(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989917
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】第1のアプリケーション・サーバを介して確立されたコールを、第2のアプリケーション・サーバを介して経路付けるためにシフトさせる方法およびモジュール
(51)【国際特許分類】
H04M 3/00 20060101AFI20160825BHJP
H04L 12/70 20130101ALI20160825BHJP
【FI】
H04M3/00 A
H04L12/70 A
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-544392(P2015-544392)
(86)(22)【出願日】2013年10月21日
(65)【公表番号】特表2015-537487(P2015-537487A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(86)【国際出願番号】EP2013071946
(87)【国際公開番号】WO2014082791
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2015年7月7日
(31)【優先権主張番号】12306491.7
(32)【優先日】2012年11月30日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120363
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 智樹
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】アブ−チャクラ,ラビ
(72)【発明者】
【氏名】ルロワ,ジャン−フランソワ
【審査官】
藤江 大望
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/029523(WO,A2)
【文献】
特開2011−49687(JP,A)
【文献】
特開2009−177338(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0223044(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00 − 99/00
H04L 12/00 − 12/26
12/50 − 12/955
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアプリケーション・サーバ(3)を介して、第1のユーザ・デバイス(1)と、対応するデバイス(2)との間で確立されたオリジナルのコールを、第2のアプリケーション・サーバ(4)を介して経路付けるためにシフトさせる方法であって、
− サーバ・シフト命令を受信するステップと、
− アプリケーション・サーバ・シフト命令を受信すると、前記第1のアプリケーション・サーバ(1)に対して、前記オリジナルのコールを、前記第2のアプリケーション・サーバ(4)を介して前記第1のユーザ・デバイス(1)へ転送するように命令するステップであって、前記第1のアプリケーション・サーバは、前記オリジナルのコールを前記第1のアプリケーション・サーバ(3)から前記第2のアプリケーション・サーバ(4)へ転送するために、前記第1のユーザ・デバイス(1)、前記対応するデバイス(2)、および前記第2のアプリケーション・サーバ(4)の間の3方向会議通信を確立するように命令される、命令するステップと、
− 前記第2のアプリケーション・サーバ(4)から前記第1のユーザ・デバイス(1)へと経路付けられた到来コールが、前記オリジナルのコールの識別情報に一致する識別情報を有していることを判定するステップと、
− 前記識別情報が一致すると判定すると、前記第2のアプリケーション・サーバ(4)から前記第1のユーザ・デバイス(1)へ経路付けられた到来コールを、前記第1のユーザ・デバイス(1)にピックアップさせ、前記第1のアプリケーション・サーバ(3)と前記第1のユーザ・デバイス(1)との間のコール分岐を解放するように命令するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のアプリケーション・サーバ(3)から前記第2のアプリケーション・サーバ(4)へ転送される前記オリジナルのコールの識別情報を生成するために、前記オリジナルのコールをタグ付けするように前記第1のアプリケーション・サーバ(3)に命令するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のアプリケーション・サーバ(4)と前記第1のユーザ・デバイス(1)との間に有効な経路があることを判定する予備のステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のアプリケーション・サーバ(3)を介して、前記第1のユーザ・デバイス(1)と、前記対応するデバイス(2)との間でオリジナルのコール(20)が確立されたとの通知を受信し、前記第2のアプリケーション・サーバ(4)を介して、前記コールをシフトさせるための案内を送信するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のアプリケーション・サーバ(3)に、前記第1のユーザ・デバイス(1)アドレスを表す情報および前記第2のアプリケーション・サーバ(4)アドレスを提供するステップであって、前記第1のユーザ・デバイス(1)アドレスを表す情報は、第1のユーザ・デバイス(1)アドレスであるか、または前記オリジナルのコールを前記第1のアプリケーション・サーバ(3)から前記第2のアプリケーション・サーバ(4)へ転送するため、および、前記オリジナルのコールを前記第1のユーザ・デバイス(1)へ経路付けるために第1のユーザに割り当てられたユニークなコンタクト・アドレスである、提供するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1のアプリケーション・サーバ(3)を介して、第1のユーザ・デバイス(1)と、対応するデバイス(2)との間で確立されたオリジナルのコールを、第2のアプリケーション・サーバ(4)を介して経路付けるためにシフトさせるモジュール(5)であって、
アプリケーション・サーバ・シフト命令を受信すると、前記第1のアプリケーション・サーバ(1)に対して、前記オリジナルのコールを、前記第2のアプリケーション・サーバ(4)を介して前記第1のユーザ・デバイス(1)へ転送するように命令することであって、前記第1のアプリケーション・サーバ(1)は、前記オリジナルのコールを前記第1のアプリケーション・サーバ(3)から前記第2のアプリケーション・サーバ(4)へ転送するために、前記第1のユーザ・デバイス(1)、前記対応するデバイス(2)、および前記第2のアプリケーション・サーバ(4)の間の3方向会議通信を確立するように命令される、命令することと、
前記第2のアプリケーション・サーバ(4)から前記第1のユーザ・デバイス(1)へと経路付けられた到来コールが、前記オリジナルのコールの識別情報に一致する識別情報を有していることを判定することと、
前記第2のアプリケーション・サーバ(4)から前記第1のユーザ・デバイス(1)へ経路付けられた前記到来コールを、前記第1のユーザ・デバイス(1)にピックアップさせ、識別情報が一致すると判定すると、前記第1のアプリケーション・サーバ(3)と前記第1のユーザ・デバイス(1)との間のコール分岐を解放するように命令することと、を行うように構成されたエンジン(51)、
を備えるモジュール(5)。
【請求項7】
前記エンジン(51)は、前記第1のアプリケーション・サーバから前記第2のアプリケーション・サーバへ転送されるオリジナルのコールの識別情報を生成するために、前記オリジナルのコールをタグ付けするように前記第1のアプリケーション・サーバ(3)に命令するように構成されている、請求項6に記載のモジュール(5)。
【請求項8】
前記エンジン(51)は、前記第2のアプリケーション・サーバ(4)と前記第1のユーザ・デバイス(1)との間に有効な経路があることを判定するように構成されている、請求項6に記載のモジュール。
【請求項9】
前記エンジン(51)は、第1のアプリケーション・サーバ(3)を介して、前記第1のユーザ・デバイス(1)と、前記対応するデバイス(2)との間で確立された前記オリジナルのコールを検出すると、コールを前記第2のアプリケーション・サーバ(4)を介してシフトさせるための案内を、制御ユーザ・インタフェース(52)または制御ユーザ・インタフェース・コネクタを介して生成するように構成されている、請求項8に記載のモジュール。
【請求項10】
前記モジュール(5)を前記第1および第2のアプリケーション・サーバ(3,4)へ接続するためのアプリケーション・サーバ・コネクタ(54)を備える、請求項7に記載のモジュール。
【請求項11】
前記モジュール(5)を前記第1のユーザ・デバイス(1)へ接続するためのデバイス・テレフォニ・リソース・コネクタ(53)を備える、請求項7に記載のモジュール。
【請求項12】
アプリケーション・サーバ(3,4)に関連付けられた、請求項6乃至11のうちの何れか1項に記載のモジュール(5)を備えるシステム。
【請求項13】
