特許第5989911号(P5989911)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5989911サービス・トラフィックを保護するための方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989911
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】サービス・トラフィックを保護するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/711 20130101AFI20160825BHJP
   H04L 12/723 20130101ALI20160825BHJP
【FI】
   H04L12/711
   H04L12/723
【請求項の数】17
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-533412(P2015-533412)
(86)(22)【出願日】2013年5月29日
(65)【公表番号】特表2015-534377(P2015-534377A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(86)【国際出願番号】CN2013076361
(87)【国際公開番号】WO2014048126
(87)【国際公開日】20140403
【審査請求日】2015年4月28日
(31)【優先権主張番号】201210362700.6
(32)【優先日】2012年9月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】フェイ、ジンデ
(72)【発明者】
【氏名】イエ、ジアン
(72)【発明者】
【氏名】カイ、ヘングアン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ、ホンボー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ジャメン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ヤン
【審査官】 安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−252632(JP,A)
【文献】 特開2010−166328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/711
H04L 12/723
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス・トラフィックを保護するための方法であって、当該方法は、境界ゲートウェイ・プロトコルもしくはマルチ・プロトコル・ラベル・スイッチングレイヤ3仮想プライベート・ネットワーク(BGP/MPLS L3VPN)ネットワークまたはVPNの階層(HoVPN)で使用され、
プロバイダー・エッジ・ルータ(PE)によってトラフィックを受け取り、第1のアクティブ・トンネルおよび第1のスタンバイ・トンネルの接続性情報を含む第1の保護グループの状態情報を得るために転送テーブルに問い合わせることであって、前記第1のアクティブ・トンネルおよび前記第1のスタンバイ・トンネルの前記接続性情報は、状態機械に保存された前記第1のアクティブ・トンネルおよび前記第1のスタンバイ・トンネルの前記接続性情報に従って決定されることと、
前記第1の保護グループの前記状態情報に従って、前記第1の保護グループが有効であるかどうかを決定することと、
もし前記第1の保護グループが有効であるならば、前記トラフィックのための転送トンネルを前記第1の保護グループの前記状態情報に従って決定し、もし前記第1の保護グループが無効であるならば、前記第1の保護グループが無効である場合の処理を行うこととを含む、方法。
【請求項2】
前記第1の保護グループが無効である場合の前記処理は、前記第1の保護グループが無効であるという警報を報告すること、および/または前記トラフィックを保護するために第2の保護グループを選択することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トラフィックを保護するために第2の保護グループを選択することは、
第2のアクティブ・トンネルおよび第2のスタンバイ・トンネルの接続性情報を含む前記第2の保護グループの状態情報を得るために前記転送テーブルに問い合わせることと、 前記第2の保護グループの前記状態情報に従って、前記第2の保護グループが有効であるかどうかを決定し、もし前記第2の保護グループが有効であるならば、前記トラフィックのための転送トンネルを前記第2の保護グループの前記状態情報に従って決定し、もし前記第2の保護グループが無効であるならば、前記第2の保護グループが無効である場合の処理を行うこととを含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の保護グループが無効である場合の前記処理は、前記第2の保護グループが無効であるという警報を報告すること、および/または前記トラフィックを保護するために第3の保護グループを選択することを含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のアクティブ・トンネルおよび第2のスタンバイ・トンネルの前記接続性情報は、下記のように、すなわち、
運用、管理および保守(OAM)技術、および双方向転送検出(BFD)技術のうち少なくともいずれか一つを使用することによって前記第2のアクティブ・トンネルの接続性を検出することと、
もし前記第2のアクティブ・トンネルが接続されるならば、前記第2のアクティブ・トンネルの前記接続性情報を前記状態機械に保存し、前記状態機械に保存された前記第2のアクティブ・トンネルの前記接続性情報に従って、前記転送テーブルでの前記第2の保護グループの前記状態情報を前記第2のアクティブ・トンネルが接続されるということに設定することと、
もし前記第2のアクティブ・トンネルが接続されないならば、前記第2のアクティブ・トンネルの前記接続性情報を前記状態機械に保存し、前記OAMおよびBFD技術のうち少なくともいずれか一つを使用することによって前記第2のスタンバイ・トンネルの接続性を検出することと、
もし前記第2のスタンバイ・トンネルが接続されるならば、前記第2のスタンバイ・トンネルの前記接続性情報を前記状態機械に保存し、前記状態機械に保存された前記第2のアクティブ・トンネルの前記接続性情報および前記第2のスタンバイ・トンネルの前記接続性情報に従って、前記転送テーブルでの前記第2の保護グループの前記状態情報を前記第2のアクティブ・トンネルが接続されずかつ前記第2のスタンバイ・トンネルが接続されるということに設定することと、
もし前記第2のスタンバイ・トンネルが接続されないならば、前記第2のスタンバイ・トンネルの前記接続性情報を前記状態機械に保存し、前記状態機械に保存された前記第2のアクティブ・トンネルの前記接続性情報および前記第2のスタンバイ・トンネルの前記接続性情報に従って、前記転送テーブルでの前記第2の保護グループの前記状態情報を前記第2のアクティブ・トンネルが接続されずかつ前記第2のスタンバイ・トンネルが接続されないということに設定することとで得られる、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のアクティブ・トンネルおよび前記第1のスタンバイ・トンネルの前記接続性情報は、下記のように、すなわち、
