(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記2つの構成可能材料のうちの少なくとも1つは、前記エネルギー源からのエネルギーに曝露されると、物理的な構造の変化を起こすことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書に記載される実施形態は、特定のタイプの放射線への曝露時に物理的特性または属性を変化させる材料を用いて構成可能な複数の成分および/または層を有する構造を含む様々な構造の1つまたは複数のゴルフボールに関する。ゴルフボールの構造にこのような構成可能材料を用いると、様々な製造後改質プロセスを適用することによって、ゴルフボールのための広範囲の属性を与えることができる。製造後改質プロセスをストックゴルフボールに適用することによって、ストックゴルフボールの属性が、様々な物理的特性および/またはプレー特性を達成するように変化され得る。この構成では、少数の個別の在庫管理単位(SKU)を用いて、特性またはプレー特性における消費者の好みに応じて、ゴルフボールのためのより広い範囲の属性が、消費者に与えられ得る。
【0015】
例示のために、図に示されるゴルフボールは、滑らかなカバーを備えた状態で示され得る。しかしながら、図に示され、本明細書における様々な実施形態に記載される実施形態が、当該技術分野において公知であるようなディンプルのタイプ、形状、および/または構成を含むディンプルを含み得ることを理解されたい。
【0016】
一般に、ゴルフボールは、様々な形態で作製され得、様々な材料から構成され得る。ゴルフボールの形態としては、ワンピース、ツーピース、スリーピース、および/またはフォーピースおよびより多い形態が挙げられるが、これらに限定されない。各形態は、カバーを含む。場合によっては、カバー材料としては、ウレタン、バラタ、合成バラタ、Surlyn(登録商標)、エラストマー、および他の材料が挙げられるが、これらに限定されない。ゴルフボールの内側組成物は、ゴルフボールが、ツーピース形態であるか、スリーピース形態であるか、またはフォーピース形態であるかに応じて、コア、マントル、およびさらなるコアまたはマントル層を含み得る。ゴルフボールの内側組成物は、天然ゴム、バラタ、合成ゴム、プラスチック、熱可塑性物質、ポリマー、エラストマー、樹脂、および他の材料ならびに複数の材料の組合せを含むがこれらに限定されない様々な材料を含み得る。
【0017】
図1〜4は、構成可能材料を含むゴルフボールの様々な異なる例示的実施形態を示す。本明細書および特許請求の範囲全体を通して使用される「構成可能材料」という用語は、エネルギー源からのエネルギーへの曝露に応答して構造の不可逆的な物理的変化を起こす材料の群を指す。例えば、熱硬化性および熱可塑性ポリマーが、熱または放射線などのエネルギー源に曝露されるのに応答して構造の不可逆的な物理的変化を起こす構成可能材料の1つのタイプである。
【0018】
一般に、構成可能材料は、特定のエネルギー源に応答して構造の不可逆的な物理的変化を直接起こす材料、ならびに十分なレベルの加熱に曝露されたときに重合を起こす熱に不安定な材料内に取り込まれたエネルギー源によって直接影響される1つまたは複数の材料の組合せである材料を含み得る。この構成では、構成可能材料は、エネルギー源への曝露に応答して構造の不可逆的な物理的変化を直接または間接的に起こす材料を含み得る。
【0019】
ある実施形態において、構成可能材料は、熱硬化性および熱可塑性ポリマー、不飽和オリゴマーおよび/またはモノマー、不飽和ポリマーを含むγ線に不安定な材料、アクリルオリゴマーを含むフリーラジカル材料、熱により脱離(unblocking)しやすいブロックトイソシアネートを含むブロックされた材料、様々なレベルの熱による活性化に供される窒素発泡剤、ステアリン酸またはオレイン酸などの脂肪酸を含む高双極子モーメント分子、および/または加熱すると重合を起こす熱に不安定な材料内に取り込まれた磁性分子を含むがこれらに限定されない1つまたは複数の材料を含み得る。構成可能材料は、単独で、または他の構成可能材料および/または非構成可能材料と組み合わせて配置され得る。
【0020】
ある実施形態において、様々なタイプのエネルギー源が、特定の構成可能材料との相互作用に基づいて選択され得る。使用され得る異なるタイプのエネルギー源としては、熱、紫外線曝露、赤外線曝露、γ線照射、マイクロ波放射線、電子(電子ビーム)放射線、磁気誘導、ならびに任意の他の電磁放射線が挙げられるが、これらに限定されない。他の実施形態において、異なるエネルギー源が、実質的に同様のタイプのエネルギー源であってもよいが、波長、強度、および/または曝露の持続時間などの異なる特性を有していてもよい。
【0021】
本明細書に記載される様々な実施形態において、構成可能材料が、ゴルフボールの1つまたは複数の層に配置され得る。場合によっては、構成可能材料は、ゴルフボールの1つまたは複数の層の実質的に全てを含み得る。他の場合、構成可能材料は、ゴルフボールの1つまたは複数の層の一部を含み得る。さらに他の場合、構成可能材料は、いくつかの層中に存在してもよく、従来の材料が、いくつかの層中に存在してもよい。ある実施形態において、構成可能材料は、ゴルフボールの1つまたは複数の層中の固体材料として配置され得る。他の実施形態において、構成可能材料は、ゴルフボールの1つまたは複数の層中の液体材料として配置され得る。例えば、例示的実施形態において、構成可能材料は、液体コアに様々な粘度を与えるように様々なレベルまで重合される液体コア中に配置され得る。後述される本発明の実施形態に加えて、本発明の実施形態に記載される層のいずれかが、本明細書に記載される原理にしたがって、従来の材料または構成可能材料を用いて構成され得ることを理解されたい。
【0022】
ここで、
図1を参照すると、第1の例示的実施形態において、ゴルフボール100は、カバー102およびコア104を含むツーピース形態を含み得る。この実施形態において、カバー102および/またはコア104のうちの1つまたは複数が、構成可能材料を含み得る。例示的実施形態において、コア104は、第1のエネルギー源によって影響される第1の構成可能材料を含み得る。別の実施形態において、カバー102は、第2のエネルギー源によって影響される第2の構成可能材料を含み得る。場合によっては、第1のエネルギー源および第2のエネルギー源は、異なっていてもよい。他の場合、第1のエネルギー源および第2のエネルギー源は、同じであってもよい。さらに他の場合、第1のエネルギー源および第2のエネルギー源は、同じタイプのエネルギー源であってもよいが、波長、強度、および/または曝露の持続時間などの異なる特性を有していてもよい。
【0023】
異なる実施形態において、構成可能材料から構成されないカバー102またはコア104のうちのいずれか1つは、ゴルフボール組成物に通常使用される様々な天然および合成材料を代わりに含み得る。さらに、ある実施形態において、ゴルフボール100は、コーティング106を含み得る。コーティング106は、ゴルフボール100の表面に配置される、塗料、インク、クリアコート、および他のコーティング材料のうちの1つまたは複数であり得る。ある実施形態において、コーティング106は、エネルギー源への曝露に応答して、構造の不可逆的な物理的変化を起こすように、構成可能材料を含み得る。場合によっては、コーティング106は、エネルギー源への選択的曝露によって硬化または固化(harden)され得る。他の場合、コーティング106は、エネルギー源への選択的曝露によって固化(set)または硬化され得る塗料またはインクを含み得る。他の実施形態において、コーティング106は任意選択であり、省略されてもよい。
【0024】
図2を参照すると、第2の例示的実施形態において、ゴルフボール200は、カバー202、マントル層204、およびコア206を含むスリーピース形態を含み得る。この例示的実施形態において、カバー202、マントル層204、および/またはコア206のうちの1つまたは複数が、構成可能材料を含み得る。例示的実施形態において、マントル層204は、第1のエネルギー源によって影響される第1の構成可能材料を含み得る。別の実施形態において、カバー202は、第2のエネルギー源によって影響される第2の構成可能材料を含み得る。別の実施形態において、コア206は、第3のエネルギー源によって影響される第3の構成可能材料を含み得る。場合によっては、第1のエネルギー源、第2のエネルギー源、および/または第3のエネルギー源は、異なっていてもよい。他の場合、第1のエネルギー源、第2のエネルギー源、および/または第3のエネルギー源のうちの1つまたは複数が、同じであってもよい。さらに他の場合、第1のエネルギー源、第2のエネルギー源、および/または第3のエネルギー源のうちの2つ以上が、同じタイプのエネルギー源であってもよいが、波長、強度、および/または曝露の持続時間などの異なる特性を有していてもよい。
【0025】
