特許第5989803号(P5989803)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士機械製造株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5989803-部品実装機及び部品実装方法 図000002
  • 特許5989803-部品実装機及び部品実装方法 図000003
  • 特許5989803-部品実装機及び部品実装方法 図000004
  • 特許5989803-部品実装機及び部品実装方法 図000005
  • 特許5989803-部品実装機及び部品実装方法 図000006
  • 特許5989803-部品実装機及び部品実装方法 図000007
  • 特許5989803-部品実装機及び部品実装方法 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989803
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】部品実装機及び部品実装方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20160825BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
   H05K13/04 B
   H05K13/08 Q
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-555405(P2014-555405)
(86)(22)【出願日】2013年1月7日
(86)【国際出願番号】JP2013050015
(87)【国際公開番号】WO2014106892
(87)【国際公開日】20140710
【審査請求日】2015年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098420
【弁理士】
【氏名又は名称】加古 宗男
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 利也
(72)【発明者】
【氏名】飯阪 淳
【審査官】 大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−091181(JP,A)
【文献】 特開2007−220837(JP,A)
【文献】 特開2007−173855(JP,A)
【文献】 特開2006−128253(JP,A)
【文献】 特開2005−310843(JP,A)
【文献】 特開2003−069288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K3/30,13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品供給装置から供給される部品を、回路基板のパッドパターン又は該パッドパターンにスクリーン印刷した半田印刷パターンに実装する部品実装機において、
前記回路基板に前記パッドパターンの基準位置のマークとなる基板マークと前記半田印刷パターンの基準位置のマークとなる半田マークとが形成され、
前記回路基板の撮像対象部位を撮像するカメラと、
実装する部品が前記パッドパターンに実装する部品か前記半田印刷パターンに実装する部品かを判定して部品実装動作を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、実装する部品が前記パッドパターンに実装する部品と判定した場合に前記カメラで撮像され画像処理された前記基板マークの位置を基準にして該パッドパターンに対する該部品の実装位置を補正して該部品を該パッドパターンに実装する手段と、実装する部品が前記半田印刷パターンに実装する部品と判定した場合に前記カメラで撮像され画像処理された前記半田マークの位置を基準にして該半田印刷パターンに対する該部品の実装位置を補正して該部品を該半田印刷パターンに実装する手段とを含むことを特徴とする部品実装機。
【請求項2】
前記基板マークとしては、前記回路基板のパッドパターンの中から画像認識で位置が特定可能なパッドパターンを用いることを特徴とする請求項1に記載の部品実装機。
【請求項3】
前記半田マークとしては、前記回路基板のパッドパターンにスクリーン印刷された半田印刷パターンの中から画像認識で位置が特定可能な半田印刷パターンを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の部品実装機。
【請求項4】
前記制御手段は、部品を実装する位置に存在するパッドパターンに前記半田印刷パターンがスクリーン印刷されていない場合は、実装する部品が前記パッドパターンに実装する部品であると判定し、部品を実装する位置に存在するパッドパターンに前記半田印刷パターンがスクリーン印刷されている場合は、実装する部品が前記半田印刷パターンに実装する部品であると判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の部品実装機。
【請求項5】
前記制御手段は、部品を実装する位置に存在するパッドパターンにスクリーン印刷以外の方法で半田が付着されている場合は、実装する部品が前記パッドパターンに実装する部品であると判定することを特徴とする請求項4に記載の部品実装機。
【請求項6】
前記制御手段は、実装する部品がその端子部に半田やフラックスを転写してから実装する部品である場合は、前記パッドパターンに実装する部品であると判定することを特徴とする請求項4又は5に記載の部品実装機。
【請求項7】
実装する部品を画像認識する際に用いる画像処理用部品データには、実装する部品が前記パッドパターンに実装する部品か前記半田印刷パターンに実装する部品かを指定するデータが含まれ、
前記制御手段は、前記画像処理用部品データを参照して、実装する部品が前記パッドパターンに実装する部品か前記半田印刷パターンに実装する部品かを判定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の部品実装機。
【請求項8】
部品供給装置から供給される部品を、回路基板のパッドパターン又は該パッドパターンにスクリーン印刷した半田印刷パターンに実装する部品実装機において、
前記パッドパターンに部品を実装する際の基準位置マークとなる基板マークと前記半田印刷パターンに部品を実装する際の基準位置マークとなる半田マークとが形成された前記回路基板の撮像対象部位を撮像するカメラと、
部品実装動作を制御する制御手段を備え、
前記制御手段は、
実装する部品が前記パッドパターンに実装する部品か前記半田印刷パターンに実装する部品かを判定する部品判定部と、
前記部品判定部による判定結果に基づいて、該部品を実装するための基準位置マークが前記基板マークか前記半田マークかを設定する基準位置マーク設定部と、
前記基準位置マーク設定部により設定された基準位置マークの、前記カメラが撮像した画像に基づいて、該部品の実装位置の補正量を演算する補正量演算部と
を含むことを特徴とする部品実装機。
【請求項9】
部品供給装置から供給される部品を、回路基板のパッドパターン又は該パッドパターンにスクリーン印刷した半田印刷パターンに実装する部品実装方法において、
前記回路基板に前記パッドパターンの基準位置のマークとなる基板マークと前記半田印刷パターンの基準位置のマークとなる半田マークとが形成され、
実装する部品が前記パッドパターンに実装する部品か前記半田印刷パターンに実装する部品かを判定し、その結果、実装する部品が前記パッドパターンに実装する部品と判定した場合にカメラで撮像され画像処理された前記基板マークの位置を基準にして該パッドパターンに対する該部品の実装位置を補正して該部品を該パッドパターンに実装し、一方、実装する部品が前記半田印刷パターンに実装する部品と判定した場合に前記カメラで撮像され画像処理された前記半田マークの位置を基準にして該半田印刷パターンに対する該部品の実装位置を補正して該部品を該半田印刷パターンに実装することを特徴とする部品実装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品供給装置から供給される部品を、回路基板のパッドパターン又は該パッドパターンにスクリーン印刷した半田印刷パターンに実装する部品実装機及び部品実装方法に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
回路基板への部品の実装方法は、例えば、特許文献1(特許第3983274号公報)に記載されているように、回路基板のパッドパターンに半田をスクリーン印刷して、その半田印刷パターンに部品を実装する方法と、部品の端子部(バンプ)に半田やフラックスを転写してから回路基板のパッドパターンに実装する方法とに大別される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3983274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回路基板のパッドパターンにスクリーン印刷した半田印刷パターンに部品を実装する場合は、パッドパターンに対する半田印刷パターンの印刷ずれを考慮する必要があるため、半田印刷パターンの位置を基準にして部品の実装位置を補正することが望ましい。一方、回路基板のパッドパターンに部品を実装する場合は、半田印刷パターンの印刷ずれを考慮する必要がないため、パッドパターンの位置を基準にして部品の実装位置を補正すれば良い。従って、パッドパターンに実装する部品と半田印刷パターンに実装する部品とでは、実装位置を補正するための基準位置のマークを切り替える必要がある。
【0005】
一般に、1枚の回路基板に実装する部品には、様々な種類の部品が存在し、パッドパターンに実装する部品と半田印刷パターンに実装する部品とが混在する場合があるため、回路基板に実装する全ての部品について、生産開始前に作業者がパッドパターンに実装する部品か半田印刷パターンに実装する部品かを判断して部品毎に基準位置のマークを指定するようにしていた。このため、生産開始前に作業者が部品毎に基準位置のマークを指定する作業が面倒であると共に、人為的なミスで間違った基準位置のマークが指定される可能性があり、生産する部品実装基板の接続信頼性を低下させる一因となっていた。