(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
歯科診療では、患者に対して種々の処置が行われる。患者に対する処置の例として、例えば、虫歯治療、抜歯、補綴、矯正治療、ホワイトニング等がある。これらの処置について、歯科医師によっては、同じ処置を連続して受け付けたくない等の要望がある。
【0005】
例えば、虫歯治療の後に矯正治療を行うことは構わないが、虫歯治療の患者を2名連続して処置することは、治療効率の観点から避けたい等の事情がある。しかしながら、従来の診療予約システムでは、このような処置の種類に応じた予約受付の調整を行っていない。患者に対して処置を行った次の患者に対し、別の処置は受け付けるが前の患者と同じ処置は受け付けないような調整機能を有する予約システムの提案が要望されている。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、処置の種類に応じて、予約の受付の可否を調整することのできる予約システム、予約方法、及び、予約プログラムを提供することを例示的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、入力装置と、表示部と、患者に対する処置が可能な時間帯を示す診療時間データを有して構築された診療時間データベースと、患者に対する複数の処置ごとに割り当てられた複数の処置データと、複数の処置に必要な時間を示す複数の処置時間データと、複数の処置のうち特定の処置の受付を制限する時間を示す特定処置制限時間データとが相互に関連付けられて構築された処置データベースと、患者が予約を希望する処置に対応する希望処置データと、患者が予約を希望する時間に対応する希望時間データと、を含む予約希望データの入力装置を介した入力を受け付ける受付手段と、処置データベースに基づき、予約希望データに対応する処置時間データと特定処置制限時間データとを抽出する抽出手段と、予約希望データに対応する処置時間データと診療時間データとに基づき新たな患者に対する予約受付が不可能な予約済み時間帯を表示部に表示し、かつ、予約希望データに対応する特定処置制限時間データに基づき、新たな患者に対する特定の処置の受付を制限すると共に特定の処置以外の処置の受付を制限しない受付制限時間帯を予約済み時間帯と区別して表示部に表示する表示手段と、を有する。
【0008】
診療時間データベースは、患者に対する処置が可能な時間帯を示す診療時間データを担当医師ごとに複数有して構築され、予約希望データは、患者が処置の担当を希望する担当医師に対応する担当医師データを更に有し、表示手段は、担当医師ごとの予約希望データに対応する処置時間データと担当医師ごとの診療時間データとに基づき予約済み時間帯を表示部に表示し、担当医師ごとの予約希望データに対応する特定処置制限時間データに基づき受付制限時間帯を予約済み時間帯と区別して表示部に表示してもよい。
【0009】
患者ごとに割り振られた識別情報である患者識別データと患者ごとの備考情報を示す患者備考データとが相互に関連付けられて構築された患者データベースを更に有し、受付手段は、患者識別データの入力装置を介した入力を更に受け付け、抽出手段は、患者データベースに基づいて患者識別データに関連付けられた患者備考データを抽出し、表示手段は、患者備考データを表示部に表示してもよい。
【0010】
患者の来院時刻の入力を、入力装置を介して受け付ける来院時刻受付手段を更に有し、表示手段は、来院時刻と希望時間データとの差分に基づき表示部にメッセージ表示を行ってもよい。
【0011】
複数の処置のうちの一の処置とその一の処置に関連付けられた特定の処置とが同一の処置であり、特定の処置の受付の制限は特定の処置の受付の禁止であってもよい。
【0012】
本発明の他の例示的側面としての予約方法は、入力装置と表示部とを備えたコンピュータに、患者が予約を希望する処置に対応する希望処置データと、患者が予約を希望する時間に対応する希望時間データと、を含む予約希望データの入力装置を介した入力を受け付ける受付ステップと、患者に対する複数の処置ごとに割り当てられた複数の処置データと、複数の処置に必要な時間を示す複数の処置時間データと、複数の処置のうち特定の処置の受付を制限する時間を示す特定処置制限時間データとが相互に関連付けられて構築された処置データベースに基づき、予約希望データに対応する処置時間データと特定処置制限時間データとを抽出する抽出ステップと、予約希望データに対応する処置時間データと患者に対する処置が可能な時間帯を示す診療時間データとに基づき新たな患者に対する予約受付が不可能な予約済み時間帯を表示部に表示し、かつ、予約希望データに対応する特定処置制限時間データに基づき、新たな患者に対する特定の処置の受付を制限すると共に特定の処置以外の処置の受付を制限しない受付制限時間帯を予約済み時間帯と区別して表示部に表示する表示ステップと、を実行させる。
