(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
生成された前記音パルスの第1の列は、繰返しの際に脳幹内の前記ニューロンのうちの少なくとも1つを誘発させるように構成される少なくとも1つの音パルスを備える予め定められた固定された音パルスの列であり、前記音パルスは、前記被験者の脳幹ニューロンの前記集団の活動を誘発させ、
生成された音パルスの第2の列は、前記音パルスの第1の列の少なくとも1つの修正済みの音パルスを備え、音パルスの第2の列を形成する音パルスの修正は、前記音パルスの列の各々の音パルスの前、後または上にノイズを追加すること、および/または、前記音パルスの第1の列と比較して前記音パルスの第2の列の周波数および/または振幅の増大および/または減少によるものを備え、
前記第1の脳幹反応信号(90)は、前記音パルスの第1の列(11)に対応し、前記
被験者の側方脳幹反応状態についての、前記音刺激(10)の範囲内の基準状態信号を与える、請求項1に記載の装置。
前記制御部は、前記パターンプロファイルと既知のプロファイルの集団を含むデータベースからの既知のプロファイルとを比較し、前記被験者が向精神性の化合物または物質または食品の影響下にあるか否かを判断するように適合される、請求項4に記載の装置。
前記制御部は、前記パターンプロファイルと既知のプロファイルの集団を含むデータベースからの既知のプロファイルとを比較し、前記被験者にとって効果的な療法および/または治療を判断するように適合される、請求項4に記載の装置。
前記システムは、向精神性の化合物または物質または食品またはプラシーボまたは療法の投与後、第2の時間である少なくとも前記時間にわたって、前記音刺激を繰返し生成して前記被験者に送るように適合され、
前記第2の時間継続する測定セッション中に、被験者の脳幹反応状態の進展は前記システムによってリアルタイムでモニタリングされて判断され、前記被験者の脳幹反応状態の進展の判断は、現在の側方脳幹反応状態と前記被験者の前記ベースラインとの比較である、請求項8に記載のシステム。
前記システムは、前記被験者の脳幹反応状態に対する向精神性の化合物または物質または食品またはプラシーボまたは療法の短期的な効果または影響を判断するように適合される、請求項9に記載のシステム。
前記システムは、前記被験者の脳幹反応状態に対する向精神性の化合物または物質または食品またはプラシーボの長期的な治療効果または影響を判断するように適合される、請求項11に記載のシステム。
前記パターンプロファイルと既知のプロファイルの集団を含むデータベースからの既知のプロファイルとを比較し、前記被験者が向精神性の化合物または物質または食品の影響下にあるか否かを判断するよう前記装置を制御するステップをさらに備える、請求項15に記載の方法。
前記パターンプロファイルと既知のプロファイルの集団を含むデータベースからの既知のプロファイルとを比較し、前記被験者にとって効果的な療法および/または治療を判断するよう前記装置を制御するステップをさらに備える、請求項15に記載の方法。
第1の時間にわたって、前記音パルスの第1の列と少なくとも前記修正済みの音パルスの第2の連続的な列とを備える前記音刺激を繰返し生成して、向精神性の化合物または物質または食品または療法の影響下にない前記被験者に前記音刺激を送ることによって、前記被験者の側方脳幹反応状態ベースラインを設定するよう前記装置を制御するステップをさらに備える、請求項13から15のいずれかに記載の方法。
前記被験者が向精神性の化合物または物質または食品または療法の影響下にない場合、前記第1の時間中に前記ベースラインを設定し、前記被験者への向精神性の化合物または物質または食品またはプラシーボまたは療法の投与後、前記第2の時間中に測定を行なうよう前記装置を制御するステップを備える、請求項20または22に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の実施例は、好ましくは、添付の特許請求の範囲に従ったシステム、方法、コンピュータ可読媒体およびコンピュータプログラムを提供することによって、上記のような当該技術分野における1つ以上の不備、不利な点または問題を単独でまたは任意の組合せで軽減、緩和または解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
被験者の側方脳幹反応状態の進展は、聴覚刺激に対するニューロン誘発反応パターンの集団に応じてある時間にわたって判断される。より特定的には、本発明は、聴覚刺激に対する被験者の側方脳幹反応状態の複雑なプロファイルを得ることを提供する。聴覚刺激は、以下では「音パルス」と呼ばれるが、一部の実施例においては一過性のピーク、クリック音、トーンバースト、または繰返し与えるのに適した他の好適なタイプの聴覚刺激であり得る。
【0013】
本開示の第1の局面に従って、音刺激に対するニューロン誘発反応パターンの集団に応じてある時間にわたって被験者の側方脳幹反応状態の進展を検出するように適合された装置を提供する。当該装置は、上記時間にわたって同一の音刺激を上記被験者に繰返し送って上記ニューロン反応パターンを誘発させるように動作する音刺激生成部を備える。当該音刺激は、未修正の音パルスの第1の列と、修正済みの音パルスの少なくとも1つの第2の連続的な列とを備える。さらに、当該装置は、上記ニューロン反応パターンに関連する脳幹反応信号を検出するように動作する検出部を備える。第1の脳幹反応信号は、上記音パルスの第1の列によって引起される。少なくとも1つの第2の脳幹反応信号は、上記修正済みの音パルスの第2の列によって引起される。加えて、上記脳幹反応信号に基づいて情報を格納するように動作する格納部が設けられる。さらに、制御部は、上記第1の反応信号と上記少なくとも1つの第2の反応信号との比較に基づいて上記音刺激の各々について上記側方脳幹反応状態の進展を判断するように動作する。
【0014】
同一の音刺激が同時にまたは交互に被験者の左側および右側に与えられる。
これは、好ましくは、繰返し可能な個々の独立した音刺激を与えるために、被験者の左右の聴覚チャネルへの標準的な音源によってなされる。
【0015】
このようにして、左右の脳幹の側方反応がそれぞれ検出される。
より正確な分析につながるより多くのデータの提供以外に、それは例えば左側と右側との反応の差を観察するために用いられてもよい。
【0016】
代替的に、異なる音刺激が同時にまたは交互に被験者の左側および右側に与えられ得る。
【0017】
反応は音刺激の消失後わずか10ミリ秒で測定されるため、皮質下領域からのニューロン反応のみが記録される。皮質下構造の電気生理学的活性は、脳の皮質部から記録される活性よりもロバスト性があり、安定している。反応パターンは、1秒またはそれよりも速い活性更新時間で、リアルタイムでユーザに提示される。したがって、測定結果は、迅速に更新されかつ非常に安定性があることによって、特に有利である。
【0018】
このことの何らかの効果は、例えばある物質の脳に対する効果をいつ人が認識し始めるかによる得られる反応の差を、非常に高い時間分解能で確実に検出できることである。この効果は、精神活性化合物の効果であってもよい。他の実施例においては、当該物質は食品を含んでいてもよい。代替的にまたはさらに、当該物質は、医薬品、化学物質、ハーブ化合物、ガス、香料などを含んでいてもよい。したがって、この効果は、被験者が効果に気付く前であっても、非常に早期に判断することができる。したがって、検査が皮質に対して行なわれた場合と比較して、測定は歪みが少なく、含まれるノイズが少なくなる。これは、一部には、被験者が音刺激にまだ気付いていないために音刺激を処理する時間がなかったという事実によって説明される。
【0019】
これは、刺激後わずか10ミリ秒で反応が測定されるのでもたらされる。すべての目的で全文が引用によって援用される、本願と同一出願人の国際特許出願WO2006/062480に開示されているように測定が好適に起動される。これによっても、被験者の認知能力、注意力および薬剤から独立して検査を行なうことが可能になる。
【0020】
本発明のシステムの一部の実施例は、脳幹内のニューロンのうちの少なくとも1つを誘発させる少なくとも1つの音パルスを備える予め定められた固定された音パルスの列である、生成された音パルスの第1の列を提供する。上記の音刺激の繰返しの際、常に同一の音パルスに基づいて、繰返される音パルスは、被験者の脳幹ニューロンの集団の平均活動を誘発させる。生成された音パルスの第2の列は、音パルスの第1の列の少なくとも1つの修正済みの音パルスを備える。これは、音パルスの第2の列が音パルスの第1の列とは異なっていることを意味する。
【0021】
音パルスの第2の列を形成する第1の音パルスの修正は、音パルスの第1の列の各々の音パルスの前、後または上にノイズを追加することによってなされてもよい。代替的にまたはさらに、音パルスの第1の列の周波数を増加または減少させてもよい。代替的にまたはさらに、音パルスの第2の列を得るために、音パルスの第1の列の振幅を変化させてもよい。
【0022】
一部の実施例においては、パルスの第2の列は、未修正の形態の音パルスの第1の列の音パルスのうちの少なくとも1つであってもよい。これによって、誘発された脳幹ニューロンに対する消耗効果を検査することができる。
【0023】
当該装置の1つの特徴は、ニューロンのうちの少なくとも1つから反応を誘発させることだけに焦点を合わせたとしても、反応信号は脳幹のすべてのニューロンからの情報を含むことになる、ということである。これが側方脳幹反応である。
【0024】
一部の実施例においては、第1の反応信号は、音パルスの第1の列に対応し、被験者の側方脳幹反応状態について得られる基準状態信号を与える。ここで、当該制御部は、第2の反応信号と被験者の基準状態信号との比較に基づいて側方脳幹反応状態の進展を判断するように動作する。
【0025】
被験者が自身の基準であるので、例えば同一の物質の影響下にある状態で、ある被験者の脳幹反応状態と別の被験者のものとを比較する際に、絶対値の問題が回避される。
