特許第5989918号(P5989918)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5989918アートメイク用唇パック化粧料組成物及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989918
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】アートメイク用唇パック化粧料組成物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20160825BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20160825BHJP
   A61K 8/63 20060101ALI20160825BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20160825BHJP
   A61Q 1/04 20060101ALI20160825BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
   A61K8/34
   A61K8/49
   A61K8/63
   A61K8/81
   A61Q1/04
   A61K8/02
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-550342(P2015-550342)
(86)(22)【出願日】2014年4月8日
(65)【公表番号】特表2016-504356(P2016-504356A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】KR2014003033
(87)【国際公開番号】WO2015080348
(87)【国際公開日】20150604
【審査請求日】2015年6月17日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0145894
(32)【優先日】2013年11月28日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0145895
(32)【優先日】2013年11月28日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】504296013
【氏名又は名称】株式会社ディーアール
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】イ・ホ・ヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ・グン・ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム・ソン・ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・オク・ジン
(72)【発明者】
【氏名】チャ・ミン・ジン
(72)【発明者】
【氏名】パク・ミ・ミ
(72)【発明者】
【氏名】シン・ヨン・イム
(72)【発明者】
【氏名】イ・ソ・ヨン
【審査官】 松元 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−316488(JP,A)
【文献】 特開平07−258037(JP,A)
【文献】 特開平07−268247(JP,A)
【文献】 特開2000−191440(JP,A)
【文献】 特開2000−178138(JP,A)
【文献】 特開昭60−181175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/34
A61K 8/02
A61K 8/49
A61K 8/63
A61K 8/81
A61Q 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アラントイン、グリチルリチン酸二カリウム、及びブチレングリコールからなる群より選択される1つ以上の皮膚保湿剤、ポリビニルアルコール、着色顔料、エタノール、有機酸、及び精製水を含み、唇に塗布し乾燥させた後、形成された膜を剥がすと、唇に色が付着することを特徴とする、アートメイク用唇パック化粧料組成物。
【請求項2】
香料を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のアートメイク用唇パック化粧料組成物。
【請求項3】
前記着色顔料は、レーキ顔料であることを特徴とする、請求項1に記載のアートメイク用唇パック化粧料組成物。
【請求項4】
前記有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、及び乳酸からなる群より1つ以上が選択されることを特徴とする、請求項1に記載のアートメイク用唇パック化粧料組成物。
