特許第5989680号(P5989680)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989680
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】弁装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/44 20060101AFI20160825BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20160825BHJP
   F16F 9/34 20060101ALI20160825BHJP
   F16F 9/44 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
   F16K1/44 Z
   F16K31/06 305L
   F16F9/34
   F16F9/44
【請求項の数】20
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-554915(P2013-554915)
(86)(22)【出願日】2012年2月24日
(65)【公表番号】特表2014-512494(P2014-512494A)
(43)【公表日】2014年5月22日
(86)【国際出願番号】EP2012053202
(87)【国際公開番号】WO2012113929
(87)【国際公開日】20120830
【審査請求日】2014年12月19日
(31)【優先権主張番号】11156063.7
(32)【優先日】2011年2月25日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509343149
【氏名又は名称】オーリンス・レイシング・エービー
【氏名又は名称原語表記】OEHLINS RACING AB
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】エベルス、ベニー
(72)【発明者】
【氏名】ソンステロド、ラルス
【審査官】 加藤 一彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−501917(JP,A)
【文献】 特開昭64−069876(JP,A)
【文献】 特表2008−506910(JP,A)
【文献】 特開平07−144629(JP,A)
【文献】 特開平06−137228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/44
F16F 9/34
F16F 9/44
F16K 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常動作の間は作動力(F)に対応して弁装置を通る作動流体流れ(q)中の圧力を電気的に規制するとともに、作動力が存在しない時にはフェイルセーフ動作の間に前記圧力を機械的に規制する弁装置(1,101)であって:
弁室(2,102);
前記作動力(F)の方向とは反対の方向にばね負荷されていて、通常動作の間に弁室中への前記作動流体の流れ(q)に影響する為に、前記作動力(F)に対応して第1弁座(4,104)と相互作用するよう中心軸線方向に前記弁室(2,102)内を移動可能である第1弁部材(3,103);
前記弁室(2,102)の移動可能室壁部分を形成しており、前記作動力の前記方向において第2弁座(6,106)に対しばね負荷されていて、通常動作の間に弁室(2,102)の外に前記作動流体が流れることを許容する為の貫通孔(10,110)を備える第2弁部材(5,105);
を備えていて、
前記ばね負荷されている第1弁部材(3,103)が、前記第2弁座(6,106)上に作用している前記第2弁部材(5,105)により前記圧力が機械的に規制されるよう、前記フェイルセーフ動作の間に前記貫通孔(10,110)を閉じるよう配置されている、
弁装置。
【請求項2】
前記第1弁部材(3,103)が、第1ばね手段(7,107)によりばね負荷されている、請求項1中に請求されている如き弁装置(1,101)。
【請求項3】
前記第1ばね手段(7,107)が、前記第1弁部材(3,103)と前記第1弁座(4,104)との間に配置されている、請求項2中に請求されている如き弁装置(1,101)。
【請求項4】
前記弁装置の弁特性は、異なったばね特性を有している複数の第1ばね手段のグループから前記第1ばね手段を選択することにより調整可能及び/又はチューン可能である、請求項2又は3中に請求されている如き弁装置(1,101)。
【請求項5】
前記第1弁部材(3,103)が操作棒(8,108)を介し前記作動力(F)を受け入れるよう適用されている、請求項1乃至4のいずれか1項中に請求されている如き弁装置(1,101)。
【請求項6】
前記操作棒(8,108)が弁装置部分(9,109)を介して案内されるよう配置されていて、そして、前記第1弁部材(3,103)が、前記中心軸線方向における前記操作棒(8,108)及び前記第1弁部材(3,103)の移動可能性を制限するよう、前記操作棒(8,108)により案内されるよう配置されている、請求項5中に請求されている如き弁装置(1,101)。
【請求項7】
前記第1弁部材(3,103)及び/又は前記操作棒(8,108)が、前記第2弁部材(5,105)中の追加の貫通孔又は前記貫通孔(10,110)を通って延出するよう配置されている、請求項5又は6中に請求されている如き弁装置(1,101)。
【請求項8】
前記貫通孔(10,110)又は前記追加の貫通孔の内壁部分と前記第1弁部材(3,103)及び/又はそこを通って延出している前記操作棒(8,108)との間の空間により流れ通路が形成されている、請求項7中に請求されている如き弁装置(1,101)。
【請求項9】
前記第1弁部材(3,103)に、前記流れ通路を閉鎖するよう前記第2弁部材の第2環状表面(12,112)と接触するよう配置されている第1環状閉鎖表面(11,111)が設けられている、請求項8中に請求されている如き弁装置(1,101)。
【請求項10】
前記第1環状閉鎖表面(11,111)が、前記流れ通路に向かいテーパーにされている、請求項9中に請求されている如き弁装置(1,101)。
【請求項11】
前記第2弁部材(5,105)が円板形状をしていて柔軟である、請求項1乃至10のいずれか1項中に請求されている如き弁装置(1,101)。
【請求項12】
当接要素(22,122)をさらに備えていて、それに対しては、前記第2弁座(6,106)に対し前記第2弁部材をばね負荷するよう前記第2弁部材(5,105)が男性的に付勢されている、請求項11中に請求されている如き弁装置(1,101)。
【請求項13】
前記弁装置の弁特性が、異なった柔軟特性を有している複数の第2弁部材のグループから前記第2弁部材を選択することにより、調整可能及び/又はチューン可能である、請求項11又は12中に請求されている如き弁装置(1,101)。
【請求項14】
前記第2弁部材が、第2ばね手段(13,113)により、前記第2弁座に対しばね負荷されている、請求項1乃至11のいずれか1項中に請求されている如き弁装置(1,101)。
【請求項15】
前記ばね手段(7,107)が、前記第2ばね手段(13,113)よりも低いばね負荷を有している、請求項14中に請求されている如き弁装置(1,101)。
【請求項16】
前記弁装置の弁特性が、異なったばね特性を有している複数の第2ばね手段のグループから前記第2ばね手段を選択することにより、調整可能及び/又はチューン可能である、請求項14又は15中に請求されている如き弁装置(1,101)。
【請求項17】
前記第2弁部材が、前記室の外へ作動流体が流れることを許容する為の少なくとも1つのオリフィスを備えている、請求項1乃至16のいずれか1項中に請求されている如き弁装置(1,101)。
【請求項18】
前記室中へと作動流体が流れることを許容する為の固定された制限面積を伴った少なくとも1つのオリフィスを備える、請求項1乃至17のいずれか1項中に請求されている如き弁装置(1,101)。
【請求項19】
前記貫通孔又は前記流れ通路が、前記弁室中への制限されている作動流体流れ(q)に比べて、前記通常動作の間には前記室(2,102)の外への作動流体流れ(q)が制限されないで許容されるよう構成されている、請求項1乃至18のいずれか1項中に請求されている如き弁装置(1,101)。
【請求項20】
前記第1弁部材(3,103)及び前記第1弁座(4,104)が、前記弁室の外への制限されている作動流体流れ(q)に比べて、前記フェイルセーフ動作の間には前記室(2,102)中への作動流体流れ(q)を制限しない許容するよう配置されている、請求項1乃至19のいずれか1項中に請求されている如き弁装置(1,101)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的には弁装置の分野に関係している。より詳細には、この発明は、通常動作の間は作動力に対応して弁装置を通る作動流体流れ中の圧力を電気的に規制するとともに、作動力が存在しない時にはフェイルセーフ動作の間に前記圧力を機械的に規制する弁装置に関係している。特に、この弁装置は、電気的に制御されている液圧ダンパー装置においてパイロット弁組立体において使用される。
