(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるマルチボード設計装置、マルチボード設計方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
まず、
図3には、本発明によるマルチボード設計装置のハードウエア構成を示すブロック構成説明図が示されている。
この本発明によるマルチボード設計装置10は、公知のパーソナルコンピューターや汎用コンピューターなどで実現されており、その動作を中央処理装置(CPU)12を用いて制御するようにしている。
【0022】
そして、このCPU12には、バス14を介して、CPUの制御のためのプログラムや各種のデータなどを記憶するリードオンリメモリ(ROM)やCPU12のためのワーキングエリアとして用いられる記憶領域などを備えたランダムアクセスメモリ(RAM)などから構成される記憶装置16と、外部に接続される各種機器の入出力インターフェース回路(I/O)26とが接続されている。
また、このマルチボード設計装置10においては、CPU12の制御により生成された各種データを出力するプリンターなどの出力装置18と、CPU12の制御に基づいて各種の表示を行うCRTや液晶パネルなどの画面を備えた表示装置20と、表示装置20の表示画面上における任意の位置を指定するための入力装置たるマウスなどのポインティングデバイス22と、任意の文字を入力するための入力装置たるキーボードなどの文字入力デバイス24とを有して構成されている。
【0023】
さらに、このマルチボード設計装置10においては、ハードディスクなどの外部記憶装置28がI/O26を介して接続されているとともに、コンパクトディスク(CD)やデジタルバーサタイルディスク(DVD)などのようなコンピューター読み取り可能な記録媒体(以下、単に「記録媒体」と適宜に称する。)30へCPU12の制御に基づき生成された各種データを書き込んだり、記録媒体30から記憶装置16へ各種データを読み込んだりするためのリードライト装置32がI/O26を介して接続されている。
ここで、後述するマルチボード設計装置10により各種処理を実行するためのプログラムや当該各種処理に用いる各種データは、記憶装置16のROMやRAMへ予め記憶するようにしてもよいし、外部記憶装置28や記憶媒体30から記憶装置16のRAMへ読み込むようにしてもよい。
【0024】
また、マルチボード設計装置10に通信機能を設けるようにして、後述するマルチボード設計装置10による各種処理を実行するためのプログラムや当該各種処理に用いる各種データを、通信により外部からマルチボード設計装置10の記憶装置16のRAMへ読み込むようにしてしてもよい。
なお、以下の説明においては、マルチボード設計装置10の理解を容易にするために、記憶装置16にマルチボード設計装置10による各種処理を実行するためのプログラムの他、当該各種処理に用いる各種データが予め記憶されているものとする。
【0025】
次に、
図4を参照しながら、本発明によるマルチボード設計装置10について、詳細に説明することとする。
図4は、本発明によるマルチボード設計装置の機能的構成を表すブロック構成説明図である。
このマルチボード設計装置10は、設計対象たるマルチボードを構成する基板の電気的な接続関係を示す基板間関連付け情報を階層構造を用いて作成する基板間関連付け情報作成部50と、基板間関連付け情報作成部50において作成した階層構造における各基板間の電気的な接続情報を示す基板間接続情報を設定する基板間接続情報設定部52とから構成され、当該設計対象の構成情報を設定する構成情報設定部54と、構成情報設定部54により設定した構成情報が設計者により変更されると、変更された情報(以下、変更情報と称する。)を本装置が検知する変更情報検知部56と、変更情報検知部56により検知した変更情報と、構成情報設定部54で設定した構成情報とに基づいて設計対象の各階層間の接続情報を本装置が変更する接続情報変更部58と、記憶装置16に記憶されている基板の設計データ、基板間関連付け情報および基板間接続情報に基づいて設計対象たるマルチボードの3次元形状データ(以下、「3次元形状データ」を「モデルデータ」と適宜に称することとする。)を作成するとともに、基板間関連付け情報およびモデルデータを表示し、接続情報変更部58により変更した変更内容に基づいて、表示装置20に表示する表示内容を本装置が変更する表示内容変更部60と、所定の設計者のみが設計可能な領域を設定する設計可能領域設定部62と、設計可能領域設定部62において設定した所定の設計者以外の設計者による操作を禁止する排他制御部64と、構成情報設定部54において設定された構成情報を本装置が記憶するとともに、変更情報検知部56で検知した変更情報に基づいて構成情報を本装置が変更して記憶する構成情報記憶部66とを有して構成されている。
なお、本実施の形態においては、電気的に接続された複数の基板より構成されるマルチボードを設計対象として説明することとする。また、こうしたマルチボードは、CADやCAMなどのような電子基板設計装置などで作成された電子基板の設計データであり、上記したように記憶装置16に既に記憶されている。
【0026】
より詳細には、構成情報設定部54における基板間関連付け情報作成部50は、設計対象を構成する所定の構成要素を単位として基板間関連付け情報を作成するものであり、例えば、複数の基板より構成されるマルチボードに対しては、マルチボードを構成する各基板を単位として基板間関連付け情報を作成するようにしたものである。
また、構成情報設定部54における基板間接続情報設定部52は、基板間関連付け情報作成部50で作成した基板間関連付け情報における階層構造の構成要素間の電気的な接続情報を設定するものであり、例えば、複数の基板より構成されるマルチボードに対しては、マルチボードを構成する各基板間の電気的な接続情報を設定するものである。
【0027】
さらに、変更情報検知部56は、設計者の操作により基板間関連付け情報あるいはモデルデータ(後述する。)が変更されると、変更された基板間関連付け情報あるいはモデルデータの変更情報を検知するものであり、検知した変更情報は構成情報記憶部66に出力されて、構成情報記憶部66に記憶される。
また、変更情報検知部56は、設計者の操作によりオブジェクト(後述する。)の編集が開始(終了)されたことを示す編集情報や所定の設計者以外の編集を禁止する排他設定が行われたことを示す設定情報を本装置が検知し、検知した各種情報を構成情報記憶部66に出力し、記憶する。
接続情報変更部58は、変更情報検知部56が検知し、構成情報記憶部66に記憶した変更情報および構成情報設定部54の構成情報に基づいて本装置が接続情報を変更するものである。
【0028】
具体的には、変更前の構成情報設定部54で設定した構成情報における電気的な接続関係が維持されるように、変更情報に関連する構成情報を本装置が変更するものである。
また、表示内容変更部60は、接続情報変更部58により変更した変更内容に基づいて、表示装置20に表示される表示内容を本装置が変更するものである。
また、表示内容変更部60では、例えば、複数の設計者により設計を行う際に、所定の設計者以外の設計者により行われた設計変更箇所について、明確になるよう本装置が表示状態を変更する、あるいは、所定のマークや変更内容を通知するメッセージを表示するなどの処理を行うものである。
【0029】
表示内容変更部60は、基板間関連付け情報作成部50により作成された基板間関連付け情報および基板間接続情報設定部52により作成された基板間接続情報を表示するとともに、記憶装置16に記憶された基板の設計データ、基板間関連付け情報および基板間接続情報に基づいて設計対象のモデルデータを作成して表示する。
さらに、表示内容変更部60は、設計可能領域設定部62により設計可能な領域を設定した場合に、この設定内容に基づいて、設計者に対して設計が不可能な領域が明確になるように、例えば、設計が不可能な領域を本装置がグレーアウトで表示したり、あるいは、設計が不可能な領域を所定の線分で囲むとともに、当該領域上に編集禁止を示すマークを表示するようにする。
また、表示内容変更部60は、例えば、複数の設計者により設計を行う際に、各設計者が使用する端末の表示画面上に表示された表示内容を検知するものである。
【0030】
設計可能領域設定部62は、複数の設計者により設計を行う際に、各設計者が設計可能な領域を設定するものであり、設計対象において設計を行う領域を各設計者が自身で設定したり、あるいは、所定の設計者が、それぞれの設計者が設計を行う領域を設定したりするものである。
