(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】微量成分投入型飲料供給ステーション用のインターフェース部を含む、微量成分投入型飲料供給ステーションの一例である。
【
図1B】微量成分投入型飲料供給ステーション用のインターフェース部を含む、微量成分投入型飲料供給ステーションの一例である。
【
図2A】グラフィカルユーザーインターフェースを有する飲料供給装置用バルブのインターフェース部の一例である。
【
図2B】公知の飲料供給装置用バルブの一例である。
【
図3】飲料供給ステーションにおける飲料の選択と供給を開始する機能を実行し得る、複数のインターフェースの一例である。
【
図4】飲料供給装置と共に使用するための、ユーザーインターフェースデバイスのシステムブロック図の一例である。
【
図5】飲料供給装置と共に使用するための、飲料用容器作動型のユーザーインターフェースデバイスの一例である。
【
図6】自動飲料システムとして構成した、飲料用容器駆動型のユーザーインターフェースデバイスの一例である。
【
図7】ファーストフード店または注文制のレストラン用の飲料注文入力および注文履行ネットワークの一例である。
【
図8】ユーザーインターフェースデバイスの一部として飲料用容器を使用した、飲料選択および供給のための方法の一例である。
【
図9】ユーザーインターフェースデバイスの一部として飲料用容器を使用した、飲料選択および供給のための方法の他の態様の具体例である。
【
図10】注文を管理し、飲料を供給するための方法の一例である。
【
図11】注文を管理し、飲料を供給するための方法の他の態様の具体例である。
【
図12】飲料用容器をファウンテンディスペンサーのグラフィカルユーザーインターフェース用のポインティングデバイスとして使用する方法の一例である。
【
図13】飲料用容器をファウンテンディスペンサーのグラフィカルユーザーインターフェース用のポインティングデバイスとして使用する方法の他の態様の具体例である。
【0014】
以下の詳細な説明においては、図面の例示に参照しながら、本発明の好ましい態様および利点と特徴を説明する。
【0015】
発明の詳細な説明
図面についてより詳細に説明する。
図1Aと
図1Bには、微量成分投入型飲料供給ステーション202を示した。微量成分投入型飲料供給ステーション202は、複数の濃縮原料、水、乳製品、大豆製品、甘味料、炭酸水、および他の飲料用成分の供給を厳密なレシピに従って管理し、数百種類の異なる飲料を形成することができる。ユーザーによる、供給する飲料のレシピの選択を可能にするために、ユーザーが利用可能なグラフィカルユーザーインターフェース206を提供することができる。具体例としては、選択可能な飲料のメニューを、飲料の選択肢204A〜204Eのように、グラフィカルユーザーインターフェース206上に表示することができる。
【0016】
例えば、コカ・コーラゼロ
TM飲料は、コカ・コーラゼロ
TM飲料選択肢204Aを選ぶことで供給することができるが、これに限定されるものではない。同様に、BARQ’S ROOT BEER
(R)飲料は、飲料選択肢204Bを選ぶことで供給することができる。コカ・コーラ
(R)飲料は飲料選択肢204Cによって供給され、ダイエットコーク
(R)飲料は飲料選択肢204Dによって供給され、そしてスプライト
(R)飲料は飲料選択肢204Eによって供給される。飲料供給装置202は数百種類の飲料を供給するように設定することが可能であり、提供可能な飲料種数について制約となるのは、飲料のレシピに必要な材料のみである。
【0017】
グラフィカルユーザーインターフェース206から飲料種を選択するために、ユーザーは、通常、タッチスクリーンに触れる必要があった。しかし、ユーザーの手が空いていない場合、飲料種の選択のために手を空けるには、ユーザーは手に持っていたものを下に置く必要が生じる。ある種の状況においては、タッチスクリーンの位置が子供や他の消費者が容易に利用するには高すぎることもある。
【0018】
本発明の利点は、飲料種の選択および場合により供給をも容易にするために、付加的なユーザーインターフェースデバイス300を設けることができる点にある。具体的には、飲料供給装置202において、飲料供給領域210、氷供給レバー208、飲料供給レバー216(
図2Aに示した)および/または他の位置に、飲料用容器212の動きを検知可能なユーザーインターフェースデバイス300(
図3に示した)を設けることができる。
