特許第5989901号(P5989901)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989901
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】車両用ヒーター
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/03 20060101AFI20160901BHJP
   F28D 1/053 20060101ALI20160901BHJP
   F28F 9/00 20060101ALI20160901BHJP
   B60H 1/22 20060101ALI20160901BHJP
   F28F 9/26 20060101ALN20160901BHJP
【FI】
   B60H1/03 C
   F28D1/053 A
   F28F9/00 331
   B60H1/22 611C
   !F28F9/26
【請求項の数】27
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2015-517202(P2015-517202)
(86)(22)【出願日】2013年7月9日
(65)【公表番号】特表2015-519260(P2015-519260A)
(43)【公表日】2015年7月9日
(86)【国際出願番号】KR2013006096
(87)【国際公開番号】WO2014010917
(87)【国際公開日】20140116
【審査請求日】2014年12月16日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0074474
(32)【優先日】2012年7月9日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2012-0120162
(32)【優先日】2012年10月29日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513214000
【氏名又は名称】ハノン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グ,ジュン サム
(72)【発明者】
【氏名】リム,ホン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】オ,グァン フン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ヨン ハ
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ジュン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】グォン,ヨン ソン
【審査官】 久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−297961(JP,A)
【文献】 特開2009−196385(JP,A)
【文献】 特開平10−148123(JP,A)
【文献】 特開2010−040264(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/03
B60H 1/22
F28D 1/053
F28F 9/00
F28F 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定距離離隔して平行に設けられる第1ヘッダタンク(111)および第2ヘッダタン
ク(112)と、前記第1ヘッダタンク(111)または第2ヘッダタンク(112)に
設けられ、それぞれ冷却水が流入される入口パイプ(121)および冷却水が排出される
出口パイプ(122)と、前記第1ヘッダタンク(111)および第2ヘッダタンク(1
12)に両端が固定されて冷却水流路を形成する複数個のチューブ(130)と、前記チ
ューブ(130)の間に介在されるフィン(140)と、を含む第1ヒーター(100)
と、
空気流動方向に対して垂直の板状であり、第1発熱領域(A210‐1)および所定領
域が中空となっている複数個の第1中空部(211)が形成された第1空気流動領域(A
210‐2)を含む第1支持部(210)と、前記第1支持部(210)の第1発熱領域
(A210‐1)に形成され、
前記第1支持部(210)の第1発熱領域(A210‐1)に結合する発熱チューブ(
225)と、
前記発熱チューブ(225)の内部に設けられ、空間部(226a)が形成される絶縁
支持体(226)と、
前記絶縁支持体(226)の空間部(226a)に設けられるPTC(Positiv
e Temperature Coefficient)素子(227)と、
前記絶縁支持体(226)に配置される電極(228)と、を含む発熱部(220)と、
前記第1支持部(210)
および発熱部(220)の一側端部を支持するハウジング(240)と、を含む第2ヒー
ター(200)と、が組み立てられ、
前記第2ヒーター(200)の第1支持部(210)は、前記第1ヒーター(100)
のチューブ(130)およびフィン(140)が形成される領域に形成されることを特徴
とする車両用ヒーター。
【請求項2】
板状の第1板部(151)を含む第1サイドプレート(150)と、
板状の第2板部(161)を含む第2サイドプレート(160)と、をさらに含むこと
を特徴とする請求項1に記載の車両用ヒーター。
【請求項3】
前記第1サイドプレート(150)には、前記第1板部(151)の両側から突出する
第1突出部(152)が形成されることを特徴とする請求項2に記載の車両用ヒーター。
【請求項4】
前記第1サイドプレート(150)の一側の第1突出部(152)に所定領域が中空と
なっている第1締結部(153)が形成され、前記第1締結部(153)に対応するよう
に、前記ハウジング(240)の所定領域に第2締結部(244)が中空形成され、前記
第1締結部(153)および第2締結部(244)に締結手段(260)が締結されて、
前記第1ヒーター(100)および第2ヒーター(200)が固定されることを特徴とす
る請求項3に記載の車両用ヒーター。
【請求項5】
前記ハウジング(240)に前記第1サイドプレート(150)の一側の第1突出部(
152)と締結される第1固定部(241)が形成され、前記第1支持部(210)の前
記ハウジング(240)が設けられた反対側と前記第2サイドプレート(160)が、第
2固定部(250)によって固定されることを特徴とする請求項3に記載の車両用ヒータ
ー。
【請求項6】
前記第1固定部(241)は、前記第1サイドプレート(150)の第1突出部(15
2)が挿入される溝を形成し、前記第1突出部(152)を支持するように形成されるこ
とを特徴とする請求項5に記載の車両用ヒーター。
【請求項7】
前記第1固定部(241)は、前記ハウジング(240)に一体に形成される第2固定
フック(243)であることを特徴とする請求項5に記載の車両用ヒーター。
【請求項8】
前記第2サイドプレート(160)には、前記第2板部(161)の両側から突出する
第2突出部(162)が形成されることを特徴とする請求項2に記載の車両用ヒーター。
【請求項9】
前記第1支持部(210)に一体に設けられる固定本体(251)、および前記固定本
体(251)から延長して前記第2サイドプレート(160)の一側の第2突出部(16
2)に係合固定される第1固定フック(252)と、
前記第1支持部(210)の前記ハウジング(240)が設けられた反対側と前記第2
サイドプレート(160)を固定する第2固定部(250)と、をさらに含むことを特徴
とする請求項8に記載の車両用ヒーター。
【請求項10】
前記第1支持部(210)の前記ハウジング(240)が設けられた反対側と前記第2
サイドプレート(160)の第2突出部(162)を同時に固定する別の固定クリップ(
255)である第2固定部(250)をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の車
両用ヒーター。
【請求項11】
前記第2サイドプレート(160)が前記第2ヒーター(200)側に延長形成されて
、前記第2ヒーター(200)のハウジング(240)が形成された反対側を支持するこ
とを特徴とする請求項2に記載の車両用ヒーター。
【請求項12】
前記第2ヒーター(200)は、高さ方向に上端および下端に一体に形成され、前記第
1ヒーター(100)の前記第1ヘッダタンク(111)または第2ヘッダタンク(11
2)の外周面に係合固定される第3固定フック(270)を含むことを特徴とする請求項
1に記載の車両用ヒーター。
【請求項13】
前記第2ヒーター(200)は、前記ハウジング(240)の前記第1ヒーター(10
0)側の面に形成され、前記第1ヒーター(100)の前記入口パイプ(121)または
出口パイプ(122)を包んで結合固定される第4固定フック(272)を含むことを特
徴とする請求項1に記載の車両用ヒーター。
【請求項14】
前記第1ヒーター(100)側に位置し、前記発熱部(220)の一側面を支持する前
記第1支持部(210)とともに前記発熱部(220)の他側面を支持するように、前記
第1支持部(210)の第1発熱領域(A210‐1)に対応する第2発熱領域(A23
0‐1)、および前記第2発熱領域(A230‐1)に隣接し、所定領域が中空となって
いる複数個の第2中空部(231)が形成され、前記第1支持部(210)の第1空気流
動領域(A210‐2)に対応する第2空気流動領域(A230‐2)を含む第2支持部
(230)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用ヒーター。
【請求項15】
板状の第1板部(151)を含む第1サイドプレート(150)と、
板状の第2板部(161)を含む第2サイドプレート(160)と、をさらに含むこと
を特徴とする請求項14に記載の車両用ヒーター。
【請求項16】
