特許第5989483号(P5989483)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5989483膜状組織の保存輸送容器および保存輸送方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989483
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】膜状組織の保存輸送容器および保存輸送方法
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20160825BHJP
   C12M 3/00 20060101ALI20160825BHJP
   C12N 5/071 20100101ALI20160825BHJP
【FI】
   C12M1/00 A
   C12M3/00 Z
   C12N5/071
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-209955(P2012-209955)
(22)【出願日】2012年9月24日
(65)【公開番号】特開2014-64475(P2014-64475A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2015年3月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100167623
【弁理士】
【氏名又は名称】塚中 哲雄
(74)【代理人】
【識別番号】100160772
【弁理士】
【氏名又は名称】大串 賢
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 麻奈美
【審査官】 松浦 安紀子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−087030(JP,A)
【文献】 特開2001−299326(JP,A)
【文献】 特開2007−222120(JP,A)
【文献】 特開昭61−070972(JP,A)
【文献】 特開2003−175115(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3149648(JP,U)
【文献】 特開2005−058103(JP,A)
【文献】 特開平07−107872(JP,A)
【文献】 特開平04−020281(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00
C12M 3/00
C12N 5/071
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体由来の細胞からなる膜状組織の、容器内部への収容および容器内部からの取出しが可能な開口部を有する容器本体と、該容器本体の前記開口部に液密に取り付けられる蓋部材とを具えてなり、前記膜状組織を、保存液を充満させた容器内部に収容して、該膜状組織を保存ないし輸送するための膜状組織の保存輸送容器であって、
容器内部および容器外部の相互間での気体の連通をもたらす通気部を設けるとともに、液漏れを防止しつつ前記保存液の注入および除去を可能にする栓もしくは弁付きの液体通過孔を設け、
前記通気部を、前記蓋部材に配置するとともに、前記液体通過孔を、前記容器本体に配置し、
前記蓋部材の内表面が、前記通気部の配設領域の周囲に、容器の高さ方向に沿う断面で、前記容器本体の前記開口部に対して傾斜するとともに、前記通気部に近づくに従って前記開口部から離隔する傾斜面を有するものとし、
前記蓋部材の内側で、前記開口部よりも当該蓋部材側に、容器内部に封入された気体を、前記傾斜面により前記通気部に向けて誘導する気体誘導スペースを形成し、
前記通気部は、前記傾斜面の頂部に形成されていることを特徴とする膜状組織の保存輸送容器。
【請求項2】
前記通気部を無菌フィルタで構成したことを特徴とする請求項1に記載の膜状組織の保存輸送容器。
【請求項3】
前記無菌フィルタを、一端部が前記蓋部材に取り付けられて容器内部に連通される透明もしくは半透明のチューブ部材の他端部に設けたことを特徴とする請求項2に記載の膜状組織の保存輸送容器。
【請求項4】
前記チューブ部材に、該チューブ部材を挟み込んで締め付けて該チューブ部材の内部通路を閉塞させるチューブ締め具を設けたことを特徴とする請求項3に記載の膜状組織の保存輸送容器。
【請求項5】
前記無菌フィルタを疎水性材料にて形成したことを特徴とする請求項2に記載の膜状組織の保存輸送容器。
【請求項6】