図1Bに図示したように、ユーザーは飲料用容器212を回転させることで、グラフィカルユーザーインターフェース206上の選択肢を“A−B”の方向に移動することができる。更にユーザーは、飲料用容器212を上下に動かすことで、グラフィカルユーザーインターフェース206上の選択肢を“C−D”の方向に移動することもできる。本発明においては、ユーザーインターフェースデバイス300を、システム300と称することもある。上記の代わりに、そして飲料用容器212を回転させることを不要とするために、飲料用容器212に機械読み取り可能な表示400Eを設けることができる。表示400Eは、飲料用容器212の一部分のみを囲むのではなく、配置された飲料用容器212の向きに関わらずユーザーインターフェースデバイス300が表示を読み取れるように、飲料用容器212の周囲全体を囲むものである。
【0019】
この片手で操作可能なユーザーインターフェースは、タッチスクリーン206接触の代用手段として、所望の飲料を選択し、必要に応じて供給するという操作を可能にする。多くの例において、この片手による飲料選択インターフェースは、ファーストフード店または注文制レストランで一般的に見られる、従業員による給仕が行われる環境における飲料の選択と供給にかかる時間の短縮をもたらす。一般的に、「従業員による給仕用の」(“crew-serve”)供給装置は、「従業員」によって操作され、「セルフサービス用の」供給装置は、客(消費者)によって操作される。片手による操作は、従業員を、飲料の選択と供給のために手に持っているものを下に置く必要性から解放する。別の例においては、高い場所にあるグラフィカルユーザーインターフェース206に届かない子供や他の消費者が、飲料用容器の動きのみを利用して飲料供給装置と対話することで、飲料の選択および場合により供給をも行うことができる。更に別の例においては、車椅子の使用を余儀なくされている消費者などの、高い場所にあるグラフィカルユーザーインターフェース206に触れるのが困難な消費者も、飲料用容器の動きのみを利用した飲料供給装置との対話による飲料の選択と供給による恩恵を受けることができる。
【0020】
図2Aには、グラフィカルユーザーインターフェース206を有する飲料供給装置のインターフェース部の一例を示した。
図2Bに示した従来のファウンテンディスペンサー242においては、単一フレーバー用のバルブが複数個、配列されており、ユーザーは限られた数の飲料フレーバーからしか選ぶことができなかった。従来のファウンテンディスペンサーの態様は、典型的には1ダースまたはそれ以下のバルブにしか対応していないため、このような限られた数の飲料種の選択肢しか提供しなかった。
【0021】
本発明の利点は、単一のバルブ218をグラフィカルユーザーインターフェース206と共に構成することができる点にある。供給レバー216をユーザーインターフェースデバイス300と共に構成することによって、ユーザーが飲料用バルブと相互作用して、飲料種の選択および選択した飲料の飲料用容器212への供給を行うことができるようになる。具体的には、ユーザーは飲料用容器212を“A−B”の方向に移動または回転させることで、グラフィカルユーザーインターフェース206上の飲料種表示を変化させることができる。ユーザーが飲料用容器212を“A”の方向に回転させると、グラフィカルユーザーインターフェース206に表示されたフレーバーラベルがコカ・コーラ
(R)204Cからスプライト
(R)204Eへ、更にBARQ’S ROOT BEER
(R)204B、ダイエットコーク
(R)204D、そしてコカ・コーラゼロ
TM204Aへと変化し、コカ・コーラ
(R)204Cに戻る。飲料用容器の“B”方向への回転は、フレーバーの表示パターンを逆方向に変化させる。よってユーザーは、飲料用容器212を用いて飲料種を選択し、そしてレバー216を起動して飲料を供給することができる。
図2Aには飲料供給装置ノズル214と複数のタッチボタン246A〜Bも示した。タッチボタン246A〜Bは、タッチによってユーザーがバルブ218と相互作用し、任意により飲料を供給することも可能にし得るものである。
【0022】
バルブ218は、従来のファウンテンディスペンサー242または自動飲料供給装置230(
図6に示した)に追加導入することができる。具体的には、グラフィカルユーザーインターフェース206を有するバルブ218を既存の従来型ファウンテン装置および自動飲料システムに導入することによって、ユーザーインターフェースデバイス300を用いた単一のバルブ218による複数の飲料の選択と供給が可能となる。
【0023】