異なる実施形態において、構成可能材料から構成されないカバー202、マントル層204、またはコア206のいずれかは、ゴルフボール組成物に通常使用される様々な天然および合成材料を代わりに含み得る。ゴルフボール200は、コーティング208をさらに含み得る。コーティング208は、従来のコーティングであってもよく、またはコーティング106に関して上述される材料のいずれかを含む構成可能材料から構成され得る。他の実施形態において、コーティング208は任意選択であり、省略されてもよい。
【0026】
ここで、
図3を参照すると、第3の例示的実施形態において、ゴルフボール300は、カバー302、外側マントル層304、内側マントル層306、およびコア308を含むフォーピース形態を含み得る。この例示的実施形態において、カバー302、外側マントル層304、内側マントル層306、および/またはコア308のうちの1つまたは複数が、構成可能材料を含み得る。一実施形態において、カバー302は、第1のエネルギー源によって影響される第1の構成可能材料を含み得る。この実施形態において、カバー302は、第1のエネルギー源からの電子ビーム放射線に曝露されると、オリゴマー自体を含む利用可能なフリーラジカル材料を用いて不飽和結合を架橋させる不飽和オリゴマーを含み得る。
【0027】
例示的実施形態において、外側マントル層304は、第2のエネルギー源によって影響される第2の構成可能材料を含み得る。この実施形態において、外側マントル層304は、第2のエネルギー源からのマイクロ波放射線に曝露されると熱くなるように構成される、オレイン酸またはステアリン酸などの脂肪酸を含む高双極子モーメント材料を含み得る。高双極子モーメント材料は、分子振動の増加によって熱くなるように構成される。さらに、外側マントル層304は、熱に不安定な材料をさらに含み得る。熱に不安定な材料は、マイクロ波放射線に曝露されると、熱に不安定な材料内に取り込まれた高双極子モーメント材料の加熱に応答して重合するように構成され得る。
【0028】
一実施形態において、内側マントル層306は、第3のエネルギー源によって影響される第3の構成可能材料を含み得る。この実施形態において、内側マントル層306は、磁気誘導場によって影響される磁性材料を含み得る。磁性材料は、磁気誘導場への曝露に応答して、熱くなり、内側マントル層306の構造特性を変化させるように構成され得る。
【0029】
別の実施形態において、コア308は、第4のエネルギー源によって影響される第4の構成可能材料を含み得る。この実施形態において、コア308は、γ線に曝露されると架橋するように構成されるγ線に不安定な材料を含み得る。
【0030】
ある実施形態において、第1のエネルギー源、第2のエネルギー源、第3のエネルギー源、および/または第4のエネルギー源のそれぞれは、異なっていてもよい。他の実施形態において、第1のエネルギー源、第2のエネルギー源、第3のエネルギー源、および/または第4のエネルギー源のうちの1つまたは複数が、同じであってもよい。さらに他の実施形態において、第1のエネルギー源、第2のエネルギー源、第3のエネルギー源、および/または第4のエネルギー源のうちの2つ以上が、同じタイプのエネルギー源であってもよいが、波長、強度、および/または曝露の持続時間などの異なる特性を有していてもよい。
【0031】
異なる実施形態において、構成可能材料から構成されないカバー302、外側マントル層304、内側マントル層306、またはコア308のいずれかは、ゴルフボール組成物に通常使用される様々な天然および合成材料を代わりに含み得る。ゴルフボール300は、コーティング310をさらに含み得る。コーティング310は、従来のコーティングであってもよく、またはコーティング106に関して上述される材料のいずれかを含む構成可能材料から構成され得る。他の実施形態において、コーティング310は任意選択であり、省略されてもよい。
【0032】
ここで、
図4を参照すると、第4の例示的実施形態において、ゴルフボール400は、カバー402、外側マントル層404、内側マントル層406、外側コア408、および内側コア410を含むファイブピース形態を含み得る。この例示的実施形態において、カバー402、外側マントル層404、内側マントル層406、外側コア408、および/または内側コア410のうちの1つまたは複数が、構成可能材料を含み得る。一実施形態において、ゴルフボール400は、対応する層のそれぞれにおよび上記のコア308と実質的に同様の構成可能材料を含む内側コア410に関連する実質的に同様の構成可能材料を含め、ゴルフボール300と実質的に同様であり得る。しかしながら、この実施形態において、外側コア408は、ゴルフボール300と比較して、構成可能材料を含み得るゴルフボール400内にさらなる層を含む。この構成では、ゴルフボール400は、以下により詳細に記載されるように、製造後改質を用いてゴルフボールの属性にさらなる変化を与えるように構成され得る。
【0033】
例示的実施形態において、ゴルフボール400の少なくとも1つの層が、ゴルフボール400に配置される他の層の1つと実質的に同様の構成可能材料から構成され得る。この実施形態において、外側コア408は、外側マントル層404と実質的に同様の構成可能材料から構成され得る。したがって、この実施形態において、外側マントル層404および外側コア408のそれぞれが、同じエネルギー源によって影響されるように構成され得る。例えば、一実施形態において、外側マントル層404および外側コア408のそれぞれが、同じエネルギー源からのマイクロ波放射線への曝露時に熱くなるように構成される、外側マントル層304に関して上述される高双極子モーメント材料を含み得る。高双極子モーメント材料は、分子振動の増加によって熱くなるように構成される。さらに、外側マントル層404および外側コア408のそれぞれが、マイクロ波放射線に曝露されると、熱に不安定な材料内に取り込まれた高双極子モーメント材料の加熱に応答して重合するように構成される熱に不安定な材料をさらに含み得る。
【0034】
場合によっては、外側マントル層404および外側コア408の両方とも、同じエネルギー源への同程度の曝露によって影響され得る。言い換えると、外側マントル層404および外側コア408は両方とも、同じ量および/または持続時間の、エネルギー源への曝露に応答して、同じ構造変化を起こすように構成され得る。他の場合、ゴルフボール400内における外側マントル層404および外側コア408の相対位置により、外側マントル層404および外側コア408のそれぞれが、同じ量および/または持続時間の、エネルギー源への曝露に応答して、異なる量の変化を起こすように構成され得る。したがって、ゴルフボール400の外面により近い相対位置により、外側マントル層404は、エネルギー源への同じ曝露に応答して、外側コア408より多い量の構造変化を起こすように構成され得る。さらに、外側マントル層404および外側コア408のそれぞれに影響を与える構造変化の量は、エネルギー源への曝露の強
さつまり強度、および/または持続時間を相応に調節することによって変化され得る。
【0035】
異なる実施形態において、構成可能材料から構成されないカバー402、外側マントル層404、内側マントル層406、外側コア408、または内側コア410のいずれかは、ゴルフボール組成物に通常使用される様々な天然および合成材料を代わりに含み得る。ゴルフボール400は、コーティング412をさらに含み得る。コーティング412は、従来のコーティングであってもよく、またはコーティング106に関して上述される材料のいずれかを含む構成可能材料から構成され得る。他の実施形態において、コーティング412は任意選択であり、省略されてもよい。
【0036】
図1〜4に示され、上述される実施形態に加えて、構成可能材料または従来の材料、またはそれらの組合せを含む任意の数の層を有するゴルフボールが、上記の原理を用いて作製され得ることを理解されたい。
【0037】
ここで、
図5を参照すると、構成可能材料を含むゴルフボールを改質するためのプロセス500の例示的実施形態が示される。ある実施形態において、ゴルフボールは、ゴルフボールが、特定の物理的特性またはプレー特性を含む第1の組の属性を伴うように、構成可能材料を用いて製造され得る。ゴルフボールは、改質ゴルフボールが、異なる特定の物理的特性またはプレー特性を含む第2の組の属性を伴うように、ゴルフボール内の構成可能材料の物理的構造を変化させる製造後改質の方法にしたがって、1つまたは複数のエネルギー源を用いて改質され得る。この構成では、製造後改質なしで第1の組の属性を有するか、または、製造後改質後に第2の組の属性を有するゴルフボールがプレー可能である。
【0038】