【0031】
また、排他制御部64は、複数の設計者により設計を行う際に、設計可能領域設定部62において設定した設計者に対する設計可能領域において他の設計者による操作を禁止する排他制御をするものである。
さらに、排他制御部64は、複数の設計者により設計を行う際に、設計可能領域設定部62において設定されず、全ての設計者が設計可能な領域において、いずれかの設計者が所定のオブジェクト(後述する。)を操作中に他の設計者による当該所定のオブジェクトの操作を排他制御するものである。
【0032】
構成情報記憶部66は、予め各基板の設計データを記憶するとともに、構成情報設定部54において設定した構成情報を記憶する。さらに、変更情報検知部56で本装置が検知した変更情報に基づいて構成情報を変更して記憶するとともに、接続情報変更部58により変更した構成情報を記憶するものである。
なお、こうした構成情報記憶部66は、複数の設計者による並行設計を行う場合には、変更情報検知部56で本装置が検知した変更情報を記憶して、各設計者が使用する端末に出力するものである。また、格納された基板データを必要に応じて各設計者が使用する端末に出力するものである。基板データとは、複数の基板により構成される設計対象における各基板を表すデータである。
【0033】
以上の構成において、本発明によるマルチボード設計装置10により、マルチボード100を設計する場合、つまり、マルチボード100の構成要素たる複数の基板を編集する場合について説明する。
まず、図
5乃至
図12を参照しながら、構成情報設定部54における設定について説明する。
この構成情報設定部54における設定は、基板間関連付け情報作成部50による設計の対象となるマルチボード100に対して、当該マルチボード100の構成要素たる各基板を単位として階層構造を作成するとともに、基板間接続情報設定部52による当該各基板の接続情報を設定する作業を行う。
はじめに、基板間関連付け情報作成部50によるマルチボード100に対する階層構造の作成について説明する。
【0034】
ここで、
図5(a)には、本発明によるマルチボード設計装置の構成情報設定時における表示装置の表示画面を表す説明図が示されており、また、
図5(b)には、
図5(a)に示す設計の対象たるマルチボードの構成情報を記憶した状態の構成情報記憶部を表す説明図が示されており、また、
図6(a)(b)(c)には、
図5(b)に示す構成情報記憶部に格納された基板の構成情報たる基板データを階層構造で構成する際の手順を説明するための説明図が示されており、また、
図7(a)には、構成情報記憶部に設けられた階層情報に記憶された基板間関連付け情報を表す説明図が示されており、
図7(b)には、
図7(a)に示す基板間関連付け情報に基づいて表示装置における構造情報表示部での表示状態の一例を表す説明図が示されている。
【0035】
マルチボード設計装置10においては、
図5(a)に示すような表示装置20における表示画面上で設計者が設計作業を行うものであるが、この表示装置20の画面上には、設計の対象となるマルチボード100が3次元形状のモデルデータとして表示されるモデルデータ表示部20aと、マルチボード100の構造情報が表示される構造情報表示部20bとが表示されることとなる。即ち、設計者は、構造情報表示部20bに表示された内容や、モデルデータ表示部20aに表示された内容を編集することで、基板データを編集し、マルチボードの設計を行うこととなる。
以下の説明においては、この
図6(a)に示すマルチボード100における階層構造の作成について説明することとする。
【0036】
こうした階層構造の作成については、基板間関連付け情報作成部50において処理がなされ、まず、設計者が構造情報表示部20bの階層構造タブ20baを選択し、構造情報表示部20bに表示された開くボタン70をクリックすると、データリストウインドウ72が開く。そして、このデータリストウインドウ72に表示されたデータリストから「基板A」を選択して、基板Aを構造情報表示部20bに表示するとともに、基板Aのモデルデータをモデルデータ表示部20aに表示する(
図6(a)を参照する。)。
なお、新たに基板データを作成する場合には、構造情報表示部20bに表示された新規ボタン74をクリックし、新規の基板データを作成するものである。なお、こうした新規の基板データの作成については、公知の技術を用いることができるため、その詳細な説明は省略することとする。
【0037】
次に、階層構造に基板Bを追加する場合には、構造情報表示部20bに表示された基板Aを選択して、追加削除設定メニュー76を表示し、表示した追加削除設定メニュー76から「追加」を選択する。追加削除設定メニュー76において「追加」を選択すると、階層設定メニュー78が表示され、表示された階層設定メニュー78から「下層階」を選択し、階層設定メニュー78から「下層階」を選択した際に開かれたデータリストウインドウ80に表示されたデータリストから「基板B」を選択する。これにより、基板Bが構造情報表示部20bにおいて基板Aの下位階層のデータとして追加されるとともに、基板Bのモデルデータがモデルデータ表示部20aにおいて基板A上に表示される(
図6(b)を参照する。)。
【0038】
同様にして、基板Cおよび基板Dについても、追加削除設定メニュー76で「追加」を選択して、表示装置20の表示画面上に基板Cおよび基板Dを階層構造に追加するとともに、基板Cおよび基板Dのモデルデータを表示する(
図6(c)を参照する。)。
即ち、階層構造に基板Cを追加する場合には、構造情報表示部20bに表示された基板Bを選択して、追加削除設定メニュー76を表示し、表示した追加削除設定メニュー76から「追加」を選択する。追加削除設定メニュー76において「追加」を設定すると、階層設定メニュー78が表示され、表示された階層設定メニュー78から「同階層」を選択し、階層設定メニュー78から「同階層」を選択した際に開かれたデータリストウインドウ80に表示されたデータリストから「基板C」を選択する。これにより、基板Cが構造情報表示部20bにおいて基板Bの同位階層のデータとして追加されるとともに、基板Cのモデルデータがモデルデータ表示部20aにおいて基板A上に表示される。
なお、基板Cを階層構造に追加する場合には、構造情報表示部20bに表示された基板Aを選択し、追加削除設定メニュー76から「追加」を選択し、階層設定メニュー78から「下階層」を選択し、データリストウインドウ80のデータリストから「基板C」を選択することにより、基板Cが構造情報表示部20bにおいて基板Aの下位階層において基板Bの同位階層のデータとして追加されるとともに、基板Cのモデルデータがモデルデータ表示部20aにおいて基板A上に表示されるようにしてもよい。
【0039】
また、階層構造に基板Dを追加する場合には、構造情報表示部20bに表示された基板Cを選択して、追加削除設定メニュー76を表示し、表示した追加削除設定メニュー76から「追加」を選択する。追加削除設定メニュー76において「追加」を設定すると、階層設定メニュー78が表示され、表示された階層設定メニュー78から「下階層」を選択し、階層設定メニュー78から「下階層」を選択した際に開かれたデータリストウインドウ80に表示されたデータリストから「基板D」を選択する。これにより、基板Dが構造情報表示部20bにおいて基板Cの下位階層のデータとして追加されるとともに、基板Dのモデルデータがモデルデータ表示部20aにおいて基板C上に表示される。
こうしてマルチボード100の階層構造が作成されると、作成された階層構造は、各基板の設計データ(つまり、各基板の基板データである。)がそれぞれ別々のファイルに記憶されている構成情報記憶部66の階層情報に基板間関連付け情報として記憶される(
図5(b)を参照する。)。なお、この構成情報記憶部66において各ファイルに記憶される基板の設計データとしては、基板のモデルデータ(つまり、基板の3次元形状データである。)、部品のモデルデータ(つまり、部品の3次元形状データである。)、部品の配置情報、電気的接続情報などが格納されている。
【0040】
この基板間関連付け情報としては、例えば、
図7(a)に示すようにして、
図7(b)に示す表示装置20の表示画面の構造情報表示部20bに示された表示された階層構造に対応するように、IDや親IDを付加されて記憶される。
即ち、各基板それぞれにIDが付加されるとともに、下位階層の基板には、親の階層(上位階層)に位置する基板のIDが親IDとして付加されて記憶される。
