(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5990173
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】広帯域無線接続システムにおける効率的な領域変更方法及びそのための装置
(51)【国際特許分類】
H04W 48/18 20090101AFI20160825BHJP
【FI】
H04W48/18 111
【請求項の数】8
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-528138(P2013-528138)
(86)(22)【出願日】2011年9月14日
(65)【公表番号】特表2013-537379(P2013-537379A)
(43)【公表日】2013年9月30日
(86)【国際出願番号】KR2011006763
(87)【国際公開番号】WO2012036451
(87)【国際公開日】20120322
【審査請求日】2014年9月12日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0032174
(32)【優先日】2011年4月7日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】61/393,952
(32)【優先日】2010年10月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/382,929
(32)【優先日】2010年9月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/382,889
(32)【優先日】2010年9月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ジュン, インウク
(72)【発明者】
【氏名】クワ,ジンサム
(72)【発明者】
【氏名】リュ, キソン
(72)【発明者】
【氏名】リ, ウクボン
【審査官】
望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0172325(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0058511(US,A1)
【文献】
LG,IEEE C802.16m-10/0019: Proposed changes to update of the S-SFH IEs (D3-16.2.23),IEEE C802.16m-10/0019,2010年 1月13日,URL,http://www.ieee802.org/16/tgm/index_older.html#contrib
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
改善基地局(ABS)の改善端末(AMS)サポート領域への領域変更動作を行う方法であって、前記ABSは、所定の周期に従って前記AMSサポート領域において第一のスーパーフレームヘッダーサブパケット(SFH SP)と第二のSFH SPと第三のSFH SPとを含む複数のSFH SPを送信し、前記方法は、広帯域無線接続システムにおいて改善端末(AMS)により実行され、前記方法は、
前記改善基地局(ABS)のレガシー領域(LZone)から前記AMSサポート領域の前記複数のスーパーフレームヘッダーサブパケット(SFH SP)を含むシステム情報および領域変更TLV情報を含むレンジング応答(RNG―RSP)メッセージを受信することと、
前記複数のSFH SPを含む前記システム情報を用いて前記AMSサポート領域にレンジングを行うことと
を含み、
前記領域変更TLV情報は、前記AMSサポート領域のプリアンブルインデックスと、前記LZoneと前記AMSサポート領域との間のオフセットとを含み、
前記AMSは、前記AMSサポート領域と同期化する前に前記LZoneから前記第一のSFH SP、前記第二のSFH SPおよび前記第三のSFH SPを含む前記レンジング応答メッセージを獲得する、方法。
【請求項2】
前記AMSが行える領域変更モードを指示する領域変更能力情報を含むレンジング要請(RNG―REQ)メッセージを前記レガシー領域に伝送することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記AMSが前記レガシー領域との連結を切り、前記AMSサポート領域への領域変更を行うモードを指示する値に前記領域変更能力情報が設定された場合、前記複数のSFH SPを含む前記システム情報は、前記レンジング応答メッセージに含まれる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
広帯域無線接続システムにおいて改善基地局(ABS)により改善端末(AMS)の領域変更をサポートする方法であって、前記ABSは、所定の周期に従ってAMSサポート領域において第一のスーパーフレームヘッダーサブパケット(SFH SP)と第二のSFH SPと第三のSFH SPとを含む複数のSFH SPを送信し、前記方法は、
前記AMSが行える領域変更モードを指示する領域変更能力情報を含むレンジング要請(RNG―REQ)メッセージをレガシー領域(Lzone)を通して受信することと、
前記領域変更能力情報の値によって前記レガシー領域(LZone)を通して前記AMSにABSサポート領域(MZone)の複数のスーパーフレームヘッダーサブパケット(SFH SP)を含むシステム情報および領域変更TLV情報を含むレンジング応答(RNG―RSP)メッセージを伝送することと
を含み、
前記領域変更TLV情報は、前記AMSサポート領域のプリアンブルインデックスと、前記LZoneと前記AMSサポート領域との間のオフセットとを含み、
前記AMSは、前記AMSサポート領域と同期化する前に前記LZoneから前記第一のSFH SP、前記第二のSFH SPおよび前記第三のSFH SPを含む前記レンジング応答メッセージを獲得する、方法。
【請求項5】