ユーザ・デバイス(1)に関連付けられた、請求項6乃至11のうちの何れか1項に記載のモジュール(5)を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレコミュニケーションに関し、さらに詳しくは、第1のアプリケーション・サーバを介して、第1のユーザ・デバイスと、対応するデバイスとの間で確立されたコールを、第2のアプリケーション・サーバを介して経路付けるためにシフトさせる方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、企業通信アプリケーション・サーバのようないくつかのプライベート・アプリケーション・サーバは、公衆ネットワーク通信アプリケーション・サーバよりもはるかに多くの通信サービスを提供する。企業通信サーバは、一般的に、例えば、コール記録、ビデオ会議、コンサルテーション・コール、転送、ユーザ端末デバイスのセット間のコール・シフト、およびその他のような補足サービスを提供する。
【0003】
このようなプライベート・アプリケーション・サーバの登録された加入者であるユーザが、公衆ネットワークを介してダイレクトに通信をたまたま開始または受信することになった場合、ユーザは、例えばユーザの企業アプリケーション・サーバのようなプライベート・アプリケーション・サーバのフル・サービスからの利益を得る立場にはない。例えば、モバイル・ネットワーク・テレフォニ・アプリケーション・サーバによって管理されているモバイル通信に関わっているユーザは、この通信をフル・コラボレーション・セッションへ拡張することはできず、この拡張機能は、これまでこの通信に関わっていない、ユーザの企業通信アプリケーション・サーバを介してのみ利用可能である。
【0004】
したがって、プライベート・アプリケーション・サーバの補足サービスから利益を得るために、ユーザは、この通信を中断しなければならず、プライベート・アプリケーション・サーバを用いて、コールを再確立する。その目的のために、ユーザは、プライベート・アプリケーション・サーバを選択し、他のユーザのコンタクトを再発見し、プライベート・アプリケーション・サーバを介して新たなコールを確立する必要がある。
【0005】
そのようなプロセスは面倒であり、時間を浪費するので、避けられるべきである。
【0006】
仏国特許第2935858号は、公衆ネットワークのサーバを介して確立されたコールを企業アプリケーション・サーバへ経路付けるためにシフトさせることを可能にするテレコミュニケーション方法を開示する。仏国特許第2935858号は、第1のユーザ端末が、サーバ・シフト指示を送信し得ることと、サーバ・シフト命令が受信されると、公衆ネットワークが、コールを企業アプリケーション・サーバへ向けて再経路付けするように命令されることと、を開示する。
【0007】
公衆ネットワークは、第1のユーザの端末でこのコールを中断し、対応するデバイスを用いてこのコールを保留し、企業アプリケーション・サーバに向けてコールを実行する。その後、企業アプリケーション・サーバは、このコールを受け取る第1のユーザの端末でコールを確立する。
【発明の概要】
【0008】
様々な実施形態は、第1のアプリケーション・サーバを介して確立されたコールを、第2のアプリケーション・サーバを介して経路付けるために自動的にシフトさせる方法およびモジュールを提供する。
【0009】
第1の実施形態では、第1のアプリケーション・サーバを介して、第1のユーザ・デバイスと、対応するデバイスとの間で確立されたオリジナルのコールを、第2のアプリケーション・サーバを介して経路付けるためにシフトさせる方法が提供される。この方法は、
− サーバ・シフト命令を受信するステップと、
− アプリケーション・サーバ・シフト命令を受信すると、第1のアプリケーション・サーバに対して、オリジナルのコールを、第2のアプリケーション・サーバを介して第1のユーザ・デバイスへ転送するように命令するステップであって、第1のアプリケーション・サーバは、オリジナルのコールを第1のアプリケーション・サーバから第2のアプリケーション・サーバへ転送するために、第1のユーザ・デバイス、対応するデバイス、および第2のアプリケーション・サーバの間の3方向会議通信を確立するように命令される、命令するステップと、
− 第2のアプリケーション・サーバから第1のユーザ・デバイスへと経路付けられた到来コールが、オリジナルのコールの識別情報に一致する識別情報を有していることを判定するステップと、
− 識別情報が一致すると判定すると、第2のアプリケーション・サーバから第1のユーザ・デバイスへ経路付けられた到来コールを、第1のユーザ・デバイスにピックアップさせ、第1のアプリケーション・サーバと第1のユーザ・デバイスとの間のコール分岐を解放するように命令するステップと、を含む。
【0010】
したがって、コールは、第2のアプリケーション・サーバを介して自動的にシフトされ、ユーザは、第2のアプリケーション・サーバのフル・サービスからの利益を得ることができ得る。
【0011】
これらの特徴のおかげで、コールはシームレスにシフトされ得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、このような方法は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を備え得る。