具体的には、基板Aについては、IDとして「1」が付加されるとともに、親IDは付加されず、基板Bについては、IDとして「2」が付加されるとともに、親IDとして基板AのIDである「1」が付加される。また、基板Cについては、IDとして「3」が付加されるとともに、親IDとして基板AのIDである「1」が付加され、基板Dについては、IDとして「4」が付加されるとともに、親IDとして基板CのIDである「3」が付加される。
【0041】
次に、基板間接続情報設定部52によるマルチボード100を構成する各基板の接続関係の設定について説明する。
ここで、
図8(a)(b)(c)には、階層構造を作成したマルチボードにおける各階層間の接続関係を設定する際の手順を説明するための説明図が示されており、また、
図9(a)には、基板Aと基板Bとを電気的に接続した接続情報が自動発生した状態を表す説明図が示されており、また、
図9(b)には、接続情報がない状態を表す説明図が示されており、また、
図9(c)には、接続情報がある状態を表す説明図が示されており、また、
図10(a)には、接続情報に対応した基板間接続情報を表す説明図が示されており、また、
図10(b)には、
図10(a)の基板間接続情報に対応した接続情報が表示された状態を表す説明図が示されている。
【0042】
階層構造が作成されたマルチボード100において、マルチボード100の構成要素たる各基板間の電気的な接続関係を設定する。まず、電気的な接続関係を設定する2つの基板を選択する。なお、以下の説明においては、基板Aと基板Bとの間の電気的な接続関係を設定する場合について説明する。
構造情報表示部20bに表示された階層構造のリストから「基板A」と「基板B」とを選択すると、構造情報表示部20bに接続ボタン82が表示され、接続ボタン82をクリックする(
図8(a)を参照する。)。
【0043】
すると、接続部品選択ウインドウ84が表示されて、接続部品選択ウインドウ84内に基板Aと基板Bとのそれぞれの基板に配置された部品の一覧が表示され、基板Aと基板Bとをどの部品によって接続するかを選択し、接続部品選択ウインドウ84内に表示された次へボタン86をクリックする(
図8(b)を参照する。)。
具体的には、
図8(b)に示すように、接続部品選択ウインドウ84には、基板Aおよび基板Bに配置された部品の一覧が表示され、「基板Aの部品」として「IC1」、「IC2」、「CN1−1」が表示され、「基板Bの部品」として「IC11」、「IC12」、「CN1−2」が表示される。そして、表示された部品の中から、基板Aと基板Bとを電気的に接続する部品を選択し、「基板Aの部品」からコネクタである「CN1−1」を選択するとともに「基板Bの部品」からコネクタである「CN1−2」を選択する。
【0044】
こうして、基板Aおよび基板Bにおいてそれぞれ部品を選択すると、当該部品における接続ピン選択ウインドウ88が表示されて、接続ピン選択ウインドウ88内にCN1−1およびCN1−2のそれぞれのコネクタに設けられたピンの一覧が表示され、CN1−1とCN1−2とをどのピンによって接続するかを選択し、接続ピン選択ウインドウ88内に表示された自動接続ボタン90をクリックする(
図8(c)を参照する。)。
具体的には、
図8(c)に示すように、接続ピン選択ウインドウ88には、CN1−1およびCN1−2に設けられたピンの一覧が表示され、「CN1−1のピン」として「CN1−1(A1)」、「CN1−1(A2)」、「CN1−1(A3)」が表示され、「CN1−2のピン」として「CN1−2(A1)」、「CN1−2(A2)」、「CN1−2(A3)」が表示される。
【0045】
そして、コネクタ「CN1−1」およびコネクタ「CN1−2」のピン一覧が表示された状態で自動接続ボタン90をクリックすると、ピン名称(A1、A2、A3で記載した部分である。)が同一のピン同士を電気的に接続すべきことを示す接続情報が自動発生する(
図9(a)を参照する。)。
なお、異なるピン名称のピン間で接続する場合には、ピン一覧に表示されたピン名称をコネクタ「CN1−1」およびコネクタ「CN1−2」において選択し、その後、接続ボタン94をクリックすることで、指定したピン間に接続情報が発生することとなる。
こうした接続情報を発生していない場合には、
図9(b)に示すような状態となってしまう。
即ち、
図9(b)に示すように、接続情報を発生していない場合には、基板A上に設けられた部品「IC1」はコネクタ「CN1−1」のピン「A1」に接続され、基板B上に設けられた部品「IC11」はコネクタ「CN1−2」のピン「A1」に接続されているが、部品「IC1」と部品「IC11」とは接続された状態となっていない。このため、基板Aと基板Bとは電気的に接続されていない状態となっている。
【0046】
一方、
図9(c)に示すように、接続情報を発生した場合には、コネクタ「CN1−1」のピン「A1」とコネクタ「CN1−2」のピン「A2」とが接続情報により接続しているため、部品「IC1」と部品「IC11」とが接続された状態となる。このため、基板Aと基板Bとが電気的に接続された状態となる。
こうして基板Aと基板Bとの電気的な接続関係を設定した後に、同様にして、基板Aと基板Cとの電気的な接続関係を設定するとともに、基板Cと基板Dとの電気的な接続関係を設定する。
【0047】
そして、各基板間の電気的な接続関係を設定すると、設定された接続関係は、構成情報記憶部66の階層情報に基板間接続情報として記憶される(
図5(b)を参照する。)。
この基板間接続情報としては、例えば、
図10に示すようにして、
図10(a)に示すような接続関係が本装置により記憶される。
即ち、上位階層の基板情報を親情報とし、下位階層の基板情報を子情報として記憶される。
具体的には、親情報としては「親設計データ」、「親部品」、「親ピン」が記憶され、子情報としては「子設計データ」、「子部品」、「子ピン」が記憶され、基板Aに配置したコネクタCN1−1のピンA1と基板Bに配置したコネクタCN1−2のピンA1とが電気的に接続された場合には、
図10(a)の1行目に示すように、親設計データとして「基板A」、親部品として「CN1−1」、親ピンとして「A1」が記憶されるとともに、子設計データとして「基板B」、子部品として「CN1−2」、子ピンとして「A1」が記憶される。
【0048】
同様にして、基板Aに配置したコネクタCN1−1のピンA2と基板Bに配置したコネクタCN1−2のピンA2とが電気的に接続された場合には、
図10(a)の2行目に示すように、親設計データとして「基板A」、親部品として「CN1−1」、親ピンとして「A2」が記憶されるとともに、子設計データとして「基板B」、子部品として「CN1−2」、子ピンとして「A2」が記憶され、基板Aに配置したコネクタCN1−1のピンA3と基板Bに配置したコネクタCN1−2のピンA3とが電気的に接続された場合には、
図10(a)の3行目に示すように、親設計データとして「基板A」、親部品として「CN1−1」、親ピンとして「A3」が記憶されるとともに、子設計データとして「基板B」、子部品として「CN1−2」、子ピンとして「A3」が記憶される。
【0049】
このようにして構成情報を作成した設計対象となるマルチボード100について、次に、複数の設計者により並行して設計を行う場合について説明する。
なお、マルチボード設計装置10を利用して、複数の設計者により設計対象となるマルチボード100を並行して設計する場合には、各設計者が使用する端末がネットワークにより接続されている。
【0050】
具体的には、
図12乃至
図16を参照しながら、マルチボード100において、基板Aの設計を設計者Aが行い、基板Bの設計を設計者Bが行う場合について説明する。なお、
図12以降においては、説明の理解を容易にするために、表示装置20の表示画面の表示をモデルデータ表示部20aを中心として表示する。また、必要に応じて、表示画面の左上にはマルチボード100の全体図が表示されるとともに、左下には基板の階層構造が表示され、当該構成構造においては、設計中の基板がハイライト表示されている。
設計者Aの表示装置20の表示画面においては、左下の階層構造では基板Aがハイライト表示され、設計者Bの表示装置20の表示画面においては、左下の階層構造では基板Bがハイライト表示されている(
図12を参照する。)。
なお、このマルチボード100においては、構成情報設定部54により各基板の接続関係が設定しており、基板Aの部品「IC1」と基板Bの部品「IC11」とは、コネクタ「CN1−1」およびコネクタ「CN1−2」を介して電気的な接続情報により接続されるよう設定している。また、部品「IC1」はコネクタ「CN1−1」のピン「A1」に接続され、部品「IC11」はコネクタ「CN1−2」のピン「A1」に接続されるよう設定している。