【背景技術】
【0002】
電気的に制御制御されている液圧ダンパー装置またはショックアブソーバーは、例えばソレノイドを使用して電気的に操作される複数のパイロット弁を備えていて良い。パイロット弁は主弁を制御する為に使用され、主弁はひいてはショックアブソーバーの複数の作動室、即ち複数の反発及び圧縮室、間の作動流体又はダンピング媒体の流れを調整し、それによりダンピング特性を調整する。このようなショックアブソーバーは好ましくは、複数の弁を解放状態にしておくことなくソレノイド又は制御システムに対する電気的又は機械的な故障を取り扱うことが出来なければならない。複数の弁を解放状態にしておくことは、複数のダンピング室間の作動流体の実質的に制限されていない流れという結果となり、その結果としてダンピング力の欠如になる。
【0003】
上に記載した故障を取り扱う為のフェイルセーフ(fail-safe)動作又はモードを含んでいるショックアブソーバーが、EP0400395中に提出されていて、そこでは2つの弁座を伴った弁構成が示唆されている。通常動作又はモードにおいては、弁体の第1部分が第1弁座と相互作用した時に第1弁制限面積を種々に調整する為に、弁体がソレノイドにより操作されている。フェイルセーフ(fail-safe)動作又はモードにおいては、即ちフェイルセーフ(fail-safe)動作の間においては、同じ弁体の第2部分がばね手段により第2弁座に対し付勢されていて、それにより弁体の第2部分と第2弁座との間の流れをブロックしている。この弁構成はまた、フェイルセーフ(fail-safe)動作又はフェイルセーフ(fail-safe)動作モードの間にそこを通る小さな流れを許容する所定の又は一定の制限面積を伴っている貫通孔又は通路を含む。しかしながら、フェイルセーフ(fail-safe)動作モードの間に、所定の制限面積のお蔭により貫通孔又は通路に渡る高度な圧力差が容易に発生されることが出来る。言い換えると、圧縮及び反発室間を移動する必要のある作動流体の量の増加の場合では、所定の制限面積が流量又は流れの量における変化を補償することが出来ない。従って、力負荷ばね手段に加えて、圧力差が弁体の第2部分を第2弁座に対し付勢し、さらには、それにより弁体の第2部分が第2弁座に対し負荷する力における増加を発生させる。その後、ソレノイドが再び作動した時に、弁構造はその通常モード又は動作へと復帰する。しかしながら、弁体上に負荷されていた増加された力のお蔭により、加圧されている状態、即ち駆動状態、の間に、フェイルセーフ(fail-safe)動作又はモードから通常動作又はモードへと戻る移行をさせるのに要求されている力が、ソレノイドにより発生させることが難しくなることがある。この弁構造はまた、システム中に望まれていない圧力衝撃を伴う急激な移行を引き起こし易い。
【0004】
2つのモード又は動作モード間の移行による問題を解決する1つの試みが、EP0708268中に提供されており、そこでは円板形状の部材がフェイルセーフ(fail-safe)動作モード中において半径方向に配置されている複数のパイロット通路をブロックする為に使用されている。円板形状の部材中の複数の貫通孔又は通路のお蔭により、部材の両側上に作用している圧力が本質的に同じであり、そして、それによりフェイルセーフ(fail-safe)動作モードから通常動作モードへの移行が、EP0400395中如き圧力差により生じさせられた力を克服することを要求しない。しかしながら、EP0708268中の解決手法に伴う1つの問題は、比較的大きな遊び又は範囲(scope)(円板形状の部材と複数の弁室壁の摺動表面との間の隙間及び/又はプランジャーと弁体との間の界面における隙間)が、滑らかな摺動動作を達成する為に要求されていることである。このように大きな遊び又は範囲は、円板形状の部材と複数の半径方向のパイロット通路との間の界面中における漏れに関して不具合である。特に、大きな遊び又は範囲は、フェイルセーフ(fail-safe)動作又はモードにおいて円板形状の部材を受け入れるのに傾斜した表面が使用されている実施形態で複数の問題を投げかけている。この実施形態においては、円板形状の部材が傾斜した位置に受け入れられてしまい、複数のパイロット通路の予期せぬ閉鎖という結果となり、通常動作又はモードへと復帰することを困難にするという危険性がある。
【0005】
もう1つの解決がEO1759256中に提供されており、それは直列に配置されている2つの横断面を調整するよう配置されている2つの弁体を伴っている弁構造を開示している。上の問題と同様に、この解決には、円板形状の弁体が他の弁体に対し傾斜した位置に位置されて望ましくないそして予期せぬ弁機能という結果になるという危険性がある。
【発明の概要】
【0006】
この発明の目的は、弁装置を通る作動流体の流れ及び/又は弁装置の上流の作動流体の圧力を、その通常動作モードとフェイルセーフ(fail-safe)動作モードとの間の移行を含むその全動作サイクルを通して、意図した及び予期した方法で、連続的に安定させるような、フェイルセーフ(fail-safe)弁動作と通常弁動作との間の信頼性のある繰り返し可能な移行の為の弁装置を提供することである。
【0007】
この及び他の目的は、独立請求項中に規定されている特徴を有している弁装置を提供することにより、この発明に従い達成される。種々の実施形態が従属請求項において規定される。
【0008】
この発明に従えば、通常動作の間は作動力Fに対応して弁装置を通る作動流体流れq中の圧力を電気的に規制するとともに、作動力が存在しない時にはフェイルセーフ動作の間に前記圧力を機械的に規制する弁装置が提供されている。この弁装置は、弁室,第1弁部材,そして第2弁部材を備えている。第1弁部材は、通常動作の間に弁室中への前記作動流体の流れqに影響する為に、前記作動力Fに対応して第1弁座と相互作用するよう中心軸線方向に前記弁室内で移動可能である。従って、第1弁部材は、通常動作の間に弁室中への前記作動流体の流れqの制限面積を調整するよう第1弁座と相互作用するよう配置されている。言い換えれば、移動可能な第1弁部材は、通常動作の間に弁室中への前記作動流体の流れqを種々に制限する。第1弁部材は、前記作動力Fの方向とは反対の方向にばね負荷されている。これにより、反対作用力(couteracting force)が、第1弁部材を前記中心軸線方向に移動可能にしている。
【0009】
第2弁部材が前記弁室の移動可能室壁部分を形成している。従って、弁室の一部位を規定している弁室の移動可能部分が、第2弁部分を形成している。さらに、第2弁部材は前記作動力の前記方向においてばね負荷されている。従って、第2弁部材は第1弁部材に向かい中心軸線方向に、又は、ばね負荷されている第1弁部材の方向とは反対の方向にばね負荷されている。第2弁部材はさらに、通常動作の間に弁室の外に前記作動流体が流れることを許容する為の貫通孔を備える。従って、第2弁部材には、通常動作の間にそこを通って弁室の外に前記作動流体が流れることを許容する少なくとも1つの貫通孔又は流れ通路が配置されている。ばね負荷されている第1弁部材はさらに、前記第2弁座上に作用している前記第2弁部材により前記圧力が機械的に規制されるよう、前記フェイルセーフ動作の間に前記貫通孔を閉じるよう配置されている。従って、貫通孔又は流路は、ばね負荷されている第1弁部材が第2弁部材と接触した時に閉鎖可能である。言い換えると、第1弁部材及び第2弁部材は、フェイルセーフ動作の間に前記貫通孔又は流路を閉じるよう構成されていて、前記圧力は前記第2弁座上に作用している前記第2弁部材により機械的に調整されている。従って、ばね負荷されている第2弁部材は第2弁座と相互作用し、それにより圧力を機械的に調整している。
【0010】
従って、この発明は、通常動作の間に、弁室の出口、即ち通常動作の間に弁室の外に作動流体が流れることを許容する為の流路、を含んでいる弁室壁部分、及び、ばね負荷されている第1弁部材とは反対の方向に弁室壁の弁座、即ち第2弁座、に対しばね負荷されているこの移動可能な弁室壁部分、即ち第2弁部材、を移動可能に配置することによる洞察を基礎にしている。出口又は流路が閉じられた時、移動可能な弁室壁部分、即ち第2弁部材、は、第2弁座に対しばね負荷されている弁部材を形成し、その結果、フェイルセーフ動作の間に、弁室中の作動流体の圧力を機械的に調節する、即ち第2弁座とそれに対しばね負荷されている第2弁部材との間の通路を通って室の外へ流体が流れるのを許容する、ことが出来る緊密な又は漏れ無しの逆止弁(check valve)という結果になる。言い換えると、移動可能な弁室壁部分は、弁室中又は流れの上流で圧力を機械的に調整できる機能を逆止弁に提供する為に、第2弁座に対しばね負荷されている構成体の室壁部分を形成する。弁室中又は第2弁部材の上流側における作動流体の圧力が第2弁部材上に作用する力を負荷するので、或る圧力水準又はそれ以上、即ち第2弁部材上に作用している力の或る水準で又はそれ以上、で、第2弁部材と第2弁座と間に通路が形成される。従って、第2弁座に対し第2弁部材を開く為に要求されている力は、ばね負荷により第2弁部材上に負荷されている反対の作用力(counteracting force)を克服する必要があり、ばね負荷は従って、第2弁座に対し第2弁部材を付勢又は強制するよう弁室中の加圧されている作動流体の方向とは反対の方向において第2弁部材上に反対の作用力(counteracting force)又はばね負荷を負荷する。