構成可能材料を含むゴルフボールを改質するためのプロセス500の例示的実施形態において、1つまたは複数のゴルフボールが、第1の工程502で製造される。工程502中に製造されるゴルフボールは、上記のゴルフボール100、ゴルフボール200、ゴルフボール300、および/またはゴルフボール400のいずれかを含む、構成可能材料を含むゴルフボール、ならびに構成可能材料または構成可能材料と従来の材料との組合せを含む任意の他のタイプのゴルフボールを含む。一実施形態において、工程502で製造されるゴルフボールは、第1の組の属性を伴い得る。上述したように、第1の組の属性は、物理的特性および/またはプレー特性の任意の組合せを含み得る。工程502におけるゴルフボールの製造後、第1の組の属性を有するゴルフボールは、消費者がゴルフをするのに使用されるのが可能である。場合によっては、工程502で製造されるゴルフボールに関連する第1の組の属性は、特定の消費者の所望の属性であり得る。
【0039】
しかしながら、他の場合、消費者は、第1の組の属性と異なる組の属性を示すゴルフボールを望むことがある。したがって、例示的実施形態において、工程502で製造されるゴルフボールの1つまたは複数は、ゴルフボールの属性を改質するために工程504で1つまたは複数のエネルギー源に選択的に曝露され得る。一実施形態において、1つまたは複数のエネルギー源は、工程502で製造されるゴルフボールに含まれる特定の構成可能材料に基づいて、および/または所望の組の改質された属性を得るために必要な物理的構造変化に基づいて、工程504で選択され得る。
【0040】
工程504で1つまたは複数のエネルギー源に曝露されると、工程502で製造されるゴルフボールは、構造の物理的変化を起こすであろう。結果として、工程506における改質ゴルフボールは、上記の第1の組の属性と異なる物理的特性および/またはプレー特性の組合せを含む第2の組の属性を示すように変化されていた。さらに、工程504におけるエネルギー源への選択的曝露を変化させることによって、工程506における改質ゴルフボールが、複数の異なる組の属性を得るために異なる方法で改質され得る。この構成では、消費者は、製造されたゴルフボールに製造後改質プロセスを適用することによって、所望の組の属性を示すゴルフボールを得ることができる。
【0041】
図6および7は、製造後改質プロセスの一環として単一のエネルギー源および複数のエネルギー源を用いて改質される構成可能材料を含むゴルフボールの例示的実施形態の概略図を示す。
図6および7が例示に過ぎず、任意の数のエネルギー源が、本明細書に記載される構成可能材料を含む任意のゴルフボールと組み合わせて使用され得ることを理解されたい。
【0042】
ここで、
図6を参照すると、ゴルフボール300が、少なくとも1つの層における物理的構造変化に影響を与えるようにエネルギー源を用いた製造後改質プロセス600を経ていることが示されている。この実施形態において、ゴルフボール300は、上述したように、カバー302、外側マントル層304、内側マントル層306、またはコア308を含む、構成可能材料を含む1つまたは複数の層を含み得る。
図6に示されるように、ゴルフボール300の1つまたは複数の部分の物理的構造は、ゴルフボール300をエネルギー源602に曝露することによって、製造後改質プロセス600を用いて改質され得る。ある実施形態において、エネルギー源602は、ゴルフボール300中の1つまたは複数の構成可能材料と相互作用するように構成されるエネルギー604の任意の供給源であり得る。例示的実施形態において、エネルギー源602は、エネルギー604が、構成可能材料のうちの選択的なものと相互作用する一方、他の構成可能材料に対する影響を与えないようにさらに構成され得る。
【0043】
この実施形態において、エネルギー源602は、エネルギー604が、内側マントル層306内に配置される構成可能材料と相互作用するように選択され得る。ある実施形態において、カバー302、外側マントル層304、および/またはコア308を含む残りの層は、エネルギー604に対して不活性であるように構成され得る。場合によっては、カバー302、外側マントル層304、および/またはコア308は、エネルギー604と反応しない構成可能材料から構成されていてもよい。他の場合、カバー302、外側マントル層304、および/またはコア308は、従来の材料から構成されていてもよい。
【0044】
例示的実施形態において、内側マントル層306は、不飽和オリゴマー材料から構成されていてもよく、エネルギー源602は、エネルギー604として電子ビーム放射線を生成するように構成される電子銃であってもよい。この場合、ゴルフボール300がエネルギー源602に曝露されると、エネルギー604は、内側マントル層306中の構成可能材料と相互作用する。一実施形態において、エネルギー604を伴う電子ビーム放射線により、内側マントル層306に含まれるオリゴマー材料中の不飽和結合が、オリゴマー自体を含む利用可能なフリーラジカル材料と架橋することができる。一方、カバー302、外側マントル層304、および/またはコア308のうちの1つまたは複数に関連するそれぞれの材料は、実質的に変化しないままである。
【0045】
ある実施形態において、エネルギー源602へのゴルフボール300の曝露は、改質ゴルフボール606としての新たな組の属性を得るように、ゴルフボール300の1つまたは複数の層の構造を物理的に変化させ得る。この実施形態において、エネルギー源602からのエネルギー604は、改質された内側マントル層612中の構成可能材料の物理的構造の変化に影響を与えた。改質された内側マントル層612は、不飽和結合が、改質された内側マントル層612内の改質された構成可能材料616として表現的に示される、フリーラジカルと架橋するようにエネルギー604によって変化された構成可能材料を含む。
【0046】
この実施形態において、エネルギー源602は、カバー302、外側マントル層304、および/またはコア308を含む残りの層を含む材料のいずれかと実質的に反応しないように選択された。結果として、改質ゴルフボール606は、エネルギー源602からのエネルギー604への曝露の前に、ゴルフボール300のカバー302、外側マントル層304、およびコア308と実質的に同様の物理的構造を保ったカバー608、外側マントル層610、およびコア614を含む。
【0047】
ここで、
図7を参照すると、ゴルフボール300は、2つ以上の層中の物理的構造変化に影響を与えるように複数のエネルギー源を用いて製造後改質プロセス700を経ていることが示されている。この実施形態において、ゴルフボール300は、上述したように、カバー302、外側マントル層304、内側マントル層306、またはコア308を含む構成可能材料を含む2つ以上の層を含み得る。
図7に示されるように、ゴルフボール300の1つまたは複数の部分の物理的構造は、ゴルフボール300を、第1のエネルギー源702および第2のエネルギー源706に曝露することによって、製造後改質プロセス700を用いて改質され得る。ある実施形態において、製造後改質プロセス700は、第1のエネルギー源702および第2のエネルギー源706へのゴルフボール300の同時の曝露を含み得る。他の実施形態において、製造後改質プロセス700は、様々な所定の曝露時間および曝露量を含め、所定の順序で第1のエネルギー源702および第2のエネルギー源706にゴルフボール300を曝露することを含み得る。
【0048】
ある実施形態において、第1のエネルギー源702は、ゴルフボール300中の1つまたは複数の構成可能材料と相互作用するように構成される第1のエネルギー704の任意の供給源であり得る。例示的実施形態において、第1のエネルギー源702は、第1のエネルギー704が構成可能材料の選択的なものと相互作用する一方、他の構成可能材料に対する影響を与えないようにさらに構成され得る。同様に、第2のエネルギー源706は、ゴルフボール300中の1つまたは複数の構成可能材料と相互作用するように構成される第2のエネルギー708の任意の供給源であり得る。場合によっては、第2のエネルギー源706は、第1のエネルギー704と異なる、ゴルフボール300に含まれる構成可能材料と相互作用する第2のエネルギー708を生成するように構成され得る。さらに、第2のエネルギー源706は、第2のエネルギー708が構成可能材料の選択的なものと相互作用する一方、他の構成可能材料に対する影響を与えないようにさらに構成され得る。
【0049】
ある実施形態において、第1のエネルギー源702および第2のエネルギー源706は、異なるタイプのエネルギーを生成するように構成され得る。一実施形態において、第1のエネルギー源702は、第1のエネルギー704としてマイクロ波放射線を生成するように構成され得、第2のエネルギー源706は、第2のエネルギー708としてγ線を生成するように構成され得る。他の実施形態において、第1のエネルギー源702および第2のエネルギー源706は、異なる波長の同じタイプの放射線を生成するように構成され得る。一実施形態において、第1のエネルギー源702は、第1のエネルギー704として第1の波長を伴う電磁放射線を生成するように構成され得、第2のエネルギー源706は、第2のエネルギー708として第2の波長を伴う電磁放射線を生成するように構成され得る。さらに、他の実施形態において、各エネルギーへの曝露の強さまたは強度、ならびに持続時間が変化され得る。
