(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記補助キーには、前記文字キーに対応する文字の表記を変更し、又は、当該文字に記号を追加するための第1補助キーと、前記関連文字キーに対応する文字の表記を変更し、又は、当該文字に記号を追加するための第2補助キーと、が含まれる、
請求項2に記載の文字入力装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る文字入力装置の一例としてのスマートフォンの外観構成を概略的に示す正面図である。
図2は、
図1に示すスマートフォンのハードウェア構成を概略的に示す構成図である。
【0013】
図1に示すように、スマートフォン10は、例えば矩形の薄形筐体12を備え、その薄形筐体12の一方の面には、タッチパネル14が例えば多くの部分を占めるように構成されている。該タッチパネル14が搭載されている面(正面)には、スピーカ16、マイクロフォン18及びハードボタン20が設けられている。また、筐体10Aの側面や底面には、ハードキー22、
図1では不図示の音声出力端子24Aなどの外部インターフェース24(
図2参照)が設けられる。さらに、筐体10Aの背面には、
図1では不図示のカメラ26(
図2参照)が設けられている。
【0014】
このスマートフォン10では、
図2に示すように、上記各構成要素が内部の中央処理装置28に接続されている。中央処理装置28にはさらに、移動体通信用アンテナ30A、移動体通信部30、無線LAN通信用アンテナ32A、無線LAN通信部32、及び記憶部34が接続されている。
【0015】
タッチパネル14は、表示装置及び入力装置の両方の機能を備え、表示機能を担うディスプレイ(表示画面)14Aと、入力機能を担うタッチセンサ14Bとで構成される。ディスプレイ14Aは、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの一般的な表示デバイスにより構成される。タッチセンサ14Bは、ディスプレイ14Aの上面に配置された、接触操作(接触)を検出するための素子及びその上に積層された透明な操作面を備えて構成される。タッチセンサ14Bの接触検知方式としては、静電容量式、抵抗膜式(感圧式)、電磁誘導式など既知の方式のうちの任意の方式を採用することができる。
【0016】
表示装置としてのディスプレイ14Aは、中央処理装置28による記憶部34内の文字入力プログラムPの実行により生成される文字入力画面を表示する。入力装置としてのタッチセンサ14Bは、操作面に対して接触する接触物(ユーザの指やスタイラスなどを含む。以下、「指」である場合を代表例として説明する。)の動作を検出することで、操作入力を受け付け、その接触位置の情報を中央処理装置28に与える。指の動作は、接触点の位置または領域を示す座標情報として検出され、座標情報は、例えば、タッチパネル14の短辺方向及び長辺方向の二軸上の座標値として表される。以下、話を簡便にするため、表示装置としてのディスプレイ14Aについても入力装置としてのタッチセンサ14Bについても、単に「タッチパネル14」と称する。
【0017】
図3は、
図1に示すスマートフォン10の機能的構成図である。
図3に示すように、スマートフォン10は、記憶部34と、表示部40と、検出部42と、を有する。また、スマートフォン10は、中央処理装置28が文字入力プログラムPを実行することによりそれぞれ機能する、制御部44と、文字入力部46と、を有する。
【0018】
記憶部34には、文字入力プログラムP内又は外にある仮想キーボード情報34A、関連文字キー情報34B、補助キー情報34Cを含んでいる。仮想キーボード情報34Aは、複数のキー52が例えば4行5列で配置され日本語入力可能なテンキー型の仮想キーボード50Aの情報である(
図4参照)。この情報には、例えば各キー52の種別情報や各キー52の配置情報が含まれる。複数のキー52には、複数の文字キー52Aと、複数のその他のキー52Bと、がある。各その他のキー52Bは、例えば既に入力されている文字を削除したり仮想キーボード50Aを日本語版から英語版に切り替えたり等、するためのものである。一方、文字キー52Aは、例えばその数が10個であり、それぞれ、平仮名の文字「あ」、「か」、「さ」、「た」、「な」、「は」、「ま」、「や」、「ら」、又は、「わ」に対応し、当該文字及び当該文字に関連する文字を入力するためのものである。この「当該文字に関連する文字」とは、本実施形態では、文字キー52Aの文字の母音を変化させた文字、すなわち、当該文字を除く、あ行、か行、さ行、た行、な行、は行、ま行、や行、ら行、わ行の文字である。関連文字キー情報34Bには、これら関連する文字のキー(以下、「関連文字キー54(
図6参照)」と称す。)の種別情報や配置情報が含まれる。また、補助キー情報34Cには、補助キー56(
図6参照)の種別情報や配置情報が含まれる。補助キー56は、文字キー52A及び関連文字キー54に対応する文字を補助するためのキーである。本実施形態では、この補助キー56は、当該対応する文字の表記を変更し、または、対応する文字に記号を追加するためのキーであり、特にここでは、記号として、濁点又は半濁点を追加するためのキーである。
【0019】
図3に戻って、表示部40は、例えばディスプレイ14Aである。検出部42は、例えばタッチセンサ14Bである。
【0020】
制御部44は、表示部40に対して仮想キーボード50Aを表示制御し、検出部42が仮想キーボード50Aへの接触を検出した場合に、表示部40に対して、当該接触の位置に対応する仮想キーボード50Aの文字キー52A、及び当該文字キー52Aに関連する少なくとも1つの関連文字キー54を仮想キーボード50Aに重ねて表示制御し、且つ、当該文字キー52A及び当該関連文字キー54に対応する文字を補助するための少なくとも1つの補助キー56を仮想キーボード50Aに重ねて表示制御する。
【0021】
文字入力部46は、検出部42が仮想キーボード50Aへの接触の解除を検出すると、当該解除の直前に接触されていたキーが文字キー52A及び関連文字キー54のうち何れか1つのキーである場合は、当該1つのキーに対応する文字を入力し、当該解除の直前に接触されていたキーが補助キー56である場合は、文字キー52A及び関連文字キー54のうち何れか1つのキーに対応する文字に対して、補助キー56に応じて表記を変更したり記号を追加したりの処理を実行する。また、文字入力部46は、前記解除の直前に接触されていたキーが文字キー52A、関連文字キー54及び補助キー56以外のキー52の場合は、例えば既に入力されている文字を削除する処理等、当該キー52に対応する処理を実行する。なお、本実施形態において「解除」とは、指等の接触物51(
図4参照)が表示部40から離れることである。
【0022】
図4は、制御部44の表示制御により表示部40に表示される文字入力画面60Aの一例を示す図である。この文字入力画面60Aは、中央処理装置28が例えばスマートフォン10のメールソフトウェア等と共に文字入力プログラムPを実行したときに表示される。
【0023】
文字入力画面60Aには、例えば、画面下部に仮想キーボード情報34Aに基づいた仮想キーボード50Aが配置され、画面上部に入力文字表示領域62が配置される。入力文字表示領域62は、文字入力部46で入力された文字が表示される領域である。ユーザは、この文字入力画面60Aにて、入力文字表示領域62を見ながら仮想キーボード50Aを操作して文字入力を行い、メール等を作成する。
【0024】
図5は、
図4に示す文字入力画面60Aが表示部40に表示されている間に実行される、制御部44と文字入力部46の処理の流れを示すフローチャートである。当該処理は、定期的に例えば0.5秒毎に、または、不定期に繰り返し実行される。
【0025】
(ステップSP10)制御部44は、検出部42の検出信号の有無に基づき、接触物51による仮想キーボード50Aの何れか1つのキー52の接触が有るか否か判定する。そして、制御部44は、肯定判定した場合(Yes)、すなわち、検出部42が仮想キーボード50Aのキー52への接触を検出して、制御部44が検出部42から検出信号を受けた場合にはステップSP12の処理に移行する。また、制御部44は、否定判定した場合(No)には全体の処理を終える。
【0026】
(ステップSP12)制御部44は、接触されたキー52が文字キー52Aであるか否か判定する。そして、制御部44は、肯定判定した場合(Yes)にはステップSP16の処理に移行し、否定判定した場合(No)にはステップSP14の処理に移行する。
【0027】
(ステップSP14)制御部44は、文字入力部46に処理を渡す。文字入力部46は、例えば既に入力されている文字を削除する処理等、接触されたキー52、すなわち接触されたその他のキー52Bに対応する処理を実行する。そして、文字入力部46は、全体の処理を終える。
【0028】
(ステップSP16)制御部44は、検出部42の検出信号の有無に基づき、ステップSP10で判定した接触が解除されたか否か判定する。そして、制御部44は、肯定判定した場合(Yes)にはステップSP18の処理に移行し、否定判定した場合(No)にはステップSP20の処理に移行する。
【0029】