【0026】
一部の実施例においては、上記の局面に係る装置を備える、被験者の側方脳幹反応状態の進展を検出するように適合されたシステムが提供される。当該システムは、第1の時間にわたって、音パルスの第1の列と少なくとも修正済みの音パルスの第2の連続的な列とを備える音刺激を繰返し生成して、上記被験者に当該音刺激を送るように適合される。
【0027】
一部の実施例においては、当該システムは、音パルスの少なくとも2つの連続的な列を備える音刺激を繰返し生成して、被験者に当該音刺激を送り、当該被験者は、向精神性の化合物または物質または食品または療法の影響下にはない。これは、音パルスの第2の修正済みの列に対する被験者の側方脳幹反応状態ベースラインを設定するためになされる。
【0028】
影響を受けていない時、例えば向精神性の化合物または物質または食品の影響下にない時の被験者の平均脳幹活性を得るためにベースラインが設定される。そして、脳幹反応状態活性の進展が当該ベースラインからパーセンテージとして有利に計算されてもよい。これにより、測定によって与えられるデータが大量であるにも関わらず、計算がより負担の少ないものになる。
【0029】
本発明の一部の実施例においては、当該システムは、音刺激を繰返し生成して被験者に送るように適合され、第1の時間継続する測定セッション中に、被験者の脳幹反応状態の進展はリアルタイムでモニタリングされて判断される。そして、被験者の脳幹反応状態の進展の判断は、現在の側方脳幹反応状態と被験者のベースラインとの比較に基づいて有利に判断される。
【0030】
したがって、一部の実施例においては、当該制御部は、被験者の脳幹反応状態に対する向精神性の化合物または物質または食品またはプラシーボの短期的な効果または影響を判断するように適合される。
【0031】
これは、向精神性の化合物または物質または食品または療法の神経生理学的効果をリアルタイムでモニタリングするために有利に用いられてもよい。
【0032】
一部の実施例においては、当該システムは、第1の測定セッション中および引き続き第2の時間中の後の機会における少なくとも第2の測定セッション中に、音刺激を繰返し生成して被験者に送るように適合される。そして、被験者の脳幹反応状態の進展の判断は、現在の側方脳幹反応状態と被験者のベースラインとの比較に基づく。ベースラインは第1の測定セッションにおいて設定され、後の測定セッションで利用可能である。
【0033】
したがって、一部の実施例においては、当該制御部は、被験者の脳幹反応状態に対する向精神性の化合物または物質または食品またはプラシーボの長期的な治療効果または影響を判断するように適合される。
【0034】
長期間に関連するこれらの実施例は、偏差の正規化を測定するために用いられてもよい。これは、あるセッション下で測定された反応状態が平均化された後、ベースラインと比較されるという事実のためである。これは、システムまたは方法のユーザに対して、より長い時間にわたって向精神性の化合物または物質または食品の臨床治療効果を測定できる可能性を与える。
【0035】
一部の実施例においては、さまざまな音刺激に対するさまざまなニューロン反応が同時にモニタリングされる。
【0036】
これは、向精神性の化合物または物質または食品がどこでおよび/またはどれほど被験者に効果があるかを示すために用いられてもよく、薬剤開発企業または研究グループにとって重要なツールであり得る。
【0037】
本発明の一部の実施例においては、被験者の検出された側方脳幹反応状態は、被験者の側方脳幹反応状態の心理音響プロファイルの基礎である。
【0038】
これは被験者の脳幹反応パターンの心理音響プロファイルを与え、被験者が自身の基準であるので、当該プロファイルと他の被験者のプロファイルとを比較することができる。
【0039】
一部の実施例においては、当該制御部は、当該プロファイルとプロファイルの集団を含むデータベースからのプロファイルとを比較し、この比較に基づいて、被験者が向精神性の化合物または物質または食品の影響下にあるか否かを判断するように適合される。
【0040】
被験者のプロファイルを用いて、それとデータベースシステムに格納されたプロファイルとを比較することによって、被験者がどのタイプの向精神性の化合物または物質または食品の影響下にあるかを検出することができる。また、プロファイルは、同様に、どのタイプの薬剤が被験者の最良の反応を生み出すかを示すために用いられてもよく、そのため被験者に最も役立つ。したがって、一部の実施例によって物質の治療効率を判断できる。
【0041】
一部の実施例においては、当該制御部は、向精神性の化合物または物質または食品を定量的に判断するように適合される。さらにまたは代替的に、当該制御部は、向精神性の化合物または物質または食品を定性的に判断するように適合される。すべての測定および検査は、定量的および/または定性的に行なわれてもよい。
【0042】
当該システムは、そのロバスト性および低ノイズのために、被験者に対する影響、例えば投与された物質の小さく微妙な変化、相違またはばらつきを検出できる。
【0043】
本開示の別の局面に従って、音刺激に対するニューロン誘発反応パターンの集団に応じてある時間にわたって被験者の側方脳幹反応状態の進展を検出する方法を提供する。当該方法は、ニューロン反応パターンを誘発させる音刺激を当該時間にわたって被験者に繰返し与えるステップを備え、当該音刺激は、第1の列と、少なくとも修正済みの音パルスの第2の連続的な列とを備える。さらに、当該方法は、音パルスの第1の列によって第1の反応信号を誘発させ、修正済みの音パルスの第2の列によって第2の反応信号を誘発させるステップを備える。加えて、当該方法は、ニューロン反応パターンに関連する脳幹反応信号を検出するステップを備える。当該方法は、第1および第2の反応信号の比較に基づいて側方脳幹反応状態の進展を判断するステップを備える。当該方法はさらに、常に同一の音パルスである音刺激の繰返しの際に、予め定められた固定された音パルスの列を備える音パルスの第1の列を生成するステップを備え、音パルスは被験者の脳幹ニューロン活動の活性を判断し、および/または、当該方法は、音パルスの第1の列の少なくとも1つの修正済みの音パルスを備える音パルスの第2の列を生成するステップを備える。
【0044】
本開示のさらなる局面に従って、コンピュータによる処理のためのコンピュータプログラムを組み入れたコンピュータ可読媒体を提供する。当該コンピュータは、音刺激に対するニューロン誘発反応パターンの集団に応じてある時間にわたって被験者の側方脳幹反応状態の進展を検出するための、本開示の上記の装置局面の制御部などの計算装置であってもよく、当該コンピュータプログラムは複数のコードセグメントを備える。第1のコードセグメントは、ニューロン反応パターンを誘発させる音刺激を被験者に繰返し与えることを制御するために設けられ、当該音刺激は、音パルスの第1の列と、少なくとも修正済みの音パルスの第2の連続的な列とを備え、第1の反応信号は音パルスの第1の列によって誘発され、第2の反応信号は修正済みの音パルスの第2の列によって誘発される。第3のコードセグメントでは、脳幹反応信号が、ニューロン反応パターンに関連する測定信号から検出される。第4のコードセグメントでは、第1および第2の反応信号の比較に基づいて側方脳幹反応状態の進展が検出される。
【0045】
本発明のさらなる実施例は従属請求項に規定されており、本発明の第2の局面および後続の局面の特徴は、変更すべきところは変更して、第1の局面の特徴と同様である。
【0046】
ここで、本明細書中の「時間」という用語は時には測定セッションと呼ばれ、または、セッションのみが、1回の測定もしくはリアルタイムのモニタリングを行なうのにかかる時間、または、精神活性の化合物、物質、食品もしくは医薬品/薬剤の効果を確立するのにかかる時間と定義される。
【0047】
1回の測定セッションの場合、当該時間は2時間よりも短くてもよく、好ましくはおよそ40分であってもよい。当該時間は40分よりも長くてもよい。好ましくは、1回のセッションの時間は20分〜2時間の時間範囲内である。一部の例においては、好ましい時間は1〜10分などのように数分ほどであってもよい。
【0048】
リアルタイムモニタリングの場合、時間は、化合物または物質が被験者に投与される前の時点から規定されてもよい。リアルタイムモニタリングの時間は、化合物または物質の効果が活性化して安定する時点または効果が減少し始める時点で中断されてもよい。一部の実施例においては、合計時間は、少なくとも2つの時間、すなわちベースラインを設定するための、化合物または物質を投与する前の第1の時間と、化合物または物質の投与直後または数分〜数時間の時間範囲内などの第1の時間に連続して実行され得る少なくとも第2の時間とからなっていてもよい。
【0049】
第1の時間は、2時間よりも短くてもよいが、好ましくは約20分、約15分、約10分などのように40分よりも短くてもよい。少なくとも第2の時間は、2時間よりも短くてもよく、好ましくはおよそ40分であってもよい。一部の例においては、第1の時間は1〜10分などのように数分ほどであってもよい。
【0050】
一部の実施例では、第2の時間は、投与された化合物または物質の効果が活性化される、安定するまたは減少し始めるまでの時間に左右され得る。第2の時間は、2時間よりも短くてもよいが、好ましくは40分よりも短くてもよい。第2の時間は、精神活性の化合物、物質または食品の効果をより長い時間にわたって調べる必要がある場合には、40分よりも長くてもよい。好ましくは、第2の時間の時間は、20分〜2時間の範囲内である。一部の例においては、当該時間は1〜10分などのように数分ほどであり得る。
【0051】
代替的におよび/またはさらに、一部のリアルタイムの実施例においては、第2の時間は、各時間の間に数日間の中断がある状態で、後に実行されてもよい。
【0052】
