(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記削除命令メッセージが、受信されると全ての受信者のメッセージキューから前記非同期メッセージを自動的に削除する実行可能な命令である、請求項2に記載の方法。
前記削除命令メッセージが、前記非同期メッセージが前記受信者のメッセージキューから削除されてもよいことを前記受信者に知らせる受信者に可読の命令メッセージである、請求項2に記載の方法。
前記削除命令メッセージが、受信されると全ての受信者のメッセージキューから前記非同期メッセージを自動的に削除する実行可能な命令である、請求項9に記載の仲介器。
前記削除命令メッセージが、前記非同期メッセージが前記受信者のメッセージキューから削除されてもよいことを前記受信者に知らせる受信者に可読の命令メッセージである、請求項9に記載の仲介器。
前記削除命令メッセージが、受信されると全ての受信者のメッセージキューから前記非同期メッセージを自動的に削除する実行可能な命令である、請求項16に記載の仲介器。
前記削除命令メッセージが、前記非同期メッセージが前記受信者のメッセージキューから削除されてもよいことを前記受信者に知らせる受信者に可読の命令メッセージである、請求項16に記載の仲介器。
前記記録されたソフトウェア命令は、前記削除命令メッセージが、受信されると全ての受信者のメッセージキューから前記非同期メッセージを自動的に削除する実行可能な命令であるように、ステップを実行するように構成される請求項23に記載の非一時的プロセッサ可読記録媒体。
前記記録されたソフトウェア命令は、前記削除命令メッセージが、前記非同期メッセージが前記受信者のメッセージキューから削除されてもよいことを前記受信者に知らせる受信者に可読の命令メッセージであるように、ステップを実行するように構成される請求項23に記載の非一時的プロセッサ可読記録媒体。
前記記録されたソフトウェア命令は、責任の引受けの前記指示がメッセージ開封確認を含むように、ステップを実行するように構成される請求項22に記載の非一時的プロセッサ可読記録媒体。
前記記録されたソフトウェア命令は、責任の引受けの前記指示が責任の肯定的な引受けのメッセージを含むように、ステップを実行するように構成される請求項22に記載の非一時的プロセッサ可読記録媒体。
前記仲介器が責任の引受けの前記指示が送信されたと判定する場合には常に、前記仲介器は、前記非同期メッセージの全ての受信者に削除命令メッセージを送信するようにさらに構成される、請求項29に記載の非同期通信システム。
前記第1および第2の受信者の通信デバイスが、前記削除命令メッセージを受信すると、自身のメッセージキューから前記非同期メッセージを見つけて削除することができる、請求項30に記載の非同期通信システム。
前記第1および第2の受信者の通信デバイスが、前記非同期メッセージを開封すると、責任の引受けの前記指示を自動的に生成することができる、請求項29に記載の非同期通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
様々な実施形態が、添付の図面を参照して詳細に説明される。可能な場合には常に、同一の参照番号は、図面全体を通して、同一のまたは同様の部分を指すのに用いられる。特定の例および実装形態への言及は例示が目的であり、本発明または特許請求の範囲を限定することは意図されていない。
【0014】
本明細書で用いられる用語「通信デバイス」は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パームトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、無線電子メール受信機(例えばBlackberry(登録商標)およびTreo(登録商標)デバイス)、インターネット対応マルチメディア携帯電話、および、少なくとも1つの形態の非同期メッセージ(例えば、SMS、MMS、IM(インスタントメッセージング)、電子メール、ファクシミリ(ファックス)、ボイスメール、および数字のみまたは英数字のページング(ページング)など)を送信および受信することができる、プログラム可能なプロセッサおよびメモリを含む同様の個人向け電子機器の、いずれか1つまたは全てを指しうる。好適な実施形態では、通信デバイスは、携帯電話ネットワークを介して通信することができるセルラーハンドセット(例えば携帯電話)であり、非同期タイプのメッセージを送信および受信することができる。しかし、様々な実施形態を、そのような通信デバイスおよび携帯電話システムに限定することは意図されない。実際には、様々な実施形態は、デスクトップコンピュータを含む、通信ネットワークを介して他の通信デバイスと接続されるあらゆる種類の通信デバイスを用いて実装されうる。
【0015】
本明細書で用いられる用語「サーバ」は、クライアント-サーバ型アーキテクチャで動作するように構成された、様々な商用のコンピュータシステムのいずれをも指す。具体的には、用語「サーバ」は、ネットワークサーバ、特にインターネットにアクセス可能なサーバを指し、ネットワークサーバは通常、プロセッサ、メモリ(例えばハードディスクメモリ)、ならびに、インターネット、インスタントメッセージングネットワーク、簡易的なメッセージングシステムネットワークおよび/または携帯電話ネットワークのようなネットワークに、サーバのプロセッサを接続するように構成されるネットワークインターフェース回路を含む。
【0016】
近年の技術の進歩は、通信のさらなるパラダイムシフトを引き起こした。ユーザーが長距離の信頼性のある同期通信を行うことを可能にする、従来の電話および携帯電話の技術が存在するにも関わらず、ユーザーの中には非同期モードの通信を使用することを好む者がいる。一部の識者は、通信のパラダイムシフトに寄与する要因として、地球規模で接続されたコミュニティの成長を挙げる。ユーザーは世界の遠く離れた場所にいる別のユーザーと通信するため、時差が同期通信の障害となることが多い。例えば、ある参加者が米国にいて、他の参加者が中国にいる場合、電話をかけるのに都合のよい時間を見つけるのは難しいことがある。電子メールおよびSMSのような非同期通信は、他者と調整する必要なく、ユーザーが最も都合のよいときにメッセージを送信および受信することができるため、より効率的であることが多い。
【0017】
最新の非同期通信システム(例えばテキストメッセージ(SMS)、電子メールなど)により得られる送達の信頼性は比較的高いが、非同期モードの通信に関する問題は存在する。例えば、受信者の通信デバイスへのメッセージの送達は確認することができるが、受信者のユーザーが、実際にメッセージを読み、表示し、および/または再生し(すなわちメッセージを開き)、メッセージを開いた結果として指示された行動をとることを確実にするような、適切な仕組みは存在しない。例えば、電子メールは、受信者が電子メールを読み応答する前に、受信者の受信トレイに数時間、数日、さらには数週間置かれたままになることがある。
【0018】
緊急性を示すフラグ、太字または別の識別子を用いてメッセージの相対的な重要性を受信者に知らせることができるが、送信者には、受信者がメッセージを開くことを促しまたは確実にするためにできることがほとんどない。さらに、送信者には、受信者がある設定された期限内に元のメッセージに応じて行動する、またはメッセージに応答することを、促しまたは確実にするためにできることがほとんどない。
【0019】
このように行動または応答を引き起こすことができず、期限を遵守させることができないことで、ある参加者には、およびある用途では、非同期モードの通信に対する信用が失われる。非同期通信モードを用いることに対するこの信用および信頼性の欠如は、送信者および/または受信者にとって重大な問題を引き起こしうる。
【0020】
ある環境では、メッセージへの迅速な対応および応答が、決定的に重要性であることがある。例えば、ヘルスケア産業においては、メッセージの迅速な受信および応答が、生死に関わることがある。別の例として、法律業界では、訴訟関係書類または他の文書を、絶対的な提出期限の前に提出しなければならない。そのような文書を提出するための指示が非同期モードの通信(例えば電子メール)で送信される場合、指示を送る者は、その行為が期限内に完了したことを確実にするための仕組みから利益を享受することができる。別の例として、非同期モードの通信(例えば電子メール、SMSメッセージなど)を通じて子供の世話に関する仕事を調整する家族のメンバーは、メッセージが読まれ、メッセージに応じた行動がとられることを確実にして、子供を時間通りに迎えに行くことを確実にする仕組みから利益を享受することができる。したがって、意図された受信者が対応不可能である場合でも、非同期メッセージが受信され、受信者によりメッセージに応じた行動が取られることを確実にする、システムおよび方法に対する必要性がある。さらに、重要な期限を過ぎる前に、非同期メッセージが受信され、メッセージに応じた行動が取られることを確実にする、システムおよび方法を提供することの必要性がある。
【0021】
ヘルスケア産業の例をさらに調査すると、米国および他の国の多くの病院は、臨床医間の通信に、従来の同期モードと非同期モードの両方を用いている。メッセージの流れの一例では、臨床検査を指示する医師は、結果が報告されることを期待する。この例では、医師は患者を検査し、患者の診療記録を臨床検査の指示により更新し、必要な場合には、さらなる臨床検査が患者に必要であるという指示を、助手または看護師に与える。次いで、助手または看護師は、患者から採取される検体を処理するために検査室に作業指示を出し、臨床検査を実行して結果を報告する。ある状況では、患者からの検体は医師の診察室で採取される。別の状況では、患者は検査室に行き、または、患者からの検体が採取される別の医療部門に行く。検査室で検体が得られ、検査が完了すると、検査技師は、患者の看護を現在担当している看護師または助手に、検査結果を送る。医師の指示または検査結果により示される緊急性(例えば、極めて重要、重要、通常通り)に応じて、看護師または助手は、勤務中の医師に知らせることができる。医師は、検査結果を見て、次の適切なステップに進む。
【0022】
従来の同期通信モードまたは非同期通信モードを用いると、通信の断絶が起こりうるいくつかの通信ノードが存在する。第1に、通信の送信者および受信者は、誰が勤務中か、メッセージがいつ通信されたかによって変わりうる。例えば、最初に臨床検査を指示した医師は、臨床検査の結果が得られるときには既に退勤していることがある。同様に、臨床検査の指示を出した助手または看護師は、検査技師が臨床検査の結果を返すときには、昼食中であるか、勤務時間外であることがある。
【0023】
第2に、医師が臨床検査を指示する時間と、助手または看護師が臨床検査の指示を出す時間に、タイムラグが生じることがある。例えば、助手または看護師が他の患者の対応で多忙であることがあり、したがってメッセージ(例えば医師の臨床検査の指示)を適切な時間に読むことができない。助手または看護師は、休憩中であることもある。助手または看護師は、別の仕事を割り当てられ、メッセージを読むことができないこともある。いくつかの状況では、助手または看護師は、単に医師の指示を見落としていることもある。したがって、医師から助手または看護師へのメッセージに対する行動(例えば臨床検査の指示)は、遅れることがあり、または完全に見落とされることがある。
【0024】
第3に、臨床検査の結果が得られる時間と、検査結果を伝えるメッセージを医師が受信する時間に、さらなるタイムラグが生じることがある。例えば、検査室が、臨床検査結果を伝えるメッセージを、臨床検査の指示を最初に出した助手または看護師に送るとき、その助手または看護師は既に勤務中ではないことがあり、その場合メッセージは、助手または看護師が翌日戻ってくるまで待たされることがある。別の例として、検査技師は、メッセージを送信することができるようになる前に、患者を担当する現在の助手または看護師の、識別情報および連絡先を見つけるのに時間をかけなければならないことがある。
【0025】
第4に、臨床検査の結果に基づき、臨床検査を指示した医師は知らせを受ける必要があるが、医師を見つけることができず、または医師はメッセージを迅速に読むことができない。例えば、医師はその時点で勤務時間外であることがあり、したがってメッセージは医師が勤務に戻ってくるまで待たされる。別の例では、患者を現在担当している医師が多忙で、メッセージを適切な時間に読むことができないため、メッセージは医師の伝言サービスに残されたままになることがある。このことは、医師が検査結果を含むメッセージを知らされる前の、さらなる遅延を引き起こす。
【0026】
これらの様々な通信の断絶の各々において、メッセージの迅速な送達とメッセージに対する応答を確実にするための行動を取ることが望ましいであろう。そうした行動は、メッセージ(または最初のメッセージに対する応答)が受信されたことを受信者に警告することと、メッセージの受信者に、メッセージに応じた行動を取ることまたはメッセージに応答することを促すこととを含みうる。メッセージを適切な時間に送達することができず、またはメッセージが期限内に応答されない場合、そのような行動は、メッセージを受信するのにふさわしい別の受信者にメッセージを再ルーティングすることを含みうる。メッセージを再ルーティングする場合、メッセージを受信し、メッセージに応じた行動を取り、かつ/またはメッセージに応答するのにふさわしい別の受信者に、メッセージを再ルーティングすることが望ましいであろう。そうすることで、元のメッセージに対する適切な応答を得る機会が増す。同様に、別の実施形態では、次の受信者がメッセージに対して適切な時間内に応答しない場合、元の意図された受信者と同じ役割を満たす第3の行為者、第4の行為者、またはさらなる行為者に、メッセージを再ルーティングし続けることができる。