(ステップSP18)制御部44は、文字入力部46に処理を渡す。文字入力部46は、接触された文字キー52Aに対応する文字を入力する。また、文字入力部46は制御部44に処理を渡して、制御部44は、表示部40に対して入力された文字を入力文字表示領域62に表示させる。例えば、
図4では、文字「は」の文字キー52Aが接触されて、入力文字表示領域62に文字「は」が表示されている。そして、制御部44は、ステップSP20の処理に移行する。
【0030】
(ステップSP20)制御部44は、例えば
図6(A)に示すように、ステップSP10で判定した接触が予め定められた時間x(xは正の数であり、例えば0.5)秒以上維持されたか否か判定する。そして、制御部44は、肯定判定した場合(Yes)にはステップSP22の処理に移行し、否定判定した場合(No)にはステップSP16の処理に戻る。以下、x秒以上接触が維持されたことを、適宜、「長押しされた」と称す。
【0031】
(ステップSP22)制御部44は、長押しされた文字キー52Aに対応する文字が、「か」、「さ」、「た」又は「は」であるか否か判定する。制御部44は、肯定判定した場合(Yes)にはステップSP26の処理に移行し、否定判定した場合(No)にはステップSP24の処理に移行する。
【0032】
(ステップSP24)制御部44は、記憶部34の関連文字キー情報34Bに基づき、表示部40に対して、接触の位置に対応する文字キー52A(本実施形態では長押しされた文字キー52A)、及び当該長押しされた文字キー52Aに対応する文字の母音を変化させた関連文字の少なくとも1つの関連文字キー54を、同時に仮想キーボード50Aに重ねて表示させる。また、制御部44は、表示部40に対して、重ねて表示された文字キー52A及び関連文字キー54以外のキー52を、非アクティブとし、目立たないように薄暗くさせる。ユーザは、この状態で、適宜、目的の関連文字キー54までスライドさせる。そして、制御部44は、ステップSP28の処理に移行する。
上記重ねて表示させる際、制御部44は、長押しされた文字キー52Aを同じ文字キー52Aに重ねて表示させ、関連文字キー54を、長押しされた文字キー52Aに隣接する上下左右(ただし、仮想キーボード50Aに対して入力文字表示領域62側を「上」とする。)の何れか1つのキー52に重ねて表示させる。例えば、図示しないが、長押しされた文字キー52Aに対応する文字が「あ」であれば、文字「あ」の文字キー52Aは、当該文字キー52Aに重ねて表示される。また、文字「あ」の関連文字「い」、「う」、「え」、及び、「お」の関連文字キー54は、文字「あ」の文字キー52Aの左上右下に隣接するキー52の順に、それぞれ重ねて表示される。
なお、長押しされた文字キー52Aを同じ文字キー52Aに重ねて表示させることは必須ではなく、制御部44は、同じ文字キー52Aに重ねて表示させない場合は、長押しされた文字キー52Aをアクティブのまま表示しておけばよい(以下、同様。)。
【0033】
(ステップSP26)制御部44は、例えば
図6(B)に示すように、記憶部34の関連文字キー情報34B及び補助キー情報34Cに基づき、表示部40に対して、長押しされた文字キー52A及び当該文字キー52Aの文字の母音を変化させた文字の少なくとも1つの関連文字キー54を、これら文字キー52A及び関連文字キー54に対応する文字に濁点又は半濁点を追加するための少なくとも1つの補助キー56と同時に仮想キーボード50Aに重ねて表示させる。また、制御部44は、表示部40に対して、重ねて表示された文字キー52A及び関連文字キー54以外のキー52を、非アクティブとし、目立たないように薄暗くさせる。ユーザは、この状態で、適宜、目的の関連文字キー54又は補助キー56までスライドさせる(
図6(B)の矢印参照)。そして、制御部44は、次のステップSP28の処理に移行する。
上記重ねて表示させる際、文字キー52Aは、例えば同じ文字キー52Aに重ねて表示され、関連文字キー54は、例えば文字キー52Aの上下左右の何れか1つに隣接するキー52に重ねて表示される。また、補助キー56は、例えば表示される文字キー52Aに斜めに隣接し且つ関連文字キー54の左右の何れか1つに隣接するキー52に重ねて表示される。例えば、
図6(A)及び
図6(B)では、文字「は」の文字キー52Aが長押しされて、当該文字キー52Aが、同じ文字キー52Aに重ねて表示されている。また、文字「は」の関連文字「ひ」、「ふ」、「へ」、及び、「ほ」の関連文字キー54が、文字「は」の文字キー52Aの左上右下に隣接するキー52の順に、それぞれ重ねて表示されている。さらに、濁点「゛」を追加するための補助キー56が、文字「は」の文字キー52Aに左斜め上と右斜め下に隣接する各キー52に重ねて表示される。さらにまた、半濁点「゜」を追加するための補助キー56が、文字「は」の文字キー52Aに右斜め上と左斜め下に隣接する各キー52に重ねて表示される。
【0034】
(ステップSP28)制御部44は、検出部42の検出信号の有無に基づき、ステップSP10で判定した接触が解除されたか否か判定する。そして、制御部44は、肯定判定した場合(Yes)にはステップSP30の処理に移行し、否定判定した場合(No)にはこのステップS28の処理に戻る。
【0035】
(ステップSP30)制御部44は、文字入力部46に処理を渡す。文字入力部46は、解除の直前に接触されていたキーが文字キー52A及び関連文字キー54のうち何れか1つのキーであるか、或いは、補助キー56であるか判定する。文字入力部46は、解除の直前に接触されていたキーが文字キー52A及び関連文字キー54のうち何れか1つのキーであると判定した場合にはステップSP32の処理に移行し、補助キー56であると判定した場合にはステップSP34の処理に移行する。
【0036】
(ステップSP32)文字入力部46は、解除の直前に接触されていたキーに対応する文字を入力する。また、文字入力部46は制御部44に処理を渡して、制御部44は、表示部40に対して入力された文字を入力文字表示領域62に表示させる。そして、制御部44は、処理を終える。
このステップSP32では、例えば、長押しされた文字「は」の文字キー52Aから文字「へ」の関連文字キー54までスライドされて接触が解除された場合、解除の直前に接触されていた関連文字キー54に対応する文字「へ」が入力される。
【0037】
(ステップSP34)文字入力部46は、解除の直前に接触されていた補助キー56のさらに接触直前に接触されていた文字キー52A又は関連文字キー54に対応する文字の表記を変更し、または、当該文字に前記記号を追加する処理を、当該補助キー56に応じて実行し、変更した表記の文字または追加する記号を入力する。また、文字入力部46は制御部44に処理を渡して、制御部44は、表示部40に対して入力された文字を入力文字表示領域62に表示させる。そして、制御部44は、処理を終える。
このステップSP34では、例えば、
図6(B)では、長押しされた文字「は」の文字キー52Aから文字「へ」の関連文字キー54を通り半濁点「゜」の補助キー56までスライドされて接触が解除されて、補助キー56のさらに接触直前に接触されていた関連文字キー54に対応する文字「へ」に補助キー56に応じた半濁点「゜」が追加されることにより、文字「ぺ」が入力されて入力文字表示領域62に表示されている。また、長押しされた文字「は」の文字キー52Aから濁点「゛」の補助キー56まで右斜め下又は左斜め上にスライドされて接触が解除された場合は、当該補助キー56のさらに接触直前に接触されていた文字キー52Aに対応する文字「は」に補助キー56に応じた濁点「゛」が追加されることにより、文字「ば」が入力されて入力文字表示領域62に表示される。
【0038】
以上、本発明の第1実施形態のスマートフォン10によれば、仮想キーボード50Aの「か」、「さ」、「た」又は「は」の文字キー52Aのうち何れか1つの文字キーが長押しされた場合に、この長押しの接触を一旦解除して再び補助キー(不図示)に接触することなく、当該文字キー52Aの文字に対して濁点又は半濁点の記号を追加した文字を、当該接触を解除するだけの一回の接触(以下、「ワンタッチ」と称す。)で入力することができる(例えば文字「は」に濁点を追加した文字「ば」を入力する等。)。また、仮想キーボード50Aの「か」、「さ」、「た」又は「は」の文字キー52Aのうち何れか1つの文字キーが長押しされた場合に、この長押しの接触を一旦解除して再び補助キー(不図示)に接触することなく、当該文字キー52Aと共に表示される関連文字キー54の文字に対して濁点又は半濁点を追加した文字を、ワンタッチで入力することができる(例えば文字「へ」に半濁点を追加した文字を「ぺ」を入力する等。)。したがって、当該文字キー52Aと共に表示される関連文字キー54の文字に対しても容易に補助キー56に対応させて、当該文字に記号を追加することができる。
【0039】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る文字入力装置の一例としてのスマートフォンについて説明する。上記第1実施形態では、文字入力部46が、文字キー52A又は関連文字キー54に対応する文字に濁点又は半濁点を追加した文字を入力したが、本第2実施形態では、文字入力部46が、文字キー52A又は関連文字キー54に対応する文字の小文字を入力する点で、上記第1実施形態と大きく異なる。
【0040】
