(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記自装置に対する操作者の操作に基づいて前記発光部による発光を切り替えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の移動型X線診断装置。
前記制御部は、前記自装置の蓄電状態、X線の検出を行なう無線FPDの蓄電状態、及び、無線通信状態のうち少なくともいずれか1つの状態を示すように、前記発光部を発光させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の移動型X線診断装置。
前記自装置と通信し、当該自装置における所定の状態を光で報知する持ち運び自在の携帯報知部を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の移動型X線診断装置。
前記支持機構と接続され、前記制御部を内蔵するとともに車輪を有する本体部を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の移動型X線診断装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照して、移動型X線診断装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下では、本願に係る移動型X線診断装置として、X線管とX線可動絞りとを支持する支持機構に支柱が用いられる移動型X線診断装置を例に挙げて説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
まず、
図1を用いて、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置の全体構成の一例を説明する。
図1は、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1の全体構成の一例を示す図である。
図1においては、
図1の(A)がX線管の収納時の状態を示し、
図1の(B)がX線画像の撮影時の状態を示す。
図1の(A)に示すように、移動型X線診断装置1は、支柱2と、アーム3と、X線管4と、X線可動絞り5と、前輪6と、後輪7と、操作ハンドル8と、装置本体9と、報知部12とを備える。
【0009】
支柱2は、
図1の(A)に示すように、移動型X線診断装置1の前側(前輪6側)に配置され、アーム3の一端が連結されることで、アーム3を支持する。アーム3は、一端が支柱2と連結され、他端にX線管4とX線可動絞り5とが配置される。ここで、アーム3は、支柱2によって上下に自在にスライドするように連結される。例えば、支柱2にレールが設置され、アーム3は一端がレールと連結されてレール上を移動することにより、上下にスライドする。また、アーム3は、支柱2の長軸に直交する方向に伸縮する。
【0010】
X線管4は、装置本体9に含まれる高電圧発生部(不図示)と接続され、高電圧発生部から供給される高電圧を用いて、X線を発生する。X線可動絞り5は、X線管4によって発生されたX線の照射野を調節する機構を有する。具体的には、X線可動絞り5は、2対の可動制限羽根を有し、各対における可動制限羽根が開閉することでX線の照射野を調整する。すなわち、X線可動絞り5は、X線管4によって円錐状に発せられたX線が所定の照射野に照射されるように可動制限羽根が開閉される。
【0011】
前輪6は、旋回自在の車輪であり、例えば、一対のキャスターなどである。後輪7は、図示しないモータなどが連結された駆動輪であり、操作者による操作に応じて駆動する。一例を挙げると、後輪7は、操作ハンドル8付近に配置された駆動ボタンが押下されることによりモータが駆動し、モータによる動力により駆動する。操作ハンドル8は、操作者が移動型X線診断装置1を移動させる際に操作するハンドルである。例えば、操作者は、操作ハンドル8を握った状態で駆動ボタンを押下することで、移動型X線診断装置1を前進させたり、後進させたりすることができる。或いは、操作ハンドル8が圧力センサを備え、操作者によって操作される方向(例えば、操作ハンドルを押している場合に前進、操作ハンドルを引いている場合に後進など)を検知して、モータを所望の方向に駆動させることも可能である。なお、移動型X線診断装置1は、上記した駆動ボタンの押下が止められたり、或いは、圧力センサによる検知が無くなったりすると、ブレーキがかかるように制御される。
【0012】
装置本体9は、
図1の(A)に示すように、移動型X線診断装置1の各部を制御する制御部11や、各種データを記憶する記憶部10、さらに、外部から供給される電力を蓄電するバッテリ、種々の操作を受け付ける操作部、及び、種々の情報を表示する表示部などを有する。そして、装置本体9においては、制御部11が、移動型X線診断装置1の移動に関する各種処理及びX線画像の撮影に関する各種処理の制御を実行する。例えば、制御部11は、装置本体9の上面に配置された操作部から転送された操作者の指示に従って高電圧発生部を制御し、X線管4に供給する電圧を調整することで、患者に対して照射されるX線量やON/OFFを制御する。また、例えば、制御部11は、操作者の指示に従ってX線可動絞り5を制御し、X線可動絞り5が有する可動制限羽根の開度を調整することで、患者に対して照射されるX線の照射野を制御する。