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、実装する部品がパッドパターンに実装する部品か半田印刷パターンに実装する部品かを自動的に判断してパッドパターン又は半田印刷パターンに精度良く部品を実装でき、生産する部品実装基板の接続信頼性を向上できる部品実装機及び部品実装方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、部品供給装置から供給される部品を、回路基板のパッドパターン又は該パッドパターンにスクリーン印刷した半田印刷パターンに実装する部品実装機及び部品実装方法において、回路基板に前記パッドパターンの基準位置のマークとなる基板マークと前記半田印刷パターンの基準位置のマークとなる半田マークとを形成し、実装する部品が前記パッドパターンに実装する部品か前記半田印刷パターンに実装する部品かを判定し、その結果、実装する部品が前記パッドパターンに実装する部品と判定した場合に前記カメラで撮像され画像処理された前記基板マークの位置を基準にして該パッドパターンに対する該部品の実装位置を補正して該部品を該パッドパターンに実装し、一方、実装する部品が前記半田印刷パターンに実装する部品と判定した場合に前記カメラで撮像され画像処理された前記半田マークの位置を基準にして該半田印刷パターンに対する該部品の実装位置を補正して該部品を該半田印刷パターンに実装するようにしたものである。このようにすれば、実装する部品がパッドパターンに実装する部品か半田印刷パターンに実装する部品かを自動的に判断して基準位置のマークを基板マークと半田マークとの間で自動的に切り替えることができ、パッドパターン又は半田印刷パターンに精度良く部品を実装でき、生産する部品実装基板の接続信頼性を向上できる。
【0008】
この場合、基板マークは、パッドパターンとは別の位置にパッドパターンと一括して形成しても良いし、回路基板に形成したパッドパターンの中から画像認識で位置が特定可能なパッドパターンを基板マークとして用いても良い。
【0009】
同様に、半田マークは、半田印刷パターンとは別の位置に半田印刷パターンと一括してスクリーン印刷して形成しても良いし、回路基板にスクリーン印刷した半田印刷パターンの中から画像認識で位置が特定可能な半田印刷パターンを半田マークとして用いても良い。
【0010】
また、本発明は、部品を実装する位置に存在するパッドパターンに半田印刷パターンがスクリーン印刷されていない場合は、実装する部品がパッドパターンに実装する部品であると判定し、部品を実装する位置に存在するパッドパターンに半田印刷パターンがスクリーン印刷されている場合は、実装する部品が半田印刷パターンに実装する部品であると判定するようにすれば良い。
【0011】
この場合、部品を実装する位置に存在するパッドパターンにスクリーン印刷以外の方法(例えばピン転写、ディスペンサ、ディッピング、インクジェット等)で半田が付着されている場合は、実装する部品がパッドパターンに実装する部品であると判定するようにしても良い。パッドパターンにスクリーン印刷以外の方法で半田が付着されている場合は、パッドパターン毎に半田の位置ずれ量がばらついていたり、半田付着量がばらついている可能性があるため、基板マークの位置(パッドパターンの位置)を基準にして部品の実装位置を補正した方が部品をパッドパターンに安定して接続できるためである。
【0012】
また、実装する部品がその端子部に半田やフラックスを転写してから実装する部品である場合は、パッドパターンに実装する部品であると判定するようにすると良い。部品の端子部に半田やフラックスが転写されていれば、パッドパターン上に半田印刷パターンが無くても、部品の端子部をパッドパターンに接続できるためである。
【0013】
本発明を実施する場合は、実装する部品を画像認識する際に用いる画像処理用部品データに、実装する部品がパッドパターンに実装する部品か半田印刷パターンに実装する部品かを指定するデータを含ませ、前記画像処理用部品データを参照して、実装する部品がパッドパターンに実装する部品か半田印刷パターンに実装する部品かを判定するようにすると良い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は本発明の一実施例を示す部品実装機の主要部の構成を示す縦断面図である。
図2図2は部品実装機の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。
図3図3(a)は半田印刷パターンをスクリーン印刷する前の回路基板の実装面を示す図、同図(b)は半田印刷パターンをスクリーン印刷した後の回路基板の実装面を示す図、同図(c)は回路基板に部品を実装した状態を示す図である。
図4図4は多数個取り基板の実装面を示す図である。
図5図5は部品実装制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
図6図6は部品実装スキップ判定プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
図7図7は部品実装機の制御装置の機能を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、図1及び図2に基づいて部品実装機全体の概略構成を説明する。
【0016】
X軸スライド11は、X軸ボールねじ12によってX軸方向(図1の左右方向)にスライド移動可能に設けられ、このX軸スライド11に対して、Y軸スライド13がY軸ボールねじ14によってY軸方向(図1の紙面垂直方向)にスライド移動可能に設けられている。X軸ボールねじ12とY軸ボールねじ14は、それぞれX軸モータ15(図2参照)とY軸モータ16(図2参照)によって駆動される。
