【実施例】
【0038】
材料および試験方法
石材タイル表面へのポリマーの塗布および試験
石灰岩およびサルティヨ石タイル上に、本発明から製造されるコポリマーを分散液として塗布し、試験した。湿らせたSONTARAワイプ(E.I.Du Pont de Nemours and Company,Wilmington,DEから市販されている)で石タイルを拭く。石を室温で一晩乾燥させ、接着テープで9個の等しいセグメントに分けた。本発明のポリマーコポリマー2重量%溶液を分散液として各セクションに剛毛ブラシを使用して塗布した。塗布前および塗布後のポリマーストック溶液の重量差を測ることによって、塗布されたポリマーの量を決定した。各セクションにブラシで分散液を塗り、1つの均一なコーティングを形成した。一般に、主なブラシ工程を4回用いて、表面を覆った。15分後、表面をワイプで磨くことによって、表面の余分なポリマーをすべて除去した。コーティングを一晩乾燥させ、次いで以下の試験法によって性能を評価した。
【0039】
試験法1.水および油のビーディング(Beading)試験
ガラスピペットを使用して、被覆面上に水および植物油(直径約4〜5mmまたは体積0.04〜0.05mL)の個々の液滴を置いた。液滴を表面上に5分間置き、ビーディングの程度(つまり、接触角)を目視で決定した。ビーディングの程度は、以下の表1に示すように0〜5で評価される。評点が高いほど、撥性性能が優れていることを表す。
【0040】
【表1】
【0041】
試験法2.24時間汚れ試験:
一般的な家庭の汚れ(マスタード、ケチャップ、植物油、サラダドレッシング、コーヒー)それぞれ1滴を個々に、処理されたタイル表面上に置き、24時間静置しておいた。水およびナイロン製剛毛ブラシで洗浄することによって、その汚れを除去した。石が完全に乾燥するまで(約12〜24時間)、処理された石を室温(72〜78°F)で乾燥させた。石表面に残っている汚れの残りを、以下のように目視で0〜4で評価した。評点が低いほど、性能が良いことを意味する。目に見える表面の汚れを残さないが、基材に深く浸透する液体の汚れは評点4で示す。汚れの手順を4回繰り返し、平均した。
【0042】
【表2】
【0043】
試験試料のすべての汚れスコアの合計を加えることによって、汚れスコア総計を計算し、その性能を推定最高総スコアと比較した(つまり、5つの汚れの場合には、最高評点は20である)。
【0044】
試験法3−撥水性試験
AATCC(米国繊維化学技術・染色技術協会(American Association of Textile Chemists and Colorists))標準試験法番号193−2004に従って、サルティヨ基材の撥水性を測定した。その試験では、試験水溶液による湿潤に対する処理基材の抵抗性を決定した(試験溶液コポリマーに関する表3参照)。様々な表面張力の水−アルコール混合物の試験溶液の液滴(直径約5mmまたは体積0.05mL)を処理基材上に置き、表面湿潤の程度を目視で決定した。試験溶液番号1の3滴を基材上に置いた。10秒後、真空吸引を用いて、液滴を除去した。液滴の浸透または部分的な吸収(基材上の黒っぽい湿った染みの外観)が確認されなかった場合には、試験液2で試験を繰り返し、液体の浸透(基材上の黒っぽい湿った染みの外観)が確認されるまで、段階的に大きい番号の試験液で試験した。評点は、基材に浸透しなかった最も大きな試験液番号であった。スコアが高いほど撥水性が高く、性能が優れていることを意味する。
【0045】
撥水性試験液の組成を以下の表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
試験法4.撥油性試験
AATCC標準試験法No.118の修正形態を用いて、処理基材の撥油性を試験し、以下のように変更した。表4で以下に示される一連の有機液体を基材に一滴ずつ塗布した。最も小さい番号の試験液(撥性評点No.1)から始めて、3箇所それぞれに、少なくとも5mm離して、1滴(直径約5mmまたは体積0.05mL)を置いた。液滴を30秒間観察した。この期間の最後に、液滴周囲の吸い上げなく、3滴のうち2滴がまだ球形であった場合には、次に最も大きな番号の液体3滴を隣接部位に置き、同様に30秒間観察した。試験液のうちの1つが、3滴のうち2滴が球形ないし半球形を維持できない、または湿潤または吸い上げを生じるまで、手順を続けた。
【0048】
