特許第5989676号(P5989676)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5989676ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989676
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 67/02 20060101AFI20160825BHJP
   C08K 5/13 20060101ALI20160825BHJP
   C08K 5/524 20060101ALI20160825BHJP
   C08K 5/372 20060101ALI20160825BHJP
   C08G 63/672 20060101ALI20160825BHJP
   C08J 5/00 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
   C08L67/02
   C08K5/13
   C08K5/524
   C08K5/372
   C08G63/672
   C08J5/00CFD
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-552458(P2013-552458)
(86)(22)【出願日】2012年1月30日
(65)【公表番号】特表2014-507531(P2014-507531A)
(43)【公表日】2014年3月27日
(86)【国際出願番号】KR2012000669
(87)【国際公開番号】WO2012105770
(87)【国際公開日】20120809
【審査請求日】2015年1月9日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0009405
(32)【優先日】2011年1月31日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513193923
【氏名又は名称】エスケー ケミカルズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100090251
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 憲一
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【弁理士】
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】キム ドンジン
(72)【発明者】
【氏名】ユン ウォンジェ
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョンリャン
(72)【発明者】
【氏名】イ ユジン
(72)【発明者】
【氏名】ファン シニョン
【審査官】 岡▲崎▼ 忠
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0173154(US,A1)
【文献】 特開2009−215347(JP,A)
【文献】 特開2006−070101(JP,A)
【文献】 特表2002−512269(JP,A)
【文献】 特開2008−156616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 67/00−67/03
C08G 63/00−63/91
C08J 5/00−5/24
C08K 5/00−5/59
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジカルボン酸成分とイソソルバイドを含むジオール成分とを共重合して得られる、前記ジカルボン酸成分から誘導されたジカルボン酸部分と前記ジオール成分から誘導されたジオール部分とが繰り返される構造を有する共重合ポリエステル樹脂95ないし99.99重量%;および
ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスフェート系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤およびこれらの混合物からなる群から選択される酸化防止剤0.01ないし5重量%を含むこと、
前記ジカルボン酸成分がテレフタル酸であること、並びに
前記ジオール成分が、前記イソソルバイド10ないし30モル%と1,4−シクロヘキサンジメタノール40ないし90モル%とを含むこと、
を特徴とする共重合ポリエステル樹脂組成物であって、
前記共重合ポリエステル樹脂組成物が90℃以上のガラス転移温度を有することを特徴とする、前記共重合ポリエステル樹脂組成物。
【請求項2】
前記ホスフェート系酸化防止剤は、下記の化学式1で表示される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
【化1】
(上記化学式1において、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1ないし30の置換若しくは非置換のアルキル基、または炭素数6ないし30の置換若しくは非置換のアリール基である。)