したがって、メッセージは、元の意図された受信者と同じ役割を満たす別の行為者に、再ルーティングされうる。
【0027】
役割は、個別の仕事、作業単位、または所与の入力のセットについて所望の結果を得るために使用される多段階処理内の職能上の責任であってよい。個々の役割は、非同期仲介通信(AMC)システム内での個々の立場によって決定されうる。例えば、ヘルスケア産業では、個々の役割は、管理者、医師、看護師、医師の助手、検査技師、関係する病院職員などでありうる。あるいは、個々の役割は、AMCシステム内での個々の職能により決定されうる。例えば、ヘルスケア産業では、個々の役割は、救急医、腫瘍学専門医、放射線科医、産科医などでありうる。またさらに、個々の役割は、AMCシステム内での個々の責任によって決定されうる。例えば、ヘルスケア産業では、受信者の役割は、患者XYZの治療チームのメンバー、患者123の治療チームのメンバーの看護師などでありうる。またさらに、個々の役割は、立場、職能および/または責任ならびに他のパラメータの組合せによって決定されうる。
【0028】
役割を満たす個体は行為者と呼ぶことができ、行為者は人またはシステムリソースでありうる。例えば、ヘルスケア産業では、行為者は、医師、看護師、病院職員などでありうる。行為者はまた、MRIマシン、CTスキャナ、X線、放射線腫瘍治療機器などでありうる。またさらに、行為者は、非同期仲介通信システム100または別の非同期仲介通信システムの中で動作する、仲介器130でありうる。行為者はまた、AMCシステム(例えばAMC仲介器サービス)中のメッセージを受信し、読み取り、メッセージに応答するように事前にプログラムされた、情報システムサービス(すなわちエージェント)でもよい。これらのリソースの各々が、AMCシステムにおける役割を満たし、マルチステップの通信処理を完了する。複数の行為者が、ある特定の役割に割り当てられうる。例えば、ヘルスケア産業では、複数の個体(すなわち行為者)が、場所、時間または曜日に応じて、特定の患者を担当する医師の役割を果たすことができる(例えば、月曜日に病院の科#1の腫瘍学病棟にいる担当医師は、火曜日の担当医師とは異なる個体である)。さらに、単一の行為者が、複数の役割を果たすことができる。例えば、ヘルスケア産業では、特定の患者を担当する医師が、別の患者のための代わりの医師であってもよい。
【0029】
AMCシステムは、個々の行為者に特有で固有である情報をAMCシステムに提供する登録処理を通じて、各行為者を認識することができる。この情報は、ユーザーIDおよびパスワードを含んでもよく、行為者の識別情報および嗜好に付随するあらゆる詳細を含むように拡張可能である。例えば、嗜好は、行為者が特定の種類のメッセージングについて使用することを望む異なる通信技術(例えば電話、電子メール、SIPアドレスなど)、特定のまたは一般的なカテゴリーの役割を満たすための行為者の対応可能性、個々の役割を満たす際に行為者が交流することを好む別の個体、および、行為者が実行することを好む役割を識別することができる。AMCシステムは、AMCシステムの認証、認可およびアカウンティング(AAA)のサービスに用いることができる行為者の識別(ID)情報を、作成し保持することができる。ある実施形態では、ID情報は、AAAサービスにおいて、かつAMCシステム内で別のモバイルデバイスとともに用いるための、「セキュリティ」鍵の対(秘密鍵および公開鍵)を含む。一例では、AAAサービスは、AMCシステム内の少なくとも1つのプロセッサにより実行される。このプロセッサは、仲介器デバイス/サーバの中に含まれうる。一例では、プロセッサは、ID情報を格納するための少なくとも1つのメモリに結合される。メモリは、プロセッサにとってローカルであってもよく、別個のデータベースに存在していてもよい。
【0030】
登録処理の結果として、非同期メッセージのルーティングおよび再ルーティングに役立つ、ルーティングテンプレートおよび再ルーティングテンプレート(まとめてルーティングテンプレートと呼ぶ)が生成されうる。AMCシステム内の全ての行為者が果たす可能性のある各役割のルーティングテンプレートが、生成されうる。登録処理の間に収集された情報を用いることで、ルーティングテンプレートは、各行為者の連絡先および嗜好とともに、同一の役割を満たす行為者について事前設定されうる。あるいは、ルーティングテンプレートは、別個だが相互に関連した形態のデータベースであってもよく、したがって、行為者役割データベース、行為者データベース、患者データベースおよびメッセージルーティング規則データベースを互いにマッピングし、本明細書で説明されるメッセージの再ルーティングを実現することができる。加えて、ルーティングテンプレートは、特定の役割を満たす行為者のリストにおいて優先順位を付けることができる。優先順位のリストは、行為者が非同期メッセージをルーティングまたは再ルーティングする際の受信者として選択される順番を決定することができる。
【0031】
ルーティングテンプレートは静的であってよいが、行為者が非同期メッセージをルーティングまたは再ルーティングする際の受信者として選択される実際の順番は、対応可能性または状況テンプレートにしたがって動的に変化しうる。さまざまな役割への個々の割り当ては静的であってよいが、様々な役割を満たす個体の実際の名簿は、場所ならびに分、時間、日、週、月などによって動的に変化しうる。例えば、個々の作業スケジュールによって、または別のプロジェクト/患者への対応によって、一部の行為者に一時的に現在の仕事、責任、職能をやめさせることができる。その結果、そうした行為者にルーティングまたは再ルーティングされる全てのメッセージは無視されうるので、次の再ルーティングが必要になりうる。この不必要な遅延を避けるために、動的な対応可能性のテーブルを、仲介器130または、仲介器がアクセスできる別のデバイスもしくはデータベースにより保持して、メッセージをより効率的にルーティングおよび再ルーティングすることができる。
【0032】
したがって、静的なルーティングテンプレートに加えて、動的な対応可能性テンプレートが生成され、プロセッサにとってローカルなメモリまたは別個のデータベースに格納されうる。動的な対応可能性テンプレートは、AMCシステム内の全ての行為者の対応可能性をリアルタイムで追跡することができる。例として、動的な対応可能性テンプレートは、行為者がAMCシステムにいつログイン/ログアウトするかを監視するAMCシステムの管理機能と、連携してもよい。行為者が任意の通信デバイスによりAMCシステムにログインする度に、行為者の状況は「アウト(Out)」から「イン(In)」に変化しうる。あるいは、登録処理の時に関連した、無線通信デバイスがAMCシステムの通信ネットワークに登録すると、対応する行為者の状況が「アウト」から「イン」に変化することができ、逆も同様である。あるいは、動的な対応可能性テンプレートは、手動で更新することができる作業スケジュールと連携してもよい。別の実施形態は、動的な対応可能性テンプレートを更新するための様々な方法のいずれをも使用することができる。静的な役割テンプレートおよび動的な対応可能性のテーブルの例が、
図14a〜14cに示され、これらの図面を参照して以下でより詳細に説明される。
【0033】
様々な実施形態において、元の非同期メッセージは、所定のメッセージテンプレートに基づいて作成されうる。一実施形態では、メッセージテンプレートは、メッセージ内容、行為者、役割、優先度、期限などのパラメータのうちの1つまたは複数に基づいて選択される。本発明の趣旨または範囲に影響を与えることなく、他のパラメータ(ここでは列挙されない)を用いて、選択されるメッセージテンプレートを決定することができることを、当業者は理解するだろう。メッセージテンプレートは、仲介器がメッセージを受信者にルーティングして送達することができるような構造を生成する。ヘルスケア産業の例では、検査技師のテンプレートは、特定の血液検査の結果に関するメッセージが患者の担当医師および看護師に送信されなければならないことを示すことができる。したがって、メッセージの種類が血液検査であると識別されると、意図される受信者は明確に識別されうるが、受信者の役割によっても識別されうる。ここでの例では、役割は、担当の医師もしく看護師、または場合によっては、識別された患者を担当する健康管理の専門家として識別されうる。上で論じられたように、メッセージテンプレートは、メッセージ作成者により設定された明確な期限を含んでもよく、この期限までにメッセージに対する応答が必要である。あるいは、期限は、識別されるメッセージの種類(例えば血液検査)に基づいて、メッセージに対して自動的に課されてもよい。自動的な期限は、メッセージの内容に応じて、さらに割り当てられうる。例えば、肝機能のための血液検査は、軽度の細菌感染のための血液検査よりも厳しい期限を含みうる。したがって、具体的なメッセージの種類をさらに定義することで、変化する期限を自動的に課すことができる。
【0034】
役割に応じて、ある行動が役割を満たす行為者によって取られうる。一実施形態では、メッセージにより必要とされる行動は、行動テンプレートを用いて特定の役割と関連付けられてもよい。行動テンプレートは、その特定の役割にある行為者がAMCシステム内で実行することができる行動のセットを含む、データベースである。一方、各行動は、仲介器が実行する規則のセットと関連しうる。行動テンプレートは、ある状況においてメッセージを適切に再ルーティングするために、システムがアクセスでき実施が容易な、割り当てられた行動または許容される行動の特定の役割への関連付けを提供する。例えば、医師の役割の行動テンプレートは、参加、委任、上申、他の行為者の追加、状況の確認などを含む、メッセージを受信する医師に許される行動を列挙しうる。対照的に、検査技師の行動テンプレートは、上申、別の行為者の追加、状況の確認などに限定された、同一のメッセージを受信する検査技師に許される行動を列挙し、参加または委任は排除しうる。
【0035】
図1は、例示的な非同期仲介通信ネットワークシステム100のシステムブロック図である。非同期仲介通信(AMC)システム100は、N個のモバイルデバイス1101、1102、1103、…110Nと、通信ネットワーク120と、メッセージの送信者と受信者の間の仲介器130とを含む。仲介器130は、任意選択で、仲介器データベース135と通信していてもよい。仲介器130は、メッセージの追跡およびロギングを行うので、送信者と受信者の間の通信においてループが閉じていることを確実にする。一実施形態では、仲介器130はサーバ機器210であってよく、かつ/またはメモリユニット362に結合されたプロセッサ361を含んでもよい(
図26参照)。仲介器130は、ネットワーク中のハードウェアおよび/またはソフトウェアにおいて、分散システムとして実装することもできる。
図1を参照すると、N個のモバイルデバイス110のいずれか1つがメッセージの送信者になることができ、同様に、N個のモバイルデバイス110の残りのうちのいずれか1つまたは複数がそのメッセージの受信者となることができる。一例では、メッセージは、通信ネットワーク120および仲介器130を通じて、モバイルデバイス1101からモバイルデバイス1102に送られる。通信ネットワーク120は、無線ネットワークまたは有線ネットワークまたはこれら2つの組合せであってよい。本発明の趣旨または範囲に影響を与えることなく、AMCシステム100のいくつかの実装形態では、モバイルデバイス110の1つまたは複数を、有線ネットワークへのアクセスを有する固定デバイスに置き換えることができることを、当業者は理解するだろう。
【0036】
代替の例示的な非同期仲介通信ネットワークシステムでは、通信デバイス110Nは、通信ネットワークシステム内で互いに接続されていてもよい。個々の通信デバイス110Nの各々は、本明細書の様々な実施形態で説明される仲介器130の機能を実行することができる、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを含んでもよい。
【0037】
さらに、各通信デバイス110Nは、1つまたは複数の非同期仲介通信ネットワークシステムと通信していてもよい。したがって、各通信デバイス110Nは、異なる非同期仲介通信ネットワークシステム内で動作する異なるテンプレートにしたがって、異なる役割、行為者、デバイスに対して、メッセージを送信および受信することができる。
【0038】
図2は、AMCシステム100内の2つの通信デバイス(例えば1101および1102)の間でメッセージ再生/表示確認を提供するための、ある実施形態の方法の処理流れ図である。通信デバイス1101を用いる送信者は、メッセージを生成して、通信デバイス1102を用いる受信者にルーティングするために仲介器130にメッセージを送る(ステップ205)。メッセージは、