【0051】
その後、設計者Aが部品「IC1」を基板A上で移動するとともに、この部品「IC1」の接続先をコネクタ「CN1−1」のピン「A1」からピン「A3」に変更すると、変更情報検知部56、接続情報変更部58および表示内容変更部60における処理により設計者Bが編集している基板Bの接続情報が自動変更される。つまり、基板Bにおいては、部品「IC11」の接続先がコネクタ「CN1−2」のピン「A1」からピン「A3」に自動変更される(
図13を参照する。)。
このようにして、一方の基板における接続情報の変更に伴って、他方の基板の接続情報を自動的に変更することにより、マルチボード100の構成要素たる各基板間の電気的な接続関係が維持された状態で各基板データを並行して設計することが可能となる。
【0052】
ここで、こうした一方の基板における接続情報の変更に伴って、他方の基板の接続情報を自動的に変更するような構成がない場合には、
図14(b)に示すように、基板Aに設けられた部品「IC1」と基板Bに設けられた部品「IC11」とが接続されていない状態となる。
即ち、一方の基板における接続情報の変更に伴って、他方の基板の接続情報を自動的に変更されない場合には、設計者Aによる部品「IC1」の接続先の変更前では、
図14(a)に示すように、コネクタ「CN1−1」のピン「A1」とコネクタ「CN1−2」のピン「A1」を介して、部品「IC1」と部品「IC11」とが接続された状態となっているのに対し、設計者Aによる部品「IC1」の接続先をコネクタ「CN1−1」のピン「A1」からピン「A3」に変更した後では、
図14(b)に示すように、部品「IC11」とコネクタ「CN1−2」におけるピンの接続を変更していないために部品「IC1」と部品「IC11」とが接続されていない状態となっている。このため、この場合には、基板Aと基板Bとが接続していない状態となっている。
【0053】
一方、マルチボード設計装置10においては、一方の基板における接続情報の変更に伴って、他方の基板の接続情報を自動的に変更するような構成を備えることにより、各基板の接続状態(各部品の接続状態)を維持することができ、各基板データの複数の設計者による並行設計を可能にしている。
即ち、マルチボード設計装置10では、上記したようにして、コネクタ「CN1−1」のピン「A1」とコネクタ「CN1−2」のピン「A1」を介して、部品「IC1」と部品「IC11」とが接続された状態(
図14(c)を参照する。)から、設計者Aが部品「IC1」の接続先をコネクタ「CN1−1」のピン「A1」からピン「A3」へ変更すると、部品「IC11」の接続先がコネクタ「CN1−2」のピン「A1」からピン「A3」に自動的に変更される(
図14(d)を参照する。)。このため、部品「IC1」と部品「IC11」との接続状態を維持しながら、各基板データの複数の設計者による並行設計を可能にしている。
【0054】
次に、一方の基板における接続情報の変更に伴って、他方の基板の接続情報を自動的に変更する処理について説明する。
複数の基板により構成されるマルチボードにおいて、所定の基板に部品が配置されるとともに、当該所定の基板以外の基板に配置された部品と接続関係にある所定の部品が設計者により移動されたとすると、まず、所定の部品の移動先が確認され、所定の部品の移動先が所定の基板であるか否かが判断される。
そして、所定の部品の移動先が所定の基板でないと判断されると、当該所定の部品と当該部品と接続関係にある部品とを電気的な接続情報により直接接続した状態とする。
【0055】
即ち、
図12に示すようなマルチボードにおいて、基板Aに配置された部品「IC1」が設計者により基板Bに移動されると、基板BにおいてコネクタCN1−1、CN1−2を介して部品「IC1」と接続関係にあった部品「IC11」と、基板Bに移動した部品「IC1」とに電気的な接続情報を発生させて、部品「IC1」と部品「IC11」とを直接接続した状態とする。なお、部品「IC1」とコネクタ「CN1−1」との間の電気的な接続情報と、部品「IC11」とコネクタ「CN1−2」との間の電気的な接続情報は本装置により削除される。
また、基板Aに配置された部品「IC1」が設計者により基板Cあるいは基板Dに移動すると、基板BにおいてコネクタCN1−1、CN1−2を介して部品「IC1」と接続関係にあった部品「IC11」と、基板Cあるいは基板Dに移動した部品「IC1」とに電気的に接続情報を発生させて、部品「IC1」と部品「IC11」とを直接接続した状態とする。
【0056】
一方、所定の部品の移動先が所定の基板内であり、かつ、所定の部品の接続先が設計者により変更されたと判断されると、接続情報変更処理が開始され、電気的な接続関係が維持されるように基板の接続情報が自動的に変更される。
具体的には、所定の基板に配置された所定の部品の接続先が変更されると、当該所定の部品と接続する当該所定の基板以外に配置された部品の接続先が自動的に変更される。例えば、部品「IC1」の接続先がコネクタ「CN1−1」のピン「A1」からピン「A3」に変更されると、部品「IC11」の接続先がコネクタ「CN1−2」のピン「A1」からピン「A3」に自動的に変更される。
こうして、部品におけるコネクタなどのピンへの接続先が変更されると、接続情報変更処理が開始され、当該所定の基板以外の基板における接続情報が自動的に変更されることとなる。
【0057】
即ち、
図12に示すようなマルチボードにおいて、設計者により基板Aに配置された部品「IC1」の接続先が変更されると、接続情報変更処理が開始されるものである。
なお、以下の説明においては、
図15のフローチャートを用いて接続情報変更処理の処理内容について説明するとともに、具体例として、設計者Aが基板Aに設けられた部品「IC1」の接続先を、コネクタ「CN1−1」のピン「A1」からピン「A3」に変更した際の接続情報変更処理について説明する(
図16を参照する。)。
【0058】
ここで、
図15のフローチャートには、この接続情報変更処理の詳細な処理内容が示されており、この接続情報変更処理においては、まず、設計者により一方の基板において他方の基板と接続する部品(例えば、コネクタである。)におけるピンへの接続が変更されると、変更情報検知部56において変更した情報を検知する(ステップS1502)。
具体的には、設計者Aが基板A上の部品「IC1」の接続先を、コネクタ「CN1−1」のピン「A1」からピン「A3」に変更すると、変更情報検知部56において、部品「IC1」の接続先が、コネクタ「CN1−1」のピン「A1」からピン「A3」に変更されたとの情報を検知する(
図16(a)を参照する。)
【0059】
ステップS1502の処理で検知した情報と、構成情報設定部54において設定され、構成情報記憶部66に記憶された構成情報とから、変更する前の接続先のピン(以下、変更前ピンと称する。)と、変更した後の接続先のピン(以下、「変更後ピン」と称する。)を取得する(ステップS1504)。
具体的には、ステップS1502の処理で検知した情報から部品「IC1」の変更前の接続先であるコネクタ「CN1−1」のピン「A1」を取得し、構成情報記憶部66に記憶された構成情報から部品「IC1」の変更後の接続先であるコネクタ「CN1−1」のピン「A3」を取得する。
【0060】
そして、取得した変更前ピンが構成情報設定部54における基板間接続情報設定部52において設定された基板間接続情報内に存在するか否かの判断を行う(ステップS1506)。
具体的には、設計者Aが部品「IC1」の接続先を変更する前の接続先であるコネクタ「CN1−1」のピン「A1」の情報が、基板間接続情報内に存在するか否かの判断を行う。
このステップS1506の判断処理において、変更前ピンが基板間接続情報に存在しないと判断されると、接続情報の変更を行うことなく接続情報変更処理を終了する。
【0061】
また、ステップS1506の判断処理において、変更前ピンが基板間接続情報に存在すると判断されると、接続情報変更部58において、基板間接続情報から変更前ピンと接続されている他方の基板におけるピン(以下、「ピン1」と称する。)を取得し(ステップS1508)、構成情報記憶部66に記憶された他方の基板の設計データ中にピン1と接続する部品が存在するか否かの判断を行う(ステップS1510)。
具体的には、ステップS1506の判断処理では、
図16(b)に示すように、基板間接続情報にコネクタ「CN1−1」のピン「A1」が存在するか否かの判断を行うものである。
【0062】
また、ステップS1508の処理では、基板間接続情報からコネクタ「CN1−1」のピン「A1」と接続されている基板Bにおけるコネクタ「CN1−2」のピン「A1」を取得する(