本第2実施形態に係るスマートフォンの構成は、上記第1実施形態に係るスマートフォン10の構成と同様である。また、本第2実施形態に係るスマートフォンでは、制御部44と文字入力部46が
図5に示すフローチャートと同様の流れの処理を行う。
【0041】
ただし、ステップSP22では、例えば
図7(A)に示すように、長押しされた文字キー52Aに対応する文字が、「あ」、「か」、「た」、「や」、「わ」であるか否か判定する。制御部44は、肯定判定した場合(Yes)にはステップSP26の処理に移行し、否定判定した場合(No)にはステップSP24の処理に移行する。
【0042】
また、ステップSP26では、制御部44は、例えば
図7(B)に示すように、記憶部34の関連文字キー情報34B及び補助キー情報34Cに基づき、表示部40に対して、長押しされた文字キー52A及び当該文字キー52Aの文字の母音を変化させた文字の少なくとも1つの関連文字キー54を、これら文字キー52A及び関連文字キー54に対応する文字の小文字を入力するための少なくとも1つの補助キー56と同時に仮想キーボード50Aに重ねて表示させる。また、制御部44は、表示部40に対して、重ねて表示された文字キー52A及び関連文字キー54以外のキー52を、非アクティブとし、目立たないように薄暗くさせる。ユーザは、この状態で、適宜、目的の関連文字キー54又は補助キー56までスライドさせる(
図7(B)の矢印参照)。そして、制御部44は、次のステップSP28の処理に移行する。
上記重ねて表示させる際、文字キー52Aは、例えば同じ文字キー52Aに重ねて表示され、関連文字キー54は、例えば文字キー52Aの上下左右の何れか1つに隣接するキー52に重ねて表示される。また、補助キー56は、例えば表示される文字キー52Aの左右の何れか1つに隣接するキー52に重ねて表示される。例えば、
図7(A)及び
図7(B)では、文字「や」の文字キー52Aが長押しされて、当該文字キー52Aが、同じ文字キー52Aに重ねて表示されている。また、文字「や」の関連文字「ゆ」、及び、「よ」の関連文字キー54が、文字「や」の文字キー52Aの上下に隣接するキー52の順に、それぞれ重ねて表示されている。さらに、小文字を入力するための「小」表記の補助キー56が、文字「や」の文字キー52Aの右に隣接するキー52に重ねて表示される。
【0043】
また、ステップSP34では、文字入力部46は、解除の直前に接触されていた補助キー56のさらに接触直前に接触されていた文字キー52A又は関連文字キー54に対応する文字の小文字を入力する。また、文字入力部46は制御部44に処理を渡して、制御部44は、表示部40に対して入力された文字を入力文字表示領域62に表示させる。そして、制御部44は、処理を終える。
例えば、
図7(B)では、長押しされた文字「や」の文字キー52Aから文字「よ」の関連文字キー54を通り「小」表記の補助キー56まで右斜め上に指51がスライドしてから接触が解除される。これにより、補助キー56のさらに接触直前に接触されていた関連文字キー54に対応する文字「よ」が補助キー56で小文字とされることにより、小文字「ょ」が入力されて入力文字表示領域62に表示されている。なお、入力文字表示領域62には比較のために大文字「よ」も表示されている。また、長押しされた文字「や」の文字キー52Aから「小」表記の補助キー56まで右にスライドされて接触が解除された場合は、当該補助キー56のさらに接触直前に接触されていた文字キー52Aに対応する文字「や」が補助キー56で小文字にされることにより、文字「ゃ」が入力されて入力文
字表示領域62に表示される。
【0044】
以上、本発明の第2実施形態のスマートフォンによれば、仮想キーボード50Aの「あ」、「か」、「た」、「や」、「わ」の文字キー52Aのうち何れか1つの文字キーが長押しされた場合に、この長押しの接触を一旦解除して再び補助キー(不図示)に接触することなく、当該文字キー52Aの文字の小文字(文字キー52Aの文字の表記を変更した文字)を、ワンタッチで入力することができる(例えば文字「や」を補助してその小文字「ゃ」を入力する等。)。また、仮想キーボード50Aの「か」、「さ」、「た」又は「は」の文字キー52Aのうち何れか1つの文字キーが長押しされた場合に、この長押しの接触を一旦解除して再び補助キー(不図示)に接触することなく、当該文字キー52Aと共に表示される関連文字キー54の文字の小文字(関連文字キー54の文字の表記を変更した文字)を、ワンタッチで入力することができる(例えば文字「よ」を補助してその小文字「ょ」を入力する等。)。したがって、当該文字キー52Aと共に表示される関連文字キー54の文字に対しても容易に補助キー56に対応させて、当該文字の表記を変更することができる。
【0045】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る文字入力装置の一例としてのスマートフォンについて説明する。上記第2実施形態では、文字入力部46が、解除の直前に接触されていた補助キー56のさらに接触直前に接触されていた文字キー52A又は関連文字キー54に対応する文字の小文字を入力したが、本第3実施形態では、解除の直前に接触されていた補助キー56のさらに接触直前に接触されていた文字キー52A又は関連文字キー54に関わらず、解除の直前に接触されていた補助キー56に対応する文字を入力する点で、上記第2実施形態と大きく異なる。
【0046】
本第3実施形態に係るスマートフォンの構成は、上記第1実施形態に係るスマートフォン10の構成と同様である。また、本第3実施形態に係るスマートフォンでは、制御部44と文字入力部46が
図5に示すフローチャートと同様の流れの処理を行う。
【0047】
ただし、ステップSP22では、例えば
図8(A)に示すように、長押しされた文字キー52Aに対応する文字が、「あ」、「か」、「た」、「や」、「わ」であるか否か判定する。制御部44は、肯定判定した場合(Yes)にはステップSP26の処理に移行し、否定判定した場合(No)にはステップSP24の処理に移行する。
【0048】
また、ステップSP26では、制御部44は、例えば
図8(B)に示すように、記憶部34の関連文字キー情報34B及び補助キー情報34Cに基づき、表示部40に対して、長押しされた文字キー52A及び当該文字キー52Aの文字の母音を変化させた文字の少なくとも1つの関連文字キー54を、これら文字キー52A及び関連文字キー54に対応する文字の小文字を入力するための複数の補助キー56と同時に仮想キーボード50Aに重ねて表示させる。また、制御部44は、表示部40に対して、重ねて表示された文字キー52A及び関連文字キー54以外のキー52を、非アクティブとし、目立たないように薄暗くさせる。ユーザは、この状態で、適宜、目的の関連文字キー54又は補助キー56までスライドさせる(
図8(B)の矢印参照)。そして、制御部44は、次のステップSP28の処理に移行する。
上記重ねて表示させる際、文字キー52Aは、例えば同じ文字キー52Aに重ねて表示され、関連文字キー54は、例えば文字キー52Aの上下左右の何れか1つに隣接するキー52に重ねて表示される。また、文字キー52Aに対応する補助キー56は、例えば表示される文字キー52Aの左右の何れか1つに隣接するキー52に重ねて表示される。また、関連文字キー54に対応する補助キー56は、例えば表示される関連文字キー54の左右の何れか1つに隣接するキー52に重ねて表示される。例えば、
図8(A)及び
図8(B)では、文字「や」の文字キー52Aが長押しされて、当該文字キー52Aが、同じ文字キー52Aに重ねて表示されている。また、文字「や」の関連文字「ゆ」、及び、「よ」の関連文字キー54が、文字「や」の文字キー52Aの上下に隣接するキー52の順に、それぞれ重ねて表示されている。さらに、文字キー52Aに対応する文字「や」の小文字を入力するための第1補助キーとしての「ゃ」表記の補助キー56が、文字「や」の文字キー52Aの右に隣接するキー52に重ねて表示される。さらにまた、さらに、各関連文字キー54に対応する文字「ゆ」及び「よ」の小文字を入力するための第2補助キーとしての「ゅ」及び「ょ」表記の各補助キー56が、文字「ゆ」及び「よ」の文字キー52Aの右に隣接するキー52に重ねて表示される。
【0049】
また、ステップSP34では、文字入力部46は、解除の直前に接触されていた補助キー56に対応する小文字を入力する。また、文字入力部46は制御部44に処理を渡して、制御部44は、表示部40に対して入力された文字を入力文字表示領域62に表示させる。そして、制御部44は、処理を終える。
例えば、
図8(B)では、長押しされた文字「や」の文字キー52Aから「ゅ」表記の補助キー56まで右斜め上に指51がスライドしてから接触が解除される。これにより、補助キー56に対応させて表記が変更された小文字「ゅ」が入力されて入力文字表示領域62に表示されている。なお、入力文字表示領域62には比較のために大文字「ゆ」も表示されている。また、長押しされた文字「や」の文字キー52Aから「ゃ」表記の補助キー56まで右にスライドされて接触が解除された場合は、当該補助キー56に対応する小文字「ゃ」が入力されて入力文字表示領域62に表示される。
【0050】