図1に示されるような、通信デバイス1101と1102と仲介器130とを相互に接続する通信ネットワーク120を介して送信される。メッセージは、ペイロードメッセージならびに、メッセージのルーティングおよび正確な送付に役立ちうるメタデータを含みうる。仲介器130は、電話番号、IPアドレスまたはメッセージのメタデータに含まれる他の識別パラメータを用いて、発信した通信デバイス1101からメッセージを受信し、1102にメッセージをルーティングする(ステップ210)。メッセージは、受信者の通信デバイス1102により受信される(ステップ215)。ある実施形態では、メッセージを開く(すなわち、メッセージを再生する、表示する、読むおよび/または実行する)前に、通信デバイス1102は任意選択で、メッセージ警告通知を生成して再生および/または表示し、メッセージが受信されたことを示すことができる(ステップ220)。メッセージ警告通知は、例えば送信者、主題の緊急度を示すような、メタデータに含まれる情報にしたがって、再生/表示されうる。警告されると、通信デバイス1101を用いる受信者はメッセージを開く(ステップ225)。メッセージが開かれると、受信者の通信デバイス1101は、メッセージ開封確認を生成し、仲介器130および通信ネットワーク120を介して、発信した送信者の通信デバイス1101にメッセージ開封確認を返信することができる(ステップ230)。メッセージ開封確認は、メッセージを受信して開封した受信者が、メッセージの受信および開封の結果として要求される、全ての指示された行動を完了することに関して責任を持つことを示すことができる。メッセージ開封確認は、受信者がメッセージを受信し開封したことを単に示してもよい。あるいは、メッセージ開封確認は、受信者が、元のメッセージを受信し開封した結果、指示された行動を取っているということを示すこともできる。代替的な実
施形態では、様々な指示される行動または一連の行動は元のメッセージを受信および開封した結果完了するので、元の受信されたメッセージは、メッセージのペイロード/内容(
図10、12、15〜18のフィールド425参照)に、確認または一連の確認を要求し生成する入れ子にされた行動テンプレートを含んでもよい。入れ子にされた行動テンプレートは、ある指示された行動が完了しなければならない期限を含んでもよい。一度メッセージが開封されると、入れ子にされた行動テンプレートは、様々な指示された行動または一連の行動が全ての期限内に完了することを確実にするように、仲介器130を動作させうる。他の方法では、仲介器130は、
図4〜9を参照して以下で説明される処理の流れと同様の方法で、メッセージを再ルーティングすることができる。
【0039】
メッセージ開封確認は、仲介器130によって、発信した送信者の通信デバイス1101に中継される(ステップ235)。メッセージ開封確認は、発信した送信者の通信デバイス1101により受信され(ステップ240)、その後、メッセージ開封確認は、発信した送信者の通信デバイス1101により再生/表示されうる(ステップ245)。メッセージ開封確認の再生/表示は、メッセージが受信されたということを送信者に知らせる。
【0040】
図2に示される処理の流れは、意図された受信者が対応可能で、メッセージを迅速に受信し読むという理想的な状況を示す。しかし、この状況が当てはまらないことがある。
図3は、意図された受信者が対応可能ではない場合に、メッセージを再ルーティングするための、ある実施形態の方法の処理流れ図である。受信者が対応可能ではないと判断されてからすぐにメッセージを再ルーティングすることで、本実施形態の方法は、適切な行動がメッセージに応じて取られる機会を増やす。
【0041】
図3の処理の流れでは、通信デバイス1101を用いる送信者は、第1の受信者の通信デバイス1102に宛てられたメッセージを生成し、第1の受信者にルーティングするために仲介器130に送信する(ステップ205)。メッセージを受信すると、仲介器130は、意図された第1の受信者の通信デバイス1102が対応可能であるかどうかを判定することができる(判定248)。第1の受信者の通信デバイス1102が対応可能ではない、様々な理由がありうる。例えば、意図された第1の受信者の通信デバイス1102は電源が切られていることがあり、ネットワークからログオフしていることがあり、ネットワークの範囲内にいないことがあり、または電池が切れていることがある。あるいは、意図された第1の受信者が、単に、自身の通信デバイス1102から離れていることがあり、または他の事項または他のメッセージに対応するのに多忙であることがある。意図された受信者が対応可能であるかどうかを判定するために、仲介器130は、第1の受信者が対応可能ではないと判定する前にある所定の時間が経過するのを待ってもよい。そうすることで、仲介器130は、第1の受信者に、メッセージを受信しメッセージに応答するための、ある猶予時間を与える。
【0042】
意図される第1の受信者の通信デバイス1102が対応可能である場合(すなわち判定248=はい)、
図2のステップ215〜245が実行されうる。しかし、意図される第1の受信者の通信デバイス1102が対応可能ではない場合(すなわち判定248=いいえ)、仲介器130は、ルーティングテンプレートにしたがってメッセージの再ルーティングを試みることができる(ステップ255)。この再ルーティングのステップおよびルーティングテンプレートは、
図12〜17を参照して以下でより詳細に説明される。再ルーティングテンプレートにしたがってメッセージを再ルーティングする目的は、メッセージを受信しメッセージに応じて行動する/メッセージに応答するのにふさわしい別の行為者に、メッセージが送信されるのを確実にするためである。例えば、メッセージが、患者を治療する医師に向けられた検査結果である場合、適切な役割は、検査結果を読み、結果に応じて適切に行動することができる任意の別の医師でありうる。そのような場合、再ルーティングのテンプレートは、メッセージを受信することに対応可能な別の医師を特定することができる。この例では、受信者の役割は、立場に依存しうる(すなわち、医師対看護師)。意図された第1の受信者の役割を正確に識別することで、メッセージは効率的に再ルーティングされ、メッセージに対する適切な応答を引き出す機会を増やすことができる。
【0043】
いくつかの場合には、メッセージを再ルーティングする適切な役割は、従属者の責任でありうる。例えば、一部の患者は固有の医療履歴を有することがあるので、患者の履歴についての知識を有する医療専門家のみが、検査結果を受信し検査結果に応じて行動するのにふさわしい。したがって、患者の医療履歴に馴染みのない別の医師よりも、看護師または医師の助手が、メッセージに応じて行動するおよび/またはメッセージに応答するのによりふさわしい可能性がある場合がある。したがって、メッセージは、特定の患者を治療するチームの一員である者に再ルーティングされうる。
【0044】
非同期メッセージのルーティング(または再ルーティング)の一部として、またはその後で、仲介器130は、非同期メッセージの全ての受信者(元のおよび再ルーティングされた)のリストを保持する、監視されたメッセージテーブルのデータ入力を設定することができる。そのようなデータテーブルを用いて、受信者のいずれかからのメッセージ開封確認が仲介器130によって受信されると、仲介器130は、残りの受信者(すなわち、非同期メッセージを受信したが開封していない受信者)にメッセージ開封確認を知らせ、自身の通信デバイス110に、メッセージキューから非同期メッセージを削除するように指示し、非同期メッセージに対する応答の重複を避けることができる。非同期メッセージの状況を監視し、重複した応答を避けるための様々な実施形態の方法が、
図20〜25を参照して以下でより詳細に説明される。
【0045】
メッセージがルーティングテンプレートにしたがって再ルーティングされると、再ルーティングされた第2の受信者の通信デバイス1103はメッセージを受信し、
図2のステップ215〜230を参照して説明されたのと同様の方法でメッセージを処理する(ステップ215a〜230a参照)。
図2に示された処理の流れのように、メッセージ開封確認(または責任の引受けの肯定的な指示)が生成され送信されると(ステップ230a)、
図2に示されたのと同様の方法で、メッセージ開封確認は仲介器130より中継され、送信者の通信デバイス1101により受信され再生される。
【0046】
加えて、メッセージ開封確認(または責任の引受けの肯定的な指示)が仲介器130による中継のために受信されると、仲介器130は、メッセージ開封確認が複数の受信者を有する非同期メッセージのためのものであるかどうかを判定することができる。受信されたメッセージ開封確認が、複数の受信者(元のおよび/または再ルーティングされた)を有する非同期メッセージのためのものである場合、仲介器130は、(元のおよび再ルーティングされた)受信者のメッセージキューの全てから元のおよび再ルーティングされた非同期メッセージを削除するステップを実施し、非同期メッセージに対する応答の重複および対応の重複を避けることができる。非同期メッセージの状況を監視して、非同期メッセージに対する応答の重複を避けるための様々な実施形態が、
図20〜25を参照して以下でより詳細に説明される。
【0047】
他の実施形態(図示せず)では、メッセージの再ルーティングは、手動で実行されてもよい。そのような実施形態では、仲介器130は、意図された受信者が対応可能ではないことを送信者に通知することができる。そうすることで、送信者は、元のメッセージを、識別された新たな意図された受信者について再作成することができる。手動のメッセージのリダイレクトは、別の受信者および/または役割への責任の委任、譲渡、または割り当てを含みうる。一態様では、責任が別の役割に譲渡されても、説明責任は最初の意図された受信者に残りうる。手動のメッセージのリダイレクトは、例えば最初の受信者がメッセージ内容に基づいて判断を下すことができない場合、判断を下す権限のある他の役割(例えば職員)にメッセージを転送するように上申することも含みうる。
【0048】
ヘルスケア産業では、委任および上申は必要になることが多い行動である。委任の例として、多くの患者を担当する医師は、重要な決定が必要であるときに一度に全ての患者に対応することができないことがある。この場合、医師は、一部の患者の対応を他の介護人に委任することができる。したがって、この例では、委任された患者に関連する全てのメッセージが、指定された介護人にルーティングされうる。一態様では、医師は、そのようなメッセージを受信することを選択してもよく、または受信しないことを選択してもよい。別の態様では、医師は、メッセージ内容に基づいて、選択されたメッセージは受信するが他のメッセージは受信しないことを選択することができ、他の介護人には全てのメッセージ(メッセージ内容とは無関係)がルーティングされる。
【0049】
上申の例として、医師が、メッセージ内容に基づいて決定を下すことができないことがある。この場合、AMCシステム100は仲介器130を通じて、決定のために別の役割(例えば上司の医師)にメッセージを再送信することによって、異なる行為者にメッセージを上申することができる。したがって、医師の通信デバイス1102に最初に送信されたメッセージは、警告通知ブロック220aで示される警告通知とともに、上司の医師の通信デバイス1103に再送信されうる。
【0050】
意図された第1の受信者の通信デバイス1102は対応可能でありメッセージを受信するが、第1の受信者が他の事項に対応するために離席しているまたは多忙である場合もありうる。この場合、メッセージは通信デバイスに送達されたが、意図された受信者はメッセージを読んでおらず、またはメッセージに応じて行動をとっていない。送達の確認は、送信者が何らかの期限内に元のメッセージに応答することを要求するだけでは十分ではないことがある。例えば、ヘルスケア環境では、緊急治療室の医師が外傷のある患者の頭部CTを、緊急の分析および報告のために、電子メールにより放射線科医に送ることがある。患者は緊急治療室にいるので、緊急治療室の医師は、この頭部CTの優先度を高くして5分以内に読むことを要求することがある。したがって、メッセージ開封確認(放射線科医がCTスキャンを受信し、分析結果を作成する段階にあるということを示す)が5分の期限が過ぎる前のある時間に仲介器130によって受信されない場合、仲介器130は、放射線科医の役割を満たす別の行為者にメッセージを再ルーティングすることができる。
【0051】
代替的な実施形態では、応答の期限は、送信者が期限を課すかどうかに関係なく、ある種類のメッセージに自動的に課されてもよい。例えば、仲介器130は、緊急治療室からの頭部CTスキャンまたはメッセージを含むメッセージを認識し、メッセージに対する応答の所定の期限を自動的に課すようにプログラムされてもよい。そうすることで、緊急治療室の医師が急いでいて期限を課すことを忘れても、AMCシステムは、応答が自動的に課された期限までに受信されなければ、メッセージを自動的に再ルーティングすることができる。
【0052】
したがって、緊急治療室の例では、意図された放射線科医が頭部CTのメッセージを読んでおらず、例えば頭部CTが送信されてから2分以内に、分析が実行されているという確認が返信されない場合は、仲介器130は、別の放射線科医(すなわち適切な役割を満たす別の行為者)にメッセージを再ルーティングすることができる。元の意図された放射線科医は、別の緊急治療室の患者のCTのために多忙であることがあるので、次に来るCTを検討することができない。元の意図された放射線科医が、CTが期限より前の閾値時間内に読まれたことを確認しない場合、元の期限を満たすのに十分な時間とともに、CTを別の放射線科医に再ルーティングすることができる。