【0013】
また、制御部11は、操作者の指示に従って、画像データ生成処理や、画像処理、あるいは解析処理などを制御する。また、制御部11は、操作者の指示を受け付けるためのGUIや記憶部10が記憶する画像などを、表示部のディスプレイに表示するように制御する。また、第1の実施形態に係る制御部11は、自装置における所定の状態に基づいて、後述する報知部12を発光させる。なお、制御部11による報知部12の制御は後に詳述する。ここで、
図1に示す記憶部10は、例えば、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置、または、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子である。また、
図1に示す制御部11は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路である。
【0014】
報知部12は、
図1の(A)に示すように、支持機構の上部(例えば、上端部付近)に設けられ、自装置における所定の状態を光で報知する。具体的には、報知部12は、制御部11の制御のもと、所定の発光状態で発光する。なお、報知部12の発光の詳細については、後述する。
【0015】
以上、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1の全体構成について説明した。上述した全体構成のもと、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、以下、詳細に説明する制御部11及び報知部12により、装置の状態を容易に確認させることを可能にする。ここで、まず、従来の移動型X線診断装置を用いたX線画像の撮影の流れについて、
図1を用いて説明する。例えば、移動型X線診断装置は、待機時には病院の各フロアの廊下などに置かれ、バッテリの蓄電容量に応じて充電される。そして、使用時には、移動型X線診断装置は、専用の鍵などによりロックが解除され、操作者がハンドルを操作するとともに、駆動ボタン(或いは、圧力センサなど)により後輪を駆動させることで病室などに移動される。
【0016】
そして、病室に移動すると、操作者は、
図1の(B)に示すように、長手方向を軸に支柱を回転させて、X線管及びX線可動絞りを装置本体の前方に向ける。そして、操作者は、アームを伸ばし、患者の撮影部位にX線が照射される位置にX線管を配置する。ここで、操作者は、X線可動絞りに備えられたスイッチやつまみなどを用いて、撮影部位が照射野に入るように調節する。そして、患者の撮像部位とベッドとの間に、FPD(Flat Panel Detector)やカセッテなどの画像記録媒体がセットされ、操作者がスイッチなどを操作することで、X線画像が撮影される。X線画像撮影後、移動型X線診断装置においては、FPD内のデジタルデータを無線で装置本体に送信されたり、装置本体の制御部11によって生成されたX線画像が無線により病院内のサーバに送信されたりする。
【0017】
このような移動型X線診断装置においては、待機状態と使用状態との変化だけではなく、その他にも種々の状態が変化する。例えば、移動型X線診断装置においては、バッテリの蓄電状態や、無線通信の状態、或いは、走行状態などが変化する。このような状態の変化に関して、従来の移動型X線診断装置においては、例えば、装置本体やX線可動絞りに備えられた操作部で報知するようになっている。したがって、従来の移動型X線診断装置においては、操作者が装置の状態の変化を知ろうとした場合、操作部にて確認しなければならず、手間がかかった。また、ランプで前方を照らしたり、ブザーによって装置の存在を周囲に報知したりする移動型X線診断装置も知られているが、ランプで前方を照らすだけでは装置の状態を報知させることができず、ブザーで報知する場合も周囲に迷惑をかけてしまう場合がある。そこで、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、支持機構の上端部付近に光によって装置の状態を報知する報知部12を備えることにより、装置の状態を容易に確認させることを可能にする。また、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、支持機構の上端部付近に報知部12が備わることから、その他の機器が装置の周辺にある場合や、装置に接近している状態でない操作者等、装置周辺にいる人間に対しても、装置の状態を容易に確認させることができる。
【0018】