以上、本発明の第3実施形態のスマートフォンによれば、仮想キーボード50Aの「あ」、「か」、「た」、「や」、「わ」の文字キー52Aのうち何れか1つの文字キーが長押しされた場合に、この長押しの接触を一旦解除して再び補助キー(不図示)に接触することなく、当該文字キー52Aの文字の小文字を、ワンタッチで入力することができる(例えば文字「や」を補助(表記を変更)した小文字「ゃ」を入力する等。)。また、仮想キーボード50Aの「か」、「さ」、「た」又は「は」の文字キー52Aのうち何れか1つの文字キーが長押しされた場合に、この長押しの接触を一旦解除して再び補助キー(不図示)に接触することなく、当該文字キー52Aと共に表示される関連文字キー54の文字の小文字を、ワンタッチで入力することができる(例えば文字「ゆ」を補助した小文字「ゅ」を入力する等。)。したがって、当該文字キー52Aと共に表示される関連文字キー54の文字に対しても容易に補助キー56に対応させて、当該文字の表記を変更することができる。
【0051】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る文字入力装置の一例としてのスマートフォンについて説明する。上記第1実施形態では、補助キー56が文字キー52A及び関連文字キー54と同時に表示されたが、本第4実施形態では、補助キー56が文字キー52A及び関連文字キー54の表示と別のタイミングで表示される点で、上記第1実施形態と大きく異なる。
【0052】
本第4実施形態に係るスマートフォンの構成は、上記第1実施形態に係るスマートフォン10の構成と同様である。また、本第4実施形態に係るスマートフォンでは、制御部44と文字入力部46が
図5に示すフローチャートと同様の流れの処理を行う。
【0053】
ただし、本第4実施形態ではステップSP22及びSP26の処理は行なわれず、ステップSP20で肯定判定された場合、ステップSP24の処理に移行される。
【0054】
ステップSP24の処理の後は、ステップSP28の前に、例えば以下の処理が行なわれる。
制御部44は、検出部42の検出信号の有無に基づき、ステップSP10で判定した接触が解除されたか否か判定する。そして、制御部44は、肯定判定した場合には文字入力部46に処理を渡し、文字入力部46は、解除直前に接触されていた文字キー52A又は関連文字キー54に対応する文字を入力する。また、制御部44は、否定判定した場合には、文字キー52A又は関連文字キー54が長押しされたか否か判定し、肯定判定した場合には処理を移行し、否定判定した場合には上記解除されたか否か判定する処理に戻る。
処理を移行した制御部44は、文字キー52Aが長押しされた場合には例えば
図9(A)に示すように、表示部40に対して当該文字キー52Aに対応する複数の補助キー56を仮想キーボード50Aに重ねて表示させる。なお、
図9(A)では、具体的に、文字「は」の文字キー52Aが長押しされて、当該文字キー52Aに対応する文字「は」の表記を半濁点表記に変更した文字「パ」、「ぱ」、及び、「ハ」の補助キー56が、当該文字キー52Aに斜めに隣接するキー52に重ねて表示されている。また、制御部44は、文字キー52Aがさらに長押しされた場合には例えば
図9(B)に示すように、上記複数の補助キー56の表示制御から、一部、当該補助キー56と異なる種類の複数の補助キー56の表示制御に切り替える。なお、
図9(B)では、具体的に、文字「は」の文字キー52Aがさらに長押しされて、当該文字キー52Aに対応する文字「は」の表記を濁音表記に変更した「パ」、及び、「ぱ」の補助キー56が、文字「バ」及び「ば」の補助キー56に切り替わって表示されている。
また、処理を移行した制御部44は、関連文字キー54が長押しされた場合には例えば
図10(A)に示すように、表示部40に対して当該関連文字キー54に対応する複数の補助キー56を仮想キーボード50Aに重ねて表示させる。なお、
図10(A)では、具体的に、文字「ふ」の関連文字キー54が長押しされて、当該関連文字キー54に対応する文字を補助した文字「プ」、「ぷ」、及び、「フ」の補助キー56が、当該関連文字キー54に斜めに隣接するキー52に重ねて表示されている。また、制御部44は、関連文字キー54がさらに長押しされた場合には例えば
図10(B)に示すように、上記複数の補助キー56の表示制御から、一部、当該補助キー56と異なる種類の複数の補助キー56の表示制御に切り替える。なお、
図10(B)では、具体的に、文字「ふ」の関連文字キー54がさらに長押しされて、当該関連文字キー54に対応する文字「プ」、及び、「ぷ」の補助キー56が、文字「ブ」及び「ぶ」の補助キー56に切り替わって表示されている。
【0055】
以上のステップの後、ステップSP28〜ステップSP34の処理が実行される。
ただし、ステップSP34では、解除の直前に接触されていた補助キー56に対応する文字を入力する。また、文字入力部46は制御部44に処理を渡して、制御部44は、表示部40に対して入力された文字を入力文字表示領域62に表示させる。そして、制御部44は、処理を終える。
例えば、
図9(B)では、さらに長押しされた文字「は」の文字キー52Aから「バ」表記の補助キー56まで左斜め上にスライドされて接触が解除されて、補助キー56に対応する文字「バ」が入力されて入力文字表示領域62に表示されている。また、
図10(B)では、さらに長押しされた文字「ふ」の関連文字キー54から「ブ」表記の補助キー56まで左斜め上にスライドされて接触が解除されて、補助キー56に対応する文字「ブ」が入力されて入力文字表示領域62に表示されている。
【0056】
以上、本発明の第4実施形態のスマートフォンによれば、仮想キーボード50Aの「か」、「さ」、「た」又は「は」の文字キー52Aのうち何れか1つの文字キーがさらに長押しされた場合に、この長押しの接触を一旦解除して再び補助キー(不図示)に接触することなく、当該文字キー52Aの文字(平仮名及びカタカナを含む)に対して半濁点を追加した文字を、ワンタッチで入力することができる(例えば文字「ハ」に半濁点を追加した文字「パ」を入力する等。)。また、当該1つの文字キーがよりさらに長押しされた場合に、この長押しの接触を一旦解除して再び補助キー(不図示)に接触することなく、当該文字キー52Aの文字(平仮名及びカタカナを含む)に対して濁点を追加した文字を、ワンタッチで入力することができる(例えば文字「ハ」に濁点を追加した文字「バ」を入力する等。)。
また、仮想キーボード50Aの「か」、「さ」、「た」又は「は」の文字キー52Aのうち何れか1つの文字キーが長押しされその後関連文字キー54が長押しされた場合に、この長押しの接触を一旦解除して再び補助キー(不図示)に接触することなく、当該関連文字キー54の文字に対して濁点を追加した文字を、ワンタッチで入力することができる(例えば文字「ハ」に半濁点を追加した文字を「バ」を入力する等。)。したがって、関連文字キー54の文字に対しても容易に補助キー56に対応して文字の表記を変更したり文字に記号を追加したりすることができる。
【0057】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る文字入力装置の一例としてのスマートフォンについて説明する。上記第4実施形態では、文字キー52A又はその関連文字キー54がさらに長押しされても、さらに長押しされたキー以外の文字キー52A又は関連文字キー54の表示は残るが、第5実施形態では、さらに長押しされたキー以外の文字キー52A又は関連文字キー54の表示が残らない(解除される)ようになっている点が、上記第4実施形態と大きく異なる。
【0058】
具体的には、制御部44は、例えば
図11(A)に示すように文字キー52Aがさらに長押しされた場合には、
図11(B)に示すように、表示部40に対して全ての関連文字キー54の表示を解除すると共に、当該文字キー52Aに対応する複数の補助キー56を仮想キーボード50Aに重ねて表示させる。同様に、制御部44は、例えば
図12(A)及び
図13(A)に示すように関連文字キー54がさらに長押しされた場合には、
図12(B)及び
図13(B)に示すように、表示部40に対して当該関連文字キー54以外の全ての関連文字キー54及び文字キー52Aの表示を解除すると共に、さらに長押しされた関連文字キー54に対応する複数の補助キー56を仮想キーボード50Aに重ねて表示させる。
【0059】
以上、本発明の第5実施形態のスマートフォンによれば、第4実施形態のスマートフォンに比べて、さらに長押しされたキー以外の文字キー52A及び関連文字キー54の表示を解除する分、煩雑とならず、またより多くの補助キー56を表示させることができる。
【0060】
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る文字入力装置の一例としてのスマートフォンについて説明する。上記第1実施形態では、日本語入力可能な仮想キーボード50Aが表示されたが、本第6実施形態では、英語入力可能な仮想キーボードが表示される点で、上記第1実施形態と大きく異なる。
【0061】
本第6実施形態に係るスマートフォンの構成は、上記第1実施形態に係るスマートフォン10の構成と同様である。
【0062】
図14は、制御部44の表示制御により表示部40に表示される文字入力画面60Bの一例を示す図である。この文字入力画面60Bは、中央処理装置28が例えばスマートフォン10のメールソフトウェア等と共に文字入力プログラムPを実行したときに表示される。
