特許第5990018号(P5990018)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5990018ナビゲーション装置、情報提供方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5990018
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】ナビゲーション装置、情報提供方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20160825BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20160825BHJP
   G08G 1/137 20060101ALI20160825BHJP
【FI】
   G01C21/26 A
   G08G1/00 D
   G08G1/137
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-73635(P2012-73635)
(22)【出願日】2012年3月28日
(65)【公開番号】特開2013-205177(P2013-205177A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2014年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】502324066
【氏名又は名称】株式会社デンソーアイティーラボラトリ
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(72)【発明者】
【氏名】水野 伸洋
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 弘利
(72)【発明者】
【氏名】中村 修治
(72)【発明者】
【氏名】清水 泰博
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 靖之
【審査官】 柳幸 憲子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−284254(JP,A)
【文献】 特開2010−091582(JP,A)
【文献】 特開2009−289105(JP,A)
【文献】 特開平11−259794(JP,A)
【文献】 特開2010−038890(JP,A)
【文献】 特開2009−140250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00−21/36
G01C 23/00−25/00
G08G 1/00
G08G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の進行方向を予測する進行方向予測装置と、
前記進行方向予測装置にて予測された進行方向の第1候補及び第2候補の方面の情報を情報サーバから取得する情報取得部と、
車両が実際に進行した方向が前記第1候補及び前記第2候補のいずれかと一致する場合に、前記情報取得部にて取得した当該進行方向の方面の情報を提供する情報提供部と、
を備えるナビゲーション装置であって、
前記進行方向予測装置は、
交差点を含む地図情報を記憶した地図情報記憶部及び車両の現在位置を検出する現在位置検出部に接続され、
過去に交差点を通過した履歴であって、各交差点で各分岐方向に進んだ回数に基づく通過情報をその交差点への進入方向別に記憶した交差点通過情報記憶部と、
前記現在位置検出部から取得した車両の現在位置のデータに基づいて車両の進行方向を求め、前記地図情報記憶部に記憶された地図情報に基づいて、車両の進行方向にある交差点を特定する交差点特定部と、
特定された交差点の通過情報を前記交差点通過情報記憶部から取得し、取得した通過情報のデータ量が所定の閾値より多い場合に、取得した通過情報に基づいて、予測される進行方向の前記第1候補と前記第2候補を求め、取得した通過情報のデータ量が所定の閾値以下の場合に、取得した通過情報に基づいて前記第1候補を求めると共に、(1)前記交差点の道路情報、(2)同一車格の他の車両の通過情報、(3)同一目的の他の車両の通過情報、(4)現在の交通情報、のいずれか又は組合せに基づいて前記第2候補を求める予測進行方向計算部と、
前記予測進行方向計算部にて求めた前記第1候補と前記第2候補のデータを出力する出力部と、
を備えるナビゲーション装置。
【請求項2】
前記予測進行方向計算部は、前記交差点通過情報記憶部から取得した通過情報のデータ量が所定の閾値以下か否かの判断に代えて、前記交差点特定部にて特定された交差点を(1)所定の期間内に通過したことがあるか否か、(2)所定の期間内に所定の回数以上通過しているか否か、(3)現在と同じ状況において通過したことがあるか否か、(4)現在と同じ状況において所定の回数以上通過しているか否か、(5)現在と同じ状況において所定の期間内に通過したことがあるか否か、(6)現在と同じ状況において所定の期間内に所定の回数以上通過しているか否か、のいずれかの基準によって、予測進行方向の第2候補を通過情報から求めるか否かを判定する請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
