(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5989885
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】地中熱交換システム及びその水路形成方法
(51)【国際特許分類】
F24J 3/08 20060101AFI20160825BHJP
F03G 4/00 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
F24J3/08
F03G4/00 501
F03G4/00 541
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-214832(P2015-214832)
(22)【出願日】2015年10月30日
【審査請求日】2016年2月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515303300
【氏名又は名称】市野 文明
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市 野 文 明
【審査官】
仲村 靖
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭56−024844(JP,B1)
【文献】
特開平04−234576(JP,A)
【文献】
特開平11−223176(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第01637734(EP,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第01586831(EP,A1)
【文献】
特開昭56−041987(JP,A)
【文献】
特開2014−051856(JP,A)
【文献】
米国特許第05311741(US,A)
【文献】
英国特許出願公開第02041196(GB,A)
【文献】
国際公開第2010/095277(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24J 3/08
F03G 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入井と回収井とを備え、前記注入井に注入した加圧水を高温地盤で熱水とし、回収井から回収して発電する地中熱交換システムであって、
前記注入井に設けられ、地中に加圧水を送り込む上部注入管と、
前記上部注入管の下部に連結され、高温地盤に設けられ、加圧水を高温地盤に注入する注入孔を有する下部注入管と、
前記回収井に設けられ、熱水を回収する上部取出管と、
前記上部取出管の下部に連結され、高温地盤に設けられ、熱水の回収孔を有する下部取出管と、
前記下部取出管の上部に連結され、前記上部取出管の内側に設けられて二重管を形成し、熱水を地上に送り込む熱水回収管と、
前記注入孔と前記回収孔を結び、高温地盤に穿孔することで形成される水路と、が備えられ、
前記回収井は、前記注入井を中心にして6角形に配置され、前記回収孔は、前記注入井の方向に向かって120度の範囲に複数が設けられ、前記注入孔は前記回収井の方向に向かって360度の範囲に複数が設けられ、前記回収井を出た水路と前記注入井を出た水路が屈折して連結されることを特徴とする地中熱交換システム。
【請求項2】
注入井と回収井とを備え、前記注入井に注入した加圧水を高温地盤で熱水とし、回収井から回収して発電する地中熱交換システムの水路形成方法であって、
前記注入井に、加圧水を送り込む上部注入管と、前記上部注入管の下部に連結され、地盤への注入孔を有する下部注入管と、を設置する段階と、
前記回収井に、熱水を回収する上部取出管と、前記上部取出管の下部に連結され、熱水の回収孔を有する下部取出管と、前記下部取出管の上部に連結され、前記上部取出管の内側に設けられて二重管を形成し、熱水を地上に送り込む熱水回収管と、を設置する段階と、
前記注入井と前記回収井の底部をチュービングコイルで冷却する段階と、
火薬の爆発エネルギーにより、前記下部注入管と前記下部取出管を打ち抜いて注入孔と回収孔を形成し、合せて高温地盤に所定の長さの孔を形成する段階と、
外管と内管の間の水圧で膨張する上下2段のパッカーが備えられた高圧水噴射装置を使用し、内管に送り込まれた高圧水を上下2段のパッカーの間の噴射孔から前記注入孔または前記回収孔に導いて噴射し、高温地盤に形成された前記孔の延長と拡張を行なって、前記注入孔と前記回収孔を結ぶ水路を形成する段階と、が備えられ、
前記回収井は、前記注入井を中心にして6角形に配置され、前記回収孔は、前記注入井の方向に向かって120度の範囲に複数が設けられ、前記注入孔は前記回収井の方向に向かって360度の範囲に複数が設けられ、前記回収井を出た水路と前記注入井を出た水路が屈折して連結されることを特徴とする地中熱交換システムの水路形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中熱交換システム及びその水路形成方法に係り、より詳しくは、注入井から注入した加圧水を回収井から熱水として効率よく回収できる地中熱交換システム、及び高温地盤に水路を確実に形成できる水路形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、周囲地盤に影響を与えない地熱発電装置が開示されている。この発電装置は、単独井が使用される。単独井の構造を
