特許第5989933号(P5989933)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5989933電力線通信における動的ノッチングのための適応フィルタバンク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989933
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】電力線通信における動的ノッチングのための適応フィルタバンク
(51)【国際特許分類】
   H04B 3/54 20060101AFI20160825BHJP
【FI】
   H04B3/54
【請求項の数】25
【全頁数】42
(21)【出願番号】特願2016-502944(P2016-502944)
(86)(22)【出願日】2014年3月14日
(65)【公表番号】特表2016-519470(P2016-519470A)
(43)【公表日】2016年6月30日
(86)【国際出願番号】US2014028948
(87)【国際公開番号】WO2014153074
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2016年2月1日
(31)【優先権主張番号】13/828,996
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100194814
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 元宏
(72)【発明者】
【氏名】ベーネー、マーク・ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】ブリュック、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ヨンゲ、ローレンス・ウィンストン・ザ・サード
【審査官】 前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/154087(WO,A1)
【文献】 特開2006−333046(JP,A)
【文献】 特開平11−163807(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 3/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信デバイスによって実行され方法であって、
フィルタバンクにおける複数のフィルタ要素のうちの1つのフィルタ要素を有効にすることと、ここにおいて、前記フィルタ要素は、ノッチされた副搬送波に関連付けられる1つまたは複数のガードバンドおよび通信帯域における前記ノッチされた副搬送波のための電力を低減し、前記ノッチされた副搬送波に近接する、1つまたは複数の近接する副搬送波は、前記1つまたは複数のガードバンドの一部である、
前記ノッチされた副搬送波の第1の性能測定値、および前記ノッチされた副搬送波に関連付けられる前記1つまたは複数の近接する副搬送波の第2の性能測定値を決定することと、
前記第1の性能測定値および前記第2の性能測定値に、少なくとも部分的に、基づいて、前記フィルタ要素に関連付けられる、フィルタ係数を決定することと、
前記フィルタ係数に少なくとも部分的に基づいて、前記フィルタ要素を更新することと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記通信帯域を構成する複数の副搬送波の第3の性能測定値を決定することをさらに備え、
前記フィルタ係数が、前記第3の性能測定値に、少なくとも部分的に、基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フィルタ係数を前記決定することが、
前記1つまたは複数のガードバンドを最小化し、前記1つまたは複数の近接する副搬送波における通信を最大化するために、前記フィルタ係数を決定すること
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ノッチされた副搬送波に関連付けられる周波数における干渉を検知することに、少なくとも部分的に、基づいて、前記通信帯域の前記ノッチされた副搬送波をノッチすると決定することと、
前記ノッチされた副搬送波をノッチすると決定したことに応答して、前記複数のフィルタ要素から前記フィルタ要素を選択することと、前記複数のフィルタ要素の各々が前記通信帯域における少なくとも1つの副搬送波をノッチするように構成される、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の性能測定値が、第1の性能測定しきい値に適合していないと決定することと、
記第1の性能測定値が、前記第1の性能測定しきい値に適合していないと決定することに応答して、前記ノッチされた副搬送波をノッチすると動的に決定することとを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記フィルタ要素を前記有効にすることが、
制御信号に応答して、前記フィルタ要素を有効にする、切替えデバイスに前記制御信号を送信すること
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記フィルタ係数を決定することは、さらに、前記通信帯域内の前記通信デバイスの全体的な性能測定値に、少なくとも部分的に、基づ、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記フィルタ要素を有効にした後、
前記第2の性能測定値が、第2の性能測定しきい値に適合していると決定することと、
前記第2の性能測定値が、前記第2の性能測定しきい値に適合していると決定することに応答して、前記ノッチされた副搬送波のノッチングを停止すると動的に決定することとをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の性能測定値と、性能測定しきい値とを比較することと、
前記第1の性能測定値が前記性能測定しきい値に適合していないと、前記フィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を決定することと、
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記フィルタ係数は、前記ノッチされた副搬送波の特性に、少なくとも部分的に、基づいて決定され、前記特性は、前記ノッチされた副搬送波の周波数位置と、前記ノッチされた副搬送波のノッチ幅と、前記ノッチされた副搬送波が低減されるべき電力スペクトル密度と、から成るグループのうちの少なくとも1メンバを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記フィルタ係数を決定することが、
前記第1の性能測定値を決定することに応答して実行されるアルゴリズムにおいて、前記第1の性能測定値を使用して前記フィルタ係数を計算すること、を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記フィルタ係数を決定することが、
前記第1の性能測定値に対応する前記フィルタ係数を識別するために、前記フィルタ要素に関連付けられるルックアップテーブルにアクセスすること
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ルックアップテーブルが、1つまたは複数の性能測定値範囲と、前記フィルタ要素の対応する1つまたは複数のフィルタ係数との間のマッピングを備える、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記フィルタ係数を決定することが、
前記第1の性能測定値が、前記ルックアップテーブル内の第1の性能測定値範囲内にあると決定することと、
前記第1の性能測定値範囲に対応するフィルタ係数の第1のセットを選択することと
を備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記決定されたフィルタ係数が、前記フィルタ要素の現在のフィルタ係数のあらかじめ定められた割合内にないと決定することと、
前記決定されたフィルタ係数が現在のフィルタ係数の前記あらかじめ定められた割合内にないと決定することに応答して、前記決定されたフィルタ係数を使用するために、前記フィルタ要素を更新することと
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の性能測定値および前記通信デバイスの最大送信電力に、少なくとも部分的に、基づいて、前記通信デバイスの送信電力を変化させるかどうかを決定することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ノッチされた副搬送波は、前記複数の副搬送波のうちのあらかじめ定められた第1のキャリアである、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のフィルタ要素の前記フィルタ要素を有効にすることは、前記複数のフィルタ要素のうちの別のものを有効にすることなく、前記フィルタ要素を独立して有効にすることを備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の性能測定値が、性能測定しきい値に適合していないと決定することと、
前記第1の性能測定値が、前記通信デバイスの送信電力レベルを変化させることによって、前記性能測定しきい値に適合しているようになり得るかどうかを決定することと、
前記第1の性能測定値が、前記通信デバイスの前記送信電力レベルを変化させることによって、前記性能測定しきい値に適合しているようになり得ると決定される場合、
前記ノッチされた副搬送波のための前記通信デバイスの前記送信電力レベルを変化させることと、
前記フィルタ要素に関連付けられる前記フィルタ係数を更新しないと決定することと、
前記第1の性能測定値が、前記通信デバイスの前記送信電力レベルを変化させることによって、前記性能測定しきい値に適合しているようになり得ないと決定される場合、
前記フィルタ要素に関連付けられる前記フィルタ係数を前記決定することと、を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記通信デバイスが電力線通信デバイスであり、ここにおいて、前記通信帯域が電力線通信周波数帯域である、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の性能測定値が、信号対ノイズ比(SNR)測定値、信号強度測定値、ノイズレベル測定値、干渉レベル測定値、減衰測定値、およびSNR分布測定値のから成るグループの少なくとも1メンバを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記フィルタ係数は、前記ノッチされた副搬送波に関連付けられる前記1つまたは複数の近接する副搬送波における通信を最大化することと、前記通信帯域における前記通信デバイスの性能を最大化することと、前記ノッチされた副搬送波に関連付けられる前記1つまたは複数のガードバンドの幅を最小化することと、前記ノッチされた副搬送波に関連付けられるガードバンドの数を最小化することと、から成るグループからの少なくとも1つの基準に基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の性能測定値が性能測定しきい値より低いことに応答して、前記ノッチされた副搬送波が動的なノッチされた副搬送波である、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
ネットワークにおいて動作するための通信デバイスであって、前記通信デバイスは、
プロセッサと、
複数のフィルタ要素を備えるフィルタバンクと、
命令を記憶したメモリと、
を備え、前記命令は前記プロセッサによって実行されると、前記通信デバイスに、請求項1乃至23のいずれか1項に記載の方法を実行させる、通信デバイス。
【請求項25】
通信デバイスのプロセッサによって実行されると、前記通信デバイスに、請求項1乃至23のいずれか1項に記載の方法を実行させる命令を記憶した機械可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[0001] 本出願は、2013年3月14日に出願された米国特許出願第13/828,996号の優先権利益を主張する。
【0002】
[0002] 本発明の主題の実施形態は、一般に通信ネットワークの分野に関し、より詳細には、電力線通信ネットワーク(powerline communication network)における動的ノッチングのための適応フィルタバンク(adaptive filter bank)に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 送電線および配電線は、通常、発電機から建物、住宅、および都市のインフラストラクチャの他の構成要素に電力を提供するために使用される。電力は、送電線を介して高電圧で送信されて、電力線を使用してはるかに低い電圧で建物および他の構造に分配される。電力線は、電力を提供するだけでなく、建物または他の構造内に電力線通信を実施するためにも使用され得る。電力線通信は、電子デバイスをともにネットワーク化して、さらに電子デバイスをインターネットに接続するための手段を提供する。たとえば、HomePlug(登録商標)デバイスは、電力線通信を介するブロードバンドのためのIEEE P1901規格を使用するワイヤードブロードバンドネットワーキングのために使用され得る。しかしながら、電力線通信ネットワークは干渉を受ける場合があり、電力線通信ネットワークを介して交換されるデータパケットを破損させる場合がある。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 電力線通信ネットワークにおける効率的なノッチングのための、適応フィルタバンクを実装するための様々な実施形態が開示される。いくつかの実施形態では、動的副搬送波ノッチング(dynamic subcarrier notching)のための方法であって、本方法は、通信デバイスで、フィルタバンクの複数のフィルタ要素(filter element)の少なくとも1つのサブセットに関連付けられるフィルタ係数(filter coefficient)を適用することによって、通信帯域において1つまたは複数のノッチされた副搬送波を生成することと、ここにおいて、複数のフィルタ要素のうちの各々が、通信帯域において少なくとも1つのノッチされた副搬送波を生成するように構成される、通信帯域において1つまたは複数の副搬送波の性能測定値(performance measurement)を決定することと、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値に少なくとも部分的に基づいて、フィルタ要素のサブセットの少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる、更新されたフィルタ係数を決定することと、フィルタ要素のサブセットの少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる、更新されたフィルタ係数に少なくとも部分的に基づいて、通信帯域の少なくとも1つのノッチされた副搬送波の動作特性を変化させることと、を備える。
【0005】
[0005] いくつかの実施形態では、通信帯域において1つまたは複数の副搬送波の性能測定値を前記決定することは、複数のフィルタ要素のサブセットに関連付けられる、1つまたは複数の近接する副搬送波の第1の性能測定値を決定することと、ここにおいて、1つまたは複数の近接する副搬送波は、フィルタ要素のサブセットによって生成された、ノッチされた副搬送波のうちの少なくとも1つに隣接する、通信帯域を構成する複数の副搬送波の第2の性能測定値を決定することと、1つまたは複数のノッチされた副搬送波の第3の性能測定値を決定することとのうちの1つまたは複数を備え、通信帯域における1つまたは複数の副搬送波の性能測定値に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる、更新されたフィルタ係数を前記決定することが、第1の性能測定値、第2の性能測定値、および第3の性能測定値のうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる、更新されたフィルタ係数を決定することを備える。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態では、1つまたは複数の近接する副搬送波(adjacent subcarrier)のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのノッチされた副搬送波に関連付けられる1つまたは複数のガードバンドを備え、複数のフィルタ要素のサブセットに関連付けられる、更新されたフィルタ係数を前記決定することが、1つまたは複数のガードバンドを最小化して、1つまたは複数の近接する副搬送波における通信を最大化するために、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる、更新されたフィルタ係数を決定することを備える。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態では、本方法は、第1の副搬送波における干渉通信(interfering communication)を検知することに少なくとも部分的に基づいて、通信帯域の第1の副搬送波をノッチすると決定することと、少なくとも第1のフィルタ要素が、第1の副搬送波をノッチするように構成されると決定することと、通信帯域において第1の動的なノッチされた副搬送波を生成するために、少なくとも第1のフィルタ要素を有効にし、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられるフィルタ係数を適用することとをさらに備え、ここにおいて、少なくとも第1の副搬送波が動的なノッチされた副搬送波(dynamic notched subcarrier)である。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態では、通信帯域の第1の副搬送波をノッチすると前記決定することが、第1の副搬送波に関連付けられる性能測定値が、性能測定しきい値(performance measurement threshold)に適合していないと決定することと、第1の副搬送波に関連付けられる性能測定値が、性能測定しきい値に適合していないと前記決定することに応答して、第1の動的なノッチされた副搬送波を生成するために、第1の副搬送波をノッチすると動的に決定することとを備える。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態では、少なくとも第1のフィルタ要素を前記有効にすることが、切替えデバイスに、第1のフィルタ要素を有効にさせるために、第1のフィルタ要素に関連付けられる切替えデバイスに制御信号を送信することを備える。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態では、通信帯域において第1のノッチされた副搬送波を前記生成することが、第1の動的なノッチされた副搬送波に隣接する1つまたは複数の近接する副搬送波の性能測定値と、通信帯域内の通信デバイスの全体的な性能測定値とのうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられるフィルタ係数を決定することを備える。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態では、本方法は、第1の動的なノッチされた副搬送波に隣接する1つまたは複数の近接する副搬送波に関連付けられる性能測定値が、性能測定しきい値に適合していると決定することと、第1の動的なノッチされた副搬送波に隣接する1つまたは複数の近接する副搬送波に関連付けられる性能測定値が、性能測定しきい値に適合していると前記決定することに応答して、第1の副搬送波を介して通信するために、第1の副搬送波のノッチングを停止し、通信デバイスを有効にすると動的に決定することとをさらに備える。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態では、通信帯域において1つまたは複数の副搬送波の性能測定値を前記決定することに応答して、本方法は、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値と、対応する性能測定しきい値とを比較することと、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値が、対応する性能測定しきい値に適合していないと決定されると、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を前記決定することと、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値が、対応する性能測定しきい値に適合していると決定されると、フィルタ要素のサブセットに関連付けられるフィルタ係数を更新しないと決定することとをさらに備える。