代替的におよび/またはさらに、検出を目的として、被験者の側方脳幹反応状態の進展を検出するために、2つ以上のセッションまたは時間にわたって、例えば精神活性の、化学的なまたはハーブの化合物、物質または食料品または香料の長期的な治療効果を確立するまたは調べることが用いられてもよい。このような場合、(第1、第2、第3のセッションなどの)これらのセッションまたは時間は、後に実行されてもよい。2つの後続のセッションとセッションとの間には、数時間、数日、数週間または数ヶ月などの特定の時間が経過することになる。ほとんどの場合、2つのセッション間の特定の時間は、単一のセッションまたは時間よりも実質的に長い。後に実行されるセッションは、本明細書では第1の時間または第1のセッションと呼ばれてもよく、後に実行される時間は、第3の時間、第4の時間、第5の時間などのように少なくとも第2の時間または少なくとも第2のセッションと呼ばれてもよい。通常、後に実行されるセッションはすべて、数週間の期間にわたって行なわれるが、数ヶ月または数年であってもよい。
【0053】
聴覚刺激は、一過性のピーク、クリック音、トーンバースト、または繰返し与えるのに適した他の好適なタイプの聴覚刺激を含むがこれらに限定されない「音パルス」または信号と定義されてもよく、またはそのように呼ばれてもよい。当該刺激は、刺激が与えられる被験者が聴覚によって知覚するようなものであるべきである。したがって、心理音響学の分野で規定されているように、人間の被験者に与えられる音刺激は20Hz〜20000Hzの周波数を有していてもよく、振幅は、0dB以上と規定される可聴性の下限からであってもよいが、好ましくは用いられる周波数の損傷レベル未満であってもよい。好ましくは、用いられる特定の周波数の最小しきい値振幅以上であるが、周波数の損傷レベル未満である振幅が用いられてもよい。好ましくは、振幅は、約0〜120dB、好ましくは約0〜100dB、好ましくは約0〜90dB、好ましくは約70dBであってもよい。
【0054】
各々の音パルスの時間幅または持続時間は、0.1〜1000ミリ秒の範囲内であってもよい。好ましくは、各々の音パルスの時間幅または持続時間は、およそ脳幹の誘発反応の検出時間であってもよく、したがって好ましくは0〜50ミリ秒などのように0〜100ミリ秒であってもよい。
【0055】
連続的な第2の列は、音刺激内で第1の列の直後に続く。互いの「直後に続いている」場合でさえ、実際には、音刺激内で第1の列の後に続く連続的な第2の列と列との間の遷移部には特定の時間ギャップが存在し得る。実施例においては、これらの起動された記録と記録との間のこのような時間ギャップは、記録が時間積分の影響を受けないようにするために、およそ1ミリ秒〜10000ミリ秒の範囲内であり、好ましくは少なくとも約50ミリ秒である。単一の列内の音パルスと音パルスとの間には同様のギャップが見られる。障害および/または疾患の治療、緩和または軽減のために医薬品/薬剤が被験者にもたらし得る効果を検出するために、検出可能な側方脳幹反応状態の進展が用いられてもよい。被験者は、例えば脳幹障害、すなわち神経系もしくは神経状態の障害、または検出可能な側方脳幹反応状態を有する他の形態の疾患もしくは障害を患う恐れがある。例としては、ADHD、鬱病、不安神経症、双極性障害、統合失調症、アスペルガー症候群、てんかん、ストレス、弛緩、痛み、免疫反応、アロスタシス、催眠状態、無痛覚症などに関連する薬であってもよいが、これらに限定されない。
【0056】
精神活性の、化学的なまたはハーブの化合物または物質は、医薬品、精神活性薬、精神活性剤、向精神薬、麻酔、痛み制御剤、精神医学薬剤、違法薬物、乱用薬物、およびこれらの関連薬などのさまざまなタイプの薬のことであってもよい。化合物または物質は、被験者または患者の中枢神経系に影響を及ぼす化合物または物質のことであってもよく、または知覚、気分、意識、認知または挙動の変化をもたらす脳の機能に影響を及ぼし得る化合物または物質のことであってもよい。
【0057】
療法とは、本明細書では、症状の治療、診断または緩和のための薬の使用またはさまざまな種類の心理療法などのカウンセリングのことであってもよいが、予防的療法または支持的療法のための薬またはカウンセリングのことであってもよい。
【0058】
「備える(comprises/comprising)」という用語は、本明細書で用いられる時には、上記の特徴、完全体、ステップまたは構成要素の存在を明記するために用いられるが、1つ以上の他の特徴、完全体、ステップ、構成要素またはそれらの群の存在または追加を排除するものではない、ということが強調されるべきである。
【0059】
本発明の実施例が可能にするこれらのおよび他の局面、特徴および利点は、本発明の実施例の以下の説明から明らかであり、説明される。添付の図面を参照する。
【発明を実施するための形態】
【0061】
ここで、添付の図面を参照して、本発明の特定の実施例について説明する。しかし、本発明は、多くのさまざまな形態で実施されてもよく、本明細書において説明される実施例に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例は、本開示が完璧かつ完全であって本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。添付の図面に示される実施例の詳細な説明の中で用いられる用語は、本発明を限定するように意図したものではない。図中、同様の番号は同様の要素を指す。
【0062】
図1は、典型的な脳幹反応聴力図を示すグラフ600である。脳幹反応を誘発させることが知られている約13の異なる音パルスがある。すべての目的で全文が引用によって本明細書に援用される、本願と同一出願人のWO2006/062480では、このような音パルスについて詳細に説明している。
【0063】
実施例では、
図2を参照して示される装置2についてここで説明する。音刺激生成部200は、音刺激を繰返し生成して被験者1に送るように動作し、生成された音刺激は、脳幹に関連するニューロン反応パターンを誘発させることが知られている。生成された刺激は、音パルスの少なくとも2つの連続的な列を備える。音パルスの第1の列は、脳幹の少なくとも1つのニューロンから反応を誘発させることが知られている少なくとも1つの音パルスを備える。音パルスの第2の列は、音パルスの第1の列の少なくとも1つの修正済みの音パルスを備える。
【0064】
代替的におよび/またはさらに、第1の列は、約2〜1000以上、約2〜500以上、約2〜100、約2〜50、約2〜10などのような複数の同一の音パルスなどの2つ以上の類似の音パルスを備えていてもよい。
【0065】
代替的におよび/またはさらに、第1の列は、2つ以上のタイプの音パルスを備えていてもよい。
【0066】
第1の列の音パルスはすべて、異なるニューロンから脳幹反応を誘発させることが知られている。
【0067】
一部の実施例においては、生成された音刺激の第1の列において用いられる音パルスは、脳幹反応を誘発させることが知られている約13の音のうちの少なくとも1つである。
【0068】
代替的におよび/またはさらに、一部の実施例においては、脳幹反応を誘発させることが知られている13の音はすべて、音パルスの第1の列において用いられる。音パルスの第1の列において用いられる音パルスは複雑であり、広帯域である。
【0069】
被験者1に音パルスの第1の列が与えられた後、音パルスの連続的な第2の列が生成され、被験者1に与えられる。このようにして、音パルスの第1の列の直後に音パルスの少なくとも第2の列が続く。
【0070】
代替的におよび/またはさらに、一部の実施例においては、パルスの第1の列と、音パルスの第1の列の直後のパルスの連続的な第2の列との間にはギャップがあってもよい。
【0071】
音パルスの第2の列は、音パルスの第1の列に存在するが修正済みの形式である音パルスのうちの少なくとも1つを備えていてもよい。
【0072】
代替的におよび/またはさらに、第2の列は、音パルスの第1の列に存在する音パルスのうちの少なくとも1つの修正済みのバージョンを備えていてもよい。
【0073】
代替的におよび/またはさらに、第2の列は、音パルスの第1の列において用いられるすべての音パルスの修正済みのバージョンを備えていてもよい。
【0074】
音パルスの第2の列は、ノイズでマスキングされることによって修正および/または変調される、音パルスの第1の列から選択された音パルスからなっていてもよい。ノイズは、第2の列の各々の音パルスの前または後または上に追加できる。したがって、反応を記録することにより、音信号に追加されたノイズの、被験者1に対する影響の尺度が提供される。
【0075】
ノイズの追加の代わりにまたはノイズの追加に加えて、特定の周波数が各々の音パルスから抽出されてもよく、このようにして被験者1に対する高/低周波数の影響が試験される。
【0076】
代替的にまたはさらに、他の修正は、任意の組合せで、音パルスの振幅を変化させて被験者1のさまざまな反応を記録するというものであってもよい。
【0077】
代替的にまたはさらに、他の修正および/または変調は、任意の組合せで、音パルスの立ち上がりおよび立ち下がり時間を変化させるというものであってもよい。
【0078】
第2の列の音パルスの修正の代替案は、音パルスの第1の列の1つ以上の同一の音を多数回にわたって繰返して、被験者1の脳幹のニューロンの消耗効果を記録するというものであってもよい。
【0079】
さらにおよび/または代替的に、消耗効果は、多数の類似の修正済みの音パルスを備える第2の列を用いることによって得られてもよい。
【0080】
本発明の1つの実施例においては、音パルスの第1の列の後に修正済みの音パルスの2つ以上の連続的な列が続いてもよい。
【0081】
音刺激は、被験者1の完全な側方脳幹反応状態を同時にまたは交互に得るために被験者1の左側および右側に与えられてもよい。
【0082】
代替的におよび/またはさらに、左右の両方の耳に同一の音刺激が用いられる。
代替的におよび/またはさらに、左右の耳に異なる音刺激が用いられる。
【0083】
音パルスの列は、被験者1に与えられる、1〜1000個の連続的なパルスなどの多数のパルスを備えていてもよい。