【0050】
この実施形態において、第1のエネルギー源702は、第1のエネルギー704が、外側マントル層304内に配置される構成可能材料と相互作用するように選択され得る。ある実施形態において、カバー302、内側マントル層306、および/またはコア308を含む残りの層は、第1のエネルギー704に対して不活性であるように構成され得る。同様に、この実施形態において、第2のエネルギー源706は、第2のエネルギー708が、内側マントル層306内に配置される構成可能材料と相互作用するように選択され得る。ある実施形態において、カバー302、外側マントル層304、および/またはコア308を含む残りの層は、第2のエネルギー708に対して不活性であるように構成され得る。場合によっては、カバー302および/またはコア308は、第1のエネルギー704または第2のエネルギー708のいずれとも反応しない構成可能材料から構成され得る。他の場合、カバー302および/またはコア308は、従来の材料から構成され得る。
【0051】
例示的実施形態において、外側マントル層304は、高双極子モーメント材料から構成されていてもよく、第1のエネルギー源702は、第1のエネルギー704としてマイクロ波放射線を生成するように構成されるマイクロ波放射線源であり得る。この場合、外側マントル層304内に配置される高双極子モーメント材料は、第1のエネルギー源702からの第1のエネルギー704を伴うマイクロ波放射線によって引き起こされる分子振動の増加によって熱くなるように構成される。さらに、外側マントル層304は、第1のエネルギー704を伴うマイクロ波放射線に曝露されると、熱に不安定な材料内に取り込まれた高双極子モーメント材料の加熱に応答して重合するように構成される熱に不安定な材料をさらに含む。この構成では、外側マントル層304は、第1のエネルギー源からの第1のエネルギー704への曝露時に構造の物理的変化を起こす。一方、カバー302、内側マントル層306、および/またはコア308の1つまたは複数に関連するそれぞれの材料は、実質的に変化しないままである。
【0052】
例示的実施形態において、内側マントル層306は、不飽和オリゴマー材料をから構成されていてもよく、第2のエネルギー源706は、上述したように、第2のエネルギー708として電子ビーム放射線を生成するように構成される電子銃であってもよい。この場合、ゴルフボール300が、第2のエネルギー源706に曝露されると、第2のエネルギー708は、内側マントル層306中の構成可能材料と相互作用する。上述したように、第2のエネルギー708を伴う電子ビーム放射線により、内側マントル層306に含まれるオリゴマー材料中の不飽和結合が、オリゴマー自体を含む利用可能なフリーラジカル材料と架橋することができる。一方、カバー302、外側マントル層304、および/またはコア308のうちの1つまたは複数に関連するそれぞれの材料は、実質的に変化しないままである。
【0053】
ある実施形態において、第1のエネルギー源702および第2のエネルギー源706へのゴルフボール300の曝露は、改質ゴルフボール710として新たな組の属性を得るように、ゴルフボール300の1つまたは複数の層の構造を物理的に変化させ得る。この実施形態において、第1のエネルギー源702からの第1のエネルギー704は、改質された外側マントル層714中の構成可能材料の物理的構造の変化に影響を与えた。改質された外側マントル層714は、第1のエネルギー704によって変化された構成可能材料を含み、改質された外側マントル層714内の改質された構成可能材料720の代表例として、構成可能材料が重合されている。
【0054】
この実施形態において、第2のエネルギー源706からの第2のエネルギー708は、改質された内側マントル層716中の構成可能材料の物理的構造の変化に影響を与えた。改質された内側マントル層716は、第2のエネルギー70
8によって変化された構成可能材料を含み、改質された内側マントル層716内の改質された構成可能材料722の代表例として、フリーラジカルを使って架橋された不飽和結合が示されている。
【0055】
この実施形態において、第1のエネルギー源702および第2のエネルギー源706は、カバー302および/またはコア308を含む残りの層を含む材料のいずれとも実質的に反応しないように選択された。結果として、改質ゴルフボール710は、第1のエネルギー源702からの第1のエネルギー704および第2のエネルギー源706からの第2のエネルギー708への曝露の前に、ゴルフボール300のカバー302およびコア308と実質的に同様の物理的構造を保ったカバー712およびコア718を含む。
【0056】
ある実施形態において、製造後改質プロセスは、ゴルフボールの1つまたは複数の層の物理的変化により、物理的特性およびプレー特性を含む、ゴルフボールに関連する属性を変化させるように、構成可能材料を含むゴルフボールにおいて使用され得る。上述したように、ゴルフボールに含まれる構成可能材料を、1つまたは複数の特定のエネルギー源に選択的に曝露することによって、硬度、変形量、球速、バックスピン、サイドスピン、全スピン、およびゴルフボールに関連する他のパラメータを含むがこれらに限定されない、ゴルフボールの物理的特性およびプレー特性が、変化され得る。この構成では、物理的特性、クラブ面衝撃特性および/または飛行経路特性を含むゴルフボールの属性は、ゴルフボールの製造後に、永久的におよび不可逆的に変更され得る。
【0057】
ここで、
図8および9を参照すると、ストックゴルフボールと比較した、改質ゴルフボールの変化された物理的特性および/またはプレー特性の例示的実施形態の表現図が示される。ある実施形態において、構成可能材料を含むゴルフボールは、第1の組の属性を伴うストックゴルフボールとして最初に製造され得る。例示的実施形態において、ストックゴルフボールに関連する第1の組の属性は、上述したように、ゴルフボールを改質するための製造後改質プロセスを用いて変化され得る。
【0058】
一実施形態において、ストックゴルフボールの物理的特性および/またはプレー特性の少なくとも1つが、製造後改質プロセスを用いて変化され得る。
図8および9を参照すると、球速および/またはスピン速度の少なくとも1つが、ストックゴルフボール中の構成可能材料を1つまたは複数のエネルギー源に選択的に曝露することによって影響され得る。球速は、ゴルフクラブのクラブヘッドによる衝撃の後のゴルフボールの速度の測定値である。球速がゴルフボールによるクラブヘッドの衝撃の力に比例するため、球速は、ストックゴルフボールを、より高い硬度を有するように改質することによって、上昇され得る。
【0059】
ゴルフボールのスピンは、飛行中のゴルフボールの回転である。スピンには、飛行の方向と逆の回転、すなわち、バックスピン、およびスピンの方向に対して横向きの回転、すなわち、サイドスピンが含まれる。全スピンは、バックスピンおよびサイドスピンのベクトルの和である。ゴルフボールのスピン速度は、ゴルフボールが飛行中にその軸上で回転する速度である。通常、スピン速度は、毎分回転数(rpm)単位で測定される。ゴルフボールのスピンは、ゴルフボールの変形量に関連する。ゴルフボールの変形量は、ゴルフボールの硬度に基づいて変化し得、それによって、より硬質のゴルフボールは、一般に、より軟質のゴルフボールより変形が少ない。より硬質のゴルフボールは、一般に、より長い距離を達成するが、より少ないスピンを有し得る。一方、より軟質のゴルフボールは、一般に、スピンがより多くなるが、距離が不足し得る。特定のエネルギー源への、ゴルフボールに含まれる構成可能材料の選択的曝露に基づいて、硬度は変化され、それによって、変形量に影響を与え、ゴルフボールのスピン速度を変化させ得る。
【0060】
図8は、第1の組の属性を伴う構成可能材料を含むストックゴルフボール802と、本明細書に記載される方法に係る製造後改質プロセスを用いて改質された第2の組の属性を伴う構成可能材料を含む改質ゴルフボール804との飛行経路の比較800を示す。
図8に示されるように、ストックゴルフボール802は、第1の距離L1に関連する終点で終端する第1の飛行経路を有していてもよく、また、第1の高さH1に対応するロフトに関連し得る。対照的に、プレー特性を変化させるための1つまたは複数の特定のエネルギー源への選択的曝露によって改質された構成可能材料を含む改質ゴルフボール804は、第2の距離L2に関連する終点で終端する例示的な飛行経路を有していてもよい。また、改質ゴルフボール804は、第2の高さH2に対応するロフトに関連し得る。
【0061】