【請求項3】
前記チオエーテル系酸化防止剤は、下記の化学式2または化学式3で表示される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
【化2】
(上記化学式2および3において、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1ないし30の置換若しくは非置換のアルキル基、または炭素数6ないし30の置換若しくは非置換のアリール基である。)
【請求項4】
前記共重合ポリエステル樹脂をオルトクロロフェノールに1.2g/dlの濃度に溶解した後、35℃で固有粘度を測定した場合に、固有粘度が0.15dl/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリエステル樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1〜のいずれか1項に記載の共重合ポリエステル樹脂組成物からなり、フィルム、シート、飲料水のビン、哺乳瓶、繊維、医療用および光学用製品からなる群から選択されることを特徴とするポリエステル樹脂成形品。
【請求項6】
ジカルボン酸成分とイソソルバイドを含むジオール成分とを0ないし10.0kg/cmの圧力および150ないし300℃の温度で平均滞留時間2ないし24時間エステル化反応またはエステル交換反応させる段階;
前記段階で得られた反応生成物を、400ないし0.01mmHgの減圧条件および150ないし300℃の温度で平均滞留時間1ないし24時間重縮合反応させて共重合ポリエステル樹脂を得る段階;および
前記共重合ポリエステル樹脂95ないし99.99重量%とヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスフェート系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤およびこれらの混合物からなる群から選択される酸化防止剤0.01ないし5重量%とを混合するために、前記酸化防止剤を前記反応生成物のエステル化反応または重縮合反応時に添加するか、または生成された共重合ポリエステル樹脂と前記酸化防止剤とを混合する段階を含むことを特徴とする共重合ポリエステル樹脂組成物の製造方法であって、
前記ジカルボン酸成分がテレフタル酸であること、
前記ジオール成分が、前記イソソルバイド10ないし30モル%と1,4−シクロヘキサンジメタノール40ないし90モル%とを含むこと、及び
前記共重合ポリエステル樹脂組成物が90℃以上のガラス転移温度を有することを特徴とする、前記製造方法。
【請求項7】
前記ホスフェート系酸化防止剤は、下記の化学式1で表示される化合物であることを特徴とする請求項に記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
【化3】
(上記化学式1において、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1ないし30の置換若しくは非置換のアルキル基、または炭素数6ないし30の置換若しくは非置換のアリール基である。)
【請求項8】
前記チオエーテル系酸化防止剤は、下記の化学式2または化学式3で表示される化合物であることを特徴とする請求項に記載のポリエステル樹脂組成物の製造方法。
【化4】
(上記化学式2および3において、RおよびRは、それぞれ独立して、炭素数1ないし30の置換若しくは非置換のアルキル基、または炭素数6ないし30の置換若しくは非置換のアリール基である。)
【請求項9】
前記共重合ポリエステル樹脂をオルトクロロフェノールに1.2g/dlの濃度に溶解した後、35℃で固有粘度を測定した場合に、固有粘度が0.15dl/g以上であることを特徴とする請求項に記載の共重合ポリエステル樹脂組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は共重合ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法に関し、より詳しくは色安定性(透明性)に優れた、イソソルバイドが共重合されたポリエステル樹脂組成物およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエステル樹脂は包装材、成形品、フィルムなどの分野で広範囲に使用されており、環境ホルモンが存在しない環境に優しいプラスチックの一つである。最近、耐熱食品容器に主に使用されるポリカーボネートにおいて、ビスフェノールAの有害性が明らかになり、環境に優しい透明耐熱ポリエステル樹脂の必要性が増大している。ポリエステル樹脂の成形性を向上させ結晶性を除去するために、二つ以上のグリコールまたはジカルボン酸成分で共重合されたポリエステル樹脂が商業的に幅広く利用されている。テレフタル酸とエチレングリコールだけで構成されたホモポリエステルの場合、延伸結晶化と熱固定を通して物性および耐熱性を向上させることができるが、適用用途および耐熱性向上に限界があり、二つ以上のグリコールまたはジカルボン酸成分で共重合されたポリエステルの場合には、延伸や結晶化工程によって耐熱性を向上させにくいという短所がある。ポリエステルの耐熱性を向上させる他の方法として、デンプンから誘導された環境に優しいジオール(diol)化合物であるイソソルバイド(isosorbide、1,4:3,6−dianhydroglucitol)をモノマーの一つとして使用する方法が知られている。