【0084】
検出部210は、誘発されたニューロン反応パターンに関連する脳幹反応信号を検出し、第1の反応信号は音パルスの第1の列によって引起され、第2の反応信号は音パルスの第2の列によって引起される。
【0085】
後で用いるためのデータを格納するために格納部220が任意に用いられてもよい。
被験者1の側方脳幹反応状態の進展を分析して判断するために制御部230が設けられる。音パルスの少なくとも2つの連続的な列を繰返し生成して送っている間に、音パルスの各々の列に関連する反応信号が得られて記録される。得られる反応信号は、音刺激を選択することによって誘発されるように選択されたニューロンだけでなくすべてのニューロンからの反応であってもよい。したがって、より複雑で完全なデータセットが提供され、これは分析を向上させるために用いられてもよい。
【0086】
代替的におよび/またはさらに、一部の実施例においては、音パルスの第1および第2の列は1つの音パルスを備えていてもよく、音パルスの列に関連する反応信号は、音パルスの列の単一の音パルスから得られる反応信号であってもよい。
【0087】
代替的におよび/またはさらに、一部の実施例においては、音パルスの第1および第2の列は、2つ以上の音パルスを備えていてもよく、音パルスの列に関連する反応信号は、音パルスの列の各々の音パルスから得られる反応信号の平均であってもよい。
【0088】
繰返し生成されて送られる各々の音刺激について、未修正の音パルスの第1の列に関連する反応信号は、修正済みの音パルスの少なくとも第2の列に関連する反応信号と比較され、それによって各被験者が自身の基準になる。したがって、絶対値を得るおよび/または用いるだけの場合と比較して、はるかに正確で安定した結果が与えられる。自己参照は、刺激を与える音パルスの変化によって引起され得る効果の相対値を与えるものである。これは、被験者に与えられる繰返される音刺激における音パルスの第2の列および被験者のその誘発脳幹反応に対する特定の修正を利用することによるものであってもよい。これらの効果は、繰返される単一の音パルスまたは修正済みの音パルスを用いる場合よりも安定的に確立できる。このように、これらの相対値は、例えば被験者に対する精神活性の化合物または物質の効果を示すことが可能であり得る。したがって、測定を行なう際に被験者を自身の基準として用いることによって、被験者内の測定ごとの分散および異なる被験者間の分散を回避できる。このように、与えられたこれらの相対値は、絶対値を用いる場合にそうであろうように交絡尺度を与えるのではなく、独立した尺度をもたらす。被験者間および1人の被験者内のこれらの分散は、上記のように、絶対値を得る際にはかなり高い恐れがある。したがって、絶対値を用いる場合と比較して、はるかに安定した効果結果を確立することができる。
【0089】
自己参照により、個々人が同一の規定のグループの一部でない時でもそれらの個人同士を比較することができ、したがって、異なる認知能力、自覚および薬剤の被験者を依然として比較できる。このように、被験者を適合性があるグループに入れる必要がない。さらに、生成された音刺激および反応の記録における不安定さによって引起され得る記録されたデータのばらつきを同じ原理によって回避できる。
【0090】
上記によって、被験者の心理音響プロファイルは複雑な反応パターンを発生させる。自己参照の相対的な尺度を用いることの成果として、刺激を与える音パルスの変化に起因して、脳幹反応における効果の結果、記録されたパターンは異なる被験者間で実質的に変動する。本発明を利用する際、発生した反応パターンは絶対測定値を含んでおらず、ある音パルスの、別の音パルスに対する効果の、個々の被験者の脳幹が認識した特徴に基づく。
図8a〜
図8cを参照されたい。ある音パルスが別の音パルスにもたらすこの効果は、パーセントの変化で表されてもよい。発明者等は、この驚くべき効果が、音刺激の音響パラメータ(周波数、振幅など)の変化の影響を受け得る1つ以上のニューロンまたはそれらの群における電気的活性に解剖学的および生理学的に基づいており、この処理が脳の両側に存在すると想定している。したがって、得られた複雑なパターンは、被験者に影響を及ぼす物質によって引起される小さな、さらには非常に小さな相違を見つけるためのプラットフォームであってもよい。このような小さな変化は、如何なる従来の聴覚刺激によっても検出できず、中枢神経系の心理音響的機能に適合されたシステムがなければ検出できない。
【0091】
本発明の一部の実施例においては、まず個々の被験者についてベースラインが決定される。得られたこのベースラインは、個々の被験者についての基準値である。測定値は、ベースラインに対してさまざまな態様で短期的におよび/または長期的に、被験者に影響を及ぼすさまざまな物質もしくは化合物および/または物質もしくは化合物のさまざまな投与量の影響を受けるので、ロバスト性のある確実な効果の尺度が与えられる。被験者が自身の基準であるので、絶対測定値は必要なく、絶対測定値に関連するすべての欠点が回避される。被験者に対する規定の物質の影響との関連で、特定の被験者に対する心理音響的刺激に基づいて、脳幹の電気生理学的活性の変化が分析される。物質は、医薬化合物、化学物質、食料品、自然療法製剤、ガス、香りなどを含んでいてもよい。
【0092】
測定および分析は、再現容易性の点で特に好適であり、取扱いおよび/または分析のための複雑な技術システムを必要としない。一連の音列は、複製でき再現可能である。標準的な音源が測定結果の再現性にさらに寄与する。
【0093】
測定された短期的な効果およびベースラインに対する変化は、被験者に対する医薬物質の効果の薬物動態的判断をもたらす。
【0094】
代替的にまたはさらに、測定された長期的な効果およびベースラインに対する変化は、医薬物質による被験者の治療の有効性の判断をもたらす、または有効性の判断に用いられる。
【0095】
さらにおよび/または代替的に、短期的および/または長期的な効果は、少なくとも1つの測定セッション中にリアルタイムで判断されてもよい。
【0096】
このようにして、薬学研究または臨床試験を促進することができる。
被験者の決定されたベースラインとの相違がないことによって、プラシーボの服用を確実に検出できる。
【0097】
さらにおよび/または代替的に、ベースラインは、後に実行される多数のセッションにわたって設定されてもよい。
【0098】
このようにして、被験者の最適な治療の調節を促進することができる。
代替的にまたはさらに、被験者が服用した物質がどこで脳幹に影響を及ぼすかということのトポグラフィ判断および比較がなされてもよい。
【0099】
上記の複雑な反応パターンは、被験者が服用した物質の定性的および/または定量的な判断に用いられ得るプロファイルを提供してもよい。
【0100】
制御部230は、比較、値の判断、測定の制御、刺激の制御などの上記のおよび下記の機能を与えるように動作してもよい。
【0101】
制御部230は、ソフトウェアコードセグメントを実行するための計算部を備えていてもよい。
【0102】
図3では、音刺激に対するニューロン誘発反応パターンの集団に応じてある時間にわたって被験者の側方脳幹反応状態の進展を検出する方法3を示すためにフローチャートが用いられる。当該方法は、被験者の脳幹ニューロンを呼び起こす音刺激を被験者に繰返し与えるステップ300によって開始する。刺激は、音パルスの第1の列と、音パルスの少なくとも第2の列とを備える。音刺激は、音パルスの第1および第2の列にそれぞれ関連する対応する第1および少なくとも第2の反応信号を誘発させる310。これらの反応信号は、検出され320、分析されて、少なくとも第1および第2の反応信号の比較に基づいて側方脳幹反応状態の進展が判断される330。
【0103】
記載の装置および方法は、低ノイズのデータをもたらすことができ、これは本発明を特徴付けており、記録された反応信号の小さく微妙なばらつきを認識して捕らえることが可能になる。低ノイズは、記録されたデータが大量であることに起因する。この大量のデータにより、分析方法を用いてデータ内の不規則性、破損したデータおよびノイズを除去することが可能になる。さらに、低ノイズは、記録されたデータがすべて、脳の皮質下部の一部であるニューロンに関連する誘発反応信号から生じるという事実にも起因する。皮質下構造も、脳の他の部分よりもロバスト性があり、EEGのような他の神経生理学技術と比較して、結果が安定した、ロバスト性のある、確実なものになる。
【0104】
例えば、被験者が自身の基準であるという重要な特徴は、測定データのばらつきのために、皮質EEG技術を利用する際には有益ではないであろう。EEG技術におけるこれらのばらつきは、使用される多数の電極の複雑さ、および、発生源からの脳内の反応の発生の距離のために反応信号に加わるノイズによって引起され得る。したがって、このような方法は、脳内の小さな変化を検出するのに十分なロバスト性も安定性もないであろう。本発明の装置および方法を用いて測定されたデータは、被験者の認知能力、注意力および薬剤の影響をほとんど受けない。
【0105】
上記の実施例はすべて、上記のデータのノイズが低いことに依拠し、そのために実施できる。
【0106】
図4aは、生成された音刺激10が音パルスの2つの列、すなわち未修正の音パルスの第1の列11と修正済みの音パルスの連続的な第2の列12とを備える本発明の例示的な実施例を示している。音パルスの第1および第2の列11,12は、1つの音パルスを備えている場合もあれば、一連の音パルスなどの複数の音パルスを備えている場合もある。t
0において、未修正の音パルスの列11が生成され、被験者に送られる。生成されて被験者に送られる音パルスの第1の列11の各々の未修正の音パルスについて、起動された記録を用いることによって被験者の呼び起こされた脳幹からの反応信号が得られる。音パルスの第1の列11が2つ以上の未修正の音パルスからなっている場合には、平均値は記録された反応信号でできていることになる。t