【0013】
[0013] いくつかの実施形態では、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を前記決定することが、第1のフィルタ要素に関連付けられる1つまたは複数の近接する副搬送波の第1の性能測定値と、通信帯域内の通信デバイスの第2の性能測定値と、1つまたは複数のノッチされた副搬送波の第3の性能測定値と、第1のフィルタ要素によって生成された1つまたは複数のノッチされた副搬送波の特性とのうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づいている。
【0014】
[0014] いくつかの実施形態では、第1のフィルタ要素によって生成された1つまたは複数のノッチされた副搬送波の特性が、1つまたは複数のノッチされた副搬送波の周波数位置と、1つまたは複数のノッチされた副搬送波のノッチ幅と、第1のフィルタ要素によって生成された1つまたは複数のノッチされた副搬送波が低減されるべき電力スペクトル密度とのうちの1つまたは複数を備える。
【0015】
[0015] いくつかの実施形態では、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を前記決定することが、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値を、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数にリアルタイムに変換することを備える。
【0016】
[0016] いくつかの実施形態では、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を前記決定することが、性能測定値に対応する少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を識別するために、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられるルックアップテーブルにアクセスすることを備える。
【0017】
[0017] いくつかの実施形態では、第1のフィルタ要素のルックアップテーブルが、1つまたは複数の性能測定値範囲と、第1のフィルタ要素の対応する1つまたは複数のフィルタ係数との間のマッピングを備える。
【0018】
[0018] いくつかの実施形態では、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を前記決定することが、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値と性能測定値範囲とを比較することと、性能測定値が、ルックアップテーブル内の第1の性能測定値範囲内にあると決定することと、第1のフィルタ要素を更新するための第1の性能測定値範囲に対応するフィルタ係数の第1のセットを選択することとを備える。
【0019】
[0019] いくつかの実施形態では、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を前記決定することに応答して、本方法は、第1のフィルタ要素の更新されたフィルタ係数と、第1のフィルタ要素の現在のフィルタ係数とを比較することと、更新されたフィルタ係数が、現在のフィルタ係数のあらかじめ定められた割合内であると決定されると、更新されたフィルタ係数を第1のフィルタ要素に適用しないと決定することと、更新されたフィルタ係数が、現在のフィルタ係数のあらかじめ定められた割合内ではないと決定されると、更新されたフィルタ係数を第1のフィルタ要素に適用することとを備える。
【0020】
[0020] いくつかの実施形態では、本方法は、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値および通信デバイスの最大送信電力に少なくとも部分的に基づいて、通信デバイスの送信電力を変化させるかどうかを決定することをさらに備える。
【0021】
[0021] いくつかの実施形態では、通信帯域において1つまたは複数のノッチされた副搬送波を前記生成することが、通信帯域においてノッチされるべきあらかじめ定められた第1の副搬送波を決定することと、少なくとも第1のフィルタ要素が、あらかじめ定められた第1の副搬送波をノッチするように構成されていると決定することと、あらかじめ定められた第1の副搬送波をノッチするために、および通信帯域において第1の静的なノッチされた副搬送波を生成するために、少なくとも第1のフィルタ要素を有効にし、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられるフィルタ係数を適用することとを備える。
【0022】
[0022] いくつかの実施形態では、本方法は、複数のフィルタ要素のうちの第2のフィルタ要素が、あらかじめ定められた第2の副搬送波をノッチするように構成されていないと決定することと、第2のフィルタ要素を有効にしないと決定することとをさらに備える。
【0023】
[0023] いくつかの実施形態では、本方法は、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値が、対応する性能測定しきい値に適合していないと決定することと、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値が、通信デバイスの送信電力レベルを変化させることによって、対応する性能測定しきい値に適合しているようになり得るかどうかを決定することと、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値が、通信デバイスの送信電力レベルを変化させることによって、対応する性能測定しきい値に適合しているようになり得ると決定される場合、1つまたは複数の副搬送波における通信デバイスの送信電力レベルを変化させることと、複数のフィルタ要素のサブセットに関連付けられるフィルタ係数を更新しないと決定することと、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値が、通信デバイスの送信電力レベルを増加させることによって、対応する性能測定しきい値に適合しているようになり得ないと決定される場合、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を前記決定することとをさらに備える。
【0024】
[0024] いくつかの実施形態では、通信デバイスが電力線通信デバイスであり、ここにおいて、通信帯域が電力線通信周波数帯域(powerline communication frequency band)である。
【0025】
[0025] いくつかの実施形態では、性能測定値は、信号対ノイズ比(SNR)測定値、信号強度測定値、ノイズレベル測定値、干渉レベル測定値、減衰測定値、およびSNR分布測定値のうちの1つまたは複数を備える。
【0026】
[0026] いくつかの実施形態では、通信帯域の少なくとも1つのノッチされた副搬送波の動作特性を前記変化させることは、少なくとも1つのノッチされた副搬送波に関連付けられる1つまたは複数の近接する副搬送波における通信を最大化するために、通信帯域における通信デバイスの性能を最大化するために、および、少なくとも1つのノッチされた副搬送波に関連付けられる1つまたは複数のガードバンドの幅、または少なくとも1つのノッチされた副搬送波に関連付けられるガードバンドの数のうちの1つを最小化するために、更新されたフィルタ係数を少なくとも第1のフィルタ要素に適用することを備える。
【0027】
[0027] いくつかの実施形態では、1つまたは複数のノッチされた副搬送波のうちの少なくとも1つが動的なノッチされた副搬送波であり、ここにおいて、1つまたは複数のノッチされた副搬送波のうちの少なくとも1つが静的なノッチされた副搬送波であり、ここにおいて、更新されたフィルタ係数を前記決定することが、動的なノッチされた副搬送波を生成した複数のフィルタ要素のうちの1つまたは複数に関連付けられる更新されたフィルタ係数を決定することを備え、ここにおいて、フィルタ係数を前記更新することが、動的なノッチされた副搬送波を生成した複数のフィルタ要素のうちの1つまたは複数に関連付けられるフィルタ係数を更新することを備える。
【0028】
[0028] いくつかの実施形態では、動的副搬送波ノッチングのためのネットワークデバイスであって、本ネットワークデバイスは、プロセッサユニットを備え、フィルタバンクは、複数のフィルタ要素を備え、ここにおいて、複数のフィルタ要素のうちの各々が、ネットワークデバイスが動作する通信帯域において少なくとも1つのノッチされた副搬送波を生成するように構成され、プロセッサユニットとフィルタバンクとに結合され、フィルタバンクの複数のフィルタ要素の少なくとも1つのサブセットに関連付けられるフィルタ係数を適用することによって、通信帯域において1つまたは複数のノッチされた副搬送波を生成するように構成されたフィルタ適応ユニット(filter adaptation unit)と、少なくともプロセッサユニットに結合され、通信帯域における1つまたは複数の副搬送波の性能測定値を決定するように構成された通信媒体検知ユニット(communication medium sensing unit)とを備え、フィルタ適応ユニットは、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値に少なくとも部分的に基づいて、フィルタ要素のサブセットの少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を決定し、フィルタ要素のサブセットの少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数に少なくとも部分的に基づいて、通信帯域の少なくとも1つのノッチされた副搬送波の動作特性を変化させるようにさらに構成される。
【0029】
[0029] いくつかの実施形態では、通信帯域において1つまたは複数の副搬送波の性能測定値を決定するように構成された通信媒体検知ユニットが、複数のフィルタ要素のサブセットに関連付けられる1つまたは複数の近接する副搬送波の第1の性能測定値を決定するように構成された通信媒体検知ユニットと、ここにおいて、1つまたは複数の近接する副搬送波が、フィルタ要素のサブセットによって生成されたノッチされた副搬送波のうちの少なくとも1つに隣接する、通信帯域を構成する複数の副搬送波の第2の性能測定値を決定するように構成された通信媒体検知ユニットと、1つまたは複数のノッチされた副搬送波の第3の性能測定値を決定するように構成された通信媒体検知ユニットとのうちの1つまたは複数を備え、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を決定するように構成されたフィルタ適応ユニットが、第1の性能測定値、第2の性能測定値、および第3の性能測定値のうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を決定するように構成されたフィルタ適応ユニットを備える。
【0030】
[0030] いくつかの実施形態では、1つまたは複数の近接する副搬送波のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのノッチされた副搬送波に関連付けられる1つまたは複数のガードバンドを備え、複数のフィルタ要素のサブセットに関連付けられる、更新されたフィルタ係数を決定するように構成されたフィルタ適応ユニットが、1つまたは複数のガードバンドを最小化し、かつ、1つまたは複数の近接する副搬送波における通信を最大化するために、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる、更新されたフィルタ係数を決定するように構成されたフィルタ適応ユニットを備える。
【0031】
[0031] いくつかの実施形態では、フィルタ適応ユニットは、第1の副搬送波における干渉通信を検知することに少なくとも部分的に基づいて、通信帯域の第1の副搬送波をノッチすると決定して、少なくとも第1のフィルタ要素が、第1の副搬送波をノッチするように構成されると決定して、通信帯域において第1の動的なノッチされた副搬送波を生成するために、少なくとも第1のフィルタ要素を有効にし、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられるフィルタ係数を適用するようにさらに構成され、ここにおいて、少なくとも第1の副搬送波が動的なノッチされた副搬送波である。
【0032】
[0032] いくつかの実施形態では、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられるフィルタ係数を適用するように構成されたフィルタ適応ユニットが、第1の動的なノッチされた副搬送波に隣接する1つまたは複数の近接する副搬送波の性能測定値と、通信帯域内の通信デバイスの全体的な性能測定値とのうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられるフィルタ係数を決定するように構成されたフィルタ適応ユニットを備える。
【0033】
[0033] いくつかの実施形態では、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を決定するように構成されたフィルタ適応ユニットが、第1のフィルタ要素に関連付けられる1つまたは複数の近接する副搬送波の第1の性能測定値と、通信帯域内の通信デバイスの第2の性能測定値と、1つまたは複数のノッチされた副搬送波の周波数位置と、1つまたは複数のノッチされた副搬送波のノッチ幅と、1つまたは複数のノッチされた副搬送波の第3の性能測定値と、第1のフィルタ要素によって生成された1つまたは複数のノッチされた副搬送波の特性とのうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づく。
【0034】
[0034] いくつかの実施形態では、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を決定するように構成されたフィルタ適応ユニットは、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値を、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数にリアルタイムに変換するように構成されたフィルタ適応ユニットと、性能測定値に対応する少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を識別するために、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられるルックアップテーブルにアクセスするように構成されたフィルタ適応ユニットとのうちの1つを備える。
【0035】
[0035] いくつかの実施形態では、第1のフィルタ要素のルックアップテーブルが、1つまたは複数の性能測定値範囲と、第1のフィルタ要素の対応する1つまたは複数のフィルタ係数との間のマッピングを備える場合、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を決定するように構成されたフィルタ適応ユニットが、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値と性能測定値範囲とを比較し、性能測定値が、ルックアップテーブル内の第1の性能測定値範囲内にあると決定し、第1のフィルタ要素を更新するための第1の性能測定値範囲に対応するフィルタ係数の第1のセットを選択するように構成されたフィルタ適応ユニットを備える。
【0036】
[0036] いくつかの実施形態では、フィルタ適応ユニットは、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値および通信デバイスの最大送信電力に少なくとも部分的に基づいて、通信デバイスの送信電力を変化させるかどうかを決定するようにさらに構成される。
【0037】
[0037] いくつかの実施形態では、通信帯域において1つまたは複数のノッチされた副搬送波を生成するように構成されたフィルタ適応ユニットが、通信帯域においてノッチされるべきあらかじめ定められた第1の副搬送波を決定し、少なくとも第1のフィルタ要素が、あらかじめ定められた第1の副搬送波をノッチするように構成されていると決定し、あらかじめ定められた第1の副搬送波をノッチするために、および通信帯域において第1の静的なノッチされた副搬送波を生成するために、少なくとも第1のフィルタ要素を有効にし、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられるフィルタ係数を適用するように構成されたフィルタ適応ユニットを備える。
【0038】
[0038] いくつかの実施形態では、フィルタ適応ユニットは、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値が、対応する性能測定しきい値に適合していないと決定し、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値が、通信デバイスの送信電力レベルを変化させることによって、対応する性能測定しきい値に適合しているようになり得るかどうかを決定し、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値が、通信デバイスの送信電力レベルを変化させることによって、対応する性能測定しきい値に適合しているようになり得ると決定される場合、1つまたは複数の副搬送波における通信デバイスの送信電力レベルを変化させ、複数のフィルタ要素のサブセットに関連付けられるフィルタ係数を更新しないと決定し、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値が、通信デバイスの送信電力レベルを増加させることによって、対応する性能測定しきい値に適合しているようになり得ないと決定される場合、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を決定するように構成される。
【0039】