交差点を含む地図情報を記憶した地図情報記憶部及び車両の現在位置を検出する現在位置検出部に接続された進行方向予測装置を備えたナビゲーション装置によって、情報を提供する方法であって、
前記進行方向予測装置が、前記現在位置検出部から取得した車両の現在位置のデータに基づいて車両の進行方向を求めるステップと、
前記進行方向予測装置が、前記地図情報記憶部に記憶された地図情報に基づいて、車両の進行方向にある交差点を特定するステップと、
前記進行方向予測装置が、特定された交差点の通過情報を、過去に交差点を通過した履歴であって各交差点で各分岐方向に進んだ回数に基づく通過情報をその交差点への進入方向別に記憶した交差点通過情報記憶部から取得し、取得した通過情報のデータ量が所定の閾値より多い場合に、取得した通過情報に基づいて、予測される進行方向の第1候補と第2候補を求め、取得した通過情報のデータ量が所定の閾値以下の場合に、取得した通過情報に基づいて前記第1候補を求めると共に、(1)前記交差点の道路情報、(2)同一車格の他の車両の通過情報、(3)同一目的の他の車両の通過情報、(4)現在の交通情報、のいずれか又は組合せに基づいて前記第2候補を求めるステップと、
前記ナビゲーション装置が、前記第1候補及び前記第2候補の方面の情報を情報サーバから取得するステップと、
車両が実際に進行した方向が前記第1候補及び前記第2候補のいずれかと一致する場合に、前記ナビゲーション装置が、前記情報サーバから取得した当該進行方向の方面の情報を提供するステップと、
を備える情報提供方法。
【請求項4】
前記予測される進行方向の第1候補と第2候補を求めるステップは、前記交差点通過情報記憶部から取得した通過情報のデータ量が所定の閾値以下か否かの判断に代えて、前記交差点特定部にて特定された交差点を(1)所定の期間内に通過したことがあるか否か、(2)所定の期間内に所定の回数以上通過しているか否か、(3)現在と同じ状況において通過したことがあるか否か、(4)現在と同じ状況において所定の回数以上通過しているか否か、(5)現在と同じ状況において所定の期間内に通過したことがあるか否か、(6)現在と同じ状況において所定の期間内に所定の回数以上通過しているか否か、のいずれかの基準によって、予測進行方向の第2候補を通過情報から求めるか否かを判定する請求項3に記載の情報提供方法。
【請求項5】
交差点を含む地図情報を記憶した地図情報記憶部及び車両の現在位置を検出する現在位置検出部に接続されたコンピュータによって、情報を提供するためのプログラムであって、前記コンピュータに、
前記現在位置検出部から取得した車両の現在位置のデータに基づいて車両の進行方向を求めるステップと、
前記地図情報記憶部に記憶された地図情報に基づいて、車両の進行方向にある交差点を特定するステップと、
特定された交差点の通過情報を、過去に交差点を通過した履歴であって各交差点で各分岐方向に進んだ回数に基づく通過情報をその交差点への進入方向別に記憶した交差点通過情報記憶部から取得し、取得した通過情報のデータ量が所定の閾値より多い場合に、取得した通過情報に基づいて、予測される進行方向の第1候補と第2候補を求め、取得した通過情報のデータ量が所定の閾値以下の場合に、取得した通過情報に基づいて前記第1候補を求めると共に、(1)前記交差点の道路情報、(2)同一車格の他の車両の通過情報、(3)同一目的の他の車両の通過情報、(4)現在の交通情報、のいずれか又は組合せに基づいて前記第2候補を求めるステップと、
前記第1候補及び前記第2候補の方面の情報を情報サーバから取得するステップと、
車両が実際に進行した方向が前記第1候補及び前記第2候補のいずれかと一致する場合に、前記情報サーバから取得した当該進行方向の方面の情報を提供するステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項6】
前記予測される進行方向の第1候補と第2候補を求めるステップは、前記コンピュータに、前記交差点通過情報記憶部から取得した通過情報のデータ量が所定の閾値以下か否かの判断に代えて、前記交差点特定部にて特定された交差点を(1)所定の期間内に通過したことがあるか否か、(2)所定の期間内に所定の回数以上通過しているか否か、(3)現在と同じ状況において通過したことがあるか否か、(4)現在と同じ状況において所定の回数以上通過しているか否か、(5)現在と同じ状況において所定の期間内に通過したことがあるか否か、(6)現在と同じ状況において所定の期間内に所定の回数以上通過しているか否か、のいずれかの基準によって、予測進行方向の第2候補を通過情報から求めるか否かを判定させる請求項5に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交差点などの分岐点において、車両が進行する方向を予測する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、交差点などの分岐点における車両の進行方向を予測し、予測結果に基づいて車両機器の制御を行う車両機器制御装置を提案した(特許文献1)。