− この方法は、第1のアプリケーション・サーバから第2のアプリケーション・サーバへ転送されるオリジナルのコールの識別情報を生成するために、このオリジナルのコールをタグ付けするように第1のアプリケーション・サーバに命令するステップを含む。
− この方法は、第2のアプリケーション・サーバと第1のユーザ・デバイスとの間に有効な経路があることを判定する予備のステップを含む。
− この方法は、第1のアプリケーション・サーバを介して、第1のユーザ・デバイスと、対応するデバイスとの間でオリジナルのコールが確立されたとの通知を受信するステップと、第2のアプリケーション・サーバを介して、コールをシフトさせるための案内を送信するステップと、を含む。
− この方法は、第1のアプリケーション・サーバに、第1のユーザ・デバイス・アドレスを表す情報および第2のアプリケーション・サーバ・アドレスを提供するステップであって、第1のユーザ・デバイス・アドレスを表す情報は、第1のユーザ・デバイス・アドレスであるか、またはオリジナルのコールを第1のアプリケーション・サーバから第2のアプリケーション・サーバへ転送するため、および、オリジナルのコールを第1のユーザ・デバイスへ経路付けるために第1のユーザに割り当てられたユニークなコンタクト・アドレスである、提供するステップ、を含む。
【0013】
第2の実施形態では、第1のアプリケーション・サーバを介して、第1のユーザ・デバイスと、対応するデバイスとの間で確立されたオリジナルのコールを、第2のアプリケーション・サーバを介して経路付けるためにシフトさせるモジュールが提供される。このモジュールは、
アプリケーション・サーバ・シフト命令を受信すると、第1のアプリケーション・サーバに対して、オリジナルのコールを、第2のアプリケーション・サーバを介して第1のユーザ・デバイスへ転送するように命令することであって、第1のアプリケーション・サーバは、オリジナルのコールを第1のアプリケーション・サーバから第2のアプリケーション・サーバへ転送するために、第1のユーザ・デバイス、対応するデバイス、および第2のアプリケーション・サーバの間の3方向会議通信を確立するように命令される、命令することと、
第2のアプリケーション・サーバから第1のユーザ・デバイスへと経路付けられた到来コールが、オリジナルのコールの識別情報に一致する識別情報を有していることを判定することと、
識別情報が一致すると判定すると、第2のアプリケーション・サーバから第1のユーザ・デバイスへ経路付けられた到来コールを、第1のユーザ・デバイスにピックアップさせ、第1のアプリケーション・サーバと第1のユーザ・デバイスとの間のコール分岐を解放するように命令することと、
を行うように構成されたエンジン、を備える。
【0014】
いくつかの実施形態では、このようなモジュールは、以下の特徴のうちの1つまたは複数を備え得る。
− エンジンは、オリジナルのコールの識別情報を生成するために、第1のアプリケーション・サーバから第2のアプリケーション・サーバへ転送されるコールをタグ付けするように第1のアプリケーションに命令するように構成されている。
− エンジンは、第2のアプリケーション・サーバと第1のユーザ・デバイスとの間に有効な経路があることを判定するように構成されている。
− モジュールは、制御ユーザ・インタフェースまたは制御ユーザ・インタフェース・コネクタを備え、エンジンは、第1のアプリケーション・サーバを介して、第1のユーザ・デバイスと、対応するユーザ・デバイスとの間でオリジナルのコールが確立されたことを検出すると、このコールを第2のアプリケーション・サーバを介してシフトさせるための案内を、制御ユーザ・インタフェースまたは制御ユーザ・インタフェース・コネクタを介して生成するように構成されている。
− モジュールは、このモジュールを第1および第2のアプリケーション・サーバへ接続するためのアプリケーション・サーバ・コネクタを備え、および/または、
− モジュールは、モジュールを第1のユーザ・デバイスへ接続するためのデバイス・テレフォニ・リソース・コネクタを備える。
【0015】
第3の実施形態によれば、アプリケーション・サーバに関連付けられた第2の実施形態に従うモジュールおよびアプリケーション・サーバを備えるシステムが提供される。
【0016】
第4の実施形態によれば、ユーザ・デバイスに関連付けられた第2の実施形態に従うモジュールおよびユーザ・デバイスを備えるシステムが提供される。
【0017】
本発明のこれらおよびその他の態様は、例として、図面を参照して以下に記載された実施形態に対する参照から明らかになり、この参照を用いて解釈される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1のアプリケーション・サーバを介して、第1のユーザ・デバイスと、対応するデバイスとの間で確立されたオリジナルのコールを、第2のアプリケーション・サーバを介して確立するために、このオリジナルのコールをシフトさせるモジュールのアーキテクチャを図示する機能図である。