[0039] いくつかの実施形態では、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、1つまたは複数のプロセッサに、通信デバイスで、フィルタバンクの複数のフィルタ要素の少なくとも1つのサブセットに関連付けられるフィルタ係数を適用することによって、通信帯域において1つまたは複数のノッチされた副搬送波を生成することと、ここにおいて、複数のフィルタ要素のうちの各々が、通信帯域において少なくとも1つのノッチされた副搬送波を生成するように構成される、通信帯域において1つまたは複数の副搬送波の性能測定値を決定することと、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値に少なくとも部分的に基づいて、フィルタ要素のサブセットの少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる、更新されたフィルタ係数を決定することと、フィルタ要素のサブセットの少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる、更新されたフィルタ係数に少なくとも部分的に基づいて、通信帯域の少なくとも1つのノッチされた副搬送波の動作特性を変化させることとを備える、動的副搬送波ノッチングのための動作を実行させる命令を記憶した1つまたは複数の機械可読記憶媒体。
【0040】
[0040] いくつかの実施形態では、通信帯域において1つまたは複数の副搬送波の性能測定値を決定する前記動作は、複数のフィルタ要素のサブセットに関連付けられる、1つまたは複数の近接する副搬送波の第1の性能測定値を決定することと、ここにおいて、1つまたは複数の近接する副搬送波は、フィルタ要素のサブセットによって生成された、ノッチされた副搬送波のうちの少なくとも1つに隣接する、通信帯域を構成する複数の副搬送波の第2の性能測定値を決定することと、1つまたは複数のノッチされた副搬送波の第3の性能測定値を決定することとのうちの1つまたは複数を備え、通信帯域における1つまたは複数の副搬送波の性能測定値に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる、更新されたフィルタ係数を決定するための前記動作は、第1の性能測定値、第2の性能測定値、および第3の性能測定値のうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる、更新されたフィルタ係数を決定することを備える。
【0041】
[0041] いくつかの実施形態では、1つまたは複数の近接する副搬送波のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つのノッチされた副搬送波に関連付けられる1つまたは複数のガードバンドを備え、複数のフィルタ要素のサブセットに関連付けられる、更新されたフィルタ係数を決定する前記動作が、1つまたは複数のガードバンドを最小化して、かつ、1つまたは複数の近接する副搬送波における通信を最大化するために、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる、更新されたフィルタ係数を決定することを備える。
【0042】
[0042] いくつかの実施形態では、本動作は、第1の副搬送波における干渉通信を検知することに少なくとも部分的に基づいて、通信帯域の第1の副搬送波をノッチすると決定することと、少なくとも第1のフィルタ要素が、第1の副搬送波をノッチするように構成されると決定することと、通信帯域において第1の動的なノッチされた副搬送波を生成するために、少なくとも第1のフィルタ要素を有効にし、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられるフィルタ係数を適用することとをさらに備え、ここにおいて、少なくとも第1の副搬送波が動的なノッチされた副搬送波である。
【0043】
[0043] いくつかの実施形態では、通信帯域において第1のノッチされた副搬送波を生成する前記動作が、第1の動的なノッチされた副搬送波に隣接する1つまたは複数の近接する副搬送波の性能測定値と、通信帯域内の通信デバイスの全体的な性能測定値とのうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられるフィルタ係数を決定することを備える。
【0044】
[0044] いくつかの実施形態では、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を決定する前記動作が、第1のフィルタ要素に関連付けられる1つまたは複数の近接する副搬送波の第1の性能測定値と、通信帯域内の通信デバイスの第2の性能測定値と、1つまたは複数のノッチされた副搬送波の第3の性能測定値と、第1のフィルタ要素によって生成された1つまたは複数のノッチされた副搬送波の特性とのうちの1つまたは複数に少なくとも部分的に基づく。
【0045】
[0045] いくつかの実施形態では、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を決定する前記動作が、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値を、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数にリアルタイムに変換することと、性能測定値に対応する少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を識別するために、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられるルックアップテーブルにアクセスすることとのうちの少なくとも1つを備える。
【0046】
[0046] いくつかの実施形態では、第1のフィルタ要素のルックアップテーブルが、1つまたは複数の性能測定値範囲と、第1のフィルタ要素の対応する1つまたは複数のフィルタ係数との間のマッピングを備える場合、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を決定する前記動作が、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値と性能測定値範囲とを比較することと、性能測定値が、ルックアップテーブル内の第1の性能測定値範囲内にあると決定することと、第1のフィルタ要素を更新するための第1の性能測定値範囲に対応するフィルタ係数の第1のセットを選択することとを備える。
【0047】
[0047] いくつかの実施形態では、本動作は、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値が、対応する性能測定しきい値に適合していないと決定することと、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値が、通信デバイスの送信電力レベルを変化させることによって、対応する性能測定しきい値に適合しているようになり得るかどうかを決定することと、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値が、通信デバイスの送信電力レベルを変化させることによって、対応する性能測定しきい値に適合しているようになり得ると決定される場合、1つまたは複数の副搬送波における通信デバイスの送信電力レベルを変化させることと、複数のフィルタ要素のサブセットに関連付けられるフィルタ係数を更新しないと決定することと、1つまたは複数の副搬送波の性能測定値が、通信デバイスの送信電力レベルを増加させることによって、対応する性能測定しきい値に適合しているようになり得ないと決定される場合、少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を前記決定することとを備える。
【0048】
[0048] 添付の図面を参照することによって、本実施形態がよりよく理解され得、多数の目的、特徴、および利点が、当業者に明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】[0049] 電力線通信(PLC)デバイスにおけるノッチングのための適応フィルタバンクメカニズムを含む、例示的なブロック図。
図2】[0050] 各フィルタ要素がノッチされた副搬送波を生成する、フィルタバンクの例示的な実施形態を示す図。
図3】[0051] 副搬送波を動的にノッチするための一実施形態の例示的な動作を示す流れ図。
図4】[0052] 副搬送波を動的にノッチするための別の実施形態の例示的な動作を示す流れ図。
図5】[0053] 図4の続きであり、また副搬送波を動的にノッチするためのPLCデバイスの例示的な動作を示す図。
図6】[0054] 適応フィルタバンクメカニズムを含む、電子デバイスの一実施形態のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0050】
[0055] 以下の説明は、本発明の主題の技法を具体化する例示的なシステム、方法、技法、命令シーケンス、およびコンピュータプログラム製品を含む。しかし、記載される実施形態は、これらの特定の詳細なしに実施され得ることが理解される。たとえば、いくつかの実施形態は、動的ノッチングのための適応フィルタバンクを実装しているHomePlug AVデバイスに言及しているが、実施形態はそれに限定されない。他の実施形態では、他の適切な電力線通信技術(たとえば、G.HN電力線デバイス)、および他の通信技術(たとえば、イーサネット(登録商標)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN))を実装するネットワークデバイスは、本明細書に記載される適応フィルタリング技法を実装することができる。他の例では、よく知られている命令インスタンス、プロトコル、構造、および技法は、説明を不明瞭にしないために詳細に示されていない。
【0051】
[0056] 電力線通信(PLC)デバイスは、典型的には「HomePlug AV」規格に従って動作し、規格のバージョンに応じて、PLC信号送信のために広い周波数帯域(たとえば、1.8メガヘルツから30メガヘルツまで、または最大86メガヘルツまで)を使用する(たとえば、直交周波数分割多重(OFDM)技法を使用して)。しかしながら、PLC信号は、PLCデバイスと同じ周波数範囲で動作している、他の通信デバイスおよびアプリケーション(たとえば、無線周波数識別(RFID)アプリケーション)を干渉する場合がある。他の通信アプリケーションによって使用される重複している通信帯域内のPLC信号送信からの干渉を回避するために、送信されるべきPLC信号から、PLC帯域の特定の副搬送波(または隣接する副搬送波のグループ)が除外され(またはノッチされ)得る。現在、送信中に除外されるPLC信号の副搬送波は、PLC規格(たとえば、HomePlug AV規格)に基づいてあらかじめ定められ得る。PLCデバイスが通信することが許可されていない(PLC規格に従って)これらのあらかじめ定められた副搬送波は、本明細書では、「静的なノッチされた副搬送波(static notched subcarrier)」と呼ばれている。たとえば、PLC信号送信のために、現在のHomePlug AV1.1デバイスは、典型的には、PLC帯域の10の副搬送波(「ノッチされた副搬送波(notched subcarrier)」または「ノッチ(notch)」)において、電力スペクトル密度を少なくとも30デシベル低減することが必要とされている。ノッチされた副搬送波の周波数特性のために、追加のガードバンドは、典型的には、ノッチング要件を満たすために、ノッチされた副搬送波のいずれかの端に使用される。したがって、ノッチされた副搬送波に近接する1つまたは複数の副搬送波(「近接する副搬送波(adjacent subcarrier)」)は、送信のために利用可能ではない場合があり(たとえば、ガードバンドのために)、したがって、送信のために利用可能な副搬送波(たとえば、周波数リソース)の数を減少させて、PLCデバイスの全体的なスループットを低下させる。さらに、送信されるようにスケジューリングされているPLC信号にとって、ガードバンド(周波数ドメイン内の)とガードインターバル(時間ドメイン内の)とを同時に維持して、シンボル間干渉(ISI:inter-symbol interference)を最小化して、ノッチング要件を満たしながら、周波数および時間ドメイン内に送信されたOFDMシンボルを形成することは困難な場合がある。たとえば、周波数ドメイン内の効率的なノッチングは、時間ドメイン内のISIを引き起こす可能性がある。しかしながら、時間ドメインISIを低減するためにガードインターバルを使用することによって、送信のために利用できる、利用可能な時間ドメインリソースの量を減少させることができる。既存のPLCデバイスは、典型的には、重複のある時間ドメイン窓関数を使用し、PLC信号の各OFDMシンボルが、必要なノッチのために最適化された窓関数で乗算される。しかしながら、これは静的なソリューションであり、ノッチング要件が変化する(たとえば、ノッチの数および深度が増加する)につれて、容量損失およびパフォーマンス低下をもたらす場合がある。さらに、PLCデバイスを、静的なノッチされた副搬送波において送信しないように単に構成することは、一般的には十分ではない。これは、PLC信号の送信はまた、他の通信アプリケーションを干渉する可能性がある、近接する副搬送波からの帯域外輻射(out-of-band emission)をもたらす場合があるためである。
【0052】
[0057] いくつかの実施形態では、PLCデバイスは、適応フィルタバンクを実装することができる(たとえば、PLC送信機ユニットに)。図1図6を参照して以下でさらに説明されるように、PLC信号を静的に修正する代わりに、適応フィルタバンクは、PLC信号を、現在のノッチング要件(たとえば、ノッチが現在有効/無効にされるべき、PLC帯域内のノッチの数、位置、および幅等)、ノッチされた副搬送波に近接する副搬送波(「近接する副搬送波(adjacent subcarrier)」)における性能測定値、近接する副搬送波およびノッチされた副搬送波における現在の電力スペクトル密度要件等における変化に動的に適応するように構成され得る。一実装形態では、静的なノッチされた副搬送波を識別した後、残りの副搬送波に関連付けられる性能測定値が監視され得る。性能しきい値に適合していない性能測定値を有する副搬送波に対応するフィルタ要素のサブセット(適応フィルタバンク内の)が、「動的なノッチされた副搬送波(dynamic notched subcarrier)」を生成するために活性化され得る。PLCデバイスは、近接する副搬送波における動作状態が現在の動作状態から逸脱する場合、および/または、PLC帯域におけるPLCデバイスの全体的な性能が対応する性能しきい値に適合していない場合、適応フィルタバンク内のフィルタ要素の各々のフィルタ係数を適応するように構成され得る。フィルタ要素のフィルタ係数は、また、近接する副搬送波の性能に対してガードバンド(近接する副搬送波における)の幅を最適化するために、動的に更新され得る。そのような動的副搬送波ノッチング技法は、静的なウィンドウ手法(windowing approach)と比較した場合、PLCデバイスの性能(たとえば、スループット)を向上させることができる。副搬送波ノッチングのための動的な技法はまた、異なる環境においてPLCデバイスによって直面されるノッチング要件を満たして、不適切または不十分なノッチングによるシステム容量損失および性能低下を最小化することができる。
【0053】
[0058] 図1は、電力線通信(PLC)デバイス100におけるノッチングのための適応フィルタバンクメカニズムを含む、例示的なブロック図である。いくつかの実施形態では、PLCデバイス100は、1つのネットワークインターフェースを備え、電力線ネットワークを介して通信を交換するための機能だけを実行する、レガシーネットワークデバイスでよい。他の実施形態では、PLCデバイス100は、ハイブリッドネットワークデバイスの一部でよく、ハイブリッドネットワークデバイスの少なくとも1つのネットワークインターフェースが電力線通信機能を実装して、他のネットワークインターフェースが、他の適切なワイヤードまたはワイヤレス通信プロトコル(たとえば、イーサネット(登録商標)通信プロトコル、IEEE 802.11通信プロトコルなどのワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)通信プロトコル)を実装する。いくつかの実施形態では、PLCデバイス100は、HomePlug AVデバイスでよい。図1、PLCデバイス100を例示的なネットワークデバイスとして示している。しかしながら他の実施形態では、PLCデバイス100は、他の適切なタイプの通信技術(たとえば、イーサネット、WLAN等)を実装するネットワークデバイスのような、任意のタイプのネットワークデバイスでよい。再び図1の例を参照すると、PLCデバイス100は、適応フィルタバンク102と、フィルタ適応ユニット110と、通信媒体検知ユニット112とを備える。適応フィルタバンク102は、N個のフィルタ要素104、106、...、108を備える。図1において、通信媒体検知ユニット112はフィルタ適応ユニット110に結合されており、次に、フィルタ適応ユニット110は適応フィルタバンク102に結合されている。フィルタ適応ユニット110は、性能分析ユニット124と、係数決定ユニット126と、適応フィルタバンドコントローラ128とを備える。具体的には、一実施形態では、フィルタ適応ユニット110(たとえば、性能分析ユニット124)は、通信媒体検知ユニット112から、1つまたは複数の副搬送波に関連付けられる性能測定値を受信することができ、また、PLC帯域の1つまたは複数の副搬送波をノッチするかどうかを決定するために、受信された性能測定値を分析することができる。係数決定ユニット126は、受信された性能測定値に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のフィルタ要素のフィルタ係数を決定することができる。適応フィルタバンドコントローラ128は、フィルタ要素104、106、...、108のフィルタ係数(および、それに応じて、フィルタ特性)を制御/更新するために、それぞれ制御ライン118、120、...、122を介して信号を提供することができる。適応フィルタバンク102は、入力PLC信号114を受信して、後続の処理および送信のためのフィルタリングされた出力PLC信号116を生成する。いくつかの実施形態では、適応フィルタバンク102は、適切な前処理動作(たとえば、前増幅等)の後に、入力PLC信号114を受信できる点に留意されたい。さらに、出力PLC信号は、電力線ネットワーク上で送信される前に、さらに処理され得る(たとえば、後増幅、変調、デジタル−アナログ変換等)。以下でさらに説明されるように、適応フィルタバンク102と、フィルタ適応ユニット110と、通信媒体検知ユニット112とは、PLC帯域における効率的なノッチングのために、PLCデバイス100によって検出された様々な状態/性能に適応するべく連携して動作することができる。
【0054】