【0017】
Y軸スライド13には、装着ヘッド17が設けられ、この装着ヘッド17に吸着ホルダ18がZ軸駆動機構(図示せず)を介してZ軸方向(上下方向)に昇降可能に設けられ、この吸着ホルダ18に吸着ノズル19が下向きに取り付けられている。Z軸駆動機構は、Z軸モータ20(図2参照)によって駆動される。
【0018】
一方、X軸スライド11には、吸着ノズル19に吸着した部品をその下面側から一対の反射鏡21,22を介して撮像するパーツカメラ23(部品撮像用のカメラ)が下向きに設けられている。吸着ノズル19に吸着した部品の下方に位置する反射鏡21の上方には、吸着ノズル19に吸着した部品をその下面側から照明するためのリング状の照明装置24が設けられている。
【0019】
図2に示すように、部品実装機の制御装置31には、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置32と、液晶ディスプレイ、CRT等の表示装置33と、後述する図5図6の各プログラムや画像処理用部品データ等を記憶する記憶装置34等が接続されている。その他、部品実装機には、回路基板を搬送する基板搬送装置35と、回路基板に実装する部品を供給するテープフィーダ等の部品供給装置36と、回路基板の撮像対象部位を撮像するマークカメラ37(マーク撮像用のカメラ)等が設けられている。
【0020】
部品実装機の制御装置31は、部品実装機の稼働中に部品供給装置36から供給される部品を吸着ノズル19に吸着して回路基板に実装する動作を制御すると共に、吸着ノズル19に吸着した部品を回路基板上へ移動させる途中で、該部品をパーツカメラ23で撮像し、その撮像画像を処理して該部品の吸着姿勢や該部品の有無等を判定する。
【0021】
ところで、図3に示すように、1枚の回路基板41に実装する部品には、様々な種類の部品が存在し、回路基板41に形成したパッドパターン42に実装する部品43と、回路基板41のパッドパターン44にスクリーン印刷した半田印刷パターン45に実装する部品46とが混在する場合がある。
【0022】
パッドパターン44にスクリーン印刷した半田印刷パターン45に部品46を実装する場合は、パッドパターン44に対する半田印刷パターン45の印刷ずれを考慮する必要があるため、半田印刷パターン45の位置を基準にして部品46の実装位置を補正することが望ましい。一方、回路基板41のパッドパターン42に部品43を実装する場合は、半田印刷パターン45の印刷ずれを考慮する必要がないため、パッドパターン42の位置を基準にして部品43の実装位置を補正すれば良い。
【0023】
このような事情を考慮して、本実施例では、回路基板41の対角方向の2つの角部にパッドパターン42,44の基準位置のマークとなる2個の基板マーク47をパッドパターン42,44と一括して形成すると共に、半田印刷パターン45をスクリーン印刷する際に、回路基板41の他の対角方向の2つの角部に半田印刷パターン45の基準位置のマークとなる2個の半田マーク48を半田印刷パターン45と一括してスクリーン印刷して形成している。
【0024】
そして、部品実装機の制御装置31は、図7に示すように、マークカメラ37で撮像された部品実装基準位置マークとしての基板マーク47および/あるいは半田マーク48を画像処理し、該基準位置マークの位置を算出する処理を行う画像処理部311、実装する部品がパッドパターン42に実装する部品43か半田印刷パターン45に実装する部品46かを判定する処理を行う部品判定部312、部品判定部312による判定結果に基づいて、該部品を実装するための基準位置マークが基板マーク47か半田マーク48かを設定する基準位置マーク設定部313、基準位置マーク設定部313により設定された基準位置マークの、マークカメラ37が撮像した画像に基づいて、実装する部品の実装位置の補正量を演算する補正量演算部314を含む。
【0025】
本実施例では、部品実装機の制御装置31は、後述する図5及び図6の各プログラムを実行することで、画像処理部311、部品判定部312、基準位置マーク設定部313及び補正量演算部314としての機能を実現し、実装する部品がパッドパターン42に実装する部品43か半田印刷パターン45に実装する部品かを判定し、その結果、実装する部品がパッドパターン42に実装する部品と判定した場合に、マークカメラ37で基板マーク47を撮像して該基板マーク47の位置を画像認識し、該基板マーク47の位置を基準にして該パッドパターン42に対する該部品43の実装位置を補正して、該部品43を該パッドパターン42に実装し、一方、実装する部品が半田印刷パターン45に実装する部品46と判定した場合に、マークカメラ37で半田マーク48を撮像して該半田マーク48の位置を画像認識し、該半田マーク48の位置を基準にして該半田印刷パターン45に対する該部品46の実装位置を補正して、該部品46を該半田印刷パターン45に実装するようにしている。
【0026】
尚、基板マーク47は、パッドパターン42,44とは別の位置に形成したものに限定されず、回路基板41に形成したパッドパターン42の中から画像認識で位置が特定可能なパッドパターン42を基板マークとして用いても良い。
【0027】