【0011】
通常動作の間に出口又は流路が弁室の外へ流体が流れるのを許容するので、ばね負荷されている室壁部分又は第2弁部材は、フェイルセーフ動作の間には活動的な弁部材として作用し、通常動作の間には受動的な弁部材として作用する。出口又は流路は、作動流体が弁室中へと流れるに対し、通常動作の間には、弁室の外へと自由に流れるのを許容することが理解される。また、ばね負荷が、ばね負荷力を第2弁部材上に又は移動可能な室壁部分上に負荷し、ひいては弁室壁の第2弁座に対し負荷されている、ことが理解される。さらには、第2弁座が弁室壁に対し固定されていて、第2弁部材又は弁室壁部分が第2弁座又は弁室に対し移動可能であることが理解される。
【0012】
従って、弁室出口又は流路を含む第2弁部材を弁室壁上に配置されている第2第2弁座に向かい移動可能にし、そしてばね負荷することを許容することにより、及び、フェイルセーフ動作の間に流路又は弁室出口を閉鎖するよう、操作可能な第1弁部材を配置することにより、第2弁部材が第2弁座から遠ざかるよう移動された時に第2弁部材と第2弁座との間の隙間により形成された代わりの又はフェイルセーフ出口通路が得られる。弁室中の作動流体の圧力が、フェイルセーフ動作の間に、第2弁部材上に作動流体力を負荷する。しかしながら、ばね負荷が、作動流体力に対し反対に向かうばね負荷力を第2弁部材上に負荷する、即ちばね負荷力が作動流体力に反対に作用する。作動流体力がばね負荷方向よりも強い又は大きい時には、第2弁部材は第2弁座に対するその当接位置から遠ざかるよう移動され、それにより、弁室中の又は第2弁座の上流側の作動流体の圧力を減少又は調整する為に、そこを通る作動流体のフェイルセーフ流れが通過することが許容される隙間を形成する。従って、フェイルセーフ動作の間に、ばね負荷されている第2弁部材は、弁装置を通る作動流体又は作動流体流れ中の圧力を機械的に調整し、それによりフェイルセーフ動作の間に、弁装置に渡る圧力低下を調整又は制限する。
【0013】
中心軸線方向は、操作力が、反対に作用しているばね負荷力とともに、第1弁部材に作用する方向を引用していることが理解される。従って、第1弁部材は操作力により操作されて一方向に作用し、反対に作用しているばね負荷力が反対の方向に作用し、第1弁部材が弁室中を中心軸線方向に沿い移動可能になることを許容し、この発明の種々の実施形態においてはまた、操作棒の中心軸線方向と一致する。弁室が取り囲んでいる複数の弁室壁により規定されていることもまた理解される。
【0014】
この弁装置は、2つの異なった動作モード又はモードで、操作力が存在していて受け入れられている時には通常動作モード又は通常モードで、そして、操作力が存在しておらず受け入れられていない時にはフェイルセーフ動作モード又はフェイルセーフモードで、動作出来る。言い換えると、操作力が受け入れられている時の弁装置の通常動作の間は、弁装置は通常動作モードにあり、それにより弁装置を電気的に操作している。操作力が受け入れられていない時の弁装置のフェイルセーフ動作の間は、弁装置はフェイルセーフ動作モードにあり、それにより弁装置を機械的に操作している。フェイルセーフ動作は、操作力を発生することが出来ないソレノイド又はソレノイドを駆動している電気システムに対するダメージ(damage)の如き、操作システムの故障の幾つかの形式に対応されている。
【0015】
弁装置は、弁室中への作動流体の流れを許容する為の入口及び弁室の外への作動流体の流れを許容する為の出口を備えている。従って、入口を通る流れは第1弁座に対する第1弁部材の相互作用又は位置により決定され、これにより前記弁室中への作動流体流れ(q)を制限している。第2弁部材中の流路は、通常動作の間における出口又は通常流路を規定している。しかしながら、フェイルセーフ動作の間において、第2弁部材中の流路又は通常流路が閉鎖された時には、第2弁部材が第2弁座から遠ざかるように移動した時に形成される隙間又は開口により形成されるフェイルセーフ流路により出口が規定される。通常動作の間には、入口の流れ制限面積又は入口流れ面積が第1弁座との第1弁部材の相互作用により制限される。フェイルセーフ動作又はフェイルセーフ動作モードの間、入口の流れ制限面積又は入口流れ面積は弁室中の開口により決定される。第1弁部材は操作力を受け入れるよう適用されていて、例えばそれはソレノイドに機械的に連結されるよう配置されることが出来る。従って、第1弁部材は、通常動作の間に、受け入れられた操作力により操作されるよう配置されていて、弁室中への入口流れ面積又は入口の流れ制限面積を種々に調整又は制御するよう第1弁座と相互作用する。第2弁部材には、第1弁部材により閉鎖可能な流路又は通常流通路が設けられている。第1弁部材は第2弁部材に向かいばね負荷されるよう配置されていて、そして、第2弁部材は第2弁座に向かうようばね負荷されている。それにより、弁が動作するモード次第で、弁室の外への流れは2つの異なった通路又は流路を取ることが出来る。
【0016】
弁装置の通常動作モードにおいて又は通常動作モードの間に、第2弁部材は第2弁座と当接するよう強制されている、即ち第2弁部材は閉位置にあり、そして第1弁部材は、入口の制限面積そして従って作動流体における圧力を制限するよう第1弁座に向かい操作されていて、それにより、第2弁部材により提供されている流路又は通常流通路が、弁室の外への作動流体の流れを許容する為に開かれるか又はブロックされない。
【0017】
フェイルセーフ動作の間、即ち弁装置がフェイルセーフ動作モードにある時、ばね負荷されている第1弁部材は、第2弁部材と当接するよう強制されていて、それにより流路又は通常流通路を閉鎖する。ばね負荷されている第2弁部材は、弁室中の液圧に対応して第2弁座から遠ざかるよう少なくとも中心軸線に沿い移動するよう配置されていて、それにより弁室の外への流れを許容する為の第2弁部材と第2弁座との間のフェイルセーフ流路を開き、それによりフェイルセーフ流路は出口を規定する。第2弁座に対する第2弁部材のばね負荷のお蔭により、弁室の外への流れ、そして従って弁室中の圧力が制限される。言い換えると、第2弁部材により提供されている通常流路がばね負荷されている第1弁部材により閉鎖された時、弁室中の液圧及びその対応している圧力が増大し、そしてこの液圧力が第2弁部材のばね負荷に反対に作用し、第2弁部材は第2弁座から遠ざかるよう中心軸線に沿い移動される。第2弁部材のばね負荷と第2弁部材上に作用している液圧により発生されている力との間の反対の作用は、弁室の外への流れが機械的に調整される結果となる。第2弁部材をばね負荷することはまた、通常動作からフェイルセーフ動作への移行時に弁装置中に生じてよい圧力過渡に関し有利である。通常流路を閉鎖するように第2弁部材に対し第1弁部材が強制されている時、即ち、通常動作からフェイルセーフ動作へ移行する時に、第2弁部材のばね負荷は潜在する圧力変遷を減衰する。
【0018】
結果として、通常動作の間には:
・第1弁部材は、弁室中への流れを種々に調整又は制限するよう、受け入れた操作力により第1弁座に向かい操作され、
・第2弁部材により提供されている通常流路は開かれ又はブロックされず、
・第2弁部材は第2弁座と当接していて、それによりそれらの間の作動流体のいかなる流れもブロックする。
【0019】
フェイルセーフ動作の間には:
・第1弁部材は第2弁部材と当接していて、それにより第2弁部材により提供されている通常流路は閉鎖され、
・第2弁部材は、弁室の外への流れそして従って作動流体の圧力を制限又は調整するよう、作動流体が所定の水準である又はそれ以上である時に、第2弁座から遠ざかるよう移動可能である。
【0020】
通常動作からフェイルセーフ動作への移行の間には:
・通常流路を閉鎖するよう、第1弁部材はばね負荷により第2弁部材に向かい強制され、
・通常流路が閉鎖されそして作動流体の圧力が所定の水準である又はそれ以上である時に、第2弁座から遠ざかるよう移動され、それによりフェイルセーフ流路を開ける。
【0021】
フェイルセーフから通常動作への移行の間には:
・第1弁部材は受け入れられた操作力により第1弁座に向かい操作されそして移動され、それにより、ばね負荷により負荷されていた力に反対に作用しそして打ち勝ち、それにより通常流路を開く又はブロックせず、
・通常流路が開かれ又はブロックされていない時、第2弁部材は、もしそれがひかれているならばフェイルセーフ流路を閉じるよう、第2弁部材を第2弁座に対し強制するばね負荷のみにより影響される。