[0059] いくつかの実装形態では、フィルタ適応ユニット110(たとえば、適応フィルタバンドコントローラ128)は、PLC帯域において静的なノッチされた副搬送波を生成するように構成された適応フィルタバンク102のフィルタ要素を活性化する。典型的には、適応フィルタバンク102内の各フィルタ要素104、106...108は、PLC帯域における1つの副搬送波(または、副搬送波の1つのグループ)をノッチングすることを担当する。言い換えれば、PLCデバイス100が15のノッチを生成するように構成されている場合、フィルタバンク102は、15のノッチのうちの対応する1つを生成するために1つのフィルタ要素の、少なくとも15のフィルタ要素を備えることができる。たとえば、フィルタ適応ユニット110(たとえば、適応フィルタバンドコントローラ128)は、フィルタ要素104は、PLC帯域において、静的なノッチされた副搬送波(または、隣接する副搬送波のノッチされたグループ)を生成するように構成されていると決定することができ、また、フィルタ要素104を有効/活性化することができる。別の例として、フィルタ適応ユニット110(たとえば、適応フィルタバンドコントローラ128)は、フィルタ要素106と108とは、PLC帯域において動的なノッチを生成するように構成されていると決定することができ、また、フィルタ要素106と108とを最初に無効にすることができる。いくつかの実施形態では、フィルタ適応ユニット110(たとえば、適応フィルタバンドコントローラ128)は、対応するフィルタ要素104と、106と、108とに活性化または無効のいずれかを行うために、制御ライン118と、120と、122とに沿って適切な信号を送信することができる。フィルタ適応ユニット110(たとえば、係数決定ユニット126)は、フィルタ要素104と、106と、108とが、適切なノッチング深度/幅(notching depth/width)を有するPLC帯域の適切な副搬送波をノッチできるように、フィルタ要素104と、106と、108とに適用されるべきフィルタ係数の表示を送信することができる。いくつかの実施形態では、フィルタ適応ユニット110は、制御ライン118と、120と、122とに沿って、対応するフィルタ要素104と、106と、108とを有効または無効のいずれかにするための第1の制御信号と、有効にされたフィルタ要素に適切なフィルタ係数を適用するための第2の制御信号との、2つの制御信号を適用することができる。他の実施形態では、フィルタ適応ユニット110は、適切なフィルタ係数を適用するために、1つの制御信号だけを提供することができる。この実施形態では、フィルタ適応ユニット110は、フィルタ要素104が有効/活性化されるべきであると間接的に表示するために、フィルタ要素(たとえば、フィルタ要素104)に非ゼロフィルタ係数を提供することができる。フィルタ要素(たとえば、フィルタ要素106)にゼロ値のフィルタ係数を提供することによって、フィルタ要素106が現在無効にされるべきであることを表示することができる。いくつかの実施形態では、最良チャネル性能に基づいて、有効にされたフィルタ要素104の最初のフィルタ係数が適用され得る。以下でさらに説明されるように、フィルタ係数は、近接する副搬送波における信号対ノイズ比(SNR)および/または他の適切な性能測定値における変化に基づいて、その後、適応され得る。
【0055】
[0060] 図2は、各フィルタ要素が少なくとも1つのノッチされた副搬送波を生成する、適応フィルタバンクの例示的な実施形態を示す図である。図2は、周波数(X軸)対電力スペクトル密度(PSD:power spectral density)(Y軸)の、グラフ200を示している。グラフ200は、連続するノッチされた副搬送波の3つのグループ(副搬送波グループ202、204、および208と呼ばれる)を示している。本開示では、1つまたは複数の連続する副搬送波のグループは、「副搬送波グループ(subcarrier group)」と呼ばれる。以下でさらに説明されるように、副搬送波グループをノッチすると決定することに応答して、副搬送波グループを構成する副搬送波のすべてがノッチされ得る。図2は、また、一実施形態による、適応フィルタバンク102の4つのフィルタ要素252、254、256、および258を含むPLCデバイス100の一部を示している。図2において、フィルタ要素252、254、256、および258は、それぞれ副搬送波グループ202、204、206、および208をノッチするように構成されている。フィルタ要素252、254、256、および258の各々は、対応するスイッチ260、262、264、266に関連付けられる。フィルタ要素252、254、256、および258の各々は、フィルタ適応ユニット110に結合されている。図2には示されていないが、いくつかの実施形態では、スイッチ260、262、264、および266の各々は、フィルタ適応ユニット110に結合され得る。スイッチ260、262、264、および266は、たとえばフィルタ適応ユニット110からの制御信号に基づいて、処理パスにおけるそれらのそれぞれのフィルタ要素を、それぞれ接続する(たとえば、フィルタ要素を活性化する)ことができる。図2に示される例では、フィルタ適応ユニット110(たとえば、性能分析ユニット124)は、副搬送波グループ202、204、および208はノッチされるべきであり、副搬送波グループ206はノッチされるべきではないと決定することができる。したがって、スイッチ260、262、および266は、処理パスにおいてそれらの対応するフィルタ要素252、254、および258を接続することができ、スイッチ264はフィルタ要素256を処理パスから切断することができる。図2に示されるように、フィルタ要素252と、254と、258とは、それらのそれぞれのノッチされた副搬送波グループ202と、204と、208とを生成することができ、フィルタ要素256は副搬送波グループ206をノッチすることができない(処理パスにおいて接続されていないため)。言い換えれば、処理パスにおいてフィルタ要素252を接続することによって、副搬送波グループ202の一部であるすべての副搬送波がノッチされ得る。以下でさらに論じられるように、PLCデバイス100の動作の間、フィルタ適応ユニット110(たとえば、性能分析ユニット124)が、副搬送波グループ206の性能測定値は対応する性能測定しきい値に適合していないと決定する場合、フィルタ適応ユニット110は、副搬送波グループ206をノッチすると動的に決定することができ、また、対応するフィルタ要素256を活性化することができる。
【0056】
[0061] 図2のグラフ200はまた、ノッチされない、またPLC信号の送信のために使用され得る、複数の副搬送波を示している。典型的には、2つのノッチされた副搬送波グループの間に、複数の副搬送波または副搬送波グループ(ノッチされない)があり得る。明確にするために、ノッチされない副搬送波グループは、分離点線(dashed separating lines)によって識別される。ノッチされない副搬送波グループは、図2において、副搬送波グループ211、212、216、217、218、220、221、206、222、223、224、および225として識別される。上述されたように、副搬送波グループの各々は、任意の適切な数の副搬送波を備え得る。いくつかの実施形態では、副搬送波グループのすべては、同じ数の構成副搬送波を有することができる。しかしながら、他の実施形態では、副搬送波グループの各々は、異なる数の構成副搬送波を備えることができる。再び図2を参照すると、副搬送波グループ212および216が、ノッチされた副搬送波グループ202に近接(または、隣接)している。したがって、副搬送波グループ212および216は、本明細書では、ノッチされた副搬送波グループ202の「近接する副搬送波(adjacent subcarrier)」と呼ばれる。同様に、副搬送波グループ218と220とのペア、および副搬送波グループ220と222とのペアは、それぞれノッチされた副搬送波グループ204と208との、それぞれ近接する副搬送波である。図2は、各ノッチされた副搬送波グループ(たとえば、ノッチされた副搬送波グループ204)が、各端で、単一の近接する副搬送波グループ218と220とに関連付けられているものとして示しているが、実施形態はそれに限定されない点に留意されたい。近接する副搬送波は、ノッチされた副搬送波グループに関連付けられるガードバンドの一部である副搬送波として識別され得る。したがって、いくつかの実施形態では、ノッチされた副搬送波グループ204に関連付けられるガードバンドは、近接する副搬送波グループ218および220の一部(たとえば、副搬送波グループ218および220に属する1つまたは複数の構成副搬送波)を浸食する場合がある。他の実施形態では、ノッチされた副搬送波グループ204に関連付けられるガードバンドは、副搬送波グループ218と220とを完全に浸食して、また副搬送波グループ217および221)との端で、1つまたは複数の構成副搬送波を浸食する場合がある。この実施形態では、ノッチされた副搬送波グループは、各端で、2つ以上の近接する副搬送波に関連付けられ得る。また、ノッチまたはガードバンドの一部である副搬送波は、PLC信号の送信のために使用され得ない点に留意されたい。一方、ノッチまたはガードバンド(ノッチのための)の一部ではない副搬送波は、PLC信号を送信するために使用され得る。たとえば、図2において、副搬送波グループ216、217、および218は、ノッチされた副搬送波グループ202と204との間にある。図2では、副搬送波グループ216、217、および218はノッチされない。しかしながら、副搬送波グループ216はノッチされた副搬送波グループ202に近接しており、副搬送波グループ218はノッチされた副搬送波グループ204に近接している。副搬送波グループ216および218がガードバンドの一部である場合、副搬送波グループ216および218はPLC信号を送信するために使用され得ず、副搬送波グループ217はPLC信号を送信するために使用され得る。
【0057】
[0062] 再び図1を参照すると、1つまたは複数の動的なノッチが生成されるべきかどうかを決定するために、フィルタ適応ユニット110は、通信媒体検知ユニット112と連携して動作することができる。フィルタ適応ユニット110は、適切な1つまたは複数の動的なノッチを生成することを担当する1つまたは複数のフィルタ要素を活性化することができる。通信媒体検知ユニット112は、PLC媒体についての現在の情報を決定するために、定期的に、または連続的に、PLC媒体を検知することができる。たとえば、通信媒体検知ユニット112は、他の通信アプリケーションおよびシステムが使用されているかどうか、どの副搬送波が使用されているか、動的ノッチングがどの副搬送波に適用されるべきか、ノッチされた副搬送波(または、ノッチされた副搬送波グループ)が低減されるべき電力スペクトル密度レベル(「ノッチ深度(notch depth)」)等を決定することができる。PLC媒体の現在の状態(通信媒体検知ユニット112から受信された)に基づいて、フィルタ適応ユニット110(たとえば、性能分析ユニット124)は、1つまたは複数の動的なノッチが生成されるべきかどうかを決定することができる。言い換えれば、フィルタ適応ユニット110は、干渉されたシステム(たとえば、PLCデバイス100が干渉するシステム)の性能が、干渉されたシステムの対応する性能しきい値に適合していないと推定される場合、1つまたは複数の副搬送波(または、副搬送波グループ)を動的にノッチすると決定することができる。たとえば、フィルタ適応ユニット110は、干渉されたシステムの通信帯域において検出されたPLC送信電力(PLCデバイス100の)が送信電力しきい値よりも大きい場合、PLCデバイス100の1つまたは複数の副搬送波(または、副搬送波グループ)を動的にノッチすると決定することができる。フィルタ適応ユニット110(たとえば、適応フィルタバンドコントローラ128)は、必要に応じて、異なる時刻に、異なる周波数帯域で、および異なるノッチング深度で、適切な1つまたは複数の動的なノッチを生成することを担当する1つまたは複数のフィルタ要素を活性化するために、1つまたは複数の制御信号を提供することができる。図2の例を参照すると、フィルタ適応ユニット110(たとえば、性能分析ユニット124)は、PLC帯域の副搬送波グループ206を構成する1つまたは複数の副搬送波上で、別の通信デバイスが通信を送信していると決定することができる。他の通信デバイスとの干渉を回避するために、フィルタ適応ユニット110(たとえば、性能分析ユニット124)は、副搬送波グループ206を動的にノッチすると決定することができる。フィルタ適応ユニット110は、フィルタ要素256は、副搬送波グループ206をノッチするよう設計されていると決定することができる。次いで、フィルタ適応ユニット110(たとえば、適応フィルタバンドコントローラ128)は、フィルタ要素256を有効/活性化して、フィルタ要素256に適切なフィルタ係数を適用するために、制御信号を提供することができる。フィルタ要素256は、適切なノッチ深度に副搬送波グループ206をノッチすることができる。以下でさらに説明されるように、フィルタ適応ユニット110は、フィルタ要素のフィルタ係数を更新するかどうか/更新する方法を決定するために、通信媒体検知ユニット112と連携して動作することができる。
【0058】
[0063] 次いで、フィルタ適応ユニット110は、1つまたは複数のフィルタ要素に対応する、近接する副搬送波(または、近接する副搬送波グループ)の性能測定値に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のフィルタ要素のフィルタ係数を更新することができる。通信媒体検知ユニット112は、PLC媒体を検知して、近接する副搬送波の性能測定値を決定することができる。性能測定値は、SNR測定値、信号強度測定値、ノイズレベル測定値、干渉レベル測定値、減衰測定値、SNR分布(SNR distribution)等を備え得る。いくつかの実施形態では、近接する副搬送波において使用される変調および符号化スキーム(MCS:modulation and coding scheme)も考慮され得る。通信媒体検知ユニット112は、近接する副搬送波(または、近接する副搬送波グループ)の性能測定値を、連続的に、定期的な間隔で、または任意の適切な(あらかじめ定められた、または動的に決定された)検知スケジュールに従って、推定することができる。フィルタ適応ユニット110(たとえば、性能分析ユニット124)は、フィルタ要素の各々によって生成された、ノッチされた副搬送波グループに近接/隣接する、近接する副搬送波に関連付けられる性能測定値を受信することができる。図2の例を参照すると、フィルタ要素254は、副搬送波グループ204をノッチするように設計されている。フィルタ適応ユニット110(たとえば、性能分析ユニット124)は、ノッチされた副搬送波グループ204に近接する副搬送波グループ218と220とに関連付けられる性能測定値を受信することができる。近接する副搬送波グループ218および220の性能測定値に基づいて、フィルタ適応ユニット110(たとえば、係数決定ユニット126)は、ノッチされた副搬送波グループ204のノッチング特性(たとえば、ノッチング深度、ノッチング幅等)が変更されるべきかどうかを決定することができる。ノッチされた副搬送波グループ204のノッチング特性は、フィルタ要素254のフィルタ係数によって制御され得る。したがって、近接する副搬送波グループ218および220の性能測定値に基づいて、フィルタ適応ユニット110(たとえば、係数決定ユニット126)は、フィルタ要素254のフィルタ係数が変更されるべきかどうかを決定することができる。いくつかの実施形態では、フィルタ適応ユニット110(たとえば、係数決定ユニット126)はまた、フィルタ要素の係数を変更するかどうかを決定するために、PLCデバイス100での全体的な性能(たとえば、全体的なPLC帯域のSNR)を分析することができる。フィルタ適応ユニット110(たとえば、係数決定ユニット126)は、対応する、近接する副搬送波グループ218および220の実際の動作状態、および/または、PLC帯域内のPLCデバイス100の全体的な性能(たとえば、全体的なSNR)が、所望の動作状態から逸脱する場合、フィルタ要素254のフィルタ係数を修正することができる。PLCデバイス100の全体的な性能は、シンボル間干渉(ISI)によって影響され得る。次に、ISIは、ノッチされた副搬送波グループを生成するフィルタ要素の各々のフィルタ順序、およびノッチされた副搬送波グループの各々のガードインターバルによって決定され得る。一実施形態では、フィルタ適応ユニット110(たとえば、係数決定ユニット126)は、近接する副搬送波の性能測定値(たとえば、SNR)、およびPLC帯域における全体的な性能を、フィルタ要素254のためのフィルタ係数の新しいセットにリアルタイムに変換することができ、またそれに応じて、フィルタ要素254のフィルタ係数を適応することができる。たとえば、最小平均二乗誤差(MMSE:minimum mean square error)フィルタリングアルゴリズム(たとえば、ウィーナーフィルタ、カルマンフィルタを使用する)などの様々な適応アルゴリズム、または適切なヒューリスティック適応アルゴリズム(heuristic adaptation algorithm)が、近接する副搬送波グループのSNR、および/またはPLC帯域における全体的なSNRを、フィルタ要素の適切なフィルタ係数に変換するために使用され得る。別の実施形態では、フィルタ適応ユニット110(たとえば、係数決定ユニット126)は、フィルタ要素254に関連付けられるルックアップテーブルにアクセスすることができ、また、近接する副搬送波218および220の現在の性能測定値、および/または、PLC帯域におけるPLCデバイス100の全体的な性能に対応する、事前に計算されたフィルタ係数を識別することができる。近接する副搬送波の最近の性能測定値、およびPLC帯域における全体的な性能に従って、フィルタ係数を更新することによって、PLC信号は、現在の環境および現在のPLC媒体状態に従って適切にフィルタリングされ得る。いくつかの実施形態では、近接する副搬送波の性能(たとえば、SNR)は、ノッチされた副搬送波グループ上で動作している他の通信デバイスによって(たとえば、近接する副搬送波における帯域外輻射によって)影響され得る点に留意されたい。この実施形態では、近接する副搬送波のSNRがSNRしきい値よりも小さいと決定される場合、フィルタ適応ユニット110は、ノッチされた副搬送波グループ(フィルタ要素によって生成された)のガードバンドを増加するために、対応するフィルタ要素のフィルタ係数を適応するよう決定することができる。
【0059】
[0064] PLC帯域の他の副搬送波(たとえば、近接する副搬送波に加えて)を連続的に監視するために、および追加の副搬送波(または、副搬送波グループ)を動的にノッチするかどうかを決定するために、フィルタ適応ユニット110(たとえば、性能分析ユニット124)は、通信媒体検知ユニット112と連携して動作することができる点に留意されたい。さらに、フィルタ適応ユニット110(たとえば、性能分析ユニット124)はまた、動的にノッチされた副搬送波グループのうちの1つまたは複数のノッチングを停止するかどうかを決定することができる。たとえば、近接する副搬送波218および220のSNR測定値があらかじめ定められたしきい値(たとえば、副搬送波グループ204をノッチするかどうかを決定するために使用されるSNRしきい値とは異なる)を超える場合、フィルタ適応ユニット110は、副搬送波グループ204には干渉通信がないと決定することができる。したがって、フィルタ適応ユニット110は、副搬送波グループ204のノッチングを停止すると決定することができ、またPLCデバイス100がPLC信号送信のために副搬送波グループ204を使用することを許可することができる。したがって、フィルタバンク102は、任意の適切な副搬送波周波数(たとえば、PLC帯域内)で、任意の適切なノッチング深度で、および任意の適切な時刻に、任意の適切な数のノッチされた副搬送波(または、隣接する副搬送波のグループ)を生成するように適応され得る。
【0060】
[0065] 図3は、PLC媒体における動的副搬送波ノッチングのための例示的な動作を示す流れ図(「フロー」)300である。フロー300は、ブロック302から開始する。
【0061】
[0066] ブロック302で、フィルタバンクの1つまたは複数のフィルタ要素に関連付けられるフィルタ係数を適用することによって、1つまたは複数のノッチされた副搬送波が生成される。上述されたように、フィルタバンクは複数のフィルタ要素を備えることができ、フィルタ要素の各々は、通信帯域において、少なくとも1つのノッチされた副搬送波、またはノッチされた副搬送波グループ(たとえば、1つまたは複数の隣接する副搬送波)を生成するように構成され得る。図4のブロック408と410とにおいて以下でさらに説明されるように、フィルタ適応ユニット110(たとえば、適応フィルタバンドコントローラ128)は、PLC帯域における対応する1つまたは複数のノッチされた副搬送波グループを生成するために、1つまたは複数のフィルタ要素を活性化することができる。フローはブロック304に続く。
