特許第5989991号(P5989991)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バーフェリヒト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

<>
  • 特許5989991-屈折眼科手術のシステム 図000002
  • 特許5989991-屈折眼科手術のシステム 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5989991
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】屈折眼科手術のシステム
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/007 20060101AFI20160825BHJP
   A61F 9/008 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
   A61F9/007 180
   A61F9/008 120E
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-503367(P2011-503367)
(86)(22)【出願日】2009年4月3日
(65)【公表番号】特表2011-516187(P2011-516187A)
(43)【公表日】2011年5月26日
(86)【国際出願番号】EP2009002483
(87)【国際公開番号】WO2009124695
(87)【国際公開日】20091015
【審査請求日】2011年6月3日
【審判番号】不服2014-6075(P2014-6075/J1)
【審判請求日】2014年4月3日
(31)【優先権主張番号】08007250.7
(32)【優先日】2008年4月11日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】513146099
【氏名又は名称】バーフェリヒト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100159684
【弁理士】
【氏名又は名称】田原 正宏
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】フォグレル クラウス
【合議体】
【審判長】 山口 直
【審判官】 内藤 真徳
【審判官】 熊倉 強
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0282313(US,A1)
【文献】 特表2006−510455(JP,A)
【文献】 特開2006−95318(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0076217(US,A1)
【文献】 特許第3095079(JP,B2)
【文献】 特表昭64−500009(JP,A)
【文献】 特開平4−166149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F9/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)目の光屈折特性を変更するための第1のレーザ(20)と、
b)前記第1のレーザ(20)の放射(20’)を目(10)の上へと時間制御および位置制御して案内するための手段(22、24、24’)と、
c)前記目(10)に対して光コヒーレンス断層撮影を実施する、第2のレーザを用いた光コヒーレンス断層撮影用のデバイス(34)と、
d)前記第2のレーザの放射を前記目(10)の上へと時間制御および位置制御して案内するための手段(38、40)と、
e)コンピュータ(C)とを備える屈折眼科手術のシステムであって、前記コンピュータが、
e1)角膜組織を切除する過程で、プログラムに従って、角膜(12)の整形を達成する目的で、前記第1のレーザ(20)と、前記第1のレーザ(20)の放射(20’)を前記目の上へと時間制御および位置制御して案内するための前記手段(22、24、24’)とを制御し、
e2)前記光コヒーレンス断層撮影用のデバイス(34)を制御し、角膜組織の切除の最中に、前記角膜(12)に対する測定が実施されるようにプログラムされる屈折眼科手術のシステムにおいて、
前記第1のレーザが角膜組織を切除するように適合化され、
前記コンピュータ(C)が、角膜組織の切除の開始前および終了後にも前記角膜(12)に対する測定が実施されるようにプログラムされ、
前記コンピュータ(C)が、