具体的には、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1においては、報知部12が所定の区画に区分けされた複数の発光部を有し、制御部11が、自装置における所定の状態に基づいて複数の発光部の発行状態を変化させる。ここで、例えば、制御部11は、所定の状態の変化に応じて、複数の発光部を段階的に発光させる。
図2A及び
図2Bは、第1の実施形態に係る制御部11による報知部12の段階制御の一例を説明するための図である。ここで、
図2Aは、移動型X線診断装置1の上面図を示す。また、
図2Bは、支柱2の上端に設けられた報知部を示す。
【0019】
例えば、報知部12は、LEDランプなどであり、
図2Aに示すように、支柱2の上端部に周囲略360°に発光可能に設けられる。また、報知部12は、
図2Bに示すように、縦方向に区分けされた区画を備える。そして、制御部11は、
図2Bに示すように、例えば、バッテリの充電状態(蓄電状態)を報知部12で報知する。すなわち、制御部11は、報知部12の縦方向の区分けをバッテリの容量と対応させて、
図2Bの(A)に示すように、バッテリの残量が低下している場合には(残量低下時)、残量分に対応する発光部を発光させる。ここで、制御部11は、バッテリの残量がX線画像を撮影するために十分な残量ではない場合には、例えば、
図2Bの(A)に示すように、発光部を点滅させる。
【0020】
そして、制御部11は、
図2Bの(B)に示すように、バッテリが完全に充電された場合には(フル充電時)、例えば、すべての発光部を発光させる。このように、制御部11は、報知部12の縦方向の区画を段階的に発光させることで、バッテリ残量などの状態を周囲に報知させる。これにより、周囲にいる操作者などは、装置から離れた位置にいる場合でも、一目でバッテリの状態を把握することができる。これにより操作者は、装置のバッテリ状態を好適に確認することができ、例えば診断の途中で装置のバッテリ切れが生じてしまうといった事態を避けることにも寄与する。
【0021】
また、例えば、制御部11は、所定の状態に基づいて、複数の発光部を所定の領域ごとに発光させる。一例を挙げると、制御部11は、複数の発光部において、自装置の進行方向に対応する領域の発光部を発光させる。
図3A及び
図3Bは、第1の実施形態に係る制御部11による報知部12の領域制御の一例を説明するための図である。例えば、制御部11は、報知部12の左側、又は右側の半分を発光させる。一例を挙げると、制御部11は、装置本体9が走行中に左折する場合に、
図3Aに示すように、進行方向に向かって報知部12の左側半分を点滅させる。
【0022】
ここで、制御部11は、操作ハンドル8に備えられた圧力センサによる圧力の検知に基づいて、装置本体9の走行中における左折又は右折を判定する。すなわち、制御部11は、操作ハンドル8の右側で検知された圧力と左側で検知された圧力とを比較して、右側で強い圧力が検知された場合に、装置本体9が左折すると判定する。一方、制御部11は、操作ハンドル8の左側で強い圧力が検知された場合に、装置本体9が右折すると判定する。そして、制御部11は、
図3Bの(A)に示すように、左折すると判定した場合には(左折時)、例えば、報知部12の発光部を左右に半分で区分けした場合の左半分を点滅させる。一方、右折すると判定した場合には(右折時)、
図3Bに示すように、制御部11は、例えば、報知部12の発光部を左右に半分で区分けした場合の右半分を点滅させる。
【0023】
同様に、移動型X線診断装置1は、前進及び後進を報知することも可能である。
図4A及び
図4Bは、第1の実施形態に係る制御部による報知部の領域制御の一例を説明するための図である。例えば、制御部11は、報知部12の前側、又は後側の半分を発光させる。一例を挙げると、制御部11は、装置本体9が走行中に、
図4Aに示すように、進行方向に向かって報知部12の前側半分を点灯させる。
【0024】
ここで、制御部11は、左折及び右折時と同様に、操作ハンドル8に備えられた圧力センサによる圧力の検知に基づいて、装置本体9の走行中における前進又は後進を判定する。すなわち、制御部11は、操作ハンドル8の外側(
図4Aに示す操作者側)からの圧力が検知された場合には、装置本体9が前進すると判定する。一方、制御部11は、操作ハンドル8の内側(
図4に示す装置本体9側)からの圧力が検知された場合に、装置本体9が後進すると判定する。そして、制御部11は、
図4Bの(A)に示すように、前進すると判定した場合には(前進時)、報知部12の発光部を前後で半分に区分けした場合の前半分を点灯させる。一方、後進すると判定した場合には(後進時)、
図4Bに示すように、制御部11は、報知部12の発光部を前後で半分に区分けした場合の後ろ半分を点灯させる。このように、報知部12にて進行方向を報知することで、移動型X線診断装置1は、走行中、周囲の人に自装置の進行方向を知らせることができ、移動中の安全性をより高めることができる。なお、装置本体9の走行中における前進又は後進の判定は、操作ハンドル8付近に備えられた押下ボタンの押下によって実行される場合であってもよい。かかる場合には、例えば、制御部11は、操作者によって押下された押下ボタンの種類によって前進又は後進を判定する。
