(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
図9は、従来の電源切替え回路を示す回路図である。
従来の電源切替え回路は、電圧検出回路903と、誤差増幅回路904と、基準電圧回路908と、抵抗906、907と、PMOSトランジスタ901、902、905と、ダイオード909、910と、入力端子911、912と、出力端子913と、グラウンド端子100で構成されている。
【0003】
入力端子911に入力される電圧をV1とし、入力端子912に入力される電圧をV2とする。V1電圧が上昇し、その電圧が電圧検出器903の設定された電圧を越えると出力端子913の出力は高電圧レベルになる。その結果、PMOSトランジスタ905はオフし、PMOSトランジスタ901と抵抗906、907と誤差増幅回路904とPMOSトランジスタ902はボルテージレギュレータとして動作し、出力端子913から安定化された一定の電圧が出力される。
【0004】
誤差増幅回路904の正電源に現れる電圧は、ダイオード909、910の接続点から供給しているのでスイッチ動作にかかわらず、電圧V1と電圧V2のどちらか高い電圧となる。従って、誤差増幅回路904はスイッチ動作及び負荷変動にかかわらず安定動作する。逆に入力端子911の電圧V1が降下し、電圧検出回路903の出力端子の出力が低電圧レベルに反転すると、PMOSトランジスタ905はオンする。PMOSトランジスタ901は、PMOSトランジスタ902がオンしPMOSトランジスタ901のゲートが高電圧レベルになるためオフする。したがって、出力端子913には入力端子912の電圧V2が出力される(例えば、特許文献1参照)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
電源切替え回路は、例えば、第一の電源端子101にUSBケーブルの電圧が入力され、第二の電源端子126に電池が接続される。また例えば、第一の電源端子101にメインの大容量電池が接続され、第二の電源端子126は補助の電池が接続される。すなわち、第一の電源端子101は、比較的高い電圧であったり、高容量であったりするが、普段は取り外されていたり、取り外される可能性がある電源が接続される。そして、その電源の電圧は、ボルテージレギュレータを介して出力端子に出力される。また、第二の電源端子126は、常に電源が接続されている。電源切替え回路は、第一の電源端子101に電源が接続されると、第二の電源端子126の電源の電圧からボルテージレギュレータの電圧に切り替えて出力する。
【0012】
<第一の実施形態>
図1は、第一の実施形態の電源切替え回路の回路図である。
第一の実施形態の電源切替え回路は、誤差増幅回路103と、アンプ119と、基準電圧回路102と、PMOSトランジスタ104、111、112、113、114、118、120、121と、NMOSトランジスタ115、116、117と、抵抗105、106と、グラウンド端子100と、出力端子127と、第一の電源端子101と、端子CONT_ER2、CONT_ER1、CONT_VDDX、CONT_NSW、CONT_BATX、ENと、第二の電源端子126と、を備えている。本実施形態では、第二の電源端子126に電池107が接続され、出力端子127に負荷抵抗108と負荷容量109が接続されている、として説明する。
【0013】
図2は、アンプ119の回路構成を示す回路図である。アンプ119は、PMOSトランジスタ201、202と、バイアス回路203、204と、反転入力端子IN−と、非反転入力端子IN+と、出力端子OUTで構成されている。
【0014】
誤差増幅回路103、基準電圧回路102、PMOSトランジスタ104、抵抗105、106でボルテージレギュレータを構成する。アンプ119、PMOSトランジスタ113、121、118でレプリカ電流生成回路を構成する。
【0015】
次に、第一の実施形態の電源切替え回路の接続について説明する。誤差増幅回路103は、反転入力端子は基準電圧回路102の一方の端子に接続され、非反転入力端子は抵抗105及び106の接続点に接続され、出力端子はPMOSトランジスタ114のソースに接続される。基準電圧回路102のもう一方の端子はグラウンド端子100に接続される。PMOSトランジスタ114は、ゲートは端子CONT_ER2に接続され、ドレインはPMOSトランジスタ111のソースとPMOSトランジスタ104のゲートに接続される。PMOSトランジスタ104は、ソースは第一の電源端子101に接続され、ドレインはPMOSトランジスタ111のドレインとPMOSトランジスタ112のソースとNMOSトランジスタ116のドレインに接続される。