前記車両用ヒーターは、前記ハウジング(240)が設けられた反対側の前記第2支持部(230)の端部が前記第2サイドプレート(160)側に延長形成されて、前記第2サイドプレート(160)の前記第2板部(161)の一側に突出形成された第2突出部(162)に係合固定される第2固定部(250)をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の車両用ヒーター。
【請求項17】
前記車両用ヒーターは、前記第2サイドプレート(160)が前記第2ヒーター(200)側に延長形成されて、前記第2ヒーター(200)のハウジング(240)が形成された反対側を支持することを特徴とする請求項15に記載の車両用ヒーター。
【請求項18】
前記車両用ヒーターは、前記第1ヘッダタンク(111)または第2ヘッダタンク(112)のヘッダが前記第2ヒーター(200)側に延長形成されるヘッダ延長部(113)をさらに含み、前記ヘッダ延長部(113)が、前記第2ヒーター(200)の両端を高さ方向に支持および固定することを特徴とする請求項15に記載の車両用ヒーター。
【請求項19】
前記車両用ヒーターは、前記ハウジング(240)が設けられた反対側の前記第1支持部(210)および第2支持部(230)に結合される下部ハウジング(280)を含み、
前記下部ハウジング(280)の一側面に形成された第1溝部(281)に前記第1支
持部(210)の長さ方向に一側面が挿入固定され、前記下部ハウジング(280)の他
側面に形成された第2溝部(282)に前記第2支持部(230)の両角部が高さ方向に
嵌合固定され、前記第2溝部(282)に、前記第2サイドプレート(160)の前記第
2板部(161)の一側に突出形成された第2突出部(162)が、前記第1支持部(210)とともに挿入固定されることを特徴とする請求項15に記載の車両用ヒーター。
【請求項20】
前記第1支持部(210)および第2支持部(230)は、それぞれ前記第1支持部(
210)および第2支持部(230)に対応する所定領域がそれぞれ切開され、切開され
た領域が前記第1ヒーター(100)と結合した側の反対方向に折り曲げられて突出する
第1ルーバーフィン(212)および第2ルーバーフィン(232)が形成されることを
特徴とする請求項14に記載の車両用ヒーター。
【請求項21】
前記発熱部(220)は、
PTC素子(227)と、
前記第1発熱領域(A210‐1)および第2発熱領域(A230‐1)に対応するよ
うに形成され、前記PTC素子(227)が載置されるように中空となっている空間部(
226a)が形成される絶縁支持体(226)と、
前記PTC素子(227)に電源を印加する第1電極(228‐1)と、を含むことを
特徴とする請求項15に記載の車両用ヒーター。
【請求項22】
前記発熱部(220)には、前記絶縁支持体(226)の前記第1発熱領域(A210
‐1)に対応する面が前記空間部(226a)側に段差を有する第1載置部(226b)
が形成され、前記第1電極(228‐1)が前記絶縁支持体(226)の第1載置部(2
26b)に載置されることを特徴とする請求項21に記載の車両用ヒーター。
【請求項23】
前記発熱部(220)には、前記絶縁支持体(226)の前記第2発熱領域(A230
‐1)に対応する面が前記空間部(226a)側に段差を有する第2載置部(226c)
が形成され、前記絶縁支持体(226)の第2載置部(226c)に第2電極(228‐
2)がさらに載置されることを特徴とする請求項22に記載の車両用ヒーター。
【請求項24】
前記発熱部(220)には、前記第1支持部(210)および第2支持部(230)と
接する面に、それぞれ第1絶縁層(229‐1)および第2絶縁層(229‐2)が形成
されることを特徴とする請求項21 に記載の車両用ヒーター。
【請求項25】
所定距離離隔して平行に設けられる第1ヘッダタンク(111)および第2ヘッダタンク(112)と、前記第1ヘッダタンク(111)または第2ヘッダタンク(112)に設けられ、それぞれ冷却水が流入される入口パイプ(121)および冷却水が排出される出口パイプ(122)と、前記第1ヘッダタンク(111)および第2ヘッダタンク(112)に両端が固定されて冷却水流路を形成する複数個のチューブ(130)と、前記チューブ(130)の間に介在されるフィン(140)と、を含む第1ヒーター(100)と、
空気流動方向に対して垂直の板状であり、第1発熱領域(A210‐1)および所定領域が中空となっている複数個の第1中空部(211)が形成された第1空気流動領域(A210‐2)を含む第1支持部(210)と、前記第1支持部(210)の第1発熱領域(A210‐1)に形成されて発熱する発熱部(220)と、前記第1支持部(210)および発熱部(220)の一側端部を支持するハウジング(240)と、を含む第2ヒーター(200)と、
板状の第1板部(151)と、前記第1板部(151)の両側が突出形成される第1突出部(152)を含む第1サイドプレート(150)、
板状の第2板部(161)を含む第2サイドプレート(160)と、
前記第1サイドプレート(150)の一側の第1突出部(152)に所定領域が中空形成される第1締結部(153)、及び
前記第1締結部(153)に対応するように前記ハウジング(240)の所定領域に中空形成される第2締結部(244)と、
前記第2ヒーター(200)の第1支持部(210)は、前記第1ヒーター(100)のチューブ(130)およびフィン(140)が形成される領域に形成され、 前記第1締結部(153)および第2締結部(244)に締結手段(260)が締結されて、前記第1ヒーター(100)および第2ヒーター(200)が固定されることを特徴とする 車両用ヒーター。
【請求項26】
所定距離離隔して平行に設けられる第1ヘッダタンク(111)および第2ヘッダタンク(112)と、前記第1ヘッダタンク(111)または第2ヘッダタンク(112)に設けられ、それぞれ冷却水が流入される入口パイプ(121)および冷却水が排出される出口パイプ(122)と、前記第1ヘッダタンク(111)および第2ヘッダタンク(112)に両端が固定されて冷却水流路を形成する複数個のチューブ(130)と、前記チューブ(130)の間に介在されるフィン(140)と、を含む第1ヒーター(100)と、
空気流動方向に対して垂直の板状であり、第1発熱領域(A210‐1)および所定領域が中空となっている複数個の第1中空部(211)が形成された第1空気流動領域(A210‐2)を含む第1支持部(210)と、前記第1支持部(210)の第1発熱領域(A210‐1)に形成されて発熱する発熱部(220)と、前記第1支持部(210)および発熱部(220)の一側端部を支持するハウジング(240)と、を含み、第1支持部(210)は、前記第1ヒーター(100)のチューブ(130)およびフィン(140)が形成される領域に形成され前記第1ヒーターと組み立てられる第2ヒーター(200)と、
前記第1ヒーター(100)側に位置し、前記発熱部(220)の一側面を支持する前記第1支持部(210)とともに前記発熱部(220)の他側面を支持するように、前記第1支持部(210)の第1発熱領域(A210‐1)に対応する第2発熱領域(S230‐1)、および前記第2発熱領域(S230‐1)に隣接し、所定領域が中空となっている複数個の第2中空部(231)が形成され、前記第1支持部(210)の第1空気流動領域(A210‐2)に対応する第2空気流動領域(A230‐2)を含む第2支持部(230)と、
板状の第1板部(151)を含む第1サイドプレート(150)と、及び
板状の第2板部(161)を含む第2サイドプレート(160)と、を含んで形成され、
前記発熱部(220)は、PTC素子(227)と、前記第1発熱領域(A210‐1)および第2発熱領域(A230‐1)に対応するように形成され、前記PTC素子(227)が載置されるように中空となっている空間部(226a)が形成される絶縁支持体(226)と、前記PTC素子(227)に電源を印加する第1電極(228‐1)と、を含み、
前記絶縁支持体(226)の前記第1発熱領域(A210‐1)に対応する面が前記空間部(226a)側に段差を有する第1載置部(226b)が形成され、前記第1電極(228‐1)が前記絶縁支持体(226)の第1載置部(226b)に載置されることを特徴とする車両用ヒーター
【請求項27】
所定距離離隔して平行に設けられる第1ヘッダタンク(111)および第2ヘッダタンク(112)と、前記第1ヘッダタンク(111)または第2ヘッダタンク(112)に設けられ、それぞれ冷却水が流入される入口パイプ(121)および冷却水が排出される出口パイプ(122)と、前記第1ヘッダタンク(111)および第2ヘッダタンク(112)に両端が固定されて冷却水流路を形成する複数個のチューブ(130)と、前記チューブ(130)の間に介在されるフィン(140)と、を含む第1ヒーター(100)と、
空気流動方向に対して垂直の板状であり、第1発熱領域(A210‐1)および所定領域が中空となっている複数個の第1中空部(211)が形成された第1空気流動領域(A210‐2)を含む第1支持部(210)、前記第1支持部(210)の第1発熱領域(A210−1)に形成され発熱する発熱部(220)と、前記第1支持部(210)および発熱部(220)の一側端部を支持するハウジング(240)と、を含み、前記第1支持部(210)が前記第1ヒーター(100)のチューブ(130)およびフィン(140)が形成される領域に形成され前記第1ヒーターと組み立てられる第2ヒーター(200)、
前記第1ヒーター(100)側に位置し、前記発熱部(220)の一側面を支持する前記第1支持部(210)とともに前記発熱部(220)の他側面を支持するように、前記第1支持部(210)の第1発熱領域(A210‐1)に対応する第2発熱領域(S230‐1)、および前記第2発熱領域(S230‐1)に隣接し、所定領域が中空となっている複数個の第2中空部(231)が形成され、前記第1支持部(210)の第1空気流動領域(A210‐2)に対応する第2空気流動領域(A230‐2)を含む第2支持部(230)と、