【0063】
文字入力画面60Bには、例えば、画面下部に英語版フルキーボード型の仮想キーボード50Bが配置され、画面上部に入力文字表示領域62が配置される。
【0064】
図15は、
図14に示す文字入力画面60Bが表示部40に表示されている間に実行される、制御部44と文字入力部46の処理の流れを示すフローチャートである。当該処理は、定期的に例えば0.5秒毎に、または、不定期に繰り返し実行される。
【0065】
(ステップSP40)制御部44は、検出部42の検出信号の有無に基づき、指等の接触物51(
図14参照)による仮想キーボード50Bの何れか1つのキー52の接触が有るか否か判定する。そして、制御部44は、肯定判定した場合(Yes)、すなわち、検出部42が仮想キーボード50Bのキー52への接触を検出して、制御部44が検出部42から検出信号を受けた場合にはステップSP42の処理に移行する。また、制御部44は、否定判定した場合(No)にはステップSP50の処理に移行する。
【0066】
(ステップSP42)制御部44は、接触されたキー52が文字キー52Aであるか否か判定する。そして、制御部44は、肯定判定した場合(Yes)にはステップSP46の処理に移行し、否定判定した場合(No)にはステップSP44の処理に移行する。
【0067】
(ステップSP44)制御部44は、文字入力部46に処理を渡す。文字入力部46は、例えば既に入力されている文字を削除する処理等、接触されたキー52、すなわち接触されたその他のキー52Bに対応する処理を実行する。そして、文字入力部46は、全体の処理を終える。
【0068】
(ステップSP46)制御部44は、検出部42の検出信号の有無に基づき、ステップSP40で判定した接触が解除されたか否か判定する。そして、制御部44は、肯定判定した場合(Yes)にはステップSP48の処理に移行し、否定判定した場合(No)にはステップSP46の最初の処理に戻る。
【0069】
(ステップSP48)制御部44は、文字入力部46に処理を渡す。文字入力部46は、接触された文字キー52Aに対応する文字を入力する。また、文字入力部46は制御部44に処理を渡して、制御部44は、表示部40に対して入力された文字を入力文字表示領域62に表示させる。例えば、
図14では、文字「H」の文字キー52Aが接触されて、文字「H」の小文字「h」が入力され、入力された文字「h」が入力文字表示領域62に表示されている。そして、制御部44は、全体の処理を終える。なお、本実施形態では、文字キー52の文字表記が大文字であり、文字キー52により入力される文字が小文字であるが、文字キー52の文字表記が小文字であり、文字キー52により入力される文字も小文字であってもよい。
【0070】
(ステップSP50)制御部44は、検出部42の検出信号の有無に基づき、接触物51による仮想キーボード50Bの何れか1つの文字キー52Aの近傍の接触が有るか否か判定する。そして、制御部44は、肯定判定した場合(Yes)にはステップSP52の処理に移行する(
図16(A)参照)。また、制御部44は、否定判定した場合(No)には全体の処理を終える。
【0071】
(ステップSP52)制御部44は、例えば
図16(B)に示すように、記憶部34の関連文字キー情報34B及び補助キー情報34Cに基づき、表示部40に対して、ステップSP50の接触の位置に対応する文字キー52Aと当該文字キー52Aに関連する複数の関連文字キー54とを、各関連文字キー54に対応する複数の補助キー56と同時に仮想キーボード50Aに重ねて拡大表示させる。
なお、この「接触の位置に対応する文字キー52A」とは、例えば接触の位置に最も近い文字キー52Aである。最も近い文字キー52Aが複数ある場合には、その中で「接触の位置に対応する文字キー52A」がランダムに決められる。また、関連文字キー54は、上記接触の位置の周囲にある文字キー52Aである。また、各補助キー56は、各関連文字キー54に対応する文字の表記を変更させた大文字を入力するためのキーである。本実施形態では、各補助キー56の文字表記は、例えば各関連文字キー54の文字表記の左上に大文字の意味を示す「大」が追加されたものである。
【0072】
(ステップSP54)制御部44は、検出部42の検出信号の有無に基づき、ステップSP52で判定した接触が解除されたか否か判定する。そして、制御部44は、肯定判定した場合(Yes)にはステップSP56の処理に移行し、否定判定した場合(No)にはステップSP54の最初の処理に戻る。
【0073】
(ステップSP56)制御部44は、文字入力部46に処理を渡す。文字入力部46は、解除の直前に接触されていたキーが関連文字キー54であるか、或いは、補助キー56であるか判定する。文字入力部46は、解除の直前に接触されていたキーが文字キー52A又は関連文字キー54であると判定した場合にはステップS58の処理に移行し、補助キー56であると判定した場合にはステップSP60の処理に移行する。
【0074】
(ステップSP58)文字入力部46は、解除の直前に接触されていたキーに対応する文字を入力する。また、文字入力部46は制御部44に処理を渡して、制御部44は、表示部40に対して入力された文字を入力文字表示領域62に表示させる。そして、制御部44は、処理を終える。
このステップSP58において例えば
図16(B)では、ステップSP50の接触の位置からスライドされて文字「V」の関連文字キー54で接触が解除され、解除の直前に接触されていた関連文字キー54に対応する文字「v」が入力される。
【0075】
(ステップSP60)文字入力部46は、解除の直前に接触されていた補助キー56に対応させて文字の表記を変更した文字を入力する。また、文字入力部46は制御部44に処理を渡して、制御部44は、表示部40に対して入力された文字を入力文字表示領域62に表示させる。そして、制御部44は、処理を終える。
このステップSP60において例えば
図16(B)では、ステップSP50の接触の位置からスライドされて文字「G」に「大」が追加された表記の補助キー56で接触が解除され、文字「V」が入力されて入力文字表示領域62に表示されている。
【0076】
以上、本発明の第6実施形態のスマートフォンによれば、キー近傍が接触されて関連文字キー54が拡大表示された場合に、この接触を一旦解除して再び補助キー(不図示)に接触することなく、補助キー56へスライドすることで当該関連文字キー54に対応する文字の大文字を、ワンタッチで入力することができる(例えば大文字「V」を入力する等。)。したがって、関連文字キー54の文字に対して表記を変更した文字を、容易に入力することができる。
【0077】
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態に係る文字入力装置の一例としてのスマートフォンについて説明する。上記第6実施形態では、補助キー56が関連文字キー54と同時に表示されたが、本第7実施形態では、補助キー56が関連文字キー54と別のタイミングで表示される点で、上記第6実施形態と大きく異なる。
【0078】
本第7実施形態に係るスマートフォンの構成は、上記第1実施形態に係るスマートフォン10の構成と同様である。また、本第7実施形態に係るスマートフォンでは、制御部44と文字入力部46が
図15に示すフローチャートと同様の流れの処理を行う。
【0079】
ただし、ステップSP54〜ステップSP60は実行されず、その代わり、ステップSP52では、制御部44は、例えば
図17(A)及び
図17(B)に示すように、記憶部34の関連文字キー情報34Bに基づき、表示部40に対して、接触の位置に対応する文字キー52Aと複数の関連文字キー54とを仮想キーボード50Aに重ねて拡大表示させる。
【0080】
そして、制御部44は文字入力部46に処理を渡す。文字入力部46は、接触物51がスライドして目的の文字キー52A又は関連文字キー54が接触されて直ぐにその接触が解除されると、
図18(B)に示すように、解除直前の文字キー52A又は関連文字キー54に対応する文字を入力する。また、文字入力部46は制御部44に処理を渡して、制御部44は、表示部40に対して入力された文字を入力文字表示領域62に表示させる。そして、制御部44は、処理を終える。
例えば、
図18(B)では、解除直前の関連文字キー54に対応する文字「g」が表示されている。
【0081】
一方で、制御部44は、接触物51がスライドして文字キー52A又は関連文字キー54が長押しされると、
図18(A)に示すように、長押しされた文字キー52A又は関連文字キー54の表示を当該文字キー52A又は関連文字キー54の文字の大文字を入力するための補助キー56の表示に切り替える。そして、制御部44は文字入力部46に処理を渡す。文字入力部46は、長押しが解除されると、解除直前に接触されていた補助キー56に対応する文字を入力する。また、文字入力部46は制御部44に処理を渡して、制御部44は、表示部40に対して入力された文字を入力文字表示領域62に表示させる。そして、制御部44は、処理を終える。
例えば、
図18(A)では、解除直前に接触されていた補助キー56に対応する文字「G」が表示されている。
【0082】
また、制御部44は、解除の前に補助キー56がさらに長押しされると、