前記AMSが前記レガシー領域との連結を切り、前記AMSサポート領域への領域変更を行うモードを指示する値に前記領域変更能力情報が設定された場合、前記複数のSFH SPを含む前記システム情報は、前記レンジング応答メッセージに含まれる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
広帯域無線接続システムにおいて改善基地局(ABS)の改善端末(AMS)サポート領域への領域変更を行うAMSであって、前記ABSは、所定の周期に従って前記AMSサポート領域において第一のスーパーフレームヘッダーサブパケット(SFH SP)と第二のSFH SPと第三のSFH SPとを含む複数のSFH SPを送信し、前記AMSは、
改善基地局(ABS)のレガシー領域(LZone)からAMSサポート領域の複数のスーパーフレームヘッダーサブパケット(SFH SP)を含むシステム情報および領域変更TLV情報を含むレンジング応答(RNG―RSP)メッセージを受信するように構成された受信モジュールと、
前記複数のSFH SPを含む前記システム情報を用いて前記AMSサポート領域にレンジングを行うように構成されたプロセッサと
を含み、
前記領域変更TLV情報は、前記AMSサポート領域のプリアンブルインデックスと、前記LZoneと前記AMSサポート領域との間のオフセットとを含み、
前記AMSは、前記AMSサポート領域と同期化する前に前記LZoneから前記第一のSFH SP、前記第二のSFH SPおよび前記第三のSFH SPを含む前記レンジング応答メッセージを獲得する、AMS。
【請求項7】
前記AMSが行える領域変更モードを指示する領域変更能力情報を含むレンジング要請(RNG―REQ)メッセージを前記レガシー領域に伝送するように構成された伝送モジュールをさらに含む、請求項6に記載のAMS。
【請求項8】
前記AMSが前記レガシー領域との連結を切り、前記AMSサポート領域への領域変更を行うモードを指示する値に前記領域変更能力情報が設定された場合、前記複数のSFH SPを含む前記システム情報は、前記レンジング応答メッセージに含まれる、請求項7に記載のAMS。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線接続システムに関し、より詳細には、効率的に領域変更を行うための方法及びそれを行える装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハンドオーバー(Handover、HO)は、端末が一つの基地局の無線インターフェースから他の基地局の無線インターフェースに移動することをいう。以下では、一般的なIEEE 802.16システムでのハンドオーバー手順を説明する。
【0003】
IEEE 802.16網において、サービング基地局(SBS:Serving Base Station)は、移動端末(MS:Mobile Station、以下、「端末」と称する。)に基本的なネットワーク構成に対する情報(トポロジー)を知らせるために、隣接基地局情報を隣接公示(MOB_NBR―ADV)メッセージを介してブロードキャストすることができる。
【0004】
MOB_NBR―ADVメッセージは、サービング基地局と各隣接基地局に対するシステム情報、例えば、プリアンブルインデックス、周波数、ハンドオーバー最適化(HO optimization)可能程度及びDCD(Downlink Channel Descriptor)/UCD(Uplink Channel Descriptor)情報などを含んでいる。
【0005】
DCD/UCD情報は、端末でダウンリンクとアップリンクを通した情報交信を行うために端末が知るべき情報を含んでいる。例えば、DCD/UCD情報には、ハンドオーバートリガー(HO trigger)情報、基地局のMACバージョン(Medium Access Control version)及びMIH能力(Media Independent Handover capability)などの情報がある。
【0006】
一般的なMOB_NBR―ADVメッセージは、IEEE 802.16e類型の各隣接基地局に対する情報のみを含んでいる。それによって、IEEE 802.16e以外の類型を有する隣接基地局情報は、SII―ADV(Service Identity Information ADVertisement)メッセージを介して各端末にブロードキャストすることができる。従って、端末は、サービング基地局にSII―ADVメッセージを伝送することを要請することによって、異機種網基地局に対する各情報を獲得することができる。
【0007】
上述した方法を通して隣接基地局の情報を獲得した端末がIEEE 802.16網でハンドオーバーを行う手順を
図1を参照してより詳細に説明する。
【0008】
図1は、一般的なIEEE 802.16システムで行えるハンドオーバー手順の一例を示している。
【0009】
図1を参照すると、まず、端末(MS)は、サービング基地局(SBS)に接続されてデータ交換を行うことができる(S101)。
【0010】
サービング基地局は、周期的に自分に位置する隣接基地局に対する情報をMOB_NBR―ADVメッセージを介して端末にブロードキャストすることができる(S102)。
【0011】
端末は、サービング基地局と交信する間、ハンドオーバートリガー(HO trigger)条件を用いて各候補基地局(candidate HO BS)に対するスキャンを開始することができる。端末は、ハンドオーバー条件、例えば、所定の履歴マージン(Hysterisis margin)値を超えた場合、ハンドオーバー要請(MOB_MSHO―REQ)メッセージを伝送し、サービング基地局にハンドオーバー手順遂行を要請することができる(S103)。
【0012】
サービング基地局は、MOB_MSHO―REQメッセージに含まれている各候補基地局(candidate HO BS)にHO―REQメッセージを介して端末のハンドオーバー要請を知らせることができる(S104)。
【0013】
各候補基地局(Candidate HO BS)は、ハンドオーバーを要請した端末のための事前措置を取り、ハンドオーバーと関連した各情報をHO―RSPメッセージを介してサービング基地局に伝達することができる(S105)。
【0014】