撥油性評点は、3滴のうち2滴が、吸い上げなく、球形ないし半球形を30秒間維持した、最も大きな番号の試験液であった。スコアが高いほど、撥油性が高い。
【0049】
【表4】
【0050】
実施例1
式Iのコポリマーを有機溶媒中で製造した。電磁撹拌子および凝縮器を備えた窒素パージ反応容器に、式CF
3(CF
2)
5CH
2CH
2OC(O)C(CH
3)=CH
2を有するパーフルオロアルキルメタクリレート(10g,23.1mmol,E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,DEから市販されている)、メチルアクリル酸(3.30g,38.4mmol)、(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン(6.88g,38.4mmol)、およびテトラヒドロフラン(THF,62g)を添加した。次いで、反応容器を室温(約23℃)にて窒素で1時間スパージした。次いで、反応容器を60℃に加熱し、シリンジを使用して、開始剤(イソプロパノール2g中に0.27g,VAZO67,E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,DEから市販されている)を反応フラスコに添加した。反応容器の温度を68℃に上げ、68℃で1時間維持した。反応混合物はゲルを形成した。次いで、反応混合物を冷却し、25℃で18時間維持した。次いで、混合物を水(100mL)に添加し、粉砕した。次いで、反応混合物を真空内で濃縮した。それをさらに水で希釈し、上述の試験法に従って試験した。
【0051】
実施例2
電磁撹拌子および凝縮器を備えた窒素パージ反応容器に、上記実施例3で製造されたフッ素化メタクリレート/メタクリル酸コポリマー(THF中で23.2g,35.3mmol)、3−アミノプロピル官能基化シリカナノ粒子(エタノール中で1g,3重量%)、およびTHF(25g)を添加した。反応混合物を68℃に加熱し、窒素ブランケット下にて1時間攪拌した。さらに3−アミノプロピル官能基化シリカナノ粒子(エタノール中で1g,3重量%)を反応混合物に添加し、続いてトリエチルアミン(0.9g,8.9mmol)を添加した。次いで、水(50mL)を添加し、混合物を68℃でさらに30分間攪拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却した。混合物を真空内で濃縮し、残りのTHFを除去し、その結果、水中で固形分12.4重量%の分散液が得られた。それをさらに水で希釈し、上述の試験法に従って試験した。
【0052】
実施例3
電磁撹拌子および凝縮器を備えた窒素パージ反応容器に、式CF
3(CF
2)
5CH
2CH
2OC(O)C(CH
3)=CH
2(10g,23.1mmol)を有するパーフルオロアルキルメタクリレート、メチルアクリル酸(3.30g,38.4mmol)、(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン(6.88g,38.4mmol)、トリエチルアミン(3.80g,37.6mmol)およびテトラヒドロフラン(THF,62g)を添加した。次いで、反応容器を室温(約23℃)にて窒素で1時間スパージした。次いで、反応容器を60℃に加熱し、シリンジを使用して、開始剤(イソプロパノール2g中に0.27g,VAZO67,E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,DEから市販されている)を反応フラスコに添加した。反応容器の温度を68℃に上げ、68℃で20分間維持した。次いで、温度を65℃に下げ、18時間攪拌した。次いで、反応混合物を室温(23℃)に冷却し、固形分がフラスコの底に沈殿した。液体の上清をデカントした。固形分を粉砕し、水(90mL)に溶解し、液体上清と合わせた。この混合物を真空内で濃縮し、水中で固形分14.5重量%となった。それをさらに水で希釈し、上述の試験法に従って試験した。
【0053】
実施例4
電磁撹拌子および凝縮器を備えた窒素パージ反応容器に、式CF
3(CF
2)
5CH
2CH
2OC(O)C(CH
3)=CH