車両機器制御装置は、分岐点における右左折、直進の履歴に基づいて進行方向を予測することにより、あらかじめ経路が設定されていない場合でも、適切に進行方向を予測して車両機器の制御を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−289105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、車両機器のIT化がますます進んでおり、車両において様々な情報の提供を受けることが可能となってきている。その一方で、高速で移動している車両は、家庭やオフィスのPC等に比べて通信環境が悪く、情報のダウンロードに長く時間がかかったり、通信が切断したりすることがある。したがって、タイムリーな情報提供を行うためには、提供すべき施設の情報や道路情報などをあらかじめダウンロードしておくことが望ましい。このような用途に進行方向予測装置を適切に利用することができる。
【0005】
ところで、ユーザがあまり行ったことのない地域においては、走行履歴が少ないために、車両の進行方向を適切に予測できないという課題がある。すなわち、走行履歴の少ない地域は、ある目的地へ行くためにたまたま通ったという場合が多く、次に走行したときには、前に走行した道をどこで離脱するかはわからない。従って、このような場合には、走行履歴を全面的に信頼して進行方向を予測するのはリスクがある。具体的には、車両が予測した方向に進まなかった場合に、道路情報などの読み込みをやり直さなければならないため、その処理が間に合わないという問題があり得る。
【0006】
本発明は、上記背景に鑑み、予測誤りのリスクを低減した進行方向予測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の進行方向予測装置は、交差点を含む地図情報を記憶した地図情報記憶部及び車両の現在位置を検出する現在位置検出部に接続され、過去に交差点を通過した履歴であって、各交差点で各分岐方向に進んだ回数に基づく通過情報をその交差点への進入方向別に記憶した交差点通過情報記憶部と、前記現在位置検出部から取得した車両の現在位置のデータに基づいて車両の進行方向を求め、前記地図情報記憶部に記憶された地図情報に基づいて、車両の進行方向にある交差点を特定する交差点特定部と、特定された交差点の通過情報を前記交差点通過情報記憶部から取得し、取得した通過情報に基づいて、予測される進行方向の第1候補と第2候補を求める予測進行方向計算部と、前記予測進行方向計算部にて求めた前記第1候補と前記第2候補のデータを出力する出力部とを備える。
【0008】
このように交差点通過情報に基づいて、予測される進行方向(以下、「予測進行方向」という)の第1候補と第2候補とを求めるので、進行方向を1方向しか予測しない場合と比べて、予測が外れるリスクを低減することができる。なお、いくつの候補を求めるかは、進行方向を予測した後に行うアプリケーションの準備に要する時間との兼ね合いで決めてもよい。例えば、予測した進行方向についての情報提供を行う場合には、その情報のダウンロードに要する時間との関係で、いくつの候補を求めるか決めることができる。すなわち、情報のダウンロードにそれほど時間がかからない場合には、第3、第4の候補についてもあらかじめ情報をダウンロードするように、第3、第4の候補を求めてもよいし、情報のダウンロードに時間がかかる環境では第2候補までとすることができる。
【0009】
本発明の進行方向予測装置において、前記予測進行方向計算部は、前記交差点通過情報記憶部から取得した通過情報のデータ量が所定の閾値以下の場合に、(1)前記交差点の道路情報、(2)同一車格の他の車両の通過情報、(3)同一目的の他の車両の通過情報、(4)現在の交通情報、のいずれか又は組合せに基づいて前記第2候補を求めてもよい。
【0010】
通過情報が少ない交差点については、通過情報に基づく予測の精度が高くないことが考えられるので、通過情報とは異なる基準に基づいて進行方向の第2候補を求めることにより、予測される進行方向の第2候補を適切に求めることができる。
【0011】
本発明の進行方向予測装置において、前記予測進行方向計算部は、前記交差点特定部にて特定された交差点を(1)所定の期間内に通過したことがあるか否か、(2)所定の期間内に所定の回数以上通過しているか否か、(3)現在と同じ状況において通過したことがあるか否か、(4)現在と同じ状況において所定の回数以上通過しているか否か、(5)現在と同じ状況において所定の期間内に通過したことがあるか否か、(6)現在と同じ状況において所定の期間内に所定の回数以上通過しているか否か、のいずれかの基準によって、予測進行方向の第2候補を通過情報から求めるか否かを判定してもよい。
【0012】
この構成により、通過情報に基づく進行方向の予測精度をより細かく分析し、予測進行方向の第2候補をどうやって求めるかを適切に判定することができる。ここで、現在の状況とは、例えば、曜日、時間帯、天気、同乗者の有無などの状況である。交差点通過情報を蓄積する際に、こうした状況のデータを交差点通過情報に関連付けて記憶しておくことにより、同じ状況の交差点通過情報を読み出して通過回数の比較を行うことができる。なお、所定の期間内での通過回数を判定するためには、交差点通過回数記憶部には、通過回数の合計だけではなく、いつ通過したかを示す日時のデータを関連付けて記憶しておくことが必要である。