【
図2】第1のアプリケーション・サーバを介して、第1のユーザ・デバイスと、対応するデバイスとの間でコールが確立されるネットワークを図示する図解である。
【
図3】コールが第2のアプリケーション・サーバを介して経路付けられるように、コールがシフトされた
図2のネットワークを図示する図解である。
【
図4】実施形態に従う方法のステップを例示するタイム・チャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
記載された典型的な実施形態は、例えば公衆アプリケーション・サーバのような第1のアプリケーション・サーバ3を介して確立されたコールを、例えばIMS(インターネット・マルチメディア・サブシステム)ネットワークのようなSIP(セッション開始プロトコル)サポート・ネットワークにおけるプライベート・アプリケーション・サーバのような第2のアプリケーション・サーバ4を介して経路付けるためにシフトさせる方法およびモジュールに関連する。しかしながら、本発明は、IMSネットワークの範囲内で適合され得るが、他のアーキテクチャにも適合し得る。
【0020】
一般的に、第2のアプリケーション・サーバ4は、例えば記録、ビデオ会議、コンサルテーション・コール、転送、ユーザ端末デバイスのセット間のコール・シフトのような、より多くのサービスをユーザに提供し得る。
【0021】
図2および
図3に例示するように、ネットワークは、第1のユーザ・デバイス1と、対応するデバイスすなわち第2のユーザ・デバイス2と、第1のアプリケーション・サーバ3と、第2のアプリケーション・サーバ4と、第1のアプリケーション・サーバ3を介して確立されたコールを、第2のアプリケーション・サーバ4を介して確立するために、このコールをシフトさせるためのモジュール5と、を備える。モジュール5は、以下の説明において、通信アプリケーション・シフト・モジュールのためのCASモジュール5と称される。
【0022】
第1のユーザ・デバイス1および対応するデバイス2は、例えばモバイル電話、携帯情報端末、固定電話等のような任意の種類のテレコミュニケーション・エンド・ユーザ機器であり得る。
【0023】
さらに、本発明は、ネットワークが2つのアプリケーション・サーバしか備えていない実施形態に限定されず、任意の数であるn個、ここでnは2またはそれ以上である、のアプリケーション・サーバとともに適用され得る。
【0024】
図1に詳細に図示されるCASモジュール5は、エンジン51と、制御ユーザ・インタフェース52と、CASモジュール5を少なくとも第1のユーザ・デバイス1へ接続するためのデバイス・テレフォニ・リソース・コネクタ53と、CASモジュール5を、例示されている実施形態では第1のアプリケーション・サーバ3および第2のアプリケーション・サーバ4であるn個のアプリケーション・サーバへ接続するためのアプリケーション・サーバ・コネクタ54と、を備える。
【0025】
エンジン51は、メモリおよび適切なソフトウェアまたはソフトウェア・プログラムに関連付けられたマイクロコントローラまたはマイクロプロセッサである。
【0026】
CASモジュール5は、第1のユーザ・デバイス内に、および/または、アプリケーション・サーバのうちの任意の1つ内に実装され得る。
【0027】
CASモジュール5は、自身の制御ユーザ・インタフェース52を有し得るが、また、適切な制御ユーザ・インタフェース・コネクタを介して第1のユーザ・デバイス1の制御ユーザ・インタフェースをも使用し得る。制御ユーザ・インタフェース52は、エンド・ユーザが、確立されたオリジナルのコールに関して通知されることと、CASモジュール5へアプリケーション・サーバ・シフト命令を通信することとを可能する。あるいは、CASモジュール5のための命令は、制御ユーザ・インタフェース・コネクタを経由して、第1のユーザ・デバイス1の制御ユーザ・インタフェースを介して入力される。
【0028】
次に、実施形態に従ってコールをシフトさせる方法が、詳細に記載される。
【0029】
予備のステップ(ステップ100、ステップ101)として、詳細には図示されていないが、CASモジュール5のエンジン51は、それらのアプリケーション・サーバ・コネクタ54とそれらのそれぞれの制御インタフェースとを介して第1のアプリケーション・サーバ3と第2のアプリケーション・サーバ4との両方に加入する。
【0030】
もちろん、第1のユーザは、第1のアプリケーション・サーバ3と第2のアプリケーション・サーバ4との登録された加入者である。
【0031】