e3)指定条件下で、測定の結果に応じて光コヒーレンス断層撮影を用いた測定に続く角膜組織の切除のためのプログラム・フローを制御し、
e3’)角膜組織の切除の開始前および切除の最中に、光コヒーレンス断層撮影の過程で得られる測定結果を表示デバイス(D)上に表示するためにプログラムされ、
入力デバイス(E)が用意され、前記入力デバイス(E)を用いてユーザが、前記コンピュータ(C)に、表示される光コヒーレンス断層撮影の測定結果の選択範囲(M1、M2)内での前記第1のレーザ(20)による角膜組織の付加的な切除をさせるか、
または選択範囲(N)内での角膜組織の切除を低減させることができることを特徴とし、前記コンピュータ(C)が、前記選択範囲(M1、M2)を前記ユーザが前記画像(K1、K2、K3)に対してマークすることができるようにプログラムされる、屈折眼科手術のシステム。
【請求項2】
光コヒーレンス断層撮影を用いて得られる測定結果の表示が、角膜組織の切除の開始前および切除の最中に、治療すべきもしくは治療中の角膜表面の現在の状態をそれぞれ再現する、曲線の少なくとも二次元の画像(K1、K2、K3)を含む、請求項に記載の屈折眼科手術のシステム。
【請求項3】
前記コンピュータ(C)が、剥離すべき角膜表面が不規則性(I、N)を示すか否かに関して、光コヒーレンス断層撮影を用いて得られる測定結果が分析されるようにプログラムされる、請求項1に記載の屈折眼科手術のシステム。
【請求項4】
前記分析が前記角膜表面の傾きの確認を含む、請求項に記載の屈折眼科手術のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屈折眼科手術のシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
屈折眼科手術では、目の、特に角膜の光屈折特性は、視覚障害を矯正するか少なくとも緩和するため、レーザ放射線を使用して変更される。屈折眼科手術の顕著な例は、視力異常を矯正する目的で角膜を整形するために角膜の組織を切除(剥離)するLASIKである。角膜の組織を切除する目的で、概して、UV領域(一般的に193nm)のエキシマ・レーザが使用される。レーザ放射線は、時間および位置に関して、特定量の組織が角膜の選択されたポイントにおいて切除されるように、目の上をガイドされる。この切除は、いわゆる剥離プロファイル(ablation profile)、すなわち角膜の各ポイントにおいて行われる切除(剥離)を指定する剥離プロファイルによって説明される。
【0003】
本発明は特にLASIKに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
剥離プロファイルは、概して、矯正すべき目に関する外科的介入を実施する前に計算される。この計算の基礎は、実際の状態にある目を検査することである。目のこの検査について、現況技術は、様々な技術、特にトポグラフィ測定機器(いわゆるトポライザ(topolyzers))、波面アナライザ、シャインプルーク(Scheimpflug)機器、ならびに厚み計に精通している。
【0005】
波面アナライザまたはトポグラフィ測定機器を用いた屈折眼科手術は、位置的に正確な治療を可能にするため、角膜の小さな局所構造を明確かつ局所的に的確なやり方で指定するどころか、それらをミリメートル範囲内で有効に解像することがほとんどできない。トポライザを用いても、いわゆるセントラル・アイランドを、つまり、初期のPRKによる以前の完全には成功しなかった処置に由来する場合が多い角膜上の隆起を、ミリメートル範囲内で検出することはほとんど不可能である。
【0006】
現在、剥離中にオンライン方式で所望の剥離プロセスからの偏差を、特に、いわゆる回旋変位またはいわゆる瞳孔中心ずれ(pupil center shift)に基づく偏差を、追跡する試みがなされている。
【0007】
しかし、現在知られているこれらのプロセスでは、概して、局所的な角膜の不規則性を精密に検出し、かかる検出の過程でそのポイントのみにおいて精密に局所的な形で、また剥離の結果を追跡するプロセス中に、レーザ・ビームを当てることは不可能である。
【0008】
いわゆる光コヒーレンス断層撮影法は、生体組織を非接触検査するための測定プロセスとして一時期利用可能であった。例えば、B. Wolfgang Drexler, Journal of Biomedical Optics, 9(1), 42-74, 2004を参照されたい。光コヒーレンス断層撮影法を用いて、特に広帯域照射器を使用して、特に1μm以下の範囲の解像度で、非常に微細な生体構造を検査することができる。
【0009】