前記栓もしくは弁付きの液体通過孔を、保存液注入吸引器具との接続・非接続により弁体が開閉するニードルレスコネクタで構成したことを特徴とする請求項1に記載の膜状組織の保存輸送容器。
【請求項7】
容器内部に配置され、前記液体通過孔から流入する前記保存液の流れを変えて、容器内部に収容された膜状組織を、該保存液の流れから保護する水流制御手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の膜状組織の保存輸送容器。
【請求項8】
前記水流制御手段は、前記容器内部で底部に立設され、前記液体通過孔に対向する水流制御板であることを特徴とする請求項7に記載の膜状組織の保存輸送容器。
【請求項9】
前記容器本体を、一端側に前記開口部を有する筒状の側壁部分と、該側壁部分の他端側を密閉する底部分とで構成し、前記側壁部分の内表面および外表面をともに、容器の高さ方向に直交する断面で閉曲線となる湾曲面としたことを特徴とする請求項1に記載の膜状組織の保存輸送容器。
【請求項10】
前記容器本体の前記側壁部分の内表面および外表面をともに、容器の高さ方向に直交する断面で、円形の断面形状としたことを特徴とする請求項9に記載の膜状組織の保存輸送容器。
【請求項11】
生体由来の細胞からなる膜状組織の、容器内部への収容および容器内部からの取出しが可能な開口部を有する容器本体と、該容器本体の前記開口部に液密に取り付けられる蓋部材とを具え、容器内部および容器外部の相互間での気体の連通をもたらす通気部が設けられるとともに、液漏れを防止しつつ保存液の注入および除去を可能にする栓もしくは弁付きの液体通過孔が設けられ、前記通気部が、前記蓋部材に配置されるとともに、前記液体通過孔が、前記容器本体に配置され、前記蓋部材の内表面が、前記通気部の配設領域の周囲に、容器の高さ方向に沿う断面で、前記容器本体の前記開口部に対して傾斜するとともに、前記通気部に近づくに従って前記開口部から離隔する傾斜面を有し、前記蓋部材の内側で、前記開口部よりも当該蓋部材側に、容器内部に封入された気体を、前記傾斜面により前記通気部に向けて誘導する気体誘導スペースが形成され、前記通気部は、前記傾斜面の頂部に形成されている膜状組織の保存輸送容器の内部に、保存液を充満させるとともに、該容器内部に前記膜状組織を収容して、該膜状組織を保存ないし輸送するに当り、
はじめに、前記蓋部材を、前記容器本体から取り外した状態で、該容器本体内に、一定量の保存液を供給するとともに、該保存液中に前記膜状組織を配置して、容器本体に前記蓋部材を液密に取り付け、次いで、容器内部に封入された気体を前記通気部から排出させつつ、容器内部に保存液を前記液体通過孔から注入して容器内部を保存液で充満させ、
前記膜状組織を収容した保存輸送容器を輸送した後、容器内部に充満させた保存液の一定量を、外気を前記通気部から取り込みながら前記液体通過孔から除去し、その後、容器本体から蓋部材を取り外して、容器本体内の膜状組織を、容器本体から取り出す膜状組織の保存輸送方法。
【請求項12】
前記保存輸送容器は、容器内部に配置され、前記液体通過孔から流入する前記保存液の流れを変えて、容器内部に収容された膜状組織を、該保存液の流れから保護する水流制御手段をさらに具え、
前記水流制御手段は、前記容器内部で底部に立設され、前記液体通過孔に対向する水流制御板であることを特徴とする請求項11に記載の膜状組織の保存輸送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体由来の細胞からなる膜状組織の、容器内部への収容および容器内部からの取出しが可能な開口部を有する容器本体と、該容器本体の前記開口部に液密に取り付けられる蓋部材とを具えてなり、前記膜状組織を、保存液を充満させた容器内部に収容して、該膜状組織を保存ないし輸送するための膜状組織の保存輸送容器および保存輸送方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、病気や怪我等により失われた臓器ないしは組織の機能を回復させる再生医療の分野においては、患者の筋肉から採取した骨格筋芽細胞等を、たとえば細胞培養センターで培養するとともにシート状に形成して、いわゆる骨格筋芽細胞シートその他の膜状組織を作製し、そのような膜状組織を、患者への移植に供するため、保存液を入れた容器内に収容して保存し、そして、膜状組織を収容したその容器を、病院等の医療機関に輸送することがある。
【0003】
ここで、上述した膜状組織は非常に薄膜で極めて脆弱であり、これを医療機関に輸送するに際しては、容器への振動の入力に起因して保存液の液面が波立つこと等によって、容器内で保存液中の膜状組織が破損するおそれがある。