図18(B)に示すように、長押しされた補助キー56の表示を元の関連文字キー54の表示に切り替える。
【0083】
以上、本発明の第7実施形態のスマートフォンによれば、キー近傍が接触されて関連文字キー54が拡大表示された場合に、この接触を一旦解除して再び補助キー(不図示)に接触することなく、関連文字キー54へスライドして長押し、補助キー56で接触を解除することで当該関連文字キー54に対応する文字の大文字を、ワンタッチで入力することができる(例えば大文字「G」を入力する等。)。したがって、関連文字キー54の文字に対して表記を変更した文字を、容易に入力することができる。
【0084】
<第8実施形態>
次に、本発明の第8実施形態に係る文字入力装置の一例としてのスマートフォンについて説明する。本第8実施形態は、上記第1〜第5実施形態と組み合わせて又は別個に実施される。
【0085】
本第8実施形態に係るスマートフォンの構成は、上記第1実施形態に係るスマートフォン10の構成と同様である。また、本第8実施形態に係るスマートフォンでは、制御部44と文字入力部46が
図5に示すフローチャートと同様の流れの処理を行う。
【0086】
ただし、本第8実施形態ではステップSP22及びSP24の処理は行なわれず、ステップSP26では、制御部44は、表示部40に対して、長押しされた文字キー52A及び当該文字キー52Aの文字の母音を変化させた文字の少なくとも1つの関連文字キー54を、例えば句読点や疑問符、括弧、アクセント等の約物を入力するための少なくとも1つの約物キー(不図示)と同時に仮想キーボード50Aに重ねて表示させる。また、制御部44は、表示部40に対して、重ねて表示された文字キー52A、関連文字キー54及び約物キー以外のキー52を、非アクティブとし、目立たないように薄暗くさせる。ユーザは、この状態で、適宜、目的の関連文字キー54又は約物キーまでスライドさせる。そして、制御部44は、次のステップSP28の処理に移行する。
【0087】
また、ステップSP34では、文字入力部46は、解除の直前に接触されていた約物キーのさらに接触直前に接触されていた文字キー52A又は関連文字キー54に対応する文字と共に、当該約物キーに応じた約物を入力する。また、文字入力部46は制御部44に処理を渡して、制御部44は、表示部40に対して入力された文字を入力文字表示領域62に表示させる。そして、制御部44は、処理を終える。
【0088】
以上、本発明の第8実施形態のスマートフォンによれば、文字キー52A又は関連文字キー54に対応する文字と共に約物を、ワンタッチで入力することができる。なお、本第8実施形態は、上記第1〜第5実施形態と組み合わせて又は別個に実施される場合を説明したが、上記第6〜第7実施形態と組み合わせて又は別個に実施されてもよい。
【0089】
<第9実施形態>
次に、本発明の第9実施形態に係る文字入力装置の一例としてのスマートフォンについて説明する。本第9実施形態は、上記第6〜第8実施形態と組み合わせて又は別個に実施される。本第9実施形態に係るスマートフォンの構成は、上記第1実施形態に係るスマートフォン10の構成と同様である。
【0090】
この本第9実施形態に係るスマートフォンでは、制御部44は、検出部42が仮想キーボード50Bの文字キー52Aへの接触を検出した場合、
図19(B)に示すように、表示部40に対して、当該文字キー52A及び当該文字キー52Aの文字の小文字の関連文字キー54と共に、少なくとも1つのヌルキー70及び少なくとも1つのバックスペースキー72(以下、「BSキー」と称す。)を表示制御する。そして、文字入力部46は、検出部42が上記接触の解除を検出すると、当該解除の直前に接触されていたキーが文字キー52A又は当該文字キー52Aに関連する関連文字キー54である場合や仮想キーボード50Bの他の領域である場合は、
図19(A)に示すように、文字キー52A又は関連文字キー54の文字、例えば文字キー52Aの文字「H」を入力する。また、
図19(A)に示すように、当該解除の直前に接触されていたキーがヌルキー70である場合は、何も入力せず、当該解除の直前に接触されていたキーがBSキー72である場合は、既に入力されている文字、例えば「G」を1つ削除する。
なお、文字入力部46は、ヌルキー70が接触された場合は、その接触が解除される前であっても、何も入力しないようにしてもよく、また、文字入力部46は、BSキー72が接触された場合は、その接触が解除される前であっても、既に入力されている文字を1つ削除してもよい。この際、
図19(B)に示すように、接触されているBSキー72の隣に、制御部44により新たなBSキー72が表示制御され、BSキー72の次に新たなBSキー72がさらに接触された場合は、
図19(A)に示すように、既に入力されている文字、例えば文字「F」をさらに1つ削除してもよい。また、新たなBSキー72が接触された場合は、さらに新たなBSキー72が表示制御されてもよい。
【0091】
以上、本第9実施形態に係るスマートフォンによれば、誤って文字キー52Aに接触しても、そのままヌルキー70にスライドして接触を解除することで、文字キー52Aの文字が入力されることを回避することができる。また、その際に、そのままBSキー72にスライドすることで、誤って既に入力した文字を1つ削除することができる。さらにまた、そのまま新たなBSキー72にスライドすることで、誤って既に入力した文字をさらに1つ削除することができる。なお、本第9実施形態は、上記第6〜第7実施形態と組み合わせて又は別個に実施される場合を説明したが、上記第1〜第5実施形態と組み合わせて又は別個に実施されてもよい。
【0092】
<第10実施形態>
第10実施形態は、制御部44が、仮想キーボード50のキーのうち接触位置を基準として上記接触位置に応じた範囲にある仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を表示部40に表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を上記接触位置に応じて制御する一例を示す。特に、本第5実施形態においては、制御部44が、上記1以上のキー52A(52)を仮想キーボード50に重ならないように表示制御する一例について説明する。以下では、第1実施形態乃至第9実施形態と異なる点について特に説明し、他の点については説明を省略する。本第10実施形態について、
図20乃至23を用いて説明する。
【0093】
図20は、
図1に示すスマートフォン10(第10実施形態乃至第12実施形態においては、スマートフォン10A)の機能的構成の一例を示す図である。
図20に示すように、スマートフォン10Aは、機能的に、記憶部34Sと、表示部40と、検出部42と、接触キー特定部43と、文字入力部46と、備えて構成されている。ここで、スマートフォン10Aの制御部44と、文字入力部46と、は中央処理装置28が後述する記憶部34Sに格納された文字入力プログラムP’を実行することによりそれぞれ機能する。
【0094】
記憶部34Sは、仮想キーボード情報34A、関連文字キー情報34B、補助キー情報34C及び文字入力プログラムP(
図20には不図示)の他、仮想キーボード表示領域情報34D、入力文字表示領域情報34E、及び文字入力プログラムP’を記憶・保持する機能ブロックである。
【0095】
図21は、仮想キーボード表示領域情報34Dおよび入力文字表示領域情報34Eで規定される各範囲の一例を視覚的に示した図である。
【0096】
図21に示すように、仮想キーボード表示領域情報34Dは、文字入力画面60において仮想キーボード50が表示される領域を示す情報であり、その領域の範囲又は位置は、スマートフォン10Aの全体の形状、文字入力画面60の形状、仮想キーボード50の表示範囲・表示位置などに基づく。仮想キーボード50が表示される領域は、具体的には、その形状が横(左右)に長い長方形である。ただし、仮想キーボード50が表示される領域は、例えば、その形状が長方形以外の四角形やその他の多角形、円形(楕円形を含む)などであってもよい。
【0097】
また、
図21に示すように、入力文字表示領域情報34Eは、文字入力画面60において入力された文字が表示される領域(入力文字表示領域62)を示す情報であり、その領域の範囲又は位置は、スマートフォン10Aの全体の形状、表示部40及び文字入力画面60の形状、仮想キーボード50の表示範囲・表示位置などに基づく。入力文字表示領域62は、具体的には、その形状が縦(上下)に長い長方形である。ただし、仮想キーボード50が表示される領域は、例えば、その形状が長方形以外の四角形やその他の多角形、円形(楕円形を含む)などであってもよい。
【0098】
さらに、仮想キーボード情報34Aは、
図23乃至
図25に示す英語入力可能なフルキーボード型の仮想キーボード50の情報である。この仮想キーボード50には、
図23乃至
図25に示すように、複数の文字キー52Aと複数のその他のキー52Bとを含む各種のキー52が配置されている。仮想キーボード情報34Aには、例えば各種のキー52の種別情報や各キー52の配置情報が含まれる。各文字キー52Aは、例えば「A」、「B」・・・「X」、「Y」、又は、「Z」の文字に対応し、当該文字を入力するためのものである。各その他のキー52Bは、例えば既に入力されている文字を削除したり仮想キーボード50を英語版から日本語版に切り替えたりするためのもの等である。また、文字キー52Aは、子音に対応するキーと母音に対応するキーを含み、文字キー52AはJIS規格に準拠したキー配列となっており、母音の位置が散在している。