前記OAM技術またはBFD技術を使用することによって前記第1のアクティブ・トンネルの接続性を検出することと、
もし前記第1のアクティブ・トンネルが接続されるならば、前記第1のアクティブ・トンネルの前記接続性情報を前記状態機械に保存し、前記状態機械に保存された前記第1のアクティブ・トンネルの前記接続性情報に従って、前記転送テーブルでの前記第1の保護グループの前記状態情報を前記第1のアクティブ・トンネルが接続されるということに設定することと、
もし前記第1のアクティブ・トンネルが接続されないならば、前記第1のアクティブ・トンネルの前記接続性情報を前記状態機械に保存し、前記OAMまたはBFD技術を使用することによって前記第1のスタンバイ・トンネルの接続性を検出することと、
もし前記第1のスタンバイ・トンネルが接続されるならば、前記第1のスタンバイ・トンネルの前記接続性情報を前記状態機械に保存し、前記状態機械に保存された前記第1のアクティブ・トンネルの前記接続性情報および前記第1のスタンバイ・トンネルの前記接続性情報に従って、前記転送テーブルでの前記第1の保護グループの前記状態情報を前記第1のアクティブ・トンネルが接続されずかつ前記第1のスタンバイ・トンネルが接続されるということに設定することと、
もし前記第1のスタンバイ・トンネルが接続されないならば、前記第1のスタンバイ・トンネルの前記接続性情報を前記状態機械に保存し、前記状態機械に保存された前記第1のアクティブ・トンネルの前記接続性情報および前記第1のスタンバイ・トンネルの前記接続性情報に従って、前記転送テーブルでの前記第1の保護グループの前記状態情報を前記第1のアクティブ・トンネルが接続されずかつ前記第1のスタンバイ・トンネルが接続されないということに設定することとで得られる、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
サービス・トラフィックを保護するための装置であって、当該装置は、境界ゲートウェイ・プロトコルもしくはマルチ・プロトコル・ラベル・スイッチングレイヤ3仮想プライベート・ネットワーク(BGP/MPLS L3VPN)ネットワークまたはVPNの階層(HoVPN)で使用され、
トラフィックを受け取るように構成される受け取りモジュールと、
前記受け取りモジュールが前記トラフィックを受け取った後、第1のアクティブ・トンネルおよび第1のスタンバイ・トンネルの接続性情報を含む第1の保護グループの状態情報を得るために転送テーブルに問い合わせるように構成される第1の問い合わせモジュールであって、前記第1のアクティブ・トンネルおよび前記第1のスタンバイ・トンネルの前記接続性情報は、状態機械に保存された前記第1のアクティブ・トンネルおよび前記第1のスタンバイ・トンネルの前記接続性情報に従って決定される、第1の問い合わせモジュールと、
前記第1の保護グループの前記状態情報に従って、前記第1の保護グループが有効であるかどうかを決定し、もし前記第1の保護グループが有効であるならば、前記トラフィックのための転送トンネルを前記第1の保護グループの前記状態情報に従って決定し、もし前記第1の保護グループが無効であるならば、前記第1の保護グループが無効である場合の処理を行うように構成される第1の処理モジュールとを備える、装置。
【請求項8】
前記第1の処理モジュールは、
前記第1の保護グループが有効であるときに前記トラフィックのための転送トンネルを前記第1の保護グループの前記状態情報に従って決定するように構成される第1のトンネル決定ユニットを備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の処理モジュールは、
前記第1の保護グループが無効であるときに前記第1の保護グループが無効であるという警報を報告する、前記第1のアクティブ・トンネルが不良であるときに前記第1のアクティブ・トンネルの不良警報を報告する、および、前記第1のスタンバイ・トンネルが不良であるときに前記第1のスタンバイ・トンネルの不良警報を報告する、のうち少なくともいずれか一つを実行するように構成される第1の警報ユニットをさらに備える、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の処理モジュールは、前記第1の保護グループが無効であるときに第2の問い合わせモジュールを始動させるように構成される第2の保護グループ始動ユニットをさらに備える、請求項7または8または9に記載の装置。
【請求項11】
前記第2の問い合わせモジュールおよび第2の処理モジュールをさらに備え、
前記第2の問い合わせモジュールは、第2のアクティブ・トンネルおよび第2のスタンバイ・トンネルの接続性情報を含む第2の保護グループの状態情報を得るために前記転送テーブルに問い合わせるように構成され、
前記第2の処理モジュールは、前記第2の保護グループの前記状態情報に従って、前記第2の保護グループが有効であるかどうかを決定し、もし前記第2の保護グループが有効であるならば、前記トラフィックのための転送トンネルを前記第2の保護グループの前記状態情報に従って決定し、もし前記第2の保護グループが無効であるならば、前記第2の保護グループが無効である場合の処理を行うように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第2の処理モジュールは、
前記第2の保護グループが有効であるときに前記トラフィックのための転送トンネルを前記第2の保護グループの前記状態情報に従って決定するように構成される第2のトンネル決定ユニットを備える、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第2の処理モジュールは、
前記第2の保護グループが無効であるときに前記第2の保護グループが無効であるという警報を報告する、前記第2のアクティブ・トンネルが不良であるときに前記第2のアクティブ・トンネルの不良警報を報告する、および、前記第2のスタンバイ・トンネルが不良であるときに前記第2のスタンバイ・トンネルの不良警報を報告する、のうち少なくともいずれか一つを実行するように構成される第2の警報ユニットをさらに備える、請求項11または12に記載の装置。
【請求項14】
前記第2の処理モジュールは、前記第2の保護グループが無効であるとき、前記トラフィックを保護するために第3の保護グループを始動させるように構成される第3の保護グループ始動ユニットをさらに備える、請求項11ないし13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記第1のアクティブ・トンネルおよび第1のスタンバイ・トンネルの接続性を検出するように構成される第1の検出モジュールと、