図8に示す。加圧水4が2重管の外管と内管の間を通って井戸深部に送られ、地下の高温地盤で熱水とされ、内管を上昇して地上に戻される。加圧水を熱水にする高温地盤との熱交換は、単独井の底部で行なうので、温泉水を汲み上げてしまうことや、熱水に不純物が混入することはないが、単独井の底部の限られたスペースで熱交換を行なうので、十分な熱交換ができない場合がある。
【0003】
特許文献2には、注入井と回収井からなる地熱発電システムが開示されている。注入井に注入した水は、高温地盤の割れ目を通過することで加熱され、熱水となって回収井から汲み上げられる。特許文献2には、地盤の割れ目がどのようなものか記載はないが、注入した水の回収率が25%と低いため、二酸化炭素を注入して拡散や漏れを防ぐとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−52621号公報
【特許文献2】特開2008−248837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、効率よく熱水を回収できる地中熱交換システム及びその水路形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による地中熱交換システムは、注入井と回収井とを備え、前記注入井に注入した加圧水を高温地盤で熱水とし、回収井から回収して発電する地中熱交換システムであって、前記注入井に設けられ、地中に加圧水を送り込む上部注入管と、前記上部注入管の下部に連結され、
高温地盤に設けられ、加圧水を
高温地盤に注入する注入孔を有する下部注入管と、前記回収井に設けられ、熱水を回収する上部取出管と、前記上部取出管の下部に連結され、
高温地盤に設けられ、熱水の回収孔を有する下部取出管と、前記下部取出管の上部に連結され、前記上部取出管の内側に設けられて二重管を形成し、熱水を地上に送り込む熱水回収管と、前記注入孔と前記回収孔
を結び、高温地盤に穿孔することで形成される水路と、が備え
られ、前記回収井は、前記注入井を中心にして6角形に配置され、前記回収孔は、前記注入井の方向に向かって120度の範囲に複数が設けられ、前記注入孔は前記回収井の方向に向かって360度の範囲に複数が設けられ、前記回収井を出た水路と前記注入井を出た水路が屈折して連結されることを特徴とする。
【0008】
本発明による地中熱交換システムの水路形成方法は、注入井と回収井とを備え、前記注入井に注入した加圧水を高温地盤で熱水とし、回収井から回収して発電する地中熱交換システムの水路形成方法であって、前記注入井に、加圧水を送り込む上部注入管と、前記上部注入管の下部に連結され、地盤への注入孔を有する下部注入管と、を設置する段階と、前記回収井に、熱水を回収する上部取出管と、前記上部取出管の下部に連結され、熱水の回収孔を有する下部取出管と、前記下部取出管の上部に連結され、前記上部取出管の内側に設けられて二重管を形成し、熱水を地上に送り込む熱水回収管と、を設置する段階と、前記注入井と前記回収井の底部をチュービングコイルで冷却する段階と、火薬の爆発エネルギーにより、前記下部注入管と前記下部取出管を打ち抜いて注入孔と回収孔を形成し、合せて高温
地盤に所定の長さの孔を形成する段階と、外管と内管の間の水圧で膨張する上下2段のパッカーが備えられた高圧水噴射装置を使用し、内管に送り込まれた高圧水を上下2段のパッカーの間の噴射孔から前記注入孔または前記回収孔に導いて噴射し、高温地盤に形成された前記孔の延長と拡張を行なって、前記注入孔と前記回収孔を結ぶ水路を形成する段階と、が備え
られ、
前記回収井は、前記注入井を中心にして6角形に配置され、前記回収孔は、前記注入井の方向に向かって120度の範囲に複数が設けられ、前記注入孔は前記回収井の方向に向かって360度の範囲に複数が設けられ、前記回収井を出た水路と前記注入井を出た水路が屈折して連結されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明による地中熱交換システムは、注入井の注入孔と回収井の回収孔の間の高温地盤に、穿孔による水路を形成したので、注入した加圧水を熱水にして効率よく回収できる。また、地下水を汲み上げるものではないので、近隣の温泉に影響を与えることがない。高温地盤に設けた水路は、単独井に比べて熱交換能力を格段に大きくできる。
【0010】
回収井は、注入井を中心にして6角形に配置し、回収孔は注入井の方向に向かって120度の範囲に設け、注入孔は回収井の方向に向かって360度の範囲に設けたので、高温地盤に注入した加圧水を効率よく回収できる。
【0011】