【0099】
また、記憶部34は、接触物51(ユーザの指やスタイラスなどを含む。以下、「指」である場合を代表例として説明する。)に対して予め設定された設定情報を記憶・保持する機能ブロックである。具体的には、記憶部34は、ユーザの指の指紋情報とユーザ識別情報とを対応付けた情報(設定情報)を記憶・保持する。
【0100】
接触キー特定部43は、表示部40において接触されたキーを特定する機能ブロックである。具体的には、接触キー特定部43は、仮想キーボード50の各キー52の表示位置と接触物51の表示部40への接触位置とを照合して接触されたキーを特定する。
【0101】
制御部44は、仮想キーボード50を表示部40に表示する機能ブロックである。また、制御部44は、接触キー特定部43が特定する、仮想キーボード50のキー52のうち接触物51の表示部40への接触位置を基準として上記接触位置に応じた範囲にある仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を表示させる機能ブロックである。さらに、制御部44は、接触キー特定部43が特定する、仮想キーボード50のキー52のうち接触物51の表示部40への接触位置を基準として上記接触位置に応じた範囲にある仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を上記接触位置に応じて制御する機能ブロックである。
【0102】
具体的には、検出部42は、接触物51が仮想キーボード50へ接触したことを検出した場合、接触キー特定部43は、仮想キーボード50の各キー52の表示位置と接触物51の表示部40への接触位置とを照合して接触されたキーを特定する。そして、制御部44は、接触キー特定部43が仮想キーボード50のキー52へ接触があったと判断した場合、接触キー特定部43が仮想キーボード50のキー52のうち接触物51の表示部40への接触位置を基準として上記接触位置の周辺に配置されている仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を上記接触位置に応じて制御する(
図23以降で詳述)。なお、制御部44が上記接触位置の周辺に配置されている仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を上記接触位置に応じて制御するタイミングに関して、特に制限はなく、仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を表示部40に表示させる際又は表示させた後であってもよい。
【0103】
より具体的には、制御部44は、仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を表示部40に表示させる際又は表示させた後に、上記1以上のキー52A(52)が表示部40に表示される仮想キーボード50に重ならないように、記憶部34に記憶・保持されている仮想キーボード表示領域情報34Bおよび入力文字表示領域情報34Cに基づいて、表示部40に対する、上記1以上のキーの表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を制御する(
図23で詳述)。また、制御部44は、上記1以上のキー52A(52)が、表示部40に表示される仮想キーボード50に重ねられて表示される場合、接触物51によって上記1以上のキー52A(52)の表示が隠れてしまわないように、上記1以上のキー52A(52)を表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を制御する(
図24で詳述)。
【0104】
さらに、制御部44は、検出部42が検出した接触物の表面に形成された紋様、つまり、ユーザの指の指紋などに基づき、接触物51を判定する。また、制御部44は、記憶部34Sが保持する設定情報に基づき、接触物51を判定する。例えば、制御部44は、検出部42が検出した上記紋様と、記憶部34Sが保持する設定情報と、に基づいてどのユーザの指が表示部40に接触したのかを判定する。
【0105】
文字入力部46は、仮想キーボード50の複数のキー52のうち、接触されたキーに対応する文字を入力する機能ブロックである。また、文字入力部46は、制御部44により、接触キー特定部43が特定する、仮想キーボード50のキー52のうち接触物51の表示部40への接触位置を基準として上記接触位置に応じた範囲に表示された1以上のキー52A(52)のうち、接触されたキーに対応する文字を入力文字表示領域62に入力する機能ブロックである。
【0106】
図22は、本発明の実施形態に係る表示制御装置において、表示部にキーを表示する処理フローの一例を示すフローチャートである。
【0107】
まず、制御部44は、表示部40に仮想キーボード50を表示する(
図22のステップSP70)。
【0108】
次に、検出部42は、接触物51の表示部40への接触の有無を検出する。(
図22のステップSP71)。
【0109】
検出部42が、接触物51の表示部40への接触が有ったと判定した場合(ステップSP71において「YES」の場合)は、
図22のステップSP72に進む。一方で、検出部42が、接触物51の表示部40への接触が無かったと判定した場合(ステップSP71において「NO」の場合)は、本処理フローは終了する。
【0110】
ステップSP71において、接触物51の表示部40への接触が有ったと判定された場合(ステップSP71において「YES」の場合)は、検出部42は、接触物51の表示部40への接触位置を検出する(
図22のステップS72)。
【0111】
次に、接触キー特定部43は、仮想キーボード50の各キー52の表示位置と上記接触位置とを照合して接触されたキーを特定する(
図22のステップSP73)。
【0112】
次に、制御部44は、仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を上記接触位置に応じて制御する(
図22のステップSP74)。
【0113】
なお、
図22に示すステップSP70〜SP74は必ずしもこのステップ通りに実行されなくてもよく、適宜変更されてよい。
【0114】
(キーの表示例)
図23は、本発明の第10実施形態に係る表示制御装置の制御部により表示部に表示されるキーの一例を示す図である。キーの表示例として、
図23を用いて、制御部44が、仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を仮想キーボード50に重ならないように表示制御する一例を示す。
【0115】
図23に示すように、ユーザの接触物(指)51が表示部40(仮想キーボード50)の「H」キーに接触した場合、制御部44により表示部40に表示される仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)は、仮想キーボード50に重ならないように表示される。すなわち、1以上のキー52A(52)は、制御部44により、接触物(ユーザの指)51には重ならないように表示位置、表示範囲が制御されている。ここで、1以上のキー52A(52)は、「T」,「G」,「Y」,「H」,「U」,「J」キーを含んで構成されている。また、制御部44は、
図23に示すように、ユーザの接触物(指)51が仮想キーボード50の「H」キーに接触すると、表示される1以上のキー52A(52)に含まれる「H」キーが強調表示する。
【0116】
具体的には、制御部44は、検出部42が検出する、接触物51の表示部40への接触位置に対応する接触位置情報に応じて1以上のキー52A(52)の表示を制御する。より具体的には、制御部44は、上記1以上のキー52A(52)を表示部40に表示する際に又はその後に、接触物51の表示部40への接触位置に応じて、表示部40に対する、上記1以上のキー52A(52)の表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を制御する。結果として、制御部44は、1以上のキー52A(52)を、仮想キーボード50に重ならないように表示する。
【0117】
なお、
図23の例では、制御部44は、1以上の各キー52A(52)の表示範囲(サイズ)を、仮想キーボード50の各キー52の表示範囲(サイズ)に比べて大きくなるように制御する。
【0118】
以上、本発明の第10実施形態のスマートフォン10Aによれば、接触キー特定部43により、表示部40に表示された仮想キーボード50の各キーの表示位置と接触位置とを照合して接触されたキーを特定し、制御部が、仮想キーボード50のキーのうち上記接触位置を基準として上記接触位置に応じた範囲にある仮想キーボード50の1以上のキーを表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を上記接触位置に応じて制御する。その結果、文字入力を容易かつ迅速に実行可能とすることにより操作性を向上させることにつなげることができる。
【0119】