1における未修正の音パルスの第1の列11に対応する確立された反応信号または平均化された反応信号は、第1の反応信号90と呼ばれる。
【0107】
t
1において、修正済みの音パルスの第2の列12が生成され、被験者に送られる。生成されて被験者に送られる音パルスの第2の列12の各々の修正済みの音パルスについて、起動された記録を用いて、被験者の誘発された脳幹からの反応信号が得られる。修正済みの音パルスの第2の列12が2つ以上の修正済みの音パルスからなっている場合には、平均値は記録された反応信号でできていることになる。t
2における修正済みの音パルスの第2の列12に対応する確立された反応信号または平均化された反応信号は、第2の反応信号91と呼ばれる。
【0108】
t
2において、未修正の音パルスの第1の列11に対応する第1の反応信号90が、修正済みの音パルスの第2の列12に対応する第2の反応信号91と比較される13。これは、パーセンテージ、すなわち時間t
2における特定の状態の特定の脳幹構造における効果の程度14の形で提供される。次いで、特定の時間にわたってこの手順全体がn回繰返される。
【0109】
したがって、測定された変数は、未修正の誘発反応90のパーセンテージとして、修正済みの列の誘発脳幹反応91として提示される。第1および少なくとも第2の反応信号が平均化される場合には、測定された変数は、未修正の平均誘発反応90のパーセンテージとして、修正済みの列の平均誘発脳幹反応91として提示される。
【0110】
図4bは、本発明の一部の実施例に従って用いられ得る音刺激23の例を示す。音刺激23は、音パルスの2つの列からなっており、上側が音パルスの第1の未修正の列15であり、下側が修正済みの音パルスの第2の列16である。各々の未修正の音パルス17は、この例では、10ミリ秒の持続時間を有する未修正の方形のクリック音である。修正済みの音パルス18は、より低い振幅ならびに立ち上がりおよび立ち下がり時間を有する未修正のクリック音を修正したものである。未修正の音パルスまたは修正済みの音パルスは各々、誘発脳幹反応19,20を生じさせる。
【0111】
図4aを参照して、未修正の音パルスの第1の列11を示す各ブロックは、
図4bの上側部分15として単一の未修正の音パルス17を備えていてもよい。この例では、音パルスの第1の列15の単一の未修正の音パルス17が被験者に与えられた後、誘発脳幹反応19の起動された記録、すなわち第1の反応信号が得られる。
【0112】
代替的に、未修正の音パルスの第1の列11を示す
図4aにおける各ブロックは、1〜1000個の未修正の音パルス17、3個の未修正の音パルス17、10個の未修正の音パルス17、50個の未修正の音パルス17、500個の未修正の音パルス17などのように、
図4bの上側部分15として複数の未修正の音パルス17を備えていてもよい。
【0113】
図4bに示される例においては、未修正の音パルスの第1の列15は、300個の音パルス17からなっていてもよく、これらの音パルス17は、被験者に送って300個の未修正の音パルス17の各々に対応する起動された誘発脳幹反応を記録するのに約30秒かかる。その後、この例では未修正の音パルスの第1の列15の各々の未修正の音パルス17に対応する300個の誘発脳幹反応信号19から平均活性21が計算される。すなわち、平均活性21は第1の反応信号であり得る。
【0114】
図4aを参照して、修正済みの音パルスの第2の列12を示す各ブロックは、
図4bの下側部分16として単一の修正済みの音パルス18を備えていてもよい。この例では、音パルスの第2の列16の単一の修正済みの音パルス18が被験者に与えられた後、誘発脳幹反応20の起動された記録、すなわち第1の反応信号が得られる。
【0115】
代替的に、修正済みの音パルスの第2の列12を示す
図4aにおける各ブロックは、1〜1000個の修正済みの音パルス18、3個の修正済みの音パルス18、10個の修正済みの音パルス18、50個の修正済みの音パルス18、500個の修正済みの音パルス18などのように、
図4bの下側部分16として複数の修正済みの音パルス18を備えていてもよい。
図4bに示される例においては、修正済みの音パルスの第2の列16は、300個の修正済みの音パルス18からなっていてもよく、これらの音パルス18は、被験者に送って300個の修正済みの音パルス18の各々に対応する起動された誘発脳幹反応20を記録するのに約30秒かかる。その後、この例では修正済みの音パルスの第2の列16の各々の修正済みの音パルス18に対応する300個の誘発脳幹反応信号20から平均活性22が計算される。すなわち、平均活性22は第2の反応信号であり得る。
【0116】
図4cは、本発明の一部の実施例に従って用いられ得る音刺激24のさらなる例を示す。音刺激24は、音パルスの2つの列25,26からなっており、上側が未修正の音パルスの第1の列25であり、下側が修正済みの音パルスの第2の列26である。各々の未修正の音パルス27は、この例では、10ミリ秒の持続時間を有する未修正の方形のクリック音である。修正済みの音パルスは、この例では20ミリ秒の持続時間を有する、マスキングノイズ28が先行する未修正のクリック音27と類似した方形のクリック音を有することによって未修正のクリック音27を修正したものである。未修正の音パルスまたは修正済みの音パルスは各々、誘発脳幹反応29,30をそれぞれ生じさせる。
【0117】
図4aを参照して、未修正の音パルスの第1の列11を示す各ブロックは、
図4cの上側部分として単一の未修正の音パルス27を備えていてもよい。この例では、音パルスの第1の列25の単一の未修正の音パルス27が被験者に与えられた後、誘発脳幹反応29の起動された記録、すなわち第1の反応信号が得られる。
【0118】
代替的に、未修正の音パルスの第1の列11を示す
図4aにおける各ブロックは、
図4bの上側部分25として複数の未修正の音パルス27を備えていてもよい。したがって、複数の音パルスは、1〜1000個の範囲の未修正の音パルス27などのように多数の音パルスを備えていてもよい。未修正の音パルス27の数の実例は、3個、10個、50個、500個などのようにこの範囲内の規定の数を含み得る。
図4cに示される例では、未修正の音刺激の第1の列25は、300個の未修正の音パルス27からなっており、これらの音パルス27は、被験者に送って300個の未修正の音パルス27の各々に対応する起動された誘発脳幹反応29を記録するのに約30秒かかる。その後、この例では未修正の音パルスの第1の列25の各々の未修正の音パルス27に対応する300個の誘発脳幹反応信号29から平均活性32が計算される。すなわち、平均活性32は第1の反応信号であり得る。
【0119】
図4aを参照して、修正済みの音パルスの第2の列12を示す各ブロックは、
図4cの下側部分26として、単一の修正済みの音パルス、すなわちマスカ28に先行する未修正のクリック音27を備えていてもよい。この例では、音パルスの第2の列26の単一の修正済みの音パルスが被験者に与えられた後、誘発脳幹反応30の起動された記録、すなわち第1の反応信号が得られる。
【0120】
代替的に、修正済みの音パルスの第2の列12を示す
図4aにおける各ブロックは、
図4bの下側部分26として、複数の修正済みの音パルス、すなわちマスカ28に先行する未修正のクリック音27である音パルスを備えていてもよい。したがって、複数の音パルスは、1〜1000個の範囲の修正済みの音パルスなどのように多数の音パルスを備えていてもよい。修正済みの音パルスの数の実例は、3個、10個、50個、500個などのようにこの範囲内の規定の数を含み得る。
図4cに示される例では、修正済みの音パルスの第2の列26は、300個の修正済みの音パルスからなっていてもよく、これらの音パルスは、被験者に送って300個の修正済みの音パルスの各々に対応する起動された誘発脳幹反応30を記録するのに約30秒かかる。その後、この例では修正済みの音パルスの第2の列26の各々の修正済みの音パルスに対応する300個の誘発脳幹反応信号30から平均活性31が計算される。すなわち、平均活性31は第1の反応信号であり得る。
【0121】
図4bまたは
図4cに示される例に従って複数の(本明細書では、単なる例示の目的で300個の)音パルスを備える音刺激を用いることによって、
図4aにおけるシーケンスは以下のようになり得る。
【0122】
t
0において、300個の未修正の音パルスの第1の列11が生成され、被験者に送られる(この段階では、試験または評価対象の物質または化合物の影響下にない)。第1の列11の300個の未修正の音パルスの各々について、起動された記録によって反応信号が得られ、その時、記録された反応信号が時間積分の影響を受けないようにするために、次の未修正の音パルスが送られる前にギャップがあってもよい。300個の未修正の音パルスの送信およびその反応信号の記録は、およそ30秒かかる。その後、時間t
1において、記録された誘発脳幹反応の平均活性、すなわち第1の反応信号90が計算される。
【0123】
t
1において、300個の修正済みの音パルスの第2の列12が生成され、被験者に送られる(この段階では、試験または評価対象の物質または化合物の影響下にない)。300個の修正済みの音パルスの各々について、起動された記録によって反応信号が得られ、その時、記録された反応信号が時間積分の影響を受けないようにするために、次の修正済みの音パルスが送られる前にギャップがあってもよい。300個の修正済みの音パルスの送信およびその反応信号の記録は、およそ30秒かかる。その後、時間t
2において、記録された誘発脳幹反応の平均活性、すなわち第2の反応信号91が計算される。
【0124】
t
2において、第1および第2の反応信号90,91が比較され12、物質または化合物の影響下にない被験者について、特定の状態の特定の脳幹構造における効果の程度14が得られる。
【0125】
次いで、t
2において、上記と同一の音パルスの第1および第2の列11,12を備える音刺激の生成および送信、ならびにその第1および第2の反応信号90,91の取得が繰返される。