【0013】
本発明のナビゲーション装置は、上記進行方向予測装置と、前記進行方向予測装置にて予測された進行方向の第1候補及び第2候補の方面の情報を情報サーバから取得する情報取得部と、車両が実際に進行した方向が前記第1候補及び第2候補のいずれかと一致する場合に、前記情報取得部にて取得した当該進行方向の方面の情報を提供する情報提供部とを備える。
【0014】
上記した進行方向予測装置によって予測された進行方向の第1候補及び第2候補の方面の情報をあらかじめ取得しておくことにより、第1候補または第2候補の方向に実際に車両が進行した場合に、速やかに情報提供を行うことができる。また、少なくとも2つの候補を求めているので、進行方向の予測が外れる可能性を低くすることができる。
【0015】
本発明の進行方向予測方法は、交差点を含む地図情報を記憶した地図情報記憶部及び車両の現在位置を検出する現在位置検出部に接続された進行方向予測装置によって、交差点における進行方向を予測する方法であって、前記進行方向予測装置が、前記現在位置検出部から取得した車両の現在位置のデータに基づいて車両の進行方向を求めるステップと、前記進行方向予測装置が、前記地図情報記憶部に記憶された地図情報に基づいて、車両の進行方向にある交差点を特定するステップと、前記進行方向予測装置が、特定された交差点の通過情報を、過去に交差点を通過した履歴であって各交差点で各分岐方向に進んだ回数に基づく通過情報をその交差点への進入方向別に記憶した交差点通過情報記憶部から取得し、取得した通過情報に基づいて、予測される進行方向の第1候補と第2候補を求めるステップと、前記進行方向予測装置が、前記第1候補と前記第2候補のデータを出力するステップとを備える。
【0016】
本発明のプログラムは、交差点を含む地図情報を記憶した地図情報記憶部及び車両の現在位置を検出する現在位置検出部に接続されたコンピュータによって、交差点における進行方向を予測するためのプログラムであって、前記コンピュータに、前記現在位置検出部から取得した車両の現在位置のデータに基づいて車両の進行方向を求めるステップと、前記地図情報記憶部に記憶された地図情報に基づいて、車両の進行方向にある交差点を特定するステップと、特定された交差点の通過情報を、過去に交差点を通過した履歴であって各交差点で各分岐方向に進んだ回数に基づく通過情報をその交差点への進入方向別に記憶した交差点通過情報記憶部から取得し、取得した通過情報に基づいて、予測される進行方向の第1候補と第2候補を求めるステップと、前記第1候補と前記第2候補のデータを出力するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、交差点通過情報に基づいて予測される進行方向の第1候補と第2候補とを求めるので、進行方向を1方向しか予測しない場合と比べて、予測が外れるリスクを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施の形態の進行方向予測装置を含むナビゲーション装置の構成を示す図である。
図2】第1の実施の形態の進行方向予測装置の構成を示す図である。
図3】交差点通過情報記憶部に記憶されたデータの例を示す図である。
図4】予測進行方向テーブルに記憶されたデータの例を示す図である。
図5】ナビゲーション装置の動作を示す図である。
図6】第1の実施の形態の進行方向予測装置の動作を示す図である。
図7】第2の実施の形態の進行方向予測装置の構成を示す図である。
図8】履歴サーバの交差点通過情報記憶部に記憶されたデータの例を示す図である。
図9】第2の実施の形態の進行方向予測装置の動作を示す図である。
図10】第3の実施の形態の進行方向予測装置の構成を示す図である。
図11】第3の実施の形態の進行方向予測装置の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態の進行方向予測装置について図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の進行方向予測装置1を含むナビゲーション装置10の構成を示す図である。ナビゲーション装置10は、車両に搭載して用いられる。ナビゲーション装置10は情報サーバ22と接続されており、走行中の経路に応じた適切な情報を情報サーバ22から取得して、ユーザに提供する。
【0020】
ナビゲーション装置10は、進行方向予測装置1と、車両の現在位置を検出する現在位置検出部12と、交差点の情報を含む地図情報を記憶した地図データベース(以下、「地図DB」という)14と、情報サーバ22と通信を行う通信部16と、情報サーバ22から情報を取得する情報取得部18と、取得した情報をユーザに対して提示する情報提供部20とを有している。
【0021】