EP 1 231 496 A2は、治療レーザが出力、露光時間、およびスポットサイズに関して制御される、目の組織の制御された変更のための光コヒーレンス断層撮影法(OCT)の適用について記載している。治療後の目の組織は、OCTおよび閾値によって、治療していない目の組織と区別される。レーザで成功裡に治療されている目の組織の領域は、OCTによって決定される。
【0010】
US 2007/0282313 A1(Huang他)は、屈折矯正手術におけるトポグラフィ検査の目的でのみOCTを使用することについて記載している。OCTを用いたオンライン制御の光アブレーションに対する言及は見られない。この現況技術では、OCTで得られたトポグラフィ・データは、剥離プログラムの事前計算のみに利用される。
【0011】
EP 0 697 611 A2は、上述のEP 1 231 496 A2に類似したシステムを、眼科手術用顕微鏡のオートフォーカスシステムとともに記載している。角膜に関するトポグラフィ測定が実施されるが、OCTを用いた組織の切除のオンライン制御は行われない。
【0012】
US 2007/0073905 A1は、OCTを使用しておらず、全体として、以前のモデル計算を使用した目に関する外科的介入の現況技術について記載している。
【0013】
WO 2006/087180 A2は、剥離のプロセスについて記載しているが、OCTを使用していない。DE 103 23 422 A1も、OCTの使用について記載しておらず、組織内の光圧力範囲の検出についてのみ記載している。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の基礎となる目的は、改善された手術結果を可能にする、冒頭で述べたタイプのシステムを提供することである。
【0015】
この目的のため、本発明は、
a)目の光屈折特性を変更するための第1のレーザと、
b)第1のレーザの放射を目の上へと時間制御および位置制御して案内するための手段と、
c)目に対して光コヒーレンス断層撮影を実施する、第2のレーザを用いた光コヒーレンス断層撮影用のデバイスと、
d)第2のレーザの放射を目の上へと時間制御および位置制御して案内するための手段と、
e)コンピュータとを備える屈折眼科手術のシステムであって、そのコンピュータが、
e1)角膜組織を切除する過程で、プログラムに従って、角膜の整形を達成する目的で、第1のレーザと、第1のレーザの放射を目の上へと時間制御および位置制御して案内するための前述の手段とを制御し、
e2)光コヒーレンス断層撮影用のデバイスを制御し、角膜組織の切除の最中に、角膜に対する測定が実施されるようにプログラムされる屈折眼科手術のシステムにおいて、
前記第1のレーザが角膜組織を切除するように適合化され、
前記コンピュータ(C)が、角膜組織の切除の開始前および終了後にも前記角膜(12)に対する測定が実施されるようにプログラムされ、
前記コンピュータ(C)が、
e3)指定条件下で、測定の結果に応じて光コヒーレンス断層撮影を用いて測定に続く角膜組織の切除のためのプログラム・フローを制御し、
e3’)角膜組織の切除前および切除中に、光コヒーレンス断層撮影の過程で得られる測定結果を表示デバイス(D)上に表示するためにプログラムされ、
入力デバイス(E)が用意され、それを用いてユーザが、前記コンピュータ(C)に、表示される光コヒーレンス・トポグラフィの測定結果の選択範囲(M1、M2)内での前記第1のレーザ(20)による角膜組織の付加的な切除をさせるか、または選択範囲(N)内での角膜組織の切除を低減させることができる、屈折眼科手術のシステムについて教示する。
【0016】
したがって、本発明は、光コヒーレンス断層撮影によって得られる測定の結果が事実上オンライン方式で、外科的介入のプロセスに対して影響を有するような形で、光コヒーレンス断層撮影(OCT)用のモジュールを屈折眼科手術のシステムに統合する。特に、高解像度および高速OCT(HHS−OCT)によって、数MHzから数GHzまでの、特に10GHz以下およびさらには100GHz以下の範囲のスキャン速度によって、また1秒よりも明確に短い測定時間を用いて、非常に高速で解像度がμm範囲内の角膜構造の確認および表示が可能になる。したがって、角膜組織の切除に先立つ初期構造および切除後の角膜の最終構造を検査するだけではなく、中間の治療の進行全体を追跡し、治療中に得られるOCT測定の結果に応じた形で治療を制御することも可能である。
【0017】
本発明によれば、OCTによってガイドされる組織の切除は、特に、UVレーザ(一般的に、エキシマ・レーザ)を用いて達成され、その過程では、角膜の特定範囲が目標にされ、次に、事実上リアルタイム(オンライン)のOCT測定が所望の測定結果を生じるまで、リアルタイム(オンライン)で制御された多数のショットによって角膜組織が切除される。