【0003】
米国特許第5,959,066号明細書には、テレフタル酸またはジメチルテレフタレートとイソソルバイドを含む多様なジオールとを利用して、固有粘度0.35dl/g以上のポリエステルを溶融重合で製造する方法が開示されている。固有粘度0.35dl/g以上のポリエステル樹脂は光学製品およびコーティング用に用いられ、固有粘度0.4dl/g以上のポリエステル樹脂はCD用に用いられ、固有粘度0.5dl/g以上のポリエステル樹脂は瓶、フィルム、シート、射出用に用いられる。また、米国特許第6,063,464号には、イソソルバイドを含むグリコール成分を用いて、固有粘度0.15dl/g以上のポリエステルを溶融重合で製造する方法が開示されており、その他にも米国特許第6,656,577号、米国特許第6,359,070号および米国特許第6,140,422号などにイソソルバイドを含むグリコール成分を用いて、共重合ポリエステル樹脂を製造する方法が開示されている。
【0004】
前記特許にはすべての酸とイソソルバイドを含むジオールとに対して一般的な触媒を使用したポリエステル重合法が開示されているが、ポリエステル合成または成形時に黄変(yellowing)現象が発生できるので、一般的なプラスチック用途に使用するためには色安定性(透明性)が発揮される組成を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、色安定性(透明性)に優れた共重合ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、ジカルボン酸成分とイソソルバイドを含むジオール成分とを共重合して得られる、前記ジカルボン酸成分から誘導されたジカルボン酸部分と前記ジオール成分から誘導されたジオール部分とが繰り返される構造を有する共重合ポリエステル樹脂95ないし99.99重量%;およびヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスフェート系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤およびこれらの混合物からなる群から選択される酸化防止剤0.01ないし5重量%を含む共重合ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【0007】
また、本発明は、ジカルボン酸成分とイソソルバイドを含むジオール成分とを0ないし10.0kg/cmの圧力および150ないし300℃の温度で平均滞留時間2ないし24時間エステル化反応またはエステル交換反応させる段階;前記段階で得られた反応生成物を、400ないし0.01mmHgの減圧条件および150ないし300℃の温度で平均滞留時間1ないし24時間重縮合反応させて共重合ポリエステル樹脂を得る段階;および、前記共重合ポリエステル樹脂95ないし99.99重量%とヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスフェート系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤およびこれらの混合物からなる群から選択される酸化防止剤0.01ないし5重量%とを混合するために、前記酸化防止剤を前記反応生成物のエステル化反応または重縮合反応時に添加するか、または生成された共重合ポリエステル樹脂と前記酸化防止剤とを混合する段階を含む共重合ポリエステル樹脂組成物の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明による共重合ポリエステル樹脂組成物は、共重合ポリエステル樹脂のジオール成分としてイソソルバイドを使用しているので、耐衝撃性および耐熱性に優れており、更に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスフェート系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、およびこれらの混合物などの酸化防止剤を含んでいるので、色安定性(透明性)に優れている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0010】
本発明による共重合ポリエステル樹脂組成物は、ジカルボン酸成分(dicarboxylic acid component)とイソソルバイドを含むジオール成分(diol component)とが共重合されて、ジカルボン酸成分から誘導されたジカルボン酸部分(dicarboxylic acid moiety)とジオール成分から誘導されたジオール部分(diol moiety)とが繰り返される構造を有する共重合ポリエステル樹脂、およびヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスフェート系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤およびこれらの混合物からなる群から選択される酸化防止剤を含む。