現在位置検出部12は、例えば、車両の絶対方位を検出するための地磁気センサ、車両の相対方位を検出するためのジャイロスコープ、車両の走行距離を検出する距離センサ、および衛星からの電波に基づいて車両の位置を測定するグローバルポジショニングシステム(GPS)のためのGPS受信機を有している。これらのセンサ等はそれぞれが性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサ等により各々を補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては、上述したうちの一部のセンサで現在位置検出部12を構成してもよいし、更に、図示しないステアリングの回転センサ、各転動輪の車速センサ等を用いてもよい。
【0022】
図2は、進行方向予測装置1の詳しい構成を示す図である。進行方向予測装置1は、交差点の通過情報を記憶した交差点通過情報記憶部30と、予測される進行方向を道路情報によって規定した予測進行方向テーブルを記憶した予測テーブル記憶部32と、交差点通過情報に基づいて交差点における進行方向を求める演算制御部34とを有している。本実施の形態では、進行方向予測装置1は、情報取得部18に対して予測進行方向のデータを出力し、情報取得部18が予測される進行方向に基づいて情報サーバ22から情報を取得する。
【0023】
演算制御部34は、交差点通過情報記憶部30に記憶される通過情報を更新する交差点通過情報更新部36と、次の交差点を特定する交差点特定部38と、交差点通過情報記憶部30に記憶された通過情報に基づいて次の交差点で予測される進行方向を求める予測進行方向計算部40と、予測進行方向のデータを外部に出力する出力部42とを有している。なお、この進行方向予測装置1は、CPUで構成されたプロセッサを備えており、演算制御部34の機能は、メモリやHDDに格納されているプログラムによって実現される。
【0024】
図3は、交差点通過情報記憶部30に記憶されたデータの例を示す図である。交差点通過情報記憶部30には、交差点を識別する交差点IDと、交差点への進入方向と、交差点の各分岐方向への通過回数が記憶されている。図3に示す例において、交差点IDが「1001」「1002」の交差点は十字路であるため、各分岐方向への通過回数として、右折、左折、直進の3方向のそれぞれへの通過回数が記憶されている。進入方向のデータである「1」〜「4」は、交差点を構成する各分岐路に便宜的に番号を付与したものである。例えば、南方向の(あるいは南方向に最も近い)分岐路を「1」とし、西方向、北方向、東方向の順に「2」〜「4」を付与することができる。
【0025】
交差点通過情報記憶部30のデータは、交差点通過情報更新部36によって更新される。交差点通過情報更新部36は、現在位置検出部12から車両の現在位置のデータを取得する。交差点通過情報更新部36は、車両の現在位置を地図DB14から読み出した地図情報と照合し、交差点を通過したと判定した時点で、交差点通過情報記憶部30の交差点通過回数をカウントアップする。
【0026】
なお、交差点通過情報記憶部30に記憶されるデータは、ユーザ毎のデータである。例えば、同じ車両を複数のユーザが運転する場合には、ユーザ毎に交差点通過情報が集計されて記憶される。
【0027】
図4は、予測テーブル記憶部32に記憶されたデータの例を示す図である。予測テーブル記憶部32には、予測進行方向を規定する道路情報とその優先順位とを含む予測進行方向テーブルが記憶されている。予測進行方向を規定する道路情報は、統計データから求めたり、エキスパートが決めたりすることができる。予測進行方向テーブルを用いることによりユーザの交差点通過情報を用いないで進行方向を予測することができる。
【0028】
図4に示す例では、予測進行方向として、「道なり」「同一規格の道路」「同一道幅の道路」が規定されている。「道なり」は、交差点において右左折を行わない道なりの方向が予測進行方向であることを示している。「同一規格の道路」とは、例えば、同じ種別の国道、県道、市道などである。交差点の前まで国道1号線を走行していた場合には、国道1号線が続く方向が予測進行方向となる。「同一道幅の道路」とは、例えば、車線数が同じ道路である。
【0029】
優先順位は、どの道路情報を優先して適用するかを規定する。図4に示す例においては、まず、優先順位が1位の「道なり」の方向を予測進行方向の第2候補として選択する。道なりの方向がすでに第1候補として求められている場合には、優先順位が2位の「同一規格の道路」を予測進行方向の第2候補として選択するといった具合である。
【0030】
交差点特定部38は、現在位置検出部12から車両の現在位置のデータを取得し、取得した車両の現在位置のデータと地図DB14から読み出した地図情報とに基づいて、車両が走行中の道路とその進行方向を求め、次の交差点を特定する。交差点特定部38は、特定された交差点の情報を予測進行方向計算部40に入力する。
【0031】
予測進行方向計算部40は、次交差点のデータであって、かつ、その交差点への進入方向に対応するデータを、交差点通過情報記憶部30から読み出す。予測進行方向計算部40は、読み出したデータに基づいて、次交差点での予測進行方向の第1候補と第2候補を計算する。
【0032】