同様に、半田マーク48は、半田印刷パターン45とは別の位置に形成したものに限定されず、回路基板41にスクリーン印刷した半田印刷パターン45の中から画像認識で位置が特定可能な半田印刷パターン45を半田マークとして用いても良い。
【0028】
また、本実施例では、基板マーク47と半田マーク48とを区別するために、両者のサイズを異ならせているが、両者の形状を異ならせるようにしても良く、また、両者のサイズと形状が同一の場合でも、形成する位置によって両者を区別できるようにすれば良い。
【0029】
吸着ノズル19に吸着した部品をパーツカメラ23で撮像して画像認識する際に用いる画像処理用部品データには、実装する部品がパッドパターン42に実装する部品43か半田印刷パターン45に実装する部品46かを指定するデータが含まれている。これにより、部品実装機の制御装置31は、吸着ノズル19に吸着した部品を画像認識する際に、記憶装置34に記憶されている画像処理用部品データを参照することで、吸着ノズル19に吸着した部品を画像認識して、該部品がパッドパターン42に実装する部品43か半田印刷パターン45に実装する部品46かを自動的に判定できるようになっている。
【0030】
本実施例では、部品実装位置に存在するパッドパターンに半田印刷パターンがスクリーン印刷されていない場合は、実装する部品がパッドパターンに実装する部品であると判定し、部品実装位置に存在するパッドパターンに半田印刷パターンがスクリーン印刷されている場合は、実装する部品が半田印刷パターンに実装する部品であると判定するように設定されている。
【0031】
部品実装位置に存在するパッドパターンにスクリーン印刷以外の方法(例えばピン転写、ディスペンサ、ディッピング、インクジェット等)で半田が付着されている場合は、実装する部品がパッドパターンに実装する部品であると判定するように設定されている。パッドパターンにスクリーン印刷以外の方法で半田が付着されている場合は、パッドパターン毎に半田の位置ずれ量がばらついていたり、半田付着量がばらついている可能性があるため、基板マーク47の位置を基準にして部品の実装位置を補正した方が部品をパッドパターンに安定して接続できるためである。
【0032】
また、本実施例では、実装する部品がその端子部(バンプ)に半田やフラックスを転写してから実装する部品である場合は、部品実装位置のパッドパターンに半田印刷パターンがスクリーン印刷されている場合でも、パッドパターンに実装する部品であると判定するように設定されている。パッドパターンに対する半田印刷パターンの印刷ずれ量が大きくても、部品の端子部に半田やフラックスが転写されていれば、部品の端子部をパッドパターンに接続できるためである。
【0033】
ところで、小型の部品実装基板を生産する場合は、生産性を向上させるために、図4に示すように、多数の回路基板41のブロックが一体に配列形成された多数個取り基板50の各回路基板41のブロックに部品を実装して、全ての回路基板41のブロックに全部品を実装し終えた後に、当該多数個取り基板50を各回路基板41のブロック間の境界線(ブレーク溝等)に沿って分断して個々の部品実装基板に分割する実装方法がある。
【0034】
このような多数個取り基板50に本発明を適用する場合は、多数個取り基板50の各ブロック毎に基板マーク47と半田マーク48を形成して、実装する部品に応じて基準位置のマークを基板マーク47と半田マーク48との間で切り替えて該部品をパッドパターン42又は半田印刷パターン45に実装する。
【0035】
多数個取り基板50では、各回路基板41のブロックの位置精度やスクリーン印刷の印刷精度のばらつき等によって各回路基板41のブロックのパッドパターン44に対する半田印刷パターン45の印刷ずれ量が各回路基板41のブロック毎に異なり、一部のブロックで印刷ずれ量が大きくなることがある。特に、セラミック製の多数個取り基板50では、焼成収縮によって各回路基板41のブロックの位置精度のばらつきが大きくなる傾向があるため、一部のブロックでパッドパターン44に対する半田印刷パターン45の印刷ずれ量が大きくなりやすい。この印刷ずれ量が大きくなり過ぎると、パッドパターン44と半田印刷パターン45との間の接続不良が発生しやすくなるため、該半田印刷パターン45に部品46を実装しても、実装不良となり、不良品を生産してしまう結果となる。
【0036】
この対策として、本実施例では、多数個取り基板50の各回路基板41のブロック毎にマークカメラ37で基板マーク47と半田マーク48を撮像して、基板マーク47と半田マーク48の位置を画像認識して、基板マーク47と半田マーク48との間の位置ずれ量を算出し、この位置ずれ量を最大許容位置ずれ量に相当する判定しきい値と比較して、位置ずれ量が判定しきい値を越えていれば、当該ブロックのパッドパターン44に対する半田印刷パターン45の印刷ずれ量が最大許容位置ずれ量を越えている(つまりパッドパターン44と半田印刷パターン45との接続不良が発生しやすい)と判断して、当該ブロックの部品実装をスキップして当該ブロックには部品を実装しないようにしている。
【0037】
以上説明した本実施例の部品実装制御は、部品実装機の制御装置31によって図5及び図6の各プログラムに従って実行される。以下、図5及び図6の各プログラムの処理内容を説明する。
【0038】
[部品実装制御プログラム]