【0062】
[0067] ブロック304で、通信帯域における1つまたは複数の副搬送波の性能測定値が決定される。いくつかの実施形態では、各ノッチされた副搬送波に近接する、1つまたは複数の近接する副搬送波の性能測定値が決定され得る。上述されたように、近接する副搬送波は、1つまたは複数のフィルタ要素によって生成された、ノッチされた副搬送波グループに隣接する副搬送波(または、副搬送波グループ)でよい。さらに、いくつかの実施形態では、PLC帯域におけるすべての副搬送波にわたるPLCデバイスの全体的な性能が決定され得る。いくつかの実施形態では、ノッチされた副搬送波(または、副搬送波グループ)の各々の性能測定値も決定され得る。たとえば、通信媒体検知ユニット112は、PLC通信帯域においてノッチされないPLC副搬送波のSNRを決定することができ、また、ノッチされた副搬送波における信号電力(別の通信システムまたはPLCデバイス100のいずれかから発せられた)を決定することができる。いくつかの実施形態では、性能測定値は、信号強度、信号対ノイズ比(SNR)、減衰レベル、ノイズレベル、および/または他の適切な性能測定値を含み得る。以下でさらに論じられるように、近接する副搬送波の性能測定値および/またはPLC帯域における全体的な性能は、1つまたは複数のノッチされた副搬送波グループの特性(たとえば、ノッチング深度、長さ等)を変更するかどうかを決定するために使用され得る(たとえば、性能分析ユニット124によって)。フローはブロック306に続く。
【0063】
[0068] ブロック306で、少なくとも1つのノッチされた副搬送波(または、少なくとも1つのノッチされた副搬送波グループ)を生成するために使用される少なくとも1つのフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数が決定される。上述されたように、係数決定ユニット126は、1つまたは複数の近接する副搬送波の性能測定値、および/またはPLC帯域におけるPLCデバイス100の全体的な性能に少なくとも部分的に基づいて、更新されたフィルタ係数を決定することができる。フローはブロック308に続く。
【0064】
[0069] ブロック308で、少なくとも1つのノッチされた副搬送波(または、少なくとも1つのノッチされた副搬送波グループ)の動作特性が、対応するフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数に少なくとも部分的に基づいて変更される。たとえば、適応フィルタバンドコントローラ128は、更新されたフィルタ係数をフィルタ要素に適用することができる。これは、次に、フィルタ要素によって生成された、ノッチされた副搬送波(または、ノッチされた副搬送波グループ)の動作特性を修正することができる。ブロック308から、フローは終了する。
【0065】
[0070] 図4および図5は、副搬送波を動的にノッチするためのPLCデバイスの例示的な動作を示す流れ図(「フロー」)400を示している。フロー400は、図4のブロック402から開始する。
【0066】
[0071] ブロック402で、1つまたは複数の静的なノッチされた副搬送波グループを生成するために、適応フィルタバンクの複数のフィルタ要素のうちの1つまたは複数が活性化される。図1および図2の例を参照すると、フィルタ適応ユニット110(たとえば、性能分析ユニット124)は、適応フィルタバンク102内のフィルタ要素252、254、256、および/または258のうちのどれが、静的なノッチされた副搬送波グループ(PLC規格/仕様に基づいてあらかじめ定められた)を生成するように構成されているかを決定することができる。上述されたように、各副搬送波グループは、1つまたは複数の隣接する副搬送波のクラスタを備えることができる。一実施形態では、フィルタ適応ユニット110(たとえば、適応フィルタバンドコントローラ128)は、静的なノッチされた副搬送波グループ202を生成するように構成された、対応するフィルタ要素252を有効/活性化するために、制御信号を(たとえば、スイッチ260に)送信することができる。フィルタ適応ユニット110(たとえば、適応フィルタバンドコントローラ128)は、さらに、活性化されたフィルタ要素にそれぞれの副搬送波グループを適切なノッチ深度およびノッチ幅までノッチさせるべく、適切なフィルタ係数を適用するために、制御信号を送信することができる。いくつかの実施形態では、フィルタ要素に最初に適用されたフィルタ係数は、対応するPLC副搬送波グループの最良の性能に基づいてあらかじめ定められ得る。いくつかの実施形態では、最初のフィルタ係数は、対応するPLC副搬送波グループの過去の性能測定値に基づいて決定され得る。他の実施形態では、最初のフィルタ係数は、起動時(または、チャネル推定プロセスの間)に、シミュレーション、またはPLC副搬送波グループの性能測定値に基づいて決定され得る。以下でさらに論じられるように、フィルタ要素に適用される最初のフィルタ係数は、静的なノッチされた副搬送波グループに近接する副搬送波グループの現在の性能における変化に従って更新され得る。フローはブロック404に続く。
【0067】
[0072] ブロック404で、電力線通信媒体の副搬送波に関連付けられる性能測定値が決定される。図1を参照して上述されたように、ブロック402で、通信媒体検知ユニット112は、PLC帯域における副搬送波に関連付けられる性能測定値(たとえば、SNR、信号強度、減衰/ノイズレベル等)を決定することができる。これらの性能測定値に基づいて、フィルタ適応ユニット110(たとえば、性能分析ユニット124)は、他の通信アプリケーションが現在使用されているか、他の通信アプリケーションによってどの副搬送波が使用されているか、等を決定することができる。いくつかの実施形態では、フィルタ適応ユニット110(たとえば、性能分析ユニット124)はまた、ローカル検知ユニットから他の通信システムの動作についての1つまたは複数の通知を、あるいは、動作周波数帯域を示す他の通信アプリケーションから1つまたは複数の通知を受信することができる点に留意されたい。たとえば、ローカル検知ユニットは、他の通信システムの通信帯域において検出されたPLC送信電力(PLCデバイス100の)が、しきい値電力よりも大きいかどうかを表示することができる。これらの通知に基づいて、フィルタ適応ユニット110は、他の通信アプリケーションを干渉/重複する、PLC帯域における1つまたは複数の副搬送波グループを識別することができ、また、PLC信号送信の間にそれらの重複する副搬送波グループを動的にノッチすると決定することができる。フローはブロック406に続く。
【0068】
[0073] ブロック406で、ブロック404で決定された性能測定値に少なくとも部分的に基づいて、動的なノッチされた副搬送波グループを生成するかどうかが決定される。いくつかの実施形態では、他の通信システムの性能が、それらの副搬送波で悪影響を受けるであろう場合(たとえば、PLCデバイス100が他の通信システムを干渉する場合)、副搬送波(静的にノッチされていない)に関連付けられる性能測定値が監視されてよく、対応するフィルタ要素が動的に活性化されてよい。たとえば、フィルタ適応ユニット110は、別の通信システムの通信帯域において検出されたPLC送信電力(PLCデバイス100の)が、他の通信システムの動作要件によって決定された送信電力しきい値よりも大きい場合、副搬送波グループ206を動的にノッチする(すなわち、動的なノッチされた副搬送波グループ206を生成する)と決定することができる。PLCデバイス100が、1つまたは複数の副搬送波における通信システムを干渉するかどうかを決定するために、他の通信システムの他の適切な性能測定値は、対応する性能測定しきい値に対して比較され得る点に留意されたい。一例では、別の通信アプリケーション(たとえば、RFIDアプリケーション)が、副搬送波グループ206の1つまたは複数の構成副搬送波上で通信して、PLC信号が潜在的にRFIDアプリケーションを干渉すると決定される場合、フィルタ適応ユニット110(たとえば、性能分析ユニット124)は、副搬送波グループ(たとえば、副搬送波グループ206)を動的にノッチすると決定することができる。性能測定しきい値は、ガードバンド幅と、結果として得られるISIとの間の良好な妥協を達成するように選択され得る。性能測定しきい値はまた、PLCデバイス100の最大許容送信電力と、ベースライン(最小)ガードインターバル幅とを考慮に入れることができる。1つまたは複数の動的なノッチされた副搬送波グループを生成すると決定される場合、フローはブロック408に続く。そのように決定されない場合、フローはブロック412に続く。
【0069】
[0074] ブロック408で、動的なノッチされた副搬送波グループを生成するように構成された複数のフィルタ要素のうちの1つまたは複数が識別される。上述されたように、適応フィルタバンク102は、各々がPLC帯域において少なくとも1つの副搬送波グループをノッチするように設計された、複数のフィルタ要素を備えることができる。フィルタ要素の各々は、N次(N-order)無限インパルス応答(IIR)フィルタ、N次有限インパルス応答(FIR)フィルタ、または、任意の適切なフィルタ次の別の適切なフィルタでよい。フィルタ適応ユニット110が、副搬送波グループ206をノッチすると決定する場合(ブロック406で)、フィルタ適応ユニット110は、副搬送波グループ206をノッチするために、対応するフィルタ要素256を有効/活性化すると決定することができる。これによって、PLCデバイス100が、副搬送波グループ206上でPLC信号を送信することを回避し、したがって、PLCデバイス100と他の通信アプリケーションとの間の干渉の可能性を最小限に抑える。フローはブロック410に続く。
【0070】
[0075] ブロック410で、動的なノッチされた副搬送波グループを生成するように構成された、識別されたフィルタ要素が活性化される。図2の例を参照すると、副搬送波グループ206を動的にノッチすると決定される場合、フィルタ適応ユニット110(たとえば、適応フィルタバンドコントローラ128)は、フィルタ要素256(副搬送波グループ206をノッチするように設計された)を処理パスに接続するために、スイッチ264に制御信号を送信することができる。別の例として、副搬送波グループ206を動的にノッチすると決定される場合、フィルタ適応ユニット110は、フィルタ要素256を活性化/有効にするために、制御信号をフィルタ要素256に送信することができる。フィルタ適応ユニット110(たとえば、適応フィルタバンドコントローラ128)はまた、フィルタ要素256に適用されるべき最初のフィルタ係数を提供することができる。ブロック402を参照して上記で同様に論じられるように、いくつかの実施形態では、フィルタ要素(動的なノッチされた副搬送波グループ206を生成する)に最初に適用されたフィルタ係数は、対応する、近接する副搬送波(または、副搬送波グループ)の最良の性能に基づいて、あらかじめ定められ得る。いくつかの実施形態では、最初のフィルタ係数は、対応する、近接するPLC副搬送波の過去の性能測定値、シミュレーション、および/または性能測定値(起動時の)に基づいて決定され得る。以下でさらに論じられるように、フィルタ要素に適用されたフィルタ係数は、動的なノッチされた副搬送波グループに近接する副搬送波の現在の性能における変化、および/またはPLC帯域におけるPLCデバイス100の全体的な性能における変化に従って更新され得る。フローは、図5のブロック412に続く。
【0071】
[0076] ブロック412で、適応フィルタバンクの活性化されたフィルタ要素ごとにループが開始する。たとえば、フィルタ適応ユニット110(通信媒体検知ユニット112と連携する)は、ノッチされた副搬送波グループに近接する副搬送波の性能測定値、および/または、PLC帯域におけるPLCデバイス100の全体的な性能に少なくとも部分的に基づいて、フィルタ要素に関連付けられるフィルタ係数を決定して更新するために、以下でブロック414〜420において説明する動作を実行することができる。フローはブロック414に続く。
【0072】
[0077] ブロック414で、フィルタ要素によって生成されたノッチされた副搬送波グループに近接する、近接する副搬送波に関連付けられる性能測定値、およびPLC帯域における全体的な性能測定値が決定される。いくつかの実施形態では、通信媒体検知ユニット112は、近接する副搬送波、または対象のフィルタ要素(たとえば、フィルタ要素254)によって生成されたノッチされた副搬送波グループ(たとえば、ノッチされた副搬送波グループ204)に近接する副搬送波グループ(たとえば、副搬送波218および220)に関連付けられる性能測定値(たとえば、SNR、信号強度、減衰/ノイズ/干渉レベル、および/または他の適切な性能測定値)を決定することができる。通信媒体検知ユニット112はまた、PLC帯域におけるPLCデバイス100の全体的な性能(たとえば、SNR、信号強度、減衰/ノイズ/干渉レベル、および/または他の適切な性能測定値)を決定することができる。さらに、いくつかの実施形態では、ノッチされた副搬送波(または副搬送波グループ)の各々の性能測定値も決定され得る。たとえば、通信媒体検知ユニット112は、PLC通信帯域においてノッチされないPLC副搬送波のSNR、およびノッチされた副搬送波における信号電力(別の通信システムまたはPLCデバイス100のいずれかから発せられた)を決定することができる。フローはブロック416に続く。
【0073】
[0078] ブロック416で、近接する副搬送波に関連付けられる性能測定値、およびPLC帯域における全体的な性能に少なくとも部分的に基づいて、フィルタ要素に関連付けられるフィルタ係数を更新するかどうかが決定される。たとえば、フィルタ適応ユニット110(たとえば、性能分析ユニット124)は、近接する副搬送波218および220(フィルタ要素254によって生成された、ノッチされた副搬送波グループ204に近接する)に関連付けられる性能測定値を分析することができる。いくつかの実施形態では、フィルタ適応ユニット110(たとえば、性能分析ユニット124、および/または係数決定ユニット126)は、ノッチされた副搬送波グループ204に近接する、近接する副搬送波グループ218および220(1つまたは複数の隣接する副搬送波のグループ)に関連付けられる性能測定値を分析することができる点に留意されたい。一例では、フィルタ適応ユニット110は、近接する副搬送波(または、副搬送波グループ)218および220に関連付けられるSNRと、ルックアップテーブルにおけるエントリとを比較することができる。ルックアップテーブルは、フィルタ適応ユニット110の一部として、PLCデバイス100に、またはPLCデバイス100およびフィルタ適応ユニット110とは別のデータ構造内に実装され得る。ルックアップテーブルは、ノッチされた副搬送波グループ204に関連付けられる、近接する副搬送波(または、副搬送波グループ)218および220のための1つまたは複数のSNR範囲のセットを備え得る。各SNR範囲は、ノッチされた副搬送波グループ204を生成したフィルタ要素254のフィルタ係数の対応するセットに関連付けられ得る。たとえば、近接する副搬送波218および220のSNRが第1のSNR範囲(たとえば、5デシベルから5.5デシベル)内にある場合、対応するフィルタ係数の第1のセットが選択され得る(たとえば、係数決定ユニット126によって)。所与のノッチされた副搬送波グループ204のために、ノッチされた副搬送波グループ204の近隣において(たとえば、近接する副搬送波218および220において)フィルタ容量、性能、および効率に対して、近接する副搬送波218および220におけるガードインターバルを最適化するために、SNR範囲はフィルタ係数のセットにマッピングされ得る。さらに、PLC帯域におけるPLCデバイス100の全体的な性能(たとえば、全体的なSNR)もまた、フィルタ係数を更新するかどうかを決定する際に考慮に入れられ得る。たとえば、PLCデバイス100の全体的なSNRが、PLCデバイス100のための1つまたは複数のSNR範囲のセットに対して比較され得る。したがって、所与のノッチされた副搬送波グループ204のために、対応するフィルタ要素254のフィルタ係数のセットが、近接する副搬送波218および220のSNRに基づいて、ならびにPLC帯域における全体的なSNRに基づいて選択され得る(たとえば、係数決定ユニット126によって)。より具体的には、フィルタ係数は、ノッチされた副搬送波グループ204のためのガードバンドとして利用される副搬送波グループ218および220における副搬送波の数を最小限に抑えるために選択されてよく、したがって、PLC信号を送信するために使用され得る近接する副搬送波グループの一部を増加する(すなわち、近接する副搬送波グループの通信容量を増加する)。フィルタ係数は、また、ノッチされた副搬送波グループ204のためのガードバンドとして利用される近接する副搬送波の数を減少させるために選択され得る。たとえば、フィルタ係数は、副搬送波グループ218および220からの唯一の構成副搬送波が、ノッチされた副搬送波グループ204の各端でガードバンドとして利用されることを確実にするために選択され得る。
【0074】
[0079] いくつかの実施形態では、各フィルタ要素は、近接する副搬送波(または、副搬送波グループ)のSNR範囲と、フィルタ要素の対応するフィルタ係数と間のマッピングを備えるルックアップテーブルに関連付けられ得る。各フィルタ要素はまた、PLCデバイス100のための全体的なSNR範囲と、フィルタ要素の対応するフィルタ係数との間のマッピングを備えるルックアップテーブルに関連付けられ得る。他の実施形態では、各フィルタ要素は、ノッチされた副搬送波グループの深度および幅に応じて、複数のルックアップテーブルに関連付けられ得る。たとえば、第1のノッチ深度についての5デシベルから5.5デシベルのSNR範囲のためのフィルタ係数は、同じSNR範囲および第2のノッチ深度のためのフィルタ係数とは異なり得る。いくつかの実施形態では、すべてのノッチされた副搬送波グループの性能要件は、互いに無関係でよい。たとえば、ノッチされた副搬送波グループ202のPLC送信電力およびスペクトル密度要件は、ノッチされた副搬送波グループ204のPLC送信電力およびスペクトル密度要件とは異なっていてよい。したがって、フィルタ要素の各々について、対応するフィルタ係数は互いに無関係でよい。たとえば、フィルタ要素252のフィルタ係数は、フィルタ要素254のフィルタ係数とは無関係でよい。他の実施形態では、すべてのノッチされた副搬送波グループの性能要件は、同じと考えられ得る。言い換えれば、ノッチされた副搬送波グループ202、204、206、および208は、同じPLC送信電力およびスペクトル密度要件を有し得る。この実施形態では、フィルタ要素252、254、256、および258は、SNR範囲(近接する副搬送波のSNR、および/またはPLC帯域における全体的なSNRがある)を、フィルタ要素の対応するフィルタ係数にマッピングする、共通のルックアップテーブルに関連付けられ得る。いくつかの実施形態では、ルックアップテーブルは、細かい粒度を有し得る。言い換えれば、ルックアップテーブルは、多数の狭いSNR範囲と、フィルタ係数の対応するセットとを備え得る。しかしながら、他の実施形態では、ルックアップテーブルは、荒い粒度を有し得る。すなわち、ルックアップテーブルは、より少数の広いSNR範囲と、フィルタ係数の対応するセットとを備え得る。いくつかの実施形態では、フィルタ適応ユニット110(たとえば、係数決定ユニット126)は、近接する副搬送波のSNR(または、他の適切な性能測定値)、および/またはPLC帯域における全体的なSNRを、対応するフィルタ係数に動的にマッピングすることができる点に留意されたい。たとえば、フィルタ適応ユニット110は、対応する、近接する副搬送波における性能測定値を連続的に受信するために、PLC帯域におけるPLCデバイス100の全体的な性能測定値を連続的に受信するために、および受信された性能測定値をフィルタ係数に変換するために、フィルタ要素ごとに制御ループを維持することができる。別の例として、PLCデバイス100は、適応フィルタバンク102において、フィルタ要素252、254、256、および258の各々(または、フィルタ要素の各構成要素)上で実行する制御ループを備え得る。制御ループは、受信された性能測定値を、対応するフィルタ係数に変換することができる。