【0013】
本発明の更に他の例示的側面としての予約プログラムは、入力装置と表示部とを備えたコンピュータを、患者が予約を希望する処置に対応する希望処置データと、患者が予約を希望する時間に対応する希望時間データと、を含む予約希望データの入力装置を介した入力を受け付ける受付手段、患者に対する複数の処置ごとに割り当てられた複数の処置データと、複数の処置に必要な時間を示す複数の処置時間データと、複数の処置のうち特定の処置の受付を制限する時間を示す特定処置制限時間データとが相互に関連付けられて構築された処置データベースに基づき、予約希望データに対応する処置時間データと特定処置制限時間データとを抽出する抽出手段、及び、予約希望データに対応する処置時間データと患者に対する処置が可能な時間帯を示す診療時間データとに基づき新たな患者に対する予約受付が不可能な予約済み時間帯を表示部に表示し、かつ、予約希望データに対応する特定処置制限時間データに基づき、新たな患者に対する特定の処置の受付を制限すると共に特定の処置以外の処置の受付を制限しない受付制限時間帯を予約済み時間帯と区別して表示部に表示する表示手段、として機能させる。
【0014】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施の形態によって明らかにされるであろう。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、処置の種類に応じて、予約の受付の可否を調整することができる。例えば、同じ処置(治療や診療等)が連続してしまうのを避けることができる。したがって、同じ処置が繰り返されることによる心理的、又は手順上の処置の効率(治療効率、診療効率)の低下を防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、実施形態に係る予約システムSの使用状態を説明する全体構成図である。予約システムSは、例えば歯科医院において使用される。本実施形態では、予約システムSを歯科医院に適用した場合について説明するが、もちろん歯科以外の医院、病院、施術院、診療所等の医療機関に適用することが可能である。また、医療機関以外の種々の予約サービス提供業(例えば、マッサージ業、人材派遣業等)に適用することも可能である。
【0018】
歯科医院では、診療室R1内に複数の診療台A1〜A3が設置され、複数の担当医師(担当歯科医師)D1〜D3が各々診療、治療、施術等を含む処置を行っている。診療室R1と異なる場所に処置受付室R2が設置されている。処置受付室R2に実施形態に係る予約システムSが配置され、患者B1の希望を聞き入れつつ予約担当者B9が予約入力操作を行う。
【0019】
図2は、予約システムSの概略構成を示す構成図である。予約システムSは、内部に予約プログラムPを格納したコンピュータであり、キーボード及び/又はマウス等の入力装置1と表示部2とを有する。予約システムSは、内部に、コンピュータの主要部としてのCPU(演算処理装置)3と記憶装置としてのメモリ4とを備える。
【0020】
メモリ4内部には、予約プログラムP、診療時間データベースDB1、処置データベースDB2、患者データベースDB3が格納されている。予約プログラムPが実行されることにより、コンピュータの主要部としてのCPU3が、受付手段P1、抽出手段P2、表示手段P3として機能するようになっている。以下、各データベースの構成について説明し、その後に予約プログラムPによって発揮されるCPU3の各機能について説明する。
【0021】
図3は、診療時間データベースDB1内部のデータ構造の概略を示すデータ構造図である。診療時間データベースDB1は、担当医師D1〜D3ごとの診療時間データJ1〜J3を有して構築されている。診療時間データJ1〜J3は、担当医師D1〜D3ごとに患者に対する処置が可能な時間帯である。例えば、診療開始前や診療終了後の時間帯(いわゆる診療外時間)や休日は診療時間データから除外される。担当医師D1〜D3ごとの休憩時間や休暇日、欠勤日等も診療時間データから除外される。