図5の部品実装制御プログラムは、多数個取り基板50に実装する部品毎に実行され、実装する部品が半田印刷パターン45に実装する部品46かパッドパターン42に実装する部品43かを判定して部品実装動作を制御する制御手段として機能する。
【0039】
本プログラムが起動されると、まずステップ101で、後述する図6の部品実装スキップ判定プログラムを実行して、多数個取り基板50の各回路基板41のブロック毎に部品実装をスキップするか否かを判定して、その判定結果に応じて各ブロックのスキップ判定フラグのON(スキップ)/OFF(部品実装実行)を切り替える。
【0040】
この後、ステップ102に進み、制御装置31の部品判定部312は、実装する部品が半田印刷パターン45に実装する部品46か否かを判定する。本実施例では、実装する部品の画像処理に用いる画像処理用部品データに、実装する部品がパッドパターン42に実装する部品43か半田印刷パターン45に実装する部品46かを指定するデータが含まれているため、実装する部品をパーツカメラ23で撮像して画像処理する際に、画像処理用部品データを参照して、実装する部品が半田印刷パターン45に実装する部品46か否かを判定する。その結果、実装する部品が半田印刷パターン45に実装する部品46と判定されれば、ステップ103に進み、基準位置マーク設定部313は、部品実装の基準位置のマークとして半田マーク48を設定する。
【0041】
一方、上記ステップ102で、部品判定部312が実装する部品が半田印刷パターン45に実装する部品46ではない(つまりパッドパターン42に実装する部品43)と判定すれば、ステップ104に進み、基準位置マーク設定部313は、部品実装の基準位置のマークとして基板マーク47を設定する。
【0042】
基準位置マーク設定部313による基準位置のマークの設定後、ステップ105に進み、多数個取り基板50のブロック番号nをインクリメントする。尚、このブロック番号nは、制御装置31の電源投入時の初期化処理により「0」にリセットされるため、上記ステップ105の処理により、最初のブロック番号nは「1」にセットされる。
【0043】
この後、ステップ106に進み、後述する図6の部品実装スキップ判定プログラムにより設定されたブロック番号nのブロックのスキップ判定フラグがON(スキップ)であるか否かを判定するスキップ判定処理を行い、当該ブロック番号nのブロックのスキップ判定フラグがONであると判定されれば、ステップ107に進み、当該ブロック番号nのブロックの部品実装をスキップする。この後、ステップ111に進み、ブロック番号nが最後のブロック番号であるか否かを判定し、最後のブロック番号ではないと判定されれば、上述したステップ105に戻り、ブロック番号nをインクリメントして、上記ステップ106のスキップ判定処理を再度行う。
【0044】
上記ステップ106で、ブロック番号nのブロックのスキップ判定フラグがOFF(スキップしない)と判定されれば、ステップ108に進み、基準位置のマークが半田マーク48に設定されているか否かを判定し、基準位置のマークが半田マーク48に設定されていると判定されれば、ステップ109に進み、ブロック番号nのブロックの半田マーク48の位置を基準にして補正量演算部314が実装位置の補正量を演算して、当該ブロック番号nのブロックの半田印刷パターン45に部品46を実装する。
【0045】
一方、上記ステップ108で、基準位置のマークが半田マーク48に設定されていない(つまり基板マーク47に設定されている)と判定されれば、ステップ110に進み、ブロック番号nのブロックの基板マーク47の位置を基準にして補正量演算部314が実装位置の補正量を演算して、当該ブロック番号nのブロックのパッドパターン42に部品43を実装する。
【0046】
この後、ステップ111に進み、ブロック番号nが最後のブロック番号であるか否か(多数個取り基板50の全てのブロックについて部品実装又はスキップを実行し終えたか否か)を判定し、その結果、ブロック番号nが最後のブロック番号ではないと判定されれば、上記ステップ105に戻り、ブロック番号nをインクリメントして、上述したステップ106以降の処理を繰り返して実行する。その後、上記ステップ111で、ブロック番号nが最後のブロック番号であると判定されれば、多数個取り基板50の全てのブロックについて部品実装又はスキップを実行し終えたと判断して、本プログラムを終了する。
【0047】
[部品実装スキップ判定プログラム]
図6の部品実装スキップ判定プログラムは、前述した図5の部品実装制御プログラムのステップ101で実行されるサブルーチンである。図6の部品実装スキップ判定プログラムが起動されると、まずステップ201で、後述するステップ210でセットされるスキップ判定済みフラグがOFF(スキップ未判定)であるか否かを判定し、スキップ判定済みフラグがON(スキップ判定済み)と判定されれば、以降の処理を行うことなく、本プログラムを終了する。
【0048】
一方、上記ステップ201で、スキップ判定済みフラグがOFF(スキップ未判定)であると判定されれば、ステップ202に進み、マークカメラ37で多数個取り基板50の各ブロックの2個の基板マーク47を1個ずつ撮像して、制御装置31の画像処理部311は、各基板マーク47の位置(X1a,Y1a)、(X2a,Y2a)を画像認識し、次のステップ203で、マークカメラ37で多数個取り基板50の各ブロックの2個の半田マーク48を1個ずつ撮像して、制御装置31の画像処理部311は、各半田マーク48の位置(X1b,Y1b)、(X2b,Y2b)を画像認識する。