【0022】
この発明に従っている弁部材に伴う利点は、ばね負荷されている第2弁部材が弁装置を通る作動流体圧力又は作動流体流れを機械的に調整し、それにより、フェイルセーフ動作モードから通常動作モードへの速やかで滑らかな移行を容易にする、フェイルセーフ動作の間の弁装置に渡る圧力低下を調整又は制限することである。第2弁部材をばね負荷することはまた、通常動作からフェイルセーフ動作への移行の時に弁装置中に生じて良い圧力変遷に関して有利である。通常流路を閉じるよう第1弁部材が第2弁部材に対し強制されている時、即ち通常動作からフェイルセーフ動作への移行の時に、第2弁部材のばね負荷は潜在的な圧力の変遷を減衰する。また、圧力低下の機械的な調整のお蔭により、作動流体流れにおける急激な変化及び/又は圧力低下が、2つの動作モードの間の移行時に避けられる及び/又は減少される。第2弁座に対しばね負荷されている第2弁部材のもう1つの利点は、この構成が小さな遊びが無いことのお蔭による作動流体における汚染及び不純物混入に対する低い感度を提供することであり、このような小さな遊びは、第1弁部材と複数の弁室壁との間に何も案内手段が要求されないので、不必要である。
【0023】
この発明の1つの実施形態においては、弁室,第1弁部材,第2弁部材,第1弁座そして第2弁座が弁ハウジング中に配置されている。弁ハウジングは、複数の弁室壁を形成している機械的な構造を引用しており、それはまた、例えば、ダンピング(damping)装置中の複数の作動室との流体連通の為に配置されている、例えば操作システム又は複数の部分との相互作用の為に配置されている複数の部分をそれが備えていることが理解される。
【0024】
この発明のもう1つの実施形態においては、第1弁部材が第1ばね手段により第1弁座に対しばね負荷されている。この発明のさらにもう1つの実施形態においては、第1ばね手段は第1弁部材と第1弁座との間に配置されている。言い換えると、第1ばね手段は、通常動作の間に受け入れられた操作力の方向とは反対の方向において中心軸線に沿い第1弁部材上に作用する。弁装置の弁特性は、複数の異なったばね特性又は複数のばね定数を有している第1ばね手段のグループから第1ばね手段を選択することにより調整及び/又はチューン(tune)が可能である。言い換えると、弁装置の弁特性、例えば流れ調整特性又は圧力調整特性、は、第1ばね手段を交換することにより調整及び/又はチューン(tune)が可能である。例えば、大きなばね負荷又はばね定数を有する第1ばね手段が選択されたならば、第2弁部材の貫通孔は、通常動作モードからフェイルセーフ動作モードへの移行時に、急速に閉じられ、他方では、第1ばね手段のばね力に反対に作用する為に、大きな受け入れられた操作力が通常動作の間に要求される。小さなばね負荷又はばね定数を有する第1ばね手段が選択されたならば、第1ばね手段のばね力に反対に作用する為に、小さな受け入れられた操作力が通常動作の間に要求されるが、第2弁部材の貫通孔は、通常動作モードからフェイルセーフ動作モードへの移行時に、よりゆっくりと閉じられる。
【0025】
この発明のさらにもう1つの実施形態においては、第1弁部材は操作棒を介して操作力を
を受け入れるよう適用されている。言い換えると、操作力は操作棒を介して第1弁部材へと伝達される。これにより、操作力の源、例えばソレノイド、は、第1弁部材から離れて配置されることが出来、弁のより柔軟な設計レイアウト(design layout)を許容する。操作力は、第1弁部材と操作棒とを互いに当接して配置することにより、受け入れらえる。操作棒は第1弁部材と同心的に配置されて良い。従って、操作棒は中心軸線方向に延出する。
【0026】
この発明のさらにもう1つの実施形態においては、操作棒は弁装置部分により案内されるよう配置されていて、そして第1弁部材は、中心軸線方向において操作棒及び第1弁部材が移動されるのを制限するために、操作棒により案内されるよう配置されている。第1弁部材はこれにより弁室に対し及び第1弁座に対し中心軸線方向にのみ移動するよう制限されている。言い換えると、第1弁部材は、操作棒により弁装置により半径方向に案内されている。これは、弁室中への流れを調整する為に、第1弁座に向かい第1弁部材を操作した時に低い漏れを伴う信頼性のある動作を達成する為に、さらなる案内手段が何も要求されないので、有利である。
【0027】
第1弁部材と複数の弁室壁との間に何も案内手段が要求されないので、小さな遊びが避けられ、そしてそれにより弁装置はさらに、作動流体中の汚染及び不純分の為により敏感でなくなる。
【0028】
この発明のさらにもう1つの実施形態においては、第2弁部材が貫通孔又は孔を備えている。第1弁部材及び/又は操作棒はさらに、第2弁部材中の貫通孔又は孔を通って延出するよう配置されている。言い換えると、第1弁部材により形成されている本体の一部分は貫通孔又は孔を通って延出する。操作棒及び第1弁部材の中心軸線位置により、そして、また操作棒及び第1弁部材の幾何学的形状により、第1弁部材又は操作棒のいずれか又はその両方が貫通孔を通って延出する。さらには、第2弁部材が第1弁部材と同心的に配置されて良い。貫通孔及び/又は第2弁部材は、円形であって良い。貫通孔は第2弁部材の半径方向中心に設けられて良い。貫通孔を通って延出している第1弁部材及び/又は操作棒は、円形であって良い。第1弁座及び/又は第2弁座は、円形であって良い。貫通孔又は孔,操作棒,第1及び第2弁座,そして第1及び第2弁部材が全て円形であって、そして同心的に配置されている実施形態は、弁装置の複数の構成部材の製造の容易さ及び良好な密封可能性の故に、有利である。
【0029】
この発明のさらにもう1つの実施形態においては、流路又は通常流路が、前記貫通孔の内壁部分とそこを通って延出している第1弁部材及び/又は操作棒との間の空間により規定されている。
【0030】
この発明のさらにもう1つの実施形態においては、第1弁部材には、流路又は通常流路を閉鎖する為に、第2弁部材の第2環状表面に接触するよう配置されている第1環状表面が設けられている。第2環状表面は、第1弁部材の閉鎖表面に対し反対に配置されている第2弁部材の表面を引用していることが理解される。言い換えれば、第1弁部材は、流路又は通常流路が閉鎖された時に貫通孔壁の反対に配置されている縁と接触するよう配置されている第1環状閉鎖表面を有している。
【0031】
この発明のさらにもう1つの実施形態においては、第1環状閉鎖表面は前記流路又は通常流路に向かいテーパー(taper)にされている。言い換えれば、第1弁部材の第1環状閉鎖表面は前記流路又は通常流路に向かい円錐形状にされて良く、これにより、前記流路又は通常流路を閉鎖する為に第1弁部材が第2弁部材に向かい移動された時に、もっとも小さな直径を有している閉鎖表面の部分が前記流路又は通常流路に向かい向けられている。ここにおいては、前記流路又は通常流路はより効率的に密封される。言い換えると、第1及び第2環状閉鎖表面は、接触している時により緊密な密封を提供する。
【0032】
この発明のさらにもう1つの実施形態においては、第2環状閉鎖表面は、前記流路又は通常流路の流れの方向にテーパー(taper)にされている。これにより、前記流路又は通常流路は、テーパー(taper)にされている表面のお蔭により、より効率的に密封される。
【0033】
この発明のさらにもう1つの実施形態においては、第2弁部材が、弁室の外への作動流体の流れを許容する為の少なくとも1つのオリフィスを備える。言い換えると、前記流路又は通常流路が第1弁部材により閉鎖可能に配置されていることに加え、第2弁部材が少なくとも1つのオリフィスを備える。この発明のさらにもう1つの実施形態においては、複数のオリフィスの少なくとも1つは、それが第1弁部材により閉鎖可能でない、即ちオリフィスの調整面積が固定されている、ように配置されて良い。このようなオリフィスを第1弁部材により閉鎖可能でなく設けることにより、所望の圧力流れ特性の為に弁装置を設計する時に、より大きな程度の自由を得ることが可能である。例えば、フェイルセーフ動作において及び弁装置を通って流れる作動流体が第2弁部材が第2弁座に対し着座したままであるような小さな間に、作動流体がオリフィスを介し室の外へ流れることが出来る。このような場合には、流れ特性は、少なくともオリフィスの設計により単独で決定される。典型的な実施形態においては、大きな流れの流れ特性は、第2弁部材と第2弁座との間の開口によりほとんど決められる。さらにもう1つの実施形態においては、少なくとも1つのオリフィスの全てが第1弁部材により閉鎖可能に配置されている。
【0034】