【請求項5】
前記組成物の剤形はゲル状であることを特徴とする、請求項1に記載のアートメイク用唇パック化粧料組成物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のアートメイク用唇パック化粧料組成物の製造方法であって、
(A)アラントイン、グリチルリチン酸二カリウム、及びブチレングリコールからなる群より選択される1つ以上の皮膚保湿剤を精製水に溶解させる段階、
(B)ポリビニルアルコールを追加した後、40〜50℃に冷却させる段階、
(C)冷却後、着色顔料、エタノール、及び有機酸の混合液を添加した後に25〜35℃に冷却させる段階、並びに
(D)冷却後、有機酸を添加してpH 3.0〜4.0に調節する段階、を含むことを特徴とする、アートメイク用唇パック化粧料組成物の製造方法。
【請求項7】
(C)段階において、
前記着色顔料、エタノール、及び有機酸の混合液には香料が更に含まれることを特徴とする、請求項6に記載のアートメイク用唇パック化粧料組成物の製造方法。
【請求項8】
(C)段階において、
前記着色顔料はレーキ顔料であることを特徴とする、請求項6に記載のアートメイク用唇パック化粧料組成物の製造方法。
【請求項9】
(C)段階において、
前記有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、及び乳酸からなる群より選択される1つ以上であることを特徴とする、請求項6に記載のアートメイク用唇パック化粧料組成物の製造方法。
【請求項10】
ラントイン0.01〜0.10重量%、グリチルリチン酸二カリウム0.01〜0.10重量%、ブチレングリコール0.5〜1.0重量%、ポリビニルアルコール15.0〜30.0重量%、着色顔料0.01〜0.20重量%、エタノール1.0〜5.0重量%、有機酸0.1〜2.0重量%、香料0.05〜0.50重量%、及び精製水65.0〜80.0重量%を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のアートメイク用唇パック化粧料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アートメイク用唇パック化粧料組成物及びその製造方法に関し、より詳しくは、唇に塗布後、乾燥させて薄い膜を形成し、形成した膜を唇から剥がすと唇に色が付着し、その色を長時間そのまま持続させることができる、アートメイク用唇パック化粧料組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品は、使用部位、使用目的、又は製品の構成成分及び形状などによって多様に分類され、日常的によく使われる基礎化粧品(スキンケア化粧品)、メイクアップ化粧品(色調化粧品)、ボディケア化粧品(身体洗浄化粧品)、ヘアケア化粧品、口腔用化粧品、芳香性化粧品などに分けることができる。メイクアップ化粧品は、基礎製品を使用した後の顔や爪などの身体に塗布し色彩感を付与することによって、肌の色を美しく表現し、基礎製品ではカバーすることができない肌の欠点を目立たせないように整えるものである。このような化粧品は、顔全体の肌の色を均一に整え、しみやそばかすなどの肌の問題点をカバーして肌を健康かつ美しく手入れするためのベースメイクアップと、唇、目、頬や爪などの局部を色彩を強調して陰影を与えることによって、立体感を演出し自己の主張を自然に表現するポイントメイクアップとに分類することができる。ポイントメイクアップには、口紅、チーク(頬紅)、アイシャドウ、アイライナー、マニキュアなどがある。
【0003】
これらの中でも口紅は、女性が自分だけの色を表現するのに好適の化粧品である。口紅は唇に塗布して色彩と光沢を与える目的で使用され、更に寒さや乾燥などから唇を保護する作用もある。一般的な口紅は、油剤に着色料を分散又は溶解させて、柔軟かつ伸縮性に優れた棒形状に製造される。このとき必要に応じて、香料、酸化防止剤、又は防腐剤などが添加され得る。
【0004】
しかし、従来使用されている口紅は、食べ物や唇に接する容器に付きやすかったり、口紅が唇からとれたりするため、口紅を塗り直し続けなければならない不便さがあった。更には口紅を塗り直し続けると唇の角質などが厚くなり汚く見えるという問題があった。したがって、このような問題を解決するために、大韓民国公開特許第10−1996−0040344号(持続性唇化粧料組成物)、大韓民国登録特許第0152554号(唇化粧料組成物)、大韓民国特許公報第91−003078号(唇から付かない口紅組成物)などでは、口紅の持続性を高めるための技術が提案されている。しかし、このような従来技術も、口紅の持続性を5時間以上に維持することは困難であった。
【0005】
一方、最近では、唇に多様な色と模様を付与して一時的なアートメイク効果を示すための唇タトゥーシールが人気を集めている。しかし、このような唇タトゥーシールは、その持続性が極めて優れているという長所はあるが、唇に多様な色を付けるために接着剤などを使用することから人体に有害であり、唇が乾燥しやすくなるという問題があった。