【0053】
図4は、応答がある期限(自動的にまたは手動で課された)内に受信されない場合に、メッセージを再ルーティングするための、ある実施形態の方法の処理の流れである。
図4を参照すると、仲介器130はメッセージを受信し、意図された第1の受信者にルーティングする(ステップ210)。メッセージをルーティングした後で、仲介器130は、発信した通信デバイス1101にメッセージを中継するために、メッセージ開封確認を待機する(ステップ260)。仲介器130は、メッセージ開封確認が受信されたかどうかを判定する(判定265)。メッセージ開封確認が受信された場合(すなわち判定265=はい)、
図2および3を参照して上で説明されたように、発信した通信デバイス1101にメッセージ開封確認が中継されうる(ステップ235〜245)。
図3を参照して上で言及され、
図20〜24を参照して以下でより詳細に説明されるように、仲介器130は、非同期メッセージの状況を監視して、非同期メッセージに対する応答の重複を避けるためのステップを実施することができる。メッセージ開封確認が中継のために仲介器130により受信されると、仲介器130は、メッセージ開封確認が複数の受信者を有する非同期メッセージのためのものであるかどうかを判定することができる。
【0054】
メッセージ開封確認が受信されない(すなわち判定265=いいえ)場合、仲介器130は期限が過ぎたかどうかを判定する(判定270)。期限が過ぎていない場合(すなわち判定270=いいえ)、仲介器130は、メッセージ開封確認の待機を続けることができる(ステップ260)。しかし、期限が過ぎた場合(すなわち判定270=はい)、メッセージはルーティングテンプレートにしたがって再ルーティングされうる(ステップ255)。仲介器130は、送信者により課された期限よりも短い期間の期限を課して、メッセージを再ルーティングしてもよいことを当業者は理解するだろう。そうすることで、仲介器130は、送信者が課した、または自動的に課された期限が過ぎる前に、再ルーティングされた受信者が、行動するのに十分な時間を伴ってメッセージを受信することを確実にすることができる。加えて、
図3を参照して上で言及され、
図20〜24を参照して以下でより詳細に説明されるように、仲介器130は、非同期メッセージの状況を監視して、非同期メッセージに対する応答の重複を避けるためのステップを実施することができる。非同期メッセージが仲介器130によりルーティングされると、仲介器130は、非同期メッセージの全ての受信者(元のおよび再ルーティングされた)のリストを保持する、監視されたメッセージテーブルのデータ入力を設定することができる。
【0055】
代替的な実施形態では、受信された非同期メッセージに関する第1の受信者にリマインダーが送信されうる。そのような代替的な実施形態では、リマインダーは、期限が過ぎる前に受信されたメッセージを開封しなければならない(およびメッセージに応じて行動しなければならない)ことを第1の受信者に気付かせるために、仲介器130により生成されうる。代替的な実施形態では、期限が過ぎていない場合(すなわち判定270=いいえ)、仲介器130は、任意選択のリマインダー処理271の実行に進んでもよい。
【0056】
図5は、期限が過ぎる前に第1の受信者にリマインダーを送信するための、ある実施形態の方法(例えばステップ271)の処理流れ図である。この実施形態では、期限が過ぎていない場合(すなわち判定270=いいえ)、仲介器130は、リマインダーの閾値を過ぎたかどうかを判定することができる(判定272)。リマインダーの閾値は、判定270で確認される期限よりも短いある期間であってよいので、リマインダーは、期限が過ぎる前に非同期メッセージを開封することができメッセージに応じて行動することができるということを、第1の受信者に気付かせるのに、十分な時間を伴って送信されうる。リマインダーの閾値を過ぎていない場合(すなわち判定272=いいえ)、仲介器130はステップ260に戻り、メッセージ開封確認を待機することができる(ステップ275)。しかし、リマインダーの閾値が過ぎている場合(すなわち判定272=はい)、仲介器130は、受信された非同期メッセージに関するリマインダーを生成することができる(ステップ273)。生成されると、仲介器130は、リマインダーメッセージを第1の受信者に送信することができる(ステップ274)。送信の後で、仲介器130はステップ260に戻り、メッセージ開封確認を待機することができる(ステップ275)。
【0057】
別の実施形態では、第2のリマインダーが第2の受信者に送信されうる。いくつかの場合には、第1の受信者は、受信された非同期メッセージについて自身の通信デバイス110を確認していないことがある。例えば、非同期メッセージの意図された受信者は、自身の通信デバイス110を確認していることがある。第2のリマインダーを、第1の意図された受信者の物理的に近くにいてもよい第2の受信者に送信することで、第2の受信者は第1の受信者に受信されたメッセージについて直接気付かせることができる。例として、第2の受信者は第1の受信者の助手、上司、または同僚であってよい。可能性のある第2の受信者の各々は、第1の受信者と同じ役割に割り当てられうる。
【0058】
図6は、期限が過ぎる前にメッセージに応答することを第1の受信者に直接気付かせるための第2のリマインダーを、第2の受信者に送信するための方法の処理流れ図である。
図6に示される処理は、
図5に示されるリマインダー処理の代わりに、またはそれとともに実施されうる。
図5に示される処理の代わりに実施される場合、期限が過ぎていなければ(すなわち判定270=いいえ)、仲介器130は、第2のリマインダーの閾値を過ぎたかどうかを判定することができる(判定276)。第2のリマインダーの閾値を過ぎていない場合(すなわち判定276=いいえ)、仲介器130はステップ260に戻り、メッセージ開封確認メッセージを待機することができる(ステップ275)。しかし、第2のリマインダーの閾値を過ぎている場合(すなわち判定276=はい)、仲介器130は、第1の受信者に送信される非同期メッセージに関する第2のリマインダーを生成することができる(ステップ277)。例えば、第2のリマインダーは、対応が必要な非同期メッセージを第1の受信者が受信したことを第2のリマインダーの受信者に知らせ、非同期メッセージの第1の受信者に直接気付かせる/知らせるように第2の受信者に依頼することができる。生成されると、仲介器130は、(
図13のステップ320〜345および
図19のステップ325〜350を参照してより詳細に説明されるように)再ルーティング処理と同様の方法で第2のリマインダーの受信者を選択することができ(ステップ255)、第2のリマインダーを第2のリマインダーの受信者に送信することができる(ステップ278)。第2のリマインダーが送信されると、仲介器130はステップ260に戻り、メッセージ開封確認を待機することができる(ステップ275)。
図13および17を参照して以下で説明される再ルーティングのステップは、次に優先度の高い行為者を、第2の受信者として対応可能である特定の役割に選択する。第2のリマインダーの受信者を選択する処理は、第2のリマインダーが受信者の上司の前に受信者の助手に送信されるように、優先度の低い順に第2の受信者を選択する(すなわち再ルーティングテンプレートで列挙された最も優先度の低い行為者を最初に選択する)ことができる。
【0059】
図7は、第2のリマインダーを第2の受信者に送信し、期限が過ぎる前にメッセージに応答することを第1の受信者に直接気付かせる(すなわち
図6の処理の流れ)とともに、期限が過ぎる前に第1の受信者にリマインダーを送信する(すなわち
図5の処理の流れ)、代替的な実施形態の方法の処理流れ図である。
図7に示される処理の流れにおいて、第1のリマインダーの閾値は、第2のリマインダーの閾値よりも期間が長いと考えられる。この方法では、第2のリマインダーの受信者は、受信された非同期メッセージに対する応答が要求される/必要とされるという次の(最後の)リマインダーを第1の受信者に送信する前に、受信された非同期メッセージについて、第1の受信者に直接気付かせる/知らせることを依頼されうる。いくつかの状況では、例えば第2のリマインダーの受信者が情報を判定することができる、または第1の受信者と相談することができる場合、第2のリマインダーの受信者は、第1の受信者の代わりにメッセージに応答することができてもよい。いずれの場合でも、効果的にするために、第1のリマインダーの閾値と第2のリマインダーの閾値の両方を、期限の閾値よりも短い期間とすることができるので、リマインダーは、期限が過ぎる前に第1または第2の受信者のいずれかがリマインダーを受信するのに十分な時間を伴って、送信されうる。
【0060】
図7を参照すると、期限が過ぎていない場合(すなわち判定270=いいえ)、仲介器130は、第1のリマインダーの閾値を過ぎたかどうかを判定することができる(判定272)。第1のリマインダーの閾値を過ぎている場合(すなわち判定272=はい)、仲介器130は、
図5を参照して上で説明されたのと同じ方法で、ステップ273〜275を完了することができる。しかし、第1のリマインダーの閾値を過ぎていない場合(すなわち判定272=いいえ)、仲介器130は、第2のリマインダーの閾値を過ぎたかどうかを判定することができる(判定276)。第2のリマインダーの閾値は、第1のリマインダーの閾値よりも期間が短いので、まだ第1のリマインダーの閾値を過ぎていなくても、第2のリマインダーの閾値は過ぎているということがありうる。第2のリマインダーの閾値を過ぎている場合(すなわち判定276=はい)、仲介器130は、
図6を参照して上で説明されたのと同じ方法で、ステップ277、278および275を完了することができる。しかし、第2のリマインダーの閾値を過ぎていない場合(すなわち判定276=いいえ)、仲介器130はステップ260に戻り、メッセージ開封確認を待機することができる(ステップ275)。
【0061】
あるいは、AMCシステム100の管理者は、第2のリマインダー処理および第2の受信者を、受信された非同期メッセージを第1の受信者に気付かせる/知らせるための最後の(最終的な)手段として実施することを望むことがある。したがって、第2のリマインダーの閾値は、第1のリマインダーの閾値よりも期間が長くてもよい。この方法では、第1のリマインダーは、第2のリマインダーが第2の受信者に送信される前に、第1の受信者に送信されうる。
図8は、メッセージに応答することを第1の受信者に直接気付かせるように第2の受信者に依頼する第2のリマインダーを第2の受信者に送る(すなわち
図6の処理の流れ)前に、期限が過ぎる前に第1の受信者にリマインダーを送信する(すなわち
図5の処理の流れ)ための方法を実行する、代替的な実施形態の方法の処理流れ図である。
図8を参照すると、この実施形態では第2のリマインダーの閾値の期間が長いので、第2のリマインダーの閾値を過ぎたかどうかが最初に確認される(判定276)。第2のリマインダーの閾値を過ぎている場合(すなわち判定276=はい)、仲介器130は、
図6を参照して上で説明されたのと同じ方法で、ステップ277、278および275を完了することができる。しかし、第2のリマインダーの閾値を過ぎていない場合(すなわち判定276=いいえ)、仲介器130は、第1のリマインダーの閾値を過ぎているかどうかの確認を続けることができる(判定272)。そして、仲介器130は、
図5を参照して上で説明されたのと同じ方法で、ステップ273〜275の実行に進む。ある実施形態では、この処理を、処理が上申される前に3つ以上のリマインダーが送信されるように拡張することができ、この場合、各段階のリマインダーメッセージと関連する閾値の時間は、リマインダーがメッセージの期限の過ぎる前に送信されるように調整されうる。
【0062】
メッセージ開封確認を受信する前に、送信者の通信デバイス1101が対応不可能になる状況もありうる。対応の重複を避けるために、メッセージ開封確認は、対応不可能な送信者の役割を満たす行為者に再ルーティングされうる。例えば、勤務時間の最後の行動として、医師は検査結果の要求を送信することがある。医師は、検査結果が返ってくると予想されるときに自分は対応不可能であるだろうということに気付きうる。それでも、医師は、自身の勤務を引き継ぐ医師に、検査結果を要求したということを知らせるのを望むことがある。これを可能にするために、メッセージ開封確認が、医師の役割を満たす行為者に再ルーティングされ、メッセージ開封確認を受信することができる。
【0063】
図9は、発信したデバイスが既に対応可能ではないときに、メッセージ開封確認を再ルーティングするための、ある実施形態の方法の処理流れ図である。第1の受信者が送信されたメッセージを開くと、メッセージ開封確認が生成され、送信者に返信される(ステップ205〜235)。メッセージ開封確認を受信すると、仲介器130は、送信者の通信デバイス1101が対応可能であるかどうかを判定することができる(判定279)。送信者の通信デバイス1101が対応可能である場合(すなわち判定279=はい)、メッセージ開封確認は送信者の通信デバイス1101に中継され、