予測進行方向の第1候補と第2候補の求め方は、次の交差点を通過した履歴データが十分にあるか否か、すなわち、交差点の通過回数の合計が所定の閾値以上であるかどうかによって異なる。交差点の通過回数の合計が所定の閾値以上の場合には、交差点通過情報記憶部30から読み出した交差点通過情報に基づいて予測進行方向の第1候補と第2候補を求める。交差点の通過回数の合計が所定の閾値未満の場合には、予測進行方向の第1候補を交差点通過情報に基づいて求め、予測進行方向の第2候補を予測進行方向テーブルに基づいて求める。
【0033】
交差点通過情報に基づいて進行方向を計算する場合には、予測進行方向計算部40は、交差点において各分岐方向に進んだ回数から、各分岐方向が選ばれる確率値を計算し、その確率値に基づいて、予測進行方向の第1候補と第2候補を求める。
【0034】
例えば、図3に示す例で、交差点IDが「1001」、進入方向が「1」の場合、右折が35回、左折が5回、直進が10回なので、右折の確率値は、35/(35+5+10)=0.7(=70%)、左折の確率値は、10/(35+5+10)=0.2(=20%)、直進の確率値は、5/(35+5+10)=0.1(=10%)である。右折の確率値が最大なので、右折が予測進行方向の第1候補となる。通過情報に基づいて第2候補を求める場合には、左折の確率値が次に大きいので左折が予測進行方向の第2候補となる。
【0035】
予測進行方向テーブルを用いて予測進行方向の第2候補を計算する場合には、予測進行方向計算部40は、第1候補として選ばれた方向を除く分岐方向の中から第2候補を求める。上記に説明した例では、右折が第1候補として計算されたので、残る直進と左折のうちから第2候補を求める。予測進行方向テーブル(図4)を参照すると、優先順位1位で規定されている道なりの方向は直進なので、直進が第2候補となる。この例では、予測進行方向の第2候補は、通過情報から求めた場合には左折、予測進行方向テーブルで求めた場合には直進となる。
【0036】
図5は、第1の実施の形態の進行方向予測装置1を含むナビゲーション装置10の動作を示すフローチャートである。ナビゲーション装置10は、進行方向予測装置1によって、次交差点での予測進行方向の第1候補及び第2候補を計算する(S10)。この動作については、図6を参照して、後述する。
【0037】
進行方向予測装置1によって、次交差点での予測進行方向の第1候補と第2候補が計算されると、ナビゲーション装置10は、情報取得部18にて第1候補及び第2候補の方面の情報をダウンロードし、記憶部に記憶する(S12)。情報取得部18は、第1候補の方面の情報を先にダウンロードし、続いて、第2候補の方面の情報をダウンロードする。
【0038】
ナビゲーション装置10は、情報のダウンロードの処理を行う一方で、車両が交差点を通過したか否かを判定する(S14)。交差点を通過していないと判定した場合には(S14でNO)、情報のダウンロードを継続して行う(S12)。なお、交差点を通過するまでに第1候補と第2候補の方面の情報のダウンロードが完了した場合には、その他の進行方向の方面の情報をダウンロードしてもよい。
【0039】
ナビゲーション装置10は、交差点を通過したと判定した場合には(S14でYES)、進行方向が、第1候補または第2候補の方向か否かを判定する(S16)。進行方向が第1候補または第2候補の方向である場合には(S16でYES)、ナビゲーション装置10は、ステップS12でダウンロードして記憶部に記憶してある情報を読み出して、ユーザに提供する(S18)。進行方向が第1候補または第2候補の方向でない場合には(S16でNO)、ナビゲーション装置10は、進行方向の方面の情報をダウンロードしてユーザに提供する(S20)。
【0040】
図6は、進行方向予測装置1によって予測進行方向の第1候補及び第2候補を求める動作を示す図である。進行方向予測装置1は、現在位置検出部12にて検出した現在位置のデータを取得する。進行方向予測装置1の交差点特定部38は、入力された現在位置のデータと地図DB14から読み出した地図情報に基づいて、車両が走行中の道路を特定する(S30)。また、交差点特定部38は、現在位置検出部12から入力される現在位置の時系列データから、車両の現在の進行方向を求める(S30)。交差点特定部38は、車両が走行中の道路とその進行方向とに基づいて、次の交差点を特定する(S32)。交差点特定部38は、特定した次交差点を示す情報を予測進行方向計算部40に入力する。
【0041】
予測進行方向計算部40は、入力された次交差点への進入方向に対応する「各分岐方向への通過回数」を、交差点通過情報記憶部30から読み出す(S34)。続いて、予測進行方向計算部40は、各分岐方向への通過回数の合計が、所定の閾値(例えば、20回)以上であるか否かを判定する(S36)。
【0042】
各分岐方向への通過回数の合計が、所定の閾値以上の場合には(S36でYES)、予測進行方向計算部40は、各分岐方向への通過回数に基づいて、各分岐方向へ進む確率値を計算する。予測進行方向計算部40は、右左折および直進のうち、最大の確率値を有する方向を交差点での予測進行方向の第1候補として求め、2番目に大きい確率値を有する方向を予測進行方向の第2候補として求める(S38)。
【0043】