PMOSトランジスタ111のゲートは端子CONT_ER1に接続される。PMOSトランジスタ112は、ゲートは端子CONT_VDDXに接続され、ドレインは抵抗105のもう一方の端子と出力端子127に接続される。NMOSトランジスタ115は、ゲートは端子CONT_NSWに接続され、ソースはグラウンド端子100に接続され、ドレインは抵抗106のもう一方の端子に接続される。アンプ119は、非反転入力端子は出力端子127とPMOSトランジスタ121のドレインに接続され、反転入力端子はPMOSトランジスタ118のソースとPMOSトランジスタ113のドレインに接続され、出力端子はPMOSトランジスタ118のゲートに接続される。PMOSトランジスタ113は、ゲートは端子CONT_BATXに接続され、ソースは第二の電源端子126に接続される。PMOSトランジスタ121は、ゲートは端子CONT_BATXに接続され、ソースは第二の電源端子126に接続される。PMOSトランジスタ120は、ゲートは端子ENに接続され、ソースはPMOSトランジスタ118のドレインに接続され、ドレインはNMOSトランジスタ117のドレイン及びゲートに接続される。NMOSトランジスタ117のソースはグラウンド端子100に接続される。NMOSトランジスタ116は、ゲートはNMOSトランジスタ117のゲートに接続され、ソースはグラウンド端子100に接続される。電池107は、正極は第二の電源端子126に接続され、負極はグラウンド端子100に接続される。負荷抵抗108は、一方の端子は出力端子127に接続され、もう一方の端子はグラウンド端子100に接続される。負荷容量109は、一方の端子は出力端子127に接続され、もう一方の端子はグラウンド端子100に接続される。
【0016】
図2に示すアンプ119の接続について説明する。PMOSトランジスタ201は、ゲートはPMOSトランジスタ202のゲート及びドレインに接続され、ドレインは出力端子OUTとバイアス回路203の一方の端子に接続され、ソースは反転入力端子IN−に接続される。バイアス回路203のもう一方の端子はグラウンド端子100に接続される。PMOSトランジスタ202は、ドレインはバイアス回路204の一方の端子に接続され、ソースは非反転入力端子IN+に接続される。バイアス回路204のもう一方の端子はグラウンド端子100に接続される。
【0017】
次に、第一の実施形態の電源切替え回路の動作について説明する。
図4は第一の実施形態の電源切替え回路のタイミングチャートを示した図である。
【0018】
期間Aでは、第一の電源端子101に電源が接続され、電圧VDDが立ち上っている。端子CONT_BATXには、電圧がLowとなる信号が入力される。PMOSトランジスタ113、121は、オンするが抵抗領域で動作する。従って、出力端子127の電圧VOUTは、電池107の電圧VBATから負荷電流とPMOSトランジスタ121のオン抵抗に応じて電圧降下した電圧が出力される。
【0019】
期間Bでは、電圧VDDが立ち上がり電圧VDETを上回ると端子ENに電圧がLowとなる信号が入力され、PMOSトランジスタ120とバイアス回路203、204をオンさせアンプ119を動作させる。PMOSトランジスタ121は抵抗領域で動作するため、PMOSトランジスタ121のドレインは電池107からの電流量に応じた電圧降下が発生する。PMOSトランジスタ113はPMOSトランジスタ121と同じもしくは小さいサイズで同じ構成をしており、PMOSトランジスタ121と同様に抵抗領域で動作する。アンプ119は非反転入力端子の電圧と反転入力端子の電圧が同じになるようにPMOSトランジスタ118を制御し、PMOSトランジスタ113にPMOSトランジスタ121のサイズに比例した電流を流す。PMOSトランジスタ113に流れる電流をレプリカ電流と呼び、電池107が出力端子127を介して負荷抵抗108に流す電流に比例した電流である。NMOSトランジスタ117とNMOSトランジスタ116はカレントミラー回路を構成している。端子CONT_ER1には電圧がLowとなる信号が入力されPMOSトランジスタ111はオンしているので、PMOSトランジスタ104はゲートとドレインが接続されてダイオード接続される。PMOSトランジスタ104は、この状態でカレントミラー回路を介してレプリカ電流が流されるため、ゲート容量にはレプリカ電流を流すための電圧が保持される。
【0020】