前記第1のアクティブ・トンネルおよび第1のスタンバイ・トンネルの前記検出された接続性情報に従って前記第1の保護グループの状態を維持するように構成される第1の状態維持モジュールとをさらに備える、請求項7ないし14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記第2のアクティブ・トンネルおよび第2のスタンバイ・トンネルの接続性を検出するように構成される第2の検出モジュールと、
前記第2のアクティブ・トンネルおよび第2のスタンバイ・トンネルの前記検出された接続性情報に従って前記第2の保護グループの状態を維持するように構成される第2の状態維持モジュールとをさらに備える、請求項11ないし15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
サービス・トラフィックを保護するための装置であって、当該装置は、境界ゲートウェイ・プロトコルもしくはマルチ・プロトコル・ラベル・スイッチングレイヤ3仮想プライベート・ネットワーク(BGP/MPLS L3VPN)ネットワークまたはVPNの階層(HoVPN)で使用され、トランシーバ、メモリ、およびプロセッサを備え、
前記トランシーバは、トラフィックを受け取り、転送するように構成され、
前記メモリは、前記プロセッサと結合され、前記メモリは、プログラムおよびアプリケーションのうち少なくともいずれか一つを記憶し、
前記プロセッサは、サービス・トラフィックを保護する方法を実行するために、前記プログラムおよび前記アプリケーションのうち少なくともいずれか一つを呼び出し、
前記方法は、
プロバイダー・エッジ・ルータPEによってトラフィックを受け取り、第1の保護グループの状態情報を得るために転送テーブルに問い合わせることと、前記第1の保護グループの前記状態情報は、第1のアクティブ・トンネルおよび第1のスタンバイ・トンネルの接続性情報を含み、前記第1のアクティブ・トンネルおよび前記第1のスタンバイ・トンネルの前記接続性情報は、状態機械に保存された前記第1のアクティブ・トンネルおよび前記第1のスタンバイ・トンネルの前記接続性情報に従って決定され、
前記第1の保護グループの前記状態情報に従って、前記第1の保護グループが有効であるかどうかを決定することと、
もし前記第1の保護グループが有効であるならば、前記第1の保護グループの前記状態情報に従って、前記トラフィックのための転送トンネルを決定し、もし前記第1の保護グループが無効であるならば、前記第1の保護グループが無効である場合の処理を行うこととを含む、サービス・トラフィックを保護するための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照により全体として本明細書に組み込まれる、2012年9月26日に中国専利局に出願された、「METHOD AND APPARATUS FOR PROTECTING SERVICE TRAFFIC」と題する中国特許出願第201210362700.6号への優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、ネットワーク通信の分野に関し、特にサービス・トラフィックを保護するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
境界ゲートウェイ・プロトコル(正式英語名:Border Gateway Protocol、略してBGP)またはマルチ・プロトコル・ラベル・スイッチング(正式英語名:Multi−Protocol Label Switching、略してMPLS)レイヤ3仮想プライベート・ネットワーク(正式英語名:Layer3 Virtual Private Network、略してL3VPN)では、保護グループ、例えば自動保護スイッチング(正式英語名:Automatic Protection Swithcing、略してAPS)技術または高速再ルーティング(正式英語名:Fast ReRoute、略してFRR)技術は、中間ネットワークまたはリンクが機能しないときに高速スイッチングを実施し、サービスの高速スイッチングを実施するように構成される。
【0004】
BGP/MPLS L3VPNネットワークでは、保護グループは、2つの転送トンネル、すなわち、アクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルを含む。BGPがプライベート・ネットワーク・ルートをあふれさせるということは、内部ゲートウェイ・プロトコル(正式英語名:Interior Gateway Protocol、略してIGP)に依存するが、一般にネットワーク・トポロジーには多重経路があり、このことは、BGPがプライベート・ネットワーク・ルートをあふれさせる経路が、アクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルの2つの経路に限定されないことを意味する。したがって、アクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルが、同時に機能しないとき、BGPピア(正式英語名:PEER)セッションは、なお正常な状態を保つこともあるが、従来技術では、スタンバイ・トンネルが機能しないことは、把握されない可能性がある。結果として、プロバイダー・エッジ・ルータ(正式英語名:Provider Edge、略してPE)デバイスは、なお現在のプライベート・ネットワークのルーティング・テーブルおよび対応するラベル・リソースを維持する。この場合、スタンバイ・トンネルの経路へのサービス・トラフィックの転送は、なお続けられ、それによってすべてのサービスの中断を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態によって解決されるべき技術的問題は、保護グループの状態を時間内に把握することができ、それによって保護グループが無効であるときにサービス・トラフィックがなお保護グループに送られることから生じるサービス中断問題を回避する、サービス・トラフィックを保護するための方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
その技術的問題を解決するために、本発明の第1の態様によると、本発明の実施形態は、
プロバイダー・エッジ・ルータPEによってトラフィックを受け取り、第1のアクティブ・トンネルおよび第1のスタンバイ・トンネルの接続性情報を含む第1の保護グループの状態情報を得るために転送テーブルに問い合わせることと、
第1の保護グループの状態情報に従って、第1の保護グループが有効であるかどうかを決定することと、
もし第1の保護グループが有効であるならば、トラフィックのための転送トンネルを第1の保護グループの状態情報に従って決定し、もし第1の保護グループが無効であるならば、第1の保護グループが無効である場合の処理を行うこととを含む、サービス・トラフィックを保護するための方法を提供する。
【0007】
本発明の第1の態様の第1の可能性として、第1の保護グループが無効である場合の処理は、第1の保護グループが無効であるという警報を報告すること、および/またはトラフィックを保護するために第2の保護グループを選択することを含む。
【0008】