図3には、飲料供給ステーションから飲料を選択し、供給を開始することを可能にする種々のインターフェースの一例を示した。ユーザーインターフェースデバイス300は、飲料供給用レバー216、氷用レバー208、あるいは飲料供給領域用レバー222、供給用プレート224または他のデバイスを使用する飲料供給領域に導入することができる。飲料用容器212がシステム300の近傍に接近すると、飲料用容器の動きが検知されて、その情報がグラフィカルユーザーインターフェース206上の飲料種の選択を容易にするために用いられる。飲料種が選択された後は、レバー216またはレバー208の押し下げ、複数のスイッチ220A〜Cの起動、あるいは他の方法によって供給を開始することができる。レバー、スイッチ、これらの組み合わせ、および/または他の種類のアクチュエーターを供給アクチュエーターと称することができる。具体的には、選択した飲料種の供給を可能にするために、供給アクチュエーターを使用することができる。供給アクチュエーターとして機能するように、レバー208とレバー216などの複数のレバーをスイッチ220A〜Cと共に使用することで、従業員、消費者または他のユーザーが飲料の供給を開始し、制御することが可能となる。
【0024】
スイッチ220A〜Cは、供給用レバー222または供給用プレート224に対して飲料用容器212を押し付けることで起動させることができる。供給領域レバー222と供給用プレート224に関しては、これらが飲料用容器212によって押された時にスイッチ220A〜Cのいずれか1つが起動されるように、十分な移動自由度を有していてもよい。グラフィカルユーザーインターフェース上の多階層メニューにおいては、飲料用容器212を供給領域レバー222の左側に押し付けることでスイッチ220Aを起動すると、グラフィカルユーザーインターフェースの表示がメニューの次の階層に移動し、そして飲料用容器212を供給領域レバー222の右側に押し付けることでスイッチ220Bを起動すると、グラフィカルユーザーインターフェースの表示がメニューの前の階層に戻る。
【0025】
飲料用容器212の動きを検知し、こういった飲料用容器の動きを飲料の選択と任意の飲料の供給に用いる以外にも、システム300は飲料用容器212に表示を印刷するように構成することができる。飲料の選択および/または飲料の供給の際には、システム300と連動した印刷機構308(
図4に示した)は、飲料用容器212に表示を印刷することができる。このような表示は、選択し、供給された飲料の種類または種別、機械で読み取り可能なバーコード、健康およびウエルネスに関する情報、商品原料情報および/または他の表示である。具体例として、
図3に示すような、レバー208と連動したシステム300によって印刷された、機械読み取り可能な水平方向の表示400Cおよび商品情報400Dが挙げられるが、これらに限定されるものではない。更に
図3には、レバー216と連動したシステム300によって印刷された、機械読み取り可能な垂直方向の表示400Eおよび商品情報400Fが図示されている。
図3には、レバー222と連動したシステム300によって印刷された、機械読み取り可能な水平方向の表示400Aおよび商品情報400Bも図示されている。上記表示である400A、400Cと400Eは、それぞれを(表示400Cと表示400Aのように)水平方向に飲料用容器212の異なる高さに、飲料用容器212を完全に一周するように印刷することも可能であり、こうすることによって、ユーザーが表示400A、400Cまたは400Eを回転させる必要がなくなり、ユーザーインターフェースデバイス300はいかなる向きからも表示を読み取ることができるようになる点に注目されたい。この態様においては、ユーザーは単に、所望の表示がユーザーインターフェースデバイスによって読み取られるように、カップを望ましい高さまで掲げればよい。
【0026】
図4には、飲料供給装置と共に使用するユーザーインターフェースデバイス300のためのシステムブロック図の一例を示した。システム300は、飲料供給ステーション、ファウンテンディスペンサー、自動飲料システムまたは他の飲料供給装置に組み込むことができる。実際にシステムは、いかなる種類の商品を供給するための供給装置にも組み込むことが可能であり、商品としては、食品、医薬品、飴、コーヒー(コーヒー豆およびコーヒー粉を含む)、塗料、または供給可能であって且つ同じ供給装置から供給される他の商品とは区別される必要がある商品が挙げられるが、これらに限定されるものではない。システム300は、飲料用容器212の使用による飲料種の選択および飲料の任意の供給を可能にするために用いることができる。更にこのようなシステム300は、飲料用容器表面の機械読み取り可能な表示および/または印刷表示を読み取るために用いることもできる。このような表示の読み取りは、特定の飲料種の供給、飲料供給ステーションの利用制御、飲料供給ステーションのプログラミングおよび/または他の特性の実施のために、供給装置をプログラミングすることを可能にする。
【0027】