実施形態では、第2のアプリケーション・サーバ4は、ユーザ・デバイスのセットを有するユーザが、そのデバイスの何れかとのコールに応じたり、および/または、そのデバイス間でコールをシフトさせることを可能にするサービスを提供する。その目的のために、第2のアプリケーション・サーバ4は、第1のユーザ・デバイスのセットへコールをアドレスするために使用され得るユニークなコンタクト・アドレスを第1のユーザに割り当てるユーザ・プロファイル・レジスタにリンクされる。
【0032】
CASモジュール5は、第1のアプリケーション・サーバ3と第2のアプリケーション・サーバ4とのうちの何れかを介して第1のアプリケーション・ユーザへ向けられている任意のコールを通知される。エンジン54はまた、第1のアプリケーション・サーバ3と第1のユーザ・デバイス1との間に有効な経路が存在するか否か、第2のアプリケーション・サーバ4と第1のユーザ・デバイス1との間に有効な経路が存在するか否か、および、第1のアプリケーション・サーバ3と第2のアプリケーション・サーバ4との間に有効な経路が存在するか否か、を判定することができる。
【0033】
図1に図示されるように、コール21が第1のアプリケーション・サーバ3を介して、第1のユーザ・デバイス1と、対応するデバイス2との間で確立されるように、オリジナルのコールが、第1のアプリケーション・サーバ3を介して、第1のユーザ・デバイス1によって/から、開始または受信される場合、シフトさせるための方法は、以下のようにして実施され得る。
【0034】
コール20が第1のアプリケーション・サーバ3を介して確立されている限り、CASモジュール5のエンジン51は、第1のアプリケーション・サーバ3を介して、第1のユーザ・デバイス1と、対応するデバイス2との間でオリジナルのコールが確立されたとの通知を、関連するアプリケーション・サーバ・コネクタ54を介して、第1のアプリケーション・サーバから受信する(ステップ200)。その後、エンジン51は、アプリケーション・サーバ・シフト命令が、第1のユーザから、制御ユーザ・インタフェース52を経由して受信されたか、または、制御ユーザ・インタフェース・コネクタを介して第1のユーザ・デバイス1を経由して受信されたかをチェックする。好適な実施形態では、エンジン51はまた、第2のアプリケーション・サーバ4を介して、コールをシフトさせる機能を、第1のユーザに提案する案内を生成する(ステップ300)。この案内は、第1のユーザが制御ユーザ・インタフェースを介してアプリケーション・サーバ・シフト命令をトリガすることができるように、制御ユーザ・インタフェース52を介して第1のユーザに見えるようにされ得る。あるいは、この案内は、第1のユーザが、第1のユーザ・デバイス1を介してアプリケーション・サーバ・シフト命令をトリガできるように、第1のユーザ・デバイス1を介して第1のユーザに見えるようにされ得る。
【0035】
コール21をシフトさせるためのこの案内は、第2のアプリケーション・サーバを介してコールをシフトするように第1のユーザに対して明示的に案内し得るか、または、第2のアプリケーション・サーバ4を介してのみ利用可能な1つまたはいくつかのサービスから利益を得るように第1のユーザを案内し得る。この案内は、タッチ・スクリーン上のアイコン、または、任意の類似のトリガとして実施され得る。
【0036】
別の実施形態によれば、アプリケーション・サーバ・シフト命令は、CASモジュール5から案内を受信することに応じて自動的にトリガされ得る。
【0037】
アプリケーション・サーバ・シフト命令が受信されると(ステップ400)、エンジン51は、関連するアプリケーション・サーバ・コネクタ54を介して、第1のサーバ・アプリケーション3に対して、コールを、第1のアプリケーション・サーバ3から第2のアプリケーション・サーバ4へ転送するように命令する(ステップ500)。
【0038】
転送命令ステップの間(ステップ500)、エンジン51は、第1のアプリケーション・サーバ3に、第2のアプリケーション・サーバ4アドレスと、オプションとして、第1のユーザ・デバイス・アドレスまたは第1のユーザ自身を表す第1のユーザ・アドレス情報を提供する。第1のユーザ・アドレス情報は、第2のアプリケーション・サーバ4のための第1のユーザ・デバイス1のアドレス、または第1のユーザ自身に割り当てられたユニークなコンタクト・アドレスであり得る。そのケースでは、前述したように、ユーザ・アドレスは、第1のユーザ・デバイス1を備える第1のユーザのデバイスのセットにマップされる。
【0039】
実施形態に従って、エンジン51は、第1のサーバ・アプリケーション3に対して、コールを第2のアプリケーション・サーバ4へ転送するように命令する。より有利な実施形態では、エンジン51は、第1のサーバ・アプリケーション3に対して、第1のユーザ・デバイス1、対応するデバイス2、および第2のアプリケーション・サーバ4の間で会議通信を確立するように命令する。コールを転送するため、または、会議通信を確立するための命令は、例えば、INVITE要求および/またはRE−INVITE SIP要求のような命令のセットである。