【0025】
また、上述した制御部11による報知部12の領域制御はあくまでも一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。すなわち、制御部11は、報知部12の発光部の任意の領域を発光させることができる。例えば、報知部12の発光部を4区画に区分して、4分の1ずつ発光させる場合であってもよい。また、1区画だけではなく、4区画のうちの2区画以上を発光させる場合であってもよい。
【0026】
また、制御部11による報知部12の段階制御についても、上述したバッテリ容量だけではなく、任意の状態を示すように報知部12を段階制御することができる。
図5は、第1の実施形態に係る制御部11による報知部12の段階制御の一例を説明するための図である。例えば、制御部11は、
図5に示すように、報知部12を段階制御することで、通信状態(無線の状態)の変化を報知することができる。例えば、制御部11は、
図5の(A)に示すように、報知部12の縦方向の区分けを無線の状態と対応させて、
図5の(A)に示すように、無線の状態が良い場合には(良好時)、発光部全体を発光させる。そして、無線の状態が悪い場合には(不良時)、制御部11は、
図5の(B)に示すように、無線の状態に対応する発光部を発光させる。例えば、制御部11は、
図5の(B)に示すように、下から3番目までの発光部を点滅させる。
【0027】
このように、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、装置における種々の状態を示す光を報知部12によって報知することができる。ここで、本願に係る移動型X線診断装置1においては、装置の現時点の状況に応じて報知内容を自動で切り替えることができる。具体的には、制御部11は、自装置に対する操作者の操作に基づいて所定の状態を判別し、判別結果に応じて報知部12による発光を切り替える。例えば、制御部11は、自装置に対する操作に基づいて、現時点の自装置が「待機モード」、「搬送モード」又は「撮影モード」のいずれであるかを判別し、判別結果に応じて報知内容を切り替える。
【0028】
ここで、制御部11は、予め記憶部10に記憶された情報をもとに、現時点の自装置が、例えば、「待機モード」、「搬送モード」又は「撮影モード」のいずれであるかを判別する。一例を挙げると、制御部11は、操作者からの操作を全く受け付けていない場合に、自装置を待機モードと判別して、報知部12にバッテリの状態を報知させる。また、制御部11は、操作者によって操作ハンドル8が操作されている場合に、自装置を搬送モードと判別して、報知部12に自装置の進行方向を報知させる。また、制御部11は、アーム3が操作された場合に、自装置を撮影モードと判別して、報知部12に無線の状態を報知させる。なお、上述したモードと報知内容とは予め対応付けて記憶部10に記憶されており、制御部11は、記憶された情報を参照して、報知部12に報知させる内容を切り替える。また、モードと報知内容は操作者によって任意に決定される。
【0029】
また、上述した報知部12による発光は、任意の色で行なわれる場合であってもよい。例えば、報知部12は、バッテリの状態を示す場合に赤で発光し、自装置の進行方向において左折又は右折を示す場合にオレンジで発光し、自装置の進行方向において前進又は後進を示す場合に青で発光し、無線の状態を示す場合に緑で発光する。なお、報知する内容と色は任意に対応付けることができ、操作者が任意に変更することができる。
【0030】
以上、報知部12によるいくつかの報知例について説明した。しかしながら、上述した例はあくまでも一例であり、移動型X線診断装置1は、その他種々の状態について報知することができる。すなわち、本願に係る移動型X線診断装置1は、用いられる環境に応じて、さまざまな状態を報知部12で報知することができる。以下、
図6を用いて、移動型X線診断装置1の利用例を説明する。
図6は、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1の利用例を説明するための図である。
【0031】
図6においては、移動型X線診断装置1が利用される病院の一例を示す。例えば、
図6に示すように、1階(1F)に診察室や放射線科などがあり、2階(2F)に病室がある病院の2階において、本願に係る移動型X線診断装置1a及び1bが利用されるとする。かかる病院においては、院内LAN(Local Area Network)が設置され、病院内の端末や、サーバ、移動型X線診断装置1a及び1bを含む医用画像診断装置が、直接的、又は間接的に相互に通信可能な状態となっている。そして、
図6に示す病院においては、2Fのサーバルーム内のサーバが端末や、医用画像診断装置などから送信された各種データを保管する。
【0032】
