特許第5989670号(P5989670)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5989670信号および/または照明装置用の光学ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989670
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】信号および/または照明装置用の光学ユニット
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/10 20060101AFI20160825BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20160825BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20160825BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20160825BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20160825BHJP
【FI】
   F21S8/10 371
   H01L33/00 L
   G02B6/42
   F21S8/10 352
   F21V8/00 310
   F21Y115:10
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-549794(P2013-549794)
(86)(22)【出願日】2012年1月17日
(65)【公表番号】特表2014-508380(P2014-508380A)
(43)【公表日】2014年4月3日
(86)【国際出願番号】EP2012050651
(87)【国際公開番号】WO2012098123
(87)【国際公開日】20120726
【審査請求日】2014年11月28日
(31)【優先権主張番号】1150375
(32)【優先日】2011年1月18日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ、ベルト
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン、ドニ
(72)【発明者】
【氏名】グザビエ、スーネン
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−317352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10
F21V 8/00
G02B 6/42
H01L 33/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の信号および/または照明装置用の光学ユニット(1)であって、
少なくとも1つの光源(2)である、LEDと、
前記光源を搭載し、前記光源に電力を供給する電気回路を有する少なくとも1つの基板(3)と、
少なくとも一部が光を通す材料でできており、前記光源から光を受け入れ、この光を誘導するように設計されている光導波路(5)と、
クリップ留めによって前記光導波路に取り付けられ、前記基板を受けるように設計されたフード(15)と、を備え、
前記フード(15)が、前記光導波路および/または前記光源からの光が外部に漏れるのを防ぐように設計され、
前記フードが、前記光導波路の一端部を少なくとも部分的に取り囲んでいるバレル(26)を備え、
前記フードの前記バレル(26)が前記光源を取り囲むことを特徴とする光学ユニット。
【請求項2】
前記フードが、クリップ留めによって前記基板に取り付けられるように設計されていることを特徴とする、請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
前記フードが、前記基板(3)と協働すべき相互に対向する少なくとも2つのクリップ留めタブを有することを特徴とする、請求項2に記載のユニット。
【請求項4】
前記フードが、前記基板のための、相互に対向する少なくとも2つの位置決めタブを有することを特徴とする、請求項2から3のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項5】
前記光導波路が、
所定の曲線軸に沿った細長い形状の本体(8)と、
この所定の方向に対して横方向に通っているタブ(9)と、を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項6】
前記フードが、前記光導波路の横断タブと協働するように設計された少なくとも1つのクリップ留めタブ(32)を有し、
このクリップ留めタブが、前記バレルに平行であることを特徴とする、請求項5に記載のユニット。
【請求項7】
前記光導波路が2つの長手方向の端部を有し、
これらの端部の各々は、光源および基板を受けるとともに、前述のようなフードを受け得ることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の光学ユニットを備えることを特徴とする自動車用の照明および/または信号装置。
【請求項9】
自動車の照明および/または信号装置内の光導波路に光源を取り付ける方法であって、 前記光源をプリント回路基板に取り付けるステップと、
前記光導波路と前記プリント回路基板との間にフードを介在させるステップと、
前記プリント回路基板を前記光導波路の一端部に直接または間接的に取り付けるステップと、を含み、
前記フードが、前記光導波路および/または前記光源からの光が外部に漏れるのを防ぐように設計され、
前記フードが、前記光導波路の一端部を少なくとも部分的に取り囲んでいるバレル(26)を備え、