システム300はマイクロプロセッサー302を有してもよい。このようなマイクロプロセッサー302としては、INTEL社製マイクロプロセッサー、MOTOROLA社製マイクロプロセッサー、AMD社製マイクロプロセッサー、ZILOG社製マイクロプロセッサー、MICROCHIP社製マイクロプロセッサー、RABBIT社製マイクロプロセッサーおよび/または他の種類および種別のマイクロプロセッサーが挙げられ、必要および/または所望により使用することができる。マイクロプロセッサー302は、飲料用容器動作検知器304と相互に接続されていてもよい。放射線源306を、飲料用容器212の表面の一部を照らすために使用することができる。その際に発生する後方散乱を飲料用容器動作検知器304で捕捉する。具体的には、飲料用容器動作検知器304は、後方散乱の変化を検知することによって、飲料用容器212の動きを決定することができる。後方散乱は、散乱データとも称する。飲料用容器の動きによって、マイクロプロセッサー302は、散乱データの解析による飲料用容器の動きの決定と、得られた散乱データなどに基づくデータを通信するという一連の工程を実施するための命令を実行し、そしてユーザーによる飲料用容器の回転または移動による飲料種の選択を可能にする。
【0028】
放射線源306と飲料用容器動作検知器304は、その設計や製造については、パーソナルコンピュータ用光学マウスや他の光学ポインティングデバイスの部品に用いられるのと類似のものでよい。更に放射線源と飲料用容器動作検知器は、可視光と非可視光および/または他の放射線の線源、ならびに検知器を用いることができる。更に設計には、レーザー光、高周波技術および/または他の放射線源、および/または容器動作検知技術および/または部品を用いることができる。機械的エンコーダーも容器動作検知器の一部として使用することができる。飲料用容器動作検知器304としては、機械的位置検知器、回転式エンコーダー、容器接触手段および/または他の容器動作検知技術を利用することもできる。
【0029】
マイクロプロセッサー302は、印刷機構308と相互に接続していてもよい。このような印刷機構308は、
図3に示した方式および/または他の方式によって、飲料用容器212の表面に表示を印刷するように構成することができる。印刷機構308は、感熱方式、インクジェット方式、飲料用容器表面に塗布された放射線活性化インクに対する放射線暴露および/または他の印刷方法で印刷する。印刷機構308は、ドットマトリクス方式などのピクセル印刷法および/または他の種類または種別の印刷方法によって、画像およびテキストからなる表示を形成することができる。
【0030】
マイクロプロセッサー302は、表示読み取り器310と相互に接続していてもよい。表示読み取り器310は、機械読み取り可能なコードを読み取り、処理することができる。機械読み取り可能なコードとしては、マイクロソフトタグ、データマトリックスコード、QRコード(登録商標)、バーコード、画像、白黒のタグ、カラータグおよび/または他の機械読み取り可能な表示が挙げられる。
【0031】
マイクロプロセッサー302は、複数の汎用入出力(GPIO)312と相互に接続していてもよい。具体的には、マイクロプロセッサー302は、GPIO 312を介して外部デバイスの読み取りと制御を行うことができる。例えば、スイッチ220A〜Cは、GPIO 312によって監視することができるが、これに限定されるものではない。GPIO 312は、飲料供給領域210の周りの照明の制御、または他の要素やデバイスの監視と制御にも使用することができる。
【0032】
マイクロプロセッサー302は、ユーザー選択検出器314と相互に接続していてもよい。ユーザー選択検出器314は、飲料用容器212またはレバー208、レバー216および/またはレバー222の動きを検知するために使用することができる。具体的には、ユーザー選択検出器314は、飲料用容器の動きを検知してユーザーが選択したことを判定するために使用することができる。以下に例を挙げるが、本発明はこれに限定される物ではない。ユーザーは、飲料種を選択するために飲料用容器212を移動する。グラフィカルユーザーインターフェース206上で一度飲料種が選択されたら、ユーザーはタップするか、レバー208、レバー216および/またはレバー222を動かすことができる。このようなタップまたはレバーの動きをユーザー選択検出器314で検知し、飲料種の選択を確認するために使用することができる。実際の操作においては、この飲料種の選択の確認に続いて、氷と飲料の供給および/または他の動作を実施することができる。ユーザー選択検出器314は、加速度計、スイッチおよび/または他のユーザー選択検出用デバイスを利用することもできる。
【0033】