図16(c)を参照する。)。
そして、ステップS1510の判断処理においては、ステップS1508の処理で取得したコネクタ「CN1−2」のピン「A1」と接続する部品があるか否かの判断を行うこととなる。
このステップS1510の判断処理において、他方の基板の設計データ中にピン1と接続する部品が存在しないと判断されると、接続情報の変更を行うことなく接続情報変更処理を終了する。
【0063】
一方、ステップS1510の判断処理において、他方の基板の設計データ中にピン1と接続する部品が存在すると判断されると、当該部品を取得し(ステップS1512)、次いで、変更後ピンが基板間接続情報に存在するか否かの判断を行う(ステップS1514)。
具体的には、ステップS1510の判断処理において、基板Bの設計データ中にコネクタ「CN1−2」のピン「A1」と接続する部品「IC11」が存在すると判断されると(
図16(d)を参照する。)、ステップS1512の処理で、この部品「IC11」を記憶する。
その後、ステップS1514の処理で、コネクタ「CN1−1」のピン「A3」の情報が、基板間接続情報内に存在するか否かの判断を行う。
【0064】
ステップS1514の判断処理において、変更後ピンが基板間接続情報に存在しないと判断されると、接続情報の変更を行うことなく接続情報変更処理を終了する。
また、ステップS1514の判断処理において、変更後ピンが基板間接続情報に存在されると判断されると、接続情報変更部58において、基板間接続情報から変更後ピンと接続されている他方の基板におけるピン(以下、「ピン2」と称する。)を取得し(ステップS1516)、ステップS1512の処理において取得した部品の接続先をピン1からピン2に変更する(ステップS1518)。
具体的には、ステップS1514の判断処理では、
図16(e)に示すように、基板間接続情報にコネクタ「CN1−1」のピン「A3」の情報があるか否かの判断を行うものである。
【0065】
また、ステップS1516の処理では、基板間接続情報からコネクタ「CN1−1」のピン「A3」と接続されている基板Bにおけるコネクタ「CN1−2」のピン「A3」を取得する(
図16(f)を参照する。)。
そして、ステップS1518の処理で、基板Bに設けられた部品「IC11」の接続先をコネクタ「CN1−2」のピン「A1」からピン「A3」に変更する。
こうして、ステップS1516の処理において接続情報を変更した情報は、接続情報変更部58から構成情報記憶部66に出力されて記憶されるとともに、接続情報
変更部58から表示内容変更部60にも出力されて、当該情報の内容に基づいて表示装置20の表示画面に表示された表示内容を変更する(ステップS1520)。
【0066】
具体的には、モデルデータ表示部20aにおいては、基板Bに設けられた部品「IC11」の接続先がコネクタ「CN1−2」のピン「A1」からピン「A3」に変更される(
図16(g)を参照する。)。
その後、表示装置20の表示画面の表示が変更された後に、接続情報変更処理を終了する。
なお、こうした接続情報変更処理については、設計者がモデルデータなどを移動するなどして何らかの編集を行った場合に、処理が開始されるようにしてもよい。この場合には、ステップS1502の処理とステップS1504の処理との間に、変更前ピンと変更後ピンとを取得することができたか否かの判断処理を設け、取得することができた場合には、ステップS1504の処理に進み、取得することができなかった場合には、接続情報変更処理を終了するものとする。
【0067】
ここで、複数の設計者による並行設計では、ある設計者が設計作業により変更した変更情報をリアルタイムに他の設計者が共有するものである。
以下の説明においては、
図17を参照しながら、こうした各設計者による変更情報を他の設計者の端末(基板などの編集がなされた端末以外のネットワークによって接続されたディスプレイを含む端末)へリアルタイムに反映する処理について説明する。
図17には、複数の設計者による並行設計を行った際の、各設計者による変更情報を他の設計者の端末に反映する処理を説明する説明図が示されている。
こうした複数の設計者による並行設計では、まず、各設計者が基板データを編集するために、ネットワーク上に接続された磁気ディスクから基板データを呼び出し、その後、基板データは各端末のメモリー内に格納され、各設計者はメモリー内の基板データを編集することとなる。
【0068】
そして、所定の端末において所定の設計者により複数の基板より構成される設計対象たるマルチボードに変更がなされると、当該所定の端末に設けられたメモリーが変更され、これを変更情報検知部56が検知すると、変更情報を他の端末に反映させる変更情報反映処理が開始される。そして、この変更情報反映処理により、当該所定の設計者により変更された変更情報が他の設計者の端末へ出力され、他の設計者の端末ではリアルタイムに基板データが変更される。
なお、以下の説明においては、
図18のフローチャートを用いて変更情報反映処理の処理内容について説明するとともに、具体例として、設計者A、B、Cによりマルチボード100を並行設計する際に、設計者Aが基板Aに設けられた部品「IC1」を移動させた場合について説明する(
図17を参照する。)。
【0069】
ここで、
図18のフローチャートには、この変更情報反映処理の詳細な処理内容が示されており、この変更情報反映処理においては、まず、変更情報検知部56で検知した変更情報が磁気ディスクに出力され、当該変更情報に基づいて磁気ディスク内に格納された基板データが変更される(ステップS1802)。
次に、表示内容変更部60が所定の端末以外の端末で、設計対象における変更された領域を表示している端末および当該領域内を編集している端末を検知する(ステップS1804)。
その後、表示内容変更部60において検知された端末に対して変更情報が出力され(ステップS1806)、当該端末のメモリーに格納された基板データが変更される(ステップS1808)。
そして、表示内容変更部60により、各端末(つまり、ステップS1804の処理で検知された端末である。)において、変更された基板データに基づいて表示内容を変更される(ステップS1810)。
【0070】
具体的には、設計者Aにより基板Aに配置した部品「IC1」を配置位置aに移動されると、設計者Aの端末のメモリーに格納された基板Aの基板データにおける部品「IC1」が配置位置aに変更される。この端末のメモリーに格納された基板データが変更されると、変更情報検知部56において、基板Aに配置した部品「IC1」が配置位置aに変更されたとの変更情報が検知されて、変更情報反映処理が開始される。
変更情報反映処理が開始されると、基板Aに配置した部品「IC1」が配置位置aに変更されたとの変更情報が変更情報検知部56により磁気ディスクに出力され、磁気ディスク内の基板Aの基板データ中で部品「IC1」が配置位置aに変更される(ステップS1802の処理)。
【0071】
次に、表示内容変更部60において、設計者Aの端末以外の端末で、基板Aを表示している端末および基板Aを編集している端末を検知する(ステップS1804の処理)。
その後、基板Aを表示している端末である、設計者Bおよび設計者Cの各端末に対して変更情報が出力され(ステップS1806の処理)、設計者Bの端末のメモリーに格納された基板Aの基板データを変更するとともに、設計者Cの端末のメモリーに格納された基板Aの基板データを変更する(ステップS1808の処理)。
そして、設計者Bおよび設計者Cの端末において、変更された基板データに基づいて、基板Aの表示内容を変更する(ステップS1810の処理)。
【0072】
ここで、複数の基板より構成される設計対象たるマルチボードを複数の設計者で並行設計する際には、各設計者は設計対象のどのオブジェクトでも編集可能となっている。なお、オブジェクトとは、基板データ内の部品や部品間を接続した配線パターンなどである。
例えば、設計者Aが基板Aに配置された部品「IC1」を移動し、設計者Bが基板Aに配置された部品「IC2」を移動し、設計者Cが基板Bに配置された部品「IC3」を移動するとき、設計者Aと設計者Bとは、同一基板である基板A上のオブジェクトを編集し、設計者Cは基板Bのオブジェクトを編集しており、全ての設計者が全ての基板に対して編集可能となっている(
図19を参照する。)。
このとき、マルチボード設計装置10においては、所定の設計者が編集中のオブジェクトに対しては、他の設計者による編集を行うことができない排他制御がなされる。
【0073】
以下、異なる設計者による同一オブジェクト編集時の排他制御について説明する。