【0011】
本発明に使用されるジカルボン酸成分としては、ポリエステル樹脂製造に通常使用される通常のジカルボン酸成分を用いることができ、例えば、炭素数8ないし20、好ましくは8ないし14の芳香族ジカルボン酸成分、炭素数4ないし20、好ましくは4ないし12の脂肪族ジカルボン酸成分、およびこれらの混合物を使用することができる。前記芳香族ジカルボン酸成分の具体的な例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などが挙げられ、前記脂肪族ジカルボン酸成分の具体的な例としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸などのシクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、セバシン酸、こはく酸、イソデシルこはく酸、マレイン酸、フマル酸、アジピック酸、グルタル酸、アゼライン酸などの線状、分枝型または環状脂肪族ジカルボン酸成分が挙げられる。前記ジカルボン酸成分は単独または二つ以上が配合された形態で用いられる。例えば、前記テレフタル酸または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を単独で使用したり、ポリエステル樹脂の物性改善のために、前記テレフタル酸または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を除いたジカルボン酸成分を共重合ジカルボン酸成分(共重合モノマー)として共に用いることもできる。物性改善のための前記共重合ジカルボン酸成分の含有量は、全ジカルボン酸成分に対して、0ないし50モル%、好ましくは0.01ないし40モル%、例えば、0.1ないし30モル%である。ここで、前記共重合ジカルボン酸成分の含有量が少なすぎるか多い場合には物性改善の効果が不十分であるか、ポリエステル樹脂の物性がむしろ低下する恐れがある。
【0012】
本明細書において、ジカルボン酸成分などの用語は、テレフタル酸などのジカルボン酸、そのアルキルエステル(モノメチル、モノエチル、ジメチル、ジエチルまたはジブチルエステルなどの、炭素数1ないし4の低級アルキルエステル)、これらの酸無水物(acid anhydride)等を含む意味で使用され、グリコール(ジオール)成分と反応して、テレフタロイル部分(terephthaloyl moiety)等のジカルボン酸部分を形成する。また、本明細書において、ジカルボン酸部分およびジオール部分は、ジカルボン酸成分およびジオール成分が通常のポリエステル重合反応時に水素、ヒドロキシ基またはアルコキシ基が除去され、残った残基(residue)を表す。
【0013】
本発明に使用されるジオール成分は、イソソルバイド(1,4:3,6−dianhydroglucitol)を必ず含むものであって、全ジオール成分に対して、1ないし60モル%、好ましくは4ないし40モル%、さらに好ましくは10ないし30モル%のイソソルバイドを含む。前記ジオール成分の残り成分(共重合ジオール成分、共重合モノマー)としては、ポリエステル樹脂の製造に通常使用される通常のジオール成分を使用することができる。前記共重合ジオール成分の含有量は40ないし99モル%、好ましくは60〜96モル%、さらに好ましくは70〜90モル%である。例えば、前記ジオール成分の残り成分としては、炭素数8ないし40、好ましくは8ないし33の芳香族ジオール成分、炭素数2ないし20、好ましくは2ないし12の脂肪族ジオール成分、およびこれらの混合物などのジオール成分を使用することができる。前記芳香族ジオール成分の具体的な例としては、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.2)−ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(3.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどのエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドが付加されたビスフェノールA誘導体(ポリオキシエチレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(n)2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンまたはポリオキシプロピレン−(n)−ポリオキシエチレン−(n)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ここでnはポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンユニット(unit)の個数(number)を現わす。)