図2〜4を参照して上で説明されたように、通信デバイス1101においてメッセージ開封確認が再生または表示される(ステップ235〜245)。しかし、送信者の通信デバイス1101が対応不可能である場合(すなわち判定279=いいえ)、メッセージ開封確認は、ルーティングテンプレートにしたがって再ルーティングされうる(ステップ255)。上で簡単に論じられ、
図14a〜14cを参照して以下でより詳細に説明されるルーティングテンプレートを用いて、メッセージ開封確認は、メッセージ開封確認を受信するのに適切な役割を満たす行為者に再ルーティングされうる(ステップ240aおよび245a)。
【0064】
各メッセージは、ルーティング情報とともに、仲介器130が適切な時間にメッセージを正確にルーティングおよび再ルーティングすることを可能にする期限情報を、含みうる。
図10は、送信されたメッセージの送達およびメッセージに応じた行動を確実にするための、ある実施形態の方法で用いるメッセージ構造の例である。メッセージは、発信する送信者のID405、意図された受信者のID410、代わりの受信者のID415、期限情報またはメッセージの種類420、およびメッセージ内容のペイロード425を含みうる。ある実施形態では、発信する送信者のID405は、発信する送信者のIPアドレス、電話番号、電子メールアドレス、またはモバイルデバイス識別子(MID)であってよい。同様に、受信者のID410および代わりの受信者のID415は、受信者または代わりの受信者のSIPアドレス、電話番号、電子メールアドレス、またはモバイルデバイス識別子(MID)のいずれかであってもよい。メッセージ内容のペイロード425は、メッセージの種類に対して規定されたフォーマット、例えばXMLフォーマットで表されうる。受信者向けのメッセージ内容のペイロードは、受信者である行為者により満たされる役割に割り当てられた「セキュリティ」鍵を用いて保護されうる。メッセージのペイロードを暗号化することは、通常、メッセージが患者の個人情報を含む場合に実行されうる。ある例では、メッセージ内容はXMLフォーマットであり、XMLセキュリティ規格がメッセージ内容を保護するために用いられる。
【0065】
仲介器130は、受信者のID410の情報を用いて、意図された受信者にメッセージ400をルーティングすることができる。特定のメッセージの種類に対して定義されたメッセージルーティング処理を実施して、メッセージを受信者に送達することができる。同様に、仲介器130は、送信者のID405の情報を用いて、発信した送信者にメッセージ開封確認をルーティングすることができる(これは、メッセージにより要求される適切な行動の責任を受信者が引受けたことを示唆しうる)。
図4を参照して上で論じられたように、メッセージ開封確認が受信されず、ある閾値の時間内に、発信した通信デバイス1101に中継されない場合、仲介器130はメッセージ400の再ルーティングを試みうる。メッセージ構造400に含まれる期限情報420を用いることで、仲介器130は、メッセージ400を再ルーティングするのに適切な時間を判定することができる。仲介器130は、代わりの受信者のID415の情報を用いて、指定された代わりの受信者にメッセージ400を再ルーティングすることができる。
【0066】
あるいは、メッセージの種類がサブフィールド420で識別されると(明確な期限情報とは対照的に)、仲介器130は、ローカルの仲介器メモリまたは仲介器データベース135のいずれかから、事前に格納されたメッセージフローのルーティング規則を取り出し、メッセージの種類に対する期限を課すことができる。この方法では、仲介器130は、送信者がサブフィールド420に期限を入力しなかった場合でも、メッセージ400に期限を課すことができる。したがって、期限は、サブフィールド420で識別されるメッセージの種類により決まる。
【0067】
複数の個人が、サブフィールド405、410および415の各々で特定され、入力されうる。識別された受信者(または代わりの受信者)の数とは関係なく、仲介器130は、メッセージ開封確認がある閾値の時間内に送信者に中継されない場合、メッセージ400を再ルーティングすることができる。
【0068】
図11は、送信されたメッセージを代わりの受信者に再ルーティングするための、ある実施形態の方法の処理流れ図である(
図2〜9のステップ255参照)。
図10に示す構造を有するメッセージ400が使用される例では、メッセージ400が再ルーティングされるべきであると判定すると、仲介器130は、元のメッセージ400から代わりの受信者のIDの情報415にアクセスすることができる(ステップ305)。代わりの受信者のIDが明確なアドレス(例えばSIPアドレス、電話番号、電子メールアドレス、またはMID)を含まない場合、仲介器130は、ローカルの仲介器130のメモリに格納されたデータベースまたは再ルーティングテンプレートから、代わりの受信者のアドレスを検索することができる(ステップ310)。代わりの受信者のアドレスを用いて、元のメッセージ400は、代わりの受信者に再ルーティングされ送信されうる(ステップ315)。
【0069】
図12は、意図された受信者および代わりの受信者により実行される役割に基づいて、代わりの受信者への送達を確実にするための、ある実施形態の方法で用いる例示的な代替のメッセージ構造である。
図10で示されるメッセージ400と同じように、
図12で示されるメッセージ401は、送信者のID405、受信者のID410、期限情報/メッセージの種類420、およびメッセージ内容のペイロード425を含む。しかし、メッセージは、受信者の役割430のためのデータフィールドも含む。メッセージ401をルーティングする際、仲介器130は、第1の受信者の通信デバイス1102に割り当てられた行為者の役割も考慮する。
【0070】
特定の行為者にメッセージを送信する際、送信者は、受信者430により実行される役割も識別しうる。メッセージヘッダ内で意図された受信者の役割を識別することで、仲介器130は、意図された受信者と同じ役割を実行する別の行為者にメッセージを再ルーティングすることができてもよい。
【0071】
図13は、意図された受信者が実行した役割にしたがって、非同期メッセージが代わりの受信者に再ルーティングされる、ある実施形態の方法の処理流れ図である。仲介器130が、メッセージ(またはメッセージ開封確認)が再ルーティングされなければならない(
図2〜9のステップ255参照)と判定すると、仲介器130のプロセッサは、元のメッセージの役割サブフィールド430から、意図された受信者の役割にアクセスすることができる(ステップ320)。あるいは、仲介器130のプロセッサは、メッセージ受信者IDサブフィールド410からの意図された受信者の名前またはIDを、仲介器130のローカルメモリまたは仲介器のデータベース135に格納された職員名簿またはルーティングテンプレートにおける検索値として用いることで、受信者の役割を判定することができる。意図された受信者の役割がわかっているので、仲介器130のプロセッサは、仲介器130のローカルメモリまたは仲介器のデータベース135に格納されたルーティングテンプレートから、同じ役割を満たす別の行為者を検索することができる(ステップ325)。行為者は優先度の順に列挙されていてもよく、または、仲介器130が具体的な代わりの受信者を選択するのに用いることができる、データ記録に関連する優先度の値を有してもよい。仲介器130のプロセッサは、ルーティングテンプレートに列挙される識別された役割の、次に優先度の高い行為者を判定することができる(ステップ330)。行為者の優先順位または行為者に割り当てられた優先度の値は、各行為者の対応可能性とは無関係であってよい。識別された役割の、次に優先度の高い行為者が選択されると、仲介器130のプロセッサは、選択された行為者が対応可能であるかどうかを判定することができる(判定335)。仲介器130のプロセッサは、動的な対応可能性のテーブル中で選択された行為者の状況を検索することで、行為者の対応可能性を判定することができる(
図14c参照)。選択された行為者が対応可能である場合(すなわち判定335=はい)、メッセージは、選択された行為者の通信デバイスに再ルーティングされ送信されうる(ステップ340)。メッセージは、ルーティングテンプレート内に含まれるアドレス情報を用いて再ルーティングされうる(
図14aおよび14b参照)。動的な状況テンプ
レートを検討した結果(
図14c参照)、仲介器130のプロセッサが、選択された行為者は対応不可能であると判定すると(すなわち判定335=いいえ)、仲介器130のプロセッサは、ルーティングテンプレートに再びアクセスして、識別された役割に対して次に高い優先度を有する行為者を選択することができる(ステップ330)。
【0072】
図14aは、特定の役割を実行する行為者を識別する、例示的なルーティングテンプレートを示す。示された例では、番号1の患者を治療する役割を実行する行為者を含むルーティングテンプレートの一部のみが、列挙される。当業者が理解するように、このテーブルは、全ての役割を列挙することで拡張されうる。この例示的なルーティングテンプレートで示されるように、4人の医師が患者1を治療する役割を割り当てられている。例えば、これらの医師は、患者1の治療に割り当てられた、患者のプライマリケアの医師、専門医、担当医ならびに、研修医または医学生を含みうる。患者1に割り当てられた他のヘルスケアの専門家は、看護師(看護師Aから看護師C)および医師の助手(PA AおよびPA B)も含みうる。患者1に関連するメッセージについて、これらの行為者のいずれかが、患者1を治療することに関連するあるメッセージに関係のある受信者でありうる。行為者の役割を列挙することに加えて(この例では患者1を治療する選択)、ルーティングテーブルは、識別された役割に関連する各行為者のための優先度の値と、メッセージを送信するための主のアドレス(例えば、示されるように電子メールアドレス)と、代わりのアドレス(例えば、示されるようにSMSメッセージを送信するための電話番号)を含みうる。また、
図14aは、役割が患者により定義される例示的なテンプレートの一部だけを例示する。別の実施形態では、例えば、ルーティングテンプレートは、医師Aの患者のための全てのメッセージが医師Bにルーティングされることを規定してもよい(これは例えば、委任の際に起きる)。さらなる例では、ルーティングテンプレートは、特定のICUの医師への全ての呼び出しを、その特定の医師が対応不可能である場合には、医長にルーティングしなければならないと規定することができる。
【0073】
図14bは、役割が行為者の仕事の種類であるルーティングテーブルの別の一部を示す。
図14bに示されるここでの例では、ルーティングテーブルの一部は、具体的な仕事の種類「看護師」を含む。列挙される各看護師の優先度は、例えば看護師(看護師B〜看護師E)を上司(看護師A)からランク付けして並べるように、降順に列挙されうる。したがって、元のメッセージが、メッセージ役割サブフィールド430の役割を「看護師」として識別すると(
図14aに示される「患者1」とは対照的に)、
図14bに示されるルーティングティングテンプレートの一部は、
図14aに示されるルーティングテンプレートの一部とは対照的に、
図13のステップ325で取り出されうる。いずれにしても、同じ動的な状況テンプレートを用いて、各行為者の現在の状況を判定することができる。
【0074】
図14cに示される動的な状況テンプレートは、様々な方法のいずれかを通じて、リアルタイムで更新されうる。例えば、行為者が任意の通信デバイス110nを介してAMCシステム100にログインする度に、行為者の状況は「アウト」から「イン」に変化してもよい。あるいは、動的な状況テンプレートは、手動で更新される作業スケジュールにしたがって変化するように設定されうる。別の実施形態では、動的な状況テンプレートは、例えばMicrosoft Outlook(登録商標)プロファイルのような、企業向けのカレンダーおよび予約システ
ムと連携しても(または場合によってはその一部として実装されても)よい。さらに別の実施形態では、行為者の現在の状況は、行為者の通信デバイスが通信ネットワーク120の範囲に入り、またはそこから出ると変化してもよい。様々な行為者の対応可能性の状況を動的に変更することで、メッセージは、現在メッセージの受信に対応できる行為者のみに適切にルーティングされうる。このように、一部の通信の断絶をシステムから除去することができる。
【0075】
図14aおよび14cに示されるルーティングテンプレートの使用を例示するために、患者1に関するメッセージは、第1の受信者として医師Cに送信されうる。このメッセージをフォーマットする際、送信者の通信デバイスは、送信されるメッセージに関して、患者1を治療すること(または患者1を治療するチームのメンバーであること)を医師Cが実行している役割として識別するメッセージを生成する。医師Cが現在「アウト」である場合(
図14c参照)、医師Cは送信されたメッセージに応答しないので、メッセージ開封確認は仲介器130に返信されない。メッセージ期限情報サブフィールド420で示される期限よりも前の閾値の時間か、メッセージの種類420により仲介器130が課す期限よりも前の閾値の時間のいずれかが過ぎると、仲介器130のプロセッサは、元のメッセージ401から第1の受信者の役割にアクセスすることができる(