本発明による地中熱交換システムの水路形成方法は、注入井と回収井の底部をチュービングコイルで冷却し、高温地盤への穿孔を火薬の爆発エネルギーで行なうと共に、高水圧を噴射する高圧水噴射装置で孔の延長と拡張を行なうので、水路が確実に形成できる。まず、高温地盤に火薬の爆発で孔を形成し、次に、上下2段のパッカーが備えられた高圧水噴射装置の噴射孔から高圧水を噴射し、孔の延長と拡張を行なう。そのため、注入孔と回収孔を結ぶ水路が良好に整備でき、加圧水の通りが改善される。上下2段のパッカーは、例えば、上下方向に多数の注入孔があっても、数を絞り込めるので、注入孔に高圧をかけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明による地中熱交換システムの説明図である。
【
図3】注入井から回収井に向かう熱水の流れを示す図である。
【
図7】水路を延長または拡張する際に使用する上下2段の水圧パッカーを備えた高圧水噴射装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明による地中熱交換システム及び水路の形成方法について詳しく説明する。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明による地中熱交換システム100の説明図である。地中熱交換システム100は、注入井6と回収井7とを備え、注入井6に投入した加圧水4を高温地盤17aで飽和蒸気を含む熱水5とし、これを回収井7から回収して発電する地中熱交換システムである。発電装置は、熱水5を蒸気に変換するフラッシャー1と、生成した蒸気を使ってタービンを回転させることによって発電する発電機2と、蒸気を冷却して凝縮水とする復水器3からなる。注入井6は、地中に加圧水を送り込む上部注入管8と、上部注入管8の下部に連結され注入孔14を有する下部注入管9からなる。加圧水4は、復水器3の凝縮水を高圧ポンプPで送り出される。加圧水4は、注入孔14から高温地盤17aに形成された水路16に噴射される。
【0015】
回収井7は、熱水5を回収する上部取出管10と、上部取出管10の下部に連結され、熱水5の回収孔15を有する下部取出管11と、下部取出管11の上部に連結され、上部取出管10の内側に設けられて二重管を形成し、熱水5を地上に送り込む熱水回収管12と、から構成される。熱水5は、飽和蒸気を含むとする。下部取出管11の上部と熱水回収管12の間には熱水5が、上部取出管10の内側に漏れないようパッキン13が設けられる。
【0016】
図1に示すように、注入井6と回収井7の間隔は約100mである。高温地盤の中には、水路16が形成されている。注入孔14から噴射された加圧水4は、高温地盤17aで熱せられ回収孔15に向かう。高温地盤17aは、地中2000mより深い場所である。
【0017】
上部注入管8の外径は、13−3/8インチ(約339.7mm)で、下部注入管9の外径は、9−5/8インチ(約244.5mm)である。一方、上部取出管10の外径は、9−5/8インチ(約244.5mm)、下部取出管11の外径は、7インチ(約177.8mm)、熱水回収管12の外径は、5−1/2インチ(約139.7mm)である。これによれば、注入井6の水の注入量は、約10,000リットル/分であり、6本の回収井7の回収量は、9,600リットル/分である。すなわち、注入量の96%が回収される。回収井7の1本当たりは、約1600リットル/分である。なお、発電量は、5〜10MW/システムが得られる。
【0018】
図2は、高温地盤17aに形成された水路16の平面図である。6基の回収井7が、注入井6を中心にして6角形に配置される。注入井6と回収井7の間隔は約100mである。水路16は、注入井6を中心に形成された約50mの水路(灰色の線)と、回収井7から形成された約50mの水路(黒い線)とが交差して形成される。
図2に示すように、注入井6の注入孔14は、回収井7が配置される360度の全方向に向けて形成され、回収井7の回収孔15は、注入井6の方向に向かって約120度の範囲に形成される。
【0019】
図3は、注入井6から回収井7に向かう熱水5の流れを示す図である。加圧水4は、注入井6の注入孔14から高温地盤17aの水路16を通過して、回収井7の回収孔15に至る。
【0020】
図4は、
図3のA−A断面図である。発電設備の復水器3の凝縮水は、高圧ポンプPで、加圧水4として注入井6に注入される。加圧水4は、高温地盤17aの水路16で加熱され、熱水5となって回収井7の熱水回収管12を通って、発電設備のフラッシャー1に戻る。フラッシャー1で生成された蒸気は発電機2に送られ、蒸気でタービンを回転させ発電を行なう。水路16は縦方向に複数が設けられる。
【0021】
図5は、注入井6と回収井7の配置図の例である。回収井7は、注入井6を中心にして6角形に配置されるが、さらに広い領域をカバーする場合には、回収井7が共用される形となるように配置される。そのため、
図5の配置では、六角形の中心に配置された回収井7は、360度(=120度×3方向)の方向に回収孔15が設けられるものとなる、
【0022】