マイクロプロセッサー302は、デジタルインターフェース316と相互に接続していてもよい。デジタルインターフェース316としては、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、CANバスインターフェース、赤外線通信ポート、シリアルポート、高周波ポート、あるいは他の種類または種別のデジタル通信用ポートが挙げられる。具体的には、システム300はデジタルインターフェース316を介して他のデジタルデバイスと接続し、通信することができる。
【0034】
図5には、飲料供給装置と共に使用するための、飲料用容器作動型のユーザーインターフェースデバイス300の一例を示した。放射線源306は、飲料用容器212の表面によって反射される放射線226を照射し、飲料用容器動作検知器304によって反射を監視することができる。飲料用容器動作検知器304は、放射線源306から放射され、飲料用容器表面で反射された放射線を、飲料用容器の動きと関連した散乱データとして受信することで、飲料用容器212の動きを検知することができる。マイクロプロセッサー302は、散乱データの解析によって飲料用容器の動きを検知する工程を実施するための命令を実行することができる。次に、散乱データを含むデータを通信することで、ユーザーとグラフィカルユーザーインターフェース206との対話を可能にする。これによって、ユーザーによる飲料用容器212の回転または動きから飲料種の選択と飲料の供給を実施することが可能になる。
【0035】
飲料種、飲料情報、機械読み取り可能なコードおよび/または他の表示を飲料用容器212に印刷するために、印刷機構308を使用することができる。このような印刷は、インクジェット印刷によるインクの転写、感熱印刷または放射線源を用いた放射線活性化インクの暴露によって実施することができる。
【0036】
図6には、自動飲料システム230として構成した、飲料用容器作動型のユーザーインターフェースデバイス300の一例を示した。自動飲料システム(ABS)230は、注文入力システムと操作上関連付けられていてもよい。このような注文入力システムは、ファーストフード店または注文制レストランで見られるものである。操作の際は、注文入力システムによって行われた注文によって、自動飲料システム230が飲料用容器供給装置232A〜Cから飲料用容器を供給し、自動的に飲料を充填することができる。
【0037】
この態様の利点は、注文入力システム234(
図7に示した)に対する注文によって開始される、飲料用容器212への表示の印刷が可能である点にある。飲料用容器212に印刷された表示には、機械読み取り可能な表示、飲料種、および/または他の表示が含まれていてもよく、飲料用容器による商品供給装置からの商品の受け取りが許可済みであることを確認するために用いることもできる。次に飲料用容器212は、飲料用容器供給装置232A〜Cから、飲料用容器位置212Aに自動的に供給される。供給された飲料用容器212がシステム300Aを通過して運ばれる際に、飲料用容器212に表示を印刷してもよい。飲料用容器位置212Bに到達したら、システム300Bを配置したレバー216が表示を読み取り、供給する飲料種に関する設定をし、そして飲料を飲料用容器212に供給する。飲料用容器212の表示は、供給する飲料種および必要な場合は他の飲料用パラメーター(サイズ、ダイエット甘味料、非ダイエット甘味料など)の決定、および/または他の要素や特性の決定にも用いることができる。飲料用容器供給装置232A〜Cは、スモールサイズの飲料用容器232A用、ミディアムサイズの飲料用容器232B用、ラージサイズの飲料用容器232C用および/または他の形式用に構成することができる。
【0038】
この態様の利点は、印刷した表示が、所望の飲料種を供給するために飲料供給ステーション202A〜B、飲料用バルブ218および自動飲料システム230を設定するために利用されるだけでなく、注文の正確性と消費者満足度の確立において一助を担っている点にある。具体的には、飲料用容器212の表面に飲料種を印刷することで、従業員は、確実に正しい飲料を客に渡すことができる。同様に、一人の客が、恐らくは数人の家族達のために複数の飲料を購入する場合、飲料用容器212の表面に印刷された人間による判読が可能な表示400B、400Dと400Fによって、家族達の各人は確実に正しい飲料を受け取ることができる。ファウンテンディスペンサー、自動飲料システム230、飲料供給ステーション202A〜Bおよび飲料供給装置は、飲料供給装置、飲料供給ステーション、および/または従業員給仕型飲料供給装置と称することができる。
【0039】