板状の第1板部(151)を含む第1サイドプレート(150)と、
板状の第2板部(161)を含む第2サイドプレート(160)と、を含んで形成され、
前記発熱部(220)は、
PTC素子(227)と、前記第1発熱領域(A210‐1)および第2発熱領域(A230‐1)に対応するように形成され、前記PTC素子(227)が載置されるように中空となっている空間部(226a)が形成される絶縁支持体(226)と、前記PTC素子(227)に電源を印加する第1電極(228‐1)と、を含み、
前記第1支持部(210)および第2支持部(230)と接する面に、それぞれ第1絶縁層(229‐1)および第2絶縁層(229‐2)が形成されることを特徴とする車両用ヒーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ヒーターに係り、より詳しくは、エンジン冷却水が流動されて加熱される第1ヒーターおよび電源によって加熱される第2ヒーターが互いに組み立てられて一体に形成されることで空間効率性を高めることができ、熱交換性能をより高めて暖房性能を向上させることができる車両用ヒーターに関する。
【背景技術】
【0002】
加熱手段は、外部の温度を高めるために用いられるもので、様々な方法を用いた手段が提案されており、また、様々な用途に用いられている。
特に、車両エンジンルームの内部に設けられる加熱手段のうち室内暖房を担当する加熱手段は、エンジンの温度を下げるための熱交換媒体がヒーターコアを循環することで外部空気を加熱して自動車の室内を暖房する。
しかし、エンジンのうちディーゼルエンジンは、熱交換率が高くて、自動車の初期始動の際にエンジンを冷却する熱交換媒体が加熱されるまで、ガソリンエンジンより長い時間がかかる。
そのため、冬にディーゼルエンジンが設けられた車両は、初期始動後に熱交換媒体の加熱が遅くなって、初期室内暖房性能が低下する問題点がある。
【0003】
かかる問題点を解決するために、様々な手段を用いて、室内側に送られる空気を直接加熱する形態の車両用空気加熱式ヒーターが提案されている。
かかる空気加熱式ヒーターは、空気を直接加熱して暖房性能をより高めることができるという利点があるが、小型化および高効率化の傾向に伴いエンジンルームの内部に十分な空間を確保することが困難な状況では、ヒーターの大きさだけの空間を占めることから小型化を妨げる原因になりうる。
特に、ニクロム線を用いたカートリッジヒーターは、温度を制御することが難しく、ヒーター側に空気が送られない場合には過熱の虞があり、また、高電圧による絶縁問題が生じることがあり、火事の虞があるという問題点がある。
また、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒーターを用いた車両用空調装置が、日本公開特許2009‐255739号に開示されており、従来のPTCヒーターを図1に示した。
【0004】
図1において、空気の流れ方向を矢印で示しており、図1に示すPTCヒーターは、PTC素子からなる熱源部11と、熱源部11と接触して熱を効果的に放出するための放熱部12と、端子部と、熱源部11と、放熱部12を包んで保護するハウジング20と、を含む。
従来のPTCヒーターは、詳細な構成において一部相違するが、熱源部が空気の流れ方向と平行に形成されることで熱源部の形成面積は発熱性能に直接影響を及ぼし、そのため、PTCヒーターの厚さ(空気の流れ方向)を低減するには限界がある。
特に、PTCヒーターは、放熱条件が良好でない場合には電気的問題が生じることがあり放熱部(通常、放熱フィン)を形成しなければならないため、放熱部の製造および組立工程が複雑なだけでなく、放熱が効果的に行われない場合にはPTCヒーター全体の耐久性が低下する問題点がある。
【0005】
図2にPTCヒーターを用いた車両用空調装置の一例を示した。
図2に示す車両用空調装置60は、それぞれのドア31d、32d、33dによって開度が調節されるフロアベント31、デフロストベント32およびフェースベント33が形成される空調ケース30と、空調ケース30の内部に設けられて空気を冷却する蒸発器41と、高温の冷却水が流動されて空気を加熱するヒーターコア42と、空気の流れ方向にヒーターコア42の後側に設けられるPTCヒーター43と、冷気通路および温気通路の開度を調節するテンパラチャードア50と、を含む。
【0006】
この際、PTCヒーターは、ヒーターコアと所定間隔を維持するように設けられるが、それだけ空調ケースの内部の空間を占めるため空間効率性を阻害することがある。
また、空気の圧力降下を防止し、コストダウンなどのために、高さ方向にPTCヒーターがヒーターコアの中央領域に位置することが多くて、PTCヒーターが位置しない上側および下側領域を通過した空気は適切に加熱されていない状態で移動するため暖房性能が低下する問題点がある(適切に加熱されていない状態で移動する空気の流れを点線の矢印で示している。)。
したがって、空気と直接熱交換し、熱交換性能をより高めて暖房性能をより向上させることができ、小型化が可能で、制御が容易であり、過熱による問題点を予め防止して、安全性をより高めることができるヒーターの開発が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、エンジン冷却水が流動されて加熱される第1ヒーターおよび電源によって加熱される第2ヒーターが互いに組み立てられて一体に形成されることで空間効率性を高めることができ、熱交換性能をより高めて暖房性能を向上させることができる車両用ヒーターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の車両用ヒーター1000は、
所定距離離隔して平行に設けられる第1ヘッダタンク(111)および第2ヘッダタン
ク(112)と、前記第1ヘッダタンク(111)または第2ヘッダタンク(112)に
設けられ、それぞれ冷却水が流入される入口パイプ(121)および冷却水が排出される
出口パイプ(122)と、前記第1ヘッダタンク(111)および第2ヘッダタンク(1
12)に両端が固定されて冷却水流路を形成する複数個のチューブ(130)と、前記チ
ューブ(130)の間に介在されるフィン(140)と、を含む第1ヒーター(100)
と、
空気流動方向に対して垂直の板状であり、第1発熱領域(A210‐1)および所定領
域が中空となっている複数個の第1中空部(211)が形成された第1空気流動領域(A
210‐2)を含む第1支持部(210)と、前記第1支持部(210)の第1発熱領域
(A210‐1)に形成され、
前記第1支持部(210)の第1発熱領域(A210‐1)に結合する発熱チューブ(
225)と、
前記発熱チューブ(225)の内部に設けられ、空間部(226a)が形成される絶縁
支持体(226)と、
前記絶縁支持体(226)の空間部(226a)に設けられるPTC(Positiv
e Temperature Coefficient)素子(227)と、
前記絶縁支持体(226)に配置される電極(228)と、を含む発熱部(220)と、
前記第1支持部(210)
および発熱部(220)の一側端部を支持するハウジング(240)と、を含む第2ヒー
ター(200)と、が組み立てられ、
前記第2ヒーター(200)の第1支持部(210)は、前記第1ヒーター(100)
のチューブ(130)およびフィン(140)が形成される領域に形成されることを特徴
とする。
【0009】
また、車両用ヒーター1000は、板状の第1板部151を含む第1サイドプレート1
50と、板状の第2板部161を含む第2サイドプレート160と、をさらに含むことを
特徴とする。
また、第1サイドプレート150には、第1板部151の両側から突出する第1突出部
152が形成されることを特徴とする。
また、車両用ヒーター1000は、第1サイドプレート150の一側の第1突出部15
2に所定領域が中空となっている第1締結部153が形成され、第1締結部153に対応
するように、ハウジング240の所定領域に第2締結部244が中空形成され、第1締結
部153および第2締結部244に締結手段260が締結されて、第1ヒーター100お
よび第2ヒーター200が固定されることを特徴とする。
なお、車両用ヒーター1000は、ハウジング240に第1サイドプレート150の一
側の第1突出部152と締結される第1固定部241が形成され、第1支持部210のハ
ウジング240が設けられた反対側と第2サイドプレート160が、第2固定部250に
よって固定されることを特徴とする。
また、第1固定部241は、第1サイドプレート150の第1突出部152が挿入され
る溝を形成し、第1突出部152を支持するように形成されることを特徴とする。
また、第1固定部241は、ハウジング240に一体に形成される第2固定フック24
3であることを特徴とする。
【0010】
また、第2サイドプレート160には、第2板部161の両側から突出する第2突出部
162が形成されることを特徴とする。
また、車両用ヒーター1000は、第1支持部210に一体に設けられる固定本体25
1、および固定本体251から延長して第2サイドプレート160の一側の第2突出部1
62に係合固定される第1固定フック252と、第1支持部210のハウジング240が
設けられた反対側と第2サイドプレート160を固定する第2固定部250と、をさらに
含むことを特徴とする。
また、車両用ヒーター1000は、第1支持部210のハウジング240が設けられた
反対側と第2サイドプレート160の第2突出部162を同時に固定する別の固定クリッ
プ255である第2固定部250をさらに含むことを特徴とする。
なお、車両用ヒーター1000は、第2サイドプレート160が第2ヒーター200側
に延長形成されて、第2ヒーター200のハウジング240が形成された反対側を支持す
ることを特徴とする。
また、第2ヒーター200は、高さ方向に上端および下端に一体に形成され、第1ヒー
ター100の第1ヘッダタンク111または第2ヘッダタンク112の外周面に係合固定
される第3固定フック270を含むことを特徴とする。