図13のステップ320参照)。元のメッセージから適切な役割、この例では患者1のチームのメンバーであることを取り出した後、仲介器130のプロセッサは、役割「患者1」のためのルーティングテンプレートにアクセスし、識別された役割を満たす他の行為者を検索することができる(
図13のステップ325参照)。仲介器130のプロセッサは、識別された役割のための次に優先度の高い行為者を選択することができる(
図13のステップ330参照)。ここでの例では、医師Aが最高の優先度を有する(優先度=1)。仲介器130のプロセッサは、次いで、例えば
図14cで示されるように動的な状況テンプレートで医師Aの現在の状況を調べることによって、医師Aが対応可能であるかどうかを判定することができる。
図14cに示される動的な状況テンプレートは、医師Aが現在「アウト」(すなわち対応不可能)であることを示すので、仲介器130のプロセッサは、患者1のチームのメンバーのためのルーティングテンプレートに再びアクセスし、次に優先度の高い行為者を選択することができる(
図13のステップ330参照)。患者1のチームのメンバーのための、
図14aのルーティングテンプレートは、医師Bが次に高い優先度を有することを示す(優先度=2)。仲介器130のプロセッサは、次いで、
図14cに示される動的な状況テンプレートで医師Bの現在の状況を調べることによって、医師Bが対応可能であ
るかどうかを判定することができる。動的な状況テンプレートは、医師Bも現在「アウト」(すなわち対応不可能)であることを示す。したがって、仲介器130のプロセッサは、患者1のチームのメンバーのためのルーティングテンプレートに再びアクセスし、次に優先度の高い行為者を選択する(ステップ330)。この処理は、選択された行為者が対応可能であると判定されるまで続きうる。ここでの例では、次に優先度が高く対応可能でもある選択された行為者は、医師Dである。したがって、この例では、仲介器130のプロセッサは、ルーティングテンプレートから医師Dに関連するアドレスを取り出し、元のメッセージ401を医師Dに中継する(
図13のステップ340参照)。
【0076】
図14a〜14cは代表的な例示のデータ構造であって、様々な異なるデータ構造を用いて様々な実施形態を実施することができることを、当業者は理解するだろう。例えば、行為者の情報が1つのテーブル(例えば、各行為者の連絡先、役割、責任、組織での立場などを列挙する単一のテーブル)のみに列挙されるように、複数の相互参照されたデータテーブルを用いることができる。ルーティングテンプレートはさらに、列挙された行為者が実行する役割を規定することができる。例えば、「患者1のチームのメンバー」のためのルーティングテンプレートに加えて、「患者1の看護師」、「患者1のPA」のために作成された追加のルーティングテンプレートが存在しうる。同様に、「緊急治療室の看護師」、「小児科の看護師」、「腫瘍学の看護師」などを規定するルーティングテンプレートも存在しうる。
【0077】
代替的な実施形態では、メッセージ構造は、受信者の役割のためのサブフィールドを含まなくてもよい。例えば、
図15は、発信した送信者のID405、意図された受信者のID410、期限情報またはメッセージの種類420、およびメッセージ内容のペイロード425を含む、例示的なメッセージ構造を例示する。このメッセージ構造402にないのは、受信者の役割または代わりの受信者の表示である。AMCシステム100内でそのようなメッセージを適切に再ルーティングするために、仲介器130のプロセッサは、
図19で示される処理の流れで例示されるような方法を実施することができる。
図19を参照すると、仲介器130が、メッセージ(またはメッセージ開封確認)が再ルーティングされなければならないと判定した場合(
図2〜9のステップ255参照)、仲介器130のプロセッサは、意図された受信者のIDのための再ルーティングテンプレートを検索し、意図された受信者のIDに関連する役割を調べることができる(ステップ350)。役割が判定されると、仲介器130のプロセッサは、
図13のステップ325〜345を参照して上で説明されるのと同じ方法でメッセージを再ルーティングすることができる。
図19の処理の流れで示される、メッセージ構造402および代替的な実施形態の方法は、各行為者が単一のルーティングテンプレートに現れる環境で実施されうる。
この方法では、行為者の役割は、行為者が列挙される単一のルーティングテンプレートを検索することによって、判定されうる。例えば、行為者はチームとして組織化されることがあるので、メッセージは他のチームのメンバーに再ルーティングされうる。あるいは、各行為者が複数のルーティングテンプレートに現れうる場合、仲介器130はメッセージ自体から追加の情報を得ることを試みて、意図される受信者の役割を判定することができる。例えば、仲介器130は、メッセージの種類、患者の識別子、送信者の役割、前の送信者、またはメッセージのスレッド中の前のメッセージの受信者、およびこれらまたは他のパラメータの任意の組み合わせに注目して、意図された受信者の役割を判定することができる。そのような複数の要因による判定は、メッセージを固有の終点(すなわち最終的な受信者)に効果的に再ルーティングするために、論理表または人工知能の規則エンジンを用いること
ができる。
【0078】
図16は、別の代替的な実施形態で用いる例示的なメッセージ構造である。このメッセージ構造403には、送信者のIDも受信者のIDも含まれない。代わりに、送信者および意図された受信者の両方の役割のみが、メッセージ構造のサブフィールド450および455にそれぞれ含まれる。そのようなメッセージ403を適切にルーティングするために、仲介器130のプロセッサは、最初のルーティング手順においてルーティングテンプレート(例えば
図14a〜14c)を取り出す。送信者が意図された受信者を役割によってのみ指定する場合、仲介器130のプロセッサは、指定された受信者の役割455にしたがって適切なルーティングテンプレートを取り出すことができ、
図13を参照して上で説明されるような方法を実施することによって、適切な受信者を決定することができる。したがって、メッセージの受信者を選択する処理は、最初のルーティングと、メッセージ開封確認が期限内に返信されない場合のメッセージの再ルーティングとの両方に対して実行される。
図16に示されるようなメッセージ構造403を用いる代替的な実施形態では、メッセージの送信者は、メッセージの受信者が誰であるのかを認識していないことがある。むしろ、送信者は、メッセージ403を受信しメッセージに対して行動/応答しなければならない具体的な役割のみを知っていることがある。
【0079】
図17は、別の代替的な実施形態で用いる例示的なメッセージ構造である。このメッセージ構造404では、送信者のID405および受信者の役割455のみが含まれる。多くの場合、送信者は、識別された役割を満たす特定の行為者のIDを知らない。その結果、送信者は、どの役割がメッセージを受信するおよび/またはメッセージに応答するのにふさわしいかのみを識別することができる。そのようなメッセージ404を適切にルーティングするために、仲介器130のプロセッサは、最初のルーティング手順において、ルーティングテンプレート(例えば
図14a〜14c)を取り出す。
図16に示されるデータ構造と同じように、仲介器130のプロセッサは、指定された受信者の役割455にしたがって、適切なルーティングテンプレートを取り出すことができ、
図13を参照して上で説明されたような方法を実施することによって適切な受信者を判定することができる。
図16に示されるようなメッセージ構造404を用いる代替的な実施形態では、メッセージの送信者は、メッセージの受信者が誰であるのかを認識していないことがある。むしろ、送信者は、メッセージ404を受信しメッセージに対して行動/応答しなければならない具体的な役割のみを知っていることがある。
メッセージ構造404は、送信者の役割がメッセージ構造403のサブフィールド450で単に識別されるのとは対照的に、送信者のIDがサブフィールド405で識別されるという点で、
図16に示されるメッセージ構造403とは異なる。
【0080】
図18は、別の代替的な実施形態で用いる例示的なメッセージ構造である。このメッセージ構造406では、送信者の役割450および受信者のID410のみが、メッセージ構造サブフィールドで識別される。いくつかの例では、送信者は、共有の通信デバイス110からメッセージを送信することができる。例えば、デスクトップコンピュータを全ての看護師のために看護師室で使用することができ、そのデスクトップコンピュータからメッセージが送信されうる。したがって、全ての送信者の役割は知られうるが、具体的な送信者のIDは未知でありうる。メッセージは、具体的な受信者のIDを識別することにより送信されうる。全てのメッセージ開封確認は、ルーティングテンプレートにしたがって、共用通信デバイス(例えば看護師室のコンピュータ)に割り当てられうる同じ役割にルーティングされる。
【0081】
様々な実施形態のメッセージ構造のいずれかを用いて、発信メッセージが送信されうることを、当業者は理解するだろう。応答メッセージは、発信メッセージと同じメッセージ構造、または本明細書で開示される様々な実施形態のメッセージ構造のいずれか用いて、作成されうる。
【0082】
図1で示されるAMCシステムの追加の特徴は、仲介された同報、リアルタイムの期限の通知、期限を用いた優先度の実装、動的なリマインダー、冗長制御、および1対多数の通信を含む。仲介された同報の仕組みにより、メッセージの複数の受信者への送信(例えば1対多数の通信の仕組み)、ならびにメッセージが受信されたか、読まれたか、および応答されたかの監視を可能にする。1対多数の通信の仕組みは、1対多数の非同期通信を可能にする。例えば、1101により発信されるメッセージは、受信者の通信デバイス1102、1103、…110Nに同報されうる。仲介器130は、メッセージ開封確認の受信を監視して、受信者の通信デバイス1102、1103…110Nの各々によりメッセージが受信され、読まれ、応答されたことを確かめることができる。一態様では、確認メッセージが、発信した通信デバイス1101に返信される。一態様では、仲介された同報の仕組みは、複数の受信者への同時の同報を含む。別の態様では、仲介された同報の仕組みは、メッセージの同時ではない同報を含む。
【0083】
リアルタイムの期限の通知の仕組みにより、メッセージの状況確認および通信内容からの必要性(例えばメッセージの内容)に基づく期限の修正を可能にする。一態様では、状況確認の仕組みへのアクセスは、所定の行為者、役割、受信者および/またはこれらの組み合わせに限定される。一態様では、期限を修正する権限は、所定の行為者、役割、受信者および/またはこれらの組み合わせに限定される。ヘルスケア産業における例を用いると、メッセージは、看護師および医師に同時に送信されうる。看護師は、医師がメッセージを読んだかどうかを確認するのに十分な、確認状況へのアクセス権を与えられうる。ある例では、看護師は、医師がメッセージを読んでいないということを状況が示す場合、メッセージを医師に再送信することができる。再送信されるメッセージは、メッセージの優先度を示す警告通知を含みうる。別の例では、看護師は、メッセージ内容からの必要性に基づいて期限を修正し、修正された期限とともにメッセージを医師に再送信することができる。これらの例は、状況確認、手動の介入、および期限の修正を例示するものである。
【0084】
本明細書で開示されるAMCシステムは、期限を用いて優先度を実装する仕組みを含む。メッセージの優先度は、メッセージに関連する期限に基づいて割り当てられうる。期限は、メッセージ内容の重要性により決まりうる。一例では、メッセージ内容が重要であるほど、メッセージが受信者に伝達されなければならない期限は短く、優先度は高くなる。
【0085】
ある実施形態では、メッセージが期限内に読まれない場合、リマインダーが受信者に送信されうる。一態様では、リマインダーは、意図される受信者の役割を満たす別の行為者、または別の役割全体に送られる。例えば、メッセージが閾値の時間内に、ルーティングテンプレートおよび再ルーティングテンプレートの中のいずれの医師によっても読まれなかった場合、リマインダーメッセージは、医師を見つけることができ、かつメッセージを再生または表示しなければならないと医師に気付かせることができる、看護師に送信されうる。一例では、役割は、メッセージ内容、優先度、役割を実行する行為者、および/またはこれらの組み合わせなどの、1つまたは複数に基づいて判定される。一態様では、追加のリマインダーもしくはリマインダーの修正が必要な場合には、リマインダーを追加することができ、または状況の変化によって修正することができる。ある態様では、リマインダーは期限の形態である。
【0086】
冗長制御の仕組みは、受信者により受信されるメッセージの種類を細かく調整するための、メッセージの冗長制御を可能にする。一態様では、冗長制御のパラメータは、ユーザーの場所、役割、時間などのような入力に基づく。この例のユーザーは、送信者および/または受信者を含みうる。一態様では、冗長制御のパラメータの1つまたは複数は、許されるメッセージの長さを決定する。上で言及されるAMCシステムの仕組みは、本開示の趣旨または範囲に影響を与えることなく、個別に実装されても他の仕組みと組み合わせて実装されてもよく、非同期仲介通信の概念を実現しうることが、当業者には明らかであろう。
【0087】