図7には、ファーストフード店または注文制のレストラン用の飲料注文入力および履行ネットワークの一例を示した。客238は従業員240に注文する。このような注文を、注文入力システム234に入力する。注文の入力には、従業員がグラフィカルユーザーインターフェース206Bによって客の望む飲料種を選択することが必要な場合がある。代わりに、客が利用できるグラフィカルユーザーインターフェース206Aによって、客が飲料の選択を行うこともできる。飲料供給ステーション202A〜B、自動飲料システム230、グラフィカルユーザーインターフェース206A〜B、飲料用容器印刷機236および注文入力ステーション234は、データ処理システム244と共にネットワークを形成することもできる。具体的には、データ処理システム244は、ローカルネットワークまたはグローバルネットワークに基づくデータ処理リソース、あるいはグローバルネットワークからアクセス可能なシステムである。インターネットは、グローバルネットワークと考えることができる。データ処理システム244は、注文入力の管理を含む、ファーストフード店または注文制レストランの運営を実施するために用いることができる。
【0040】
飲料用容器212に印刷し、飲料用容器212を従業員から客に渡す。次に客は、飲料供給ステーション202Aを用いて飲料用容器212を充填する。飲料用容器212に印刷された表示は注文識別を含んでおり、客が飲料供給ステーションで飲料用容器212を充填する行為により、注文識別を含む表示の読み取りが実行される。客が飲料用容器に何を入れたかに関する情報は、注文を管理するデータ処理システム244に通信されて、飲料情報が注文情報に追加される。具体的には、客が容器に入れた飲料の種類、種別と容量が注文情報には含まれる。
【0041】
この特徴により、従来技術の欠点、即ち、客が飲料をセルサービスの環境で購入した場合、従業員が注文に追加する飲料に関する情報には、客が消費しようとしている飲料のフレーバーやブランドなどに関する詳細は含まれないという欠点を克服することができる。更に、セルサービスの環境ではお代わりを追跡する手段はなく、そのため注文情報における客が消費した飲料の種類、種別と容量は正確ではないかもしれない。
【0042】
給仕する従業員は、自動飲料システム230によって飲料の供給を開始することができる。客の注文情報、飲料種、他の商品情報および/または他の表示を飲料用容器212に印刷し、自動飲料システム230で充填することができる。この場合、従業員にとっては、飲料用容器212の表面に飲料種、注文識別および/または他の表示が印刷されていることによって、注文された飲料を確実に正しい客に渡すことができるという利点がある。客の側にも、飲料を受け取り、家族に渡す際に、確実に各人に正しい飲料を渡すことができるという利点がある。
【0043】
給仕する従業員240は、飲料供給ステーション202Bで飲料種を迅速に選択し、飲料を供給するために、飲料用容器212をユーザーインターフェースデバイス300と組み合わせて使用することができる。具体的には、飲料用容器212は事前に印刷しておいて飲料供給ステーション202Bで読み取るか、および/または従業員240が所望の飲料を選択した後に印刷することができる。
【0044】
図8には、注文を管理し、飲料を供給するための方法の一例を示した。ファーストフード店または注文制レストランにおいては、注文入力ステーションによって注文を行うことができる。ユーザーに飲料種を選択するよう促し、選択された飲料種を飲料用容器212に印刷し、飲料用容器212を飲料供給ステーションで読み取り、飲料供給ステーションを設定し、そして選択した飲料種を飲料用容器212に供給することができる。飲料供給ステーションを、自動飲料システム230と称することもある。この方法はブロック1002から開始する。
【0045】
ブロック1002では、注文入力ステーションにおいて注文を行う。ブロック1004では、ユーザーは、飲料種を選択するように促される。このような飲料種の選択は、客によってグラフィカルユーザーインターフェース206A上で行われるか、給仕する従業員によってグラフィカルユーザーインターフェース206B上で行われる。ブロック1006では、飲料用容器212に複数の表示を印刷する。このような表示は、飲料用容器印刷機236などによって印刷する。更にこのような表示は、選択および供給された飲料の種類または種別、機械読み取り可能なバーコード、健康およびウエルネスに関する情報、商品原料情報、商品に対する消費者の忠実性(consumer loyalty)データおよび/または他の種類の情報でもよい。
【0046】
ブロック1008では、飲料用容器212を飲料供給ステーションまたは自動飲料システムに移動する。飲料用容器212は客に手渡すか、あるいは自動飲料システムが注文品の充填を開始する。ブロック1010では、飲料用容器212の表面の表示を飲料供給ステーションまたは自動飲料システムで読み取る。ブロック1012では、選択した飲料種を供給するように飲料供給ステーションまたは自動飲料システムを設定する。ブロック1014では、選択した飲料種を飲料用容器212に供給する。その後、この方法は終了する。