また、第2ヒーター200は、ハウジング240の第1ヒーター100側の面に形成さ
れ、第1ヒーター100の入口パイプ121または出口パイプ122を包んで結合固定さ
れる第4固定フック272を含むことを特徴とする。
また、車両用ヒーター1000は、第1ヒーター100側に位置し、発熱部220の一
側面を支持する第1支持部210とともに発熱部220の他側面を支持するように、第1
支持部210の第1発熱領域A210‐1に対応する第2発熱領域A230‐1、および
第2発熱領域A230‐1に隣接し、所定領域が中空となっている複数個の第2中空部2
31が形成され、第1支持部210の第1空気流動領域A210‐2に対応する第2空気
流動領域A230‐2を含む第2支持部230をさらに含むことを特徴とする。
また、車両用ヒーター1000は、板状の第1板部151を含む第1サイドプレート1
50と、板状の第2板部161を含む第2サイドプレート160と、をさらに含むことを
特徴とする。
また、車両用ヒーター1000は、ハウジング240が設けられた反対側の第2支持部
230の端部が第2サイドプレート160側に延長形成されて、第2サイドプレート16
0の第2板部161の一側に突出形成された第2突出部162に係合固定される第2固定
部250をさらに含むことを特徴とする。
【0011】
また、前記車両用ヒーターは、前記第2サイドプレート(160)が前記第2ヒーター(200)側に延長形成されて
、前記第2ヒーター(200)のハウジング(240)が形成された反対側を支持し、
前記第1ヘッダタンク(111)または第2ヘッダタンク(112)のヘッダが前記第
2ヒーター(200)側に延長形成されるヘッダ延長部(113)をさらに含み、
前記ヘッダ延長部(113)が、前記第2ヒーター(200)の両端を高さ方向に支持
および固定し、
前記ハウジング(240)が設けられた反対側の前記第1支持部(210)および第2支持部(230)に結合される下部ハウジング(280)を含み、
前記下部ハウジング(280)の一側面に形成された第1溝部(281)に前記第1支
持部(210)の長さ方向に一側面が挿入固定され、前記下部ハウジング(280)の他
側面に形成された第2溝部(282)に前記第2支持部(230)の両角部が高さ方向に
嵌合固定され、前記第2溝部(282)に、前記第2サイドプレート(160)の前記第
2板部(161)の一側に突出形成された第2突出部(162)が、前記第1支持部(210)とともに挿入固定されることを特徴とする。
【0012】
また、第1支持部210および第2支持部230は、それぞれ第1支持部210および
第2支持部230に対応する所定領域がそれぞれ切開され、切開された領域が第1ヒータ
ー100と結合した側の反対方向に折り曲げられて突出する第1ルーバーフィン212お
よび第2ルーバーフィン232が形成されることを特徴とする。
また、発熱部220は、熱伝導性接着剤を用いて、第1支持部210の第1発熱領域A
210‐1に結合する発熱チューブ225と、発熱チューブ225の内部に設けられ、空
間部226aが形成される絶縁支持体226と、絶縁支持体226の空間部226aに設
けられるPTC(Positive Temperature Coefficient
)素子227と、絶縁支持体226に配置される電極228と、を含むことを特徴とする。
また、発熱部220は、PTC素子227と、第1発熱領域A210‐1および第2発
熱領域A230‐1に対応するように形成され、PTC素子227が載置されるように中
空となっている空間部226aが形成される絶縁支持体226と、PTC素子227に電
源を印加する第1電極228‐1と、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、発熱部220には、絶縁支持体226の第1発熱領域A210‐1に対応する面
が空間部226a側に段差を有する第1載置部226bが形成され、第1電極228‐1
が絶縁支持体226の第1載置部226bに載置されることを特徴とする。
また、発熱部220には、絶縁支持体226の第2発熱領域A230‐1に対応する面
が空間部226a側に段差を有する第2載置部226cが形成され、絶縁支持体226の
第2載置部226cに第2電極228‐2がさらに載置されることを特徴とする。
また、発熱部220には、第1支持部210および第2支持部230と接する面に、そ
れぞれ第1絶縁層229‐1および第2絶縁層229‐2が形成されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、所定距離離隔して平行に設けられる第1ヘッダタンク(111)および第2ヘッダタンク(112)と、前記第1ヘッダタンク(111)または第2ヘッダタンク(112)に設けられ、それぞれ冷却水が流入される入口パイプ(121)および冷却水が排出される出口パイプ(122)と、前記第1ヘッダタンク(111)および第2ヘッダタンク(112)に両端が固定されて冷却水流路を形成する複数個のチューブ(130)と、前記チューブ(130)の間に介在されるフィン(140)と、を含む第1ヒーター(100)と、
空気流動方向に対して垂直の板状であり、第1発熱領域(A210‐1)および所定領域が中空となっている複数個の第1中空部(211)が形成された第1空気流動領域(A210‐2)を含む第1支持部(210)と、前記第1支持部(210)の第1発熱領域(A210‐1)に形成されて発熱する発熱部(220)と、前記第1支持部(210)および発熱部(220)の一側端部を支持するハウジング(240)と、を含む第2ヒーター(200)と、
板状の第1板部(151)と、前記第1板部(151)の両側が突出形成される第1突出部(152)を含む第1サイドプレート(150)、
板状の第2板部(161)を含む第2サイドプレート(160)と、
前記第1サイドプレート(150)の一側の第1突出部(152)に所定領域が中空形成される第1締結部(153)、及び
前記第1締結部(153)に対応するように前記ハウジング(240)の所定領域に中空形成される第2締結部(244)と、
前記第2ヒーター(200)の第1支持部(210)は、前記第1ヒーター(100)のチューブ(130)およびフィン(140)が形成される領域に形成され、 前記第1締結部(153)および第2締結部(244)に締結手段(260)が締結されて、前記第1ヒーター(100)および第2ヒーター(200)が固定されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、所定距離離隔して平行に設けられる第1ヘッダタンク(111)および第2ヘッダタンク(112)と、前記第1ヘッダタンク(111)または第2ヘッダタンク(112)に設けられ、それぞれ冷却水が流入される入口パイプ(121)および冷却水が排出される出口パイプ(122)と、前記第1ヘッダタンク(111)および第2ヘッダタンク(112)に両端が固定されて冷却水流路を形成する複数個のチューブ(130)と、前記チューブ(130)の間に介在されるフィン(140)と、を含む第1ヒーター(100)と、
空気流動方向に対して垂直の板状であり、第1発熱領域(A210‐1)および所定領域が中空となっている複数個の第1中空部(211)が形成された第1空気流動領域(A210‐2)を含む第1支持部(210)と、前記第1支持部(210)の第1発熱領域(A210‐1)に形成されて発熱する発熱部(220)と、前記第1支持部(210)および発熱部(220)の一側端部を支持するハウジング(240)と、を含み、第1支持部(210)は、前記第1ヒーター(100)のチューブ(130)およびフィン(140)が形成される領域に形成され前記第1ヒーターと組み立てられる第2ヒーター(200)と、
前記第1ヒーター(100)側に位置し、前記発熱部(220)の一側面を支持する前記第1支持部(210)とともに前記発熱部(220)の他側面を支持するように、前記第1支持部(210)の第1発熱領域(A210‐1)に対応する第2発熱領域(S230‐1)、および前記第2発熱領域(S230‐1)に隣接し、所定領域が中空となっている複数個の第2中空部(231)が形成され、前記第1支持部(210)の第1空気流動領域(A210‐2)に対応する第2空気流動領域(A230‐2)を含む第2支持部(230)と、
板状の第1板部(151)を含む第1サイドプレート(150)と、及び
板状の第2板部(161)を含む第2サイドプレート(160)と、を含んで形成され、
前記発熱部(220)は、PTC素子(227)と、前記第1発熱領域(A210‐1)および第2発熱領域(A230‐1)に対応するように形成され、前記PTC素子(227)が載置されるように中空となっている空間部(226a)が形成される絶縁支持体(226)と、前記PTC素子(227)に電源を印加する第1電極(228‐1)と、を含み、
前記絶縁支持体(226)の前記第1発熱領域(A210‐1)に対応する面が前記空間部(226a)側に段差を有する第1載置部(226b)が形成され、前記第1電極(228‐1)が前記絶縁支持体(226)の第1載置部(226b)に載置されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、所定距離離隔して平行に設けられる第1ヘッダタンク(111)および第2ヘッダタンク(112)と、前記第1ヘッダタンク(111)または第2ヘッダタンク(112)に設けられ、それぞれ冷却水が流入される入口パイプ(121)および冷却水が排出される出口パイプ(122)と、前記第1ヘッダタンク(111)および第2ヘッダタンク(112)に両端が固定されて冷却水流路を形成する複数個のチューブ(130)と、前記チューブ(130)の間に介在されるフィン(140)と、を含む第1ヒーター(100)と、