【0006】
これにより、本発明の発明者は、人体に無害であり、唇に色を持続的に付与すると共に、十分な保湿性を供給することができるアートメイク用唇パック化粧料組成物について鋭意研究し、その結果、本発明を完成するに至った。
【0007】
発明の詳細な説明
技術的な課題
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためのものであって、唇に色を付与し、その色が持続性に優れ、一時的なアートメイク効果を示し得るアートメイク用唇パック化粧料組成物を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、唇に色を付与すると共に、十分な保湿性も供給して唇の乾燥を防ぐことができるアートメイク用唇パック化粧料組成物を提供することを目的とする。
【0009】
更に、本発明は、油性原料を一切使用せずに唇を着色させることができるアートメイク用唇パック化粧料組成物を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、唇に鮮やかな色を付与し、その色が持続性に優れ、一時的なアートメイク効果を示し得るアートメイク用唇パック化粧料組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
更に、本発明は、唇に鮮やかな色を付与すると共に、十分な保湿性も供給し唇の乾燥を防ぐことができるアートメイク用唇パック化粧料組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
課題の解決手段
上述した目的を達成するために、本発明は、第1実施形態において、アラントイン、グリチルリチン酸二カリウム、及びブチレングリコールからなる群より選択される1つ以上の皮膚保湿剤、ポリビニルアルコール、着色顔料、エタノール、有機酸、及び精製水を含み、唇に塗布した後に乾燥して形成された膜を剥がすと、唇に色が付着することを特徴とする、アートメイク用唇パック化粧料組成物を提供する。
【0013】
また、本発明は、香料を更に含むことを特徴とする、アートメイク用唇パック化粧料組成物を提供する。
【0014】
更に、本発明は、前記着色顔料がレーキ顔料であることを特徴とする、アートメイク用唇パック化粧料組成物を提供する。
【0015】
また、本発明は、前記有機酸が、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、及び乳酸からなる群より1つ以上が選択されることを特徴とする、アートメイク用唇パック化粧料組成物を提供する。
【0016】
更に、本発明は、前記組成物の剤形がゲル状であることを特徴とする、アートメイク用唇パック化粧料組成物を提供する。
【0017】
本発明のアートメイク用唇パック化粧料組成物は、ゲル形態の組成物であり、唇に塗布して色と保湿成分をコーティングする役割をする。特に、本発明のアートメイク用唇パック化粧料組成物は、唇に色を付着させることができるため、唇アートメイク(tattoo)のための製品として使用され得る。具体的に、本発明のアートメイク用唇パック化粧料組成物は、唇に適量を塗布して待ち乾燥させると、薄い膜(フィルム)が形成されるが、完全に乾燥した後に形成される薄い膜を唇からゆっくり剥がすと、剥がした後の唇には色は付着するが、その色は約12時間以上持続することができる。そのうえ、本発明のアートメイク用唇パック化粧料組成物は、唇に十分な保湿性を付与して、色素付着による唇の乾燥を効果的に防ぐことができる。更に、本発明のアートメイク用唇パック化粧料組成物は、油性原料は一切使用しない水性組成物に該当し、唇の着色を消すために別途でクレンジングをする必要はなく、一定時間が経過すると、一般の洗顔料によって唇に付与された色を自然に薄くすることができ得る。
【0018】
このような本発明のアートメイク用唇化粧料パック組成物は、アラントイン、グリチルリチン酸二カリウム、及びブチレングリコールからなる群より選択される1つ以上の皮膚保湿剤、ポリビニルアルコール、着色顔料、エタノール、有機酸、香料、及び精製水を含むことを特徴とする。
【0019】
本発明は、アラントイン、グリチルリチン酸二カリウム、及びブチレングリコールからなる群より選択される1つ以上の皮膚保湿剤を含むため、唇に十分な保湿性を付与するだけでなく唇の角質も取り除き、しっとりとした艶のある唇を演出することができる。
【0020】
また、本発明は、ポリビニルアルコールを含むが、ポリビニルアルコールは水溶性フィルム形成剤の役割を行う。したがって、本発明のアートメイク用唇パック化粧料組成物を唇に塗布して待ち、乾燥させると、薄い膜を形成することができる。例えば、本発明のアートメイク用唇パック組成物を唇に塗布して約10〜15分ほど待つと、完全に乾燥し、このときに形成された膜は手で簡単に唇から剥がすことができる。
【0021】