設計者による基板データ中のオブジェクトの編集が開始されると、所定の設計者が所定の端末において所定のオブジェクトの編集を開始したという編集情報が変更情報検知部56において検知されて、同一オブジェクト編集禁止処理が開始され、異なる設計者による同一オブジェクトの編集が不可能な状態とされる。
なお、以下の説明においては、
図20のフローチャートを用いて同一オブジェクト編集禁止処理の処理内容について説明するとともに、具体例として、設計者A、B、Cによりマルチボード100を並行設計する際に、設計者Aが基板Aに配置された部品「IC1」を編集する場合について説明する(
図21を参照する。)。
【0074】
ここで、
図20のフローチャートには、この同一オブジェクト編集禁止処理の詳細な処理内容が示されており、この同一オブジェクト編集禁止処理においては、まず、検知された編集情報が磁気ディスクに出力されるとともに、当該磁気ディスクに格納された基板データにおいて編集情報を反映する(ステップS2002)。
次に、表示内容変更部60において、所定の端末以外の端末で、所定のオブジェクトを表示している端末を検知する(ステップS2004)。
その後、表示内容変更部60において検知された端末に対して、所定のオブジェクトの編集が開始されたとの編集情報が出力され(ステップS2006)、当該端末において、排他制御部64により所定のオブジェクトへの編集が不可能な状態とされるとともに、表示内容変更部60により編集が開始された所定のオブジェクトに編集禁止マークが表示され、当該所定のオブジェクトが所定の設計者により編集中であることが表示画面に表示される(ステップS2008)。
【0075】
そして、所定の設計者による所定の端末における所定のオブジェクトへの編集が終了すると、所定の設計者による所定のオブジェクトの編集が終了したとの編集情報が変更情報検知部56により検知されて(ステップS2010)、検知された編集情報が磁気ディスクに出力されるとともに、当該磁気ディスクに格納された基板データにおいて編集情報を反映する(ステップS2012)。
すると、表示内容変更部60において、ステップS2004の処理で検知した端末に対して、所定のオブジェクトの編集が終了したとの編集情報が出力され(ステップS2014)、ステップS2004の処理で検知した端末において、排他制御部64により編集が不可能となっていた所定のオブジェクトが編集可能とされるとともに、表示内容変更部60により当該所定のオブジェクトに表示された編集禁止マークが削除され、当該所定のオブジェクトが所定の設計者により編集中であるとの表示画面における表示が削除される(ステップS2016)。
【0076】
具体的には、設計者Aにより基板Aに配置された部品「IC1」の編集が開始されると、変更情報検知部56において、基板Aに配置された部品「IC1」の編集が開始されたとの編集情報が検知されて、同一オブジェクト編集禁止処理が開始される。
同一オブジェクト編集禁止処理が開始されると、基板Aに配置した部品「IC1」の編集が開始されたとの編集情報が変更情報検知部56により磁気ディスクに出力され、磁気ディスクに格納された基板Aの基板データ中で部品「IC1」が編集処理中とされる(ステップS2002の処理)。
【0077】
次に、表示内容変更部60において、設計者Aの端末以外の端末で、部品「IC1」を表示している端末を検知する(ステップS2004の処理)。
その後、部品「IC1」を表示している端末である、設計者Bおよび設計者Cの各端末に対して、設計者Aによる部品「IC1」の編集が開始された編集情報が出力され(ステップS2006の処理)、設計者Bの端末において、部品「IC1」の編集が不可能な状態とされるとともに、部品「IC1」に編集禁止マークが表示され、部品「IC1」が設計者Aにより編集中であることが表示画面の右下に表示される。同様に、設計者Cの端末において、部品「IC1」の編集が不可能な状態とされるとともに、部品「IC1」に編集禁止マークが表示され、部品「IC1」が設計者Aにより編集中であることが表示画面の右下に表示される(ステップS2008の処理)。
これにより、部品「IC1」については、設計者Aのみが編集可能となり、設計者Bおよび設計者Cは設計不可能となる。
【0078】
その後、設計者Aによる部品「IC1」への編集が終了すると、設計者Aによる部品「IC1」の編集が終了したとの編集情報が変更情報検知部56により検知され(ステップS2010の処理)、検知された編集情報が磁気ディスクに出力されるとともに、磁気ディスクに格納された基板Aの基板データ中で部品「IC1」の編集処理が終了したとされる(ステップS2012の処理)。
すると、表示内容変更部60において、設計者Bおよび設計者Cの端末に対して、設計者Aによる部品「IC1」の編集が終了したとの編集情報が出力され(ステップS2014の処理)、設計者Bの端末において部品「IC1」の編集が可能な状態とされるとともに、部品「IC1」に対して表示された編集禁止マークが削除され、部品「IC1」が設計者Aにより編集中であるとの表示が表示画面から削除される。同様に、設計者Cの端末において部品「IC1」の編集が可能な状態とされるとともに、部品「IC1」に対して表示された編集禁止マークが削除され、部品「IC1」が設計者Aにより編集中であるとの表示が表示画面から削除される(ステップS2016)。
【0079】
また、マルチボード設計装置10においては、複数の設計者による複数の基板より構成される設計対象たるマルチボードの並行設計の際に、所定の設計者が編集可能な領域たる編集領域を指定し、指定した編集領域を当該所定の設計者のみが編集可能とする排他制御を行うことができる。
例えば、複数の基板よりなるマルチボード100を設計者A、B、Cにより並行設計する際に、設計者Bおよび設計者Cが各端末において編集領域を設定した場合には、設定した編集領域の内容に基づいて、各端末における表示内容が変更され(
図22を参照する。)、それぞれの設計者が編集可能な領域が設定される。
【0080】
ここで、
図23を参照しながら、複数の基板よりなるマルチボード100を設計者A、B、Cにより並行設計する際に、設計者Bが端末において設計者Bのみが編集可能な領域を設定した場合について説明する。
設計者Bがポインティングデバイス22により基板A中の領域Bを指定すると(なお、こうした領域については、ポインティングデバイス22により任意に形成するようにしてもよいし、予め決められた形状とするようにしてもよい。)、排他設定ウインドウ92が表示される。そして、設計者Bがこの排他設定ウインドウ92に表示された「排他設定」を選択すると、設計可能領域設定部62により設計者Bのみが編集可能な領域として設定されて、領域Bが設計者Bにより排他設定されたこととなる。
【0081】
設計者Bによる排他設定がなされると、変更情報検知部56において、基板Aの領域Bが設計者Bの編集可能な領域として設定されとの設定情報が検知され、検知された設定情報が磁気ディスクに出力されるとともに、当該磁気ディスクに格納された基板Aの基板データに設定情報が反映される。
つまり、磁気ディスクに格納された基板Aの基板データに、領域Bを設計者Bのみが編集可能な領域と設定される。
次に、表示内容変更部60において、基板Aが表示されている端末を検知し、検知した端末に対して、設定情報が出力される。
すると、設計者Aの端末においては、基板Aの領域Bにハッチングがされるとともに、領域B上に編集禁止マークが表示される。これにより、設計者Aは基板Aの領域Bの編集が不可能となる。また、設計者Bが基板Aの領域Bを排他設定した旨のメッセージが表示画面中に表示される。
【0082】
また、設計者Bの端末においては、基板A上で指定した領域Bの外枠が太線で表示され、設計者Bが自身で設定した領域Bが識別し易く表示される。
さらに、設計者Cの端末においては、基板Aの領域Bにハッチングがされるとともに、領域B上に編集禁止マークが表示される。これにより、設計者Cは基板Aの領域Bの編集が不可能となる。また、設計者Bが基板Aの領域Bを排他設定した旨のメッセージが表示画面中に表示される。
こうした設定を行った後に、各設計者が編集可能な領域で編集を行うこととなる。
【0083】
その後、設計者Bによる編集が終了すると、設計者Bは領域Bを指定して排他設定ウインドウ92を表示し、排他設定ウインドウ92に表示された「排他解除」を選択する。これにより、領域Bの排他設定が解除される。
設計者Bの排他設定が解除されると、変更情報検知部56において、基板Aの領域Bの排他設定が解除されたとの解除情報が検知され、検知された解除情報が磁気ディスクに出力されるとともに、当該磁気ディスクに格納された基板Aの基板データに解除情報が反映される。