【0018】
OCTモジュールを屈折矯正手術のシステムに統合することによって、さらに、角膜の特定の不規則性を、特にいわゆるセントラル・アイランドを認識し、それらを治療の際に考慮に入れることが可能である。そのようなセントラル・アイランド、すなわち角膜表面上の不規則な隆起は、数mm以下の範囲の寸法を有し、したがって、屈折矯正手術の過程で従来の測定方法によってそれらを検知することは、ほぼまたは全く不可能であった。そのような不規則性はまた、治療前またはその最中に全くまたはほとんど発見できず、あるいはレーザ制御のために正確にアドレスすることができなかった。同様の見解が、やはり角膜表面で発生することがある、瘢痕の形態の非常に微細な不規則性に当てはまる。
【0019】
広帯域の光コヒーレンス断層撮影を用いて、そのような不規則性は認識可能であり、それに応じて、例えば、セントラル・アイランド(つまり、角膜上の隆起)の領域で、角膜の他の領域よりも局所的に多量の角膜組織が目標の方式で切除され、それによって平滑な表面が全体的に生じ、一方で、上述の瘢痕の場合、これら瘢痕の領域の切除は、結果としてほぼ平滑な角膜表面が同様に生じるように大幅に低減される形で、剥離プロファイルを形成することができる。現況技術では、そのような不規則性が、測定の結果では認識されず、剥離の際に考慮されなかった場合、剥離の過程でほぼ保存され、対応する不規則性が治療後の角膜上または角膜中にも残る結果となった。
【0020】
本発明によれば、OCTを屈折眼科手術のシステムに統合することで、断面、厚さ、前面および後面に関して、正確な角膜構造を検出し、治療の間それを一時的(瞬間的)に追跡することが可能である。したがって、本発明の特有の構成は、剥離プロセス中(つまり、屈折矯正手術中)に、事実上リアルタイム(オンライン)で、到達している切除段階のために一時的に取得するなど、角膜の個々の一時的なイメージング特性を計算し、このようにしてオンラインで計算されている目のイメージング特性が所望の指定目的に一致しているとき、剥離を精密に終了することを教示している。これによって、同時進行のトポグラフィ測定またはさらには波面測定が絶対的に不要になる。
【0021】
屈折眼科手術のための本発明によるシステムの好ましい構成により、角膜組織の切除前および/またはその最中の光コヒーレンス断層撮影の過程で得られた測定の結果を表示デバイス上に表示するため、コンピュータがプログラムされる。このようにして、治療医は、事実上オンライン方式で、つまり実質的にリアルタイムで、グラフィックで表示される剥離の進行を調べることができる。例えば、角膜の初期形状(介入の開始前の)を線によって(二次元表示の場合)または面によって(三次元表示の場合)、次に、例えば、その下の対応する一時的な角膜構造を、介入の間連続的に、色でコントラストを付けた線または面によって、表示画面上で内科医に対して提示することができる。これに関連して、さらに、コヒーレンス断層撮影を用いてやはり検査することができる、目の内部の角膜表面も内科医に対して光学的に示すことができる。これは、特に、角膜の残りの厚さが過度に薄くなることを回避する助けとなる。水晶体および/または瞳孔など、対象となる治療されている目のさらなる構造も、OCTを用いて検査し、表示デバイス上に表示することができる。
【0022】
上述のプロセスがLASIKの過程で用いられる場合、また、例えばフェムト秒レーザを用いていわゆるフラップ切開が実施される場合、発生する切開は、OCTを用いて追跡し、表示デバイス上に表示することができ、その後に続く角膜組織の剥離の過程で、フラップを折り返した後の、かつ想定される治癒プロセス後の状況を計算し表示することができるような形で、グラフィックで表示された上述の線または面を演算によって確認することができる。
【0023】
本発明の別の好ましい構成により入力デバイスが用意され、それを用いてユーザは、コンピュータに、表示される光コヒーレンス・トポグラフィの測定結果の選択範囲内での第1のレーザによる角膜組織の付加的な切除をさせるか、または、選択範囲内での角膜組織の切除を低減させることができる。
【0024】