このような病院において、移動型X線診断装置1a及び1bは、以下、詳細に説明する種々の状況において、自装置の状態を報知部12によってそれぞれ報知する。例えば、
図6の移動型X線診断装置1bに示すように、待機場所にてバッテリの充電が行なわれている場合には、移動型X線診断装置1bの制御部11は、自装置が待機モードであると判別して、上述した
図2Bに示すように、バッテリの状態を報知部12にて報知する。ここで、制御部11は、上述したように、報知部12の発光部の縦方向をバッテリの容量に対応させて、現時点のバッテリ残量に対応する発光部を発光させることでバッテリの状態を報知する。
【0033】
そして、フル充電された場合には、上述したように、制御部11は、報知部12におけるすべての発光部を発光させることとなるが、フル充電された後、一定時間が経過すると、発光の強度を低下させる。すなわち、制御部11は、報知部12から発せられる光の明度を落として暗くする。これにより、移動型X線診断装置1bの近くまで行って操作部を確認することなく、遠くの廊下からバッテリの状態を確認することができ、かつ、無駄な発光を抑制することができる。
【0034】
そして、待機場所にて移動される準備がなされる(例えば、鍵などによりメインのロックが解除された場合など)と、制御部11は、報知部12の明度をもとの明るさに戻す。そして、操作者によって操作ハンドル8が操作されると、制御部11は、搬送モードであると判別して、報知部12による報知内容を自装置の進行方向に切り替え、上述した
図3B及び
図4Bに示すように、左折、右折、前進及び後進の状態を報知部12にて報知させる。すなわち、
図6の2Fの待機場所から装置が利用される病室まで走行させる方向に対応する領域の発光部が発光されることとなる。
【0035】
そして、例えば、
図6の移動型X線診断装置1aに示すように、用いられる病室に移動され、アーム3が操作されると、制御部11は、撮影モードであると判別して、病室内におけるデータを送信するための無線の状態を確認する。そして、制御部11は、上述した
図5に示すように、確認した病室内の無線の状態を報知部12にて報知させる。
【0036】
さらに、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1においては、上述した状態以外にも、例えば、無線によるデータの送信が成功したか否かを報知部12によって報知させることも可能である。かかる場合には、例えば、X線画像の撮影が終了した後、操作者が報知部12にて報知されている無線の状態を見て、X線画像のデータを無線で送信する操作を行なった場合(例えば、データ送信ボタンを押下するなど)に、制御部11は、データ送信開始を示す発光と、データ送信の成功又は失敗を示す発光を報知部12に実行させる。
【0037】
一例を挙げると、制御部11は、データ送信開始を示す発光として報知部12に2回の点滅を実行させ、データ送信の成功を示す発光として3回の点滅を実行させる。また、制御部11は、データ送信の失敗を示す発光として赤い光で無制限の点滅を実行させる。これにより、操作者は、データの送信が実行され、成功したか否かを一目で確認することができる。
【0038】
また、移動型X線診断装置1は、データの送信を自動で行なわせることも可能であり、かかる場合にも種々の状態を報知することができる。例えば、
図6の移動型X線診断装置1aにおいて、X線画像が撮影された後、病室内の無線状態が不良であり、データを送信できなかった場合に、移動型X線診断装置1aは、データの送信待機状態となる。そして、制御部11は、無線の状態を常時観察して、無線の状態が良好になった場合に、データを送信する。例えば、
図6において、移動型X線診断装置1aが病室から無線ルータ付近に移動され、無線の状態が良好になった場合に、制御部11は、データの送信を実行するとともに、報知部12にてデータ送信開始の発光を実行させる。そして、制御部11は、データの送信が成功したか否かを報知部12にて報知する。
【0039】
また、移動型X線診断装置1は、画像記録媒体としてFPDが用いられる場合に、FPDのバッテリ状態を報知したり、FPDからデジタルデータを無線で受信する場合のデータの受信が成功したか否かを報知したりすることができる。かかる場合には、例えば、制御部11は、無線通信によりFPDからバッテリの状態を示すデータを受信して、受信したバッテリの状態を示す発光を報知部12に実行させる。ここで、FPDのバッテリの状態を示す発光は、上述した自装置のバッテリの状態を示す発光と同様である。
【0040】
さらに、制御部11は、上述した無線によるデータの送信時と同様に、FPDからのデジタルデータの受信が成功したか否かを報知部12にて報知させる。すなわち、制御部11は、FPDからデジタルデータの受信を開始したことを示す発光と、デジタルデータの受信が成功したか否かを示す発光とを報知部12に実行させる。
【0041】
また、さらに、FPDからデジタルデータを受信する場合、デジタルデータ送信後のFPDはまた画像記録媒体として用いることができる。そこで、かかる場合に、制御部11は、X線画像の新しい撮影オーダーを受信することができる。例えば、