このような膜状組織の破損を防止するため、特許文献1には、「生体由来の細胞からなる膜状組織を保存又は輸送するために使用する膜状組織の保存輸送容器であって、前記膜状組織を原形状の大きさを維持した状態で収容可能な大きさを有する収容部と、前記収容部内に気体層が形成されることがない程度に、前記収容部内に満たされた保存液と、を備え、前記収容部内に満たされた前記保存液中に前記膜状組織が浮遊状態で収容される、ことを特徴とする膜状組織の保存輸送容器」が提案されている。
【0004】
そして、この特許文献1に記載された膜状組織の保存輸送容器によれば、「収容部内を保存液で満たし、当該保存液中に膜状組織を浮遊させたので、保存輸送容器の輸送中に振動が発生し、収容部が振動しても、その内側の保存液が波打ったり流動したりすることがない。これにより、膜状組織に振動が伝わらず、膜状組織の破損を防止できる。」とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−130311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、開口部を有する容器本体と、その容器本体の開口部に液密に取り付けられる蓋部材とを具える膜状組織の保存輸送容器では、膜状組織の、容器内部への収容および容器内部からの取出しができる程度の大きさの前記開口部を、蓋部材で覆蓋することから、輸送に伴って保存液の液面が波立つことを確実に防止できるほどに、容器内部を、空気等の封入なしに保存液で充満させることが難しく、また、輸送後の膜状組織の、容器からの取出しに際しては、容器本体から蓋部材を取り外したときに、容器内部に充満させた保存液がこぼれることがあり、それ故に、保存輸送容器の取り扱いを十分に簡易なものとすることができなかった。
【0007】
本発明は、従来技術が抱えるこのような問題を解決することを課題とするものであり、それの目的とするところは、輸送等に際する膜状組織の破損を有効に防止するための、容器内部への保存液の充満および、容器内部に充満させた保存液の除去を容易に行うことのできる膜状組織の保存輸送容器および保存輸送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の膜状組織の保存輸送容器は、生体由来の細胞からなる膜状組織の、容器内部への収容および容器内部からの取出しが可能な開口部を有する容器本体と、該容器本体の前記開口部に液密に取り付けられる蓋部材とを具えてなり、前記膜状組織を、保存液を充満させた容器内部に収容して、該膜状組織を保存ないし輸送するためのものであって、容器内部および容器外部の相互間での気体の連通をもたらす通気部を設けるとともに、液漏れを防止しつつ前記保存液の注入および除去を可能にする栓もしくは弁付きの液体通過孔を設け、前記通気部を、前記蓋部材に配置するとともに、前記液体通過孔を、前記容器本体に配置し、前記蓋部材の内表面が、前記通気部の配設領域の周囲に、容器の高さ方向に沿う断面で、前記容器本体の前記開口部に対して傾斜するとともに、前記通気部に近づくに従って前記開口部から離隔する傾斜面を有するものとし、前記蓋部材の内側で、前記開口部よりも当該蓋部材側に、容器内部に封入された気体を、前記傾斜面により前記通気部に向けて誘導する気体誘導スペースを形成し、前記通気部は、前記傾斜面の頂部に形成されていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の膜状組織の保存輸送容器では、前記通気部を、前記蓋部材に配置するとともに、前記液体通過孔を、前記容器本体に配置することが好ましい。
この場合においては、前記蓋部材の内表面が、前記通気部の配設領域の周囲に、容器の高さ方向に沿う断面で、前記容器本体の前記開口部に対して傾斜するとともに、前記通気部に近づくに従って前記開口部から離隔する傾斜面を有するものとし、前記蓋部材の内側で、前記開口部よりも当該蓋部材側に、容器内部に封入された気体を、前記傾斜面により前記通気部に向けて誘導する気体誘導スペースを形成することが好ましい。
【0010】
また、本発明の膜状組織の保存輸送容器では、前記通気部を無菌フィルタで構成することができ、この場合、たとえば疎水性材料で形成する前記無菌フィルタは、一端部が前記蓋部材に取り付けられて容器内部に連通される透明もしくは半透明のチューブ部材の他端部に設けることが好ましい。
上述したように、前記無菌フィルタを、前記チューブ部材の他端部に設けたときは、そのチューブ部材には、該チューブ部材を挟み込んで締め付けて該チューブ部材の内部通路を閉塞させるチューブ締め具を設けることが好ましい。