また、本発明は、着色顔料を含むが、好ましくはこの染料が、非水溶性金属化合物形態に変えられたものを使用することがよく、例えばレーキ顔料を使用することができる。本発明は、レーキ顔料を含むことによって唇に鮮やかな色を付与することができ、その発色性は極めて優れている。このとき、レーキ顔料の色は特に限定されるものではなく、多様な色を選択して使用することができる。
【0022】
また、本発明は、従来の口紅又はリップグロスとは異なり、ワックス類やオイル類を含まずにエタノールを含む。
【0023】
更に、本発明は有機酸を含むが、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、及び乳酸からなる群より選択される1つ以上を含むことが好ましい。このように、本発明は有機酸を含むことにより、唇に栄養及び保湿成分を更に付与して唇を更にしっとりと艶が出るようにし、唇に色を付着させることができ、付着した色の持続性及び発色性を更に改善する。このとき、有機酸は、塩の形態ではない有機酸自体を添加することが好ましい。
【0024】
また、本発明は香料を含み得るが、ここで、香料は特に限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常使用される香料成分を使用することができ、好ましくは水溶性香料成分を使用するのが良い。
【0025】
本発明は溶剤として精製水を使用するが、このように溶剤として精製水を使用することにより、水溶性の唇パック化粧料組成物を提供することができる。既存の口紅やリップグロス製品がワックス類やオイル類を溶剤として使用する油性組成物であるのとは異なり、発明のアートメイク用唇パック化粧料組成物は、溶剤として精製水を使用する水性組成物に該当する。
【0026】
また、本発明のアートメイク用唇パック化粧料組成物は、アラントイン0.01〜0.10重量%、グリチルリチン酸二カリウム0.01〜0.10重量%、ブチレングリコール0.5〜1.0重量%、ポリビニルアルコール15.0〜30.0重量%、着色顔料0.01〜0.20重量%、エタノール1.0〜5.0%、有機酸0.1〜2.0重量%、香料0.05〜0.50%、及び精製水65.0〜80.0重量%を含むことが好ましい。このように各成分を含む場合、唇に効果的に色を付与することができると共に十分な保湿性も供給して、しっとりとした艶のある唇を演出することができる。
【0027】
また、本発明のアートメイク用唇パック化粧料組成物は、その剤形がゲル状であることが好ましく、これによって適量をとって唇に容易に塗布することができ、短時間で乾燥させ薄い膜を形成することができ、形成された膜は唇から簡単に剥がすことができる。
【0028】
一方、本発明は、第2実施形態において、(A)アラントイン、グリチルリチン酸二カリウム、及びブチレングリコールからなる群より選択される1つ以上の皮膚保湿剤を精製水に溶解させる段階、(B)ポリビニルアルコールを追加した後に40〜50℃に冷却させる段階、(C)冷却後、着色顔料、エタノール、及び有機酸の混合液を添加した後に25〜35℃に冷却させる段階、及び(D)冷却後、有機酸を添加してpH 3.0〜4.0に調節する段階を含むことを特徴とする、アートメイク用唇パック化粧料組成物の製造方法を提供する。
【0029】
また、本発明は、(C)段階で、前記着色顔料、エタノール、及び有機酸の混合液に香料が更に含まれることを特徴とする、アートメイク用唇パック化粧料組成物の製造方法を提供する。
【0030】
更に、本発明は、(C)段階で、前記着色顔料はレーキ顔料であることを特徴とする、アートメイク用唇パック化粧料組成物の製造方法を提供する。
【0031】
また、本発明は、(C)段階で、前記有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、及び乳酸からなる群より1つ以上が選択されることを特徴とする、アートメイク用唇パック化粧料組成物の製造方法を提供する。
【0032】
更に、本発明は、前記方法によって製造されたアートメイク用唇パック化粧料組成物であって、
アラントイン0.01〜0.10重量%、グリチルリチン酸二カリウム0.01〜0.10重量%、ブチレングリコール0.5〜1.0重量%、ポリビニルアルコール15.0〜30.0重量%、着色顔料0.01〜0.20重量%、エタノール1.0〜5.0重量%、有機酸0.1〜2.0重量%、香料0.05〜0.50重量%、及び精製水65.0〜80.0重量%を含むことを特徴とする、アートメイク用唇パック化粧料組成物を提供する。
【0033】
本発明の方法によって製造された化粧料組成物は、上述したアートメイク用唇パック化粧料組成物と同じ効果を有する。
【0034】
このような本発明のアートメイク用唇パック化粧料組成物の製造方法は、(A)アラントイン、グリチルリチン酸二カリウム、及びブチレングリコールからなる群より選択される1つ以上の皮膚保湿剤を精製水に溶解させる段階、(B)ポリビニルアルコールを追加した後に40〜50℃に冷却させる段階、(C)冷却後、着色顔料、エタノール、及び有機酸の混合液を添加した後に25〜35℃に冷却させる段階、並びに(D)冷却後、有機酸を添加してpH 3.0〜4.0に調節する段階を含むことを特徴とする。