前記フードの前記バレル(26)が前記光源を取り囲むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特に光学ユニットに関し、特に自動車の信号および/または照明装置用の光学ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の照明および信号の分野では、光導波路の利用がますます一般化しつつある。光導波路とは、例えば、非常に図式的にいうと、一般に円柱形の断面を有する、透明な材料でできた細長い要素である。導波路の入力面と呼ばれる導波路の端部の一方の近くには、1つまたは複数の光源、例えば、発光ダイオード型の小型光源などがあり、この光源によって発せられる光線は、全反射により、導波路の長手に沿って、導波路の末端面と呼ばれるその反対端へ向かって進む。導波路に沿って進む光線の一部は、導波路の前面と呼ばれる面を通って導波路から出ることになり、これは、導波路の後面と呼ばれる、前述の面の反対側に、面に沿って配置された反射要素の存在によるものである。これらの反射要素は、例えばプリズムなどからなる。よって導波路はその全長に沿って光を発する。導波路には、まっすぐな、または曲がった、非常に多様な幾何学的形状を用いることができ、車両灯または前照灯の若干到達しにくい領域にさえも照明面を伝えるという利点がある。よって導波路は、照明または前照灯のスタイルに大きく寄与するものである。
【0003】
自動車用の光導波路を用いたそのような照明装置が、例えば、欧州特許1780463号明細書などに記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許1780463号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、この種の装置を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
よって、本発明の一主題は、特に自動車の信号および/または照明装置用の光学ユニットであって、
少なくとも1つの光源、特にLEDと、
光源を搭載した少なくとも1つの基板であって、光源に電力を供給する電気回路を備える基板と、
少なくとも一部は光を通す材料でできている光導波路であって、光源から光を受け入れ、この光を誘導するように設計されている光導波路と
を備え、光学ユニットは、特に、基板が光導波路によって直接、または間接的に支えられていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、光源を光導波路に対して正確に位置決めすることが可能であり、この導波路へ最大光量を注入することを可能にする。
【0008】
好ましくは、組立て操作をより容易にするために、基板は、クリップ留めによって光導波路に直接、または間接的に固定される。
【0009】
本発明の一実施形態では、光学ユニットは、好ましくはクリップ留めによって光導波路に取り付けられる、基板を受けるように設計されたフードを備える。
【0010】
適切な場合には、フードは、クリップ留めによって基板に取り付けられるように設計されている。
【0011】
例えば、フードは、少なくとも1つのクリップ留めタブ、特に、少なくとも2つのクリップ留めタブ、特に相互に対向するクリップ留めタブを備える。
【0012】
光源が光導波路に対してさらに一層正確に位置決めされることを可能にし、光源を取り付ける操作をより容易にするために、フードは、基板のための少なくとも1つの位置決めタブ、好ましくは、特に相互に対向する少なくとも2つの位置決めタブを備える。
【0013】
本発明の一実施形態では、フードは、基板の一縁部を受けるように設計された少なくとも1つのスロットを備える。これは基板が位置決めされ、所定位置に保持されることを可能にする。
【0014】
基板は、適切な場合には、基板の電気回路に接続された電気コネクタを搭載していてよく、フードは、有利には、少なくとも一部はこのコネクタを受けるように設計されたハウジングを備える。
【0015】
好ましくは、フードは、光導波路からの、および/または光源からの光が外部に漏れるのを防ぐように設計されている。
【0016】
これらの光の漏れは、前照灯または車両の美観を損なう特徴であると感じられ、したがって望ましくない。
【0017】
有利には、フードは、光導波路の一端部を少なくとも部分的に取り囲んでいるバレルを備え、バレルは、光が外部へ漏れるのを防ぐことを可能にする。
【0018】
本発明の一実施形態では、フードのバレルは光源を取り囲んでいる。
【0019】
例えば、光導波路は、所定の曲線軸に沿った細長い形状の本体と、この所定の方向に対して横方向に通っている、この本体に接続されたタブとを備える。
【0020】
好ましくは、フードは、光導波路の横断タブの少なくとも一端部を受けるように設計された空洞を備える。
【0021】
本発明の一実施形態では、フードは、光導波路の横断タブと協働するように設計された少なくとも1つのクリップ留めタブを備え、このクリップ留めタブは、特に、前述のバレルに平行である。
【0022】
バレルは、光導波路の横断タブを通すためのスロットを有していてよい。
【0023】
必要に応じて、フードは一体成型部品として作られる。
【0024】
有利には、光導波路は、横断タブを含む一体成型部品として作られており、横断タブは、特に注入タブに対応する。
【0025】
当然ながら、他の構成も可能である。
【0026】
本発明の一実施形態では、光導波路は2つの長手方向の端部を備え、これらの端部の各々が光源と基板と、おそらくは前述のようなフードとを受ける。
【0027】
光源を搭載する基板は、特に、プリント回路基板である。
【0028】
本発明の別の主題は、以上で定義した光学ユニットを備える、特に自動車のための照明および/または信号装置である。
【0029】
この装置は、例えば、法的に必要とされる信号機能、特にDRL(daytime running light(昼間点灯))機能またはタウンビーム機能に寄与するように設計されてもよい。
【0030】
本発明の別の主題は、自動車の照明および/または信号装置内の光導波路に光源を取り付ける方法であり、この方法は、
光源をプリント回路基板に取り付けるステップと、
プリント回路基板を光導波路の一端部に直接、または間接的に取り付けるステップと