【0011】
ところで、本発明の膜状組織の保存輸送容器では、前記栓もしくは弁付きの液体通過孔を、保存液注入吸引器具との接続・非接続により弁体が開閉するニードルレスコネクタで構成することが好ましい。
なお、本発明の膜状組織の保存輸送容器では、容器内部に配置され、前記液体通過孔から流入する前記保存液の流れを変えて、容器内部に収容された膜状組織を、該保存液の流れから保護する水流制御手段を設けることが好ましい。
【0012】
そしてまた、本発明の膜状組織の保存輸送容器では、前記容器本体を、一端側に前記開口部を有する筒状の側壁部分と、該側壁部分の他端側を密閉する底部分とで構成した場合、前記側壁部分の内表面および外表面をともに、容器の高さ方向に直交する断面で閉曲線となる湾曲面とすることが好ましく、とくに、前記容器本体の前記側壁部分の内表面および外表面をともに、容器の高さ方向に直交する断面で、円形の断面形状とすることが好ましい。
【0013】
また、本発明の膜状組織の保存輸送方法は、生体由来の細胞からなる膜状組織の、容器内部への収容および容器内部からの取出しが可能な開口部を有する容器本体と、該容器本体の前記開口部に液密に取り付けられる蓋部材とを具え、容器内部および容器外部の相互間での気体の連通をもたらす通気部が設けられるとともに、液漏れを防止しつつ保存液の注入および除去を可能にする栓もしくは弁付きの液体通過孔が設けられ、前記通気部が、前記蓋部材に配置されるとともに、前記液体通過孔が、前記容器本体に配置され、前記蓋部材の内表面が、前記通気部の配設領域の周囲に、容器の高さ方向に沿う断面で、前記容器本体の前記開口部に対して傾斜するとともに、前記通気部に近づくに従って前記開口部から離隔する傾斜面を有し、前記蓋部材の内側で、前記開口部よりも当該蓋部材側に、容器内部に封入された気体を、前記傾斜面により前記通気部に向けて誘導する気体誘導スペースが形成され、前記通気部は、前記傾斜面の頂部に形成されている膜状組織の保存輸送容器の内部に、保存液を充満させるとともに、該容器内部に前記膜状組織を収容して、該膜状組織を保存ないし輸送するに当り、
はじめに、前記蓋部材を、前記容器本体から取り外した状態で、該容器本体内に、一定量の保存液を供給するとともに、該保存液中に前記膜状組織を配置して、容器本体に前記蓋部材を液密に取り付け、次いで、容器内部に封入された気体を前記通気部から排出させつつ、容器内部に保存液を前記液体通過孔から注入して容器内部を保存液で充満させ、
前記膜状組織を収容した保存輸送容器を輸送した後、容器内部に充満させた保存液の一定量を、外気を前記通気部から取り込みながら前記液体通過孔から除去し、その後、容器本体から蓋部材を取り外して、容器本体内の膜状組織を、容器本体から取り出すことにある。
【発明の効果】
【0014】
本発明の膜状組織の保存輸送容器によれば、容器内部への膜状組織の収容に際しては、容器本体の開口部に蓋部材を液密に取り付けた状態で、容器に設けた通気部から封入気体を排出しつつ、容器に設けた液体通過孔によって、容器内部に保存液を注入して、これを充満させることができ、また、容器内部からの膜状組織の取出しに際しては、通気部から外気を取り込みつつ、容器内部に充満させた保存液を、液体通過孔から除去することができる。
それにより、容器内部への保存液の充満および、容器内部に充満させた保存液の除去を容易に行うことができ、輸送等に際する膜状組織の破損を有効に防止することができる。
【0015】
また、本発明の膜状組織の保存輸送方法によれば、容器内部に膜状組織を収容するに際して、容器内部への保存液の供給を、蓋部材を取り外した状態および、蓋部材を取り付けた状態の二段階で行い、また、容器内部から膜状組織を取り出すに際して、容器内部に充満させた保存液の除去を、蓋部材を取り付けた状態で行うので、容器内部への保存液の充満および、容器内部に充満させた保存液の除去を、より容易に、また短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の保存輸送容器の一の実施形態を示す、容器の高さ方向に沿う断面図である。
図2図1の保存輸送容器における蓋部材の、容器本体への取付け部分の変形例を示す部分拡大断面図である。
図3図1の保存輸送容器が有する蓋部材の変形例を示す、図1と同様の図である。
図4図1の保存輸送容器の液体通過孔に設けた栓ないし弁、および、その変形例を示す部分拡大断面図である。
図5図1の保存輸送容器を用いて、膜状組織を輸送する方法の各工程を示す、容器の高さ方向に沿う断面図である。