この発明のさらにもう1つの実施形態においては、弁装置が、室中への作動流体流れを許容する為の所定の調整面積を伴っている、少なくとも1つのオリフィスを備えている。言い換えると、弁装置は、第1弁座と相互作用している第1弁部材により提供されている弁室入口流路に対し平行に配置されている所定の調整面積を伴っている少なくとも1つのオリフィスを備えている。少なくとも1つのこのようなオリフィスを設けることにより、圧力流特性が、弁室に対し平行に2つの独立した入り口を有する自由のより大きな程度を有することにより、カスタマイズ(customize)されることが出来る。所定の調整面積を伴っている少なくとも1つの追加の入り口を有することはまた、もう1つの観点から有利である。例えば、第1弁部材が第1弁座に固定(lock)されてしまうような、操作棒及び/又は第1弁部材に対する機械的な損傷の場合においては、作動流体が、少なくとも1つの所定の調整面積を介して弁室中へと依然流れることが出来る(そしてこれにより弁装置を通る)。
【0035】
この発明のさらにもう1つの実施形態においては、弁装置が、弁室を迂回する為の少なくとも1つのオリフィスを備えている。言い換えると、弁装置には、弁室及び弁室の入口及び出口における調整を迂回する為に、そこを作動流体が流れることが出来る少なくとも1つのオリフィスが設けられて良い。言い換えると、弁装置には、受け入れられた操作力とは独立してそこを作動流体が流れることが出来る少なくとも1つのオリフィスが設けられて良い。少なくとも1つのこのようなオリフィスを設けることにより、弁装置の圧力流れ特性が、平行に少なくとも2つの独立した通路、即ち弁室を介した1つの通路及び少なくとも1つのオリフィス、を有する自由のより大きな程度を有することにより、カスタマイズ(customize)されることが出来る。弁室及びそれに関係している調整を迂回する少なくとも1つのオリフィスを有することはまた、例えば室を通る流れがブロック(block)されるような弁装置中の1つ又は幾つかの部材に対する損傷の場合において、有利である。少なくとも1つのオリフィスは、所定の調整面積を伴っているオリフィスであって良い。
【0036】
この発明のさらにもう1つの実施形態においては、第2弁部材が、第2ばね手段により第2弁座に対しばね負荷されている。第2ばね手段は、螺旋圧縮ばね又はカップ(cup)ばねであって良い。第1ばね手段は第2ばね手段よりも低いばね負荷を有して良い。言い換えると、通常及びフェイルセーフ動作の両方の間、弁装置中にばね手段が配置されている時に、第1ばね手段を或る長さに圧縮するのに要求されている力は、同じ長さに第2ばね手段を圧縮するのに比べ、より小さい。これにより、第1ばねのより低いばね負荷の故に、第2弁部材は、フェイルセーフ動作の間に第1ばね手段により第2弁座から離れることがない。第1ばね手段は、第1弁部材を第2弁部材に向かい強制して、通常流路を閉鎖させることを意図されていて、これにより第2弁部材が弁室中の作動流体の圧力に対応して開放されることを許容する。弁室中の圧力は第1及び第2弁部材の両方上に作用し、それらは単一のユニットとして移動される。さらには、弁装置の弁特性は、異なっているばね特性又はばね定数を有している第1及び第2ばね手段のグループから第1及び第2ばね手段を選択することにより、調整可能及び/又はチューン可能(tunable)であって良い。言い換えると、所定の受け入れられた操作力の為に、弁装置の弁特性は調整可能及び/又はチューン可能(tunable)であって良い。弁特性は、例えば圧力調整特性及び/又は流れ調整特性及び/又は弁装置の開放圧力閾値であって良い。特に、フェイルセーフ動作モードの間の弁特性は、異なったばね特性又はばね定数を有している第2ばね手段のグループから第2ばね手段を選択することにより、チューン(tune)され又は調整されて良い。従って、第2弁部材のばね負荷と第2弁部材上に作用している液圧により発生された力との間の異なった反対の作用が達成され、それにより、フェイルセーフ動作モードの間に、圧力調整特性及び/又は流れ調整特性及び/又は弁装置の開放圧力閾値を変更する。弁装置の弁特性はまた、異なったばね特性又はばね定数を有している第1ばね手段のグループから第1ばね手段を選択することにより、調整可能及び/又はチューン(tune)可能であって良い。これにより、第1及び第2ばね手段間のばね定数の比を変更可能であり、それにより弁装置の弁特性を変更する。
【0037】
この発明のさらにもう1つの実施形態においては、第2弁部材は円板形状であり前記中心軸線方向において柔軟である。これにより、第2弁部材は弁ハウジング中に弾性的に配置されて良く、弁部材はそれ自身がばねとして作用し、そしてそれにより第2弁座に対しばね負荷されることが出来る。弁装置の弁特性は、異なった剛性又は柔軟性特性を有している第2弁部材のグループから円板形状であり柔軟である第2弁部材を選択することにより、調整可能及び/又はチューン(tune)可能であって良い。言い換えれば、所定の受け入れられた操作力の為に、弁装置の弁特性は調整可能及び/又はチューン(tune)可能であって良い。弁特性は、例えば、圧力調整特性及び/又は流れ調整特性及び/又は弁装置の開放圧力閾値であって良い。特に、フェイルセーフ動作モードの間の弁特性は、異なった剛性又は柔軟性特性を有している第2弁部材のグループから円板形状であり柔軟である第2弁部材を選択することにより、チューン(tune)され又は調整されて良い。従って、第2弁部材のばね負荷と第2弁部材上に作用している液圧により発生された力との間の異なった反対の作用が達成され、それにより、フェイルセーフ動作モードの間に、圧力調整特性及び/又は流れ調整特性及び/又は弁装置の開放圧力閾値を変更する。弁装置の弁特性はまた、異なったばね特性又はばね定数を有している第1ばね手段のグループから第1ばね手段を選択することにより、調整可能及び/又はチューン(tune)可能であって良い。これにより、第2弁部材のばね負荷の程度に関して第1弁部材のばね負荷の程度が変更されて良く、それにより弁装置の弁特性を変更する。
【0038】
さらにもう1つの実施形態においては、弁装置はさらに当接要素を備えて良く、それに対して第2弁部材が弾性的に付勢されていて、第2弁座に対し第2弁部材をばね負荷する。当接要素は好ましくは環状当接要素である。言い換えると、弁装置には当接要素又は環状当接要素が設けられていて良く、そして第2弁部材は当接要素と第2弁座との間で付勢されていて良く、第2弁部材は第2弁座に対しばね負荷されている。言い換えると、弁装置はさらに、柔軟な第2弁部材を第2弁座に対し強制するよう配置されている当接要素又は環状当接要素を備えて良く、ここにおいて環状当接要素は第2弁座とは異なった半径方向位置で第2弁部材上に作用し、第2弁部材は弾性的に付勢されていて、そしてそれにより第2弁座に対しばね負荷されている。これにより、第2弁部材を付勢することにより、それはいかなる追加のばね手段を要求することなくばね負荷されている。この実施形態はまた、構成要素の数、そして特に弁装置の複雑で精密に機械加工された構成要素の数、が減少されるので、有利である。例えば、中心軸線方向における1つの構成要素が削除されるので、弁装置中のばね力を調整する為の必要も減少される。もう1つの利点は、第2弁部材の円板形状のお蔭により、例えば第2弁部材の複数の部分が弁室の複数の壁により案内されていることにより、第2弁部材の半径方向の案内が何も要求されないということである。それにより、第2弁部材と複数の弁室壁との間に複数の小さな遊びが無いことのお蔭により、作動流体中の汚染及び不純物の為の信頼性及び敏感性が向上される。
【0039】
この発明のさらにもう1つの実施形態においては、当接要素又は環状当接要素は弁ハウジングの一部分であって良い。当接要素又は環状当接要素は、第2弁座の半径よりも大きな半径で第2弁部材と接触するよう配置されて良い。当接要素又は環状当接要素はあるいは、第2弁座の半径よりも小さな半径で第2弁部材と接触するよう配置されて良い。
【0040】
この発明のさらにもう1つの実施形態においては、第2弁部材には、第2弁部材の半径方向移動を制限する為に、弁室の複数の壁に沿い摺動可能に配置されている少なくとも1つの部分が設けられている。言い換えると、第2弁部材には少なくとも1つの部分が設けられていて良く、ここにおいては第2弁部材の中心軸線移動により、少なくとも1つの部分が弁室の複数の壁に沿い摺動し、第2弁部材の移動が半径方向において制限されている。半径方向移動を制限するよう配置されている少なくとも1つの部分は弁室中に延出して良く、この部分は弁室の複数の壁に沿い摺動可能に配置されている。ばね負荷された結果として及びそれの上に作用している圧力の結果として第2弁部材上に作用している力のお蔭により、第2弁部材の移動が助けられ、そして、たとえ比較的小さな遊びが前記少なくとも1つの部分と弁室の複数の壁との間に使用されたとしても、作動流体中の汚染及び不純物の為の敏感性が減少される。他の実施形態においては、第2弁部材の前記少なくとも1つの部分と室の複数の壁との間の隙間が比較的大きいが、それにより作動流体中の汚染及び不純物の為の低い敏感性を伴う弁装置が達成される。
【0041】