空気流動方向に対して垂直の板状であり、第1発熱領域(A210‐1)および所定領域が中空となっている複数個の第1中空部(211)が形成された第1空気流動領域(A210‐2)を含む第1指示部(210)、前記第1支持部(210)の第1発熱領域(A210−1)に形成され発熱する発熱部(220)と、前記第1支持部(210)および発熱部(220)の一側端部を支持するハウジング(240)と、を含み、前記第1支持部(210)が前記第1ヒーター(100)のチューブ(130)およびフィン(140)が形成される領域に形成され前記第1ヒーターと組み立てられる第2ヒーター(200)、
前記第1ヒーター(100)側に位置し、前記発熱部(220)の一側面を支持する前記第1支持部(210)とともに前記発熱部(220)の他側面を支持するように、前記第1支持部(210)の第1発熱領域(A210‐1)に対応する第2発熱領域(S230‐1)、および前記第2発熱領域(S230‐1)に隣接し、所定領域が中空となっている複数個の第2中空部(231)が形成され、前記第1支持部(210)の第1空気流動領域(A210‐2)に対応する第2空気流動領域(A230‐2)を含む第2支持部(230)と、
板状の第1板部(151)を含む第1サイドプレート(150)と、
板状の第2板部(161)を含む第2サイドプレート(160)と、を含んで形成され、
前記発熱部(220)は、
PTC素子(227)と、前記第1発熱領域(A210‐1)および第2発熱領域(A230‐1)に対応するように形成され、前記PTC素子(227)が載置されるように中空となっている空間部(226a)が形成される絶縁支持体(226)と、前記PTC素子(227)に電源を印加する第1電極(228‐1)と、を含み、
前記第1支持部(210)および第2支持部(230)と接する面に、それぞれ第1絶縁層(229‐1)および第2絶縁層(229‐2)が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
これにより、本発明の車両用ヒーターによれば、エンジン冷却水が流動されて加熱される第1ヒーターおよび電源によって加熱される第2ヒーターが互いに組み立てられて一体に形成されることで空間効率性を高めることができ、熱交換性能をより高めて暖房性能を向上させることができる。
特に、本発明の車両用ヒーターによれば、第1ヒーターを変形することなく、第1固定部および第2固定部が第1サイドプレートおよび第2サイドプレートに固定されることができ、第1固定フックを用いた締結方式により、組立性をより高めることができる。
【0018】
なお、本発明の車両用ヒーターによれば、第2ヒーターの第1支持部(および第2支持部)が第1ヒーターのチューブおよびフィン形成領域に対応するように形成されることで、第1ヒーターを通過した空気の全量が第2ヒーターを通過しながら熱交換されて、暖房性能を向上させることができる。
また、本発明の車両用ヒーターによれば、第2ヒーターが空気の流れ方向に垂直に位置する板状の第1支持部(および第2支持部)を用いて発熱部を形成することで、製造が容易になるとともに厚さを低減することができて小型化が可能となり、熱交換性能をより高めて暖房性能を向上させることができる。
また、本発明の車両用ヒーターによれば、第2ヒーターの構成を簡素化して、製造性を高めるとともに第1支持部(および第2支持部)を高さ方向に一体に形成することができることから製造性をより確保することができ、第1支持部と発熱部(および第2支持部)がモジュール状に形成される場合には、高さ方向の変化に応じてモジュールの個数を調節して設計変更を容易にすることができる。
【0019】
また、本発明の車両用ヒーターによれば、第2ヒーターがカーボンナノチューブを用いて発熱部を形成する場合、発熱部が第1支持部の第1発熱領域に直接コーティングされることで製造が容易となり、厚さをより低減することができ、制御が容易で、過熱による問題点を予め防止して安全性をより高めることができる。
なお、本発明の車両用ヒーターによれば、第2ヒーターがPTC素子を含む発熱チューブとして発熱部を形成する場合に、絶縁支持体と、PTC素子と、第1電極と、第2電極と、を含む発熱チューブを第1支持部の第1発熱領域に接合させて簡単に製造することができ、第1支持部を介して十分に発熱されて過熱による問題点を予め防止することができる。
また、本発明の車両用ヒーターによれば、第2ヒーターがPTC素子を含み、空気の流れ方向に垂直に位置する板状の第1支持部および第2支持部を用い、PTC素子が絶縁支持体によって支持される形態の発熱部を形成する場合に、簡単な構成により製造が容易になるとともに厚さを低減することができて小型化が可能となり、熱交換性能をより高めて暖房性能を向上させることができる。
【0020】
また、本発明の車両用ヒーターによれば、第2ヒーターに第2支持部がさらに設けられることで発熱領域をより確保することができ、第1支持部とともに発熱部の両側面を支持して構造的安定性を高めることができる。
この際、第2ヒーターによれば、第1支持部に形成された第1中空部と第2支持部に形成された第2中空部が、空気の流れ方向に所定領域において互いに重なるように形成されて空気の流れを乱流化することで空気の熱交換性能を向上させることができる。
また、本発明の車両用ヒーターによれば、第2ヒーターの熱交換面積をより高め、空気を案内できる第1ルーバーフィンおよび第2ルーバーフィンがさらに形成され、熱交換性能を極大化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】従来のPTCヒーターを示す図である。
図2】通常の車両用空調装置を示す図である。
図3】本発明による車両用ヒーターの斜視図である。
図4】本発明による車両用ヒーターの分解斜視図である。
図5図3に示す車両用ヒーターのaa´方向の断面図である。
図6】本発明による車両用ヒーターの他の分解斜視図である。
図7】本発明による車両用ヒーターの他の断面図である。
図8】本発明による車両用ヒーターのさらに他の分解斜視図である。
図9】本発明による車両用ヒーターのさらに他の締結後状態の断面図である。
図10】本発明による車両用ヒーターのさらに他の締結前状態の断面図である。
図11】本発明による車両用ヒーターのさらに他の分解斜視図である。
図12】本発明による車両用ヒーターのさらに他の断面図である。
図13】本発明による車両用ヒーターの第2ヒーター発熱部の実施例を示す図である。
図14】本発明による車両用ヒーターの第2ヒーター発熱部の実施例を示す図である。
図15】本発明による車両用ヒーターの他の斜視図である。
図16】本発明による車両用ヒーターの他の断面図である。
図17】本発明による車両用ヒーターのさらに他の斜視図である。
図18】本発明による車両用ヒーターのさらに他の分解斜視図である。
図19】本発明による車両用ヒーターのさらに他の断面図である。
図20】本発明による車両用ヒーターの他の斜視図である。
図21】本発明による車両用ヒーターの他の斜視図である。
図22】本発明による車両用ヒーターの他の断面図である。
図23】本発明による車両用ヒーターの他の断面図である。
図24】本発明による車両用ヒーターの他の側面図である。
図25】本発明による車両用ヒーターの他の側断面図である。
図26図25の車両用ヒーターの第1支持部の下部ハウジング結合部を示す斜視図である。
図27】本発明による車両用ヒーターの第2ヒーター発熱部の他の実施例を示す図である。
図28】本発明による車両用ヒーターの第2ヒーター発熱部の他の実施例を示す図である。
図29】本発明による車両用ヒーターの第2ヒーター発熱部の他の実施例を示す図である。
図30】本発明による車両用ヒーターの第2ヒーター発熱部の他の実施例を示す図である。
図31】本発明による車両用ヒーターの第2ヒーターの様々な実施例を示す図である。
図32】本発明による車両用ヒーターの第2ヒーターの様々な実施例を示す図である。
図33】本発明による車両用ヒーターの第2ヒーターの様々な実施例を示す図である。
図34】本発明による車両用ヒーターが設けられた空調装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、上述の特徴を有する本発明の車両用ヒーター1000について添付の図面を参照して詳細に説明する。
本発明の車両用ヒーター1000は、冷却水が流動される第1ヒーター100と、電源によって発熱される第2ヒーター200が組み立てられた形態を有しており、様々な方法により組み立てられる。
【0023】
先ず、第1ヒーター100について説明する。
第1ヒーター100は、第1ヘッダタンク111および第2ヘッダタンク112と、入口パイプ121および出口パイプ122と、チューブ130と、フィン140と、第1サイドプレート150および第2サイドプレート160と、を含む。
第1ヘッダタンク111および第2ヘッダタンク112は、所定距離離隔して平行に設けられる部分であり、第1ヘッダタンク111または第2ヘッダタンク112にそれぞれ冷却水が流入される入口パイプ121および冷却水が排出される出口パイプ122が連結される。
チューブ130は、第1ヘッダタンク111および第2ヘッダタンク112に両端が固定されて冷却水流路を形成するものであり、平行に複数個が設けられる。
フィン140は、チューブ130の間に介在されて空気の接触面積を増大する。
【0024】
第1サイドプレート150および第2サイドプレート160は、両端が第1ヘッダタンク111および第2ヘッダタンク112に固定され、チューブ130およびフィン140の組立体の両側を支持する部分であり、それぞれ第1板部151および第2板部161を含む。
第1板部151および第2板部161は、チューブ130およびフィン140組立体の両側を支持する板状に形成され、第1サイドプレート150は、第1板部151の両側に一対の第1突出部152が形成される。
第1突出部152は、空気の流れ方向(図3の幅方向)に第1板部151の両端部が高さ方向に長く突出して形成される。
第2サイドプレート160は、第1サイドプレート150と同様に、第2板部161と、第2板部161の両端部が高さ方向に長く突出して形成された第2突出部162と、を含む。
【0025】
また、第2サイドプレート160は、第2突出部162が第2板部161の一側にのみ形成された形態であってもよい。