本発明の第1の態様の第1の可能性を参照して、第2の可能性では、トラフィックを保護するために第2の保護グループを選択することは、第2のアクティブ・トンネルおよび第2のスタンバイ・トンネルの接続性情報を含む第2の保護グループの状態情報を得るために転送テーブルに問い合わせること、および第2の保護グループの状態情報に従って、第2の保護グループが有効であるかどうかを決定し、もし第2の保護グループが有効であるならば、トラフィックのための転送トンネルを第2の保護グループの状態情報に従って決定し、もし第2の保護グループが無効であるならば、第2の保護グループが無効である場合の処理を行うことを含む。
【0009】
本発明の第1の態様の第2の可能性によると、第3の可能性では、第2の保護グループが無効である場合の処理は、第2の保護グループが無効であるという警報を報告すること、および/またはトラフィックを保護するために第3の保護グループを選択することを含む。
【0010】
本発明の第1の態様の第2の可能性を参照して、第4の可能性では、第2のアクティブ・トンネルおよび第2のスタンバイ・トンネルの接続性情報は、次の方法で、すなわち、運用、管理および保守OAM技術または双方向転送検出BFD技術を使用することによって第2のアクティブ・トンネルの接続性を検出することと、もし第2のアクティブ・トンネルが接続されるならば、第2のアクティブ・トンネルの接続性情報を状態機械(state machine)に保存し、状態機械に保存された第2のアクティブ・トンネルの接続性情報に従って、転送テーブルでの第2の保護グループの状態情報を第2のアクティブ・トンネルが接続されるということに設定することと、もし第2のアクティブ・トンネルが接続されないならば、第2のアクティブ・トンネルの接続性情報を状態機械に保存し、OAMまたはBFD技術を使用することによって第2のスタンバイ・トンネルの接続性を検出することと、もし第2のスタンバイ・トンネルが接続されるならば、第2のスタンバイ・トンネルの接続性情報を状態機械に保存し、状態機械に保存された第2のアクティブ・トンネルの接続性情報および第2のスタンバイ・トンネルの接続性情報に従って、転送テーブルでの第2の保護グループの状態情報を第2のアクティブ・トンネルが接続されずかつ第2のスタンバイ・トンネルが接続されるということに設定することと、もし第2のスタンバイ・トンネルが接続されないならば、第2のスタンバイ・トンネルの接続性情報を状態機械に保存し、状態機械に保存された第2のアクティブ・トンネルの接続性情報および第2のスタンバイ・トンネルの接続性情報に従って、転送テーブルでの第2の保護グループの状態情報を第2のアクティブ・トンネルが接続されずかつ第2のスタンバイ・トンネルが接続されないということに設定することとで得られてもよい。
【0011】
本発明の第1の態様または第1の態様の前述の可能性のいずれか1つを参照して、第5の可能性では、第1のアクティブ・トンネルおよび第1のスタンバイ・トンネルの接続性情報は、次の方法で、すなわち、運用、管理および保守OAM技術または双方向転送検出BFD技術を使用することによって第1のアクティブ・トンネルの接続性を検出することと、もし第1のアクティブ・トンネルが接続されるならば、第1のアクティブ・トンネルの接続性情報を状態機械に保存し、状態機械に保存された第1のアクティブ・トンネルの接続性情報に従って、転送テーブルでの第1の保護グループの状態情報を第1のアクティブ・トンネルが接続されるということに設定することと、もし第1のアクティブ・トンネルが接続されないならば、第1のアクティブ・トンネルの接続性情報を状態機械に保存し、OAMまたはBFD技術を使用することによって第1のスタンバイ・トンネルの接続性を検出することと、もし第1のスタンバイ・トンネルが接続されるならば、第1のスタンバイ・トンネルの接続性情報を状態機械に保存し、状態機械に保存された第1のアクティブ・トンネルの接続性情報および第1のスタンバイ・トンネルの接続性情報に従って、転送テーブルでの第1の保護グループの状態情報を第1のアクティブ・トンネルが接続されずかつ第1のスタンバイ・トンネルが接続されるということに設定することと、もし第1のスタンバイ・トンネルが接続されないならば、第1のスタンバイ・トンネルの接続性情報を状態機械に保存し、状態機械に保存された第1のアクティブ・トンネルの接続性情報および第1のスタンバイ・トンネルの接続性情報に従って、転送テーブルでの第1の保護グループの状態情報を第1のアクティブ・トンネルが接続されずかつ第1のスタンバイ・トンネルが接続されないということに設定することとで得られてもよい。
【0012】
それに応じて、本発明の第2の態様によると、本発明の実施形態は、サービス・トラフィックを保護するための装置をさらに提供し、その装置は、
トラフィックを受け取るように構成される受け取りモジュールと、受け取りモジュールがトラフィックを受け取った後、第1のアクティブ・トンネルおよび第1のスタンバイ・トンネルの接続性情報を含む第1の保護グループの状態情報を得るために転送テーブルに問い合わせるように構成される第1の問い合わせモジュールと、第1の保護グループの状態情報に従って、第1の保護グループが有効であるかどうかを決定し、もし第1の保護グループが有効であるならば、トラフィックのための転送トンネルを第1の保護グループの状態情報に従って決定し、もし第1の保護グループが無効であるならば、第1の保護グループが無効である場合の処理を行うように構成される第1の処理モジュールとを含む。
【0013】
本発明の第2の態様の第1の可能性として、第1の処理モジュールは、第1の保護グループが有効であるときにトラフィックのための転送トンネルを第1の保護グループの状態情報に従って決定するように構成される第1のトンネル決定ユニットを含む。
【0014】
本発明の第2の態様の第1の可能性を参照して、第2の可能性では、第1の処理モジュールは、第1の保護グループが無効であるときに第1の保護グループが無効であるという警報を報告する、または第1のアクティブ・トンネルが不良であるときに第1のアクティブ・トンネルの不良警報を報告する、または第1のスタンバイ・トンネルが不良であるときに第1のスタンバイ・トンネルの不良警報を報告するように構成される第1の警報ユニットをさらに含む。
【0015】
本発明の第2の態様の第1の可能性または第2の可能性を参照して、第3の可能性では、第1の処理モジュールは、第1の保護グループが無効であるときに第2の問い合わせモジュールを始動させるように構成される第2の保護グループ始動ユニットをさらに含む。
【0016】
本発明の第2の態様の第3の可能性を参照して、第4の可能性では、本装置は、第2の問い合わせモジュールおよび第2の処理モジュールをさらに含み、第2の問い合わせモジュールは、第2のアクティブ・トンネルおよび第2のスタンバイ・トンネルの接続性情報を含む第2の保護グループの状態情報を得るために転送テーブルに問い合わせるように構成され、第2の処理モジュールは、第2の保護グループの状態情報に従って、第2の保護グループが有効であるかどうかを決定し、もし第2の保護グループが有効であるならば、トラフィックのための転送トンネルを第2の保護グループの状態情報に従って決定し、もし第2の保護グループが無効であるならば、第2の保護グループが無効である場合の処理を行うように構成される。
【0017】
本発明の第2の態様の第4の可能性を参照して、第5の可能性では、第2の処理モジュールは、第2の保護グループが有効であるときにトラフィックのための転送トンネルを第2の保護グループの状態情報に従って決定するように構成される第2のトンネル決定ユニットを含む。