図6図5に続く各工程を示す、図5と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1に例示する膜状組織の保存輸送容器1は、生体由来の細胞からなる膜状組織を、保存液を充満させる容器内部に収容して、その膜状組織を保存ないし輸送するための容器であって、図1の上方側に、たとえば、直径30mm〜300mm、好ましくは直径80mm〜150mm程度で、膜状組織の出し入れ可能な開口部2aを有する容器本体2と、容器本体2の開口部2aに液密に取り付けられる蓋部材3とを具えてなる。
【0018】
なお、一定の厚みを有する薄膜状の上記の膜状組織は、心臓、角膜、網膜、血管、神経、表皮、真皮、軟骨、歯等の臓器や組織の一部もしくは全体、または複数の臓器の、疾患、疾病、欠損に対して再生、治療、治癒促進を目的として用いられ、あるいは、臓器や組織に対する薬品の刺激性、感作性、毒性、薬物の効果、組織への反応等を調べるために用いられる生体由来の構造物であり、この膜状組織としては、たとえば、皮膚組織、粘膜上皮組織、角膜上皮組織、培養皮膚、培養真皮、培養表皮、培養上皮組織、培養角膜組織、軟骨組織、網膜組織、神経フィラメント、人工血管、筋芽細胞組織、生体由来の構造物から作製されたシート状細胞培養物、なかでも、骨格筋芽細胞からなるシート状細胞培養物を挙げることができる。膜状組織は、細胞や細胞分泌物のみで構成されるものとすることができ、さらには、支持体などの生体に由来しない物質を含むことができる。
また、保存液には、たとえば、液体培地、生理食塩水、等張液、緩衝液、ハンクス平衡塩液等を用いることができる。
【0019】
このような保存輸送容器1では、容器内部を保存液で充満させるとともに、そこに膜状組織を収容することにより、膜状組織を輸送するに際し、車両の走行時等に保存輸送容器1に振動が加えられた場合であっても、容器内部に、保存液の波立つ液面がほとんど存在しないことから、保存液が波立つことに起因する脆弱な膜状組織の破損を有効に防止することができる。なおここでいう、保存液の「充満」とは、容器内部の全体を完全に保存液で満たすことのみならず、図1に示すように、蓋部材3が容器本体2の上方に位置するように保存輸送容器1を配置した際に、容器内部の上方に多少の気泡が存在することを含むが、液面を波立たせるほどの空気層はないことを意味する。
【0020】
上述したような、容器内部への保存液の充満を容易に行うため、本発明では、保存輸送容器1に、容器内部と容器外部との間で気体を連通させる通気部4を設けるとともに、液漏れを防止しつつ保存液の注入および除去を可能にする栓もしくは弁付きの液体通過孔5を設ける。
このことによれば、容器本体2に蓋部材3を取り付けた状態で、たとえば、液体通過孔5に、シリンジその他の、後述する保存液注入吸引器具を挿入すること等により、通気部4から、容器内部に封入された気体、多くは空気を排出しつつ、液体通過孔5から保存液を注入することができるので、容器内部に保存液を容易に充満させることができる。
【0021】
また、膜状組織を輸送した後、容器内部から膜状組織を取り出すに際しては、容器内部に保存液が充満した状態で容器本体2から蓋部材3を取り外すと、保存液が開口部2aからこぼれるおそれがあるが、本発明によれば、容器本体2から蓋部材3を取り外す前に、液体通過孔5から容器内部の保存液を、たとえば、保存液注入吸引器具によって吸引することで除去することができるので、輸送後の、容器内部からの保存液の除去を、保存液がこぼれることなしに容易に行うことができる。
【0022】
なおここでは、容器本体2を、一端側(図1では上方側)に前記開口部2aを有するとともに、前記開口部2aの径と実質的に同じ大きさの内径を有する略円筒形状をなす側壁部分2b、および、その側壁部分2bに一体形成されて、側壁部分2bの他端側(図1では下方側)を密閉する略円盤状の底部分2cで構成している。なお、容器本体2の側壁部分2bの内表面および外表面はともに、容器本体2の高さ方向(図1では上下方向)に直交する断面で閉曲線となる湾曲面として、同様の断面で、円形、楕円形もしくは長円形等の断面形状とすることができる他、上記の断面で、方形その他の多角形の断面形状とすることも可能である。
【0023】
また、容器本体2の開口部2aを覆蓋する蓋部材3は、図1に示すところでは、容器本体2に取り付けた状態で、容器本体2の側壁部分2bの一端側で全周にわたって押し潰されて、開口部2aからの液漏れ防止に寄与する、弾性材料からなるOリングその他の環状シール部材3aを有するとともに、該環状シール部材3aの外周側で容器本体2側に延びて、容器本体2の側壁部分2bの外表面に設けた環状突起2dに引っ掛かる引掛り係合部3bを、周方向の複数箇所に形成している。
【0024】