一態様では、メッセージは以下の仕組み、すなわち、役割に基づくルーティング、メッセージのリダイレクト、仲介された同報、リアルタイムの期限の修正、期限に基づく優先度の実装、動的なリマインダー、または冗長制御のうちの、1つまたは複数を可能にするための関連するメタデータを含み、非同期仲介通信を実現する。
【0088】
複数の受信者が、元の、または再ルーティング処理を介した非同期通信メッセージのいずれかを受信するので、メッセージに対する対応に何らかの混乱または重複が生じうる。
例えば、ヘルスケア産業では、特定の個人がメッセージに応答することは重要ではないことは多い。しかし、ある人がメッセージに応答することが重要であることもある。メッセージは、複数の受信者に最初にルーティングされ、かつ/または再ルーティングされることがあるので、複数の受信者が、他の受信者が既にメッセージに応答した、または応答しているということを知らずに、同時にメッセージに応答することがありうる。この対応の重複は非効率であるだけでなく、重複した応答が、例えばフォローアップの際どの受信者に連絡すべきか、または複数の指示がいつ出されたのか、というような混乱を引き起こしうる。したがって、メッセージに対する応答を監視し、メッセージに対する重複した応答を避けるための方法は、効率を改善し、混乱を少なくすることができる。
【0089】
図20は、非同期仲介通信ネットワークにおいて、意図された受信者が対応不可能である場合にメッセージを再ルーティングするための、メッセージの状況を監視して重複した応答を避けることを含む、ある実施形態の方法の処理流れ図である。
図21は、送信されたメッセージが期限より前の所定の時間内に読まれない場合に、メッセージを再ルーティングするための、メッセージの状況を監視して重複した応答を避けることを含む、ある実施形態の方法の処理流れ図である。
図22は、送信されたメッセージに対する責任が、期限より前の所定の時間内に受信者(元のまたは再ルーティングされた)により負われなかった場合に、メッセージを再ルーティングするための、メッセージの状況を監視して重複した応答を避けることを含む、ある実施形態の方法の処理流れ図である。
図20〜22に示される処理の流れは、
図3および4に示される処理の流れと同様であるので、同様に番号が付けられたステップ(205〜255および260〜271)の前述の説明は、
図20〜22に当てはまる。
【0090】
メッセージが送信者の通信デバイス1101から受信者の通信デバイス1102〜Nに送信されると、メッセージは仲介器130により受信され、受信者にルーティングされる(上のステップ210、
図2、4および9参照)。メッセージを監視するために、仲介器130は、監視のためのメッセージを準備するステップも実行することができる(ステップ280)。監視のためのメッセージを準備することに関係するステップ(ステップ280)は、
図23を参照して以下でより詳細に論じられる。
図20〜22は、メッセージのルーティング(ステップ210)に続いてステップ280を実行することを示すが、監視のためのメッセージを準備するステップは、仲介器130がメッセージを受信者の通信デバイス1102〜Nに中継する(ステップ210)前、その後、またはそれと同時に実行してもよい。
【0091】
メッセージが上申および再ルーティングを必要とする場合(ステップ255)、仲介器は、監視テーブルのデータエントリーに、再ルーティングされた受信者に関する情報を加えることができる(ステップ281)。仲介器130が再ルーティングされた受信者に関する情報を監視テーブルに加えると(ステップ281)、仲介器130はステップ260に戻り、受信者からのメッセージ開封確認を待機することができる。
【0092】
図22は、送信されたメッセージに応じて行動する責任が、期限より前の所定の時間内に仲介器130により肯定的に受信されなかった場合に、メッセージを再ルーティングするための代替的な実施形態の方法の処理流れ図である。
図22に示される代替的な実施形態の処理の流れは、メッセージに対する責任を引受ける受信者の一部において積極的な行動が必要とされることを除き、
図21に示される処理の流れと同様である。
図21を参照して上で説明された実施形態では、受信者がメッセージを開くと、受信者は、メッセージおよび元のメッセージにより必要とされる任意のその後の行動に対する責任を暗に受け入れることが仮定されうる。したがって、メッセージ開封確認の返信は、受信者が元のメッセージに対する責任を引受けたことを示すものとして扱われる。しかし、
図22に示される代替的な実施形態では、受信者は元のメッセージを開くが、必要な行動を取るという責任を引受けないことを選択しうることが仮定されるので、責任の肯定的な引受け(ステップ282)が、メッセージが監視された受信動作が始まりうる前に必要とされる。
【0093】
図22に示される代替的な実施形態では、仲介器130は、受信者からの責任の引受けの肯定的な指示を待機する(ステップ261)。責任の引受けの肯定的な指示は、受信者が元のメッセージに対する責任を明示的に受け入れる、仲介器130に戻るメッセージであってよい。例えば、メッセージの返信は、何らかの電子メールメッセージングシステム(例えばMicrosoft Office(登録商標)の「投票ボタン」)で提供されるような、受け入れもしくは肯定
的な応答メッセージ、または、受信者が明示的に責任を負う文書による応答メッセージであってよい。あるいは、受信者は、受信者の責任の引受けを示す何らかの他の肯定的な行動、または、メッセージにより必要とされるまたは要求される行動を実行してもよい。例えば、受信者は、元のメッセージに含まれる入れ子にされた行動テンプレートで識別される行動のうちの1つを実行してもよい。あるいは、受信者は、元の送信者に応答するなど、何らかの他の行動を実行してもよい。いずれの場合でも、肯定的な行動がなされたことを示すメッセージを生成し、仲介器130に送信することができる(ステップ231)。受信者の通信デバイスだけではなく、様々な通信デバイスのいずれもこのメッセージを送信することができる。例えば、放射線科医が、読む必要があるX線写真を示すメッセージを受信し、ワークステーションでその仕事を実行すると、そのワークステーションは肯定的な行動メッセージを生成し、仲介器130に送信することができる。責任の引受けの指示を受信すると(すなわち判定266=はい)、仲介器130は、メッセージが監視された受信動作を開始しうる(ステップ282)。このように、元のメッセージは、受信者(元のまたは再ルーティングされた)が元のメッセージおよび元のメッセージにより必要とされる任意の行動に対する責任を肯定的に引受けるまで、再ルーティングされ続ける。
【0094】
図20〜22に示される実施形態の方法では、メッセージ開封確認を単に中継する(
図3および4のステップ235)のではなく、仲介器130は、メッセージを監視する受信動作を実行することができる(ステップ282)。
図24を参照して以下でより詳細に論じられるように、仲介器130は、元の送信者にメッセージ開封確認を中継することに加えて、複数の受信者が非同期メッセージを受信したかどうかを判定し、複数の受信者の各々への削除命令メッセージを生成することができる(ステップ235)。メッセージを監視する受信動作は、
図24を参照して以下でより詳細に説明される。
図20〜22は、再ルーティングされたメッセージのメッセージ状況を監視するためのある実施形態の方法を示すが、
図20〜22に示される処理の流れは、再ルーティングされていないメッセージのメッセージ状況を監視することもできる。例えば、元の送信者がメッセージを複数の受信者に宛てた場合、複数の受信者のうちの1人だけがメッセージに応答することを確実にするために、メッセージの状況を監視することが望ましいであろう。したがって、監視のためのメッセージを準備する(ステップ280および282)ことによって、メッセージが再ルーティングされていない場合でも、仲介器130はメッセージがいつ応答されたかを監視することができ、応答の重複を避けるためのステップをとることができる。
【0095】
図23は、監視のためのメッセージを準備するための、ある実施形態の方法を示す。
図20〜22を参照して上で論じられたように、仲介器130が非同期メッセージを受信してルーティングすると(ステップ210)、仲介器130は、受信者(元のまたは再ルーティングされた)のいずれかが、メッセージ開封確認、または責任の引受けの肯定的な指示を、元の送信者にいつ与えるかを、仲介器が監視できるようにするステップ(ステップ280)を実施することができる。非同期メッセージが最初に送信者の通信デバイス1101から仲介器130により受信されると、仲介器130はメッセージ識別子を非同期メッセージに割り当て、割り当てられたメッセージ識別子を非同期メッセージのヘッダに添付することができる(ステップ350)。仲介器130はまた、非同期メッセージのための監視されたメッセージテーブルのデータエントリーも生成することができる(ステップ351)。データエントリーは、割り当てられ添付されたメッセージ識別子を含みうる。加えて、仲介器130は、各受信者の通信デバイスのアドレスを含む、メッセージのヘッダに含まれる元の受信者に関する情報を取り出すことができる。この情報は、監視されたメッセージテーブル中の割り当てられたメッセージ識別子に対応する元の受信者のための、データフィールドに格納されうる(ステップ352)。メッセージ識別子は、順番にまたはランダムに割り当てられうる。加えて、元のメッセージのヘッダに既に含まれる識別情報は、監視されたメッセージテーブル中のデータエントリーに割り当てられる識別子として用いられうる。例示的な監視されたメッセージテーブルは
図25に示され、以下でより詳細に論じられる。
【0096】
非同期メッセージが再ルーティングされる場合(ステップ255)、仲介器130は、再ルーティングされた受信者に関する情報を、監視されたメッセージテーブルに加えることができる(ステップ281)。再ルーティングされた受信者に関する情報を適切なデータエントリーに正確に追加するために、仲介器130が非同期メッセージを再ルーティングする度に、仲介器130は、ステップ350でメッセージのヘッダに添付されたメッセージ識別子を取り出すことができ、適切なメッセージ識別子のための監視されたメッセージテーブルに情報を格納することができる。
【0097】
図24は、再ルーティングされたメッセージの状況を監視するための、ある実施形態の方法を示す。仲介器130が、元のメッセージおよび元のメッセージにより必要とされる任意のその後の行動に対する責任の引受けの指示(暗黙のまたは肯定的な)を受信者から受信すると、仲介器130は、メッセージが監視された受信動作を実行することができる(ステップ282)。
図24で示されるように、メッセージが監視された受信動作282は、仲介器130が責任の引受けの指示を受信者から受信するときに開始されうる(ステップ355)。仲介器130は、メッセージのヘッダからメッセージ識別子を取り出すことができる(ステップ356)。メッセージ識別子を用いて、仲介器は、監視されたメッセージテーブルにおいて対応するデータエントリーを取り出すことができる(ステップ357)。仲介器130は、監視されたメッセージテーブルに、識別されたメッセージに対応する複数の受信者(元のまたは再ルーティングされた)が列挙されているかどうかを判定することができる(判定358)。監視されたメッセージテーブルに列挙された受信者が1人だけである場合(すなわち判定358=いいえ)、これは、元の送信者が1人だけの受信者にメッセージを送信し、メッセージが再ルーティングされなかったことを示す。したがって、メッセージは、元の受信者のメッセージキューにのみ現れる。したがって、重複の可能性はない。その結果、仲介器130は、さらなる動作なしで、責任の引受けの指示を元の送信者に中継することができる(ステップ235)。前に論じられたように、責任の引受けの指示は、メッセージ開封確認または、責任の引受けの肯定的な指示でありうる。
【0098】
監視されたメッセージテーブルのデータエントリーに複数の受信者が列挙されている場合(すなわち判定358=はい)、これは、元の送信者が複数の受信者にメッセージを送信したことか、メッセージが再ルーティングされたことのいずれかを示す。したがって、メッセージは、複数の受信者のメッセージキューに現れる。メッセージへの重複した応答および起こりうる混乱を避けるために、仲介器130は、監視されたメッセージテーブルに列挙された、元のおよび再ルーティングされた受信者のアドレス情報の全てを取り出すことができる(ステップ359)。仲介器130は、削除命令メッセージを生成し、取り出された受信者のアドレスに宛てることもできる(ステップ360)。次いで、仲介器130は、非同期メッセージが全ての受信者のメッセージキューから削除されるように、元のおよび再ルーティングされた受信者の全てに削除命令メッセージを送信することができる(ステップ370)。削除命令メッセージは、ショートメッセージサービス(SMS)メッセージ、マルチメディアメッセージサービス(MMS)、拡張メッセージサービス(EMS)、電子メール、または同様の種類のメッセージの形態であってよい。そのような削除命令メッセージは、非同期メッセージに応じた行動がとられたので非同期メッセージは受信者の通信デバイスのメッセージキューから手動で削除されてもよいということを受信者に知らせる、受信者に可読の命令メッセージであってよい。あるいは、削除命令メッセージは、受信者の通信デバイス1102〜Nに、受信者のメッセージキューから識別されたメッセージを見つけさせて削除させる、実行可能命令(例えばXMLストリング)であってよい。仲介器130はまた、メッセージ開封確認を元の送信者に中継することもできる(ステップ235)。仲介器130は、ステップ359〜360および370のいずれかよりも前に、その後に、またはそれと同時に、責任の引受けの指示を元の送信者に中継することができる。仲介器130が責任の引受けの指示を元の送信者に中継すると、仲介器130は、責任の引受けの指示を次に受信するのを待機することができる。