この発明のさらにもう1つの実施形態においては、通常流路が、通常動作の間に、前記弁室中への調整された作動流体流れ(q)に対し、弁室の外への作動流体の流れを調整することなく許容するよう構成されている。言い換えれば、第2弁部材を通り延出している第1弁部材及び/又は操作棒の直径に対し第2弁部材の貫通孔の直径が、貫通孔と第1弁部材の閉鎖部分との間の距離に関連して選択され、室の外への流れが、通常動作の間に、実質的に調整されない。この文書において実質的に調整されないは、通常動作モードにおいて第1弁座と相互に作用している第1弁部材により形成されている調整に対し取るに足らない寸法の調整を引用している。これにより、通常動作モードにおける弁装置の調整は、受け入れられた操作力に対応して、第1弁座と相互に作用している第1弁部材により決定される。
【0042】
この発明のさらにもう1つの実施形態においては、第1弁部材及び第1弁座は、前記弁室の外への調整されている作動流体流れ(q)に対し、前記フェイルセーフ動作の間における室中への作動流体流れを調整することなく許容するよう配置されている。言い換えると、第1弁座の直径、それにより入口の直径、及び第1弁部材の寸法は、室中への流れが、フェイルセーフ動作の間に、実質的に調整されないよう構成されている。言い換えると、弁室入口の直径は、入口を通る流れが調整されないよう選択され、そして第1弁部材の閉鎖部分がと第1弁座と相互に作用するよう配置されている第1弁部材の部分との間の長さが、弁座と第1弁部材との間の流れが実質的に調整されないよう、選択される。この文書における実質的に調整されないは、フェイルセーフ動作モード中における、第2弁部材と第2弁座との間の相互作用により形成される調整に対し、取るに足らない寸法の調整を引用している。これにより、フェイルセーフ動作モード中における弁装置の調整は、第2弁座と相互作用している第2弁部材により決定される。
【0043】
この発明のさらにもう1つの実施形態においては、操作棒が前記弁室の入口貫通孔を通って延出するよう配置されている。
【0044】
この発明のさらにもう1つの実施形態においては、第2弁部材と第2弁座との間の有効流れ面積は、フェイルセーフ動作モード中において、弁室中の作動流体の圧力に比例している。それにより、弁室中の流体圧力はフェイルセーフ動作モード中に制限されている。言い換えると、第2弁部材は、フェイルセーフ動作モード中において、弁室中の作動流体の圧力が増加する時には第2弁座から距離を増加させるよう配置されている。
【0045】
もう1つの実施形態においては、弁装置にはさらに弁室中に配置されていた第3弁部材が設けられている。第3弁部材は円板形状であって良く、特にそれは中心軸線方向において柔軟であって良い。第3弁部材は中心軸線方向において弁室に固定されて良い。特に、第3弁部材の環状部分は、固定手段により、中心軸線方向において弁室壁に固定されて良い。弁室壁に固定されている環状部分は、第1弁座よりも大きな半径であって良い。第3弁部材はさらに、第1弁部材と第1弁座との間に配置されていて、弁室中への作動流体の流れが、通常動作の間に第1弁座と相互に作用している第3弁部材により調整される。言い換えると、弁室中への流れは、第3弁部材と第1弁座との間に形成された入口流路により調整されて良い。さらにもう1つの実施形態においては、第3弁部材に、通常動作の間に前記第1弁部材により閉鎖可能な貫通孔が設けられている。貫通孔は、フェイルセーフ動作中において、弁室中への作動流体の流れの為の追加の入口流路を形成している。言い換えると、第3弁部材中の貫通孔は、通常動作の間に第1弁部材により閉鎖される。フェイルセーフ動作の間には、第1弁部材は第3弁部材から離され、それにより貫通孔により規定されている追加の入口流路を開く。それにより、弁室中への作動流体の流れを許容するよう、2つの平行な入口流路が、フェイルセーフ動作の間に、開かれる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
この発明のこれら及び他の概念は、この発明の現在の好適な実施形態を示している添付の図面を参照して、これからより詳細に記載される。
図1図1は、この発明の一実施形態に従っている、通常動作モードにおける弁装置の概略図である。
図2図2は、フェイルセーフ動作モードにおける、図1に従っている弁装置の概略図である。
図3図3は、この発明のもう1つの実施形態に従っている、通常動作モードにおける弁装置の概略図である。
図4図4は、フェイルセーフ動作モードにおける、図3に従っている弁装置の概略図である。
図5図5は、この発明のさらにもう1つの実施形態に従っている、通常動作モードにおける弁装置の概略図である。
図6図6は、フェイルセーフ動作の間の、図5に従っている弁装置の概略図である。
図7図7は、この発明のさらにもう1つの実施形態に従っている、通常動作モードにおける弁装置の概略図である。
図8図8は、フェイルセーフ動作モードの間の、図7に従っている弁装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下の記載においては、この発明の複数の実施形態が複数の弁装置を参照して記載され、そこにおいては第1弁部材が第2弁部材を通って延出している操作棒を介して操作され、そこにおいては第1弁部材が第1弁部材と第1弁座との間に配置されている螺旋圧縮ばねによりばね負荷されており、そしてそこにおいては第2弁部材が螺旋圧縮ばね又はカップばね(cup spring)又は弾性的に付勢されることによりそれ自身がばねとして作用することによりばね負荷されている。この発明はまた、他の形式の操作構成及びばね負荷の他の形成にも適用可能であることに注目されるべきである。さらには、弁装置は好ましくは電気的に制御される液圧ダンパー装置中のパイロット弁組み立て体において使用される。
【0048】
図1及び図2は、弁ハウジング16を有している弁装置1を図示している。図1〜4においては、このハウジングは円筒形状部分及び底部分を備えていて、それはともに室の一部位を規定している室壁を形成している。円形状の第1弁部材3が、弁ハウジング中に配置されている弁室2内に配置されている。第1弁部材は、作動力Fに対応して、弁室2内で第1弁座4に対し中心軸線方向に沿い移動可能である。弁室は弁ハウジング16の弁室壁により及び室壁部分を形成している第2弁部材5により規定されている。言い換えれば、弁室壁部分は、ハウジング又は弁室壁16に対し移動可能である第2弁部材を形成する。
【0049】
第1弁部材3は、そこを通して作動力Fが受け入れられることが出来る円形状の操作棒8と当接するよう同一線上に配置されている。作動力はソレノイド装置又はそれと同様のものにより発生されて良い。操作棒は弁ハウジング16の一部分9により案内されていて、それにより操作棒及び第1弁部材が中心軸線方向にのみ移動可能であるよう制限されている。第1弁部材3は、それによって、中心軸線方向に方向にのみ操作されることが出来、そして、円形状の第1弁座4と相互に作用されることが出来る。弁室入口20が第1弁座と同心的に配置されていて、第1弁部材が第1弁座と相互に作用するよう操作された時に、弁室2中へと流れる作動流体が制限される。第1弁部材3は螺旋圧縮ばね7により内方にばね負荷されていて、即ち、第1弁部材は第1弁座4から遠ざかる方向にばね負荷されている。この場合には、内方は、弁室の内部に向かう方向を引用している。言い換えると、第1ばね7は、受け入れ可能な作動力Fに対し反対の方向において第1弁部材3上に作用する。通常動作の間は、弁部材3は従って第1方向において作用している操作力及び第2及び反対の方向におけるばね負荷により影響されていて、その結果として第1弁部材は中心軸線方向に移動可能である。螺旋圧縮ばねの一端は第1弁部材の半径方向に延出している突起21上に作用し、そして他端は室の壁表面上に作用する。螺旋圧縮ばねは第1弁座と同心的に配置されている。
【0050】
第2弁部材5は、第1弁部材3と同じ中心軸線方向に移動可能である。従って、第1弁部材及び第2弁部材は、同じ中心軸線方向に沿いばね負荷されているが、互いに反対の方向である。言い換えると、第1弁部材及び第2弁部材は、中心軸線方向に沿い互いに反対にばね負荷されている。第2弁部材5は、操作棒8と同心的に配置されている。第2弁部材は、第1弁部材3に向かう中心軸線方向において第2弁座6に対し螺旋圧縮ばね13によりばね負荷されている。ばね負荷されている第2弁部材が第2弁座に対し着座している時、それらは複数の弁室の強固な相互作用を提供するよう十分に大きな寸法を有している接触面積で接触している。言い換えると、第1及び第2弁部材はともに、互いに向かう方向においてばね負荷されている。ばね13は一端で弁ハウジング16の一部分9上に作用し、他方では第2弁部材5上に作用する。操作棒8は、ばね13を通るとともに第2弁部材5の円形状の中心貫通孔10を通って延出している。通常動作の間には、作動流体は、貫通孔10の孔壁と操作棒8との間の空間により形成されている流路又は通常流路を通ることが許容されている。
【0051】
図2,4,6そして8においては、第1弁部材は第2弁部材と接触していて、それにより貫通孔を通る流路を閉鎖又は阻止している。この実施形態は中央の貫通孔を示しているが、第2弁部材は代わりに、フェイルセーフ(fail-safe)動作の間に第1弁部材によりそれが閉鎖可能である限りいかなる半径方向位置の貫通孔を備えて良い。
【0052】