【0049】
この後、ステップ204に進み、画像処理部311は、多数個取り基板50の各ブロック毎に基板マーク47と半田マーク48との間のX方向とY方向の位置ずれ量ΔX,ΔYを次のいずれかの方法で算出する。
【0050】
《位置ずれ量ΔX,ΔYの算出方法(その1)》
各ブロック毎に基板マーク47と半田マーク48がそれぞれ対角方向に2個ずつ形成されているため、基板マーク47と半田マーク48との間のX方向とY方向の位置ずれ量ΔX,ΔYとして、2個の基板マーク47の中点[(X1a+X2a)/2,(X1b+X2b)/2]と2個の半田マーク48の中点[(Y1a+Y2a)/2,(Y1b+Y2b)/2]との間のX方向とY方向の位置ずれ量ΔX,ΔYを例えば次式により算出する。
【0051】
ΔX=|(X1a+X2a)/2−(X1b+X2b)/2|
ΔY=|(Y1a+Y2a)/2−(Y1b+Y2b)/2|
【0052】
《位置ずれ量ΔX,ΔYの算出方法(その2)》
2個の基板マーク47の位置(X1a,Y1a)、(X2a,Y2a)と、2個の半田マーク48の位置(X1b,Y1b)、(X2b,Y2b)との間の位置関係が、位置ずれが無い場合に、X1a=X1b、X2a=X2b、Y1a=Y2b、Y2a=Y1bとなるように形成されている場合に、各基板マーク47と各半田マーク48との間のX方向の位置ずれ量ΔX1 ,ΔX2 とY方向の位置ずれ量ΔY1 ,ΔY2 を次式により算出する。
【0053】
ΔX1 =|X1a−X1b|
ΔX2 =|X2a−X2b|
ΔY1 =|Y1a−Y2b|
ΔY2 =|Y2a−Y1b|
【0054】
上式により算出した2つのX方向の位置ずれ量ΔX1 ,ΔX2 のうちの大きい方を当該ブロックのX方向の位置ずれ量ΔXとして選択し、2つのY方向の位置ずれ量ΔY1 ,ΔY2 のうちの大きい方を当該ブロックのY方向の位置ずれ量ΔYとして選択する。
【0055】
ΔX=MAX(ΔX1 ,ΔX2 )
ΔY=MAX(ΔY1 ,ΔY2 )
【0056】
《位置ずれ量ΔX,ΔYの算出方法(その3)》
ΔX1 、ΔY1 のみを算出して(又はΔX2 、ΔY2 のみを算出して)、これをそのままX方向とY方向の位置ずれ量ΔX,ΔYとする。
【0057】
ΔX=ΔX1 (又はΔX=ΔX2 )
ΔY=ΔY1 (又はΔY=ΔY2 )
【0058】
この後、ステップ205に進み、多数個取り基板50のブロック番号nをインクリメントする。尚、このブロック番号nは、制御装置31の電源投入時の初期化処理により「0」にリセットされるため、上記ステップ205の処理により、最初のブロック番号nは「1」にセットされる。
【0059】
この後、ステップ206に進み、ブロック番号nのブロックのX方向とY方向の位置ずれ量ΔX,ΔXが最大許容位置ずれ量に相当する判定しきい値を越えているか否かを判定する。
【0060】
(1) ΔX>判定しきい値
(2) ΔY>判定しきい値
【0061】
この際、X方向とY方向の位置ずれ量ΔX,ΔXのいずれか一方でも判定しきい値を越えていれば、当該ブロックの位置ずれ量が最大許容位置ずれ量を越えていると判定し、X方向とY方向の位置ずれ量ΔX,ΔXが両方とも判定しきい値を越えていなければ、当該ブロックの位置ずれ量が最大許容位置ずれ量を越えていないと判定する。
【0062】
このステップ206で、ブロック番号nのブロックの位置ずれ量が最大許容位置ずれ量を越えていると判定されれば、ステップ207に進み、ブロック番号nのブロックのスキップ判定フラグをON(スキップ)にセットする。
【0063】
これに対し、上記ステップ206で、ブロック番号nのブロックの位置ずれ量が最大許容位置ずれ量を越えていないと判定されれば、ステップ208に進み、ブロック番号nのブロックのスキップ判定フラグをOFF(スキップしない)に維持する。尚、このスキップ判定フラグは、制御装置31の電源投入時の初期化処理によりOFFにリセットされる。
【0064】
この後、ステップ209に進み、ブロック番号nが最後のブロック番号であるか否か(多数個取り基板50の全てのブロックについて部品実装又はスキップを実行し終えたか否か)を判定し、その結果、ブロック番号nが最後のブロック番号ではないと判定されれば、上記ステップ205に戻り、ブロック番号nをインクリメントして、上述したステップ206以降のスキップ判定処理を繰り返して実行する。
【0065】
その後、上記ステップ209で、ブロック番号nが最後のブロック番号であると判定されれば、多数個取り基板50の全てのブロックについてステップ206以降のスキップ判定処理を実行し終えたと判断して、ステップ210に進み、スキップ判定済みフラグをON(スキップ判定済み)にセットして、本プログラムを終了する。
【0066】