が挙げられ、前記脂肪族ジオール成分の具体的な例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロパンジオ−ル(1,2−プロパンジオ−ル、1,3−プロパンジオ−ルなど)、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール(1,6−ヘキサンジオールなど)、ネオペンチルグリコール(2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオ−ル)、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、テトラメチルシクロブタンジオールなどの線状、分枝型または環状脂肪族ジオール成分が挙げられる。前記ジオール成分は前記イソソルバイド以外に前記共重合ジオール成分が単独または二つ以上が配合された形態で用いられ、例えば、前記イソソルバイドに前記エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどが単独または二つ以上配合された形態で用いられる。特に、1,4−シクロヘキサンジメタノールが前記共重合ジオール成分として用いられる場合、1,4−シクロヘキサンジメタノールの含有量が増加するほど、共重合ポリエステル樹脂の耐衝撃強度が急激に増加する。全ジオール成分に対して、前記イソソルバイドの含有量が1モル%未満であるか、前記共重合ジオール成分が99モル%を超える場合には、共重合ポリエステル樹脂組成物の耐熱性の上昇が不十分である恐れがあり、前記イソソルバイドの含有量が60モル%を超えたり、前記共重合ジオール成分が40モル%未満の場合には、共重合ポリエステル樹脂または製品が黄変する恐れがある。
【0014】
本発明に使用される共重合ポリエステル樹脂は、前記ジカルボン酸成分およびジオール成分から共重合され、本発明の共重合ポリエステル樹脂をオルトクロロフェノール(orthochlorophenol:OCP)に1.2g/dlの濃度に溶解した後、35℃で固有粘度を測定した場合に、0.15dl/g以上、好ましくは0.5dl/g以上、さらに好ましくは0.7dl/g以上の固有粘度を表し、前記共重合ポリエステル樹脂を利用して厚さ3.2mmの試片を製造した後、切り欠きアイゾット衝撃強度(izod impact strength、ASTM D256方法、測定温度23℃)を測定した場合には、好ましくは50J/m以上の衝撃強度を示す。また、本発明によるポリエステル樹脂を300℃で5分間アニーリング(annealing)し、常温に冷却した後、昇温速度10℃/minで再スキャン(2nd Scan)すれば、好ましくは90℃以上のガラス転移温度(Tg、Glass Transition Temperature)温度を有する。
【0015】
本発明に使用される酸化防止剤は、本発明による共重合ポリエステル樹脂組成物の色安定性(透明性)を高めるためのものであって、前記共重合ポリエステル樹脂の重合反応中または重合後に混合することによって共重合ポリエステル樹脂組成物に含まれる。前記酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤、ホスフェート系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、およびこれらの混合物などが挙げられる。
【0016】
前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤の代表的な例としては1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン)(1,3,5−Trimethyl−2,4,6−tris(3,5−di−tert−butyl−4−hydroxybenzyl)benzene)、1,6−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]ヘキサン(1,6−Bis[3−(3,5−di−tert−butyl−4−hydroxyphenyl)propionamido]hexane)、1,6−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]プロパン(1,6−Bis[3−(3,5−di−tert−butyl−4−hydroxyphenyl)propionamido]propane)、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシナメート)]メタン(tetrakis[methylene(3,5−di−tert−butyl−4−hydroxyhydrocinnamate)]methane)等が挙げられる。
【0017】
前記ホスフェート系酸化防止剤としては下記の化学式1で表示される化合物が挙げられる。
【化1】
上記化学式1で、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1ないし30、好ましくは1ないし20の置換または非置換されたアルキル基または炭素数6ないし30、好ましくは6ないし20の置換または非置換されたアリール基である。前記ホスフェート系酸化防止剤の代表的な例としては、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスフェート(Bis(2,6−di−tert−butyl−4−methylphenyl)pentaerythritol−di−phosphite)、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスフェート(Bis(2,4−di−tert−butylphenyl)pentraerythritol−di−phosphite)等が挙げられる。