或いは、第2弁部材には、第1弁部材により閉鎖可能な複数の貫通孔が設けられていて良い。この貫通孔は、作動流体の流れがそこを通る流れから遮断又はブロックされるよう閉鎖可能である。
【0053】
図1は通常動作の間の弁装置を図示している。この実施形態での通常動作は:
・作動力F≠0が操作棒8により受け入れられていて、それにより操作棒及び第1弁部材3を第1弁座4に向かい付勢していて、
・ばね13が第2弁座6に向かう方向において第2弁部材5上に作用し、それにより第2弁部材は第2弁座上に着座し、
・室2中への作動流体流れqが、第1弁部材3と第1弁座4との間の開口により制限されていて、
・貫通孔10の壁と操作棒8との間の空間により形成されている通常流路が、室2の外への作動流体流れqを許容している、
ことにより特徴付けられている。
【0054】
図2は、フェイルセーフ(fail-safe)動作の間の弁装置を図示している。この実施形態でのフェイルセーフ(fail-safe)動作は:
・何らの操作力も操作棒8により受け入れられておらず、即ちF=0、
・第1弁部材3がばね7により第2弁部材5に対し付勢されていて、それにより貫通孔10の孔壁と操作棒8との間の空間により形成されている流路が閉鎖されていて、
・第1弁部材3が第1弁座4から離れていて、それにより作動流体流れqが室2中へと許容されていて、
・室2中の作動流体の圧力Pが第1及び第2弁部材の両方上に作用し、それにより第2弁部材5が第2弁座6から離れ、
・ばね13がその上に作用している圧力が発生させた力に対し反対の方向において第2弁部材上に作用し、それによって第2弁部材5と第2弁座6との間のフェイルセーフ(fail-safe)通路が制限されて、室の外への制限された作動流体の流れqが許容される、
ことにより特徴付けられている。
【0055】
図3及び図4は、弁ハウジング16を有している弁装置1のもう1つの実施形態を図示している。第1円形弁部材3が、弁ハウジング16中に配置されている弁室2内に配置されていて、ここにおいて第1弁部材3は弁室2内で移動可能である。弁室2は、弁ハウジング16の壁により、及び、室壁部分を形成している第2弁部材5により、規定されている。上に記載されている如く、弁室壁部分hは従って、ハウジング又は弁室壁16に対し移動可能である第2弁部材を形成している。
【0056】
第1弁部材3は、それを介して作動力Fが受け入れられることが出来る円形状の操作棒8と当接して直線状に配置されている。操作棒8は弁ハウジング16の一部分9により案内されていて、それにより操作棒及び第1弁部材3は中心軸線方向にのみ移動可能に制限されている。第1弁部材は、それによって円形状の第1弁座4に向かい中心軸線方向において操作されることが出来る。弁室入口20が第1弁座と同心的に配置されていて、第1弁部材3が第1弁座と相互に作用するよう操作された時に、弁室2中へと流れる作動流体が制限される。第1弁部材3は螺旋圧縮ばね7により内方にばね負荷されていて、即ち、第1弁部材は第1弁座4から遠ざかる方向にばね負荷されている。言い換えると、第1ばね7は、受け入れ可能な作動力Fに対し反対の方向において第1弁部材3上に作用する。螺旋圧縮ばね7はその一端において第1弁部材の半径方向に延出している突起21上に作用し、そして他端において室2の壁表面上に作用する。
【0057】
第2弁部材5は、操作棒8と同心的に配置されている。第2弁部材は、円板形状をしていて柔軟である。第2弁部材5は、この方向におけるばね負荷を提供するよう、中心軸線方向に少なくとも柔軟である。第2弁部材5は、弁ハウジング16の一部分により形成されている環状の当接要素22と第2弁座6との間で弾性的に付勢されていて、それにより第2弁部材を第2弁座6に対して中心軸線方向において第1弁部材3に向かいばね負荷している。言い換えると、第1及び第2弁部材はともに、互いに向かう方向においてばね負荷されている。環状の当接要素22は第2弁座6よりも大きな半径を有していて、そして第2弁座6と同心的に配置されている。他の実施形態においては、環状の当接要素22は第2弁座6よりも小さな半径を有していて良い。環状の当接要素22及び第2弁座6は中心軸線方向において互いに重複し、それにより第2弁部材5はそれらの間で付勢されて良い。操作棒8は第2弁部材5の円形状の貫通孔10を通って延出している。通常流れ通路が、貫通孔10の壁と操作棒8との間の空間により形成されている。
【0058】
図3は通常動作の間の弁装置を図示している。この実施形態での通常動作は:
・作動力F≠0が操作棒8により受け入れられていて、それにより操作棒及び第1弁部材3を第1弁座4に向かい付勢していて、
・第2弁部材5が第2弁座6に対し着座し、
・室2中への作動流体流れqが、第1弁部材3と第1弁座4との間の開口により制限されていて、
・貫通孔10の壁と操作棒8との間の空間により形成されている通常流路が、室2の外への作動流体流れqを許容している、
ことにより特徴付けられている。
【0059】
図4は、フェイルセーフ(fail-safe)動作の間の弁装置を図示している。この実施形態でのフェイルセーフ(fail-safe)動作は:
・何らの操作力も操作棒8により受け入れられておらず、即ちF=0、
・第1弁部材3がばね7により第2弁部材5に対し付勢されていて、それにより貫通孔10の壁と操作棒8との間の空間により形成されている流路が閉鎖されていて、
・第1弁部材3が第1弁座4から離れていて、それにより作動流体流れqが室2中へと許容されていて、
・室2中の作動流体の圧力Pが第1及び第2弁部材の両方上に作用し、それにより第2弁部材5が第2弁座6から離れ、
・第2弁部材5のばね負荷がその上に作用している圧力が発生させた力と反対に作用し、それによって第2弁部材5と第2弁座6との間のフェイルセーフ(fail-safe)通路が制限されて、室2の外への制限された作動流体の流れqが許容される、
ことにより特徴付けられている。
【0060】
図5及び図6は、弁ハウジング16を有しているさらにもう1つの弁装置101を図示している。第1円形弁部材103が、弁ハウジング中に配置されている弁室102内に配置されていて、ここにおいて第1弁部材は弁室内で移動可能である。弁室102は、弁ハウジング116の壁により、及び、室壁部分を形成している第2弁部材105により、規定されている。上に記載されている如く、弁室壁部分は従って、ハウジング又は弁室壁116に対し移動可能である第2弁部材を形成している。
【0061】
第1弁部材103は、それを介して作動力Fが受け入れられることが出来る円形状の操作棒108と当接して直線状に配置されている。操作棒は弁ハウジング116の一部分109により案内されていて、それにより操作棒108及び第1弁部材103は中心軸線方向にのみ移動可能に制限されている。第1弁部材103は、それによって円形状の第1弁座104に向かい中心軸線方向において操作されることが出来る。
【0062】
中心軸線方向において柔軟である円板形状の第3弁部材117が、第1弁部材103と第1弁座104との間で室102中に配置されている。第3弁部材は、弁ハウジング116と固定要素118との間に第3弁部材117の環状部分を挟持するように配置されている円形状の固定要素118により弁ハウジングに固定されている。固定要素は、弁ハウジングの複数の内壁間に楔止めされることにより弁ハウジング116に対し固定されている。第3弁部材117は、弁部材の中心に貫通孔119を備える。第3弁部材はさらに、第1弁座104の直径よりも大きな半径に配置されている複数の追加の貫通孔123を備える。
【0063】
弁室入口120が第1弁座104と同心的に配置されていて、第1弁部材103が第1弁座104及び第3弁部材117と相互に作用するよう操作された時に、弁室中へと流れる作動流体が制限される。第1弁部材103は螺旋圧縮ばね107により内方にばね負荷されていて、即ち、第1弁部材は入口120から遠ざかる方向にばね負荷されている。言い換えると、第1ばね107は、受け入れ可能な作動力Fに対し反対の方向において第1弁部材103上に作用する。螺旋圧縮ばね107はその一端において第1弁部材103の半径方向に延出している突起121上に作用し、そして他端において第3弁部材117上に作用する。
【0064】
第2弁部材105は第1弁部材103と同じ中心軸線方向に移動可能である。第2弁部材105は、操作棒108及び第1弁部材103と同心的に配置されている。第2弁部材は、カップばね(cup spring)113により第2弁座106に対して中心軸線方向において第1弁部材103に向かいばね負荷されている。言い換えると、第1及び第2弁部材はともに、互いに向かう方向においてばね負荷されている。ばね113は一端において弁ハウジング106の一部分109上に作用し、他方では第2弁部材105上に作用する。操作棒108はカップばね(cup spring)113を通って第1弁部材103中に延出していて、そこでそれは第1弁部材と当接して配置されている。第1弁部材103は第2弁部材105の貫通孔を通って延出している。通常流れ通路が、貫通孔110の壁と第1弁部材103との間の空間により形成されている。第2弁部材105には、室102中に延出しているとともに、半径方向における第2弁部材の移動を制限するように、即ち、第2弁部材が実質的な中心軸線移動することを制限するように、要素118を固定している付k数の壁に沿い摺動するよう配置されている、複数の部分115が設けられている。