各分岐方向への通過回数の合計が、所定の閾値未満の場合には(S36でNO)、予測進行方向計算部40は、各分岐方向への通過回数に基づいて、各分岐方向へ進む確率値を計算する。予測進行方向計算部40は、右左折および直進のうち、最大の確率値を有する方向を交差点での予測進行方向の第1候補として求める(S40)。次に、進行方向予測装置1は、予測進行方向テーブルを用いて予測進行方向の第2候補を求める(S42)。
【0044】
進行方向予測装置1は、計算によって求めた予測進行方向の第1候補、第2候補のデータを情報取得部18に対して出力する(S44)。以上、第1の実施の形態の進行方向予測装置1及びナビゲーション装置10の構成および動作について説明した。
【0045】
第1の実施の形態の進行方向予測装置1は、次交差点での進行方向を予測するときに、一つの分岐方向だけを予測するのではなく、少なくとも2つの方向(第1候補、第2候補)を予測するので、進行方向の予測が外れるリスクを低減することができる。そして、ナビゲーション装置10は、予測進行方向の第1候補のみならず、予測進行方向の第2候補が選ばれたときに備えてあらかじめ情報を取得しておくことにより、予測進行方向の第2候補が選ばれたときにも迅速に情報提供を行うことができる。
【0046】
(第2の実施の形態)
図7は、第2の実施の形態の進行方向予測装置2の構成を示す図である。第2の実施の形態の進行方向予測装置2を含むナビゲーション装置10の構成は、第1の実施の形態と同じである(図1参照)。第2の実施の形態では、進行方向予測装置2は、予測対象の交差点の通過情報のデータ量が十分でない場合には、同一車格の他の車両の通過情報に基づいて予測進行方向の第2候補を求める。
【0047】
第2の実施の形態の進行方向予測装置2は、他の車両の交差点通過情報を記憶した交差点通過情報記憶部46を備えた履歴サーバ44と通信可能に接続されている。本実施の形態では、通信部16として、ナビゲーション装置10が有する通信部16を用いる例を示しているが、進行方向予測装置2が独自の通信部を有することとしてもよい。
【0048】
図8は、履歴サーバ44が保有する交差点通過情報記憶部46に記憶されたデータの例を示す図である。交差点通過情報記憶部46に記憶された交差点通過情報は、進行方向予測装置2が有する交差点通過情報記憶部30の交差点通過情報と同じであるが、履歴サーバ44では、多数の車両の交差点通過情報をその車格ごとに記憶している。ここで車格とは、例えば、排気量による分類であり、軽自動車、小型乗用車、普通乗用車などである。履歴サーバ44は、このような交差点通過情報をプローブカー等を利用して収集する。
【0049】
図9は、第2の実施の形態の進行方向予測装置2の動作を示す図である。交差点の通過回数合計が閾値以上の場合に、交差点通過情報に基づいて予測進行方向の第1候補及び第2候補を求めて、情報取得部18に出力する動作は第1の実施の形態の場合と同じである(S30〜S38、S44)。
【0050】
第2の実施の形態の進行方向予測装置2は、交差点の通過回数の合計が閾値未満の場合に、まず、交差点通過情報に基づいて、予測進行方向の第1候補を求める(S40)。具体的には、進行方向予測装置2は、交差点において各分岐方向に進んだ回数から、各分岐方向が選ばれる確率値を計算し、最大の確率値を有する分岐方向を予測進行方向の第1候補として求める。
【0051】
続いて、進行方向予測装置2は、履歴サーバ44に対して、次交差点の交差点ID及び当該交差点への進入方向を示す進入方向データと自車両の車格データを送信する(S50)。履歴サーバ44は、交差点ID、進入方向データ、車格データを受信すると(S52)、受信した車格の交差点通過情報に基づいて交差点で各分岐方向が選ばれる確率値を計算し、その確率値のデータを進行方向予測装置2に送信する(S54)。
【0052】
進行方向予測装置2は、第1候補以外の分岐方向のうち、同一車格の車両によって選ばれた確率が最も高い分岐方向を予測進行方向の第2候補として計算する(S56)。進行方向予測装置2は、進行方向の第1候補及び第2候補の情報を情報取得部18に対して出力する(S44)。
【0053】
第2の実施の形態の進行方向予測装置2によれば、同一車格の車両の交差点通過情報に基づいて予測進行方向の第2候補を適切に求めることができる。
【0054】
なお、本実施の形態においては、予測進行方向の第2候補を求めるために、同一車格の他の車両の交差点通過情報を用いたが、同一目的の他の車両の交差点通過情報を用いることも可能である。ここで目的とは、例えば、運送、バス、タクシーなどの車両を動かす目的である。このように同一目的の他の車両の通過情報を用いることによっても、予測進行方向の第2候補を適切に求めることができる。
【0055】
また、本実施の形態においては、履歴サーバ44が、交差点での各分岐方向が選ばれる確率値のデータを送信する例(S54)について説明したが、履歴サーバ44は、同一車格の車両の交差点通過情報そのものを送信することしてもよいし、また、各分岐方向が選ばれる順位のデータを送信することとしてもよい。これらのいずれのデータを受信しても、進行方向予測装置2は、同一車格の他の車両がどの分岐方向をどの程度の割合で選んだかを把握することができる。
【0056】
(第3の実施の形態)