本発明の車両用ヒーター1000は、第1ヒーター100の第1サイドプレート150および第2サイドプレート160を用いて第2ヒーター200を固定するが、以下でより詳細に説明する。
第2ヒーター200は、第1支持部210と、発熱部220と、ハウジング240と、を含む。
【0026】
第1支持部210は、板状を有しており、空気の流れ方向に垂直に位置する。
換言すれば、第1支持部210は、第2ヒーター200を形成する基本本体部分であり、第1ヒーター100のチューブ130およびフィン140の形成領域に対応する大きさに形成されることで、空気が第1ヒーター100および第2ヒーター200の第1支持部210の全領域を通過して均一に加熱される。
第1支持部210は、第1発熱領域A210‐1と、第1空気流動領域A210‐2と、を含み、第1発熱領域A210‐1は、発熱部220が形成される領域であり、残りの第1空気流動領域A210‐2は、空気が流動される領域である。
【0027】
第1空気流動領域A210‐2は、所定領域が中空となっている複数個の第1中空部211が形成された領域であり、第1中空部211の形態および個数は多様に形成されてもよい。
発熱部220は、電源によって発熱する構成であり、第1支持部210の第1発熱領域A210‐1に形成される。
発熱部220は、様々な方法で発熱する形態が用いられてもよく、具体的な実施例として、図13に示すように、カーボンナノチューブが用いられてもよく、図14に示すように、PTC素子227を含む発熱チューブ225が用いられてもよい。
【0028】
図13を参照して、発熱部220がカーボンナノチューブを用いた形態について説明すると、カーボンナノチューブを用いるための構成が、第1支持部210の第1発熱領域A210‐1に直接コーティング形成されることができる。
より詳細には、カーボンナノチューブを用いた発熱部220は、第1発熱領域A210‐1に形成される絶縁層221と、絶縁層221の両端部上に幅方向に長く形成される一対の電極222と、絶縁層221の上側面に電極222と通電するように形成されるカーボンナノチューブ発熱層223と、絶縁層221の上側面に電極222およびカーボンナノチューブ発熱層223を包むように形成される保護層224と、を含むことができる。
図13に示す形態において、カーボンナノチューブを用いた発熱部220が、第1支持部210の第1発熱領域A210‐1に直接コーティングされることで耐久性をより高めることができ、製造性を向上させることができるという利点がある。
【0029】
図14に示す発熱部220は、PTC素子227が内蔵された発熱チューブ225を用いる例を示している。
図14に示す発熱部220は、発熱チューブ225が熱伝導性接着剤を用いて、第1支持部210の第1発熱領域A210‐1に結合することができる。
この際、発熱部220は、発熱チューブ225と、発熱チューブ225の内部に設けられ、幅方向に多数個の空間部226aが形成される絶縁支持体226と、絶縁支持体226の空間部226aに設けられるPTC(Positive Temperature Coefficient)素子227と、絶縁支持体226に配置される電極228と、を含むことができる。
本発明の車両用ヒーター1000は、第2ヒーター200の発熱部220が、上述の例以外にも、様々な方法で発熱されるより多様な形態が用いられてもよい。
【0030】
ハウジング240は、第1支持部210および発熱部220の一側端部を支持し、発熱部220に電源を印加するための構成が内蔵されることができる。
本発明の車両用ヒーター1000は、第2ヒーター200が簡単な形態を有する板状の第1支持部210を用いることで、従来のフィン形態を用いることに比べて構成をより簡素化することができ、発熱部220が第1発熱領域A210‐1に形成されることで、全体厚さ(図3の幅方向への第2ヒーター200の形成長さを意味する。)を低減して小型化が可能となる利点がある。
本発明の車両用ヒーター1000は、様々な方法により第1ヒーター100および第2ヒーター200が互いに組み立てられる。
【0031】
先ず、ハウジング240に第1サイドプレート150の一側の第1突出部152と締結される第1固定部241が形成され、第1支持部210のハウジング240が設けられた反対側と第2サイドプレート160とが、第2固定部250によって固定されることができる。
すなわち、第2ヒーター200は、ハウジング240に第1固定部241が形成され、その他側(第2ヒーター200のハウジング240が設けられた反対側)に第2固定部250が設けられて、それぞれ第1サイドプレート150の第1突出部152および第2サイドプレート160の第2突出部162に固定されることで、第1ヒーター100に組み立てられることができる。
この際、本発明の車両用ヒーター1000は、第1固定部241および第2固定部250が様々な形態に形成されてもよく、以下でその詳細な実施例について説明する。
【0032】
この際、第2ヒーター200は、第1支持部210が第1ヒーター100のチューブ130およびフィン140の形成領域に対応する大きさに形成されることで、図3の長さ方向の両側が、それぞれ第1固定部241および第2固定部250によって固定され、高さ方向に両側がそれぞれ第1ヒーター100の第1ヘッダタンク111および第2ヘッダタンク112によって支持されることができる。
すなわち、本発明の車両用ヒーター1000は、空調ケース300の内部のいずれの方向に設けられても、図3に長さ方向および高さ方向として示した全方向に第2ヒーター200が第1ヒーター100に安定的に固定される。
また、第1ヒーター100および第2ヒーター200は、互いに幅方向に密着することで、第1ヒーター100を通過した空気が第2ヒーター200を通過しないことから漏れず、全量が第2ヒーター200を通過することで十分な暖房性能を期待できるという利点がある。
【0033】
先ず、図4および図5に示す第1固定部241および第2固定部250の形態について説明する。
第1固定部241は、第1サイドプレート150の一側の第1突出部152が挿入されて第1突出部152を固定する形態であってもよい。
また、本発明の車両用ヒーター1000は、第1ヒーター100と第2ヒーター200の固定力を高め、締結工程が容易になるように、第2固定部250が第1支持部210に一体に設けられる固定本体251と、固定本体251から延長する第1固定フック252と、を含むことができる。
【0034】
すなわち、第1固定部241は、第1サイドプレート150の第1突出部152が挿入される溝を形成し、第1突出部152を支持するように形成される。
また、第2ヒーター200は、長さ方向にハウジング240が形成された反対側で第1固定フック252が形成された第2固定部250が第2サイドプレート160の第2突出部162を固定することで締結が完了する。
第1固定フック252は、第2ヒーター200の締結方向への移動が容易であり、その反対方向への締結解除が困難な構造を有しており、図5に示すように形成されることができる。
【0035】
第2固定部250は、図4に示すように、固定本体251および第1固定フック252が高さ方向に一体に形成されてもよく、この際、第2固定部250が形成される領域だけ発熱部220の形成長さが調節されてもよい。
また、本発明の車両用ヒーター1000は、第2固定部250が第1支持部210の第1空気流動領域A210‐2にのみ位置し、要求される固定力を提供できる個数として、複数個が形成されてもよい。
なお、第2ヒーター200の締結工程の際に、全体の動きが容易になるように、第1固定部241は、第1突出部152と接する面の反対側の端部の所定領域が素材厚さが減少するように緩やかな傾斜を有する傾斜部242が形成されることが好ましい(図5参照)。
より詳細に、第2ヒーター200が傾いた状態でも、傾斜部242が形成された第1固定部241の端部は、第1サイドプレート150の第1板部151と第1突出部152の角部領域に位置して、第2ヒーター200の締結をより容易に行うことができる。
【0036】
図6および図7に示す形態は、第1固定部241の形態が図4および図5に示す形態と同一であり、第2固定部250が第1支持部210と第2サイドプレート160の第2突出部162を同時に固定する別の固定クリップ255が用いられた例を示している。
この際、固定クリップ255は、固定力を高めるために、高さ方向に発熱部220が設けられていない領域で、第2サイドプレート160の第2突出部162と第1支持部210を固定することが好ましい。
図6において、固定クリップ255が高さ方向に二箇所に位置した例を示しているが、本発明の車両用ヒーター1000は、これに限定されず、固定クリップ255が内側方向に弾性力が作用して、第1支持部210と第2サイドプレート160の一側の第2突出部162を固定できるより多様な手段が一つまたは二つ以上に自由に用いられてもよい。
【0037】
図8図10に示す形態は、第1固定部241が第2固定フック243を用い、第2固定部250が第2ヒーター200の一側端部(図面における右側部分)が挿入されるように第2サイドプレート160が延長した例を示している。
この際、図10は第2ヒーター200が第1ヒーター100に固定される前の状態を示しており、図9は第2ヒーター200が第1ヒーター100に固定された状態を示している。
より詳細に、第2固定部250は、第2サイドプレート160から延長して形成されることができる。
【0038】
図9は第2サイドプレート160が第2板部161と、第2板部161の両側に突出する第2突出部162と、を含み、第2突出部162の端部が空気の流れ方向に折り曲げられて延長する第1折り曲げ部253と、第1折り曲げ部253の端部から折り曲げられて第2突出部162と平行に形成されて内部に溝を形成する第2折り曲げ部254と、を含む例を示している。
また、本発明の車両用ヒーター1000は、第2サイドプレート160が第2板部161および第2板部161の一側に第2突出部162が形成され、第2固定部250が第2板部161から延長して形成されてもよい。