を含む。
【0031】
この方法は、
光導波路と基板との間にフードを介在させるステップ
を含んでいてよい。
【0032】
本発明は、本発明の非限定的例示的一実施形態の以下の詳細な説明を読み、添付の図面を考察すればよりよく理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】異なる角度から見た、本発明の一実施形態による光学ユニットの概略的部分的斜視図である。
図2】異なる角度から見た、本発明の一実施形態による光学ユニットの概略的部分的斜視図である。
図3】異なる角度から見た、本発明の一実施形態による光学ユニットの概略的部分的斜視図である。
図4】プリント回路基板なしの図1図3の光学ユニットの概略的部分的斜視図である。
図5図1図4の光学ユニットの光導波路自体の概略的部分的斜視図である。
図6図1図4の光学ユニットの概略的部分的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1図3および図6には、自動車の信号および/または照明装置用の光学ユニット1が示されており、この光学ユニットは、
LED2(図6に示されている)で形成された光源と、
光源2を搭載する、全体的に平坦な基板3であって、光源2に電力を供給するための電気回路(不図示)を備える基板3と、
少なくとも一部は光を通す材料でできている光導波路5であって、光源2から光を受け、この光を誘導するように設計されている光導波路5と
を備える。
【0035】
基板3は光導波路5によって支えられており、すなわち例えば、(特に生産ライン上での)取扱い操作時に、好ましくは後述するフードによって基板がこの光導波路に固定されたままの状態で、光導波路をつかむことが可能である。
【0036】
本明細書で考察する例では、光導波路5は、おおむね円形の断面を有する。
【0037】
当然ながら、光導波路は、他の実施形態では、楕円形、正方形、卵円形、またはさらに一層複雑な形の断面を有していてもよく、この光導波路5は、ポリカーボネート(またはポリメチルメタクリレートPMMA、もしくは他の適切な重合体)でできた透明な重合体に基づくものである。
【0038】
光導波路5は、所定の曲線軸Xに沿った湾曲した細長い形状の本体8と、この所定の方向に対して横方向に通っているタブ9とを備える(図5に示されている)。
【0039】
代替として、光導波路の本体8は、直線的形状のものとすることもできる。
【0040】
前述の例では、タブ9は、2つの湾曲部11を有する形状をしている。このタブ9は注入タブとして働く。
【0041】
図5に示すように、光導波路5の本体8は、後述するフードを位置決めするための位置決めボス12も有する。
【0042】
図4図6に示すように、光導波路5は、本体8の端部の一方に光入力ファセット6を備え、発光ダイオード2はこれに対向して位置決めされている。
【0043】
光導波路の本体8は、おそらくは、ファセット6の反対側に別のエンドファセットを有し、別のLEDが別のエンドファセットに対向して位置決めされ得る。
【0044】
光導波路5は、曲線軸Xに沿ってその長さに沿った向きを有する以下の2つの主面をさらに備える。
【0045】
−導波路5に沿って進む光線の出力面である第1の面FS。この出力面FSは、滑らかで連続していてもよく、あるいは線条があってもよい。
【0046】
−第1の面FSの反対側にある、導波路5の反射面を構成している第2の面FR。この面は反射要素、例えばプリズムなどを備える。
【0047】
そのような光導波路に関する詳細な説明については、例えば、欧州特許1780463号明細書を参照することができる。
【0048】
光学ユニット1は、クリップ留めによって光導波路5に取り付けられ、基板3を受けるように設計されたフード15を備える。
【0049】
そのために、フード15は、取付け後に基板3を所定位置に保持する、相互に対向する2つのクリップ留めタブ16を備える(特に図3を参照されたい)。
【0050】
光導波路5に対する光源2のさらに一層正確な位置決めを可能にし、取付けの操作をより容易にするために、フード15は、それに当てて基板3を保持するための位置決めタブ17を備える。
【0051】
フード15は複数の支持体18を備え、そのうちの3つが例示されており、その上に基板3が置かれる(図4参照)。
【0052】
また、基板3を位置決めし、かつ、基板3を所定位置に保持するよう、フード15は基板3の一縁部20を受けるように設計されたスロット19も備える。
【0053】
考察した例では、導波路5の本体8の軸Xは基板3とほぼ直交する(図6参照)。
【0054】
基板3は、基板の電気回路に接続された電気コネクタ23を搭載し、フード15は、少なくとも一部はこのコネクタ23を受けるように設計されたハウジング24を備える。
【0055】
フード15は、光導波路5および/または光源2からの光が外部に漏れるのを防ぐように設計されている。
【0056】
そのために、フード15は、光導波路5の一端部27をおおむね取り囲んでいるバレル26を備え、バレル26は、特に図1および図6に示すように、光が外部に漏れるのを防ぐことを可能にする。
【0057】
フードのバレル26は、おおむね円柱状であり、LED2も取り囲んでいる。
【0058】
さらに、フード15は、タブ9から来る光の漏れを回避するために、光導波路5の横断タブ9の少なくとも一端部30を受けるように設計された空洞29を有する(特に図2を参照されたい)。
【0059】
フード15は、光導波路の横断タブ9と協働するように設計されたクリップ留めタブ32を備え、このクリップ留めタブ32は、特に、前述のバレル26に平行に通っている(特に図2を参照されたい)。
【0060】
バレル26は、光導波路5の横断タブ9を通すためのスロット33を備える。
【0061】
フード15は、例えばプラスチック材料からなる、一体成型部品として作られている。
【0062】
光源を搭載する基板3は、特に、プリント回路基板である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6