図6において、移動型X線診断装置1aが、X線画像の新しい撮影オーダーを受信することができる場合に、
図6に示す1Fの診察室において、医師が端末を介して新たな撮影オーダーを実行すると、サーバを介して移動型X線診断装置1aに新しい撮影オーダーが送信される。
【0042】
そして、移動型X線診断装置1aの制御部11は、新しい撮影オーダーを受信すると、新しい撮影オーダーを受信したことを示す発光を報知部12に実行させる。例えば、制御部11は、報知部12の発光部を所定の色で発光させる。そして、制御部11は、装置本体9に備えられた操作部9aにて新しい撮影オーダーの詳細を表示させるように制御する。これにより、操作者は、新しい撮影オーダーが入ったことを即座に把握して、操作部9aで詳細を確認することが可能となる。ここで、自装置及びFPDのバッテリが十分である場合には、そのまま新しい撮影を行なう場所に移動すればよく、自装置及びFPDのバッテリにおいて、どちらか一方、或いは両方のバッテリが十分ではない場合には、待機場所においてある移動型X線診断装置1bで撮影すればよい。
【0043】
また、移動型X線診断装置1は、自装置の状態を常時監視して、なんらかの故障があった場合に、報知部12にて報知することも可能である。かかる場合には、例えば、制御部11は、報知部12にて故障発生を示す発光を実行させるとともに、操作部9aに故障の詳細情報を表示するように制御する。これにより、故障発生を即座に操作者に把握させることができる。
【0044】
また、移動型X線診断装置1は、故障だけではなく、消耗品の状態を監視して、取替え時期を報知することも可能である。例えば、制御部11は、X線管4が使用された時間を積算することで取替え時期を予測し、取替え時期が近づいた場合に、その旨を報知部12にて報知する。これにより、操作者はタイミングよくサービスに連絡をして消耗品を交換してもらうことができる。
【0045】
また、さらに、制御部11は、院内LANを介して外部ネットワーク上のサービス会社に消耗品の交換依頼を実行することも可能である。例えば、制御部11は、上述したようにX線管4の取替え時期を予測し、取替え時期が近づいた場合に、サービス会社にX線管4の交換依頼を送信する。ここで、予測した交換時期からある程度の余裕を持った時期に交換依頼を送信させることで、消耗品の交換を簡便かつ効率よく行なうことができる。
【0046】
上述したように、第1の実施形態によれば、支柱2がX線管4を支持する。報知部12が支柱2の上部に設けられ、自装置における所定の状態を光で報知する。制御部11は、所定の状態に基づいて、報知部12を発光させる。従って、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、報知された内容を即座に視認させることができ、装置の状態を容易に確認することを可能にする。
【0047】
また、第1の実施形態によれば、報知部12は、所定の区画に区分けされた複数の発光部を有する。制御部11は、所定の状態に基づいて、複数の発光部の発光状態を変化させる。従って、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、発光で種々の状態を表現することを可能にする。
【0048】
また、第1の実施形態によれば、制御部11は、所定の状態の変化に応じて、複数の発光部を段階的に発光させる。従って、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、状態が変化する内容を直感的に把握させることを可能にする。
【0049】
また、第1の実施形態によれば、制御部11は、自装置の蓄電状態又は通信状態を示すように、複数の発光部を段階的に発光させる。従って、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、装置の蓄電状態又は通信状態を直感的に把握させることを可能にする。
【0050】
また、第1の実施形態によれば、制御部11は、所定の状態に基づいて、複数の発光部を所定の領域ごとに発光させる。従って、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、領域に対応させた状態を直感的に把握させることを可能にする。
【0051】
また、第1の実施形態によれば、制御部11は、複数の発光部において、自装置の進行方向に対応する領域の発光部を発光させる。従って、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、装置の進行方向を直感的に把握させることを可能にする。例えば、廊下を歩いている患者などに装置の進行方向(前進、後進、左折及び右折)を即座に把握させることができ、安全性をより向上させることができる。
【0052】