【0126】
t
4において、得られた第1および第2の平均反応信号90,91の間で新たな比較13が行なわれ、特定の状態の特定の脳幹構造における新たな効果の程度14が得られる。この例では、t
4において、被験者は、被験者に対する効果が試験される物質または化合物を投与される。次いで、上記と同一の音パルスの第1および第2の列11,12を備える音刺激の生成および送信、ならびにその第1および第2の反応信号90,91の取得が繰返される。
【0127】
t
6において、第1および第2の平均反応信号90,91が比較され13、物質または化合物の影響下にある被験者について、特定の状態の特定の脳幹構造における効果の程度14が得られる。この例では、特定の状態の特定の脳幹構造における効果の程度の増大が見られ得る。
【0128】
次いで、t
6において、上記と同一の音パルスの第1および第2の列11,12を備える音刺激の生成および送信、ならびにその第1および第2の反応信号90,91の取得が繰返される。t
8において、得られた第1および第2の平均反応信号90,91の間で新たな比較13が行なわれ、特定の状態の特定の脳幹構造における新たな効果の程度14が得られる。この例では、t
6における状態と比較して、特定の状態の特定の脳幹構造における効果の程度の減少が見られる。したがって、これは、化合物または物質が代謝されていることの表れであり得る。
【0129】
音刺激の生成および送信、ならびにその反応信号の起動された記録の取得は、特定の時間にわたってさらに繰返されてもよい。次いで、測定手順を停止させて、別のセッションにおいて継続させてもよい。
【0130】
1つの測定セッション中に音刺激を繰返し送ることが、連続的なシーケンスにおいて行なわれてもよい。
【0131】
各々の音刺激の音刺激の第1および第2の列11,12に対応する第1および第2の反応信号90,91の比較13は、上記の重要な被験者の自己参照をもたらす。さらに、この例では、t
2およびt
4において得られる特定の状態の特定の脳幹構造における効果の程度14は、上記で被験者のベースラインと呼ばれたものである。
【0132】
被験者への音刺激の送信は、側方脳幹反応状態の進展を得るために、一度に一方の耳に対して行なわれる場合もあれば、同時に両耳に対して行なわれる場合もある。
【0133】
図5aに従った本発明の実施例においては、被験者に化合物、物質または食品が供給された後の被験者の短期的な効果のリアルタイムの調査およびモニタリング(薬物動態)が示される。
図5aでは、1つのニューロンについてのみ側方脳幹反応状態の進展が示されているが、本発明の代替的および/またはさらなる実施例においては、これは2つ以上のニューロンについて同時に行なわれてもよい(トポグラフィ)。
【0134】
試験は、t(0)において、被験者についてのベースライン33を設定することによって開始する。ベースラインは、音刺激を繰返し生成して、精神活性の化合物、物質または食品の影響下にない被験者に当該音刺激を与えることによって設定されてもよい。
【0135】
代替的に、被験者は、ベースライン33を得る際に、精神活性の化合物、物質または食品の影響下にあってもよい。この時、投与量および/または精神活性の化合物、物質または食品または投与量は、被験者に対する効果を調べるべき投与量および/または精神活性の化合物、物質または食品とは異なっているべきである。
【0136】
さらにおよび/または代替的に、被験者は、ベースライン33の設定前および/または設定中にプラシーボを投与されたかもしれない。
【0137】
t(0)から始まる時間の間、精神活性の化合物、物質または食品の影響下にない時の被験者から、音刺激の音パルスの第1および少なくとも第2の列と関係がある反応信号を記録することによって、被験者の側方脳幹反応状態の通常の活性を示すベースライン33が設定される。音刺激の各々の列が2つ以上の音パルスを備える場合には、ベースラインを設定するために脳幹反応の平均値が用いられてもよい。
【0138】
本発明の一部の実施例においては、被験者についてのプラシーボのベースラインを設定するためにベースライン33が用いられてもよい。
【0139】
時間t(1)において、被験者は、精神活性の化合物、物質または食品を供給または投与される。これは場合によってはプラシーボであってもよい。これは、1つ以上のニューロンと関係がある反応34を生じさせ得る。本発明の一部の実施例においては、反応34は被験者のベースラインに対するパーセンテージとして測定される。
【0140】
精神活性の化合物、物質または食品の効果のモニタリング中に繰返し生成されて被験者に送られる音刺激は、ベースライン33が設定された時のものと同一の、音パルスの第1および少なくとも第2の連続的な列を備える音刺激である。
【0141】
ベースライン33の設定中に音パルスの列が2つ以上の音パルスを備える場合には、t(1)後の音パルスの列は、ベースライン33を設定するために用いられた音パルスの列の一部のみを備えるように焦点を合わせられ得る。したがって、時間を短縮でき、より優れた時間分解能を受けることができる。そのような場合、対象のニューロンにおいて反応を誘発させることが知られている音パルスが選択されている。また、ベースライン33の設定が、調査対象のニューロンにとって関心のある1つ以上の音のみを用いて行なわれる時に、時間分解能が高くなるという同一の効果を受けることができる。
【0142】
t(2)において、精神活性の化合物、物質または食品の効果が、例えば物質または化合物が代謝されるために、減衰し始める35。
【0143】
リアルタイムモニタリング(薬物動態)のセッションの時間は、通常、2時間よりも短く、好ましくはおよそ40分であるが、一部の例においては1〜10分などのように数分ほどであってもよい。このセッションは、精神活性の化合物、物質または食品の効果をより長い時間にわたって調べる必要がある場合には、40分よりも長いであろう。好ましくは、単一のセッションの時間は20分〜2時間の時間範囲内である。
【0144】
図5bには、被験者に対するニコチン、例えばホワイトスナッフの影響41が示されている。この図と、標準的な方法、すなわちプラズマを使用した時の図とを比較すると、プラズマ図におけるニコチンの効果41は、遅れて、この図に見られるピークの右側に現れるであろう。このように、本発明ははるかに正確な技術であり得る。なぜなら、被験者が精神活性の化合物、物質または食品の効果を受け始める時点にはるかに近い時点でピーク41が現れるためである。
【0145】
この図において、点線は被験者の脳幹におけるベースライン活性36を示す。本発明の装置、システムおよび方法を用いることによる少なくとも1つの脳幹ニューロンの活性の測定は、被験者が唇下にホワイトスナッフを供給される(38)およそ16分前および8分前に行なわれた。この例では、ベースライン36を設定する時間37中は、被験者はプラシーボを用いていた。次いで、ホワイトスナッフを唇下に入れた(38)0分後、8分後、16分後、32分後、64分後および80分後に、脳幹ニューロンの活性が測定された。0〜32分のニコチン活性局面39の間、ニコチンの効果41が見られ、その後、ニコチンの効果は減衰している40。
【0146】
図5cは、6人の異なる被験者に対する異なるニコチン製品の効果47を示す。各被験者に対するニコチン製品の個々の効果は、各被験者についての個々のベースライン活性43と比較したパーセンテージとして、脳幹ニューロンにおける活性として示されている。ベースライン43は、被験者が12時間以上にわたってニコチンのない状態にあったことが分かった後に、各被験者について設定された。時点0において、ニコチンが各被験者に供給された42。これらの図は、上から下に、吸入によってたばこの2/3を吸う被験者46、唇下に2ピースのポーションスナッフを入れる被験者45、唇下に未知の量のホワイトスナッフを入れる被験者44a、唇下に2ピースのホワイトスナッフを入れる被験者44b、唇下に3ピースのホワイトスナッフを入れる被験者44c、および唇下に2ピースのホワイトスナッフを入れる被験者44dを示している。各図における結果は、各被験者のベースラインと比較したニコチンの効果のパーセンテージとして示されている。
【0147】
本発明のさらなる実施例が
図6aに示され、ここでは、被験者に対する向精神性の化合物または物質または食品の長期的な治療効果が概略的に示される。
【0148】
化合物の効果を比較可能な被験者のベースラインを設定して偏差指標50を得るために、ある時間継続するt(0)における第1のセッションが実行された。ベースラインの設定は、本発明の装置および方法を用いて上記と同じようになされる。この例では、ベースラインを設定する際、被験者は向精神性の化合物または物質または食品の影響下になかった48。次いで、被験者は向精神性の化合物または物質または食品が供給される49。ある時間継続する第2のセッションがt(1)において実行された。この第2のセッションは、第1のセッションの1日後、例えば数日後など、または1週間後、例えば数週間後など、または1カ月後、例えば数ヶ月後などに行なわれた。ここでは向精神性の化合物または物質または食品またはプラシーボの影響下にある被験者に対して、
図5a〜
図5cにおいて短期的な効果に関して上述したもの(薬物動態)と類似の態様で、繰返される音刺激が再び与えられる。
【0149】
一部の実施例においては、治療効果などの長期間に関連する効果を評価する際、脳幹反応に対する効果(測定値)は、各セッションの時間全体にわたって平均化されてもよい。
【0150】
さらにおよび/または代替的に、後に実行されるさらなるセッションが行なわれてもよい。このようにして、被験者に対する向精神性の化合物または物質または食品の長期的な治療効果を調べることができる。通常、これらのセッションは、数週間という時間で行なわれるが、数ヶ月または数年である場合もある。
【0151】
さらにおよび/または代替的に、被験者のベースラインを設定するために、後に実行される測定セッションを用いることができるであろう。
【0152】