【0065】
図5は通常動作の間の弁装置を図示している。この実施形態での通常動作は:
・作動力F≠0が操作棒108により受け入れられていて、それにより操作棒及び第1弁部材103を第1弁座104に向かい付勢していて、
・ばね113が第2弁座106に向かう方向において第2弁部材105上に作用し、それにより第2弁部材が第2弁座に対し着座し、
・室102中への作動流体流れqの為の入口流れ通路が、第1弁座104と第3弁部材117との間に規定されている制限により、複数の貫通孔123を介した通路と直列に形成されており、
・第1弁部材が受け入れられた作動力により第3弁部材と当接するよう付勢されていて、それにより貫通孔119を介した弁室102中への作動流体流れが無くなり、
・貫通孔110の壁と操作棒108との間の空間により形成されている通常流路が、室102の外への作動流体流れqを許容している、
ことにより特徴付けられている。
【0066】
図6は、フェイルセーフ(fail-safe)動作の間の弁装置を図示している。この実施形態でのフェイルセーフ(fail-safe)動作は:
・何らの操作力も操作棒108により受け入れられておらず、即ちF=0、
・第1弁部材103がばね108により第2弁部材105に対し付勢されていて、それにより貫通孔110の壁と操作棒108との間の空間により形成されている通常流路が閉鎖されていて、即ち、第1弁部材103の環状の閉鎖表面111が第2弁部材105の貫通孔壁の縁との接触を強制されていて、
・第1弁部材103が第1弁座104から及び第3弁部材117から離れていて、それにより2つの平行な流路が室102中へと形成されていて、その第1は第1弁座104と第3弁部材117との間の空間により複数の貫通孔123を介した通路と直列に形成されていて、そしてその第2は貫通孔119により形成されていて、それにより室102中への作動流体の流れqが許容され、
・室102中の作動流体の圧力Pが第1及び第2弁部材の両方上に作用し、それにより第2弁部材105が第2弁座106から離れ、
・ばね113がその上に作用している圧力が発生させた力に対し反対の方向において第2弁部材上に作用し、それによって第2弁部材105と第2弁座106との間の通路が制限されて、室の外への制限された作動流体の流れqが許容される、
ことにより特徴付けられている。
【0067】
図7及び図8は、弁ハウジング116を有している弁装置101を図示している。第1円形弁部材103が、弁ハウジング中に配置されている弁室102内に配置されていて、ここにおいて第1弁部材は弁室内で移動可能である。弁室102は、弁ハウジング116の壁により、及び、室壁部分を形成している第2弁部材105により、規定されている。上に記載されている如く、弁室壁部分は従って、ハウジング又は弁室壁16に対し移動可能である第2弁部材を形成している。
【0068】
第1弁部材103は、それを介して作動力Fが受け入れられることが出来る円形状の操作棒108と当接して直線状に配置されている。操作棒は弁ハウジング101の一部分109により案内されていて、それにより操作棒及び第1弁部材103は中心軸線方向にのみ移動可能に制限されている。第1弁部材103は、それによって円形状の第1弁座104に向かい中心軸線方向において操作されることが出来る。
【0069】
中心軸線方向において柔軟である円板形状の第3弁部材117が、第1弁部材103と第1弁座104との間で室102中に配置されている。第3弁部材は、弁ハウジング116と固定要素118との間に第3弁部材117の環状部分を挟持するように配置されている円形状の固定要素118により弁ハウジングに固定されている。固定要素は、弁ハウジングの複数の内壁間に楔止めされることにより弁ハウジング116に対し固定されている。第3弁部材117は、弁部材の中心に貫通孔119を備える。第3弁部材はさらに、第1弁座104の半径よりも大きな半径に配置されている複数の追加の貫通孔123を備える。
【0070】
弁室入口120が第1弁座104と同心的に配置されていて、第1弁部材103が第1弁座104及び第3弁部材117と相互に作用するよう操作された時に、弁室中へと流れる作動流体が制限される。第1弁部材103は螺旋圧縮ばね107により内方にばね負荷されていて、即ち、第1弁部材は入口120から遠ざかる方向にばね負荷されている。言い換えると、第1ばね107は、受け入れ可能な作動力Fに対し反対の方向において第1弁部材103上に作用する。螺旋圧縮ばね107はその一端において第1弁部材の半径方向に延出している突起121上に作用し、そして他端において第3弁部材117上に作用する。
【0071】
第2弁部材105は円板形状であり、そして中心軸線方向において柔軟である。第2弁部材105は、操作棒108と同心的に配置されている。第2弁部材105は、環状の当接要素112と第2弁座106との間で弾性的に付勢されていて、それにより第2弁部材105を第2弁座106に対して中心軸線方向において第1弁部材103に向かいばね負荷している。言い換えると、第1及び第2弁部材はともに、互いに向かう方向においてばね負荷されている。環状の当接要素122は第2弁座106よりも大きな半径を有していて、そして第2弁座と同心的に配置されている。環状の当接要素122及び第2弁座106は中心軸線方向において互いに重複し、それにより第2弁部材105はそれらの間で付勢されて良い。操作棒108は第2弁部材105の円形状の貫通孔110を通って延出している。通常流れ通路が、貫通孔110の壁と操作棒108との間の空間により形成されている。第1弁部材103には、第2弁部材105に対面している突起121の部分により規定されている環状の閉鎖表面111が設けられている。閉鎖表面111は、第2弁部材105に向かいテーパー(taper)にされている。
【0072】
図7は通常動作の間の弁装置を図示している。この実施形態での通常動作は:
・作動力F≠0が操作棒108により受け入れられていて、それにより操作棒及び第1弁部材103を第1弁座に向かい付勢していて、
・第2弁部材105が第2弁座106に対し着座し、
・室102中への作動流体流れqの為の入口流れ通路が、第1弁座104と第3弁部材117との間に規定されている制限により、複数の貫通孔123を介した通路と直列に形成されており、
・第1弁部材が受け入れられた作動力により第3弁部材と当接するよう付勢されていて、それにより貫通孔119を介した弁室102中への作動流体流れが無くなり、
・貫通孔110の壁と操作棒108との間の空間により形成されている通常流路が、室102の外への作動流体流れqを許容している、
ことにより特徴付けられている。
【0073】
図8は、フェイルセーフ(fail-safe)動作の間の弁装置を図示している。この実施形態でのフェイルセーフ(fail-safe)動作は:
・何らの操作力も操作棒108により受け入れられておらず、即ちF=0、
・第1弁部材103がばね107より第2弁部材105に対し付勢されていて、それにより貫通孔110の壁と操作棒108との間の空間により形成されている通常流路が閉鎖されていて、即ち、第1弁部材103の環状の閉鎖表面111が第2弁部材105の貫通孔壁の縁との接触を強制されていて、
・第1弁部材103が第1弁座104から及び第3弁部材117から離れていて、それにより2つの平行な流路が室102中へと形成されていて、その第1は第1弁座104と第3弁部材117との間の空間により複数の貫通孔123を介した通路と直列に形成されていて、そしてその第2は貫通孔119により形成されていて、それにより室102中への作動流体の流れqが許容され、
・室102中の作動流体の圧力Pが第1及び第2弁部材の両方上に作用し、それにより第2弁部材105が第2弁座106から離れ、
・第2弁部材105のばね負荷がその上に作用している圧力が発生させた力に対し反対に作用し、それによって第2弁部材105と第2弁座106との間の通路が制限されて、室102の外への制限された作動流体の流れqが許容される、
ことにより特徴付けられている。
【0074】
この発明の複数の例示的な実施形態が示されているとともに記載されていたが、当該技術分野において習熟している人々には、ここに形成されていた如く発明の多数の変更及び改修又は代わりを作っても良いことは明らかである。例えば、複数の弁部材は他の形式のばね手段によりばね負荷されて良く、複数の弁部材,操作棒,そして複数の弁座は異なった形状にされて良く、そして複数の弁部材の半径方向移動は上に記載されていた複数の実施形態中のとは異なった手段により制限されて良い。従って、この発明の上の記載及び添付の図面はその非限定的な複数の例として考えられ、そしてこの発明の範囲は添付の特許請求の範囲中に規定されていると理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8