【0022】
例えば、本実施形態では、担当医師D1の診療時間データJ1は、月曜から金曜までの毎日9:00〜12:00と13:00〜17:00である。担当医師D2の診療時間データJ2は、水曜から土曜までの毎日13:00〜20:00までである。担当医師D3の診療時間データJ3は、月曜、水曜、及び金曜の8:00〜12:00と13:00〜15:00である。
【0023】
上記診療時間データベースDB1によって、この予約システムSでは以下の作用を実現する。すなわち、予約システムSの表示部2に後述する予約スケジュールを表示する際に、担当医D1〜D3ごとの予約状況、空き時間を表示することができる。また、担当医を指定せずに予約スケジュールを表示することにより、すべての担当医D1〜D3に共通する予約状況、例えば、いずれの担当医D1〜D3でも処置受付可能な空き時間を表示することができる。
【0024】
図4は、処置データベースDB2内部のデータ構造の概略を示すデータ構造図である。処置データベースDB2は、患者に対する複数の処置ごとに割り当てられた複数の処置データ5と、複数の処置に必要な時間を示す複数の処置時間データ6と、複数の処置の各々に対応する特定の処置を示す特定処置データ7と、特定の処置の受付を禁止する時間を示す特定処置禁止時間データ(特定処置制限時間データ)8とが相互に関連付けられて構築されている。
【0025】
例えば、本実施形態においては、処置データ5は、虫歯治療5a、抜歯5b、矯正治療5cの処置に対応している。虫歯治療5aに対応する処置時間データ6は60分、抜歯5bに対応する処置時間データ6は30分、矯正治療5cに対応する処置時間データ6は90分である。各処置データ5a〜5cに各々対応する特定処置データ7は、本実施形態では、それぞれ処置データ5a〜5cと同じ処置である。すなわち、虫歯治療5aに対応する特定処置データ7は虫歯治療であり、抜歯5bに対応する特定処置データ7は抜歯であり、矯正治療5cに対応する特定処置データ7は矯正治療である。更に、各特定処置データ7に各々対応する特定処置禁止時間データ8は、対応する処置時間データ6と同じ時間である。すなわち、虫歯治療の特定処置データ7に対応する特定処置禁止時間データ8は60分、抜歯の特定処置データ7に対応する特定処置禁止時間データ8は30分、矯正治療の特定処置データ7に対応する特定処置禁止時間データ8は90分である。
【0026】
上記処置データベースDB2によって、この予約システムSでは以下の作用を実現する。すなわち、いずれかの担当医D1〜D3は患者B1の虫歯治療5aを処置として行った後、60分間は虫歯治療の処置の受付をしないが、虫歯治療以外の処置(例えば、抜歯や矯正治療等)は受け付ける。いずれかの担当医D1〜D3は患者B1の抜歯5bを処置として行った後、30分間は抜歯の処置の受付をしないが、抜歯以外の処置(例えば、虫歯治療や矯正治療等)は受け付ける。いずれかの担当医D1〜D3は患者B1の矯正治療5cを処置として行った後、90分間は矯正治療の処置の受付をしないが、矯正治療以外の処置(虫歯治療や抜歯等)は受け付ける。
【0027】
図5は、患者データベースDB3内部のデータ構造の概略を示すデータ構造図である。患者データベースは、患者B1〜B3ごとに割り振られた識別情報である患者識別データ9aと、患者B1〜B3ごとの備考情報を示す患者備考データ9bとが相互に関連付けられて構築された患者データベースである。例えば、患者B1に対して、「予約時間に遅刻しがちである」との患者備考データ9bが関連付けられている。患者B2に対して、「歯石がつきやすい体質」との患者備考データ9bが関連付けられている。患者B3に対して、「薬の服用をあまり守らない」との患者備考データ9bが関連付けられている。
【0028】
上記患者データベースDB3によって、この予約システムSでは以下の作用を実現する。すなわち、予約希望データの入力時(予約受付時)に、その患者B1〜B3の患者備考データ9を表示部2に表示させることができる。したがって、例えば、患者B1の予約受付時に、予約担当者B9が患者B1に対し、「予約時間に遅れないようにしてください。」と注意を促すことができる。患者B2の予約受付時に、予約担当者B9が患者B2に対し、「次回は歯石の除去もいかがですか。」と処置を案内することができる。患者B3の予約受付時に、予約担当者B9が患者B3に対し、「お薬はちゃんと忘れずに飲んでください。」と注意を促すことができる。