第1固定部241は、ハウジング240に一体に形成される第2固定フック243として、第1ヒーター100と第2ヒーター200の固定力を高めるために、第1サイドプレート150の第1突出部152に第2固定フック243が挿入される中空ホール152aが形成されることが好ましい。
第2固定部250により図面の右側部分である第2ヒーター200の一側端部が支持され、第1固定部241により図面の左側部分が固定されることで、第2ヒーター200と第1ヒーター100が組み立てられる。
【0039】
図11および図12は本発明による車両用ヒーター1000のさらに他の分解斜視図および断面図であり、締結手段260を用いて第1ヒーター100および第2ヒーター200を組み立てる例を示している。
図11および図12に示す例において、第1サイドプレート150の一側の第1突出部152には第1締結部153が形成される。
【0040】
第1サイドプレート150の一側の第1突出部152は、第1板部151の一側が折り曲げられて第2ヒーター200との結合面を提供するための部分である。
第1締結部153は、第1突出部152の所定領域が中空となっている部分であり、締結手段260が締結される領域である。
第1突出部152の大きさは、第1締結部153が形成されることができ、締結手段260との締結を維持できる程度の耐久性を有する程度に形成される。
【0041】
また、図11および図12に示す例において、ハウジング240には、第1締結部153に対応するように所定領域が中空となって第2締結部244が形成される。
すなわち、ハウジング240は、第1ヒーター100との固定のために第1サイドプレート150の第1突出部152と接するように形成され、第1締結部153に対応する第2締結部244が形成される。
【0042】
締結手段260は、第1締結部153および第2締結部244に締結されることで、第1ヒーター100と第2ヒーター200を固定する。
この際、車両用ヒーター1000は、第2締結部244が第1締結部153の中空となった領域に対応する大きさに中空となり、所定深さに凹状に形成され、その内周面にねじ山が形成され、締結手段260がねじ山に対応するボルト状であってもよい。
締結手段260は、第1サイドプレート150の第1突出部152とハウジング240を固定する部分であり、第1締結部153を貫通して第2締結部244に締結されることができる。
本発明の車両用ヒーター1000は、ボルト状の締結手段260を用いることで、第1ヒーター100と第2ヒーター200を強固に組み立てることができる利点がある。
【0043】
図11において、締結手段260が高さ方向に5個形成された例を示しているが、本発明の車両用ヒーター1000は、これに限定されず、その個数および形態はより多様に形成されてもよい。
また、本発明の車両用ヒーター1000は、第1ヒーター100が第2ヒーター200のハウジング240が形成された反対側を支持するように、第2サイドプレート160の第2板部161に延長部163が形成されることができる。
延長部163は、第2サイドプレート160の第2板部161の一側が第2ヒーター200の厚さだけ延長し(図面の幅方向に前側方向)、その端部が第2ヒーター200の端部を包むように折り曲げられる形態に形成されることができる。
この際、折り曲げ方向は空気が流動される中央として、長さ方向に第2ヒーター200の中央部分に向かう方向である。
【0044】
図12を参照すると、延長部163は、第2サイドプレート160の第2板部161から延長して、第2ヒーター200のハウジング240が形成された反対側を包む所定空間を形成する部分であり、この空間は、第2ヒーター200の幅が収容されることができる程度の空間を形成する。
また、本発明の車両用ヒーター1000は、第2ヒーター200が第1支持部210とともに発熱部220の両側面を支持するように、第1支持部210の第1発熱領域A210‐1に対応する第2発熱領域A230‐1と、第2発熱領域A230‐1に隣接して所定領域が中空となっている複数個の第2中空部231が形成され、第1支持部210の第1空気流動領域A210‐2に対応する第2空気流動領域A230‐2と、を含む第2支持部230がさらに設けられることができる(図15図19参照)。
第2支持部230は、第1支持部210と同様に、板状に形成される構成であり、第2発熱領域A230‐1と、第2空気流動領域A230‐2と、を含む。
【0045】
図15図17は第1ヒーター100および第2ヒーター200が、第1固定部241および第2固定部250により固定される例を示しており、図18および図19は締結手段260および延長部163を用いて固定される例を示している。
先ず、図15図17において、第1支持部210の第1中空部211および第2支持部230の第2中空部231は、それぞれ所定角度で傾斜して形成され、傾斜度が互いに異なる例を示しており、空気の流れ方向(図面に示す幅方向)に第1中空部211と第2中空部231の領域のうち所定領域のみが互いに対応するように(重なるように)形成された例を示している。
より詳細に、図15図17に示す形態は、第1支持部210の第1中空部211を通過した空気のうち一部は第2支持部230の第2中空部231を介して直接排出され、残りのものは第2支持部230の板領域にぶつかって乱流化した後、排出される。
また、この際、第2固定部250の固定本体251は、発熱部220の厚さD220と同じ厚さD251を有するように形成され、第1支持部210および第2支持部230と一体に形成されることで、耐久性をより補強することが好ましい(図16参照)。
【0046】
一方、図15および図16は第1支持部210全体が一つの板材からなり、第2支持部230全体が一つの板材からなる例を示しており、図17は第1支持部210が高さ方向に複数個のモジュール状に形成される例を示すものであり、これに対応する第2支持部230もまたそれぞれの第1支持部210に対応する大きさに形成されて、ともにモジュールを形成する例を示している。
すなわち、組立が容易になるように、第2支持部230がさらに設けられる形態で、第2支持部230は第1支持部210の形成領域(大きさ)に対応するように形成されることが好ましい。
【0047】
図18および図19において、第1ヒーター100および第2ヒーター200の固定方式は、図11および図12に示す形態と類似しているが、第2ヒーター200が第2支持部230を含む形態を示している。
これにより、第2サイドプレート160の延長部163は、第1支持部210と、発熱部220と、第2支持部230と、を含む第2ヒーター200の幅全体を収容するように形成されなければならない。
【0048】
また、図22において第1ヒーターおよび第2ヒーターの固定方式は、図8および図9に示す形態と類似しているが、第2ヒーター200が第2支持部230を含む形態を示している。
これにより、第2サイドプレート160は、第2板部161および第2板部161の両側に突出する第2突出部162を含み、第2突出部162の端部が空気の流れ方向に折り曲げられて延長する第1折り曲げ部253と、第1折り曲げ部253の端部から折り曲げられて第2突出部162と平行に形成されて内部に溝を形成する第2折り曲げ部254と、を含むことができる。
この際、第1折り曲げ部253は、第1支持部210と、発熱部220と、第2支持部230と、を含む第2ヒーター200の幅全体を収容するように形成されなければならない。
【0049】
さらに他の実施例として、図23に示すように、本発明の車両用ヒーター1000は、ハウジング240が設けられた反対側の第2支持部230の端部が第2サイドプレート160側に延長形成されて、第2サイドプレート160の第2板部161の一側に突出形成された第2突出部162に係合固定される第2固定部250を含むことができる。
この際、第2支持部230の端部が第2サイドプレート160側に延長形成される長さは、発熱部220、第1支持部210および第2突出部162の幅全体を収容するように形成されなければならない。
【0050】
一方、図20に示すように、第2ヒーター200は、高さ方向に上端および下端に一体に形成され、第1ヒーター100の第1ヘッダタンク111または第2ヘッダタンク112の外周面に係合固定される第3固定フック270を含むことができる。
この場合、第2ヒーター200は、長さ方向には上述の第1固定部241および第2固定部250の様々な実施例により固定された状態で、第3固定フック270により高さ方向の移動を制限することもでき、第3固定フック270のみで第1ヒーター100および第2ヒーター200を互いに結合することもできる。
【0051】
また、図21に示すように、第2ヒーター200は、ハウジング240の第1ヒーター100側の面に形成され、第1ヒーター100の入口パイプ121または出口パイプ122を包んで結合固定される第4固定フック272をさらに含むことができる。
さらに他の実施例として、図24に示すように、車両用ヒーター1000は、第1ヘッダタンク111または第2ヘッダタンク112のヘッダが第2ヒーター200側に延長形成されるヘッダ延長部113を含み、ヘッダ延長部113が第2ヒーター200の高さ方向に両端を支持および固定することができる。
ヘッダ延長部113は、ヘッダの第2ヒーター200側の端部が折り曲げられて形成され、折り曲げられる領域に第2支持部230の両端が挿入固定されるように形成されることができる。
この際、第2ヒーター200は、第1支持部210が第1ヘッダタンク111のヘッダと第2ヘッダタンク112のヘッダとの間の空間に装着され、第2支持部230がヘッダ延長部113の折り曲げられた領域に両端が挿入固定されることで、第1ヒーター100と結合することができる。
【0052】
図25および図26にはハウジング240が設けられた反対側の第1支持部210および第2支持部230に結合される下部ハウジング280を含む車両用ヒーターの一実施例を示している。
本発明の車両用ヒーター1000は、下部ハウジング280の一側面に形成された第1溝部281に第1支持部210の長さ方向に一側面が挿入固定され、下部ハウジング280の他側面に形成された第2溝部282に第2支持部230の高さ方向に両角部が嵌合固定され、第1溝部281に第2サイドプレート160の第2板部161の一側に突出形成された第2突出部162が第1支持部210とともに挿入固定される。