ある実施形態において、ストックゴルフボール802内の構成可能材料の物理的構造を変化させるために本明細書に記載されるシステムおよび方法を用いて、ゴルフボールの飛行経路に関連するパラメータが、変化または変更され得る。例示的実施形態において、本明細書に記載される改質ゴルフボール804に含まれる構成可能材料へのエネルギー源の選択的適用によって、第2の距離L2は、ストックゴルフボール802に関連する第1の距離L1より長くなり得る。同様に、改質ゴルフボール804のロフトに関連する第2の高さH2は、ストックゴルフボール802のロフトに関連する第1の高さH1より長くてもよい。
【0062】
他の実施形態において、本明細書に記載される方法に係る製造後改質プロセスを用いて、ゴルフボールの飛行経路の他の特性に関連する属性が、変化または変更され得る。
図9は、第1の組の属性を伴う構成可能材料を含むストックゴルフボール902と、改質ゴルフボール904に付与されるスピンの量を増加させるために、本明細書に記載される方法に係る製造後改質プロセスを用いて改質された第2の組の属性を伴う構成可能材料を含む改質ゴルフボール904との飛行経路の比較900を示す。
【0063】
図9に示されるように、ストックゴルフボール902は、第1の量のスピン906を有し得る。この実施形態において、第1の量のスピン906は、終点に向かって第1の距離D1だけ逆方向に回転するストックゴルフボール902に関連し得る。対照的に、プレー特性を変化させるために1つまたは複数の特定のエネルギー源への選択的曝露によって改質された構成可能材料を含む改質ゴルフボール904は、第2の量のスピン908を有し得る。この実施形態において、第2の量のスピン908は、終点に向かって第2の距離D2だけ逆方向に回転する改質ゴルフボール904に関連し得る。
【0064】
ある実施形態において、ストックゴルフボール902中の構成可能材料の物理的構造を変化させるために本明細書に記載されるシステムおよび方法を用いて、ゴルフボールの飛行経路に関連するパラメータが、変化または変更され得る。例示的実施形態において、本明細書に記載される改質ゴルフボール904に含まれる構成可能材料へのエネルギー源の選択的適用によって、第2の距離D2は、ストックゴルフボール902に関連する第1の距離D1より長くなり得る。
【0065】
さらに、他の属性が、消費者の所望の性能に合わせて、改質ゴルフボールの物理的特性および/またはプレー特性を変化させるように、ストックゴルフボール中の1つまたは複数の構成可能材料の物理的構造を変化させるために製造後改質プロセスを用いて、ストックゴルフボールから改質ゴルフボールへと変化され得る。
【0066】
図10および11は、ゴルフボールに関連する属性間の例示的な代表的相関および本発明の製造後改質プロセスに係る1つまたは複数のエネルギー源への構成可能材料の選択的曝露を示す。このような製造後改質プロセスを用いて、構成可能材料を含むストックゴルフボールの属性は、改質ゴルフボールに関連する所望の物理的特性および/またはプレー特性に対応するように変化され得る。
【0067】
ここで、
図10を参照すると、エネルギー源に関連する波長と、ゴルフボールの1つまたは複数の属性との間の代表的相関1000が示される。ある実施形態において、波長1002が、単一のエネルギー源に関連する波長の範囲であり得る。他の実施形態において、波長1002は、異なるエネルギー源に関連する異なる波長であり得る。例えば、一実施形態において、波長1002は、電磁放射線の供給源に関連する波長の範囲に関連し得る。別の実施形態において、波長1002は、無線放射線、マイクロ波放射線、赤外線、紫外線、および他の電磁放射線を含む1つまたは複数の異なるタイプの電磁放射線であり得る。
【0068】
ある実施形態において、構成可能材料を含むゴルフボールに関連する複数の属性は、本明細書に記載される製造後改質プロセスを用いたエネルギー源への選択的曝露によって変化され得る。
図10は、反発係数(COR)1004、スピン1006、および硬度1008を含む、ゴルフボールに関連する例示的な属性を示す。例示的実施形態において、エネルギー源からの選択されるエネルギーは、ストックゴルフボールの個別の層または部分内に配置される構成可能材料を標的にするように構成され得る。しかしながら、特定の層の物理的構造の変化の間の関係が、ゴルフボールに関連する物理的特性またはプレー特性の特定の所望の変化に完全には相関されないことがある。結果として、ゴルフボール内の1つまたは複数の構成可能材料への変化は、改質ゴルフボールに関連する複数の特性および/またはプレー特性への様々な変化を有し得る。
【0069】
場合によっては、エネルギーの特定の波長が、物理的特性および/またはプレー特性のうちの1つの大きな変化を伴い得ると同時に、別の物理的特性および/またはプレー特性の小さな変化を伴うかまたは変化を全く伴わない。この実施形態において、第1の波長1010への構成可能材料を含むストックゴルフボールの曝露は、COR1004の大きな変化およびスピン1006の比較的小さな変化に影響を与え得る。さらに、第1の波長1010は、ストックゴルフボールの硬度1008に影響を与えないように構成され得る。この実施形態において、第2の波長1020への構成可能材料を含むストックゴルフボールの選択的曝露は、ゴルフボールの属性への異なる影響を有し得る。この実施形態において、第2の波長1020は、スピン1006の大きな変化およびCOR1004および/または硬度1008の比較的小さな変化に影響を与え得る。
【0070】
同様に、第3の波長1030へのストックゴルフボールの選択的曝露は、第1の波長1010および/または第2の波長1020のいずれかとしてストックゴルフボールの属性に異なる影響を与え得る。この実施形態において、第3の波長1030は、ストックゴルフボールのCOR1004に影響を与えないように構成され得る一方、硬度1008の比較的大きな変化を生じさせる。さらに、第3の波長1030は、ストックゴルフボールのスピン1006にも比較的小さな影響を与え得る。
【0071】
他の実施形態において、互いに異なる波長の1つまたは複数のエネルギー源が、
図10に示されるもの以外の構成可能材料を含むストックゴルフボールに関連するさらなる属性を変化させるのに使用され得る。場合によっては、相関1000は、エネルギー曝露と、ゴルフボールに関連する属性のそれぞれに対する影響との間の関係を測定するために、打球機を用いて試験データを得ることによって生成され得る。他の場合、特定の属性に対する特定の波長のエネルギーの影響は、アルゴリズムまたは式を用いて数学的にあるいは関係をモデル化するためのソフトウェアを用いて導き出され得る。
【0072】
別の実施形態において、1つまたは複数の特定のタイプのエネルギー源が、特定の属性の変化に関連し得る。
図11は、特定のエネルギー源と、ゴルフボールの1つまたは複数の属性との間の代表的相関1100を示す。例示的実施形態において、反発係数(COR)1104、スピン1106、および硬度1108を含む、ゴルフボールに関連する属性の変化は、特定のエネルギー源からのエネルギーへの曝露に関係し得る。この実施形態において、COR1104の変化が、第1のエネルギー源からのエネルギーへの曝露に相関され得る。同様に、スピン1106の変化が、第2のエネルギー源からのエネルギーへの曝露に相関され得るか、および/または硬度の変化が、第3のエネルギー源からのエネルギーへの曝露に相関され得る。
【0073】
ある実施形態において、特定の属性への変化の量または程度は、特定のエネルギー源からのエネルギーに関連する曝露時間1102に関係し得る。例示的実施形態において、ストックゴルフボールが特定のエネルギー源からのエネルギーに曝露される曝露時間1102の長さを変化させると、特定のエネルギー源に関連する構成可能材料に対する影響の量が変化され得る。
図11に示されるように、相関1100は、属性に関連する変化の関連量または程度に影響を与えるために、特定のエネルギー
源からのエネルギーに関連する曝露時間1102の様々な持続時間を含み得る。場合によっては、曝露時間1102を変化させると、属性に対する乗法的効果を与え得る。この実施形態において、COR1104は、ストックゴルフボールを、第1のエネルギー源からのエネルギーに、第1の曝露時間1110にわたって曝露することによって、所定の量だけ変化され得る。曝露時間を、第1の曝露時間1110から第2の曝露時間1120へと増加させることによって、COR1104の変化に対する影響が、二倍になり得る。同様に、ストックゴルフボールを、第1のエネルギー源からのエネルギーに、第3の曝露時間1130にわたって曝露することによって、COR1104の変化は、第1の曝露時間1110によって影響される変化の三倍になり得る。
【0074】
他の実施形態において、曝露時間1102および関連する属性の変化との間の関係は、異なっていてもよい。別の実施形態において、増加された曝露時間は、乗法的効果ではなく、わずかな相加効果を与え得る。例えば、この実施形態において、スピン1106は、ストックゴルフボールを、第2のエネルギー源からのエネルギーに、第1の曝露時間1110にわたって曝露することによって、所定の量だけ変化され得る。曝露時間を、第1の曝露時間1110から第2の曝露時間1120へと増加させることによって、スピン1106の変化に対する影響が、所定の量だけ増大され得る。同様に、ストックゴルフボールを、第2のエネルギー源からのエネルギーに、第3の曝露時間1130にわたって曝露することによって、スピン1106の変化が、第1の曝露時間1110および/または第2の曝露時間1120によって影響される変化より大きい所定の量だけ増大され得る。