また、第1の実施形態によれば、制御部11は、自装置に対する操作者の操作に基づいて所定の状態を判別し、判別結果に応じて報知部12による発光を切り替える。従って、第1の実施形態に係る移動型X線診断装置1は、操作者による操作なしで、装置における複数の状態を報知することを可能にする。
【0053】
(第2の実施形態)
さて、これまで第1の実施形態について説明したが、上述した第1の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0054】
上述した第1の実施形態では、報知部12が支柱2に設けられる場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、携帯用の報知部が備えられる場合であってもよい。具体的には、自装置と通信し、当該自装置における所定の状態を光で報知する持ち運び自在の携帯報知部が備えられる場合であってもよい。
図7は、第2の実施形態に係る携帯型報知部の構成の一例を示す図である。
【0055】
例えば、第2の実施形態に係る移動型X線診断装置1においては、
図7に示す携帯型報知部12aが備えられる。携帯型報知部12aが、
図7に示すように、報知部12と同様に、所定の区画に区分けされた発光部を有し、段階的に発光する。ここで、携帯型報知部12aは、装置本体9の制御部11と無線で通信することで装置の状態の情報を受信する。以下、
図6に示す病院における携帯型報知部12aの利用例について説明する。例えば、携帯型報知部12aは、移動型X線診断装置1a又は1bの操作者である放射線技師がいる1Fの放射線科の部屋内に置かれ、移動型X線診断装置1a又は1bの装置の状態を報知する。
【0056】
ここで、携帯型報知部12aは、院内LANを介して移動型X線診断装置1a又は1bの装置の状態を受信する。例えば、携帯型報知部12aは、X線診断装置1a又は1bのバッテリの状態の情報を受信して、受信したバッテリの状態を報知する。これにより、操作者は、例えば、2Fの待機場所で充電している装置のバッテリ状態を1Fの部屋で把握することができる。
【0057】
上述した第1の実施形態では、報知部12によって報知される状態の内容が自動で切り替わる場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、操作者によって任意に切り替えられる場合であってもよい。かかる場合には、例えば、制御部11が、操作部9aに報知させる状態のリストを表示させる。そして、制御部11は、操作者によって選択された状態を報知部12にて報知させる。なお、手動での切り替えは、上述したように操作部9aを介した切り替えであってもよいが、リモコンを用いた切り替えも可能である。例えば、制御部11は、リモコンに備えられた切り替えボタンが押下されるごとに、報知させる状態を切り替える。
【0058】
また、上述した第1及び第2の実施形態では、支柱2を有する移動型X線診断装置1を一例に挙げて説明したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、支柱を有さない移動型X線診断装置に本願の報知部12を適用する場合であってもよい。
【0059】
また、上述した第1及び第2の実施形態では、移動型X線診断装置として回診装置を例に挙げて説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、移動型X線診断装置として、外科用のCアーム装置が用いられ、報知部が適用される場合であってもよい。かかる場合には、例えば、報知部は、X線照射中を示す発光を実行することも可能である。
【0060】
また、上述した第1及び第2の実施形態において、説明した構成はあくまでも一例であり、本願にかかる移動型X線診断装置1は、種々の構成を有することができる。例えば、
図1に示す装置本体9や、X線管4、X線可動絞り5などの形状は、任意の形状であってよい。また、装置本体9に備えられるものとして説明した構成は、任意に配置を変えることができる。例えば、装置本体9に備えられるものとした高電圧発生部は、X線管4を含むボックス内に配置する場合であってもよい。
【0061】
また、上述した第1及び第2の実施形態において、説明した報知部における発光部の区画や、報知部12によって発光される光の色、点灯及び点滅などの設定は任意に設定され、自由に変更することが可能である。すなわち、装置の状態ごとの発光は、任意に設定することができる。
【0062】
以上説明したとおり、第1及び第2の実施形態によれば、本実施形態の移動型X線診断装置は、装置の状態を容易に確認することを可能にする。また第1の実施形態によれば、支柱上部に報知部があることによって、操作者等の人間が本発明にかかる移動型X線診断装置に接近している状態でなくても、装置に関する種々の状態を確認することができる。支柱上部にあり目立つ報知部が種々の報知を行うことにより、操作者はバッテリ残量等の情報を確認するという意志を持たずとも、必要なときは該情報を自然と得ることができる。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。