次に、PMOSトランジスタ104にレプリカ電流が流れ、ゲート容量にはレプリカ電流を流すための電圧が保持される時間が経過した後、端子CONT_NSW、端子CONT_ER1に電圧がHighとなる信号が入力され、PMOSトランジスタ111がオフしNMOSトランジスタ115がオンする。こうして、誤差増幅回路103の非反転入力端子に出力端子127の電圧を抵抗105、106で分圧した電圧が入力される。また、PMOSトランジスタ111はオフするが、PMOSトランジスタ104のゲート容量によって保持された電圧により、しばらくの間PMOSトランジスタ104にはレプリカ電流が流れ続ける。
【0021】
期間Cでは、端子ENと端子CONT_BATXに電圧がHighとなる信号が入力され、PMOSトランジスタ113、121、120とアンプ119がオフする。こうして、出力端子127へ電池107からの供給が遮断される。また、レプリカ電流がNMOSトランジスタ117へ流れることも遮断される。
【0022】
期間Dでは、端子CONT_VDDXと端子CONT_ER2に電圧がLowとなる信号が入力され、PMOSトランジスタ114とPMOSトランジスタ112をオンさせる。こうして、ボルテージレギュレータが起動し出力端子127へボルテージレギュレータの出力電圧が出力される。期間Bで電池107への電流経路となるPMOSトランジスタ121をオフしているため、ボルテージレギュレータの出力電圧が電池107へ逆流することを防ぐことができる。また、出力端子127の電圧は負荷容量109によってしばらく保持されるため、期間Cの時間を短くすることで出力電圧が降下することを防ぐことができる。
【0023】
PMOSトランジスタ104のゲート容量によってレプリカ電流を流すための電圧が保持されているため、急激にボルテージレギュレータの出力に負荷電流が変動するような動作を止める事ができる。また、ボルテージレギュレータの出力電圧が電池電圧VBATより大きければ、期間Cにおいて誤差増幅回路103の反転入力端子の電圧は非反転入力端子の電圧より大きいため、切り替え時にアンダーシュートの発生を抑えることができる。
【0024】
なお、アンプ119は
図2に示す構成のアンプを用いて説明したが、
図3のような通常のアンプを用いて、バイアス電流を端子ENの信号でオンオフできるようにすれば他の構成を用いてもよい。
【0025】
以上により、第一の実施形態の電源切替え回路は、出力端子127の電圧を切り替える前にレプリカ電流をPMOSトランジスタ104に予め流すことで、PMOSトランジスタ104のゲートにレプリカ電流を流すためのゲート電圧を保持する。そして、出力電圧切り替え時にボルテージレギュレータの出力に負荷電流が変動するような動作を止める事ができ、出力端子127にアンダーシュートが発生することを防ぐことができる。
【0026】
<第二の実施形態>
図5は、第二の実施形態の電源切替え回路の回路図である。
図1との違いはPMOSトランジスタ111、114、115と端子CONT_NSW、CONT_ER1、CONT_ER2を削除し、PMOSトランジスタ511、512と端子CONT_VDDを追加した点である。
【0027】
次に、第二の実施形態の電源切替え回路の接続について説明する。PMOSトランジスタ511は、ゲートは端子CONT_VDDに接続され、ドレインはPMOSトランジスタ512のドレインと抵抗105との接続点に接続され、ソースはPMOSトランジスタ104のドレインとPMOSトランジスタ112のソースの接続点に接続される。PMOSトランジスタ512は、ゲートは端子CONT_VDDXに接続され、ソースは出力端子127に接続される。抵抗106は、一方の端子は抵抗105に接続され、もう一方の端子はグラウンド端子100に接続される。PMOSトランジスタ104のゲートは誤差増幅回路103の出力に接続される。他は
図1の第一の実施形態の電源切替え回路と同じである。
【0028】
次に、第二の実施形態の電源切替え回路の動作について説明する。
図6は第二の実施形態の電源切替え回路のタイミングチャートを示した図である。
【0029】
期間Aでは、第一の電源端子101に電源が接続され、電圧VDDが立ち上っている。端子CONT_BATXには、電圧がLowとなる信号が入力される。PMOSトランジスタ113、121は、オンするが抵抗領域で動作する。従って、出力端子127の電圧VOUTは、電池107の電圧VBATから負荷電流とPMOSトランジスタ121のオン抵抗に応じて電圧降下した電圧が出力される。
【0030】
端子CONT_VDDには電圧がLowとなる信号が入力されているためPMOSトランジスタ511はオンし、誤差増幅回路103、基準電圧回路102、PMOSトランジスタ104、抵抗105、106で構成するボルテージレギュレータが起動する。
【0031】