【0075】
[0080] いくつかの実施形態では、フィルタ係数の新しいセットが、フィルタ係数の現在のセットと同じである場合、フィルタ適応ユニット110(たとえば、適応フィルタバンドコントローラ128)は、フィルタ係数を更新しない(たとえば、新しいフィルタ係数を示す制御信号をフィルタ要素に送信しない)と決定することができる。他の実施形態では、フィルタ適応ユニット110は、フィルタ係数の新しいセットが、フィルタ係数の現在のセットのあらかじめ定められたしきい値内(たとえば、1%内)である場合、フィルタ係数を更新しないと決定することができる。フィルタ要素に関連付けられるフィルタ係数を更新すると決定される場合、フローはブロック418に続く。あるいは、フィルタ要素に関連付けられるフィルタ係数を更新しないと決定される場合、フローはブロック420に続く。
【0076】
[0081] ブロック418で、更新されたフィルタ係数がフィルタ要素に適用される。フィルタ適応ユニット110が、フィルタ要素に関連付けられるフィルタ係数を更新すると決定する場合、フローはブロック416からブロック418に移動する。たとえば、フィルタ適応ユニット110(たとえば、適応フィルタバンドコントローラ128)が、フィルタ要素(たとえば、フィルタ要素254)の1つまたは複数の構成要素に、更新されたフィルタ係数を示す制御信号を送信することができる。フィルタ要素254のフィルタ係数を更新することによって、これは、対応する副搬送波グループ204が、近接する副搬送波グループ216および218、ならびにPLCデバイス100のスループットおよび性能を低下させずに、最適にノッチされることを確実にすることができる。フローはブロック420に続く。
【0077】
[0082] ブロック420で、追加の活性化されたフィルタ要素が分析されるべきかどうかが決定される。フィルタ適応ユニット110(たとえば、性能分析ユニット124)が、別のフィルタ要素を分析すると決定する場合、フローはブロック412にループバックして、次のフィルタ要素が識別されて、次のフィルタ要素のために、ブロック414〜418を参照して上述された動作が実行される。そのように決定されない場合、フローは終了する。
【0078】
[0083] 図1図5、および本明細書に記載される動作は、実施形態の理解を助けるために意図された例であり、実施形態を限定するために、または特許請求の範囲を限定するために使用されるべきではないことが理解されるべきである。実施形態は、追加の動作、より少ない動作、異なる順序の動作、並列の動作、およびいくつかの動作を異なるように実行することができる。いくつかの実施形態では、上述されたように、静的なノッチ(static notch)および動的なノッチ(dynamic notch)を生成するためにIIRフィルタリング技法が使用され得る。他の実施形態では、静的なノッチおよび動的なノッチを生成するのにFIRフィルタリング技法が使用され得る。他の実施形態では、PLC帯域の適切な副搬送波グループをノッチするために、他の適切なフィルタリング技法およびフィルタ設計が使用され得る。一例では、副搬送波グループの各々をノッチするために、バンドストップフィルタが使用され得る。個々のバンドストップフィルタは、周波数ドメイン内のすべての必要な副搬送波グループをノッチするために、直列に接続され得る。別の例では、ノッチの端で小さいガードバンド幅を有する深いノッチを生成する(適切な副搬送波グループで)ために、楕円IIRフィルタ(elliptic IIR filter)が使用され得る。しかしながら、PLC帯域内のすべての必要な副搬送波グループをノッチするために、他の適切な数およびタイプのフィルタは、任意の適切な構成で接続され得る点に留意されたい。たとえば、複数の副搬送波グループをノッチするために1つのフィルタが設計されてよく、1つの副搬送波グループをノッチするために2つ以上のフィルタが設計されてよい。
【0079】
[0084] いくつかの実施形態では、フィルタ適応ユニット110(たとえば、性能分析ユニット124、および/または係数決定ユニット126)は、フィルタ要素のフィルタ係数を変更する方法/変更するかどうかを決定する際に、PLCデバイス100の性能を(全体として)考慮することができる。たとえば、フィルタ要素のフィルタ係数は、これらの周波数領域(すなわち、近接する副搬送波)における容量の増加のために、より広くより多数のガードバンドの使用に対するISIにおける増加を犠牲にすることによって、PLCデバイス100の状態および性能に適応され得る。
【0080】
[0085] いくつかの実施形態では、フィルタ適応ユニット110(たとえば、性能分析ユニット124、および/または係数決定ユニット126)は、PLCデバイス100のアプリケーション、PLCデバイス100と同じ副搬送波(または、副搬送波グループ)を共有している他の通信アプリケーション、PLCデバイス100のサービスの所望の品質、他の通信アプリケーションのサービスの所望の品質、および他の適切な考慮に基づいて、ノッチされた副搬送波グループで積極的なフィルタリングを実行するかどうかを決定することができる。積極的なフィルタリング手法は、ノッチされた副搬送波グループが、小さいガードバンド幅を有する少数のガードバンドを有することを示すことができる。しかしながら、これは、ノッチされた副搬送波グループの端に鋭いカットオフ(たとえば、急勾配)があることも示す。この鋭いカットオフは、より長いフィルタ長(たとえば、フィルタ要素における、より高いフィルタ次数、およびより高い数の構成要素)をもたらす可能性がある。この実施形態の一例では、フィルタ適応ユニット110は、PLCデバイス100が厳しい性能要件を有さない場合、干渉する通信アプリケーション(たとえば、RFIDアプリケーション)が厳しい性能要件を有する、および/または、PLCデバイス100で、近接する副搬送波(または、副搬送波グループ)218および220におけるより高い送信容量が、より高い全体的なSNRよりも好ましい場合、PLC副搬送波グループ204を積極的にフィルタリングしてノッチすると決定することができる。この例では、フィルタ適応ユニット110は、近接する副搬送波218および220のSNR(または、他の性能測定値)と、より緩いSNRしきい値とを比較することができる。フィルタ適応ユニット110は、近接する副搬送波218および220があまり良くない性能を有する場合、および、近接する副搬送波218および220上により高いスループットを達成するために、積極的なフィルタリング手法を使用することができる。さらに、フィルタ適応ユニット110は、PLC帯域におけるPLCデバイス100の全体的なSNRを向上させることよりも、適切なノッチ深度でPLC副搬送波グループ204をノッチすることにより高い優先度を与えることができる。別の例として、フィルタ適応ユニット110は、PLCデバイス100が厳しい性能要件を有する場合、および/または近接する、副搬送波222および224において、PLCデバイス100でのより高い全体的なSNRが、より高い送信容量よりも好ましい場合、PLC副搬送波グループ208を積極的にフィルタリングしてノッチしないと決定することができる。いくつかの実施形態では、フィルタ適応ユニット110は、ノッチされた副搬送波グループを積極的にフィルタリングするかどうかを決定するために、各ノッチされた副搬送波グループ(たとえば、対応する、近接する副搬送波の性能および要件)を別々に分析することができる。たとえば、フィルタ適応ユニット110は、ノッチされた副搬送波グループ204を積極的にフィルタリングする、ノッチされた副搬送波グループ206を積極的にフィルタリングしない、等と決定することができる。他の実施形態では、フィルタ適応ユニット110は、PLC帯域を全体として分析することができ、また、すべてのノッチされた副搬送波グループ202、204、206、および208を積極的にフィルタリングするかどうかを決定することができる。
【0081】
[0086] いくつかの実施形態では、PLC副搬送波グループ208を積極的にフィルタリングしてノッチするかどうかはまた、ノッチされた副搬送波グループ208のためのガードバンドの一部として利用される近接する副搬送波の数に影響を与える場合がある。上述されたように、積極的なフィルタリング手法は、ノッチされた副搬送波グループが、小さいガードバンド幅を有するガードバンドを有することを示すことができる。一例では、ノッチされた副搬送波グループ208が積極的なフィルタリングによって生成される場合、ノッチされた副搬送波グループ208の各端の唯一の副搬送波が、ノッチされた副搬送波グループ208のためのガードバンドとして利用され得る。この実施形態の例は、図2の近接する副搬送波222および224において示されている。この実施形態では、副搬送波222および224に隣接する他の副搬送波223および225は、PLC信号を送信するために使用されてよく、したがって、PLCデバイス100の送信容量を増大させる。しかしながら、PLC副搬送波グループ208を積極的にフィルタリングしてノッチしないと決定される場合、複数の副搬送波が、ノッチされた副搬送波グループ208の各端でガードバンドとして利用され得る。したがって、副搬送波222および224に加えて、副搬送波223および225(副搬送波222および224に隣接する)がガードバンドとして利用され得る。PLCデバイス100は、ガードバンドの一部である副搬送波において、送信することを防止され得る。したがって、PLCデバイス100が送信することが許可される副搬送波の数は減少し、したがって、PLCデバイス100の送信容量が低減する。
【0082】
[0087] いくつかの実施形態では、ノッチされた副搬送波グループを積極的にフィルタリングするかどうかを決定する際に、および、性能測定値からフィルタ係数を計算する際に、フィルタ適応ユニット110(たとえば、性能分析ユニット124)は、PLCデバイス100がPLC信号を最大送信電力レベルで送信しているかどうかも考慮に入れることができる。たとえば、PLCデバイス100が、ノッチされた副搬送波グループの近隣において(たとえば、近接する副搬送波、または近接する副搬送波グループにおいて)、最大送信電力レベルで送信していない場合、フィルタ適応ユニット110は、近接する副搬送波におけるSNR/性能(および/または、PLCデバイス100の全体的な性能)が、単に送信電力レベルを増加させることによって(すなわち、ノッチされた副搬送波グループを生成するフィルタ要素のフィルタ係数を変更せずに)向上され得るかどうかを決定することができる。さらに、PLCデバイス100のSNRは、ガードバンド幅に間接的にリンクされているので(たとえば、時間ドメインISIを介して)、周波数ドメインにおけるガードバンドの幅を低減するかどうか、または、時間ドメインにおけるガードインターバルを/ISIを低減するかどうかを決定するために、ノッチされた副搬送波グループごとのSNR(および、MCS)ならびにガードバンド幅における潜在的な変更が評価され得る。
【0083】
[0088] 最後に、実施形態は、マルチキャリアシステムにおける副搬送波の動的ノッチングのための動作を説明しているが、実施形態はそれに限定されない点に留意されたい。他の実施形態では、シングルキャリアシステム(たとえば、広帯域符号分割多元接続(CDMA)システム)は、通信帯域の重複する部分において動作している他の通信デバイスおよびアプリケーション(たとえば、無線周波数識別(RFID)アプリケーション)との干渉を最小限に抑えるために、同様の動作(図1図5において上述された)を実行するように構成され得る。言い換えれば、シングルキャリアシステムは、同じ通信帯域内で動作しているシングルキャリアシステムと他のシステムとの間の干渉を最小限に抑えるために、通信帯域の1つまたは複数のセクションに狭いノッチングフィルタを適用するように構成され得る。しかしながら、この例では、通信帯域はシングルキャリアを備えるので、通信帯域内の特定の副搬送波を完全にノッチングまたはスイッチオフすることは可能ではない。いくつかの実施形態では、通信帯域内の副搬送波をスイッチオフすることができないことは、シングルキャリアシステムの全体的な性能(たとえば、SNR)の低下をもたらす可能性がある。しかしながら、いくつかの実施形態では、全体的な性能の低下は、電力制御、適応チャネル符号化、および/または他の適切な技法によって補償され得る。
【0084】
[0089] 当業者によって理解されるように、本発明の主題の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、本発明の主題の態様は、完全にハードウェアの実施形態、ソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、またはソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形をとってよく、それらはすべて、本明細書では一般的に「回路」、「モジュール」、または「システム」と呼ばれ得る。さらに、本発明の主題の態様は、コンピュータ可読プログラムコードを組み入れた1つまたは複数のコンピュータ可読媒体で具現化されるコンピュータプログラム製品の形をとり得る。
【0085】
[0090] 1つまたは複数のコンピュータ可読媒体の任意の組合せが利用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体でもよく、コンピュータ可読記憶媒体でもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、たとえば、これに限定されないが、電子的、磁気的、光学式、電磁的、赤外線式、または半導体式のシステム、装置、あるいはデバイスでもよく、以上の任意の適切な組合せでもよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的リスト)は、1つまたは複数の配線を有する電気的な接続、携帯型のコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読出し専用メモリ(EPROM、またはフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型コンパクトディスク読出し専用メモリ(CD−ROM)、光学式記憶デバイス、磁気記憶デバイス、あるいは以上の任意の適当な組合せを含む。本明細書の内容では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行のシステム、装置、またはデバイスによって使用するための、またはこれらに関連して使用するための、プログラムを収容または記憶できる、任意の有形の媒体でよい。
【0086】
[0091] コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読プログラムコードが組み入れられた伝搬されるデータ信号を、たとえばベースバンド内に、または搬送波の一部として含み得る。そのような伝搬される信号は、これに限定されないが、電磁的、光学式、またはそれらの任意の適切な組合せを含む、様々な形のいずれかをとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではない、および命令実行システム、装置、またはデバイスによって使用するための、またはそれらに関連して使用するための、プログラムを通信、伝搬、または伝送できる、任意のコンピュータ可読媒体でよい。
【0087】
[0092] コンピュータ可読媒体に組み入れられたプログラムコードは、これに限定されないが、ワイヤレス、ワイヤード、光ファイバケーブル、RFなど、または以上の任意の適切な組合せを含む、任意の適切な媒体を使用して送信され得る。
【0088】
[0093] 本発明の主題の態様の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラム言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラム言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組合せで記述され得る。プログラムコードは、全体的にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロン型ソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上および部分的に遠隔のコンピュータ上で、あるいは全体的に遠隔のコンピュータまたはサーバ上で、実行することができる。後半のシナリオの場合、遠隔のコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む、任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、あるいは外部のコンピュータに(たとえば、インターネットサービスプロバイダを使用するインターネットを介して)接続が行われてもよい。
【0089】
[0094] 以下で、本発明の主題の実施形態による、方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品の流れ図および/またはブロック図を参照して、本発明の主題の態様を説明する。流れ図および/またはブロック図の各ブロック、ならびに流れ図および/またはブロック図のブロックの組合せが、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはマシンを形成する他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供されてよく、それによって、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行する命令は、流れ図および/あるいはブロック図のブロックまたはブロック群で指定される機能/動作を実装するための手段を生成する。
【0090】
[0095] これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、または他のデバイスに特定の方法で機能するよう指示できるコンピュータ可読媒体に記憶されてよく、それによって、コンピュータ可読媒体に記憶された命令が、流れ図および/あるいはブロック図のブロックまたはブロック群で指定された機能/動作を実装する命令を含む製品を形成する。
【0091】
[0096] コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能装置上で実行される命令が、流れ図および/あるいはブロック図のブロックまたはブロック群で指定された機能/動作を実装するためのプロセスを提供するようなコンピュータ実装プロセスを形成するために、コンピュータ、他のプログラム可能装置、または他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させるように、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、または他のデバイスにロードされ得る。
【0092】