2(10g,23.1mmol)を有するパーフルオロアルキルメタクリレート、メタクリル酸(16.5g,192mmol)、トリエチルアミン(1.92g,18.9mmol)、およびテトラヒドロフラン(28.7g)を添加した。次いで、反応容器を室温(約23℃)にて窒素で1時間スパージした。次いで、反応を60℃に加熱した。シリンジを使用して、開始剤(THF1g中に0.27g,VAZO67)を反応フラスコに添加した。反応容器の温度を68℃に上げ、68℃で16時間維持した。次いで、反応混合物を室温(23℃)に冷却し、THF中固形分30重量%のフッ素化メタクリレート/メタクリル酸/トリエチルアミン塩コポリマーであると分析した。
【0054】
電磁撹拌子および凝縮器を備えた窒素パージ反応容器に、フッ素化メタクリレート/メタクリル酸/メタクリル酸塩コポリマー(THF中23.2g,35.3mmol)、2アミノエタンスルホン酸(水23.2g中で1.01g,8.08mmol)、およびTHF(25g)を添加した。反応混合物を45℃に加熱し、窒素ブランケット下にて1時間攪拌した。混合物を真空内で濃縮し、残りのTHFを除去し、その結果、水中で固形分24.0重量%の分散液が得られた。それをさらに水で希釈し、上述の試験法に従って試験した。
【0055】
実施例5
電磁撹拌子および凝縮器を備えた窒素パージ反応容器に、実施例5で製造されたフッ素化メタクリレート/メタクリル酸/メタクリル酸塩コポリマー(THF中に23.2g,35.3mmol)、および硫酸水素2−アミノエチル(水23.2g中に1.14g,8.08mmol)を添加した。反応混合物を68℃に加熱し、窒素ブランケット下にて1時間攪拌した。3−アミノプロピル官能基化シリカナノ粒子(エタノール中に1g,3重量%)を反応混合物にさらに添加し、続いてトリエチルアミン(0.9g,8.9mmol)を添加した。次いで、水(50mL)を添加し、混合物をさらに30分間68℃で攪拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却した。混合物を真空内で濃縮し、残りのTHFを除去し、その結果、水中で固形分22.0重量%の分散液が得られた。それをさらに水で希釈し、上述の試験法に従って試験した。
【0056】
実施例6
電磁撹拌子および凝縮器を備えた窒素パージ反応容器に、式CF
3(CF
2)
5CH
2CH
2OC(O)C(CH
3)=CH
2を有するパーフルオロアルキルメタクリレート(10g,23.1mmol)、メタクリル酸(2.31g,26.9mmol)、2−アミノエタンスルホン酸(1.01g,8.1mmol)、およびテトラヒドロフラン(28.7g)を添加した。次いで、反応容器を室温(約23℃)にて窒素で1時間スパージした。次いで、反応を60℃に加熱した。シリンジを使用して、開始剤(THF1g中に0.27g,VAZO67)を反応フラスコに添加した。反応混合物の温度を68℃に上げ、68℃で16時間維持した。次いで、反応混合物を室温(23℃)に冷却し、THF中で固形分30重量%のフッ素化メタクリレート/メタクリル酸/2−アミノエタンスルホン酸塩コポリマーであると分析した。
【0057】
次いで、水酸化アンモニウム(14.6M,3.92g,水中で23.1mmol)を反応混合物に添加し、反応混合物を45℃に加熱し、窒素ブランケット下にて1時間攪拌した。混合物を室温に冷却し、真空内で濃縮し、残りのTHFを除去し、その結果、水中で固形分23.9重量%の分散液が得られた。それをさらに水で希釈し、上述の試験法に従って試験した。
【0058】
実施例7
電磁撹拌子および凝縮器を備えた窒素パージ反応容器に、式CF
3(CF
2)
5CH
2CH
2OC(O)C(CH
3)=CH
2を有するパーフルオロアルキルメタクリレート(10g,23.1mmol)、メタクリル酸(2.31g,26.9mmol)、N,N−ジメチルデシルアミン(0.86,4.65mmol)、およびテトラヒドロフラン(30.7g)を添加した。次いで、反応容器を室温(約23℃)にて窒素で1時間スパージした。次いで、反応を60℃に加熱した。シリンジを使用して、開始剤(THF1g中に0.27g,VAZO67)を反応フラスコに添加した。反応混合物の温度を68℃に上げ、68℃で16時間維持した。次いで、反応混合物を室温(23℃)に冷却し、THF中で固形分17.4重量%のフッ素化メタクリレート/メタクリル酸/N,N−ジメチルデシルアミン塩コポリマーであると分析した。
【0059】
フッ素化メタクリレート/メタクリル酸/N,N−ジメチルデシルアミン塩コポリマー(THF中6.6g)を45℃に加熱し、水酸化アンモニウム(14.6M,水24.8g中に0.81g)を添加した。反応混合物を窒素ブランケット下にて45℃で1時間攪拌した。混合物を真空内で濃縮し、残りのTHFを除去し、その結果、水中で固形分17.4重量%の分散液が得られた。それをさらに水で希釈し、上述の試験法に従って試験した。
