンネル部30の開口部30aの上端下面が第1脚部20Aの下面25の延長線S上又はこれより下方に配置されるように形成されている。トンネル部30の上端面の水平面からの角度θ1に対して、第1脚部20Aの上面26の水平面からの角度θ2は、同じか又はより大きくなるように設けられる。
【0020】
このトンネル部30により、ガートル台10を複数台重ねたときに隣接するガートル台10の第1脚部20Aを挿入状態として自身の第1脚部20Aの下方に重ねて格納することが可能になっている。
また、この格納時の干渉を防止するために、
図5において、第1脚部20Aの上面の全体の長さL1は、トンネル部30の開口部30aから第1脚部20Aの下面25のキャスタ取付部の後端までの長さL2よりも短くなっている。
【0021】
また、
図7は、
図2に示した脚部20の中央部22からの同一円周切断面における断面図を示しており、第1脚部20AのB−B断面、第2脚部20BのC−C断面、第3脚部20CのD−D断面について、左から順に第1脚部20A、第3脚部20C、第2脚部20Bを表している。第1脚部20Aの上面26は、
図7に示すように平面部26aの両側にアール面26bが組み合わされた形状とされている。
【0022】
図3及び
図4に示すように、第2脚部20Bは下方に向けて凸状となる(言い換えれば上面が凹面となる)湾曲状態に形成され、この第2脚部20Bは、
図7に示すように上方に頂点を有する略三角形の断面形状に設けられる。第2脚部20Bの上面31は、高さH3の位置に設けられる。
【0023】
第3脚部20Cは、第1脚部20Aと2本の第2脚部20B、20Bとの間にそれぞれ1本ずつ設けられる。この第3脚部20Cは、隣接するガートル台10の第1脚部20Aを挿入状態としたときに第2脚部20Bの上方に重ねることが可能な位置に設けられている。
すなわち、第3脚部20Cは、上方に向けて凸状となる(上面が凸面となる)湾曲状態に形成され、この第3脚部20Cも第2脚部20Bと同様に略三角形の断面形状に設けられる。中央部22からの同一円周切断面において、第3脚部20Cの下面32の高さH4は第2脚部20Bの上面31の高さH3よりも高くなるように形成される。これにより、第2脚部20Bが第3脚部20Cの下側に位置することが可能になっている。
【0024】
図8は、ガートル台10に別のガートル台10を重ねて格納した状態を示し、
図9、
図10では、その格納状態における各脚部20A〜20Cの重なり状態を示している。
図5に示したようにトンネル部30の開口部30aの上端下面の高さH1が第1脚部20Aの基端部上面の高さH2よりも高く、トンネル部30の開口部の上端面の角度θ1が第1脚部20Aの上面における角度θ2が同じかより大きくなっていることにより、
図8から
図10に示すように、第1脚部20Aを別のガートル台10のトンネル部30から挿入したときに、挿入側の第1脚部20Aの上面26が被挿入側の第1脚部20Aの下面25にぶつからずに挿入することができる。また、第1脚部20Aの長さL1がトンネル部30の開口部からキャスタ取付部の後端までの長さL2よりも短いことにより、挿入側の第1脚部20Aの基端までを被挿入側のトンネル部30に挿入することが可能になる。
【0025】
さらに、第2脚部20Bの上面31の高さH3よりも第3脚部20Cの下面32の高さH4が高く、第2脚部20Bの上面31が下方に凹となる湾曲形状とされ、逆に第3脚部20Cの下面が上方に向けて凸となる湾曲形状に形成されていることから、挿入側のガートル台10の第3脚部20Cが被挿入側の第2脚部20Bの上方をまたぐようにしながら第1脚部20Aをトンネル部30に挿入できる。このように、第2脚部20Bと第3脚部20Cとが干渉することなく、第1脚部20Aをトンネル部30内に確実に挿入して格納することができる。
【0026】
なお、脚部20は全体が薄肉のカバー35により覆われており、そのカバー35を