【0018】
本発明の第2の態様の第5の可能性を参照して、第6の可能性では、第2の処理モジュールは、第2の保護グループが無効であるときに第2の保護グループが無効であるという警報を報告する、または第2のアクティブ・トンネルが不良であるときに第2のアクティブ・トンネルの不良警報を報告する、または第2のスタンバイ・トンネルが不良であるときに第2のスタンバイ・トンネルの不良警報を報告するように構成される第2の警報ユニットをさらに含む。
【0019】
本発明の第2の態様の第5の可能性または第6の可能性を参照して、第7の可能性では、第2の処理モジュールは、第2の保護グループが無効であるとき、トラフィックを保護するために第3の保護グループを始動させるように構成される第3の保護グループ始動ユニットをさらに含む。
【0020】
第2の態様または第2の態様の前述の可能性のいずれか1つを参照して、第8の可能性では、本装置は、第1のアクティブ・トンネルおよび第1のスタンバイ・トンネルの接続性を検出するように構成される第1の検出モジュールと、第1の保護グループの状態を第1のアクティブ・トンネルおよび第1のスタンバイ・トンネルの検出された接続性情報に従って維持するように構成される第1の状態維持モジュールとをさらに含む。
【0021】
第2の態様の第4の可能性または第5の可能性または第6の可能性または第7の可能性を参照して、第9の可能性では、本装置は、第2のアクティブ・トンネルおよび第2のスタンバイ・トンネルの接続性を検出するように構成される第2の検出モジュールと、第2の保護グループの状態を第2のアクティブ・トンネルおよび第2のスタンバイ・トンネルの検出された接続性情報に従って維持するように構成される第2の状態維持モジュールとをさらに含む。
【0022】
本発明の技術的解決策を実施することによって、保護グループの状態は、時間内に把握される可能性があり、それによって保護グループが無効であるときにサービス・トラフィックがなお保護グループに送られることから生じるサービス中断問題を回避する。
【0023】
本発明の実施形態での技術的解決策をより明瞭に述べるために、下記の事項は、本実施形態を述べるのに必要とされる添付図面を簡潔に紹介する。明らかに、下記の説明での添付図面は、単に本発明のいくつかの実施形態を示すだけであり、当業者はなお、創造的な努力なしにこれらの添付図面から他の図面を導き出してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1A】本発明によるサービス・トラフィックを保護するための方法の実施形態の概略的流れ図である。
図1B】本発明による転送テーブルの概略図である。
図2】本発明による保護グループの状態情報を更新するための方法の概略的流れ図である。
図3A】本発明によるサービス・トラフィックを保護するための方法の別の実施形態の概略的流れ図である。
図3B】本発明による別の転送テーブルの概略図である。
図4A】本発明によるサービス・トラフィックを保護するための装置の実施形態の概略的構造図である。
図4B図4Aに示されるようなサービス・トラフィックを保護するための装置の処理モジュールの概略的構造図である。
図5】本発明によるサービス・トラフィックを保護するための装置の別の実施形態の概略的構造図である。
図6A】本発明によるサービス・トラフィックを保護するための装置のなお別の実施形態の概略的構造図である。
図6B】本発明によるサービス・トラフィックを保護するための装置のなお別の実施形態の概略的構造図である。
図6C図6Aに示されるようなサービス・トラフィックを保護するための装置の第1の処理モジュールの概略的構造図である。
図6D図6Aに示されるようなサービス・トラフィックを保護するための装置の第2の処理モジュールの概略的構造図である。
図7】本発明によるサービス・トラフィックを保護するための装置の第4の実施形態の概略的構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
下記の事項は、本発明の実施形態での添付図面を参照して本発明の実施形態での技術的解決策を明瞭にかつ完全に述べる。明らかに、述べられる実施形態は、本発明の実施形態のすべてというよりはむしろ一部にすぎない。当業者によって本発明の実施形態に基づいて創造的な努力なしに得られるすべての他の実施形態は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0026】
図1Aは、本発明によるサービス・トラフィックを保護するための方法の実施形態の概略的流れ図である。図1Aに示されるように、本方法は、下記のことを含む。
【0027】
S100では、PEデバイスが、トラフィックを受け取り、アクティブ・トンネルの接続性情報およびスタンバイ・トンネルの接続性情報を含む保護グループの状態情報を得るために転送テーブルに問い合わせる。
【0028】
オプションとして、本発明の実施形態の実施方法では、前述の転送テーブルは、転送入力を含み、転送入力は、前述の保護グループの状態情報を含む。さらに、オプションとして、転送入力は、次の情報、すなわち、プライベート・ネットワーク・ラベル、アウトバウンド・インターフェース、次の中継点、アクティブ・トンネル・ラベル、およびスタンバイ・トンネル・ラベルの1つまたは複数をさらに含んでもよい。例示的に、転送テーブルでのコンテンツの一部が、図1Bに示される。
【0029】
S102。保護グループの状態情報に従って、保護グループが有効であるかどうかを決定し、もし保護グループが有効であるならば、トラフィックのための転送トンネルを保護グループの状態情報に従って決定し、もし保護グループが無効であるならば、保護グループが無効である場合の処理を行う。
【0030】
オプションとして、もしアクティブ・トンネルの接続性情報およびスタンバイ・トンネルの接続性情報が両方とも切断を示すならば、すなわち、もしアクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルが両方とも機能しないならば、保護グループは無効であると決定され、そうでなく、もしアクティブ・トンネルの接続性情報およびスタンバイ・トンネルの接続性情報の少なくとも1つが接続を示すならば、保護グループは有効であると決定される。
【0031】
例えば、アクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルが両方とも接続されるとき、またはアクティブ・トンネルは接続されるが、スタンバイ・トンネルは不良であるとき、またはアクティブ・トンネルは不良であるが、スタンバイ・トンネルは接続されるときは、保護グループは、有効状態にある。この場合、PEデバイスは、保護グループの状態情報に従って、接続状態にあるトンネルが転送トンネルであると決定してもよい。例えば、アクティブ・トンネルは接続されるが、スタンバイ・トンネルが不良であるときは、アクティブ・トンネルがトラフィックのための転送トンネルであると決定される。スタンバイ・トンネルは接続されるが、アクティブ・トンネルが不良であるときは、スタンバイ・トンネルがトラフィックのための転送トンネルであると決定される。アクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルが両方とも接続されるときは、好ましくはアクティブ・トンネルがトラフィックのための転送トンネルであると決定される。