【0060】
実施例8
電磁撹拌子および凝縮器を備えた反応容器内で、実施例8で製造されたフッ素化メタクリレート/メタクリル酸/N,N−ジメチルデシルアミン塩コポリマー(6.6g)を45℃に加熱した。エチルアミン(1.13g,11.1mmol)を反応混合物に一滴ずつ添加した。混合物を45℃で1時間攪拌した。水(24.8g)を反応混合物に添加した。混合物を真空内で濃縮し、残りのTHFを除去し、水中で固形分19.7重量%の分散液が得られた。それをさらに水で希釈し、上述の試験法に従って試験した。
【0061】
実施例9
電磁撹拌子および凝縮器を備えた窒素パージ反応容器に、式CF
3(CF
2)
5CH
2CH
2OC(O)C(CH
3)=CH
2を有するパーフルオロアルキルメタクリレート(10g,23.1mmol)、メタクリル酸(2.31g,26.9mmol)、ドデシルアミン(0.86g,4.65mmol)、およびテトラヒドロフラン(30.7g)を添加した。次いで、反応容器を室温(約23℃)にて窒素で1時間スパージした。次いで、反応を60℃に加熱した。シリンジを使用して、開始剤(THF1g中に0.27g,VAZO67)を反応フラスコに添加した。反応混合物の温度を68℃に上げ、68℃で16時間維持した。次いで、反応混合物を室温(23℃)に冷却し、THF中で固形分30重量%のフッ素化メタクリレート/メタクリル酸/ドデシルアミンコポリマーであると分析した。
【0062】
電磁撹拌子および凝縮器を備えた窒素パージ反応容器に、フッ素化メタクリレート/メタクリル酸/ドデシルアミンコポリマー(THF中6.6g)および水酸化アンモニウム(14.6M,水24.8g中に0.81g,13.4mmol)を添加した。反応混合物を45℃に加熱し、窒素ブランケット下で1時間攪拌した。混合物を真空内で濃縮し、残りのTHFを除去し、水中で固形分20.1重量%の分散液が得られた。それをさらに水で希釈し、上述の試験法に従って試験した。
【0063】
実施例10
電磁撹拌子および凝縮器を備えた反応容器内で、実施例10で製造されたフッ素化フッ素化メタクリレート/メタクリル酸/ドデシルアミンコポリマー(6.6g)を45℃に加熱した。エチルアミン(1.13g,11.1mmol)を反応混合物に一滴ずつ添加した。混合物を45℃で1時間攪拌した。水(24.8g)を反応混合物に添加した。混合物を真空内で濃縮し、残りのTHFを除去し、水中で固形分22.3重量%の分散液が得られた。それをさらに水で希釈し、上述の試験法に従って試験した。
【0064】
実施例11
電磁撹拌子および凝縮器を備えた窒素パージ反応容器に、式CF
3(CF
2)
5CH
2CH
2OC(O)C(CH
3)=CH
2を有するパーフルオロアルキルメタクリレート(2.5g,5.75mmol)、メタクリル酸(0.82g,9.6mmol)、ジエチルアミノメチルホスホネート(0.8g,4.8mmol)、およびテトラヒドロフラン(11.2g)を添加した。次いで、反応容器を室温(約23℃)にて窒素で1時間スパージした。次いで、反応を60℃に加熱した。シリンジを使用して、開始剤(THF0.5g中にVAZO67 0.35g)を反応フラスコに添加した。反応混合物の温度を68℃に上げ、68℃で16時間維持した。次いで、反応混合物を室温(23℃)に冷却し、フッ素化メタクリレート/メタクリル酸/メタクリル酸:ジエチルアミノメチルホスホネートコポリマー(THF中で固形分28重量%)であると分析した。コポリマー(THF中で14.8g)を45℃に加熱し、水酸化アンモニウム(水24g中に0.290g(NH
328重量%),4.8mmol))を添加した。反応混合物を窒素ブランケット下にて55℃で1時間攪拌した。混合物を真空内で濃縮し、残りのTHFを除去し、水中で固形分19.4重量%の分散液が得られた。それをさらに水で希釈し、上述の試験法に従って試験した。
【0065】
比較例A
コポリマーを有機溶媒中で生成し、アミンは重合後に添加される。電磁撹拌子および凝縮器を備えた窒素パージ反応容器に、式CF
3(CF
2)
5CH
2CH
2OC(O)C(CH
3)=CH