本発明はまた、好ましくは10GHzの範囲の、また好ましくは100GHz以上の範囲の繰り返し速度で、フェムト秒放射源を使用するOCTの非常に高速なデバイスを使用することを、特にいわゆるVECSELもしくはVCSEL(垂直外部共振型面発光レーザ(Vertical External Cavity Surface Emitting Lasers))を使用することを教示している。そのような半導体レーザ・ダイオードは、物理的サイズがセンチメートル範囲内であるのにもかかわらず、電気的または光学的にポンピングさせ、非常に高い出力と効率に達することができる。フェムト秒ファイバ・レーザも本発明に用いてもよい。本発明はまた、そのような放射源を、100nm超過1000nm以下の帯域幅と100GHz超過の繰り返し速度をもつフェムト秒スーパーコンティニュームを発生させて使用し、それによって、非常に高い測定速度を達成することができ、つまり、角膜構造の画像を、例えば表示画面上に、剥離処置の過程で一時的に実際に得られる角膜の状態と比較して非常に短い時間遅延で生成することができ、すなわち、角膜の実際の状態が、事実上リアルタイムで(時間遅延なしに)グラフィックで表示され、また、時間遅延なしに演算によって処理されてもよいことを教示している。
【0025】
屈折眼科手術のための本発明によるシステムのさらなる好ましい構成は、従属請求項に記載されている。
【0026】
本発明の例示的実施形態を図面に基づいて以下により詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】屈折眼科手術のシステムを示す概略図である。
図2】光コヒーレンス断層撮影を用いて得られたデータを表示する表示デバイスを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、屈折眼科手術によって治療される目10を示し、その角膜12、瞳孔縁14、および、ここではいわゆるセントラル・アイランドの形態の、つまり、mm範囲からμm範囲内の寸法を有する角膜の隆起の形態の、角膜のいわゆる不規則性16を概略的に示している。
【0029】
既知の方式では、システムは、(弱い)レーザ・ビーム18’を放射し、目を固定する目的で患者が見る固定レーザ18を示す。
【0030】
そのような既知の方式では、システムは、LASIK装置の場合と同様に、レンズ22を介してスキャナ・ミラー24、24’上に方向付けられ、偏向ミラー26を介して目10の上に偏向される波長193nmの放射線20’を放射する、UVレーザ20、例えばエキシマ・レーザを示す。コンピュータCは、既に計算された剥離プロファイルに従って、従来のような方式で、レーザ20およびスキャナ・ミラー24、24’を制御する。提示されているシステムを用いて、例えば、既知の方式でLASIKが実施される。
【0031】
システムはさらに、いわゆるアイトラッカを示す。アイトラッカはカメラ30を含み、固定レーザ18があっても患者が回避できないことが多い目の動きを追跡し、目の動きに対応する形でレーザ・ビーム20’に対するスキャナ・ミラー24、24’の制御を追跡し、それによって、可能な限り位置的に的確な形で剥離プロファイルが切除されるように、カメラを用いて、目10からの画像が偏向ミラー28を介して矢印32の方向で記録され、それが次に、既知のような方式で画像処理される。
【0032】
カメラ30のデジタル的に得られた記録はコンピュータCで処理され、次に、コンピュータCは、それに対応して剥離ビーム20’に対してスキャナ・ミラー24、24’を制御する。
【0033】
LASIKのシステムに統合されるのは、知られている形で適切なレーザを含む、光コヒーレンス断層撮影用のデバイス34である。光コヒーレンス断層撮影用のデバイス34は、双頭矢印36に従って放射線を放射し、また放射線を受け取る。走査はスキャナ・ミラー38、40によって達成される。コンピュータCと個々の構成要素との相互作用は、図1に線および矢印によって示される。それに対応して、コンピュータCは、光コヒーレンス断層撮影用のデバイス34とそれに関連するスキャナ・ミラー38、40とを制御する。
【0034】
光コヒーレンス断層撮影用のデバイス34は、使用されている放射線源に応じて、数MHzの範囲のスキャン速度からGHz範囲のスキャン速度までで動作するので、検査される全表面(つまり、角膜の剥離領域にほぼ対応する)の測定時間は1秒よりも明確に短い時間で達成できる。
【0035】
光コヒーレンス断層撮影(例えばレーザ)用のデバイス34の放射線源、例えばレーザは、100nmを明確に超える広帯域測定と10MHz超過100GHz以下の非常に高い繰り返し速度とを備えた、非常に広帯域の放射線源である。これにより、10μm以上の範囲の高い三次元解像度が可能になる。この場合、角膜表面の、例えば連続的な剥離中の一時的な表面の目的の画像を、1秒未満で検査することができ、コンピュータCを介して表示デバイスD上に表示することができる。Δλ>>100nmの広帯域放射は、約800nm〜1300nmの範囲の中心波長λを有する。したがって、図示される例示的実施形態によれば、角膜のトポグラフィ、その厚さ、目の前室の範囲、ならびに虹彩および水晶体などの隣接構造の局所的位置が検査され、それらの構造の対応する幾何学的画像が、コンピュータCを介して表示デバイスD上に代わる代わる所望の組合せで表示される。