【0075】
さらに他の実施形態において、増加された曝露時間は、相加効果または乗法的効果ではなく、関連する属性の特定の所定の変化を有し得る。例えば、この実施形態において、硬度1108は、ストックゴルフボールを、第3のエネルギー源からのエネルギーに、第1の曝露時間1110にわたって曝露することによって、第1の所定の一定値Aへと変化され得る。曝露時間を、第1の曝露時間1110から第2の曝露時間1120へと増加させることによって、硬度1108の変化に対する影響が、第2の所定の一定値Bへと変化され得る。場合によっては、第2の所定の一定値Bは、第1の所定の一定値Aより大きくてもよい。しかしながら、他の場合、第2の所定の一定値Bは、第1の所定の一定値Aより小さくてもよい。同様に、ストックゴルフボールを、第3のエネルギー源からのエネルギーに、第3の曝露時間1130にわたって曝露することによって、硬度の変化が、第3の所定の一定値Cへと変化され得る。場合によっては、第3の所定の一定値Cは、第2の所定の一定値Bおよび/または第1の所定の一定値Aのいずれかまたは両方より大きくてもよい。しかしながら、他の場合、第3の所定の一定値Cは、第2の所定の一定値Bおよび/または第1の所定の一定値Aのいずれかより小さくてもよい。例えば、一実施形態において、曝露時間1102を、第1の曝露時間1110および/または第2の曝露時間1120より増加させると、硬度1108を、増大させずに、減少させ得る。
【0076】
図11を参照して記載される相関が、例示に過ぎず、特定のエネルギー源からのエネルギーへの曝露時間1102を、所望の属性の変化の量または程度に関連付けるために、他の数学的関係が使用されるかまたは導き出されてもよいことを理解されたい。場合によっては、相関1100は、エネルギー曝露の持続時間と、ゴルフボールに関連する属性のそれぞれに対する影響との間の関係を測定するために、打球機を用いて試験データを得ることによって生成され得る。他の場合、特定の属性に対する特定のエネルギーの持続時間の影響は、アルゴリズムまたは式を用いて数学的にあるいは関係をモデル化するためのソフトウェアを用いて導き出され得る。
【0077】
図12〜16は、本明細書に記載される製造後改質プロセスを用いて、カスタマイズされたゴルフボールを消費者に提供するための様々なシステムを示す。一般に、構成可能材料を含むストックゴルフボールが最初に生成されてから、ストックゴルフボールは、ストックゴルフボールに関連する属性を、改質ゴルフボールに関連する所望の組の属性へと変化させるために製造後改質プロセスを用いて後に改質され得る。製造後改質プロセスは、特定の消費者の所望の属性に応じて、または一般に消費者によって必要とされる可能性のある属性の範囲に応じて、消費者によって直接、または改質ゴルフボールを生成する1つまたは複数の中間設備を介して行われるように構成され得る。
【0078】
ここで、
図12を参照すると、構成可能材料を含むゴルフボールの製造後改質のための部品キット1200が示される。ある実施形態において、部品キット1200により、消費者が、1つまたは複数のエネルギー源を用いて、第1の組の属性を伴うストックゴルフボールの組を改質することができるように構成され得る。この構成では、消費者は、所望の物理的特性および/またはプレー特性に関連する第2の組の属性を示すストックゴルフボールの組を改質し得る。例示的実施形態において、部品キット1200は、容器1202を含み得る。容器1202は、1つまたは複数のストックゴルフボールを保持するように構成され得る。この実施形態において、容器1202は、3つのストックゴルフボール1204の組を保持するように構成される。他の実施形態において、容器1202は、よりも多いか少ない数のストックゴルフボール1204を保持するように構成され得る。
【0079】
一実施形態において、部品キット1200は、指示1206を含むようにさらに構成され得る。指示1206は、所望の属性を有するようにストックゴルフボール1204に関連する属性の組を変化させるように消費者が製造後改質プロセスを行うことができるように、消費者に情報を提供するように構成され得る。この実施形態において、指示1206は、容器1202に付属される。しかしながら、他の実施形態において、指示1206は、書面、あるタイプの物理的な媒体に含まれるソフトウェア、あるいはウェブサイトまたはアプリケーションへのリンクを含むがこれらに限定されない様々な形式を有し得る。
【0080】
ここで、
図13を参照すると、構成可能材料を含むストックゴルフボールの組を含む部品キットを使用するためのプロセス1300の例示的実施形態の概略図。ある実施形態において、消費者は、消費者に通常利用可能な1つまたは複数のエネルギー源を使用し得る。このようなエネルギー源としては、従来のオーブン、電子レンジ、赤外線加熱ランプまたはヘアドライヤー、および/または紫外線源が挙げられるが、これらに限定されない。この構成では、消費者は、ストックゴルフボールの組を、このようなエネルギー源からの1つまたは複数のタイプのエネルギーに曝露し得る。
【0081】
ある実施形態において、消費者に通常利用可能なエネルギー源からのエネルギーと相互作用する1つまたは複数の構成可能材料を含むストックゴルフボールの組が、上述したように製造され得る。例示的実施形態において、部品キットは、ストックゴルフボール1304の組を、電子レンジ1302からのマイクロ波放射線に曝露するプロセス1300のための指示を含み得る。ストックゴルフボール1304に関連する第1の組の属性が改質され得るように、ストックゴルフボール1304に対する構造の物理的変化に影響を与えるようにマイクロ波放射線と相互作用する少なくとも1つの構成可能材料を含むストックゴルフボール1304の組が製造され得る。
【0082】
図13に示されるように、ストックゴルフボール1304の組は、最初の工程で、電子レンジ1302に入れられ得る。ある実施形態において、プロセス1300は、部品キットに設けられた指示1306を使用する工程を含み得る。一実施形態において、指示1306は、所望の組の属性を得るために、ストックゴルフボール1304の組をマイクロ波放射線に曝露するための持続時間に関連する情報を含み得る。この実施形態において、指示1306は、ストックゴルフボール1304が、工程1308で特定の持続時間にわたってマイクロ波放射線に曝露することによって、所望の属性を得るように改質され得ることを消費者に知らせるものである。この実施形態において、持続時間は1分間であるが、持続時間は、ストックゴルフボール1304に関連する属性の特定の変化に相関される任意の量の時間であり得ることを理解されたい。
【0083】
工程1310で、ストックゴルフボール1304は、工程1308で入る所定の持続時間にわたってマイクロ波放射線に曝露された。曝露時間の間、マイクロ波放射線と相互作用するように構成されるストックゴルフボール1304の組とともに、1つまたは複数の構成可能材料は、構造の物理的変化を起こした。構造のこの物理的変化は、上に詳細に説明されるように、ストックゴルフボール1304の組の属性の所望の変化に相関するであろう。したがって、プロセス1300により、第2の組の属性を伴う改質ゴルフボール1312の組が得られる。この場合、第2の組の属性は、ストックゴルフボール1304の組に関連する第1の組の属性と異なり、物理的特性またはプレー特性のうちの1つまたは複数に関連し得る。プロセス1300を用いて、消費者は、指示1306を用いて、消費者によって選択される属性を示す改質ゴルフボール1312の組を得るために、部品キットとともに含まれるストックゴルフボール1304の組をカスタマイズし得る。
【0084】
別の実施形態において、ストックゴルフボール1304に関連する第2の組の属性が改質され得るように、ストックゴルフボール1304に対する構造の物理的変化に影響を与えるように異なるタイプの放射線と相互作用する少なくとも第2の構成可能材料を含むストックゴルフボール1304の組が製造され得る。例えば、
図13に記載されるプロセスは、ストックゴルフボール1304に関連する第2の組の属性が改質され得るように、ストックゴルフボール1304に対する構造の物理的変化に影響を与えるように、オーブンまたは他の同様の電化製品からの熱放射と相互作用する少なくとも第2の構成可能材料を含むストックゴルフボール1304の組を用いて繰り返され得る。
【0085】
他の実施形態において、消費者は、消費者の好みに応じてカスタマイズされる改質ゴルフボールを得るように、1つまたは複数のストックゴルフボールを改質するために部品キットとともに含まれる異なる組の指示にしたがって、追加のまたは異なるエネルギー源を使用し得る。