【0040】
エンジン51はまた、オリジナルのコールの識別情報を生成するために、第1のアプリケーション・サーバ3に対して、コールをタグ付けするようにも命令し得る。
【0041】
よって、オリジナルのコールは、タグ付けされ、第1のアプリケーション・サーバ3から第2のアプリケーション・サーバ4へ転送される(ステップ600)。その後、コールは、第2のアプリケーション・サーバ4から第1のユーザ・デバイス1へ経路付けられる(ステップ700)。CASモジュール5は同時に、アプリケーション・サーバ・コネクタ54を介して、第2のアプリケーション・サーバ4によって、第2のアプリケーション・サーバ4から第1のユーザ・デバイス1へ経路付けられた到来コールを通知される(ステップ701)。
【0042】
ステップ701の結果、到来コールが第1のユーザ・デバイス1において受信される。エンジン51は、第2のアプリケーション・サーバ4から経路付けられた到来コールが、オリジナルのコールの識別情報に一致する識別情報を有しているか否かを判定する。識別情報は、第1のアプリケーション・サーバ3によって生成されCASモジュール5へ通信されたタグまたはコールIDであり得る。
【0043】
識別情報が一致した場合、エンジン51は、第1のユーザ・デバイス1に対して、デバイス・テレフォニ・リソース・コネクタ53を経由して、第2のアプリケーション・サーバ4から経路付けられたコールを自動的にピックアップするように命令する(ステップ800)。
【0044】
第1のアプリケーション・サーバ3によって、第1のユーザ・デバイス1、対応するデバイス2、および第2のアプリケーション・サーバ4間で3方向会議通信が確立されるより有利な実施形態では、エンジン51は、第1のユーザ・デバイス1に対して、デバイス・テレフォニ・リソース・コネクタ53を介して、第2のアプリケーション・サーバ4から経路付けられた到来コールをピックアップし、第2のアプリケーション・サーバ4と第1のユーザ・デバイス1との間のコール分岐を解放するように命令する(ステップ800)。第1のユーザ・デバイス1のマルチライン機能に依存して、コールがシームレスにシフトされるように、ピックアップと解放とが同時であり得るか、または、先ず、第1のアプリケーション・サーバ3から経路付けられたコールが解放され、次に、第2のアプリケーション・サーバ4から経路付けられたコールがピックアップされる。
【0045】
よって、通信コール21は、第2のアプリケーション・サーバ4を経由して、および、最終的には第1のアプリケーション・サーバ3を経由して、第1のユーザ・デバイス1と、対応するデバイス2との間で確立され、これによって、ユーザは、第2のアプリケーション・サーバ4のフル・サービスからの利益を得ることができ得る(
図2参照)。
【0046】
前述された方法は、専用のハードウェアのみならず、適切なソフトウェアとともにソフトウェアを実行することが可能なハードウェアを用いて実行され得る。プロセッサによって提供された場合、対応する機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、または、そのうちのいくつかが共有され得る複数の個別のプロセッサによって提供され得る。さらに、「プロセッサ」または「コントローラ」という用語の明確な使用は、ソフトウェアを実行することが可能なハードウェアを限定的に称すると解釈されるべきではなく、限定することなく、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワーク・プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、ソフトウェアを記憶するための読取専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、および不揮発性ストレージを暗黙的に含み得る。従来型および/またはカスタムであるその他のハードウェアも含まれ得る。
【0047】
本発明は、記載された実施形態に限定されない。添付された特許請求の範囲は、本明細書に記載された基本的な教示内に適正に入る、当業者に想起され得るすべての変形および代替構成を具体化するものとして解釈されるべきである。
【0048】
「備える」または「含む」という動詞およびその活用形の使用は、特許請求の範囲に述べられたもの以外の要素またはステップの存在を除外しない。さらに、要素またはステップに先行する“a”または“an”という冠詞の使用は、複数のこのような要素またはステップの存在を除外しない。
【0049】
特許請求の範囲では、括弧の間に付された何れの参照符号も、特許請求の範囲を限定するものとして解釈ないものとする。
【0050】
添付された特許請求の範囲内では、本発明は、本明細書に具体的に記載されたものとは別の方式で実現され得ることが理解されるべきである。