但し、蓋部材の、容器本体への取付け部分は、容器本体の開口部からの液体の漏出を防止できるものであれば、その形状等のいかんを問わないので、たとえば、図2(a)に示すような、容器本体12の側壁部分12bの外表面および、蓋部材13の内側面のそれぞれに設けた、互いに螺合する螺旋状の溝ないし凸部12e,13eや、図2(b)に示すような、容器本体22および蓋部材23の相互を、それらの間に介在させた環状シール部材23aとともに挟み込むクリップ部材24等により、蓋部材を容器本体に液密に取り付けることができる。
【0025】
ここで、液体通過孔5による保存液の注入および除去に際する、通気部4での気体の流通を円滑に行わせるとの観点からは、通気部4を、通常の容器の使用態様で保存輸送容器1の上方側に位置する蓋部材3に設けることが好ましい。図1に示すように、蓋部材3を容器本体2の上方側に位置させて保存輸送容器1を配置した場合、容器内部で、容器本体2の底部分2cから貯留する保存液の上方側に集まる封入気体を、蓋部材3に設けた通気部4から円滑に排除することができるからである。
【0026】
またここでは、容器内部の封入気体をより円滑に排除するため、通気部4を設けた蓋部材3の、容器内部を向く内表面が、通気部4の配設領域の周囲に、容器の高さ方向(図1では上下方向)に沿う図示の断面で、図1では左右方向に平行な開口部2aに対して傾斜するとともに、通気部4に近づくに従って開口部2aから離隔する平面状もしくは曲面状の傾斜面3cを有するものとし、そして、蓋部材3の内側で、開口部2aよりも蓋部材3側に、前記傾斜面3cによって区画される気体誘導スペース3dを形成することが好ましい。
このような気体誘導スペース3dにより、保存液が容器内部で底部分2cから貯留するに伴って、容器内部に封入された気体が、蓋部材3の内表面の、気体誘導スペース3dを形成する傾斜面3cに案内されつつ、通気部4に向けて流れることになるので、通気部4からの封入気体の排出をより円滑かつ確実に行うことができる。
【0027】
図1に示す保存輸送容器1では、気体誘導スペース3dを、蓋部材3の内表面の、通気部4の配設領域の周囲だけに形成し、当該内表面の、気体誘導スペース3d以外の部分を、開口部2aに平行な面としているが、封入気体の排除をさらに円滑かつ確実なものとするとの観点からは、図3に示すように、蓋部材33の内表面の全体にわたる気体誘導スペース33dを設けることが一層好ましい。
なお、図1,3に示すところでは、蓋部材3,33の成形容易性および、材料費の低減等の観点から、蓋部材3,33の、容器外部を向く外表面を、その内表面に平行なものとして、当該外表面および内表面をともに、通気部4の配設領域の周囲で、通気部4から容器本体2に向けて径が漸増するテーパ形状としているも、蓋部材の外表面形状は、図示の態様に限定されるものではない。
【0028】
またここで、通気部4は、図1に示すように、一端部が蓋部材3に取り付けられて容器内部に連通される透明もしくは半透明のチューブ部材4aの他端部に設けるとともに、無菌フィルタ4bで構成することが好ましい。これにより、容器内部に注入した保存液が、透明もしくは半透明のチューブ部材4aに到達するまで貯留したことを目視にて確認することで、容器内部が保存液で充満したか否かを判断することができ、また、外気が流入し得る通気部4を無菌フィルタ4bで構成することにより、容器内部の無菌状態を担保することができる。
【0029】
このように、通気部4を構成する無菌フィルタ4bを、チューブ部材4aの他端部に設けた場合は、容器内部に注入されて充満した保存液が、チューブ部材4aを経て無菌フィルタ4bに達した際の、保存液の液圧による無菌フィルタ4bの破損等を防止するため、チューブ部材4aには、チューブ部材4aを挟み込んで締め付けてチューブ部材4aの内部通路を閉塞させるワンタッチクレンメその他のチューブ締め具4cを設けることが好ましい。
このチューブ締め具4cにより、容器内部に注入される保存液が、チューブ部材4aの途中まで貯留したときに、チューブ締め具4cによってチューブ部材4aの内部通路を閉塞させることで、容器内部を保存液で充満させつつ、保存液の、無菌フィルタ4bへの到達および、それに起因する無菌フィルタ4bの破損を防ぐことができる。
【0030】
またこの場合は、通気部4としての無菌フィルタ4bを、疎水性材料で形成することが好ましい。これにより、容器内部に注入された保存液がチューブ部材4aを経て無菌フィルタ4bまで達した場合、輸送後の保存液の除去の際に、その無菌フィルタ4bに付着した保存液が、通気部4による外気の取り込みを妨げて、保存液の除去が困難となる可能性を排除することができる。