また、制御部44が、上記1以上のキー52を仮想キーボード50に重ならないように表示制御する。結果として、接触物51によって上記1以上のキーの表示が隠れてしまうことを防ぐことができ、入力するためのキー52が見易く、探し易い。また、上記1以上のキーの表示の後ユーザが仮想キーボード50の他のキー52に接触することを希望する場合にも、仮想キーボード50の各キー52が見易く、探し易い。
【0120】
<第11実施形態>
第11実施形態は、制御部44が、仮想キーボード50のキーのうち接触位置を基準として上記接触位置に応じた範囲にある仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を表示部40に表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を上記接触位置に応じて制御する一例を示す。特に、本第11実施形態においては、制御部44が、仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を仮想キーボード50に重ねて表示制御する一例について説明する。なお、制御部44が、仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)を仮想キーボード50に重ねて表示制御する点で、制御部44が、上記1以上のキー52A(52)を仮想キーボード50に重ならないように表示制御する第10実施形態とは異なる。本第11実施形態について、
図24を用いて説明する。
【0121】
図24は、本発明の第11実施形態に係る表示制御装置の制御部により表示部に表示されるキーの一例を示す図である。
図24に示すように、ユーザの接触物(指)51が表示部40(仮想キーボード50)の「H」キーに接触した場合、制御部44により表示部40に表示される仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)は、仮想キーボード50に重なるように表示される。ここで、1以上のキー52A(52)は、「T」,「G」,「Y」,「H」,「U」,「J」キーを含んで構成されている。また、制御部44は、
図24に示すように、ユーザの接触物(指)51が仮想キーボード50の「H」キーに接触すると、表示される1以上のキー52A(52)に含まれる「H」キーが強調表示する。
【0122】
具体的には、制御部44は、検出部42が検出する、接触物51の表示部40への接触位置に対応する接触位置情報に応じて1以上のキー52A(52)の表示を制御する。より具体的には、制御部44は、上記1以上のキー52A(52)を表示部40に表示する際に又はその後に、接触物51の表示部40への接触位置に応じて、表示部40に対する、上記1以上のキー52A(52)の表示させる位置及び範囲の少なくとも一方を制御する。結果として、制御部44は、1以上のキー52A(52)を、仮想キーボード50に重ねて表示しながらも、接触物51によっては上記1以上のキー52A(52)の表示が隠れてしまわないように制御する。
【0123】
なお、
図24の例では、制御部44は、1以上の各キー52A(52)の表示範囲(サイズ)を、仮想キーボード50の各キー52の表示範囲(サイズ)に比べて大きくなるように制御する。
【0124】
以上、本発明の第11実施形態のスマートフォン10Aによれば、上記した効果に加え、制御部44により、上記1以上のキー52A(52)の少なくとも一部が仮想キーボード50に重ねられた状態で表示される場合であっても、接触物51によって上記1以上のキー52A(52)の表示が隠れてしまうことを防ぐことができ、入力するためのキー52が見易く、探し易い。
【0125】
<第12実施形態>
第12実施形態は、制御部44が、仮想キーボード50上の接触物51の動きに応じて1以上のキー52Aに含まれる一以上のキーを選択(入力)可能なように制御する一例について説明する。本第12実施形態について、
図25を用いて説明する。
【0126】
図25は、本発明の第12実施形態に係る表示制御装置の制御部44により表示部40に表示されるキーの一例を示す図である。
図25に示すように、ユーザの接触物(指)51が表示部40(仮想キーボード50)の「H」キーに接触した場合、制御部44により表示部40に表示される仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)は、仮想キーボード50に重ならないように表示される。すなわち、1以上のキー52A(52)は、制御部44により、接触物(ユーザの指)51には重ならないように表示位置、表示範囲が制御されている。ここで、1以上のキー52A(52)は、「T」,「G」,「Y」,「H」,「U」,「J」キーを含んで構成されている。また、制御部44は、
図25に示すように、ユーザの接触物(指)51が仮想キーボード50の「H」キーに接触すると、表示される1以上のキー52A(52)に含まれる「H」キーが強調表示する。
【0127】
次に、
図25の矢印A1が示すように、仮想キーボード50において、ユーザの接触物(指)51が仮想キーボード50の「H」キーから「U」キーに移動した場合、制御部44により、矢印A2が示すように、表示部40に表示される仮想キーボード50の1以上のキー52A(52)に含まれる「H」キーにかわり「U」キーが入力(選択)される。具体的には、制御部44は、ユーザの指の表示部40(仮想キーボード50)への接触位置(検出部42が検出する、ユーザの指の表示部40への接触位置に対応する接触位置情報)に応じて、1以上のキー52Aに含まれる一以上のキー(
図25における「U」キー)を選択(入力)可能なように制御する。この場合、制御部44により、「U」キーが強調表示される。
【0128】
なお、
図25の例では、制御部44は、1以上の各キー52A(52)の表示範囲(サイズ)を、仮想キーボード50の各キー52の表示範囲(サイズ)に比べて大きくなるように制御する。
【0129】
以上、本発明の第12実施形態のスマートフォン10Aによれば、制御部44が、仮想キーボード50上の接触物51の動きに応じて1以上のキー52Aに含まれる一以上のキーを選択(入力)可能なように制御することにより、仮想キーボード50上でユーザが指を自由に動かした場合であっても、1以上の各キー52A(52)において入力されうる各キーが隠れてしまうことがなく、且つ、ユーザが入力を希望する又はユーザが入力をするキーを容易に把握することができる。
【0130】
<変形例>
以上、本願の開示する技術の複数の実施形態について説明したが、本願の開示する技術は、上記に限定されるものではない。また、上記各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更/改良(たとえば、各実施形態を組み合わせること、各実施形態の一部の構成を省略すること等)され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0131】
例えば、上記各実施形態に係る文字入力装置は、スマートフォン10を一例に挙げたが、タッチパネルを搭載した電子機器であれば特に限定されず、例えばタブレット型端末やゲーム専用機、マルチメディア端末、現金自動預け払い機等であってもよい。中でも、スマートフォン10やタブレット型端末等の携帯端末である場合、仮想キーボード50A,50Bの各キー52の表示サイズが小さくなり、その操作が比較的困難となり易いので、入力が容易な上記各実施形態に係る文字入力装置を適用したときの有効性が高い。
【0132】
また、上記各実施形態に係る文字入力装置では、メールソフトウェア等と共に文字入力プログラムPを実行したときを例に挙げたが、文書作成用ソフトウェアや表計算ソフトウェア等、他のソフトウェアと共に起動されてもよい。
【0133】
また、
図5に示すステップSP16及びSP20は省略してもよい。すなわち、文字キー52Aが接触されると、長押しか否かに関わらず、制御部44は、関連文字キー54や補助キー56を仮想キーボード50Aに重ねて表示してもよい。
【0134】
また、第6実施形態では、補助キー56により、文字キー52A又は関連文字キー54の文字の大文字を入力する場合を説明したが、文字キー52A又は関連文字キー54の文字の半角又は全角を入力するようにしてもよい。また、補助キー56を押した場合の文字の標記を変更には、大文字・小文字の変更だけでなく、フォントサイズの変更や色の変更を含んでもよい。
【0135】
さらに、制御部44が表示する上記1以上のキー52A(52)の数には特に制限はない。さらに、制御部44は、上記1以上のキー52A(52)に含まれるキーの数について上記1以上のキー52A(52)を表示する際に、またはその後に、増減するような制御を行ってもよい。
【0136】
さらにまた、第10乃至第12実施形態において、
図23乃至
図25の例では、制御部44は、1以上の各キー52A(52)の表示範囲(サイズ)を、仮想キーボード50の各キー52の表示範囲(サイズ)に比べて大きくなるように制御したがこれに限られない。例えば、制御部44は、1以上の各キー52A(52)の表示範囲(サイズ)を、仮想キーボード50の各キー52の表示範囲(サイズ)と(略)同一となるように制御し、又は仮想キーボード50の各キー52の表示範囲(サイズ)に比べて小さくなるように制御してもよい。