図6は、水の流れを示す説明図である。発電機2のタービンを回した蒸気は、復水器3で凝縮水となり、高圧ポンプで加圧水4とされ、高温地盤17aに送り込まれる。加圧水4は、高温地盤の水路16で加熱され、熱水5となって、フラッシャー1に戻り、再び蒸気となってタービンを回す。このように同じ水を何度も使用できるので閉じた系を形成できる。加圧水4の温度は、約160℃以上である。加圧水4は、高温地盤17aで加熱され熱水5となるが、その温度は約190℃以上である。熱水5は、フラッシャー1により飽和水蒸気とされ、発電機2のタービンを回す。タービンを回した蒸気は、復水器3に入り再び凝縮水となる。
【0023】
下部注入管9の注入孔14は、深さ方向(縦方向)に約20cm間隔で、横方向は全方位にジェットパーフォレーションにより穿孔する。ジェットパーフォレーションは、火薬の爆発エネルギーを一点に集中させるもので、鋼管である下部注入管9と、周囲のセメント(厚さ約3.5cm)を打ち抜き、さらに岩盤に50〜60cmの孔16aを穿孔する。この孔の径は、10〜20mmで長さがある。火薬の耐熱温度は約160℃のため、施工時には、コイルチュービングで160℃以下に冷却する。また、注入井6の内部を100m/分の速度で昇降できるリグも使用する。コイルチュービングはリールに巻き取られた鋼管で、例えば100m/分の高速で注入井6または回収井7に挿入でき、作業終了後は巻き戻して取り出せる。2000mの深さの井戸の底部にコイルチュービングを挿入し、約15℃の冷却水を約2000リットル/分で、1時間程度注入すると、井戸内を25〜30℃にできる。コイルチュービングの井戸からの取り出しは、約20分(=2000(m)÷100(m/分))を要し、この間の温度が上昇するが、火薬を装填するまでの時間が40分とすれば、60〜80℃なので、火薬を安全に取り扱うことができる。
【0024】
下部取出管11の回収孔15も、ジェットパーフォレーションにより孔16aをあける。回収孔15は、深さ方向に約20cm間隔で、横方向には注入井6の方向に向け120度の開き角度内に入るように設ける。注入井6から岩盤に削孔した長さ50〜60cmの孔16aと、回収井7から岩盤に削孔した長さ50〜60cmの孔16aとを連通させることにより水路16となる。この連通には、孔16a及び亀裂16bに、注入孔14に高水圧をかけることで、水路16の延長や拡張を行なう。
【0025】
水路16の延長や拡張は、高圧水噴射装置21で行なう。亀裂16bは、約20MPaの水圧があれば破砕し拡張できる。注入井6の深さを約2000mとすると、岩盤の密度にもよるが、底部では約34MPaの圧力がかかっている。そのため、高圧ポンプの圧力は、少なくとも54MPa(=20MPa+34MPa)が必要となる。すなわち54MPaの圧力水を500リットル/分で送り込むことで、水路16の延長や拡張ができる。圧力水は、酸性溶液を使用し、水圧破砕後は、直径約1mmの珪砂を圧力水に混ぜて送水し亀裂の隙間を塞ぐ。水路16が形成されているかは、MSAM(micro sesmic array monitoring)微小地震波検知装置で計測及び解析ができる。
【0026】
図7は、水路16を延長または拡張する場合の説明図である。高圧水噴射装置21は、外管22と内管23からなる。外管22の下部に上下方向に2段のパッカー24、24’が設けられる。外管22と内管23の間の水圧でパッカー24、24’を膨張させ、例えば下部注入管9の内側に密着させると共に、内管23に送り込まれた高圧水をパッカー24、24’の間に設けられた噴射孔25から、水路16に向けて噴射する。
図7に示すように、高圧水噴射装置21を使用することで、あらかじめ火薬で形成された注入井6側の孔16aと、回収井7側の孔16aの延長と拡張を行なうことができる。これにより水路16(人工亀裂に相当)が整備され、加圧水4の通りが改善される。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、注入井から注入した加圧水を、回収井から熱水として効率よく回収できるので、地中熱交換システムとして好適である。
【符号の説明】
【0028】
1 フラッシャー
2 発電機
3 復水器
4 加圧水
5 飽和蒸気を含む熱水
6 注入井
7 回収井
8 上部注入管
9 下部注入管
10 上部取出管
11 下部取出管
12 熱水回収管
13 パッキン
14 注入孔
15 回収孔
16 水路
16a 孔
16b 亀裂
17 地盤
17a 高温地盤
18 内管
19 外管
20 ケーシング
21 高圧水噴射装置
22 外管
23 内管
24、24’ パッカー
25 噴射孔
100 地中熱交換システム
P ポンプ
【要約】
【課題】効率よく熱水を回収できる地中熱交換システム及びその水路形成方法を提供する。
【解決手段】注入井と回収井とを備え、注入井に注入した加圧水を高温地盤で熱水とし、回収井から回収して発電する地中熱交換システムであって、注入井に設けられ、地中に加圧水を送り込む上部注入管と、上部注入管の下部に連結され、加圧水を地盤に注入する注入孔を有する下部注入管と、回収井に設けられ、熱水を回収する上部取出管と、上部取出管の下部に連結され、熱水の回収孔を有する下部取出管と、下部取出管の上部に連結され、上部取出管の内側に設けられて二重管を形成し、熱水を地上に送り込む熱水回収管と、注入孔と回収孔の間の高温地盤に穿孔することで形成される水路と、が備えられる。
【選択図】
図1