図10は、第3の実施の形態の進行方向予測装置3の構成を示す図である。第3の実施の形態の進行方向予測装置3を含むナビゲーション装置10の構成は、第1の実施の形態と同じである(図1参照)。第3の実施の形態では、進行方向予測装置3は、予測対象の交差点の通過情報が十分にない場合には、交通情報を用いて予測進行方向の第2候補を求める。
【0057】
第3の実施の形態の進行方向予測装置3は、渋滞や通行止めなどの交通情報を提供する交通情報センター50と通信可能に接続されている。本実施の形態では、通信部16として、ナビゲーション装置10が有する通信部16を用いる例を示しているが、進行方向予測装置3が独自の通信部を有することとしてもよい。
【0058】
図11は、第3の実施の形態の進行方向予測装置3の動作を示す図である。通過回数合計が閾値以上の場合に、交差点通過情報に基づいて予測進行方向の第1候補及び第2候補を求めて、情報取得部18に出力する動作は第1の実施の形態の場合と同じである(S30〜S38、S44)。
【0059】
第3の実施の形態の進行方向予測装置3は、通過回数合計が閾値未満の場合に(S36でNO)、まず、交差点通過情報に基づいて、予測進行方向の第1候補を求める(S40)。具体的には、進行方向予測装置3は、交差点において各分岐方向に進んだ回数から、各分岐方向が選ばれる確率値を計算し、最大の確率値を有する進行方向を予測進行方向の第1候補として求める。
【0060】
続いて、進行方向予測装置3は、交通情報センター50に対して、交通情報の送信要求を送信する(S60)。交通情報センター50は、交通情報の送信要求を受信すると(S62)、送信元の進行方向予測装置3に対して交通情報を送信する(S64)。進行方向予測装置3は、交通情報を受信すると(S66)、第1候補以外の分岐方向の中から、予測進行方向の第2候補を求める(S68)。例えば、渋滞している地域が存在する場合には、その地域へ向かう方向以外の分岐方向を予測進行方向の第2候補として求める。このように交通情報を用いて、予測進行方向の第2候補を適切に求めることができる。
【0061】
なお、本実施の形態においては、予測進行方向の第2候補を求める際に、交通情報センター50に対して交通情報の送信要求を送信する例について説明したが、随時、交通情報を受信している場合には、受信した最新の交通情報に基づいて予測進行方向の第2候補を求めることとしてもよい。
【0062】
以上、本発明の進行方向予測装置およびこの進行方向予測装置を含むナビゲーション装置の構成と動作について、実施の形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
【0063】
上記した実施の形態においては、交差点における予測進行方向の第1候補と第2候補を求める例を挙げて説明したが、本発明の進行方向予測装置は、交差点が、例えば、5差路、6差路のような場合には、第1候補と第2候補のみならず第3候補以下を求めることとしてもよい。第3候補の求め方としては、例えば、通過情報を用いてもよいし、道路情報を用いてもよい。
【0064】
上記した実施の形態では、第1の実施の形態で予測進行方向テーブル、第2の実施の形態で同一規格または同一目的の他の車両の交差点通過情報、第3の実施の形態で交通情報を用いて、予測進行方向の第2候補を求める例を説明したが、これらの情報の適切な組合せによって予測進行方向の第2候補を求めることとしてもよい。
【0065】
上記した実施の形態では、交差点の通過回数と所定の閾値とを単純に比較し、その結果に基づいて予測進行方向の第2候補を交差点通過情報から求めるか、それ以外の情報に基づいて求めるかを決める例について説明した。しかし、交差点の通過情報を単純に比較するのではなく、例えば、所定期間における通過回数を判定したり、同じ状況における通過回数を判定したりしてもよい。具体的には、(1)所定の期間内に通過したことがあるか否か、(2)所定の期間内に所定の回数以上通過しているか否か、(3)現在と同じ状況において通過したことがあるか否か、(4)現在と同じ状況において所定の回数以上通過しているか否か、(5)現在と同じ状況において所定の期間内に通過したことがあるか否か、(6)現在と同じ状況において所定の期間内に所定の回数以上通過しているか否か、などの基準によって、第2候補の求め方を決めてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明によれば、交差点における進行方向を適切に予測することができるので、予測結果を利用して機器制御や経路案内に適用することができる。
【符号の説明】
【0067】
1〜3 進行方向予測装置
10 ナビゲーション装置
12 現在位置検出部
14 地図データベース
16 通信部
18 情報取得部
20 情報提供部
22 情報サーバ
24 コンテンツデータベース
26 通信部
30 交差点通過情報記憶部
32 予測テーブル記憶部
34 演算制御部
36 交差点情報更新部
38 交差点特定部
40 予測進行方向計算部
42 出力部
44 履歴サーバ
46 交差点通過情報記憶部
48 通信部
50 交通情報センター
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11