【0036】
この場合の奥行き方向の解像度(通常、z方向として指定される)はμm範囲内にあり、例えば3μmを上回り、一方、10μmを明確に上回る横断方向(通常、xy方向として指定される)の解像度が同様に得られる。したがって、上皮、ボーマン膜などの角膜の下部構造、またはLASIKの場合はマイクロケラトーム切開の位置などを良好に認識することができる。
【0037】
図2は、コンピュータCによる制御にしたがった、表示デバイスD上のOCT検査した構造を含む表示を概略的に示す。剥離の開始前に得られる角膜の表面K1が示され、これは、セントラル・アイランド、つまり隆起の形態の第1の不規則性Iを有している。隆起は、mm範囲からμm範囲内の寸法を有する(したがって、角膜の寸法と比較して、図面内では大幅に拡大されている)。隆起の2つの側面は、傾きG1、G2、すなわち角膜12の隣接した表面K1に対する傾斜を有する。さらに、図示される例では、角膜12の表面のK1は瘢痕Nを有し、これは同様にmm範囲からμm範囲内の寸法を有する。
【0038】
さらに、図2は、剥離プロファイルの計算された切除に基づいて目標とされる角膜の設定表面K2、つまり目標とされる処置の結果を示す。図2はまた、角膜の内表面K3を概略的に示す。
【0039】
光コヒーレンス断層撮影用のデバイス34を用いて、また前記デバイスの測定結果を処理するコンピュータCを用いて、図2による曲線K1を生成することができ、表示デバイスD上に表示することができる。これに関連して、コンピュータCは、μm範囲内の寸法を有する提示された不規則性を認識し、ユーザのオプションに従って、それらを強調された形で、例えばカラーでまたは太線によって表示するようにプログラムされる。そのような既知の画像処理のプロセスを用いて、コンピュータは、傾きG1、G2に基づいて不規則性を「認識する」ことができ、指定閾値との比較によってそれらを表示することができる。画像処理の過程で、例えば、連続する測定ポイント範囲を比較することによって、指定の閾値を上回り、不規則性がそのポイントに存在する可能性があることを示す、傾きG1、G2を認識することができる。好ましい構成によれば、次に、ユーザは、この臨界領域における角膜の一時的な状態の拡大表示を呼び出し、表示するオプションを利用できるようになる。この表示は、剥離を実施している間、つまり、レーザの照射ごとに角膜組織を段階的に切除している間、オンラインで継続的に繰り返すことができ、それによって、内科医は、コヒーレンス断層撮影による測定に基づいて、表示デバイスD上で治療の進行を、すなわち、レーザの照射ごとの角膜組織の連続的切除の時間的進展を追跡することができる。不規則性に基づいて、剥離プロファイルに従って元々規定されたものよりも強い剥離、またはさらにはそれよりも弱い剥離が求められる、特定の問題領域を内科医が検出した場合、好ましい構成によれば、内科医はプロセスに直接干渉することができる。例えば、内科医は、表示上で隆起I(セントラル・アイランド)に対応する不規則性を検出した場合、この場合は角膜の周辺領域と比較して角膜組織のさらなる切除がそれらの間で求められるマーカM1、M2を配置することができ、また内科医は、入力デバイスEを介してこの領域の限界に対応するマーカM1、M2を設定することができる。これらのマーカは、三次元的に、つまり、表示の面内で付与される寸法をほぼ有する図面の面から下向きの方向にも配置されることが理解されるであろう。次に、内科医は、入力デバイスEを介して、不規則性の領域内で組織の付加的な切除をどの程度の強さで行うかを指定することができる。
【0040】
結果として、すべての不規則性の場合に図2のK2によって指定されるような比較的平滑な角膜表面を得るため、必要に応じて剥離を縮小すべきである瘢痕Nの領域に、同様の見解が当てはまる。
【符号の説明】
【0041】
10 目
12 角膜
14 瞳孔縁
16 瘢痕またはセントラル・アイランド
18 固定レーザ
18’固定レーザ・ビーム
20 UVレーザ
22 レンズ
24、24’、38、40 スキャナ・ミラー
26、28 偏向ミラー
30 カメラ
32 矢印
34 OCTシステム
36 双頭矢印
C コンピュータ
D 表示装置
E 入力
I セントラル・アイランド
N 瘢痕
M1、M2 マーカ
G1、G2 傾き
K1、K2、K3、K4 表面
図1
図2