【0053】
換言すれば、下部ハウジング280は、一側面に第1支持部210の幅および第2サイドプレート160の第2突出部162の幅だけ空間が形成された第1溝部281が形成され、他側面に第2支持部230の高さ方向に両角部が嵌合固定されることができる対角線のリブ状の第2溝部282が形成され、第1支持部210、第2支持部230および第2サイドプレート160が互いに結合されることができるように形成される。
これにより、本発明の車両用ヒーター1000は、下部ハウジング280により、第1ヒーター100および第2ヒーター200が互いに組み立てられることができる。
本発明の車両用ヒーター1000は、第2ヒーター200が第1支持部210および第2支持部220を含む形態で、PTC素子227を用いており、図14に示す形態とは異なる形態の発熱部220が用いられることができる。
【0054】
その様々な例を図27図30に示している。
発熱部220は、PTC素子227と、絶縁支持体226と、第1電極228‐1と、を含む(図27図28参照)。
絶縁支持体226は、発熱部220を形成する基本本体であり、両側面の所定領域が第1支持部210の第1発熱領域A210‐1および第2支持部230の第2発熱領域A230‐1と接する。
絶縁支持体226は、PTC素子227が載置されるように中空となっている空間部226aが形成される。
上記図27および図28に示すような発熱部220は、第2支持部230を接地端子としてPTC素子227と直接接するように形成されたものであり、安定性が確保された状態で実施可能な例である。
【0055】
また、本発明の第2ヒーター200は、第1支持部210の第1発熱領域A210‐1に対応する面が空間部226a側に段差状に形成されて第1電極228‐1が載置される第1載置部226bが形成されることができる。
すなわち、絶縁支持体226は、一側面が第1電極228‐1とともに第1支持部210の第1発熱領域A210‐1に接し、他側面がPTC素子227とともに第2支持部230の第2発熱領域A230‐1に接する。
そのために、発熱部220は、第1電極228‐1の形成厚さと第1載置部226bの深さが互いに対応し、空間部226aの形成高さとPTC素子227の厚さが互いに対応するように形成される。
【0056】
図29は本発明の第2ヒーター200の他の発熱部220が形成された例を示すものであり、発熱部220の第1支持部210および第2支持部230と接する両側面にそれぞれ第1絶縁層229‐1および第2絶縁層229‐2がさらに形成された例を示している。
図30は本発明の第2ヒーター200のさらに他の発熱部220が形成された例を示すものであり、絶縁支持体226の第2発熱領域A230‐1に対応する面が空間部226a側に段差状に形成される第2載置部226cが形成され、絶縁支持体226の第2載置部226cに第2電極228‐2がさらに載置される例を示している。
【0057】
第2電極228‐2が設けられる場合に、絶縁支持体226の他の面が第2電極228‐2とともに第2支持部230の発熱領域に接するように、第2電極228‐2の形成厚さと第2載置部226cの深さが互いに対応するように形成される。
この際、絶縁支持体226は、第1電極228‐1および第2電極228‐2を支持可能な形態に形成される。
また、図30には発熱部220の第1支持部210および第2支持部230と接する面に、それぞれ第1絶縁層229‐1および第2絶縁層229‐2がさらに形成された例を示している。
また、第1電極228‐1および第2電極228‐2がともに設けられる場合に、第1電極228‐1および第2電極228‐2の端部は互いに異なる方向に段差状に形成されて電源連結が容易になるようにすることが好ましい。
【0058】
図31図33は第1支持部210、発熱部220、および第2支持部230が単一モジュール状として、様々な形態を示している。
図31は第1支持部210および第2支持部230が全て同じ大きさおよび形態に形成され、第1中空部211および第2中空部231が同じ角度で傾斜して形成された例を示している。
図31は第1支持部210および第2支持部230が類似の形態を有するが、図22および図24に示すように、第1中空部211および第2中空部231が所定領域でのみ重なるように形成された例を示している。
図33図31に示す形態と同じであるが、第1支持部210の第1中空部211に第1ルーバーフィン212が、第2支持部230の第2中空部231に第2ルーバーフィン232が形成された例を示している。
【0059】
第1ルーバーフィン212および第2ルーバーフィン232は、それぞれ第1支持部210および第2支持部230に対応する所定領域がそれぞれ切開され、切開された領域が第1ヒーター100と結合した側の反対方向に折り曲げられて突出する。
すなわち、第1ルーバーフィン212および第2ルーバーフィン232は、第1支持部210および第2支持部230に一体に形成される構成であり、それぞれ第1中空部211および第2中空部231から延長した形態を有する。
第1ルーバーフィン212および第2ルーバーフィン232は、第1中空部211および第2中空部231を形成するための工程において、特定部分以外の他の部分のみ切開され、第1支持部210および第2支持部230に連結される特定部分を折り曲げる工程のみ追加することで簡単に形成されることができる。
【0060】
換言すれば、本発明の車両用ヒーター1000は、第2ヒーター200に第1中空部211および第2中空部231を形成するために除去された領域を用いて第1ルーバーフィン212および第2ルーバーフィン232を形成することで、簡単な方法で製造することができ、空気との接触面積をより増大することができ、これによって全体の熱交換性能を向上させることができる。
この際、第1ルーバーフィン212および第2ルーバーフィン232の突出方向は、第1支持部210と第1ヒーター100の組立性を妨げないように、第1ヒーター100と結合した側の反対方向である空気の流れ方向と平行に形成される。
これにより、本発明の車両用ヒーター1000は、空気の流れ方向に垂直に位置する板状の第1支持部210および第2支持部230を用いて発熱部220が設けられる第2ヒーター200を用いることで製造が容易になるとともに厚さを低減することができて小型化が可能となり、熱交換性能をより高めて暖房性能を向上させることができるという利点があり、第1ヒーター100と締結されることで装着性を高めることができ、流入される空気全体を容易に加熱することができるという利点がある。
【0061】
図34は本発明の車両用ヒーター1000を用いた空調装置である。
図34に示す車両用空調装置は、それぞれのドア310d、320d、330dによって開度が調節されるフロアベント310、デフロストベント320およびフェースベント330が形成される空調ケース300と、空調ケース300の内部に設けられて空気を冷却する蒸発器500と、上述のような車両用ヒーター1000と、冷気通路および温気通路の開度を調節するテンパラチャードア400と、を含む。
すなわち、本発明の車両用ヒーター1000を用いた空調装置は、流入される空気の全量が第1ヒーター100および第2ヒーター200を通過することで、暖房性能をより確保することができ、単一部品として、空調ケース300に装着されることで組立性を高め、小型化が可能となる利点がある。
【0062】
本発明は、上述の実施例に限定されず、適用範囲が多様であることは言うまでもなく、請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱することなく、様々な変形実施が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0063】
11:熱源部
12:放熱部
20,240:ハウジング
30,300:空調ケース
31,310:フロアベント
31d,310d:フロアベントドア
32,320:デフロストベント
32d,320d:デフロストベントドア
33,330:フェースベント
33d,330d:フェースベントドア
41,500:蒸発器
42:ヒーターコア
43:PCTヒーター
50,400:テンパラチャードア
60:車両用空調装置
100:第1ヒーター
111:第1ヘッダタンク
112:第2ヘッダタンク
113:ヘッダ延長部
121:入口パイプ
122:出口パイプ
130:チューブ
140:フィン
150:第1サイドプレート
151:第1板部
152:第1突出部
152a:中空ホール
153:第1締結部
160:第2サイドプレート
161:第2板部
162:第2突出部
163:延長部
200:第2ヒーター
210:第1支持部
211:第1中空部
212:第1ルーバーフィン
220:発熱部
221:絶縁層
222,228:電極
223:カーボンナノチューブ発熱層
224:保護層
225:発熱チューブ
226:絶縁支持体
226a:空間部
226b:第1載置部
226c:第1載置部
227:PTC素子
228‐1:第1電極
228‐2:第2電極
229‐1:第1絶縁層
229‐2:第2絶縁層
230:第2支持部
231:第2中空部
232:第2ルーバーフィン
241:第1固定部
242:傾斜部
243:第2固定フック
244:第2締結部
250:第2固定部
251:固定本体
252:第1固定フック
253:第1折り曲げ部
254:第2折り曲げ部
255:固定クリップ
260:締結手段
270:第3固定フック
272:第4固定フック
280:下部ハウジング
281:第1溝部
282:第2溝部
1000:車両用ヒーター
A210‐1:第1発熱領域
A210‐2:第1空気流動領域
A230‐1:第2発熱領域
A230‐2:第2空気流動領域
D220:発熱部の厚さ
D251:固定本体の厚さ
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