[0097] 図6は、動的な電力線ノッチングのための適応フィルタバンクを含む電子デバイス600の一実施形態のブロック図である。いくつかの実施形態では、電子デバイス600は、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ネットブック、モバイル電話、スマート電気器具、ゲーム機、デスクトップコンピュータ、電力線通信デバイス、ネットワークブリッジデバイス、または電力線通信機能を備える他の適切な電子デバイスでよい。たとえば、電子デバイス600は、電力線ネットワークを介して通信するための機能を実装するPLC互換性のあるネットワークデバイスでよい。電子デバイス600は、プロセッサユニット602(潜在的に、複数のプロセッサと、複数のコアと、複数のノードと、および/またはマルチスレッドを実装すること等を含む)を含む。電子デバイス600は、メモリユニット606を含む。メモリユニット606は、システムメモリ(たとえば、キャッシュ、SRAM、DRAM、ゼロキャパシタRAM、ツイントランジスタRAM(Twin Transistor RAM)、eDRAM、EDO RAM、DDR RAM、EEPROM(登録商標)、NRAM、RRAM(登録商標)、SONOS、PRAM等の内のうちの1つまたは複数)、または上記ですでに説明された機械可読記憶媒体の潜在的な具現化のうちの任意の1つまたは複数でよい。電子デバイス600はまた、バス610(たとえば、PCI、ISA、PCI−Express、HyperTransport(登録商標)、InfiniBand(登録商標)、NuBus、AHB、AXI等)、ならびに、ワイヤレスネットワークインターフェース(たとえば、WLANインターフェース、BLUETOOTH(登録商標)インターフェース、WiMAX(登録商標)インターフェース、ZigBee(登録商標)インターフェース、ワイヤレスUSBインターフェース等)および/またはワイヤードネットワークインターフェース(たとえば、電力線通信インターフェース、イーサネットインターフェース等)のうちの少なくとも1つを含む、ネットワークインターフェース604を含む。たとえば、電子デバイス600はPLC互換性のあるネットワークデバイスでよく、ネットワークインターフェース604は電力線ネットワークを介して通信するためのPLCインターフェースでよい。
【0093】
[0098] 電子デバイス600はまた、通信ユニット608を含む。通信ユニット608は、適応フィルタバンク612と、フィルタ適応ユニット614と、通信媒体検知ユニット616とを備える。フィルタ適応ユニット614は、性能分析ユニット622と、係数計算ユニット618と、適応フィルタバンドコントローラ620とを備える。図1図4を参照して上述されたように、通信媒体検知ユニット616は、PLC帯域における副搬送波に関連付けられる性能測定値を決定することができる。これらの性能測定値に基づいて、性能分析ユニット622は、電子デバイス600の送信が、重複している通信帯域上で動作している別の通信デバイスを干渉する(および、その性能に影響を及ぼす)かどうかを決定することができる。フィルタ適応ユニット614(たとえば、性能分析ユニット622)は、電子デバイス600の送信が他の通信デバイスを干渉する、1つまたは複数の副搬送波グループを識別することができ、また、識別された1つまたは複数の副搬送波グループを動的にノッチすると決定することができる。したがって、フィルタ適応ユニット614(たとえば、適応フィルタバンドコントローラ620)は、1つまたは複数の識別された副搬送波グループをノッチするように構成された適応フィルタバンク612の適切なフィルタ要素を有効/活性化することができる。さらに、近接する副搬送波(ノッチされた副搬送波グループに近接する)の性能測定値、およびPLC帯域における電子デバイス600の全体的な性能に基づいて、フィルタ適応ユニット614(たとえば、係数計算ユニット618)もまた、近接する副搬送波の性能、および電子デバイス600の全体的な性能に対して、ガードバンドの幅(近接する副搬送波における)を最適化するために、有効にされたフィルタ要素のフィルタ係数を変更することができる。
【0094】
[0099] これらの機能のうちのいずれか1つは、ハードウェアにおいて、および/またはプロセッサユニット602上で、部分的に(または、完全に)実装され得る。たとえば、その機能は、特定用途向け集積回路によって、プロセッサユニット602において実施されたロジックにおいて、周辺デバイスまたはカード上のコプロセッサにおいて、あるいはその他において実装され得る。さらに、実現されたものは、図6において示されなかった、より少数の、または追加の構成要素(たとえば、ビデオカード、オーディオカード、追加のネットワークインターフェース、周辺デバイス等)を含み得る。たとえば、通信ユニット608は、バス610に結合されたプロセッサユニット602とは異なる1つまたは複数の追加のプロセッサを備え得る。プロセッサユニット602、メモリユニット606、およびネットワークインターフェース604は、バス610に結合されている。バス610に結合されているものとして示されているが、メモリユニット606は、プロセッサユニット602に結合され得る。
【0095】
[0100] 様々な実装形態および活用を参照して実施形態が説明されたが、これらの実施形態は例示であり、本発明の主題の範囲はそれらに限定されないということが理解されよう。一般に、本明細書に記載される電力線通信ネットワークにおける動的ノッチングのための適応フィルタバンクは、任意のハードウェアシステムに対応する設備、またはハードウェアシステムによって実装され得る。多くの変形、修正、追加、および改善が可能である。
【0096】
[0101] 複数の例が、単一の実例として本明細書で説明された構成要素、動作、または構造に関して提供され得る。最終的に、様々な構成要素、動作、およびデータストアの間の境界は、いくらか任意であり、特定の動作が、特定の実例となる構成の内容において例証される。機能の他の割当てが想定され、本発明の主題の範囲内に入り得る。一般に、例示的な構成において個別の構成要素として提示された構造および機能は、結合された構造または構成要素として実装され得る。同様に、単一の構成要素として提示された構造および機能は、個別の構成要素として実施され得る。これらならびに他の変形、修正、追加、および改善は、本発明の主題の範囲内に入り得る。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
動的副搬送波ノッチングのための方法であって、
通信デバイスで、フィルタバンクの複数のフィルタ要素の少なくとも1つのサブセットに関連付けられるフィルタ係数を適用することによって、通信帯域において1つまたは複数のノッチされた副搬送波を生成することと、ここにおいて、前記複数のフィルタ要素のうちの各々が、前記通信帯域において少なくとも1つのノッチされた副搬送波を生成するように構成される、
前記通信帯域において1つまたは複数の副搬送波の性能測定値を決定することと、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値に、少なくとも部分的に、基づいて、フィルタ要素の前記サブセットの少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる、更新されたフィルタ係数を決定することと、
フィルタ要素の前記サブセットの少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる、前記更新されたフィルタ係数に少なくとも部分的に基づいて、前記通信帯域の少なくとも1つのノッチされた副搬送波の動作特性を変化させることと、
を備える、方法。
[C2]
前記通信帯域において1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値を前記決定することが、
前記複数のフィルタ要素の前記サブセットに関連付けられる、1つまたは複数の近接する副搬送波の第1の性能測定値を決定することと、ここにおいて、前記1つまたは複数の近接する副搬送波が、フィルタ要素の前記サブセットによって生成された、前記ノッチされた副搬送波のうちの少なくとも1つに隣接する、
前記通信帯域を構成する複数の副搬送波の第2の性能測定値を決定することと、
1つまたは複数のノッチされた副搬送波の第3の性能測定値を決定することと、
のうちの1つまたは複数を備え、
前記通信帯域における1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値に、少なくとも部分的に、基づいて、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる、前記更新されたフィルタ係数を前記決定することが、
前記第1の性能測定値、前記第2の性能測定値、および前記第3の性能測定値のうちの少なくとも1つに、少なくとも部分的に、基づいて、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる、前記更新されたフィルタ係数を決定することを備える、C1に記載の方法。
[C3]
前記1つまたは複数の近接する副搬送波のうちの少なくとも1つが、前記少なくとも1つのノッチされた副搬送波に関連付けられる1つまたは複数のガードバンドを備え、
前記複数のフィルタ要素の前記サブセットに関連付けられる、前記更新されたフィルタ係数を前記決定することが、
前記1つまたは複数のガードバンドを最小化し、前記1つまたは複数の近接する副搬送波における通信を最大化するために、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる、前記更新されたフィルタ係数を決定すること
を備える、C2に記載の方法。
[C4]
第1の副搬送波における干渉通信を検知することに、少なくとも部分的に、基づいて、前記通信帯域の前記第1の副搬送波をノッチすると決定することと、
少なくとも前記第1のフィルタ要素が、前記第1の副搬送波をノッチするように構成されると決定することと、
前記通信帯域において第1の動的なノッチされた副搬送波を生成するために、少なくとも前記第1のフィルタ要素を有効にし、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられるフィルタ係数を適用することと、ここにおいて、少なくとも前記第1の副搬送波が動的なノッチされた副搬送波である、
をさらに備える、C1に記載の方法。
[C5]
前記通信帯域の前記第1の副搬送波をノッチすると前記決定することが、
前記第1の副搬送波に関連付けられる性能測定値が、性能測定しきい値に適合していないと決定することと、
前記第1の副搬送波に関連付けられる前記性能測定値が、前記性能測定しきい値に適合していないと前記決定することに応答して、前記第1の動的なノッチされた副搬送波を生成するために、前記第1の副搬送波をノッチすると動的に決定することと
を備える、C4に記載の方法。
[C6]
少なくとも前記第1のフィルタ要素を前記有効にすることが、
切替えデバイスに、前記第1のフィルタ要素を有効にさせるために、前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記切替えデバイスに制御信号を送信すること
を備える、C4に記載の方法。
[C7]
前記通信帯域において前記第1のノッチされた副搬送波を前記生成することが、
前記第1の動的なノッチされた副搬送波に隣接する1つまたは複数の近接する副搬送波の性能測定値と、前記通信帯域内の前記通信デバイスの全体的な性能測定値とのうちの少なくとも1つに、少なくとも部分的に、基づいて、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記フィルタ係数を決定すること
を備える、C4に記載の方法。
[C8]
前記第1の動的なノッチされた副搬送波に隣接する1つまたは複数の近接する副搬送波に関連付けられる性能測定値が、性能測定しきい値に適合していると決定することと、
前記第1の動的なノッチされた副搬送波に隣接する前記1つまたは複数の近接する副搬送波に関連付けられる前記性能測定値が、前記性能測定しきい値に適合していると前記決定することに応答して、前記第1の副搬送波を介して通信するために、前記第1の副搬送波のノッチングを停止し、前記通信デバイスを有効にすると動的に決定することと
をさらに備える、C4に記載の方法。
[C9]
前記通信帯域において前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値を前記決定することに応答して、前記方法は、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値と、対応する性能測定しきい値とを比較することと、
1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値が、前記対応する性能測定しきい値に適合していないと決定されると、
少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を前記決定することと、
1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値が、前記対応する性能測定しきい値に適合していると決定されると、
フィルタ要素の前記サブセットに関連付けられる前記フィルタ係数を更新しないと決定することと
をさらに備える、C1に記載の方法。
[C10]
少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を前記決定することが、前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記1つまたは複数の近接する副搬送波の第1の性能測定値と、前記通信帯域内の前記通信デバイスの第2の性能測定値と、前記1つまたは複数のノッチされた副搬送波の第3の性能測定値と、前記第1のフィルタ要素によって生成された1つまたは複数のノッチされた副搬送波の特性と、のうちの1つまたは複数に、少なくとも部分的に、基づく、C1に記載の方法。
[C11]
前記第1のフィルタ要素によって生成された1つまたは複数のノッチされた副搬送波の前記特性が、前記1つまたは複数のノッチされた副搬送波の周波数位置と、前記1つまたは複数のノッチされた副搬送波のノッチ幅と、前記第1のフィルタ要素によって生成された前記1つまたは複数のノッチされた副搬送波が低減されるべき電力スペクトル密度と、のうちの1つまたは複数を備える、C10に記載の方法。
[C12]
少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を前記決定することが、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値を、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数に、リアルタイムに、変換することを備える、C1に記載の方法。
[C13]
少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を前記決定することが、
前記性能測定値に対応する少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を識別するために、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられるルックアップテーブルにアクセスすること
を備える、C1に記載の方法。
[C14]
前記第1のフィルタ要素の前記ルックアップテーブルが、1つまたは複数の性能測定値範囲と、前記第1のフィルタ要素の対応する1つまたは複数のフィルタ係数との間のマッピングを備える、C13に記載の方法。
[C15]
少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を前記決定することが、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値と前記性能測定値範囲とを比較することと、
前記性能測定値が、前記ルックアップテーブル内の第1の性能測定値範囲内にあると決定することと、
前記第1のフィルタ要素を更新するための前記第1の性能測定値範囲に対応するフィルタ係数の第1のセットを選択することと
を備える、C14に記載の方法。
[C16]
少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を前記決定することに応答して、前記方法は、
前記第1のフィルタ要素の前記更新されたフィルタ係数と、前記第1のフィルタ要素の現在のフィルタ係数とを比較することと、
前記更新されたフィルタ係数が、前記現在のフィルタ係数のあらかじめ定められた割合内であると決定されると、
前記更新されたフィルタ係数を前記第1のフィルタ要素に適用しないと決定することと、
前記更新されたフィルタ係数が、前記現在のフィルタ係数の前記あらかじめ定められた割合内ではないと決定されると、
前記更新されたフィルタ係数を前記第1のフィルタ要素に適用することと
を備える、C1に記載の方法。
[C17]
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値および前記通信デバイスの最大送信電力に、少なくとも部分的に、基づいて、前記通信デバイスの送信電力を変化させるかどうかを決定することをさらに備える、C1に記載の方法。
[C18]
前記通信帯域において前記1つまたは複数のノッチされた副搬送波を前記生成することが、
前記通信帯域においてノッチされるべきあらかじめ定められた第1の副搬送波を決定することと、
少なくとも前記第1のフィルタ要素が、前記あらかじめ定められた第1の副搬送波をノッチするように構成されていると決定することと、
前記あらかじめ定められた第1の副搬送波をノッチするために、および前記通信帯域において第1の静的なノッチされた副搬送波を生成するために、少なくとも前記第1のフィルタ要素を有効にし、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられたフィルタ係数を適用することと
を備える、C1に記載の方法。
[C19]
前記複数のフィルタ要素のうちの第2のフィルタ要素が、あらかじめ定められた第2の副搬送波をノッチするように構成されていないと決定することと、
前記第2のフィルタ要素を有効にしないと決定することと
をさらに備える、C18に記載の方法。
[C20]
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値が、対応する性能測定しきい値に適合していないと決定することと、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値が、前記通信デバイスの送信電力レベルを変化させることによって、前記対応する性能測定しきい値に適合しているようになり得るかどうかを決定することと、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値が、前記通信デバイスの前記送信電力レベルを変化させることによって、前記対応する性能測定しきい値に適合しているようになり得ると決定される場合、
前記1つまたは複数の副搬送波における前記通信デバイスの前記送信電力レベルを変化させることと、
前記複数のフィルタ要素の前記サブセットに関連付けられる前記フィルタ係数を更新しないと決定することと、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値が、前記通信デバイスの前記送信電力レベルを増加させることによって、前記対応する性能測定しきい値に適合しているようになり得ないと決定される場合、
少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を前記決定することと、
を備える、C1に記載の方法。
[C21]
前記通信デバイスが電力線通信デバイスであり、ここにおいて、前記通信帯域が電力線通信周波数帯域である、C1に記載の方法。
[C22]
前記性能測定値が、信号対ノイズ比(SNR)測定値、信号強度測定値、ノイズレベル測定値、干渉レベル測定値、減衰測定値、およびSNR分布測定値のうちの1つまたは複数を備える、C1に記載の方法。
[C23]
前記通信帯域の少なくとも1つのノッチされた副搬送波の前記動作特性を前記変化させることが、
前記少なくとも1つのノッチされた副搬送波に関連付けられる1つまたは複数の近接する副搬送波における通信を最大化するために、前記通信帯域における前記通信デバイスの性能を最大化するために、および、前記少なくとも1つのノッチされた副搬送波に関連付けられる1つまたは複数のガードバンドの幅、あるいは前記少なくとも1つのノッチされた副搬送波に関連付けられるガードバンドの数のうちの1つを最小化するために、前記更新されたフィルタ係数を少なくとも前記第1のフィルタ要素に適用すること、