2を有するパーフルオロアルキルメタクリレート(50g,115mmol)、メタクリル酸(16.5g,192mmol)、およびテトラヒドロフラン(THF,155g)を添加した。次いで、反応容器を室温(約23℃)にて窒素で1時間スパージした。次いで、反応を60℃に加熱し、5分間攪拌した。シリンジを使用して、開始剤(THF10g中に1.35g,VAZO67)を反応フラスコに添加した。反応混合物の温度を68℃に上げ、68℃で16時間維持した。次いで、反応混合物を室温(23℃)に冷却し、THF中で固形分30重量%のフッ素化メタクリレート/メタクリル酸コポリマーであると分析された。
【0066】
電磁撹拌子および凝縮器を備えた窒素パージ反応容器に、フッ素化メタクリレート/メタクリル酸コポリマー(THF中に23.2g,35.3mmol)、N,N−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン(0.1g,0.44mmol)、トリエチルアミン(2.18g,21.6mmol)、およびTHF(25g)を添加した。反応混合物を68℃に加熱し、窒素ブランケット下で2時間攪拌した。次いで、水(50mL)を添加し、混合物を68℃でさらに30分間攪拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却した。混合物を真空内で濃縮し、残りのTHFを除去し、水中で固形分16.5重量%の分散液が得られ、上述の試験法に従って試験した。
【0067】
実施例13
アルキルメタクリレートを使用して、本発明の方法から生成されるコポリマーを製造した。熱電対ウェル、スパージ管、磁気撹拌子および還流冷却器軸受部を備えたオーブン乾燥100mL三つ口丸底フラスコに、ブチルメタクリレート(5.46g,38.4mmol)、メタクリル酸(1.99g,23.1mmol)、1,3,5−トリメチルベンゼン(0.07g,0.58mmol)、トリエチルアミン(2.33g,23.1mmol)、およびTHF(29.8g)を添加した。攪拌溶液をN2で60分間スパージした。次いで、反応混合物を68℃に加熱した。加熱された溶液に、シリンジによって溶液としてVAZO67(THF2g中に0.27g)を添加した。この時点で、反応混合物を加熱して、安定な内部溶液温度68℃が得られた。混合物をこの温度で16時間加熱した。18時間後、溶液をH
2O(30mL)で処理し、真空内で濃縮して残りの有機溶媒を除去し、水中の安定なミルキーホワイトの分散液としてポリマーが得られた(固形分20.8重量%,pH=9)。
【0068】
比較例C
アルキルメタクリレートを使用して、コポリマーを製造し、重合段階後にアミンを添加した。電磁撹拌子および凝縮器を備えた窒素パージ反応容器に、ブチルメタクリレート(5.46g,38.4mmol)、メタクリル酸(1.99g,23.1mmol)、1,3,5−トリメチルベンゼン(0.07g,0.58mmol)、およびテトラヒドロフラン(29.8g)を添加した。次いで、反応容器を室温(約23℃)にて窒素で1時間スパージした。次いで、反応混合物を68℃に加熱した。シリンジを使用して、開始剤(THF2g中にVAZO67 0.27g)を反応フラスコに添加した。反応混合物を温度68℃に加熱し、18時間維持した。18時間後、溶液をトリエチルアミン(2.33g,23.1mmol)、次いでH
2O(30mL)で処理し、真空内で濃縮して、残りの有機溶媒を除去し、水中の安定なミルキーホワイトの分散液としてポリマーが得られ(固形分19.2重量%,pH=9)、上述の試験法に従って試験した。
【0069】
比較例D
アルキルメタクリレートを使用して、コポリマーを製造し、重合段階後にアミンを添加した。電磁撹拌子および凝縮器を備えた窒素パージ反応容器に、ブチルメタクリレート(5.46g,38.4mmol)、メタクリル酸(1.99g,23.1mmol)、1,3,5−トリメチルベンゼン(0.07g,0.58mmol)、およびテトラヒドロフラン(29.8g)を添加した。次いで、反応容器を室温(約23℃)にて窒素で1時間スパージした。次いで、反応混合物を68℃に加熱した。シリンジを使用して、開始剤(THF2g中にVAZO67 0.27g)を反応フラスコに添加した。反応混合物を温度68℃に加熱し、18時間維持した。18時間後、溶液を水中のNH
4OH(1.69g,23.1mmol)で処理し、真空内で濃縮して、残りの有機溶媒を除去し、水中の安定なミルキーホワイトの分散液としてポリマーが得られ(固形分16.3重量%,pH=8〜9)、上述の試験法に従って試験した。
【0070】