【0029】
なお、患者識別データ9aは、患者B1〜B3の患者名であってもよいし、患者B1〜B3ごとに各々割り当てられた患者番号「001」、「002」、「003」であってもよい。
【0030】
次に、予約プログラムPによって発揮されるCPU3の各機能について説明する。
【0031】
受付手段P1は、予約システムSとしてのコンピュータに、キーボード又はマウス等の入力装置1を介して入力された予約希望データの入力を受け付ける機能を有する。予約希望データは、患者識別データ9a、希望処置データ13a、希望時間データ13b、担当医師データ13cを含む。患者識別データ9aは、患者B1〜B3を識別するためのデータである。希望処置データ13aは、患者が予約を希望する処置を示すデータである。希望時間データ13bは、患者が予約を希望する時間を示すデータである。担当医師データ13cは、患者が処置の担当を希望する担当医師を示すデータである。
【0032】
図6は、患者の予約受付画面10の表示例を示す図である。予約システムSとしてのコンピュータで予約プログラムPを起動すると、予約受付画面表示ボタン11と予約スケジュール表示ボタン12とが表示部2に表示される。ここで、予約担当者B9が予約受付画面表示ボタン11を入力装置1としてのマウスでクリックすると、予約受付画面10が表示部2に表示される。
【0033】
予約受付画面10には、患者名入力枠10a、処置入力枠10b、担当医師入力枠10cが表示される。予約担当者B9が入力装置1を介して患者名入力枠10aに患者B1の患者名を入力し、処置入力枠10bに患者B1が希望する処置名(例えば、虫歯治療5a)を入力し、担当医師入力枠10cに患者B1の担当医師名(例えば、担当医師D1)を入力する。担当医師の指定を希望しない場合には、担当医師入力枠10cには担当医師名を入力しなくてもよい。
【0034】
患者名入力枠10aに入力された患者名(B1)が患者識別データ9aとして受付手段P1によって受け付けられる。処置入力枠10bに入力された処置名(虫歯治療)が希望処置データ13aとして受付手段P1によって受け付けられる。担当医師入力枠10cに入力された担当医師名(D1)が担当医師データ13cとして受付手段P1によって受け付けられる。
【0035】
なお、患者ごとに割り当てられた患者番号(001)が、患者名の代わりに患者名入力枠10aに入力されるようになっていてもよい。担当医師ごとに医師コードが割り当てられており、その医師コードが担当医師名の代わりに担当医師入力枠10cに入力されるようになっていてもよい。また、患者名、患者番号、処置名、担当医師名、医師コード等のデータの各入力枠10a〜10cへの入力は、キーボードを用いて直接文字入力をするものであっても、予め登録されている情報の中からプルダウンメニューによってマウスにより選択するものであってもよい。
【0036】
抽出手段P2は、処置データベースDB2に基づき、処置入力枠10bに入力された処置名(希望処置データ13a)に対応する処置時間データ6と特定処置データ7と特定処置禁止時間データ8とを抽出する機能を有する。具体的には、処置入力枠10bに「虫歯治療」の処置名が入力されると、その虫歯治療5aに対応する処置時間データ6として「60分」が、特定処置データ7として「虫歯治療5a」が、特定処置禁止時間データ8として「60分」が抽出手段P2によって抽出される。
【0037】
抽出手段P2は、患者データベースDB3に基づき、患者名入力枠10aに入力された患者名(患者識別データ9a)に対応する患者備考データ9bを抽出する機能も有する。具体的には、患者名入力枠10aに「患者B1」の患者名が入力されると、患者B1に対応して「予約時間に遅刻しがちである」との患者備考データ9bが抽出手段P2によって抽出される。
【0038】
抽出手段P2は、診療時間データベースDB1に基づき、担当医師入力枠10cに入力された担当医師名(担当医師データ13c)に対応する診療時間データを抽出する機能も有する。具体的には、担当医師入力枠10cに「担当医師D1」の医師名が入力されると、その担当医師D1に対応する診療時間データJ1が抽出手段P2によって抽出される。
【0039】
担当医師入力枠10cに担当医師名が入力されていない場合には、抽出手段P2は、診療時間データベースDB1に基づき、診療時間データベースDB1内のすべての担当医師D1〜D3の診療時間データJ1〜J3を抽出する。
【0040】