図6に示す。カバー35は、例えば樹脂又はゴム製よりなり、脚部20の外側表面形状をなし、各脚部20A〜20Cにスナップフィット機構により着脱可能に固定されている。
この着脱可能なカバー35に代えて、脚部20A〜20Cの表面に樹脂又はゴムの被覆を固着したもの、あるいは、脚部20A〜20Cに樹脂又はゴムのコーティングを施したものとしてもよい。本発明では、これらを含めてカバーと称している。
さらに、カバー35の第1脚部20Aに対応する上面側に緑色や青色等の適宜の着色部36を設けている。図示例は、第1脚部20Aの長さ方向に沿う直線状に着色部36が設けられており、これによって挿入側である第1脚部20Aを容易に視認して所定の向きに使用可能となる。この着色部36の色や模様等を変えるようにすれば複数のガートル台10を区別することもでき、例えば、病棟や診療科ごとなどに使用箇所を分けることで感染を防ぐこともできる。
【0027】
なお、支柱部21は、外筒部40と内筒部41とからなる二重筒構造であり、外筒部40が中央部22に固定され、この外筒部40に内筒部41が上下動可能に挿入されている。外筒部40には、内筒部41を固定するための固定ねじ部42が設けられ、内筒部41を伸縮させて高さを調節した状態で固定ねじ部42を締め付けることにより、その高さ位置を固定することができる。
【0028】
内筒部41の上端には2つのフック部45が180°反対側に設けられ、このフック部45に図示しない輸液バック等を掛けることが可能になっている。フック部45に輸液バック等を掛ける場合、上記の内筒部41を任意の高さに調節すれば使用者の邪魔になることがない。フック部45は、先端側が内側に曲げられた形状であるため、輸液バック等の吊り下げが容易になり、かつ輸液バック等が外部側に露出することが防止されるため、外部に干渉したり引っ掛かったりするおそれがない。
【0029】
支柱部21の外筒部40には、固定ねじ部50により握り部51が取付けられている。固定ねじ部50を緩めることで握り部51を回転方向及び高さ方向に位置調節可能であり、固定ねじ部50を締め付けることにより所定の位置で握り部51を固定可能になっている。本発明のガートル台10では、握り部51をトンネル部30の開口部30aの上方に配置するように位置合わせして適宜の高さに調節し、この状態で固定ねじ部50により固定するようにしている。これにより、使用時に握り部51を手前から握れば、自然にトンネル部30が使用者の手前側となる向きになり、歩行時に足が第2脚部20B,20Bの間からトンネル部30の開口部30aの下方の空間Gまで入れることができ、両脚部20B,20Bにぶつかりにくくなる。このように固定ねじ部50の位置調節により、ガートル台10を使用者の使用し易い向きに設定することができる。
【0030】
握り部51の下方位置には第2フック部52が設けられ、この第2フック部52にも輸液バックを掛けたり、或は図示しない医療機器のケーブルや重量物を掛けることもできる。この場合、第2フック部52は中心部位となる支柱部21の近くに設けられていることで、重量物を掛けたときにもガートル台10全体を安定状態に維持しながら歩行可能となる。
【0031】
以上説明したように、このガートル台10によれば、脚部20A〜20C同士を重ね合わせた状態で収納することができるため、脚部を重ねない場合に比較して同じスペースにより多くの台数を収納可能となる。また、使用時にはトンネル部30の下方に使用者の足を入れる空間が確保されるため、支柱部21を手で引き寄せながら歩行したときにも脚部20A〜20Cに足が接触することを回避でき、ガートル台10を持ちながらの歩行が容易となり、安全である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0032】
10 ガートル台
20 脚部
20A 第1脚部
20B 第2脚部
20C 第3脚部
21 支柱部
22 中央部
25 下面
26 上面
30 トンネル部
30a 開口部
35 カバー
51 握り部