【0032】
アクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルが両方とも不良であるときは、保護グループが無効であると決定される。この場合、保護グループが無効である場合の処理が、行われる。例えば、ネットワーク管理および保守要員が、保護グループがすでに無効状態にあることを知ることができるように、保護グループが無効であるという警報が、報告されてもよい。別の例として、別の保護グループ(例えば、スタンバイ保護グループ)が、サービス・トラフィックを保護するために選択されてもよい。
【0033】
オプションとして、保護グループが有効である場合に、もしトンネルが不良であるならば、ネットワーク管理および保守要員が、保護グループでのあるトンネルが不良であることを知ることができるように、保護グループの不良警報も、報告されてもよい。例えば、アクティブ・トンネルが不良であるときは、アクティブ・トンネルの不良警報が、報告されてもよく、スタンバイ・トンネルが不良であるときは、スタンバイ・トンネルの不良警報が、報告されてもよい。
【0034】
この実施形態では、保護グループの状態は、時間内に把握される可能性があり、それによって保護グループが無効であるときにサービス・トラフィックがなお保護グループに送られることから生じるサービス中断問題を回避する。
【0035】
オプションとして、本発明の実施形態の実施方法では、アクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルの接続性は、運用、管理および保守(Operation Administration and Maintenance、OAM)技術または双方向転送検出(Bidirectional Forwarding Detection、BFD)技術を使用することによって検出されてもよい。
【0036】
図2を参照すると、PEデバイスは、下記のように保護グループの状態情報を得て、維持してもよい。
【0037】
S200。OAMまたはBFD技術を使用することによってアクティブ・トンネルの接続性を検出し、もしアクティブ・トンネルが接続されるならば、S202を行い、さもなければS204を行う。
【0038】
S202。アクティブ・トンネルの接続性情報を状態機械に保存し、状態機械に保存されたアクティブ・トンネルの接続性情報に従って、転送テーブルでの保護グループの状態情報をアクティブ・トンネルが接続されるということに設定する。
【0039】
この場合、スタンバイ・トンネルの接続性も、検出されかつ状態機械に保存され続けてもよい。
【0040】
S204。アクティブ・トンネルの接続性情報を状態機械に保存し、OAMまたはBFD技術を使用することによってスタンバイ・トンネルの接続性を検出し、もしスタンバイ・トンネルが接続されるならば、S206を行い、さもなければS208を行う。
【0041】
S206。スタンバイ・トンネルの接続性情報を状態機械に保存し、状態機械に保存されたアクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルの接続性情報に従って、転送テーブルでの保護グループの状態情報をアクティブ・トンネルが接続されずかつスタンバイ・トンネルが接続されるということに設定する。
【0042】
S208。スタンバイ・トンネルの接続性情報を状態機械に保存し、状態機械に保存されたアクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルの接続性情報に従って、転送テーブルでの保護グループの状態情報をアクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルが両方とも接続されない、すなわち、保護グループが無効であるということに設定する。
【0043】
図3Aは、本発明によるサービス・トラフィックを保護するための方法の別の実施形態の概略的流れ図である。図3Aに示されるように、本方法は、下記のことを含む。
【0044】
S300。PEデバイスが、トラフィックを受け取り、第1のアクティブ・トンネルおよび第1のスタンバイ・トンネルの接続性情報を含む第1の保護グループの状態情報を得るために転送テーブルに問い合わせる。
【0045】
S302。第1の保護グループの状態情報に従って、第1の保護グループの状態が有効であるかどうかを決定し、もし第1の保護グループが有効であるならば、トラフィックのための転送トンネルを第1の保護グループの状態情報に従って決定して、その手順を終わらせ、もし第1の保護グループが無効であるならば、トラフィックを保護するために第2の保護グループを選択して、S304を行う。
【0046】
オプションとして、第1の保護グループが無効であるとき、第1の保護グループが無効であるという警報が、前述の実施形態で述べられるようにさらに報告されてもよい。
【0047】
S304。第2のアクティブ・トンネルおよび第2のスタンバイ・トンネルの接続性情報を含む第2の保護グループの状態情報を得るために転送テーブルに問い合わせる。
【0048】
オプションとして、この実施形態では、転送テーブルは、少なくとも第1の転送入力および第2の転送入力を含み、第1の転送入力は、第1の保護グループの状態情報を含み、第2の転送入力は、第2の保護グループの状態情報を含む。例示的に、転送テーブルでのコンテンツの一部が、図3Bに示される。
【0049】
この実施形態では、第1の保護グループは、アクティブ保護グループであり、第2の保護グループは、スタンバイ保護グループである。
【0050】
S306。第2の保護グループの状態情報に従って、第2の保護グループが有効であるかどうかを決定し、もし第2の保護グループが有効であるならば、トラフィックのための転送トンネルを第2の保護グループの状態情報に従って決定して、その手順を終わらせ、もし第2の保護グループが無効であるならば、第2の保護グループが無効である場合の処理を行い、例えば第2の保護グループの不良警報を報告し、かつ/またはトラフィックを保護するために第3の保護グループを選択する。この場合、第3の保護グループは、第2の保護グループのためのスタンバイ保護グループである。
【0051】
この実施形態では、保護グループの状態が、時間内に把握される可能性があり、保護グループが無効であるときにサービス・トラフィックがなお保護グループに送られることから生じるサービス中断問題が、回避されるだけでなく、多重保護グループも、提供され、さらにサービス・トラフィックも、保護される可能性がある。
【0052】
図4Aは、本発明によるサービス・トラフィックを保護するための装置の実施形態の概略的構造図である。図4Aに示されるように、装置40は、受け取りモジュール41、問い合わせモジュール42、および処理モジュール44を含む。
【0053】
受け取りモジュール41は、トラフィックを受け取るように構成される。
【0054】
問い合わせモジュール42は、受け取りモジュール41がトラフィックを受け取った後、保護グループの状態情報を得るために転送テーブルに問い合わせるように構成される。保護グループの状態情報は、アクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルの接続性情報を含む。