を備える、C1に記載の方法。
[C24]
前記1つまたは複数のノッチされた副搬送波のうちの少なくとも1つが動的なノッチされた副搬送波であり、ここにおいて、前記1つまたは複数のノッチされた副搬送波のうちの少なくとも1つが静的なノッチされた副搬送波であり、
前記更新されたフィルタ係数を前記決定することが、前記動的なノッチされた副搬送波を生成した前記複数のフィルタ要素のうちの前記1つまたは複数に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を決定することを備え、
前記フィルタ係数を前記更新することが、前記動的なノッチされた副搬送波を生成した前記複数のフィルタ要素のうちの前記1つまたは複数に関連付けられる前記フィルタ係数を更新することを備える、C1に記載の方法。
[C25]
動的副搬送波ノッチングのためのネットワークデバイスであって、
プロセッサユニットと、
複数のフィルタ要素を備えるフィルタバンクと、ここにおいて、前記複数のフィルタ要素のうちの各々が、ネットワークデバイスが動作する通信帯域において少なくとも1つのノッチされた副搬送波を生成するように構成される、
前記プロセッサユニットと前記フィルタバンクとに結合されたフィルタ適応ユニットと、前記フィルタ適応ユニットは、
前記フィルタバンクの前記複数のフィルタ要素の少なくとも1つのサブセットに関連付けられるフィルタ係数を適用することによって、前記通信帯域において1つまたは複数のノッチされた副搬送波を生成するように構成される、
少なくとも前記プロセッサユニットに結合された通信媒体検知ユニットと、前記通信媒体検知ユニットは、
前記通信帯域における1つまたは複数の副搬送波の性能測定値を決定するように構成される、
前記フィルタ適応ユニットは、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値に、少なくとも部分的に、基づいて、フィルタ要素の前記サブセットの少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる更新されたフィルタ係数を決定し、
フィルタ要素の前記サブセットの少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数に、少なくとも部分的に、基づいて、前記通信帯域の少なくとも1つのノッチされた副搬送波の動作特性を変化させるように、さらに構成される、
を備える、ネットワークデバイス。
[C26]
前記通信帯域において1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値を決定するように構成された前記通信媒体検知ユニットが、
前記複数のフィルタ要素の前記サブセットに関連付けられる1つまたは複数の近接する副搬送波の第1の性能測定値を決定するように構成された前記通信媒体検知ユニットと、ここにおいて、前記1つまたは複数の近接する副搬送波が、フィルタ要素の前記サブセットによって生成された前記ノッチされた副搬送波のうちの少なくとも1つに隣接する、
前記通信帯域を構成する複数の副搬送波の第2の性能測定値を決定するように構成された前記通信媒体検知ユニットと、
1つまたは複数のノッチされた副搬送波の第3の性能測定値を決定するように構成された前記通信媒体検知ユニットと、
のうちの1つまたは複数を備え、
少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を決定するように構成された前記フィルタ適応ユニットが、
前記第1の性能測定値、前記第2の性能測定値、および前記第3の性能測定値のうちの少なくとも1つに、少なくとも部分的に、基づいて、前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を決定するように構成されたフィルタ適応ユニットを備える、
C25に記載のネットワークデバイス。
[C27]
前記1つまたは複数の近接する副搬送波のうちの少なくとも1つが、前記少なくとも1つのノッチされた副搬送波に関連付けられる1つまたは複数のガードバンドを備え、
前記複数のフィルタ要素の前記サブセットに関連付けられる、前記更新されたフィルタ係数を決定するように構成された前記フィルタ適応ユニットが、
前記1つまたは複数のガードバンドを最小化し、前記1つまたは複数の近接する副搬送波における通信を最大化するために、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる、前記更新されたフィルタ係数を決定するように構成されたフィルタ適応ユニットを備える、C26に記載のネットワークデバイス。
[C28]
前記フィルタ適応ユニットが、
第1の副搬送波における干渉通信を検知することに、少なくとも部分的に、基づいて、前記通信帯域の前記第1の副搬送波をノッチすると決定し、
少なくとも前記第1のフィルタ要素が、前記第1の副搬送波をノッチするように構成されると決定し、
前記通信帯域において第1の動的なノッチされた副搬送波を生成するために、少なくとも前記第1のフィルタ要素を有効にし、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられるフィルタ係数を適用する、ここにおいて、少なくとも前記第1の副搬送波が動的なノッチされた副搬送波である、
ように、さらに構成された、C25に記載のネットワークデバイス。
[C29]
少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられるフィルタ係数を適用するように構成された前記フィルタ適応ユニットが、
前記第1の動的なノッチされた副搬送波に隣接する1つまたは複数の近接する副搬送波の性能測定値と、前記通信帯域内の通信デバイスの全体的な性能測定値と、のうちの少なくとも1つに、少なくとも部分的に、基づいて、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記フィルタ係数を決定するように構成された前記フィルタ適応ユニットを備える、C28に記載のネットワークデバイス。
[C30]
少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を決定するように構成された前記フィルタ適応ユニットが、前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記1つまたは複数の近接する副搬送波の第1の性能測定値と、前記通信帯域内の通信デバイスの第2の性能測定値と、前記1つまたは複数のノッチされた副搬送波の周波数位置と、前記1つまたは複数のノッチされた副搬送波のノッチ幅と、前記1つまたは複数のノッチされた副搬送波の第3の性能測定値と、前記第1のフィルタ要素によって生成された1つまたは複数のノッチされた副搬送波の特性と、のうちの1つまたは複数に、少なくとも部分的に、基づいている、C25に記載のネットワークデバイス。
[C31]
少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を決定するように構成された前記フィルタ適応ユニットが、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値を、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数に、リアルタイムに、変換するように構成された前記フィルタ適応ユニット、または、
前記性能測定値に対応する少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を識別するために、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられるルックアップテーブルにアクセスするように構成された前記フィルタ適応ユニット、
のうちの1つを備える、C25に記載のネットワークデバイス。
[C32]
前記第1のフィルタ要素の前記ルックアップテーブルが、1つまたは複数の性能測定値範囲と、前記第1のフィルタ要素の対応する1つまたは複数のフィルタ係数との間のマッピングを備える場合、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を決定するように構成された前記フィルタ適応ユニットが、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値と前記性能測定値範囲とを比較し、
前記性能測定値が、前記ルックアップテーブル内の第1の性能測定値範囲内にあると決定し、
前記第1のフィルタ要素を更新するための前記第1の性能測定値範囲に対応するフィルタ係数の第1のセットを選択する、
ように構成された前記フィルタ適応ユニットを備える、C31に記載のネットワークデバイス。
[C33]
前記フィルタ適応ユニットが、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値および通信デバイスの最大送信電力に、少なくとも部分的に、基づいて、前記通信デバイスの送信電力を変化させるかどうかを決定する、ようにさらに構成される、C25に記載のネットワークデバイス。
[C34]
前記通信帯域において前記1つまたは複数のノッチされた副搬送波を生成するように構成された前記フィルタ適応ユニットが、
前記通信帯域においてノッチされるべきあらかじめ定められた第1の副搬送波を決定し、
少なくとも前記第1のフィルタ要素が、前記あらかじめ定められた第1の副搬送波をノッチするように構成されると決定し、
前記あらかじめ定められた第1の副搬送波をノッチするために、および前記通信帯域において第1の静的なノッチされた副搬送波を生成するために、少なくとも前記第1のフィルタ要素を有効にし、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられるフィルタ係数を適用する、
ように構成されたフィルタ適応ユニットを備える、C25に記載のネットワークデバイス。
[C35]
フィルタ適応ユニットが、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値が、対応する性能測定しきい値に適合していないと決定し、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値が、通信デバイスの送信電力レベルを変化させることによって、前記対応する性能測定しきい値に適合しているようになり得るかどうかを決定し、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値が、前記通信デバイスの前記送信電力レベルを変化させることによって、前記対応する性能測定しきい値に適合しているようになり得ると決定される場合、
前記1つまたは複数の副搬送波における前記通信デバイスの前記送信電力レベルを変化させ、
前記複数のフィルタ要素の前記サブセットに関連付けられる前記フィルタ係数を更新しないと決定し、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値が、前記通信デバイスの前記送信電力レベルを増加させることによって、前記対応する性能測定しきい値に適合しているようになり得ないと決定される場合、
少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を決定する、
ように構成される、C25に記載のネットワークデバイス。
[C36]
1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサに、
通信デバイスで、フィルタバンクの複数のフィルタ要素の少なくとも1つのサブセットに関連付けられるフィルタ係数を適用することによって、通信帯域において1つまたは複数のノッチされた副搬送波を生成することと、ここにおいて、前記複数のフィルタ要素のうちの各々が、前記通信帯域において少なくとも1つのノッチされた副搬送波を生成するように構成される、
前記通信帯域において1つまたは複数の副搬送波の性能測定値を決定することと、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値に、少なくとも部分的に、基づいて、フィルタ要素の前記サブセットの少なくとも第1のフィルタ要素に関連付けられる、更新されたフィルタ係数を決定することと、
フィルタ要素の前記サブセットの少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる、前記更新されたフィルタ係数に、少なくとも部分的に、基づいて、前記通信帯域の少なくとも1つのノッチされた副搬送波の動作特性を変化させることと
を備える、動的副搬送波ノッチングのための動作を実行させる命令を記憶した1つまたは複数の機械可読記憶媒体。
[C37]
前記通信帯域において1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値を決定する前記動作が、
前記複数のフィルタ要素の前記サブセットに関連付けられる、1つまたは複数の近接する副搬送波の第1の性能測定値を決定することと、ここにおいて、前記1つまたは複数の近接する副搬送波が、フィルタ要素の前記サブセットによって生成された、前記ノッチされた副搬送波のうちの少なくとも1つに隣接する、
前記通信帯域を構成する複数の副搬送波の第2の性能測定値を決定することと、
1つまたは複数のノッチされた副搬送波の第3の性能測定値を決定することと、
のうちの1つまたは複数を備え、
前記通信帯域における1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値に、少なくとも部分的に、基づいて、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる、前記更新されたフィルタ係数を決定する前記動作が、
前記第1の性能測定値、前記第2の性能測定値、および前記第3の性能測定値のうちの少なくとも1つに、少なくとも部分的に、基づいて、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる、前記更新されたフィルタ係数を決定することを備える、C36に記載の機械可読記憶媒体。
[C38]
前記1つまたは複数の近接する副搬送波のうちの少なくとも1つが、前記少なくとも1つのノッチされた副搬送波に関連付けられる1つまたは複数のガードバンドを備え、
前記複数のフィルタ要素の前記サブセットに関連付けられる、前記更新されたフィルタ係数を決定する前記動作が、
前記1つまたは複数のガードバンドを最小化し、前記1つまたは複数の近接する副搬送波における通信を最大化するために、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる、前記更新されたフィルタ係数を決定すること、を備える、C37に記載の機械可読記憶媒体。
[C39]
前記動作が、
第1の副搬送波における干渉通信を検知することに、少なくとも部分的に、基づいて、前記通信帯域の第1の副搬送波をノッチすると決定することと、
少なくとも前記第1のフィルタ要素が、前記第1の副搬送波をノッチするように構成されていると決定することと、
前記通信帯域において第1の動的なノッチされた副搬送波を生成するために、少なくとも前記第1のフィルタ要素を有効にし、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられるフィルタ係数を適用することと、ここにおいて、少なくとも前記第1の副搬送波が動的なノッチされた副搬送波である、
をさらに備える、C36に記載の機械可読記憶媒体。
[C40]
前記通信帯域において前記第1のノッチされた副搬送波を生成する前記動作が、
前記第1の動的なノッチされた副搬送波に隣接する1つまたは複数の近接する副搬送波の性能測定値と、前記通信帯域内の前記通信デバイスの全体的な性能測定値とのうちの少なくとも1つに、少なくとも部分的に、基づいて、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記フィルタ係数を決定すること、
を備える、C39に記載の機械可読記憶媒体。
[C41]
少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を決定する前記動作が、前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記1つまたは複数の近接する副搬送波の第1の性能測定値と、前記通信帯域内の前記通信デバイスの第2の性能測定値と、前記1つまたは複数のノッチされた副搬送波の第3の性能測定値と、前記第1のフィルタ要素によって生成された1つまたは複数のノッチされた副搬送波の特性と、のうちの1つまたは複数に、少なくとも部分的に、基づいている、C36に記載の機械可読記憶媒体。
[C42]
少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を決定する前記動作が、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値を、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数に、リアルタイムに、変換することと、
前記性能測定値に対応する少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を識別するために、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられるルックアップテーブルにアクセスすることと、
のうちの少なくとも1つを備える、C36に記載の機械可読記憶媒体。
[C43]
前記第1のフィルタ要素の前記ルックアップテーブルが、1つまたは複数の性能測定値範囲と、前記第1のフィルタ要素の対応する1つまたは複数のフィルタ係数との間のマッピングを備える場合、少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を決定する前記動作が、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値と前記性能測定値範囲とを比較することと、
前記性能測定値が、前記ルックアップテーブル内の第1の性能測定値範囲内にあると決定することと、
前記第1のフィルタ要素を更新するために前記第1の性能測定値範囲に対応するフィルタ係数の第1のセットを選択することと、
を備える、C42に記載の機械可読記憶媒体。
[C44]
前記動作が、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値が、対応する性能測定しきい値に適合していないと決定することと、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値が、前記通信デバイスの送信電力レベルを変化させることによって、前記対応する性能測定しきい値に適合しているようになり得るかどうかを決定することと、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値が、前記通信デバイスの前記送信電力レベルを変化させることによって、前記対応する性能測定しきい値に適合しているようになり得ると決定される場合、
前記1つまたは複数の副搬送波における前記通信デバイスの前記送信電力レベルを変化させることと、
前記複数のフィルタ要素の前記サブセットに関連付けられる前記フィルタ係数を更新しないと決定することと、
前記1つまたは複数の副搬送波の前記性能測定値が、前記通信デバイスの前記送信電力レベルを増加させることによって、前記対応する性能測定しきい値に適合しているようになり得ないと決定される場合、
少なくとも前記第1のフィルタ要素に関連付けられる前記更新されたフィルタ係数を前記決定することと
を備える、C36に記載の機械可読記憶媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6