実施例1から10をサルティヨ表面に塗布し、上述の方法に従って、試験法1の油および水のビーディング、試験法2の24時間汚れ試験、試験法3の撥水性、および試験法4の撥油性に従って試験した。未処理サルティヨおよび比較例A(複合体化後のコポリマー)も比較として試験した。以下の表5に水および油のビーディングの結果、表6に汚れ試験の結果、表7に試験法3および4の撥油性および撥水性の結果を示す。
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
【0073】
【表7】
【0074】
アルキル(メタ)アクリレートが組み込まれた、本発明の方法から製造されるコポリマーをサルティヨ、石灰岩および花崗岩表面表面に処理し、試験法2、24時間汚れ試験に従って、上述の方法に従って試験した。未処理サルティヨ、未処理石灰岩、および未処理花崗岩および比較例BおよびC(複合体化後のポリマー)も比較として試験した。以下の表5に水および油のビーディングの結果、表6に汚れ試験の結果、表7に試験法3および4の撥油性および撥水性の結果を示す。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表1】
なお、本発明は、特許請求の範囲を含め、以下の発明を包含する。
1.(メタ)アクリル酸1モルにつきアミン(1−q)モルの比で、開始剤と共に、式(I);
【化1】
の(メタ)アクリレートモノマー40〜70モル%を、(メタ)アクリル酸および式(II);
【化2】
の第1アミン30〜60モル%と接触させて、コポリマーが形成される工程を含む、向上した汚れ抵抗性、撥油性および撥水性を有するコポリマーの製造方法であって、
式中、qが0を超える場合に、前記コポリマーを式(II)の第2アミンqモルと接触させることを条件として、qは0〜0.9であり;
Zは、R
f(CH
2)
n−またはR
h−であり;
R
fは、1つまたは複数の−O−、−CH
2−、−CFH−、またはその組み合わせが任意選択で介在している、C
2〜C
10フルオロアルキルであり;
nは、1〜10の整数であり;
R
hは、C
2〜C
22直鎖状、分岐状、環状、またはアリールアルキルであり;
R
1およびR
2はそれぞれ独立して、HまたはCH
3であり;
R
3は、H、CH
3、またはCH
2CH
3であり;
R
4は、H、CH
3、またはCH
2CH
3であり;
R
5は、H、CH
2CH
3、C
3〜C
18アルキルまたはYであり;
Yは、
【化3】
であり、
R
9は、アルキル、アルキルアルコール、または水素であり;
前記第1および第2アミンは同じでも異なっていてもよく;かつ
mは、1〜10である、方法。
2.1)ラジカル開始剤の存在下での(メタ)アクリレートモノマー、(メタ)アクリル酸、および第1アミンの前記接触が同時であり;またはラジカル開始剤の存在下にて、(メタ)アクリレートモノマーと接触させる前に、前記(メタ)アクリル酸と第1アミンを接触させる、1に記載の方法。
3.前記重合が、前記ラジカル開始剤の半減期に少なくとも等しい時間、約50〜約90℃の温度で行われる、1に記載の方法。
4.前記開始剤が、前記(メタ)アクリレートモノマーと(メタ)アクリル酸の全重量に対して0.1〜6.0重量%の濃度で存在し、かつ前記開始剤が、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化スクシニル、t−ブチルパーピバレート、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)またはアゾジカルボンアミドからなる群から選択される1種または複数種の過酸化物である、1に記載の方法。
5.ZがR
f(CH
2)
n−であり、R
fが、1つまたは複数の−O−、−CH
2−、−CFH−、またはその組み合わせが任意選択で介在している、C
2〜C
10フルオロアルキルであり、nが1〜10の整数である、請求項1に記載の方法。
6.R
fがC
4〜C
6フルオロアルキルであり、nが2〜6である、5に記載の方法。
7.ZがR
h−であり、R
h−がC
2〜C
22直鎖状、分岐状、環状、またはアリールアルキルである、請求項1に記載の方法。
8.R
5がH、CH
2CH
3、またはC
3〜C
18アルキルである、1に記載の方法。
9.R
5がYであり;かつ
Yが、
【化5】
であり、
R
9が、アルキル、アルキルアルコール、または水素であり;かつ
mは1〜10である、1に記載の方法。