【0035】
以下では、本発明のアートメイク用唇パック化粧料組成物の製造方法について各段階別に詳しく説明する。
【0036】
[(A)アラントイン、グリチルリチン酸二カリウム、及びブチレングリコールからなる群より選択される1つ以上の皮膚保湿剤を精製水に溶解させる段階]
本段階は、皮膚保湿剤を精製水に溶解させる段階である。本発明は、溶剤として精製水を使用するが、このように溶剤として精製水を使用することにより、水溶性の唇パック化粧料組成物を提供することができる。既存の口紅やリップグロス製品がワックス類やオイル類を溶剤として使用する油性組成物であるのとは異なり、本発明のアートメイク用唇パック化粧料組成物は、溶剤として精製水を使用する水性組成物に該当する。
【0037】
本発明は、アラントイン、グリチルリチン酸二カリウム、及びブチレングリコールからなる群より選択される1つ以上の皮膚保湿剤を精製水に予め溶解させているので、唇に十分な保湿性を付与するだけでなく唇の角質も取り除き、しっとりとした艶のある唇を演出することができる。
【0038】
[(B)ポルリビニルアルコールを追加した後に40〜50℃に冷却する段階]
本段階は、(A)段階で予め準備した皮膚保湿剤が溶解している精製水にポリビニルアルコールを更に追加した後、40〜50℃に冷却させる段階である。
【0039】
本発明はポリビニルアルコールを含むが、ポリビニルアルコールは水溶性フィルム形成剤の役割をする。したがって、本発明のアートメイク用唇パック化粧料組成物を唇に塗布して待ち乾燥させると、薄い膜が形成され得る。例えば、本発明のアートメイク用唇パック組成物を唇に塗布して約10〜15分ほど待つと完全に乾燥し、このときに形成された膜は手で簡単に唇から剥がすことができる。
【0040】
[(C)冷却後、着色顔料、エタノール、及び有機酸の混合液を添加した後、25〜35℃に冷却させる段階]
本段階は、冷却後、着色顔料、エタノール、及び有機酸を予め均一に撹拌しておいた混合液を添加した後、25〜35℃に再び冷却させる段階である。
【0041】
本発明は、着色顔料、エタノール、及び有機酸を予め均一に撹拌した後、先に準備しておいた皮膚保湿剤とポリビニルアルコールを溶解させた精製水に添加する。このように、着色顔料、エタノール、有機酸を予め均一に撹拌しているので、唇に付与される色は更に鮮やかになり発色性に優れる。
【0042】
本発明は、着色顔料を含むが、好ましくは染料は、非水溶性金属化合物形態に変えられたものを使用することがよく、例えばレーキ顔料を使用することができる。本発明は、レーキ顔料を含むことによって唇に鮮やかな色を付与することができ、発色性は極めて優れる。このとき、レーキ顔料の色は特に限定されるものではなく、多様な色を選択して使用することができる。
【0043】
また、本発明は、従来の口紅又はリップグロスとは異なり、ワックス類やオイル類に着色顔料を添加するのではなくエタノールを使用する。
【0044】
また、本発明は有機酸を含むが、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、及び乳酸からなる群より選択される1つ以上を含むことが好ましい。このように、本発明は有機酸を含むことにより、唇に栄養及び保湿成分を更に付与して唇を更にしっとりと艶が出るようにし、唇に色を付着させることができ、付着した色の持続性及び発色性を更に改善する。このとき、有機酸は、塩の形態ではない有機酸自体を添加することが好ましい。
【0045】
また、本発明は、香料を着色顔料、エタノール、及び有機酸と共に予め均一に撹拌させることができるが、ここで香料は特に限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常使用される香料成分を使用することができ、好ましくは水溶性香料成分を使用することがよい。
【0046】
[(D)冷却後、有機酸を添加してpH 3.0〜4.0に調節する段階]
本段階は、内容物をすべて混合した後、有機酸を用いて最終pHを3.0〜4.0に調節する段階である。
【0047】
本発明のアートメイク用唇パック化粧料組成物は、pHが3.0〜4.0に調節された場合、唇に極めて鮮やかな色を付与することができ、その発色性が更に優れるようになり得る。
【0048】
上述したような方法によって製造された本発明のアートメイク用唇パック化粧料組成物は、アラントイン0.01〜0.10重量%、グリチルリチン酸二カリウム0.01〜0.10重量%、ブチレングリコール0.5〜1.0重量%、ポリビニルアルコール15.0〜30.0重量%、着色顔料0.01〜0.20重量%、エタノール1.0〜5.0重量%、有機酸0.1〜2.0重量%、香料0.05〜0.50重量%、及び精製水65.0〜80.0重量%を含むことが好ましい。このように各成分を含む場合、唇に効果的に色を付与することができると共に十分な保湿性も供給して、しっとりとした艶のある唇を演出することができる。