【0086】
ある実施形態において、様々な初期の属性を伴う構成可能材料を含む複数の組のストックゴルフボールを含むカスタマイズシステムが提供され得る。この構成では、複数のタイプのエネルギー源が、所望の組の属性を有するゴルフボールの組をさらにカスタマイズするために、複数の組のストックゴルフボールに対して異なる改質を行うように、本明細書に記載される製造後改質プロセスにしたがって使用され得る。
【0087】
ここで、
図14を参照すると、所望の属性を有する改質ゴルフボールを製造するためのカスタマイズシステム1400が示される。この実施形態において、カスタマイズシステム1400は、構成可能材料を含む複数の組のストックゴルフボール1402の群を含んでいてもよく、ストックゴルフボールの各組は、初期の組の属性を伴う。この実施形態において、ストックゴルフボール1402の組の群は、第1の形態を伴うストックゴルフボール1412を含む第1の組1410および第2の形態を伴うストックゴルフボール1422を含む第2の組1420を含む。ストックゴルフボール1402の組の群は、第3の形態を伴うストックゴルフボール1432を含む第3の組1430をさらに含み得る。
【0088】
ある実施形態において、群1402の各組のストックゴルフボールの形態は、上記の実施形態に記載されるように、構成可能材料の特定の構成を示し得る。例えば、異なる構成は、各組のストックゴルフボールを製造するのに使用される構成可能材料のタイプ、特定のエネルギー源からのエネルギーに対する感受性、1つまたは複数の層内の構成可能材料の組成または配置、および/またはこれらの要因のいずれかの組合せの点で変化し得る。他の実施形態において、群1402の各組のストックゴルフボールの形態は、物理的特性および/またはプレー特性を含む、ゴルフボールに関連する特定の組の属性を示し得る。
【0089】
この例示的実施形態において、ストックゴルフボール1412を含む第1の組1410は、初期の属性の第1の組に関連し、ストックゴルフボール1422を含む第2の組1420は、初期の属性の第2の組に関連する。ストックゴルフボール1432を含む第3の組1430は、初期の属性の第3の組に関連し得る。
【0090】
ある実施形態において、カスタマイズシステム1400は、複数のタイプのエネルギー源1404の群を含んでいてもよく、各エネルギー源は、異なるエネルギータイプおよび/または波長のエネルギーに関連し得る。この実施形態において、複数のタイプのエネルギー源1404の群は、第1のエネルギー1442に関連する第1のエネルギー源1440、第2のエネルギー1452に関連する第2のエネルギー源1450、および/または第3のエネルギー1462に関連する第3のエネルギー源1460を含む。例示的実施形態において、群1404に関連する様々なタイプのエネルギー源および/またはエネルギーは、群1402に関連する様々なストックゴルフボールの1つまたは複数の層内に配置される1つまたは複数の構成可能材料と相互作用するように構成され得る。
【0091】
一実施形態において、カスタマイズシステム1400は、カスタマイズガイド1406をさらに含み得る。カスタマイズガイド1406は、ユーザが必要とする属性を示す改質ゴルフボールの組を得るために、本明細書に記載される製造後改質プロセスにしたがって、群1404からの特定のエネルギー源またはエネルギーに関して群1402からどの組のストックゴルフボールが使用され得るかをユーザが決定するのを支援するように構成され得る。ある実施形態において、カスタマイズガイド1406は、表または図であり得る。他の実施形態において、カスタマイズガイド1406は、物理的な媒体に含まれるソフトウェア、コンピュータで動作するアルゴリズムまたはプログラム、あるいはウェブサイトまたはアプリケーションへのリンクであり得る。
【0092】
例示的実施形態において、カスタマイズガイド1406は、物理的特性および/またはプレー特性を含む所望の属性に影響を与えるために、群1402からの特定の組のストックゴルフボールを、群1404からの特定のエネルギー源と組み合わせるための指示1470を含み得る。さらに、ある実施形態において、指示1470は、特定のエネルギー源からのそれぞれのエネルギーへの曝露のための持続時間をさらに含み得る。
【0093】
この実施形態において、カスタマイズガイド1406に関連する指示1470には、カスタマイズシステム1400を用いて得られるゴルフボールの物理的特性および/またはプレー特性に関連するいくつかの例示的な属性が列挙されている。一実施形態において、属性は、異なる構成の構成可能材料を含む異なる組のストックゴルフボールを用いて、量または程度が変化され得る。例えば、この実施形態において、ユーザは、ストックゴルフボール1412の第1の組1410を、第1のエネルギー源1440からの第1のエネルギー1442に、2分間の持続時間にわたって曝露することによって、ストックゴルフボールにわたって反発係数(COR)1470の小さな増加を示す改質ゴルフボールを得ることができる。同様に、ユーザは、ストックゴルフボール1422の第2の組1420を、第1のエネルギー源1440からの第1のエネルギー1442に、4分間の持続時間にわたって曝露することによって、ストックゴルフボールにわたってCOR1472の中程度の増加を示す改質ゴルフボールを得ることができる。さらに、ユーザは、ストックゴルフボール1432の第3の組1430を、第1のエネルギー源1440からの第1のエネルギー1442に、3分間の持続時間にわたって曝露することによって、ストックゴルフボールにわたってCOR1476の大きな増加を示す改質ゴルフボールをさらに得ることができる。
【0094】
他の実施形態において、属性は、異なるタイプのエネルギーおよび/またはエネルギー源を用いて、量または程度が変化され得る。例えば、この実施形態において、ユーザは、ストックゴルフボール1412の第1の組1410を、第2のエネルギー源1450からの第2のエネルギー1452に、5分間の持続時間にわたって曝露することによって、ストックゴルフボールにわたってスピン1478の小さな増加を示す改質ゴルフボールを得ることができる。同様に、ユーザは、ストックゴルフボール1412の第1の組1410を、第3のエネルギー源1460からの第3のエネルギー1462に、10分間の持続時間にわたって曝露することによって、ストックゴルフボールにわたってスピン1480の大きな増加を示す改質ゴルフボールを得ることができる。
【0095】
さらに他の実施形態において、属性は、曝露の持続時間を変更することによって変化され得る。さらに、様々な実施形態において、属性は、異なる組のストックゴルフボール、エネルギー源、エネルギー、および/または持続時間の組合せを用いて変化され得る。例えば、この実施形態において、ユーザは、ストックゴルフボール1432の第3の組1430を、第3のエネルギー源1460からの第3のエネルギー1462に、4分間の持続時間にわたって曝露することによって、ストックゴルフボールにわたって硬度1482の増加を示す改質ゴルフボールを得ることができる。さらに、ユーザは、ストックゴルフボール1432の第3の組1430を、第2のエネルギー源1450からの第2のエネルギー1452に、10分間の持続時間にわたって曝露することによって、ストックゴルフボールにわたって硬度1484の低下を示す改質ゴルフボールを得ることができる。
【0096】
ある実施形態において、所望の組の属性を示すようにストックゴルフボールを改質するためのカスタマイズされた指示は、所望の物理的特性および/またはプレー特性に関する消費者からの情報を用いて得られる。ここで、
図15を参照すると、改質ゴルフボールのための特定の所望の物理的特性および/またはプレー特性に関する情報を消費者が提供することができるようにするカスタマイズされた指示システム1500が示される。
【0097】
例示的実施形態において、カスタマイズされた指示システム1500は、改質ゴルフボールの所望の属性に関する消費者からの情報を受信するための入力機構1502を含み得る。この実施形態において、入力機構1502は、コンピュータである。他の実施形態において、入力機構1502は、改質ゴルフボールのための消費者の所望の属性に関連する情報を収集するように構成される任意の機構であり得る。一実施形態において、消費者の所望の属性についての情報は、消費者の好み1506に基づいて、入力機構1502によって収集され得る。別の実施形態において、消費者の所望の属性についての情報は、打球データ1508から得られる情報に基づいて、入力機構1502によって収集され得る。
【0098】