さらにおよび/または代替的に、行なわれる各々の測定セッションはリアルタイムで評価されてもよい。さらに、本発明の一部の実施例においては、各セッションの脳幹反応をリアルタイムで評価する際、効果の長期的な評価のために、セッション全体にわたる反応の平均値が設定されて用いられてもよい。
【0153】
一部の実施例においては、完全な測定セッションは、用いられる音刺激に応じて、およそ40分間継続してもよい。一部の実施例においては、このセッションは、対象のニューロンと密接に関係があるより少ない音パルスを各々の列が含むように音刺激に焦点を合わせることによって、より短くてもよい。
【0154】
実施例においては、本発明の測定時間は短く保つことができる。なぜなら、以前に一般的になされていたように測定セッション中に不十分な測定を却下できないためである。その代わりに、セッション中に大量の音刺激が被験者に与えられるために、破損したデータは分析プロセス中に拒絶され得る。破損したデータは、測定値をその典型的な範囲内にしきい値化することによって識別されてもよい。
【0155】
図6bにおいて、例は、ADHDと診断されてさまざまな薬剤を与えられる11人の被験者に対する長期的な効果を示している。白色の四角は、各被験者のベースラインまたは偏差指標を示し、黒色の箱は、薬剤を用いて個人が治療を受けている時の、後のセッションにおける側方脳幹反応状態の活性化を示す。この図から、ADHDと診断された被験者に対して効果があることが知られている薬剤が、関連のニューロンについての側方脳幹反応状態の平均活性を下げることが明らかである。対照的に、鬱病と診断された被験者に対する効果が知られている薬剤は、ここでは、平均側方脳幹反応状態の活性を上昇させている。
【0156】
本発明の実施例は、脳幹の両側からの誘発反応を意味する両側活性、刺激と同一の側の活性のみを意味する同側活性、音が与えられない側の活性を意味する対側活性、または上記の状態の任意の組合せの記録に関する。このようにして、特定の調査状態との関連で、複雑な横方向のトポグラフィ反応プロファイルを確立することができる。
【0157】
これは、両耳に同時にまたは一度に一方の耳に交互に同一の刺激を与えることによって行なわれてもよい。代替的に、各々の耳に対して異なる音刺激が用いられてもよい。
【0158】
これらの横方向の変化反応プロファイルは、投与された特定の物質が脳幹内の規定のトポグラフィ位置の機能にどのように影響を及ぼすかを調査して判断する可能性をもたらす。例えば、特定の物質は脳幹の一方の側のみに影響を及ぼすことが分かる。例は、左側ではなく脳幹の右側が物質によって活性化されるというものである。上記の両側活性、同側活性または対側活性の記録は、脳幹の両側の活性を測定しながら一度に一方の耳にのみ刺激を与え、物質がこの反応にどのように影響を及ぼすかを判断することによって行なわれてもよい。脳幹の左側/右側に対する左/右耳の刺激の割合が測定データとして提供されてもよい。
【0159】
図7は、この例では誘発された聴覚脳幹活性の任意のトポグラフィ活性プロファイル51の例を示している。この例では、反応は、刺激後10ミリ秒の時間範囲にわたって、起動された記録を用いて測定される。トポグラフィにより、特定の向精神性の化合物または物質または食品がどこで活性であるか、および、効果がどこで示され得るかを調査することが可能になる。これは、測定の短期的な(薬物動態)セッションとしてまたは長期的な一連の治療効果の間に行なうことができる。どちらの場合にも、2つ以上のニューロンが誘発され、側方脳幹反応状態が判断される。次いで、2つ以上のニューロンについての側方脳幹反応状態の進展が分析される。向精神性の化合物または物質または食品がどこで活性効果を及ぼしているか、および、向精神性の化合物または物質または食品の効果がどれほど強いものであるかを示すために、ニューロンの活性を同一のグラフに記入できる。トポグラフィ図は、左側と右側との反応の差も示し得る。
【0160】
図7において、実線52は、物質または化合物の影響下にない被験者の左側53(上)および右側54(下)の対応する平均化された電気生理学的反応の描写を示す。このように、これら2つの実線52は、被験者の左側53および右側54の脳幹反応のベースラインをそれぞれ示している。点線55は、物質を服用した20分後の被験者の左側56(上)および右側57(下)の脳幹反応を示す。分かるように、大幅な左側でのピークIVの振幅の減少58がある。
【0161】
さらに、
図7は、被験者に供給された物質に起因する活性の変化がどのように脳幹の特定の領域のみを変化させるかということもより具体的に示している。
図7の例では、特定のニューロン群のみが脳幹の一方の側で影響を受ける。したがって、詳細についてのトポグラフィ表示レベルの分解能が高い状態で、被験者が自身の基準であるという事実(音パルスの未修正の列および音パルスの連続的な修正済みの列の使用)と個々のベースラインの使用(物質によって影響を受ける曲線に対するベースライン曲線を参照)とを組合わせたトポグラフィ表示により、化合物の効果の追跡が容易になる。さらに、標準的な聴覚刺激では示されないかもしれない脳のコーディングの仕組みにおける短時間の逸脱を検出するために、最も一般的には複雑な音刺激が必要とされる。
【0162】
明確にするために、聴覚脳幹内の音刺激の伝達59の曲線を示す。第1の音刺激60が耳61に与えられ、それが聴神経62に影響を及ぼし、次いで蝸牛神経核63に影響を及ぼし、次いで上オリーブ64に影響を及ぼし、次いで外側毛帯65に影響を及ぼし、次いで下丘66に影響を及ぼし、最後に視床皮質構造67に影響を及ぼす。このようにして、この例では、音刺激は脳幹下部69から中脳68まで反応を誘発させ得る。
【0163】
本明細書に記載されている試験を行なう際に被験者を自身の基準として用いることの重要性を強調するために、
図8a〜
図8cは、ADHDを患う患者の経口メチルフェニデート薬の効果の試験を示している。この試験では、音パルスの列の各々は、30秒間にわたって患者に音パルスを繰返し与え、被験者に与えられる各々の音パルスについて、対応する反応信号が記録される。次いで、平均誘発脳幹反応を得るために、音パルスの列の各組についての反応信号が平均化される。患者の薬フリー制御測定(すなわち、患者の個々のベースラインの設定)のために、測定がt0において開始する。t1は、経口メチルフェニデートが消費されてプラズマに出て行った後の時間である。
【0164】
図8aには、未修正の音パルスのみ、すなわち未修正の音パルスの列72である列を1つだけ備える音刺激のみによる測定が示されている。音刺激は(t0+0およびt0+60秒において)二度被験者に与えられ、対応する反応信号が記録され、平均誘発脳幹反応が確立された74a,74b。これは、患者がメチルフェニデート薬の影響下にない時、すなわちベースラインまたは制御状態でなされた。測定される変数は、ここでは、ピークIIIの振幅のμVの形で測定される絶対値70である。メチルフェニデートが消費された後、t1+0において薬の活性状態で音刺激(同一の30秒間の未修正の音パルスの列72)が患者に与えられ、t1+60秒において薬が代謝されている時に活性状態で音刺激が再び患者に与えられた。両方の時間において、対応する反応信号が記録され、平均誘発脳幹反応が確立された74c,74d。この測定では、検出可能なメチルフェニデートの効果を確立することはできなかった。
【0165】
図8bには、修正済みの音パルスのみ、すなわち修正済みの音パルスの列73である列を1つだけ備える音刺激のみによる測定が示されている。音刺激は(t0+0およびt0+60秒において)二度被験者に与えられ、対応する反応信号が記録され、平均誘発脳幹反応が確立された75a,75b。これは、患者がメチルフェニデート薬の影響下にない時、すなわちベースラインまたは制御状態でなされた。測定される変数は、ここでは、ピークIIIの振幅のμVの形で測定される絶対値71である。メチルフェニデートが消費された後、t1+0において薬の活性状態で音刺激(同一の30秒間の修正済みの音パルスの列72)が患者に与えられ、t1+60秒において薬が代謝されている時に活性状態で音刺激が再び患者に与えられた。両方の時間において、対応する反応信号が記録され、平均誘発脳幹反応が確立された75c,75d。この測定では、検出可能なメチルフェニデートの効果を確立することはできなかった。
【0166】
図8cには、未修正の音パルスの第1の列76および修正済みの音パルスの連続的な第2の列77を備える繰返される音刺激による相対的な効果92の測定が示されている。音刺激は(t0+0およびt0+60秒において)二度被験者に与えられた。音刺激の各々の列について、対応する反応信号が記録され、平均誘発脳幹反応が確立された93,94。このようにして、未修正の音パルスの第1の列76の各々についての第1の平均反応信号93および修正済みの音パルスの第2の列77の各々についての第2の平均反応信号94が得られた。t0+60およびt1+0秒において、t0+0およびt0+60秒においてそれぞれ患者に与えられた音刺激に対応する第1および第2の平均反応信号93,94が比較された78。これら2つの音刺激は、患者がメチルフェニデート薬の影響下にない時、すなわち制御状態またはベースラインで与えられた。測定される変数は、未修正の平均誘発反応79a,79bのパーセンテージとして、修正済みの列の平均誘発脳幹反応として与えられる。メチルフェニデートが消費された後、t1+0において薬の活性状態で同一の音刺激が患者に与えられ、t1+60秒において薬が代謝されている時に活性状態で同一の音刺激が再び患者に与えられた。再び、対応する反応信号が記録され、各々の音刺激の音パルスの各々の列についての第1および第2の平均反応信号93,94が確立された。t1+60秒およびt1+120秒において、第1および第2の平均反応信号93,94が比較された。ここで、検出可能なメチルフェニデートの効果が見られる79c,79d。したがって、結論は、この場合メチルフェニデートの効果を追跡するためには、提示されている本発明の装置および方法が必要である、というものであり得る。