【0047】
図9には、注文を管理し、飲料を供給するための方法を示した。ブロック1016では、飲料種の選択が客によって行われる。具体的には、客が飲料選択グラフィカルユーザーインターフェースを利用可能である。ブロック1018では、飲料種の選択が従業員によって行われる。ここでは、従業員が飲料選択グラフィカルユーザーインターフェースを利用可能である。ブロック1020では、飲料用容器212から表示を読み取り、飲料供給装置を設定し、飲料種を飲料用容器212に供給するという一連の工程を、自動飲料システムによって無人の状態で行うことができる。注文が入力されたら、従業員の介入なしに飲料用容器212を充填することができる。ブロック1022では、飲料用容器212の移動および/または回転によって、客がグラフィカルユーザーインターフェースから飲料種を選択することが可能となる。ブロック1024では、飲料用容器212の表面に印刷された表示を飲料供給ステーションにおいて読み取ることで、自動的に飲料用容器212の再充填を開始する。ブロック1026では、飲料用容器212表面から読み取った表示に基づいて、飲料種を供給するように飲料供給ステーションを設定する。ブロック1028では、選択した飲料種を飲料用容器212に供給する。その後、この方法は終了する。
【0048】
図10には、注文を管理し、飲料を供給するための方法の一例を示した。注文入力ステーションによって注文を行い、そして飲料用容器212に表示を印刷して、客に提供する。印刷した表示には、注文識別表示が含まれてもよい。次に客は、飲料供給ステーションにおける読み取りのために、飲料用容器212に印刷された表示を提示する。飲料供給ステーションは客による飲料の選択を可能にし、飲料が飲料用容器212に供給される。注文識別データおよび飲料種データを含むデータの通信を、飲料供給ステーションと注文入力データ処理システムとの間で実行する。このデータ通信によって、選択した飲料種の更新のみならず、注文の他の要素についても更新する。この方法はブロック2002から開始する。
【0049】
ブロック2002では、注文入力ステーションにおいて注文を行う。ブロック2004では、複数の表示を飲料用容器212に印刷する。このような表示は、注文識別と他の情報を含んでいる。ブロック2006では、飲料用容器212を客に提供する。ブロック2008では、飲料供給ステーションにおいてシステム300によって表示を読み取る。ブロック2010では、客が飲料種を選択することが可能となる。ブロック2012では、飲料用容器212に飲料種を供給する。ブロック2014では、供給した容量および飲料品の他の属性を含む注文情報と飲料種を、データプロセッサー244などのデータ処理リソース、またはグローバルネットワークに基づくデータ処理リソースにデータ通信する。ブロック2016では、選択した飲料種に関する注文および受信した注文識別を更新する。具体的には、供給した飲料種などに基づいて、飲料種と飲料の他の属性を客の注文から追跡することが可能となる。その後、この方法は終了する。
【0050】
図11には、注文を管理し、飲料を供給するための方法を例示した。ブロック2018では、飲料用容器212を飲料用容器動作検知器304の近傍に配置する。ブロック2020では、飲料用容器212の回転や他の動きを監視する。ブロック2022では、ユーザーとグラフィカルユーザーインターフェースとの対話が可能となるまたは可能な状態となる。ブロック2024では、ユーザーがメニューから飲料種を選択することが可能となる。その後、この方法は終了する。
【0051】
別の例においては、ブロック2026でユーザーは飲料用容器212を移動および/または回転させることで、グラフィカルユーザーインターフェースから飲料種を選択することが可能となる。ブロック2028では、選択した飲料種を記録する。タップ、あるいはシステム300に関連付けられているか、システム300によって監視されているレバーまたはスイッチの動きは、ユーザー選択を記録するというユーザーの意思を示すのに十分である。ブロック2030では、ユーザーは選択した飲料種の供給を実行する。ブロック2032では、選択した飲料種による飲料用容器212の自動再充填をユーザーが開始する。飲料供給ステーションは、表示に基づいて飲料種を供給するように設定され、飲料種を飲料用容器212に供給する。
【0052】