以上説明した本実施例によれば、制御装置31の部品判定部312は、実装する部品がパッドパターン42に実装する部品43か半田印刷パターン45に実装する部品46かを判定し、その結果、実装する部品がパッドパターン42に実装する部品43と判定した場合に基準位置マーク設定部313は基板マーク47を部品実装の基準位置マークに設定し、マークカメラ37で基板マーク47を撮像して画像処理部311が該基板マーク47の位置を画像認識し、補正演算部314が該基板マーク47の位置を基準にして該パッドパターン42に対する該部品43の実装位置を補正して該部品43を該パッドパターン42に実装し、一方、部品判定部312が実装する部品が半田印刷パターン45に実装する部品46と判定した場合に基準位置マーク設定部313は半田マーク48を部品実装の基準位置マークに設定し、マークカメラ37で半田マーク48を撮像して画像処理部311が該半田マーク48の位置を画像認識し、補正量演算部314が該半田マーク48の位置を基準にして該半田印刷パターン45に対する該部品46の実装位置を補正して該部品46を該半田印刷パターン45に実装するようにしたので、実装する部品がパッドパターン42に実装する部品43か半田印刷パターン45に実装する部品46かを自動的に判断して基準位置のマークを基板マーク47と半田マーク48との間で自動的に切り替えることができる。その結果、生産開始前に作業者が部品毎に基準位置のマークを指定する作業を行わずに済み、生産性を向上できると共に、人為的なミスで間違った基準位置のマークが指定されることがなく、パッドパターン42又は半田印刷パターン45に精度良く部品43,46を実装することができ、生産する部品実装基板の接続信頼性を向上できる。
【0067】
上記実施例においては、実装する部品がパッドパターン42に実装する部品43か半田印刷パターン45に実装する部品46かを指定するデータは、実装する部品の画像処理に用いる画像処理部品データに含まれていたが、本発明はそれに限定されない。例えば、回路基板に実装されるべき各部品の実装順序や実装座標を示す装着位置データなどに含まれていてもよい。
【0068】
また、上記実施例においては、部品判定部312が実装する部品を判定し、基準位置マーク設定部313が部品実装の基準位置マークを設定した後で、マークカメラ37は設定された基準位置マーク47または48を撮像し、画像処理部311が該基準位置マーク47または48の位置を画像処理していたが、本発明はその処理順序に限定されない。
【0069】
例えば、部品実装機に回路基板が搬入され位置決めされた時点で、マークカメラ37が部品実装の基準位置マークとしての基板マーク47および半田マーク48を撮像し、画像処理部311が基板マーク47および半田マーク48の位置を算出しておく。その後、各部品を実装する際、部品判定部312が実装する部品を判定し、基準位置マーク設定部313が部品実装の基準位置マークを設定し、補正量演算部314は、既に算出された各基準位置マークの位置に基づいて、該部品の実装位置の補正量を演算してもよい。回路基板搬入・位置決め時にのみ部品実装の基準位置マークが撮像されればよいので、生産時間が短縮される。
【0070】
または、一枚の回路基板に多数の部品を実装するため、実装すべき部品を複数の部品実装機で分担している場合、部品実装機によっては、パッドパターン42に実装する部品43だけを扱うもの、あるいは半田印刷パターン45に実装する部品46だけを扱うものが存在する場合もある。このような場合、各部品実装機の実装すべき部品が、部品43または部品46の一方のみで構成されるのか、あるいは両方の部品を含むのかといった情報が、回路基板種ごとの生産に関連するデータであって、その回路基板種の生産開始前に各部品実装機に入力されるデータである生産関連データの中に含まれているとよい。具体的には、その回路基板種の生産前に各部品実装機を準備する時点で、各部品実装機の部品判定部312が、自身が実装する全ての部品が部品43だけで構成されるのか、部品46のみで構成されるのか、両方の部品を含むのかを、生産関連データに基づいて判定する。部品43または部品46の一方の部品しか実装しないと判定された部品実装機においてはさらに、基準位置マーク設定部313が、自身が実装する全ての部品を実装するための基準位置マークが基板マーク47か半田マーク48かを設定しておき、生産が開始され、各部品実装機に回路基板が搬入され位置決めされた時点で、一方の部品しか実装しない部品実装機のマークカメラ37は設定された一方の基準位置マークのみを撮像し、画像処理部311は撮像された一方の基準位置マークの位置を算出する。一方の部品しか実装しない部品実装機においては、基板マーク47と半田マーク48の一方の基準位置マークのみ撮像、画像処理すればよいので、生産時間がさらに短縮される。
【0071】
尚、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、例えば、部品実装機の構成を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0072】
17…装着ヘッド、19…吸着ノズル、23…パーツカメラ(部品撮像用のカメラ)、31…制御装置(制御手段)、34…記憶装置、35…基板搬送装置、36…部品供給装置、37…マークカメラ(マーク撮像用のカメラ)、41…回路基板、42…パッドパターン、43…部品、44…パッドパターン、45…半田印刷パターン、46…部品、47…基板マーク、48…半田マーク、50…多数個取り基板、311…画像処理部、312…部品判定部、313…基準位置マーク設定部、314…補正量演算部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7