【0049】
また、本発明のアートメイク用唇パック化粧料組成物は、その剤形がゲル状であることが好ましく、これによって適量をとって唇に容易に塗布することができ、短時間で乾燥して薄い膜を形成することができ、形成された膜は唇から簡単に剥がすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】実施例1のアートメイク用唇パック化粧料組成物を皮膚に塗布した様子の写真である。
図2】実施例1のアートメイク用唇パック化粧料組成物を皮膚に塗布して乾燥した後に形成された膜(フィルム)を剥がした様子の写真である。
図3】比較例1の唇パック化粧料組成物を皮膚に塗布した様子の写真である。
図4】比較例1の唇パック化粧料組成物を皮膚に塗布して乾燥した後に形成された膜(フィルム)を剥がした様子の写真である。
図5】実施例2〜実施例6のアートメイク用唇パック化粧料組成物を皮膚に塗布した様子の写真である。
図6】実施例2〜実施例6のアートメイク用唇パック化粧料組成物を皮膚に塗布して乾燥した後に形成された膜(フィルム)を剥がした様子の写真である。
図7】比較例3の唇パック化粧料組成物を皮膚に塗布した様子の写真である。
図8】比較例3の唇パック化粧料組成物を皮膚に塗布して乾燥した後に形成された膜(フィルム)を剥がした様子の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、実施形態を参照しながら本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明の権利範囲が下記の実施形態にのみ限定されるものではなく、これと等価の技術的思想の変形までを含む。
【実施例】
【0052】
実施例1:アートメイク用唇パック化粧料組成物の製造
アラントイン、グリチルリチン酸二カリウム、ブチレングリコール、精製水を計量して80℃の容器に入れて撹拌して完全溶解させた後、ポリビニルアルコールを徐々に投入してホモジナイザー3600rpm、アヂホモミクサー26rpmで完全溶解させた後に45℃に冷却した後、赤色218号(CI45410:1)、エタノール、クエン酸、香料を均一に撹拌させておいた相を投入し、アヂホモミクサー26rpmで撹拌しながら30℃まで冷却して唇パック化粧料組成物を製造した。
【0053】
このとき、製造された唇パック組成物の組成比は、アラントイン0.05重量%、グリチルリチン酸二カリウム0.03重量%、ブチレングリコール1.0重量%、ポリビニルアルコール18.0重量%、赤色218号(CI45410:1)0.06重量%、エタノール3.5重量%、クエン酸0.35重量%、香料0.1重量%、溶剤として精製水76.91重量%であった。
【0054】
比較例1:唇パック化粧料組成物の製造
クエン酸を添加せずに残量を精製水で合わせたことを除いては、前記実施例1と同様に唇パック化粧料組成物を製造した。
【0055】
比較例2:唇化粧料組成物の製造
ポリビニルアルコールを添加せずに残量を精製水で合わせたことを除いては、前記実施例1と同様に唇化粧料組成物を製造した。
【0056】
実験例1:アートメイク用唇パック化粧料組成物の使用
前記実施例1で製造された唇パック化粧料組成物を1回使用するときに0.1〜0.2gずつとり、唇の形状に合わせて塗布した後、約10〜15分後に内容物が完全に乾燥すると、形成された膜をゆっくり剥がした。図1及び図2によると、乾燥して形成された膜を剥がした唇には製品固有の色が付着することを確認した。これにより、実施例1のアートメイク用唇化粧料組成物は、一時的なアートメイク効果を与えることができる唇アートメイクのための唇パック化粧料組成物として使用できることが分かった。
【0057】
比較例1:唇パック化粧料組成物の使用
前記比較例1で製造された唇パック化粧料組成物を1回使用するときに0.1〜0.2gずつとり唇の形状に合わせて塗布した後、約10〜15分後に内容物が完全に乾燥すると、形成された膜をゆっくり剥がした。図3及び図4によると、乾燥して形成された膜を剥がした唇には製品固有の色がほとんど付着しないことを確認した。これにより、比較例1の唇パック化粧料組成物は、一時的なアートメイク効果を示すには適さないことが分かった。
【0058】
比較例2:唇化粧料組成物の使用
前記比較例2で製造された唇化粧料組成物を1回使用するときに0.1〜0.2gずつとり唇の形状に合わせて塗布した。塗布後、約10〜15分が経過しても唇に膜が形成されないことを確認した。これにより、比較例2の唇化粧料組成物は、唇パック化粧料組成物として使用できないことが分かった。
【0059】
比較例3:唇タトゥーシールの使用
市販されている唇タトゥーシールをハサミで唇の大きさ及び形状に合うように切り、シールの透明フィルムを剥がした後、カラー部分が唇に触れるように付着させ、コットンやスポンジに水を含ませて紙部分を軽く叩き込みながら十分に濡らした。カラー部分が唇に接着した後に紙を剥がした。紙を剥がすと唇に色成分が付くことを確認した。