無菌フィルタ4bを形成する疎水性材料としては、ポリプロピレン、ポリエステル系樹脂、フッ素樹脂等を挙げることができる。なお、無菌フィルタ4bの、気体を通過させる孔の孔径は、1μm以下であれば好ましく、0.22μm以下であればより好ましく、0.2μm以下であればさらに好ましい。
【0031】
なお、通気部は、液漏れを生じさせることなしに気体が通過できるものであればよいので、通気部を、図示のように構成することの他、蓋部材に設けた一個もしくは複数個の微小な孔で構成し、あるいは、蓋部材に設けた比較的大きな孔に、気体のみを通過させる上記の無菌フィルタ等のフィルタ部材を設けて構成することもできる。
【0032】
一方、図示は省略するが、通気部を容器本体2に設けることも可能である。なおこの場合は、容器内部で、一端部が前記通気部に気密に取り付けられるとともに、他端部を容器内部の上方側に位置させる気体収集チューブ等を設けることができ、これにより、保存液の貯留に伴って容器内部の上方側に溜まる気体を、前記気体収集チューブを介して、容器本体2に設けた通気部から排出することができる。
【0033】
そしてまた、液体通過孔5は、図1に示すように容器本体2に設けることが、図示のように保存輸送容器1を配置した状態で、容器本体2の底部分2c側から貯留する保存液の液面を比較的波立たせることなく、液体通過孔5から保存液を注入できる点で好ましい。なおとくに、液体通過孔5と、蓋部材3の、容器本体2への取付け部分、図1では引掛り係合部3bとの干渉を避けるため、液体通過孔5は、容器本体2の側壁部分2bの、底部分2c側の領域に設けることが好ましい。
但し、液体通過孔を蓋部材3に設けることも可能であり、この場合、容器内部に、当該液体通過孔から底部分2c付近まで延びるチューブを設けることができる。
【0034】
ここにおいて、通常時は液漏れを防止する一方で、容器内部への保存液の注入および、容器内部の保存液の除去の際は液体の通過を可能とする栓・弁付き液体通過孔は、たとえば、図4(a)に拡大図で示すような、保存液注入吸引器具100との接続・非接続により弁体が開閉するニードルレスコネクタ5で構成することができる。
より詳細には、図4(a)に示すこのニードルレスコネクタ5は、図4(a)では右側に位置する一端側が容器本体2の側壁部分2bに取り付けられるとともに、図4(a)では左側に位置する他端側に開口部を有する外筒5aと、外筒5aの内側に配置されて、外筒5aの他端側の端部をスリット5b付きの円板で密閉した、内外側面が蛇腹形状の筒状をなす弁体5cとからなる。
【0035】
図4(a)に示すニードルレスコネクタ5は、保存液注入吸引器具100が挿入されていない図示の状態では、弁体5cに設けたスリット5bが閉じて、そこからの液漏れを防止することができる。一方、保存液注入吸引器具100が外筒5aの他端側から挿入された場合は、弁体5cの蛇腹部分が外筒5aの軸線方向に押し縮められるとともに、スリット5bが開いて、保存液注入吸引器具100による、容器内部への保存液の注入および、容器内部の保存液の吸引除去が可能となる。
【0036】
また、図4(a)に示すニードルレスコネクタ5に代えて、栓・弁付き液体通過孔を、図4(b)に示すような、開口部を有する外筒15aと、外筒15aの内部に配置されて外筒15aの開口部を開閉するスリット付き弁体15bと、弁体15bを外筒15aの開口部に向けて付勢するコイルばね15cと、コイルばね15cの内側に配置されて、保存液注入吸引器具100の挿入により外筒の内側に入り込む弁体15bのスリットを開く内筒15dとを具えるニードルレスコネクタ15とすることもできる。
図4(a)および(b)に示すニードルレスコネクタ5,15は、先端に針を設けない保存液注入吸引器具100を用いることができるので、安全な取り扱いが可能となる。
【0037】
この一方で、栓・弁付き液体通過孔は、図4(c)に示すような、液体通過孔25aに、弾性材料からなる栓部材25bを液密に嵌め込んで構成することも可能である。なおこの場合は、図示のような、先端に、金属製もしくはプラスチック製の針を設けた保存液注入吸引器具101を用いることができる。
【0038】
ところで、液体通過孔5から注入される保存液の流れが、容器内部に配置した膜状組織の破損を招くおそれがあることから、これを防止するためには、容器内部に、液体通過孔5から流入する保存液の流れを変えて、容器内部に収容された膜状組織を、保存液の流れから保護する水流制御手段を設けることが有効であり、この水流制御手段の一例として、図1に例示するところでは、容器内部で、底部分2cに立設されて、液体通過孔5に対向する水流制御板6を設けている。
【0039】