期間Bでは、電圧VDDが立ち上がり電圧VDETを上回ると端子ENに電圧がLowとなる信号が入力され、PMOSトランジスタ120とバイアス回路203、204をオンさせアンプ119を動作させる。PMOSトランジスタ121は抵抗領域で動作するため、PMOSトランジスタ121のドレインは電池107からの電流量に応じた電圧降下が発生する。PMOSトランジスタ113はPMOSトランジスタ121と同じもしくは小さいサイズで同じ構成をしており、PMOSトランジスタ121と同様に抵抗領域で動作する。アンプ119は非反転端子の電圧と反転端子の電圧が同じになるようにPMOSトランジスタ118を制御し、PMOSトランジスタ113にPMOSトランジスタ121のサイズに比例した電流を流す。PMOSトランジスタ113に流れる電流をレプリカ電流と呼び、電池107が出力端子127を介して負荷抵抗108によって流れる電流に比例した電流である。NMOSトランジスタ117とNMOSトランジスタ116はカレントミラー回路を構成しており、PMOSトランジスタ113に流れるレプリカ電流をミラーしてPMOSトランジスタ104にレプリカ電流を流す。
【0032】
期間Cでは、端子ENと端子CONT_BATXと端子CONT_VDDに電圧がHighとなる信号が入力され、端子CONT_VDDXに電圧がLowとなる信号が入力される。そして、PMOSトランジスタ113、121、120、511とアンプ119がオフし、PMOSトランジスタ112、512がオンする。こうして、出力端子127へ電池107からの供給が遮断される。また、レプリカ電流がPMOSトランジスタ104へ流れることも遮断され、出力端子127へボルテージレギュレータの出力が供給される。PMOSトランジスタ104はゲートにレプリカ電流を流すための電圧が保持されているため、急激にボルテージレギュレータの出力に負荷電流が変動するような動作を止める事ができる。また、ボルテージレギュレータの出力電圧が電池電圧VBATより大きければ、期間Cにおいて誤差増幅回路103の反転入力端子の電圧は非反転入力端子の電圧より大きいため、切り替え時にアンダーシュートの発生を抑えることができる。
【0033】
なお、アンプ119は
図2に示す構成のアンプを用いて説明したが、
図3のような通常のアンプを用いて、バイアス電流を端子ENの信号でオンオフできるようにすれば他の構成を用いてもよい。
【0034】
以上により、第二の実施形態の電源切替え回路は、出力端子127の電圧を切り替える前にレプリカ電流をPMOSトランジスタ104に予め流すことで、PMOSトランジスタ104のゲートにレプリカ電流を流すためのゲート電圧を保持する。そして、出力電圧切り替え時にボルテージレギュレータの出力に負荷電流が変動するような動作を止める事ができ、出力電圧切り替え時に出力端子127にアンダーシュートが発生することを防ぐことができる。
【0035】
<第三の実施形態>
図7は、第三の実施形態の電源切替え回路の回路図である。
図1との違いはPMOSトランジスタ114を削除し、NMOSトランジスタ711、712と容量713を追加し、PMOSトランジスタ111の接続を変更した点である。
【0036】
次に、第三の実施形態の電源切替え回路の接続について説明する。NMOSトランジスタ711は、ゲートは端子CONT_ER2に接続され、ドレインはNMOSトランジスタ116のゲートに接続され、ソースはグラウンド端子100に接続される。NMOSトランジスタ712は、ゲートは端子CONT_ER1に接続され、ソースはNMOSトランジスタ116のゲートに接続され、ドレインはNMOSトランジスタ117のゲートおよびドレインに接続される。容量713は、一方の端子はNMOSトランジスタ116のゲートに接続され、もう一方の端子はグラウンド端子100に接続される。PMOSトランジスタ111は、ゲートは端子CONT_ER2に接続され、ドレインはPMOSトランジスタ104のドレインに接続され、ソースは誤差増幅回路103の出力とPMOSトランジスタ104のゲートに接続される。他は
図1の第一の実施形態の電源切替え回路と同じである。
【0037】
次に、第三の実施形態の電源切替え回路の動作について説明する。
図8は第三の実施形態の電源切替え回路のタイミングチャートを示した図である。
【0038】
期間Aでは、第一の電源端子101に電源が接続され、電圧VDDが立ち上っている。端子CONT_BATXには、電圧がLowとなる信号が入力される。PMOSトランジスタ113、121は、オンするが抵抗領域で動作する。従って、出力端子127の電圧VOUTは、電池107の電圧VBATから負荷電流とPMOSトランジスタ121のオン抵抗に応じて電圧降下した電圧が出力される。