【0060】
使用例1:アートメイク用唇パック化粧料組成物の使用評価
本使用例では、前記実施例1と比較例3の使用結果を比較評価した。被検者30人に対し、唇色の持続性、使用の利便性、保湿性、及びクレンジングの利便性を評価した。
【0061】
評価基準は1(非常に不満足)〜10(非常に満足)とし、その結果を下記表1に示した。
【0062】
【表1】
【0063】
実施例1のアートメイク用唇パック化粧料組成物は、唇に付着した色が12時間以上持続するなど、持続性が極めて優れており、食べ物や食べ物の容器にはほとんど付かなかった。また、ゲルタイプの唇パック化粧料組成物を唇に塗り乾燥させた後、薄く形成される膜を剥がすだけでよいので、誰でも容易に使用することができ、唇のしっとり感を維持し保湿性に極めて優れ、唇の着色を消すために別途にクレンジングをする必要がなく、一定時間が経過すると一般の洗顔により唇に付与された色が自然に薄くなった。
【0064】
その反対に、比較例3の唇タトゥーシールは、唇に付着した色が12時間以上持続し持続性は極めて優れてはいたが、シールを唇の形状と大きさに合わせて切りシールを唇に付けた後は、水を含んだコットンやスポンジで軽く叩かなければならないため、その使用が非常に不便であった。唇はすぐに乾燥し、別途のカラーメイク専用のクレンジングで拭き取らなければ消えなかったため、全体的な消費者の支持率が非常に低かった。
【0065】
以上を総合すると、本発明のアートメイク用唇パック化粧料組成物は、誰でも容易に唇に色を付着させることができ、一時的なアートメイク効果を得ることができると共に唇に保湿性を付与することができるので、しっとりと艶があり、所望する色を有する唇を演出することができた。また更に、唇の着色を消すために別途にクレンジングをする必要がなく、一定時間が経過すると一般の洗顔により唇に付与された色を自然に薄くすることができることから、消費者の支持が非常に高いということが分かった。
【0066】
実施例2:アートメイク用唇パック化粧料組成物の製造
アラントイン、グリチルリチン酸二カリウム、ブチレングリコール、精製水を計量して80℃の容器に入れて撹拌して完全溶解させた後、ポリビニルアルコールを徐々に投入してホモジナイザー3600rpm、アヂホモミクサー26rpmで完全溶解させた後に45℃に冷却した。その後、赤色218号(CI45410:1)、エタノール、クエン酸、香料を均一に撹拌させておいた相を投入してアヂホモミクサー26rpmで撹拌しながら30℃まで冷却し、クエン酸を用いて内容物の最終pHを3.0に調節して唇パック化粧料組成物を製造した。
【0067】
このとき、製造された唇パック化粧料組成物の組成比は、アラントイン0.05重量%、グリチルリチン酸二カリウム0.03重量%、ブチレングリコール1.0重量%、ポリビニルアルコール18.0重量%、赤色218号(CI45410:1)0.06重量%、エタノール3.5重量%、クエン酸0.3重量%、香料0.1重量%、溶剤として精製水76.96重量%であった。
【0068】
実施例3:アートメイク用唇パック化粧料組成物の製造
クエン酸で最終pHを4.0に調節したことを除いて、前記実施例2と同様に唇パック化粧料組成物を製造した。製造された唇パック化粧料組成物の組成比は、アラントイン0.05重量%、グリチルリチン酸二カリウム0.03重量%、ブチレングリコール1.0重量%、ポリビニルアルコール18.0重量%、赤色218号(CI45410:1)0.06重量%、エタノール3.5重量%、クエン酸0.25重量%、香料0.1重量%、溶剤として精製水77.01重量%であった。
【0069】
実施例4:アートメイク用唇パック化粧料組成物の製造
クエン酸で最終pHを4.5に調節したことを除いて、前記実施例2と同様に唇パック化粧料組成物を製造した。製造された唇パック化粧料組成物の組成比は、アラントイン0.05重量%、グリチルリチン酸二カリウム0.03重量%、ブチレングリコール1.0重量%、ポリビニルアルコール18.0重量%、赤色218号(CI45410:1)0.06重量%、エタノール3.5重量%、クエン酸0.20重量%、香料0.1重量%、溶剤として精製水77.06重量%であった。
【0070】
実施例5:アートメイク用唇パック化粧料組成物の製造
クエン酸で最終pHを5.0に調節したことを除いて、前記実施例2と同様に唇パック化粧料組成物を製造した。製造された唇パック化粧料組成物の組成比は、アラントイン0.05重量%、グリチルリチン酸二カリウム0.03重量%、ブチレングリコール1.0重量%、ポリビニルアルコール18.0重量%、赤色218号(CI45410:1)0.06重量%、エタノール3.5重量%、クエン酸0.15重量%、香料0.1重量%、溶剤として精製水77.11重量%であった。
【0071】
実施例6:アートメイク用唇パック化粧料組成物の製造