図1に示す水流制御板6は、液体通過孔5から容器内部に流入した直後の保存液を、容器本体2の周方向あるいは容器本体2の上部に流すべく、その流れを変更して、容器本体2の中央域に配置される膜状組織を、容器内部に流入する保存液の水撃等から保護するとともに、容器内部の保存液を除去する際に、保存液が液体通過孔5から吸引されるに伴って、膜状組織をも吸引されることを防止するべく機能する。
なお、水流制御手段としては、水流制御板に代えて、図示は省略するが、容器本体2の側壁部分2bに設ける液体通過孔を、その側壁部分2bの内部で二叉以上に分岐させて形成することで、当該液体通過孔から注入される保存液の流れを変更することもできる。
【0040】
以上に述べたような保存輸送容器1を用いて、膜状組織を輸送するに当っては、はじめに、図5(a)に示すように、蓋部材3を取り外した容器本体2の内部に、容器本体2の開口部2aに到達しない程度の一定量の保存液Lを供給するとともに、該保存液L中に膜状組織Cを、たとえば浮遊させた状態で配置して、図5(b)に示すように、蓋部材3を、容器本体2の開口部2aに液密に取り付ける。
【0041】
次いで、図5(c)に示すように、液体通過孔5に保存液注入吸引器具100等を挿入するとともに、液体通過孔5から保存液Lを注入して、容器内部を保存液Lで充満させる。このとき、蓋部材3を容器本体2に取り付けた後に容器内部に封入された気体Aは、液体通過孔5からの保存液Lの注入に伴って、通気部4から排出されることになる。
【0042】
そしてその後、膜状組織Cを、それを内部に収容する保存輸送容器1とともに、たとえば車両に積載して輸送するが、ここでは、保存輸送容器1の内部を保存液Lで充満させたことにより、保存輸送容器1に振動が加わっても、容器内部の保存液Lに、波立つ液面がほとんど存在しないことから、その保存液L中の膜状組織Cの破損を有効に防止することができる。
【0043】
膜状組織を輸送した後は、容器内部から膜状組織を取り出すため、図6(a)に示すように、液体通過孔5に挿入した保存液注入吸引器具100等によって、液体通過孔5から、容器内部に充満させた保存液Lを、容器本体2の開口部2aよりも液面が低くなるまで一定量吸引して除去する。なおここでは、保存液Lの除去に伴い、通気部4から外気が取り込まれることになる。
【0044】
しかる後、図6(b)に示すように、蓋部材3を容器本体2から取り外して、残りの保存液Lおよび膜状組織Cを、容器内部から取り出す。保存液の充填及び除去の作業は、例えば、クリーンルーム、手術室、または無菌環境下などで行われる。
なおここでは、蓋部材3を容器本体2から取り外すに先立って、容器内部に充満させた保存液Lの一定量を、液体通過孔5から予め除去しているので、蓋部材3の取外しに際して、容器内部の保存液Lがこぼれるおそれを取り除くことができる。
【0045】
従って、図示の保存輸送容器1によれば、通気部4および栓・弁付き液体通過孔5を設けたことにより、容器内部への保存液の充満および、容器内部の保存液の除去を、保存液がこぼれることなしに容易に行うことができ、その結果として、保存輸送容器1の取り扱いを極めて簡易なものとすることができる。
【0046】
なお、上述したところにおいて、容器本体および蓋部材等を形成する材質としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂等の各種樹脂材料、あるいはこれらのうちの一種以上を含むブレンド体、ポリマーアロイ等を挙げることができる。また、その他にも、各種ガラス材、セラミックス材料、金属材料で構成することも可能である。
【0047】
また、環状シール部材、弁体等を形成する弾性材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのような各種ゴム材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 膜状組織の保存輸送容器
2,12,22 容器本体
2a 開口部
2b,12b,22b 側壁部分
2c 底部分
2d 環状突起
12e,13e 螺旋状の溝ないし凸部
3,13,23,33 蓋部材
3a,23a 環状シール部材
3b 引掛り係合部
3c,33c 傾斜面
3d,33d 窪み部分
24 クリップ部材
4 通気部
4a チューブ部材
4b 無菌フィルタ
4c チューブ締め具
5,15,25 栓・弁付き液体通過孔
5a,15a 外筒
5b スリット
15b スリット付き弁体
5c 弁体
15c コイルばね
15d 内筒
25a 液体通過孔
25b 栓部材
6 水流制御板
100,101 保存液注入吸引器具
L 保存液
C 膜状組織
A 封入気体
図1
図2
図3
図4
図5
図6