患者名入力枠10a、処置入力枠10b、担当医師入力枠10cへの入力が完了し、予約担当者B9が予約スケジュール表示ボタン12をマウスクリックすると、表示手段P3によって表示部2に予約スケジュール画面20が表示される。
図7は、患者の予約スケジュール画面20の表示例を示す図である。
【0041】
表示手段P3は、予約希望データに対応する処置時間データ6と診療時間データJ1とに基づき、新たな患者B1に対する予約受付が不可能な予約済み時間帯14を表示部2に表示する機能を有する。更に、予約希望データに対応する特定処置禁止時間データ8に基づき、新たな患者B1に対する特定処置の受付を禁止すると共に特定処置以外の処置の受付を禁止しない受付禁止時間帯(受付制限時間帯)18を表示する。
【0042】
ここで、今から予約をしようとする新たな患者が患者B1であり、表示手段P3により予約スケジュール画面20に既に表示されている予約済み時間帯14及び受付禁止時間帯18は、新たな患者B1と異なる患者であって、既に予約を完了させている患者B2,B3・・の処置時間データ6及び特定処置禁止時間データ8とに基づいている。また、この実施形態では、担当医師D1が担当医師入力枠10cに入力されているので、担当医師D1ごとの予約希望データ(すなわち、担当医師D1が指定された予約希望データ)及び診療時間データJ1に基づいて予約スケジュール画面20が表示されている。
【0043】
表示手段P3は、患者識別データ9aに基づいて、患者の患者備考データ9bを表示部2に表示する機能を有する。この機能に基づき、予約しようとする新たな患者B1の患者備考データ9bである「予約時間に遅刻しがちである」とのメッセージが表示部2に表示される。
【0044】
予約スケジュール画面20には、担当医師D1の診療時間データJ1に基づき、担当医師D1の診療不可時間帯16が黒塗りで表示されている。この診療不可時間帯16は、歯科医院の休日、診療外時間、担当医師D1の休暇日、欠勤日、休憩時間等に基く時間帯であって、担当医師D1がそもそも歯科医院に不在であって診療が不可能な時間帯である。
【0045】
予約スケジュール画面20には、担当医師D1の予約済み時間帯14が斜線で表示されている。この予約済み時間帯14は、担当医師D1を指定して既に入力された他の患者B2,B3・・の予約に対応している。すなわち、他の患者B2,B3・・の予約希望データに係る希望処置データ13a及び希望時間データ13bに対応する処置時間データ6である。担当医師D1が、既に予約済みの患者B2,B3・・を処置するのに必要な時間帯である。
【0046】
予約スケジュール画面20に表示された診療不可時間帯16及び予約済み時間帯14以外の時間帯、すなわち空欄の時間帯が担当医師D1の空き時間帯17である。予約担当者B9は、空き時間帯17のいずれかをマウスによりクリックすることで、新たな患者B1の予約希望データに係る希望時間データ13bを選択することができる。
【0047】
例えば、
図7において、火曜日の14:30を予約担当者B9がマウスクリックすると、患者B1の虫歯治療5aの予約が火曜日の14:30〜15:30までの60分で予約完了する。これは、患者B1の予約希望データに係る担当医師データ13c(担当医師D1)、希望処置データ13a(虫歯治療5a)、希望時間データ13b(火曜日の14:30)が受付手段P1によって受け付けられ、処置時間データ6(60分)、特定処置データ7(虫歯治療)、特定処置禁止時間データ8(60分)が抽出手段P2によって抽出されたことを意味する。
【0048】
これにより、担当医師D1の予約スケジュール画面20において、火曜日の14:30〜15:30の60分が空き時間帯17から予約済み時間帯14へと変更され、この時間帯が斜線表示に変更される。
【0049】
この患者D1の予約入力により、特定処置データ7及び特定処置禁止時間データ8に基づき、火曜日の15:30〜16:30の60分間は、担当医師D1にとっての虫歯治療受付禁止時間帯(受付禁止時間帯、受付制限時間帯)18となる。すなわち、火曜日の15:30〜16:30は、担当医師D1は、虫歯治療以外の処置は行うが、虫歯治療は行わない。したがって、患者D1の予約完了の後に、また別の新たな患者が担当医師D1に虫歯治療を行ってもらおうと予約をする際に、火曜日の15:30〜16:30の間の時間帯を希望時間データ13bとしてマウスクリックした場合には、この火曜日の15:30〜16:30が虫歯治療受付禁止時間帯18として予約済み時間帯14と区別して縦線表示される。