【0055】
オプションとして、本発明の実施形態の実施方法では、サービス・トラフィックを保護するための装置40は、転送テーブルを記憶するように構成される記憶モジュールをさらに含んでもよい。さらに、オプションとして、転送入力は、保護グループの状態情報に加えて、次の情報、すなわち、プライベート・ネットワーク・ラベル、アウトバウンド・インターフェース、次の中継点、アクティブ・トンネル・ラベル、およびスタンバイ・トンネル・ラベルの1つまたは複数のピース(piece)をさらに含んでもよい。例示的に、転送テーブルでのコンテンツの一部が、図1Bに示される。
【0056】
処理モジュール44は、保護グループの状態情報に従って、保護グループが有効であるかどうかを決定し、もし保護グループが有効であるならば、トラフィックのための転送トンネルを保護グループの状態情報に従って決定し、もし保護グループが無効であるならば、保護グループが無効である場合の処理を行うように構成される。
【0057】
オプションとして、もしアクティブ・トンネルの接続性情報およびスタンバイ・トンネルの接続性情報が両方とも切断として表示されるならば、すなわち、もしアクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルが両方とも不良であるならば、処理モジュール44は、保護グループが無効であると決定し、そうでなく、もしアクティブ・トンネルの接続性情報およびスタンバイ・トンネルの接続性情報の少なくとも1つが接続として表示されるならば、処理モジュール44は、保護グループが有効であると決定する。
【0058】
例えば、アクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルが両方とも接続されるとき、またはアクティブ・トンネルは接続されるが、スタンバイ・トンネルは、不良であるとき、またはアクティブ・トンネルは不良であるが、スタンバイ・トンネルは接続されるときは、処理モジュール44は、保護グループが有効であると決定してもよい。この場合、処理モジュール44は、保護グループの状態情報に従って、接続状態にあるトンネルが転送トンネルであると決定してもよい。アクティブ・トンネルは接続されるが、スタンバイ・トンネルは不良であるときは、アクティブ・トンネルがトラフィックのための転送トンネルであると決定される。スタンバイ・トンネルは、接続されるが、アクティブ・トンネルは不良であるときは、スタンバイ・トンネルがトラフィックのための転送トンネルであると決定される。アクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルが両方とも接続されるときは、好ましくはアクティブ・トンネルがトラフィックのための転送トンネルであると決定される。
【0059】
アクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルが両方とも不良であるときは、処理モジュール44は、保護グループが無効であると決定してもよい。
【0060】
オプションとして、図4Bに示されるように、処理モジュール44は、
もし保護グループが有効であるならば、トラフィックのための転送トンネルを保護グループの状態情報に従って決定するように構成されるトンネル決定ユニット441と、下記のユニット、すなわち、
保護グループが無効であるときに保護グループが無効であるという警報を報告する、またはアクティブ・トンネルが不良であるときにアクティブ・トンネルの不良警報を報告する、またはスタンバイ・トンネルが不良であるときにスタンバイ・トンネルの不良警報を報告するように構成される警報ユニット442、および
保護グループが無効であるとき、トラフィックを保護するためにスタンバイ保護グループを始動させるように構成されるスタンバイ保護グループ始動ユニット443の少なくとも1つとを含んでもよい。
【0061】
オプションとして、図5を参照すると、サービス・トラフィックを保護するための装置40は、
アクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルの接続性を検出するように、例えば、OAMまたはBFD技術を使用することによってアクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルの接続性を検出するように構成される検出モジュール52と、
保護グループの状態情報をアクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルの検出された接続性情報に従って維持するように構成される状態維持モジュール54とをさらに含んでもよい。
【0062】
この実施形態では、検出モジュール52および状態維持モジュール54は、図2に示される実施形態での方法を実施するように構成されてもよく、それは、ここでは詳細に述べられない。
【0063】
この実施形態によって提供される装置は、保護グループの状態を時間内に把握することができ、保護グループが無効であるときにサービス・トラフィックがなお保護グループに送られることから生じるサービス中断問題を回避する。
【0064】
図6Aは、本願によるサービス・トラフィックを保護するための装置の別の実施形態の概略的構造図である。図6Aに示されるように、装置60は、
トラフィックを受け取るように構成される受け取りモジュール61と、
受け取りモジュール61が、トラフィックを受け取った後、第1のアクティブ・トンネルおよび第1のスタンバイ・トンネルの接続性情報を含む第1の保護グループの状態情報を得るために転送テーブルに問い合わせるように構成される第1の問い合わせモジュール62と、
第1の保護グループの状態情報に従って、第1の保護グループが有効であるかどうかを決定し、もし第1の保護グループが有効であるならば、トラフィックのための転送トンネルを第1の保護グループの状態情報に従って決定し、もし第1の保護グループが無効であるならば、第2の問い合わせモジュール66を始動させるように構成される第1の処理モジュール64と、
第2のアクティブ・トンネルおよび第2のスタンバイ・トンネルの接続性情報を含む第2の保護グループの状態情報を得るために転送テーブルに問い合わせるように構成される第2の問い合わせモジュール66と、
第2の保護グループの状態情報に従って、第2の保護グループが有効であるかどうかを決定し、もし第2の保護グループが有効であるならば、トラフィックのための転送トンネルを第2の保護グループの状態情報に従って決定し、もし第2の保護グループが無効であるならば、第2の保護グループが無効である場合の処理を行うように構成される第2の処理モジュール68とを含む。
【0065】
オプションとして、この実施形態の実施方法では、サービス・トラフィックを保護するための装置60は、転送テーブルを記憶するように構成される記憶モジュールをさらに含んでもよい。さらに、オプションとして、転送テーブルは、第1の保護グループの状態情報に加えて、第2の保護グループの状態情報を含んでもよい。例示的に、転送テーブルでのコンテンツの一部が、図3Bに示される。
【0066】