図12には、飲料用容器をファウンテンディスペンサーのグラフィカルユーザーインターフェースポインティングデバイスとして使用する方法の一例を示した。飲料用容器212を、飲料用容器動作検知器304の近傍に配置する。飲料用容器動作検知器304によって、飲料用容器の回転または他の動きを監視する。飲料用容器212をポインティングデバイスとして使用することによって、ユーザーとグラフィカルユーザーインターフェースとの対話が可能となるか、実施可能な状態となる。次にユーザーは、飲料種を選択し、容器へ充填する。この方法はブロック3002から開始する。
【0053】
ブロック3002では、飲料用容器212を飲料用容器動作検知器304の近傍に配置する。ブロック3004では、飲料用容器212の回転または他の動きを監視する。ブロック3006では、ユーザーとグラフィカルユーザーインターフェースとの対話が可能となるか、実施可能な状態となる。ブロック3008では、ユーザーはメニューから飲料種を選択する。ブロック3010においては、ユーザーが選択した飲料種を飲料用容器212に供給することが可能となる。その後、この方法は終了する。
【0054】
図13には、飲料用容器212をファウンテンディスペンサーのグラフィカルユーザーインターフェースポインティングデバイスとして使用する方法を例示した。ブロック3012では、単色光、レーザー光または他の放射線の線源などを、飲料用容器212の表面に対して照射する。ブロック3014においては、散乱データ(後方散乱とも称する)を飲料用容器動作検知器で受信する。このような散乱データは、飲料用容器の動きと関連付けることができる。マイクロプロセッサーは、ユーザーによる飲料用容器212の回転または移動による飲料種の選択を実現するための命令を実行する。その後、この方法は終了する。
【0055】
別の例であるブロック3016では、放射線源から照射され、飲料用容器212の表面から反射された放射線を、飲料用容器212の動きに関連した散乱データとして受信するために、マイクロプロセッサーを飲料用容器動作検知器と相互に接続する。マイクロプロセッサーは、散乱データの解析によって飲料用容器212の動きを決定するための工程を実施するための命令を実行する。ブロック3018では、ユーザーとグラフィカルユーザーインターフェースとの対話を可能にする、散乱データを含むデータを通信する。ブロック3020では、ユーザーによる飲料用容器212の回転または移動による飲料種の選択を実現する。その後、この方法は終了する。
【0056】
別の例であるブロック3022では、ユーザーの選択を加速度計によって記録する。ユーザーによるタップやレバーの動きをユーザー選択検出器で検出し、飲料種の選択を確認するために使用する。操作においては、この飲料種の選択の確認に続いて、氷と飲料の供給および/または他の動作を実施する。
【0057】
別の例であるブロック3024では、ユーザーの選択は注入スィッチの起動によって記録する。ブロック3026では、このような注入スィッチの起動によって、選択した飲料種の供給を実施する。その後、この方法は終了する。
【0058】
別の例においては、印刷表示を飲料用容器の底に印刷し、飲料用容器の底から表示を読み取るように構成したシステム300によって読み取ることができる。この方法は、バルブの真下(例えば218)または他の供給装置ヘッド部(例えば
図1に示した態様における供給装置ヘッド部)で有利に実施することができる。
【0059】
本発明に係るケーパビリティは、ソフトウエア、ファームウエア、ハードウエアまたはこれらの組み合わせに実装することができる。一例として、本発明の1種または数種の要素を、例えば、コンピューターで使用可能な媒体を含む製品(例えば、1種または数種のコンピュータープログラム製品)に含めてもよい。媒体は、例えば、本発明に係るケーパビリティを提供してその実施を容易にするための、コンピューター読み取り可能なプログラムコード手段を具体化したものを内包する。このような製品は、コンピューターシステムの一部に含めてもよいし、個別に販売してもよい。更に、本発明に係るケーパビリティを実施するために機械が実行可能な命令を含む少なくとも1種のプログラムを実体的に具体化した、機械読み取り可能な少なくとも1種のプログラム記憶装置を提供することができる。
【0060】
本願に示したフローダイアグラムは単なる例示に過ぎない。このようなダイアグラムまたはそこに記載した工程(または操作)については、本発明の精神から逸脱しない限りにおいて多数のバリエーションが存在し得る。例えば、工程を異なる順番で実施したり、工程を追加、削除または変更したりすることができる。このようなバリエーションの全てを請求した発明の一部とみなす。
【0061】
本発明のいくつかの態様について説明したが、当業者が、現在および未来において、後述する請求項もしくはその均等物の範囲内に含まれる種々の改善や拡張を実施する可能性のあることは理解されるであろう。これら請求項は、最初に記載された発明に対して適切な保護を維持するためのものと解釈されるべきである。