【0018】
前記チオエーテル系酸化防止剤としては、下記の化学式2で表示される化合物または化学式3で表示される化合物が挙げられる。
【化2】
上記化学式2および3で、RおよびRはそれぞれ独立して炭素数1ないし30、好ましくは1ないし20の置換または非置換されたアルキル基または炭素数6ないし30、好ましくは6ないし20の置換または非置換されたアリール基である。前記チオエーテル系酸化防止剤の代表的な例としては、テトラキス[メタン−3−(ラウリルチオ)プロピオネート]メタン(Tetrakis[methane−3−(laurylthio)propionate]methane)、ジステアリルチオジプロピオン酸(Distearyl thiodipropionate)、ジラウリルチオジプロピオン酸(Dilauryl thiodipropionate)等が挙げられる。
【0019】
本発明による共重合ポリエステル樹脂組成物は前記共重合ポリエステル樹脂95ないし99.99重量%、好ましくは96ないし99重量%および前記酸化防止剤0.01ないし5重量%、好ましくは1ないし4重量%を含む。全共重合ポリエステル樹脂組成物に対して、前記共重合ポリエステル樹脂の含有量が95重量%未満であるか、前記酸化防止剤の含有量が5重量%を超えれば、ヘイジー(hazy)が発生して透明性が低下する恐れがあり、全共重合ポリエステル樹脂組成物に対して、前記共重合ポリエステル樹脂の含有量が99.99重量%を超えたり、前記酸化防止剤の含有量が0.01重量%未満であれば、黄変が発生して共重合ポリエステル樹脂組成物の色安定性(透明性)が低下する恐れがある。
【0020】
本発明による共重合ポリエステル樹脂組成物は色安定性(透明性)、耐熱性および耐衝撃性に優れているので、成形してフィルム、シート、飲料水のビン、哺乳瓶、繊維、医療用、光学用製品などに有用に用いることができる。
【0021】
次に、本発明による共重合ポリエステル樹脂組成物の製造方法について説明する。まず、(a)前記ジカルボン酸成分と前記イソソルバイドを含むジオール成分とを0ないし10.0kg/cmの圧力および150ないし300℃の温度で平均滞留時間1ないし24時間エステル化反応またはエステル交換反応させた後、(b)前記エステル化またはエステル交換反応生成物を400ないし0.01mmHgの減圧条件および150ないし300℃の温度で平均滞留時間1ないし24時間重縮合反応させて共重合ポリエステル樹脂を得る。次に、(c)前記共重合ポリエステル樹脂95ないし99.99重量%と前記酸化防止剤0.01ないし5重量%とを混合するために、前記酸化防止剤を前記反応生成物のエステル化反応または重縮合反応時に添加するか、または、生成された共重合ポリエステル樹脂と前記酸化防止剤とを混合することによって、本発明による共重合ポリエステル樹脂組成物を製造することができる。ここで、前記エステル化反応および重縮合反応は不活性気体雰囲気下で行われるのが好ましく、前記共重合ポリエステル樹脂と前記酸化防止剤との混合は単純混合であるか、押出を通した混合であることができる。
【0022】
本発明による共重合ポリエステル樹脂組成物の重合方法を具体的に説明すれば、イソソルバイドを含む共重合ポリエステル樹脂の製造の際、一次的にテレフタル酸などのジカルボン酸成分に対してイソソルバイドを含む全ジオール(グリコール)成分がモル比で1.05ないし3.0、好ましくは1.1ないし2.0、さらに好ましくは1.2ないし1.8となるように投入し、150ないし300℃、好ましくは200ないし270℃、さらに好ましくは240ないし260℃および0ないし10.0kg/cm、好ましくは0ないし5.0kg/cm、さらに好ましくは0.1ないし3.0kg/cmの圧力条件でエステル化反応を行う。ここで、前記ジオール成分/ジカルボン酸成分比率が1.05未満であれば、重合反応時、未反応ジカルボン酸成分が残留して樹脂の透明性が低下する恐れがあり、3.0を超過する場合、重合反応速度が遅すぎて樹脂の生酸性が低下する恐れがある。また、前記反応温度および圧力が前記範囲を外れる場合、共重合ポリエステル樹脂の物性が低下する恐れがある。前記エステル化反応時間(平均滞留時間)は通常1ないし24時間、好ましくは2ないし8時間であり、反応温度、圧力、使用するジカルボン酸対比グリコールのモル比により変わることができる。
【0023】
共重合ポリエステル樹脂の製造過程をエステル化反応((a)段階)および重縮合反応((b)段階)に区分する場合、エステル化反応では触媒を必要としないが、反応時間短縮のために触媒を投入することもできる。前記エステル化反応(第1段階)はバッチ(batch)式または連続式に行うことができ、それぞれの原料は別途に投入することもできるが、ジオール成分にジカルボン酸成分を混合したスラリーの形態で投入するのが好ましい。ここで、イソソルバイドなどの常温で固形分であるグリコールは水またはエチレングリコールに溶解して、テレフタル酸などのジカルボン酸成分と共にスラリーを形成したり、ジカルボン酸成分、イソソルバイドおよびエチレングリコールなどの共重合ジオール成分が混合したスラリーに、水を追加投入してイソソルバイドの溶解度を高めたり、60℃以上でスラリーを製造してイソソルバイドが溶融した状態のスラリーを使用するのが好ましい。