つまり、磁気ディスクに格納された基板Aの基板データに、領域Bを設計者Bのみが編集可能な領域とする設定を解除する。
【0084】
そして、表示内容変更部60において、基板Aが表示されている端末を検知し、検知した端末に対して解除情報が出力される。
すると、設計者Aの端末においては、基板Aの領域Bになされたハッチングが削除されるとともに、領域B上に表示された編集禁止マークが削除される。これにより、設計者Aは基板A全体の編集が可能となる。また、表示画面中に表示されていた、設計者Bが基板Aの領域Bを排他設定した旨のメッセージが削除される。
また、設計者Bの端末においては、基板A上で指定した領域Bの外枠の太線が削除され、領域Bの表示が削除される。
【0085】
さらに、設計者Cの端末においては、基板Aの領域Bになされたハッチングが削除されるとともに、領域B上に表示された編集禁止マークが削除される。これにより、設計者Aは基板A全体の編集が可能となる。また、表示画面中に表示されていた、設計者Bが基板Aの領域Bを排他設定した旨のメッセージが削除される。
なお、こうして排他設定された領域においては、排他設定した設計者以外の設計者による手動による編集は不可能であるが、上記したような接続情報変更処理により自動的に変更される対象が当該排他設定された領域に存在する場合には、接続情報変更処理による自動変更が有効となる。
また、例えば、設計対象が8層よりなる基板である場合には、1〜4層を設計者Bのみが編集可能とし、5〜8層を設計者Cのみが編集可能にするなど、層を指定することにより排他制御することも可能である。
【0086】
以上において説明したように、本発明によるマルチボード設計装置10は、複数の基板より構成されるマルチボードにおいて、設計者による編集がなされると、必要に応じて各基板間における接続関係が維持されるように、自動的に接続先が変更されるようにした。
また、本発明によるマルチボード設計装置10は、複数の設計者により、複数の基板より構成されるマルチボードを並行設計する際に、各設計者が変更した変更情報がリアルタイム各設計者の端末に反映されるようにした。
さらに、本発明によるマルチボード設計装置10は、所定の設計者が編集中の部品や所定の設計者が指定した領域について排他制御するようにした。
【0087】
つまり、本発明によるマルチボード設計装置10は、複数の設計者による並行設計の際に、各設計者が基板データを変更した情報が、他の設計者が表示もしくは編集している基板データにリアルタイムに反映されるとともに、接続先のピンが自動変更されて複数の基板データ間の接続関係が維持されるようになされている。
このため、本発明によるマルチボード設計装置10によれば、各基板データおよび各設計者が編集しているデータに複数の設計者が変更した内容がリアルタイムに反映されて、各設計者が編集しているデータの同期をとりながら複数の設計者で並行設計することが可能となる。
【0088】
また、本発明によるマルチボード設計装置10によれば、複数の基板により構成されるマルチボードにおいて、電気的に接続された各基板データにおいて常に接続関係を維持しながら設計を行うことが可能となる。
さらに、電気的に接続された複数の基板を複数の設計者で並行設計した場合にも、各設計者が設計したデータを常に同期するようになるので、より効率的に電気設計を行うことができる。
【0089】
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(10)に示すように変形することができるものである。
【0090】
(1)上記した実施の形態においては、設計対象として複数の基板がコネクタにより接続された構成のマルチボード100の場合について説明したが、設計対象としては、ケーブルで接続されたプリント基板や、PonP(Package on Package)など、実装方法に依存しない複数基板より構成されるものとしてもよい。
このため、階層構造を構成する要素は、プリント基板という要素だけではなく半導体パッケージ、ICチップ、インターポーザ基板あるいは、多層基板の層構造など任意の要素で階層構造を構成し、部品などの配置および配線設計をすることが可能となっている。
具体的には、基板Aと基板B、基板Cとケーブルで接続された設計対象では、
図24(a)に示すように、構成情報表示部20bには、基板Aの下位階層に基板Bおよび基板Cが構成された階層構造が表示されている。
このように、ケーブル接続した複数の基板について配置、配線などの設計(編集)が可能となっている。
【0091】
また、
図24(b)に示すような構成の設計対象では、構成情報表示部20bには、基板Aの下位階層にインターポーザ基板を含む下パッケージが構成され、下パッケージの下位階層にICチップと上パッケージとが構成された階層構造が表示されている。
このように、プリント基板、半導体パッケージ、ICチップ(半導体)を統合しTSV(Through Silicon Via)を用いた配線、配置などの設計が可能となっている。なお、
図24(b)に示す設計対象では、ICチップからTSVを経由して基板A上の部品に配線されている構成が示されている。
【0092】
さらに、
図24(c)に示すような構成の設計対象では、構成情報表示部20bには、基板Aの1〜4層と、5〜8層とを分割した構成で階層構造が表示されている。
このように、1〜4層と5〜8層とを別々に配置や配線などの設計を行い、その後、1〜8層を張り合わせて1枚の基板を設計する。
即ち、マルチボード設計装置10においては、設計対象となるマルチボードの実装方法(PonP、ケーブル接続プリント基板など)や構成要素(ICチップ、半導体パッケージ、プリント基板)に依存することなく設計可能となっている。
【0093】
(2)上記した実施の形態においては、変更情報反映処理において、ステップS1810の処理では、単に、他の設計者が変更した内容に表示内容を変更するようにしたが、このとき、他の設計者が変更した箇所については、表示内容を変更する際に、例えば、所定の色で表示したり、旗マークなどの所定のマークを付すようにしてもよい。さらに、表示内容の変更点について説明するメッセージを表示するようにしてもよい。
具体的には、設計者Aが基板Aに配置された部品「IC1」を、基板Bに移動した場合(
図25を参照する。)、設計者Aが部品「IC1」を移動すると、他の設計者の端末では移動した部品「IC1」に旗マークが表示される。
設計者Bおよび設計者Cの端末の表示画面上に表示される全体表示画面では、部品「IC1」に旗マークが表示される。
【0094】
また、設計者Bの表示画面では設計中の基板B上の部品「IC1」にも旗マークが表示される。一方、基板Aを設計している設計者Cの表示画面では基板Bに移動した部品「IC1」が基板A上から削除される。
また、設計者Bおよび設計者Cの端末の表示画面の下方側には、設計者Aが基板Aの部品「IC1」を基板Bに移動した旨のメッセージが表示される。
なお、設計者Aが基板Aに配置された部品「IC1」を、基板Bに移動した場合には、部品「IC1」と部品「IC3」との接続情報も、基板Aと基板Bとのコネクタを経由して接続されていたものが、基板B内で部品「IC1」と部品「IC3」とが直接接続された接続情報に変更されている。
【0095】
(3)上記した実施の形態においては、排他設定において、所定の設計者が、当該所定の設計者のみが設計を行う領域を設定するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、所定の設計者が、各設計者それぞれが設計を行う領域を設定し、各設計者は当該所定の設計者が設定した領域のみで編集作業を行うことができるようにしてもよい。
【0096】
(4)上記した実施の形態においては、編集禁止とした部品や領域に対して編集禁止マークを表示するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、編集禁止マークに加えて、編集禁止領域の表示色を変更するようしたり、編集できない設計者が編集禁止領域内を編集しようとした際には、警告表示を行うようにしてもよい。
【0097】
(5)上記した実施の形態においては、排他設定において、基板の一部の領域を指定するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、排他設定において基板全体を指定するようにしてもよいし(
図26を参照する。)、基板の一部の領域と基板全体とを混在して指定するようにしてもよい(
図11を参照する。)。
【0098】