クエン酸で最終pHを5.5に調節したことを除いて、前記実施例2と同様に唇パック化粧料組成物を製造した。製造された唇パック化粧料組成物の組成比は、アラントイン0.05重量%、グリチルリチン酸二カリウム0.03重量%、ブチレングリコール1.0重量%、ポリビニルアルコール18.0重量%、赤色218号(CI45410:1)0.06重量%、エタノール重量3.5%、クエン酸0.12重量%、香料0.1重量%、溶剤として精製水77.14重量%であった。
【0072】
比較例3:唇パック化粧料組成物の製造
クエン酸を添加せずに残量を精製水で合わせたことを除いて、前記実施例2と同様に唇パック化粧料組成物を製造した。
【0073】
比較例4:唇化粧料組成物の製造
ポリビニルアルコールを添加せずに残量を精製水で合わせたことを除いて、前記実施例2と同様に唇化粧料組成物を製造した。
【0074】
実験例2〜実験例6:アートメイク用唇パック化粧料組成物の使用
前記実施例2〜実験例6で製造された唇パック化粧料組成物を1回使用するときに0.1〜0.2gずつとり唇の形状に合わせて塗布し、約10〜15分後に内容物が完全に乾燥させた後、形成された膜をゆっくり剥がした。図5及び図6によると、乾燥して形成された膜を剥がした唇には製品固有の色が付着することを確認し、特にpHが3.5又は4.0に調節された場合に色が鮮やかで発色性に優れることが分かった。これにより、実施例2〜実施例6のアートメイク用唇化粧料組成物は、一時的なアートメイク効果を与えることができる唇のアートメイクのための唇パック化粧料組成物として使用することができ、特に実施例2及び実施例3が効果的であることが分かった。
【0075】
比較例4:唇パック化粧料組成物の使用
前記比較例3で製造された唇パック化粧料組成物を1回使用するときに0.1〜0.2gずつとり唇の形状に合わせて塗布し、約10〜15分後に内容物を完全に乾燥させた後、形成された膜をゆっくり剥がした。図7及び図8によると、乾燥して形成された膜を剥がした唇には製品固有の色がほとんど付着しないことを確認した。これにより、比較例3の唇パック化粧料組成物は、一時的なアートメイク効果を示すには適さないことが分かった。
【0076】
比較例5:唇化粧料組成物の使用
前記比較例4で製造された唇化粧料組成物を1回使用するときに0.1〜0.2gずつとり唇の形状に合わせて塗布した。塗布後、約10〜15分が経過しても唇に膜が形成されないことを確認した。これにより、比較例4の唇化粧料組成物は、唇パック化粧料組成物として使用できないことが分かった。
【0077】
比較例6:唇タトゥーシールの使用
市販されている唇タトゥーシールをハサミで唇の大きさ及び形状に合うように切り、シールの透明フィルムを剥がした後、カラー部分が唇に触れるように付着させ、コットンやスポンジに水を含ませて紙部分を軽く叩き込みながら十分に濡らした。カラー部分が唇に接着した後に紙を剥がした。紙を剥がすと唇に色成分が付いていることを確認した。
【0078】
使用例2:アートメイク用唇パック化粧料組成物の使用評価
本使用例では、前記実施例2と比較例6の使用結果を比較評価した。被検者30人に対し、唇色の持続性、使用の利便性、保湿性、及びクレンジングの利便性を評価した。
【0079】
評価基準は1(非常に不満足)〜10(非常に満足)とし、その結果を下記表2に示した。
【0080】
【表2】
【0081】
実施例2のアートメイク用唇パック化粧料組成物は、唇に付着した色が12時間以上持続するなど、持続性が極めて優れており、食べ物や食べ物の容器にはほとんど付かなかった。また、ゲルタイプの唇パック化粧料組成物を唇に塗り乾燥させた後、薄く形成された膜を剥がすだけでよいので、誰でも容易に使用することができ、唇をしっとりと維持する保湿性は極めて優れていた。また、唇の着色を消すために別途にクレンジングをする必要がなく、一定時間が経過すると、一般の洗顔により、唇に付与された色を自然に薄くすることができた。
【0082】
その反面、比較例6の唇タトゥーシールは、唇に付着した色が12時間以上持続するなど持続性は極めて優れてはいたが、シールを唇の形状と大きさに合わせて切り、シールを唇に付けた後には水を含ませたコットンやスポンジで軽く叩かなければならないため、その使用が非常に不便であった。また、唇がすぐ乾燥し、別途のカラーメイク専用のクレンジングで拭き取らなければ拭き取ることができず、全体的に消費者の支持率が非常に低かった。
【0083】
以上を総合すると、本発明のアートメイク用唇パック化粧料組成物は、誰でも容易に唇に色を付着させることができ、一時的なアートメイク効果を示すことができると共に唇に保湿性を付与することができるためしっとりと艶があり、所望する色を有する唇を演出することができた。更に唇の着色を消すために別途にクレンジングをする必要がなく、一定時間が経過すると、一般の洗顔をすることにより唇に付与された色を自然に薄くすることができ、消費者からの支持が非常に高いことが分かった。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8