【0024】
前記エステル化反応((a)段階)の完了後には、重縮合反応((b)段階)が行われ、前記重縮合反応((b)段階)開始前にエステル化反応またはエステル交換反応の生成物に重縮合触媒、安定剤、呈色剤などを添加することができる。前記重縮合触媒としては、通常のチタニウム、ゲルマニウム、アンチモン、アルミニウム、スズ系化合物などを一つ以上適切に選択して使用することができる。有用なチタニウム系触媒としては、テトラエチルチタネート、アセチルトリプロピルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、ポリブチルチタネート、2−エチルヘキシルチタネート、オクチレングリコールチタネート、乳酸チタネート、トリエタノールアミンチタネート、アセチルアセトネートチタネート、エチルアセトアセチックエステルチタネート、イソステアリルチタネート、チタニウムジオキサイド、チタニウムジオキサイド/シリコンジオキサイド共沈物、チタニウムジオキサイド/ジルコニウムジオキサイド共沈物などが挙げられる。また、有用なゲルマニウム系触媒としてはゲルマニウムジオキサイドおよびこれを利用した共重合体などが挙げられる。重縮合反応に添加される安定剤としては、一般にリン酸、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェートなどのリン系化合物が用いられ、その添加量はリン元素量を基準として最終ポリマー(共重合ポリエステル樹脂)の重量対比10ないし100ppmである。前記安定剤の燐の添加量が10ppm未満であれば安定化効果が不十分で、ポリマーの色が黄色く変わる恐れがあり、100ppmを超えれば所望する高重合度のポリマーを得られない恐れがある。また、ポリマーの色を向上させるために添加される呈色剤としては、コバルトアセテート、コバルトプロピオネートなどの通常の呈色剤が挙げられ、必要に応じて、有機化合物の呈色剤を用いることもでき、その添加量は最終ポリマーの重量対比0ないし100ppmである。一般に、前記重縮合反応は150ないし300℃、好ましくは200ないし290℃、さらに好ましくは260ないし280℃および400ないし0.01mmHg、好ましくは100ないし0.05mmHg、さらに好ましくは10ないし0.1mmHgの減圧条件で行われる。前記400ないし0.01mmHgの減圧条件は重縮合反応の副産物であるグリコールを除去するためである。したがって、前記減圧条件が前記範囲を外れる場合、副産物除去が不十分な恐れがある。また、前記重縮合反応温度が前記範囲を外れる場合、共重合ポリエステル樹脂の物性が低下する恐れがある。前記重縮合反応は、所望する固有粘度に到達するまで必要な時間、例えば、平均滞留時間1ないし24時間行われる。
【0025】
最後に、本発明による共重合ポリエステル樹脂組成物を製造するために、前記酸化防止剤を前記反応生成物のエステル化反応または重縮合反応時に含むようにしたり、生成された共重合ポリエステル樹脂と混合する。
【0026】
以下、実施例および比較例を通して本発明をさらに詳しく説明する。下記の実施例は本発明を例示するものであって、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。下記の実施例および比較例において、TPAはテレフタル酸(terephthalic acid)、AAはアジピック酸(adipic acid)、CHDAは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(1,4−cyclohexane dicarboxylic acid)、ISBはイソソルバイド(isosorbide、1,4:3,6−dianhydroglucitol)、CHDMは1,4−シクロヘキサンジメタノール(1,4−cyclohexane dimethanol)、EGはエチレングリコール(ethylene glycol)、BPA−EOはポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを示し、ポリマーの性能評価方法は次の通りである。
(1)固有粘度(IV):150℃オルトクロロフェノール(OCP)に0.12%濃度でポリマーを溶解した後、35℃の恒温槽でウベローデ型粘度計を使用して測定。
(2)耐熱性(Tg):ガラス転移温度(Glass−rubber transition temperature:Tg)であって、ポリエステル樹脂を300℃で5分間アニーリングし、常温に冷却した後、昇温速度10℃/minで、再スキャン(2nd Scan)時のTg温度を測定。
(3)色安定性(Color LおよびColor b):Pacific Scientific社のColorgard Systemを使用して測定。