【0050】
図7の予約スケジュール画面20では、水曜日の13:00〜14:00に、既に虫歯治療の予約が入っており、この時間帯が予約済み時間帯14となっている。すなわち、患者B1の予約前の時点で、水曜日の14:00〜15:00は、虫歯治療受付禁止時間帯18である。したがって、患者B1が上述のように火曜日の14:30でなく水曜日の14:30に虫歯治療の予約を入力しようとし、予約担当者B9が水曜日の14:30をマウスクリックした場合は、水曜日の14:00〜15:00が虫歯治療受付禁止時間帯18として縦線表示される。
【0051】
このように、患者の予約入力の際に、予約済み時間帯14と区別して虫歯治療受付禁止時間帯18を表示することにより、担当医師D1が処置中ですべての予約の受付ができない予約済み時間帯14と虫歯治療以外の処置であれば受付可能な虫歯治療受付禁止時間帯18とを区別して表示することができ、予約担当者B9の作業を効率化することができる。また、担当医師D1に虫歯治療の連続処置を担当させることを避けることができ、担当医師の負荷軽減に寄与する。
【0052】
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
【0053】
虫歯治療受付禁止時間帯18は、上記に説明したように、予約担当者B9が虫歯治療受付禁止時間帯18に対応する時間帯をマウスクリックした時点で予約スケジュール画面20に表示されてもよいし、予約スケジュール画面20が表示部2に表示された当初から表示されていてもよい。また、虫歯治療受付禁止時間帯18には、虫歯治療の予約が入力できないようになっていてもよいし、虫歯治療受付禁止時間帯18に虫歯治療の予約を入力しようとすると、縦線表示はされるものの、予約入力はできるようになっていてもよい。
【0054】
上記では、担当医師D1を指定し、担当医師D1についての予約スケジュール画面20を表示部2に表示する場合について説明した。担当医師入力枠10cに担当医師名を入力しない場合は、すべての担当医師D1〜D3の診療時間データJ1〜J3及び予約希望データに基づき予約スケジュール画面が表示されてもよい。この場合において、予約スケジュール画面には、担当医師D1〜D3のいずれもが空いている空き時間帯が空欄表示されてもよいし、担当医師D1〜D3のいずれかが空いている空き時間帯が空欄表示されてもよい。もちろん、担当医師D1〜D3ごとに、複数の予約スケジュール画面が表示部2に表示されるようになっていてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、特定処置データ7の内容が各々対応する処置データ5の内容と同じ処置である場合について説明したが、処置データ5と対応する特定処置データ7とが異なる処置であってもよい。その場合、特定処置禁止時間データ8は処置データ5に対応する処置時間データ6と同じ時間であってもよいし、特定処置データ7に対応する処置時間であってもよいし、他の時間を任意に設定してもよい。
【0056】
[変形例]
変形例に係る予約システムSは、更に患者の来院時刻の入力を、入力装置1を介して受け付ける来院時刻受付手段を有している。すなわち、予約プログラムPによって、CPU3が、来院時刻受付手段としても機能する。この場合、既に予約済みの患者B1が診療日時に歯科医院に来院すると、その来院時刻が予約システムSによって受け付けられる。具体的には、予約システムSの表示部2に来院受付画面が表示されており、その来院受付画面内に、患者名を入力枠するための入力枠が配置されている。
【0057】
その入力枠に、来院した患者の患者名B1又は患者番号(001)を入力すると、時刻受付手段によって、患者名B1に対応する患者識別データ9aと来院時刻(より詳しくは、患者名B1等を入力枠に入力した時刻)とが受け付けられる。
【0058】
予約システムS内部では、患者B1のその日の予約に係る予約時刻である希望時間データ13bと来院時刻とが比較される。そして、その差分が一定以上である場合、すなわち、患者B1が、予約時刻に対して一定時間以上遅刻している場合に、表示手段P3が、その差分に基づき表示部2にメッセージ表示を行う。メッセージ表示は、例えば、「○○分の遅刻です。」との警告メッセージを表示するものであってもよい。患者の予約時刻である希望時間データ13bと来院時刻との差分がどの程度以上の場合にメッセージ表示し、どの程度未満の場合にメッセージ表示しないかについては、設計的に適宜決定することができる。