ある実施形態において、打球データ1508は、参照により本明細書に援用される、2009年7月7日に出願された、「Method and System for Golf Ball Fitting Analysis」という発明の名称の、同時係属中でかつ同一出願人が所有する米国特許第____________号、現在の米国特許出願第12/498,364号明細書に開示されているゴルフボールフィッティングシステムを含むゴルフボールフィッティングシステムを用いて、ゴルフボールの打撃に関連するパラメータを測定することから得られる。
【0099】
消費者の所望の属性に関連する情報が、入力機構1502によって収集されると、カスタマイズされた指示アプリケーションまたはプログラム1504が、本明細書に記載される製造後改質プロセスを用いて、構成可能材料を含むストックゴルフボールを改質するための指示を決定するのに使用され得る。例示的実施形態において、カスタマイズされた指示アプリケーション1504は、消費者の家庭、小売店、工場、または離れた場所に配置された入力機構1502を含む1つまたは複数のコンピュータまたはプロセッサに関連し得る。カスタマイズされた指示アプリケーション1504が、消費者の所望の属性に関連する情報を受信すると、アプリケーション1504は、所望の属性に関連する対応するボール特性1510を決定し、指示1512を提供する。指示1512は、上記のカスタマイズガイド1406と実質的に同様の1つまたは複数の指示を含み得る。
【0100】
例示的実施形態において、カスタマイズされた指示アプリケーション1504が、指示1512を提供した後、ストックゴルフボールは、指示1512に示される1つまたは複数のエネルギー源1514に曝露され得る。様々な実施形態において、1つまたは複数のエネルギー源1514への曝露は、異なる箇所で行われ得る。場合によっては、曝露1514は、消費者のエネルギー源を用いて、消費者の家庭で消費者によって行われ得る。他の場合、曝露1514は、工業用または専門的なエネルギー源を用いて、工場または小売店で行われ得る。
【0101】
指示1512にしたがった、構成可能材料を含むストックゴルフボールの曝露1514の後、消費者の所望の属性に関連する改質ゴルフボール1516が、消費者に提供され得る。この実施形態において、改質ゴルフボール1516は、入力機構1502によって収集される消費者の所望の属性を示すように変化された。
【0102】
ある実施形態において、構成可能材料を含むゴルフボールの製造後改質のための本明細書に記載される原理は、製造後改質流通システムに使用され得る。製造後改質プロセスを用いて、ストックゴルフボールは、様々な製造後改質技術を用いて改質されるとき、広範囲の属性を示すように変化され得る。この構成では、様々な物理的特性および/またはプレー特性を伴う多数の様々な改質ゴルフボールが、少数の個別の在庫管理単位(SKU)を用いて、消費者に提供され得る。
【0103】
ここで、
図16を参照すると、一般的なストックゴルフボールセットから異なる組の属性を有する複数の改質ゴルフボールセットを製造するための流通システム1600が示される。この実施形態において、工場1602が、構成可能材料を含むストックゴルフボールセット1604の複数の単位を製造するように構成され得る。この実施形態において、ストックゴルフボールセット1604は、物理的特性およびプレー特性を含む初期の組の属性を伴う。ストックゴルフボールセット1604は、完成した状態で、および必要に応じて、ゴルフをする消費者によって使用可能な状態であるように構成される。場合によっては、ストックゴルフボールセット1604は、消費者1608に提供される前に、中間設備1606において、物理的構造ではなく、外観に関するある程度の最小限の仕上げを行い得る。他の場合、ストックゴルフボールセット1604は、工場1602で製造される際、消費者1608に直接提供され得る。
【0104】
ある実施形態において、中間設備1606は、製造後改質のためのストックゴルフボールセット1604の複数の単位を受け取り得る。例示的実施形態において、中間設備1606は、ストックゴルフボールセット1604に関連する初期の組の属性と異なる様々な属性を有する改質ゴルフボールセットの単位の異なる群を製造するように、ストックゴルフボールセット1604の単位の1つまたは複数の群に対して製造後改質プロセスを使用し得る。一実施形態において、ストックゴルフボールセット1604の単位は、本明細書に記載される1つまたは複数の製造後改質プロセスを用いて改質され得る。この実施形態において、中間設備1606は、改質ゴルフボールセットの単位に異なる属性を付与するために、異なるタイプのエネルギー源を用いて、ストックゴルフボールセット1604の単位を改質し得る。
【0105】
図16を再び参照すると、この実施形態において、中間設備1606は、第1のエネルギー1612に関連する第1のエネルギー源1610、第2のエネルギー1622に関連する第2のエネルギー源1620、および/または第3のエネルギー1632に関連する第3のエネルギー源1630を用いて、ストックゴルフボールセット1604の単位を加工する。上述したように、構成可能材料を含むストックゴルフボールは、第1のエネルギー源1610、第2のエネルギー源1620、および/または第3のエネルギー源1630のそれぞれからのそれぞれのエネルギーに曝露されると、構造の様々な物理的変化を起こす。構造の物理的変化は、改質ゴルフボールの関連する属性の変化に影響を与える。
【0106】
例示的実施形態において、ストックゴルフボールセット1604は、第1の改質ゴルフボールセット1614を製造するために、中間設備1606によって、第1のエネルギー源1610からの第1のエネルギー1612に曝露され得る。この実施形態において、第1の改質ゴルフボールセット1614は、ストックゴルフボールセット1604に関連する初期の組の属性と異なる第1の組の改質された属性に関連する。第1の改質ゴルフボールセット1614は、直接または小売業者を介して、消費者1608に入手可能になり得る。
【0107】
同様に、ストックゴルフボールセット1604は、第2の改質ゴルフボールセット1624を製造するために、中間設備1606によって、第2のエネルギー源1620からの第2のエネルギー1622に曝露され得る。この実施形態において、第2の改質ゴルフボールセット1624は、ストックゴルフボールセット1604に関連する初期の組の属性と異なる第2の組の改質された属性に関連する。第2の改質ゴルフボールセット1624は、直接または小売業者を介して、消費者1608に入手可能になり得る。さらに、ストックゴルフボールセット1604はまた、第3の改質ゴルフボールセット1634を製造するために、中間設備1606によって、第3のエネルギー源1630からの第3のエネルギー1632に曝露され得る。この実施形態において、第3の改質ゴルフボールセット1634は、ストックゴルフボールセット1604に関連する初期の組の属性と異なる第3の組の改質された属性に関連する。第3の改質ゴルフボールセット1634は、直接または小売業者を介して、消費者1608に入手可能になり得る。
【0108】
ある実施形態において、第1の改質ゴルフボールセット1614に関連する第1の改質された属性、第2の改質ゴルフボールセット1624に関連する第2の組の改質された属性、および/または第3の改質ゴルフボールセット1634に関連する第3の組の改質された属性のそれぞれは、ストックゴルフボールセット1604に関連する初期の組の属性とおよび互いに異なっていてもよい。他の実施形態において、属性のいくつかが同様であってもよい一方、他の属性は異なっていてもよい。例示的実施形態において、ストックゴルフボールセット1604、第1の改質ゴルフボールセット1614、第2の改質ゴルフボールセット1624、および/または第3の改質ゴルフボールセット1634のそれぞれは、物理的特性および/またはプレー特性に関連する差をある程度有して関連し得る。さらに、各ゴルフボールセットは、小売業者および/または消費者への流通のために別の個別の在庫管理単位(SKU)に割り当てられ得る。
【0109】
さらなる実施形態において、中間設備1606は、上述したように、1つまたは複数のエネルギー源からの異なるタイプ、波長、強度、または持続時間のエネルギーの使用、および異なる形態を有するゴルフボールの複数のストックの組の使用を含む、本明細書の実施形態のいずれかに記載される構成可能材料を含むゴルフボールを改質するための製造後改質プロセスのいずれかを行い得る。さらに、1つまたは複数のコーティングが、小売業者および/または消費者に流通するために、ゴルフボールセットを仕上げるプロセスの一環として、中間設備1606によって、上記のエネルギー源に適用および/または曝露され得る。
【0110】
本発明の様々な実施形態が説明されてきたが、説明は、限定的なものではなく、例示的なものであることが意図され、本発明の範囲内にある多くのさらなる実施形態および実装形態が可能であることが、当業者に明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその均等物を考慮するときを除いて限定されない。また、様々な変更および変形が、添付の特許請求の範囲内でなされ得る。