具体的には、排他設定において基板全体を設定する場合には、例えば、
図26に示すように、複数の基板よりなるマルチボード100を設計者A、B、Cにより並行設計する際に、設計者Aが基板Aを排他設定し、設計者Bが基板Bを排他設定する場合には、まず、設計者Aが基板Aを指定して、排他設定ウインドウ92を表示させ、排他設定ウインドウ92において「排他設定」を選択する。これにより、設計者Aのみが基板Aを編集可能となる。また、設計者Bが基板Bを指定して、排他設定ウインドウ92を表示させ、排他設定ウインドウ92において「排他設定」を選択することにより、設計可能領域設定部62により設計者Bのみが編集可能な領域として基板Bが設定され、設計者Bのみが基板Bを編集可能となる。
すると、設計者Aの端末においては、マルチボード100が表示された全体図において、基板Bにハッチングがなされるとともに、基板B上に編集禁止マークが表示される。
【0099】
また、設計者Bの端末においては、マルチボード100が表示された全体図において、基板Aにハッチングがなされるとともに、基板A上に編集禁止マークが表示される。
さらに、設計者Cの端末においては、マルチボード100が表示画面に表示されているため、全体図は表示されておらず、基板Aおよび基板Bにハッチングがなされるとともに、基板Aおよび基板B上に編集禁止マークが表示される。
これにより、設計者Aは基板Bについて編集することが不可能となるとともに、基板Aについては設計者Aのみが編集可能となり、設計者Bは基板Aについて編集することが不可能となるとともに、基板Bについては設計者Bのみが編集可能となり、設計者Cは基板Aおよび基板Bについて編集することが不可能となる。
【0100】
また、排他設定において、一人の設計者が複数の基板の領域を設定する、あるいは、基板の一部の領域と基板全体とが混在して設定する場合には、例えば、
図11に示すように、複数の基板よりなるマルチボード100を設計者A、B、Cにより並行設計する際に、設計者Aが基板Aの領域A1、領域A2および基板Bの領域B1について排他設定し、設計者Bが基板Aの領域A3、領域A4および基板Bの領域B2について排他設定し、設計者Cが基板Cおよび基板Dを排他設定する場合には、まず、設計者Aが基板Aの領域A1、領域A2および基板Bの領域Bを指定して、排他設定ウインドウ92を表示させ、排他設定ウインドウ92において「排他設定」を選択する。これにより、設計可能領域設定部62によって、設計者Aのみが編集可能な領域として基板Aの領域A1、領域A2および基板Bの領域Bが設定され、設計者Aのみが基板Aの領域A1、領域A2および基板Bの領域Bを編集可能となる。
【0101】
また、設計者Bが基板Bの領域A3、領域A4および基板Bの領域B2を指定して、排他設定ウインドウ92を表示させ、排他設定ウインドウ92において「排他設定」を選択する。これにより、設計可能領域設定部62によって、設計者Bのみが編集可能な領域として基板Aの領域A3、領域A4および基板Bの領域B2が設定され、設計者Bのみが基板Aの領域A3、領域A4および基板Bの領域B2を編集可能となる。
さらに、設計者Cが基板Cおよび基板Dを指定して、排他設定ウインドウ92を表示させ、排他設定ウインドウ92において「排他設定」を選択する。これにより、設計可能領域設定部62によって、設計者Aのみが編集可能な領域として基板Cおよび基板Dが設定され、設計者Cのみが基板Cおよび基板Dを編集可能となる。
すると、設計者Aの端末においては、基板Aの領域A3、領域A4、基板Bの領域B2、基板Cおよび基板Dにハッチングがなされるとともに、基板Aの領域A3、領域A4、基板Bの領域B2、基板Cおよび基板D上に編集禁止マークが表示される。
【0102】
また、設計者Bの端末においては、基板Aの領域A1、領域A2、基板Bの領域B1、基板Cおよび基板Dにハッチングがなされるとともに、基板Aの領域A1、領域A2、基板Bの領域B1、基板Cおよび基板D上に編集禁止マークが表示される。
さらに、設計者Cの端末においては、基板Aの領域A1、領域A2、領域A3、領域A4および基板Bの領域B1、領域B2にハッチングがなされるとともに、基板Aの領域A1、領域A2、領域A3、領域A4および基板Bの領域B1、領域B2上に編集禁止マークが表示される。
【0103】
これにより、設計者Aは、基板Aの領域A3、領域A4、基板Bの領域B2、基板Cおよび基板Dについて編集が不可能になり、基板Aの領域A1、領域A2および基板Bの領域B1のみを編集することが可能となる。
また、設計者Bは、基板Aの領域A1、領域A2、基板Bの領域B1、基板Cおよび基板Dについて編集が不可能になるとともに、基板Aの領域A3、領域A4および基板Bの領域B2のみを編集することが可能となる。
さらに、設計者Cは、基板Aの領域A1、領域A2、領域A3、領域A4および基板Bの領域B1、領域B2について編集が不可能になるとともに、基板Cおよび基板Dのみを編集することが可能となる。
【0104】
なお、排他設定において基板の一部の領域と基板全体とが混在して設定する場合には、設計者Aが基板Aの領域A1と基板Cとを指定するなど、一人の設計者が領域と基板とを混在して排他設定することも可能である。
また、上記した、排他設定時に基板全体を設定したり、基板の一部の領域と基板全体とが混在して設定したりする場合は、実施の形態に記載した排他設定において基板の一部の領域を設定する場合と同様の工程により排他設定が実現される。
【0105】
また、こうした(5)に示す変形例は、(1)に記載の変形例と組み合わせると、マルチボードの構成要素(プリント基板、半導体パッケージ、ICチップなど)や当該構成要素上の領域を指定することにより、他の設計者が指定した領域を編集不可能とする排他制御を行うことができるものである。
【0106】
(6)上記した実施の形態における構成情報の表示においては、設計者が基板間の接続関係を瞬時に確認できるように、マルチボードを構成する各基板間の接続関係を示す階層構造を用いて簡易的に表示するようにしてもよい(
図7(b)を参照する。)。
具体的には、基板Aと基板B、基板Aと基板C、基板Cと基板Dを、基板間接続情報によって電気的に接続した場合には、接続した各基板間を
図7(b)の基板間関連付け表示に示す電気的接続線で接続し、基板間関連付け情報と併せて基板間関連付け表示として表示する。
図7(b)の基板間関連付け表示を表示することにより、設計者は基板Aと基板B、基板Aと基板C、基板Cと基板Dが電気的に接続されていることが瞬時に確認できる。
また、基板Bと基板C、ならびに、基板Bと基板Dは電気的に接続されていないことも瞬時に確認できる。
さらに、設計者によって表示された基板間関連付け表示の中から所定の基板が選択されたとき、選択された基板と電気的な接続関係を持つ基板を本装置がハイライト表示するようにしてもよい。
【0107】
(7)上記した実施の形態において、
図7(b)に示す3次元形状で表示された設計データ(つまり、モデルデータである。)上のオブジェクトが設計者によって選択されたときに、基板間接続情報から電気的な接続関係を持つ基板間関連付け表示の基板をハイライト表示もしくは色を変えるなどしてもよい。
これにより、設計者がオブジェクトを選択した際に、設計に影響する基板を瞬時に把握することができる。
【0108】
(8)上記した実施の形態においては、編集が禁止された基板および基板上の領域を設計者が選択した際に、その基板および基板上の領域を編集可能な設計者の連絡先(例えば、設計者の氏名、設計者の所属部署、設計者の内線番号など)を表示するようにしてもよい。
なお、この場合には、設計者が排他設定時に表示する設計者の連絡先を登録しておく必要がある。
【0109】
(9)上記した実施の形態においては、複数の基板を含むマルチボードを設計するためのマルチボード設計をする際に、複数の基板のうちの1つの基板に対する編集要求(編集要求とは、基板に配置された部品の電気的な接続先を変更する、部品を移動する、部品を削除する、部品を追加するなど設計者による操作をさすものである。)を検知する編集要求検知手段と、当該編集要求に係る編集により上記マルチボードの全体における電気的な接続関係が変更を受ける場合に、上記編集要求検知手段による検知に応じて、当該変更を打ち消すように上記複数の基板のうち他の基板の設計データを変更する変更手段とを備えるようにしてもよい。
【0110】
(10)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(9)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。