オプションとして、図6Bに示されるように、この実施形態の実施方法では、サービス・トラフィックを保護するための装置は、
例えば、OAMまたはBFD技術が検出のために使用されて、第1のアクティブ・トンネルおよび第1のスタンバイ・トンネルの接続性を検出するように構成される第1の検出モジュール63と、
第1の保護グループの状態を第1のアクティブ・トンネルおよび第1のスタンバイ・トンネルの検出された接続性情報に従って維持するように構成される第1の状態維持モジュール65と、
例えば、OAMまたはBFD技術が検出のために使用されて、第2のアクティブ・トンネルおよび第2のスタンバイ・トンネルの接続性を検出するように構成される第2の検出モジュール67と、
第2の保護グループの状態を第2のアクティブ・トンネルおよび第2のスタンバイ・トンネルの検出された接続性情報に従って維持するように構成される第2の状態維持モジュール69とをさらに含んでもよい。
【0067】
オプションとして、図6Cに示されるように、第1の処理モジュール64は、
第1の保護グループが有効であるときにトラフィックのための転送トンネルを第1の保護グループの状態情報に従って決定するように構成される第1のトンネル決定ユニット641と、
第1の保護グループが無効であるときに第2の問い合わせモジュール66を始動させるように構成される第2の保護グループ始動ユニット643とを含んでもよい。
【0068】
さらに、オプションとして、第1の処理モジュール64は、
第1の保護グループが無効であるときに第1の保護グループが無効であるという警報を報告する、または第1のアクティブ・トンネルが不良であるときに第1のアクティブ・トンネルの不良警報を報告する、または第1のスタンバイ・トンネルが不良であるときに第1のスタンバイ・トンネルの不良警報を報告するように構成される第1の警報ユニット642をさらに含んでもよい。
【0069】
オプションとして、図6Dに示されるように、第2の処理モジュール68は、
第2の保護グループが有効であるときにトラフィックのための転送トンネルを第2の保護グループの状態情報に従って決定するように構成される第2のトンネル決定ユニット681と、下記のユニット、すなわち、
第2の保護グループが無効であるときに第2の保護グループが無効であるという警報を報告する、または第2のアクティブ・トンネルが不良であるときに第2のアクティブ・トンネルの不良警報を報告する、または第2のスタンバイ・トンネルが不良であるときに第2のスタンバイ・トンネルの不良警報を報告するように構成される第2の警報ユニット682、および
第2の保護グループが無効であるとき、トラフィックを保護するために第2の保護グループのためのスタンバイ保護グループである第3の保護グループを始動させるように構成される第3の保護グループ始動ユニット683の少なくとも1つとをさらに含んでもよい。
【0070】
この実施形態では、保護グループの状態が、時間内に把握される可能性があり、保護グループが無効であるときにサービス・トラフィックがなお保護グループに送られることから生じるサービス中断問題が、回避されるだけでなく、多重保護グループも、提供され、さらにサービス・トラフィックも、保護される。
【0071】
図7は、本発明によるサービス・トラフィックを保護するための装置の別の実施形態の概略的構造図である。図7を参照すると、サービス・トラフィックを保護するための装置70は、トランシーバ71、メモリ72、およびプロセッサ73を含む。
【0072】
トランシーバ71は、トラフィックを受け取り、転送するように構成される。
【0073】
メモリ72は、プロセッサ73と結合され、メモリ72は、プロセッサ73が様々なプログラムまたはアプリケーションを呼び出して、対応する機能を実施するように、様々なプログラムまたはアプリケーションを記憶する。例えば、メモリ72は、アクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルの状態情報、転送テーブル、ならびに転送テーブルでの保護グループの状態情報を更新するためのプログラムを記憶してもよい。
【0074】
プロセッサ73は、転送テーブルでの保護グループの状態を更新するためにメモリ72での対応するプログラムを呼び出し、トラフィックのための転送トンネルを決定するために転送テーブルに問い合わせる、または保護グループが無効であると決定する、またはトンネル不良警報を報告するなどのように構成される。
【0075】
本発明での保護グループは、MPLS APSまたはMPLS FRR技術を使用するトンネル保護グループであってもよく、本発明は、アクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルが動的トンネルかまたは静的トンネルかにかかわらず、アクティブ・トンネルおよびスタンバイ・トンネルに適用可能であり、本発明での様々な方法および装置の実施形態は、BGP/MPLS L3VPNネットワークに適用可能であるだけでなく、またVPNの階層(正式英語名:Hierarchy of VPN、略してHoVPN)ネットワークにも適用可能である。
【0076】
当業者は、実施形態での本方法のプロセスのすべてまたは一部が、関連ハードウェアに指示するコンピュータ・プログラムによって実施されてもよいことを理解することができる。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。プログラムが動作するとき、実施形態での本方法のプロセスが、行われる。記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、読み出し専用メモリ(Read−Only Memory、ROM)、またはランダム・アクセス・メモリ(Random Access Memory、RAM)を含んでもよい。
【0077】
本発明の例示的実施形態が、開示されたが、本発明の保護範囲は、決してそれらに限定されない。本発明の特許請求の範囲に従ってなされる均等な変更および変形は、本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0078】
40 サービス・トラフィックを保護するための装置
41 受け取りモジュール
42 問い合わせモジュール
44 処理モジュール
52 検出モジュール
54 状態維持モジュール
60 サービス・トラフィックを保護するための装置
61 受け取りモジュール
62 第1の問い合わせモジュール
63 第1の検出モジュール
64 第1の処理モジュール
65 第1の状態維持モジュール
66 第2の問い合わせモジュール
67 第2の検出モジュール
68 第2の処理モジュール
69 第2の状態維持モジュール
70 サービス・トラフィックを保護するための装置
71 トランシーバ
72 メモリ
73 プロセッサ
441 トンネル決定ユニット
442 警報ユニット
443 スタンバイ保護グループ始動ユニット
641 第1のトンネル決定ユニット
642 第1の警報ユニット
643 第2の保護グループ始動ユニット
681 第2のトンネル決定ユニット
682 第2の警報ユニット
683 第3の保護グループ始動ユニット
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7