【0099】
代替的な実施形態(図示せず)では、仲介器130はさらに、削除指示を受信した元のおよび再ルーティングされた受信者の全てに、メッセージが各自のメッセージキューから削除されたということを受信者に示すメッセージを、送信することができる。メッセージは、削除されたメッセージの内容および/または削除の理由に関する何らかの表示を、受信者に与えることができる。この方法で、自身のメッセージキューに新しいメッセージを見つけることができるが受信されたメッセージを開かなかった、または読まなかった受信者は、自身のキューの中での自動削除動作を通知されうる。また、この実施形態は、他の誰が仕事の責任を引受けたかを受信者が知ることを可能にし、このことは、作業の流れおよび責任を調整する上で有用でありうる。
【0100】
図25は、ある実施形態で用いるのに適切でありうる、監視されたメッセージテーブルの例である。監視されたメッセージテーブルは複数のデータエントリーを含んでもよく、仲介器130を通じてルーティングされる仲介された各メッセージについて、1つのデータエントリーが存在する。監視された各メッセージのデータエントリーは、メッセージ識別子400により識別されうる。メッセージ識別子は、仲介器130により任意に割り当てられてもよく、または、メッセージのヘッダ自体から取り出された情報から選択されてもよい。仲介器130が任意のメッセージ識別子を割り当てる場合、割り当てられたメッセージ識別子は、メッセージのヘッダ自体に添付されうる。各データエントリーはまた、送信者により入力された元の受信者の情報を含んでもよい。元の受信者のアドレス情報402は、実際の通信デバイスのアドレス情報を取得するための、再ルーティングテンプレート(例えば、
図14a〜14cに示されるような)のいずれかに相関する受信者名またはラベルの形態であってよい。あるいは、実際の受信者のアドレス情報は、監視されたメッセージテーブルに列挙されうる。同様に、再ルーティングされた受信者のアドレス情報404は、通信デバイスのアドレス情報を取得するための、再ルーティングテンプレート(例えば、
図14a〜14cに示されるような)のいずれかに相関しうる受信者名またはラベルの形態であってよい。メッセージが再ルーティングされる度に、再ルーティングされた受信者のアドレス情報のリストが増えてもよい。この方法で、仲介器130は、メッセージの可能性のある受信者の全てが、削除命令メッセージを受信することを確実にすることができる。したがって、1人の受信者が元のメッセージに応答すると、メッセージの他の全ての保留中のコピーが、他の受信者の通信デバイス1102〜Nから削除されうる。
【0101】
上で説明された実施形態は、例えば、携帯電話、携帯電話および/またはWIFI送受信機を備える携帯情報端末(PDA)、モバイル電子メール受信機、モバイルウェブアクセスデバイス、ラップトップコンピュータ、パームトップコンピュータ、ならびに他のプロセッサ装備のデバイスのような、様々な通信デバイスのいずれにおいても実施されうる。加えて、本明細書で開示される様々な実施形態は、固定のデスクトップコンピュータを含む、任意のプロセッサ装備のデバイスにより実施されうる。通常、そのようなポータブルのコンピューティングデバイスは、
図26に示される構成要素を共通に有する。例えば、通信デバイス110は、内部メモリ192に結合されるプロセッサ191とディスプレイ11とを含みうる。
さらに、通信デバイス110、180は、無線データリンクに接続された電磁放射を送信し受信するためのアンテナ194、および/またはプロセッサ191に結合された携帯電話送受信機195を有しうる。いくつかの実装形態では、携帯電話通信に用いられる、送受信機195とプロセッサ191の一部とメモリ192とは、無線データリンクを介してデータインターフェースを提供するので、無線インターフェースと呼ばれる。通信デバイス10は通常、ユーザーの入力を受け入れるための、キーパッド13またはミニチュアキーボードと、メニュー選択ボタンまたはロッカースイッチ12も含む。プロセッサ191はさらに、マイクロフォン19およびスピーカー18に接続されるボコーダ199に接続されうる。通信デバイス110は、プロセッサ191を、パーソナルコンピュータまたは外部のローカルエリアネットワークのような外部のコンピューティングデバイスに接続するための、universal serial bus(USB)またはFireWire(登録商標)コネクタソケットのような有線ネットワークインターフェース194も含みうる。
【0102】
プロセッサ191は、上で説明された様々な実施形態の機能を含む様々な機能を実行するように、ソフトウェア命令(アプリケーション)により構成されうる、任意のプログラム可能なマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータまたは複数プロセッサのチップ(1つまたは複数)であってよい。一態様では、プロセッサ191は、AMCシステムの仕組みの1つまたは複数を実行するための、メモリ192に格納されたソフトウェアを実行することができる。AMCシステムの仕組みは、限定はされないが、役割に基づくメッセージのルーティング、手動または自動のメッセージのリダイレクト、1対複数の通信を含む仲介された同報、リアルタイムの期限の修正、期限を用いた優先度の実装、動的なリマインダー、冗長制御などを含む。いくつかの通信デバイス110では、無線通信機能に専用の1つのプロセッサおよび他のアプリケーションの実行に専用の1つのプロセッサのような、複数のプロセッサ191が提供されうる。通常、ソフトウェアアプリケーションは、アクセスされプロセッサ191にロードされる前に、内部メモリ192に格納されうる。いくつかの通信デバイス110、180では、プロセッサ191は、アプリケーションソフトウェア命令を格納するのに十分な内部メモリを含みうる。これを説明する目的で、用語メモリは、内部メモリ192およびプロセッサ191自体の中のメモリを含む、プロセッサ191によりアクセス可能なすべてのメモリを指す。多くの通信デバイス10では、メモリ192は、揮発性メモリ、フラッシュメモリのような非揮発性メモリ、または揮発性メモリと非揮発性メモリの両方の混合であってよい。
【0103】
上で説明されたいくつかの実施形態はまた、
図27に示されるサーバ380のような、仲介器130として動作する様々なリモートサーバ機器のいずれによっても実施されうる。そのようなリモートサーバ380は通常、揮発性メモリ362に結合されたプロセッサ361と、ディスクドライブ363のような大容量の非揮発性メモリとを含む。サーバ380はまた、プロセッサ361に結合された、フレキシブルディスクドライブおよび/またはコンパクトディスク(CD)ドライブ366も含みうる。通常、サーバ380はまた、キーボード(図示せず)およびディスプレイ(図示せず)のようなユーザー入力デバイスも含む。サーバ380はまた、データ接続を確立するための、または、USBまたはFireWire(登録商標)コネクタソケットまたはプロセッサ361をネットワーク205に結合するための他のネットワーク接続回路365のような、外部メモリデバイスを受け入れるための、プロセッサ361に結合される複数のコネクタポートも含みうる。
【0104】
したがって、本明細書で開示される、非同期仲介通信方法および装置の利点は、メッセージの内容またはユーザー指定により決まりうる期限にしたがってメッセージの優先度を設定する能力を含む。一態様では、ユーザーはメッセージの期限を設定する。追加の利点には、通信内容からの必要性(例えばメッセージの内容)に基づいてメッセージの期限を修正することが含まれる。人ベースではなく役割ベースのメッセージのルーティングは、利点の一部である。メッセージの手動および/または自動の再ルーティングを含みうる役割の委任、ならびに、必要性に基づくメッセージの上申も全て、本明細書で開示される非同期仲介通信方法および装置の利点の一部である。
【0105】
説明の多くにおいて、ヘルスケア産業に対する言及がなされている。しかし、ヘルスケア産業は一例であり、開示される概念は、本開示の趣旨または範囲に影響を与えることなく、他の用途で実施されうる。したがって、本明細書の説明は、説明を目的とする例を示すものであることに留意されたい。開示された態様の前の説明は、本開示を当業者が実現または使用することができるようにするために提供される。これらの態様への様々な修正が当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般的な原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の態様に適用されうる。
【0106】
前述の方法の説明および処理流れ図は、単に説明のための例として提供され、様々な実施形態のステップが提示された順序で実行されなければならないことを、要求または示唆することは意図していない。当業者が理解するように、前述の実施形態のステップの順序は、任意の順序で実行されうる。
【0107】
当業者により理解されるように、前述の実施形態を実施するために使用されるハードウェアは、マイクロプロセッサユニット、マイクロコンピュータユニット、プログラム可能な浮動小数点ゲートアレイ(FPGA)、および特定用途向け集積回路(ASIC)を含む、命令のセットを実行するように構成された処理要素および記憶要素であってよく、命令のセットは、上の方法に対応する方法のステップを実行するためのものである。あるいは、いくつかのステップまたは方法は、所与の機能に特有の回路により実行されうる。
【0108】
本明細書で開示される実施形態とともに説明される、様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムのステップは、電子的ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはこれら両方の組み合わせとして実装されうることを、当業者は理解するだろう。このハードウェアとソフトウェアの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、上では一般にそれらの機能に関して説明されてきた。そのような機能がハードウェアで実装されるかソフトウェアで実装されるかは、具体的な用途およびシステム全体に課される具体的な設計制約により決まる。当業者は、説明された機能を、それぞれの具体的な用途のために様々な方法で実装することができるが、そのような実装に関する決定は、本発明の範囲からの逸脱を引き起こすものと解釈されるべきではない。
【0109】
本明細書で開示される実施形態とともに説明された方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアで直接、プロセッサにより実行されるソフトウェアモジュールで、またはこれら2つの組み合わせで具現化されうる。ソフトウェアモジュールは、プロセッサ可読記憶媒体および/またはプロセッサ可読メモリに存在してよく、プロセッサ可読記憶媒体とプロセッサ可読メモリの両方は、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている任意の他の有形のデータ記憶媒体であってよい。さらに、プロセッサ可読メモリは、2つ以上のメモリチップ、プロセッサチップ内部のメモリ、別々のメモリチップ、ならびに、フラッシュメモリおよびRAMメモリのような異なる種類のメモリの組み合わせを含みうる。本明細書でのモバイルハンドセットのメモリへの言及は、特定の構成、種類またはパッケージングに限定することなく、モバイルハンドセット内のメモリモジュールの任意の1つまたは全てを包含することを意図している。例示的な記憶媒体は、モバイルハンドセットまたはテーマサーバのいずれかのプロセッサに結合されるので、プロセッサは、記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができる。代替的には、記憶媒体はプロセッサと一体であってもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC内に存在してもよい。
【0110】
様々な実施形態の前述の記述は、当業者が本発明を実現または使用することができるようにするために提供される。これらの実施形態への様々な修正が、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般的な原理は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用されうる。したがって、本発明は本明細書で示された実施形態に限定されることを意図しておらず、その代わりに、特許請求の範囲は、本明細書で開示される原理および新規の特徴と矛盾しない、最大の範囲を認められるべきである。