【0039】
期間Bでは、電圧VDDが立ち上がり電圧VDETを上回ると端子ENに電圧がLowとなる信号が入力され、PMOSトランジスタ120とバイアス回路203、204をオンさせアンプ119を動作させる。PMOSトランジスタ121は抵抗領域で動作するため、PMOSトランジスタ121のドレインは電池107からの電流量に応じた電圧降下が発生する。PMOSトランジスタ113はPMOSトランジスタ121と同じもしくは小さいサイズで同じ構成をしており、PMOSトランジスタ121と同様に抵抗領域で動作する。アンプ119は非反転端子の電圧と反転端子の電圧が同じになるようにPMOSトランジスタ118を制御し、PMOSトランジスタ113にPMOSトランジスタ121のサイズに比例した電流を流す。PMOSトランジスタ113に流れる電流をレプリカ電流と呼び、電池107が出力端子127を介して負荷抵抗108によって流れる電流に比例した電流である。
【0040】
端子CONT_ER1には電圧がHighとなる信号が入力されているため、NMOSトランジスタ712はオンしておりNMOSトランジスタ117のゲートおよびドレインと容量713が接続されカレントミラーを構成する。こうして、容量713にはNMOSトランジスタ116にレプリカ電流を流すための電圧が保持され、レプリカ電流がNMOSトランジスタ116にミラーされる。また、端子CONT_ER2には電圧がLowとなる信号が入力されているため、PMOSトランジスタ111はオンしておりゲートとドレインが接続されてダイオード接続されている。この状態でPMOSトランジスタ104にレプリカ電流が流される。また、PMOSトランジスタ104のゲートにはレプリカ電流を流すための電圧が保持される。
【0041】
次に、端子CONT_NSWには電圧がHighとなる信号が入力され、端子CONT_ER1には電圧がLowとなる信号が入力され、NMOSトランジスタ115がオンされNMOSトランジスタ712はオフされる。こうして、誤差増幅回路103の非反転入力端子に出力端子127の電圧を抵抗105、106で分圧した電圧が入力される。NMOSトランジスタ712がオフすることによってカレントミラー回路を構成できなくなりレプリカ電流をミラーできなくなる。しかし、容量713によってNMOSトランジスタ116のレプリカ電流は保たれ、しばらくの間PMOSトランジスタ104にレプリカ電流を流すことができる。
【0042】
期間Cでは、端子ENと端子CONT_BATXに電圧がHighとなる信号が入力され、PMOSトランジスタ113、121、120とアンプ119がオフする。こうして、出力端子127へ電池107からの供給が遮断される。
【0043】
期間Dでは、端子CONT_VDDXに電圧がLowとなる信号が、端子CONT_ER2には電圧がHighとなる信号が入力され、PMOSトランジスタ112とNMOSトランジスタ711をオンさせ、PMOSトランジスタ111をオフさせる。こうして、ボルテージレギュレータが起動し出力端子127へボルテージレギュレータの出力電圧が出力される。期間Cで電池107から出力端子127への電流経路となるPMOSトランジスタ121をオフしているため、ボルテージレギュレータの出力電圧が電池107へ逆流することを防ぐことができる。また、出力端子127の電圧は負荷容量109によってしばらく保持されるため、期間Cの時間を短くすることで出力電圧が降下することを防ぐことができる。PMOSトランジスタ104はゲートにレプリカ電流を流すための電圧が保持されているため、急激にボルテージレギュレータの出力に負荷電流が変動するような動作を止める事ができる。また、ボルテージレギュレータの出力電圧が電池電圧VBATより大きければ、期間Cにおいて誤差増幅回路103の反転入力端子の電圧は非反転入力端子の電圧より大きいため、切り替え時にアンダーシュートの発生を抑えることができる。
【0044】
なお、アンプ119は
図2に示す構成のアンプを用いて説明したが、
図3のような通常のアンプを用いて、バイアス電流を端子ENの信号でオンオフできるようにすれば他の構成を用いてもよい。
【0045】
以上により、第三の実施形態の電源切替え回路は、出力端子127の電圧を切り替える前にレプリカ電流をPMOSトランジスタ104に予め流すことで、PMOSトランジスタ104のゲートにレプリカ電流を流すためのゲート電圧を保持する。そして、出力電圧切り替え時にボルテージレギュレータの出力に負荷電流が変動するような動作を止める事ができ、出力電圧切り替え時に出力端子127にアンダーシュートが発生することを防ぐことができる。