【0167】
図9に示されているさらなる実施例において、被験者の側方脳幹反応状態の進展を検出するための装置または方法は、脳パターン分析による物質のブラインド特定のために用いられる。このために、後の脳幹反応状態は、未修正の音パルスの第1の列と、第1の列に連続的な第2の列である修正済みの音パルスの少なくとも1つの列とを備える音刺激に基づく方法を利用することによって被験者が自身の基準である上記の方法を用いて得られる複雑なデータである。
【0168】
当該方法は、多くの異なる態様で実施されてもよい。例えば、13個の音パルスがすべて、音パルスの少なくとも2つの連続的な列において用いられてもよい。被験者に音刺激を繰返し与えることによって、複雑な誘発側方脳幹反応状態パターンが得られ1000、これは被験者のニューロン集団の活性の脳幹反応プロファイル(
図1参照)をもたらす。音パルスの第2の列の音パルスに対してさまざまな変調および/または修正が加えられる。すなわち、まず、特定の第1の時間にわたって第1の変調により試験が繰返し行なわれ、次いで第2の時間にわたって異なる変調により再び試験が行なわれ、次いで第3のタイプの変調により試験が行なわれる、などである。異なる向精神性の化合物、物質または食料品の影響下にある被験者の大きなグループから得られるプロファイルの集団からの情報を含むデータベースからのデータと記録されたプロファイルとを比較する1010ことによって、被験者のプロファイルとデータベースにコンパイルされたデータとの重なりが見出される1020。この重なりは、1030の下で、被験者がどの活性の向精神性の化合物または物質の影響下にあるかを示す。
【0169】
試験は、特定の向精神性の化合物もしくは物質または向精神性の化合物もしくは物質の群について側方脳幹反応状態を誘発させることが知られている音刺激および音刺激を修正したもののみを含むことによって、特定の向精神性の化合物もしくは物質もしくは食料品または向精神性の化合物もしくは物質もしくは食料品の群に焦点を合わせてもよい。
【0170】
同一の方法は、患者の脳幹プロファイルを得て、プラスの効果があることが知られている対応する治療、すなわち特定の薬を特定するために用いられてもよい。これは、患者の脳幹パターンプロファイルを得て1000、それと、特定のタイプの脳幹パターンプロファイルを有する患者に対してプラスの治療効果があることが知られている既知のパターンおよび医薬品のデータベースとを比較する1010によってなされてもよい。
【0171】
当該比較は、脳幹パターンプロファイルを有する患者についての好適な薬の第1の特定1030のために用いることができる重なり1020をもたらす。これは、医師が特定の患者にとって最も効果的な薬および/または投与量を選択することによって療法の治療効率を上げることに役立ち得る。したがって、よく効く薬を見つける前に患者に対してさまざまな薬を試すのに費やされる時間を減らすことができる。このようにして、患者に対する誤った薬剤および/または薬剤の誤った投与量もしくは使用および/または効果が低い投与量に起因して患者が苦しまなければならない恐れがある時間が短くなる。これは、患者が副作用を被るリスクを下げることにも役立ち得る。
【0172】
これらの方法はここでは定性的な観点で説明されているが、本発明は同一の試験を定量的に行なうためにも用いられてもよい。
【0173】
当該方法は、音パルスの第2の列を形成する音パルスを修正するステップを備えていてもよく、音パルスを修正するステップは、音パルスの列の各々の音パルスの前、後または上にノイズを追加すること、および/または、音パルスの第2の列の周波数および/または振幅の増大および/または減少によるものを備える。
【0174】
当該方法は、第1の反応信号に基づいて被験者の側方脳幹反応状態についての基準値を与えるステップを備えていてもよい。
【0175】
当該方法は、音パルスの少なくとも1つの第2の列に対応する第2の反応信号を検出して、側方脳幹反応状態を判断するために第1の反応信号と被験者の基準値とを比較するステップを備えていてもよい。
【0176】
当該方法は、音パルスの少なくとも2つの連続的な列を備える音刺激を繰返し生成して、向精神性の化合物または物質または食品の影響下にない被験者に当該音刺激を送り、このようにして音パルスの第2の列に対する被験者の側方脳幹反応状態ベースラインを設定するステップを備えていてもよい。
【0177】
当該方法は、音刺激を繰返し生成して被験者に送り、第1の時間継続する測定セッション中に現在の脳幹反応状態とベースラインとをリアルタイムで比較することによって被験者の脳幹反応状態の進展をモニタリングして判断するステップを備えていてもよく、被験者の脳幹反応状態の進展は、被験者のベースラインとの比較である。
【0178】
当該方法は、被験者に対する向精神性の化合物または物質または食品またはプラシーボの短期的な効果または影響を判断するステップを備えていてもよい。
【0179】
当該方法は、第1の測定セッション中に音刺激を繰返し生成して被験者に送り、次いでその後、第2の時間、すなわち後の機会に行なわれる少なくとも第2の測定セッション中に音刺激を繰返し生成して被験者に送るステップを備えていてもよく、被験者の脳幹反応状態の進展は、現在の脳幹反応状態と被験者の以前に設定されたベースラインとを比較することによって、第2の時間にわたって判断される。
【0180】
当該方法は、被験者に対する向精神性の化合物または物質または食品またはプラシーボの長期的な治療効果または影響を判断するステップを備えていてもよい。
【0181】
当該方法は、さまざまな音刺激に対するさまざまなニューロン反応を同時にモニタリングするステップを備えていてもよい。
【0182】
当該方法においては、検出された被験者の側方脳幹反応状態は、被験者の側方脳幹反応状態のプロファイルであってもよい。
【0183】
当該方法は、被験者のプロファイルとプロファイルの集団を備えるデータベースとを比較し、被験者が向精神性の化合物または物質または食品の影響下にあるか否かを判断するステップを備えていてもよい。
【0184】
当該方法は、向精神性の化合物または物質または食品を定量的に判断するステップを備えていてもよい。
【0185】
実施例においては、音刺激に対するニューロン誘発反応パターンの集団に応じてある時間にわたって被験者の側方脳幹反応状態の進展を検出するための、上記のシステムなどに含まれるコンピュータによる処理のためのコンピュータプログラムを組み入れたコンピュータ可読媒体であって、当該コンピュータプログラムは複数のコードセグメントを備え、当該複数のコードセグメントは、ニューロン反応パターンを誘発させる音刺激を被験者に繰返し与えるための第1のコードセグメントを備え、当該音刺激は、音パルスの第1の列と、少なくとも音パルスの第2の連続的な列とを備え、当該複数のコードセグメントはさらに、音パルスの第1の列によって第1の反応信号を誘発させ、音パルスの第2の列によって第2の反応信号を誘発させるための第2のコードセグメントと、ニューロン反応パターンに関連する脳幹反応信号を検出するための第3のコードセグメントと、第1および第2の反応信号の比較に基づいて側方脳幹反応状態の進展を判断するための第4のコードセグメントとを備える、コンピュータ可読媒体を提供する。
【0186】
コンピュータプログラムは、上記の方法を実行することができるように提供されてもよい。
【0187】
得られた反応の差に基づいて人の脳に対する物質の効果を検出するための、聴力検査脳幹反応システムの使用もしくは使用方法、または上記のシステムの使用もしくは使用方法、または上記の方法の使用もしくは使用方法を提供してもよい。当該物質は精神活性化合物であってもよく、当該効果は当該精神活性化合物によって引起される。当該物質は食品であってもよく、当該効果は当該食品によって引起される。当該物質は医薬品であってもよく、当該効果は当該医薬品によって引起される。当該物質は人に投与される化学物質であってもよく、当該効果は当該化学物質によって引起される。当該物質はハーブ化合物であってもよく、当該効果は当該ハーブ化合物によって引起される。当該物質は人が吸入するガスであってもよく、当該効果は当該ガスによって引起される。当該物質は人がさらされる香料であってもよく、当該効果は当該香料によって引起される。
【0188】
当該使用もしくは使用方法は、人が当該効果をいつ認識し始めるかを判断するステップを備えていてもよい。当該効果は、被験者が当該効果に気付く前に判断されてもよい。
【0189】
薬剤が人に対していつ効果があるかを検出するための、聴力検査脳幹反応システムの使用もしくは使用方法、または上記のシステムの使用もしくは使用方法、または上記の方法の使用もしくは使用方法を提供してもよい。当該薬剤はADHD薬であってもよく、当該効果は、特定のニューロンについて側方脳幹反応状態の平均活性の減少を検出することによって検出される。
【0190】
脳パターン分析による物質のブラインド特定のために被験者の側方脳幹反応状態の進展を検出するための、聴力検査脳幹反応システムの使用もしくは使用方法、または上記のシステムの使用もしくは使用方法、または上記の方法の使用もしくは使用方法を提供してもよい。
【0191】
向精神性の化合物または物質または食品または療法の神経生理学的効果をリアルタイムでモニタリングするための、聴力検査脳幹反応システムの使用もしくは使用方法、または上記のシステムの使用もしくは使用方法、または上記の方法の使用もしくは使用方法を提供してもよい。
【0192】
具体的な実施例を参照して本発明について上述してきた。しかし、上記以外の他の実施例が本発明の範囲内で等しく可能である。ハードウェアまたはソフトウェアによって方法を実施する、上記のものとは異なる方法ステップが本発明の範囲内で提供されてもよい。本発明のさまざまな特徴およびステップは、上記のもの以外の他の組合せで組合わせられてもよい。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。