(4)ヘーズ(%):共重合ポリエステル樹脂組成物のフィルムサンプルを温度23℃、湿度65%RHの雰囲気で24時間熟成した後、JIS(Japanese Industrial Standards)K7136に準じて、ヘーズメーター(Haze meter、装置名:NDH2000、製造会社:日本電色工業(株))で前記フィルムサンプルのそれぞれ異なる位置3箇所に対するヘーズ(%)を測定し、それぞれの測定結果の平均値を結果値に算出する。
【0027】
比較例1ないし3:共重合ポリエステル樹脂の製造
7L容積の反応器に、表1に示す含有量となるように原料を投入し、全原料重量に対して、ゲルマニウム触媒200ppm、ホスフェート系安定剤70ppmおよびコバルト系呈色剤50ppmを投入(それぞれ中心元素の原子基準)した後、240ないし300℃の熱を加えてエステル化反応を行った。副産物である水が系外に70ないし99重量%流出した時、重縮合反応を行い、一定の粘度に達した時、重合を終了した。製造された共重合ポリエステル樹脂についての固有粘度(IV)、耐熱性(Tg)、Color LおよびColor bの測定結果を表1に示す。
【0028】
実施例1ないし4、参考例1ないし2、および比較例4:共重合ポリエステル樹脂組成物の製造
表1に示す原料を投入して共重合ポリエステル樹脂を製造し、共重合ポリエステル樹脂の製造時または製造後、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシナメート)]メタン(tetrakis[methylene(3,5−di−tert−butyl−4−hydroxy hydrocinnamate)]methane、AO1)、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスフェート(A02)、テトラキス[メタン−3−(ラウリルチオ)プロピオネート]メタン(A03)のうち、一つ以上を混合(全共重合ポリエステル樹脂組成物の重量に対して、ppm単位で投入)したことを除いては、比較例1と同様な方法でポリエステル樹脂組成物を製造した。製造された共重合ポリエステル樹脂組成物についての固有粘度(IV)、耐熱性(Tg)、Color LおよびColor bの測定結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
上記表1において、ジカルボン酸成分およびジオール成分の組成(%)はいずれも最終共重合ポリエステル樹脂に含まれているジカルボン酸成分およびジオール成分の組成であり、核磁気共鳴分析(NMR分析)を通じて確認した値である。上記表1から、通常の共重合ポリエステル樹脂(比較例1ないし3)と比較して、本発明による酸化防止剤を含む共重合ポリエステル樹脂組成物(実施例1ないし4、及び参考例1ないし2)は色安定性(Color LおよびColor b)が相対的に優れていることが分かる。ただし、全共重合ポリエステル樹脂組成物に対して、酸化防止剤の含有量が5重量%を超過する場合(比較例4)、反応速度が遅すぎて所望する重合度(1.5dl/g以上)の共重合ポリエステル樹脂組成物が得られないことが分かる。
【0031】
比較例5ないし7:ポリエステル樹脂成形品の製造
下記表2により、前記比較例1ないし3で製造された共重合ポリエステル樹脂をそれぞれ40℃で6時間、1torrの真空雰囲気で減圧乾燥した後、Tダイ(die)を装着した直径20mmのツインスクリュー(twin screw)押出機で、表2に示す押出温度条件でシート(Sheet)状に押出した。5℃で冷却したドラム(drum)上に静電印加キャスト(cast)してポリエステル樹脂成形品(シート(sheet))を製作した。前記シートのcolor L、color bおよびヘーズ(haze、%)の測定結果を表2に示す。
【0032】
実施例7ないし13:ポリエステル樹脂成形品の製造
下記表2により、前記比較例1ないし3で製造された共重合ポリエステル樹脂にテトラキス[メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシナメート)]メタン(AO1)、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスフェート(A02)、テトラキス[メタン−3−(ラウリルチオ)プロピオネート]メタン(A03)の中、一つ以上をコールドブレンド(cold blend)した後、それぞれ40℃で6時間、1torrの真空雰囲気で減圧乾燥した後、Tダイを装着した直径20mmのツインスクリュー押出機で、表2に示す押出温度条件でシート状に押出した。5℃で冷却したドラム上に静電印加キャストしてポリエステル樹脂成形品(シート)を製作した。前記シートのcolor L、color bおよびヘーズ(haze、%)の測定結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】
上記表2から、酸化防止剤をブレンドしない従来のポリエステル樹脂成形品(シート、比較例5ないし7)と比較して、本発明によるポリエステル樹脂成形品(シート、実施例7ないし13)は色安定性(Color LおよびColor b)が相対的に優れていることが分かる。