サービング基地局は、各候補基地局からHO―RSPメッセージを介して獲得したハンドオーバーと関連した各情報をハンドオーバー応答(MOB_BSHO―RSP)メッセージを介して端末に伝達することができる。ここで、MOB_BSHO―RSPメッセージは、ハンドオーバーのための動作時間、ハンドオーバー識別子(HO―ID)及び専用ハンドオーバーCDMAレンジングコード(Dedicated HO CDMA ranging code)などのハンドオーバーを行うための各情報を含むことができる(S106)。
【0015】
端末は、サービング基地局から受信したMOB_BSHO―RSPメッセージに含まれた情報に基づいて、各候補基地局のうち一つのターゲット基地局を決定することができる。それによって、端末は、決定されたターゲット基地局にCDMAコードを伝送してレンジングを試みることができる(S107)。
【0016】
CDMAコードを受信したターゲット基地局は、端末にレンジング応答(RNG―RSP)メッセージを介してレンジングの成功可否及び各物理補正値を伝送することができる(S108)。
【0017】
次に、端末は、ターゲット基地局に認証のためのレンジング要請(RNG―REQ)メッセージを伝送することができる(S109)。
【0018】
端末のレンジング要請メッセージを受信したターゲット基地局は、端末にCID(Connection IDentifier)などの該当の基地局で使用可能なシステム情報などをレンジング応答メッセージを介して提供することができる(S110)。
【0019】
ターゲット基地局が端末の認証を成功的に終了し、アップデート情報を全て送った場合、端末のサービング基地局にハンドオーバー完了メッセージ(HO―CMPT)を介してハンドオーバーの成功可否を知らせることができる(S111)。
【0020】
以後、端末は、ハンドオーバーを行ったターゲット基地局と情報交換を行うことができる(S112)。
【0021】
上述したハンドオーバー過程は、IEEE 802.16e(WirelessMAN―OFDMA R1 Reference System)規格に従う端末と基地局との間で行われると仮定している。IEEE 802.16m(WirelessMAN―Advanced Air Interface)システムで定義されたハンドオーバー手順では、一部の媒体接続制御(MAC:Medium Access Control)管理メッセージの種類及びそれに含まれるパラメーターが異なり得る。例えば、レンジング要請/応答(RNG―REQ/RSP)メッセージは改善レンジング要請/応答(AAI―RNG―REQ/RSP)メッセージに取り替えられ、ハンドオーバー応答(BSHO―RSP)メッセージはハンドオーバー命令(AAI―HO―CMD)メッセージに取り替えられる。
【0022】
以下、本明細書では、便宜上、IEEE 802.16e規格を含む一般的技術が適用されるシステムを「レガシーシステム(legacy system)」又は「R1 system」と称する。また、レガシー技術が適用される端末を「レガシー端末」又は「R1 MS」と称し、レガシー技術が適用される基地局を「レガシー基地局」又は「R1 BS」と称する。併せて、一般的な技術が適用される端末又は基地局の動作モードを「レガシーモード」と称する。
【0023】
また、IEEE 802.16m規格(WirelessMAN―OFDMA Advanced Air Interface)を含む、一般的技術より進歩された技術が適用される端末を「AMS(Advanced MS)」又は「改善端末」と称し、進歩された技術が適用される基地局を「ABS(Advanced BS)」又は「改善基地局」と称する。併せて、進歩された技術が適用される端末又は基地局の動作モードを「改善モード」と称する。
【0024】
AMSがYBSに接続されてサービスを受けており、AMSとYMSを全てサポートするABS(WirelessMAN―OFDMA R1 Reference System/WirelessMAN―OFDMA Advanced co―existing System)がYBSに隣接して存在する場合を仮定する。以下、AMSとYMSを全てサポートする、すなわち、レガシーモードと改善モードを共にサポートするABSを「ミックスモード基地局」と称し、このような基地局の動作モードを「ミックスモード」と称する。
【0025】
YBSは、レガシーシステムに適用される物理チャンネルフレーム構造を有するレガシー領域(LZone:Legacy Zone)のみを有しており、ABSは、AMSのみをサポートする場合(WirelssMAN―OFDMA advanced system only)、改善システムに適用される物理チャンネルフレーム構造を有する改善端末サポート領域(MZone:16M Zone)のみを有すると仮定する。また、AMS及びYMSを全てサポートするABS(Wireless MAN―OFDMA R1 Reference System/WirelessMAN―OFDMA Advanced co―existing System:legacy supportive)は、レガシー領域と改善端末サポート領域を全て有し、アップリンク及びダウンリンクのそれぞれで時間単位、例えば、フレーム又はサブフレーム単位で区分(TDD:Time Division Duplex)されていると仮定する。
【0026】
併せて、AMSは、ABS及びYBSの両方からサービスを受けられると仮定する。すなわち、AMSは、改善端末サポート領域及びレガシー領域のうちいずれか一つを通してサービスを受けることができ、レガシーシステムで定義されたハンドオーバー遂行過程と改善システムで定義されたハンドオーバー遂行過程を全て行えると仮定する。
【0027】
通常、AMSは、サービングYBSからAMS及びYMSを全てポートするABSにハンドオーバーを行うために、まず、ABSのレガシー領域に進入した後、レガシー領域で継続してサービスを受けたり、改善端末サポート領域への領域変更(Zone switching)を行うことができる。また、AMSは、ABSのレガシー領域に進入せずに直ぐ改善端末サポート領域への領域変更を行う方法でハンドオーバーを行うこともできる。
【0028】
ここで、領域変更(zone switch)をより詳細に説明すると、一つのキャリア内に時分割二重化(TDD)で区分されるLZoneとMZoneが存在することによって、LZoneで動作していたAMSがMZoneの資源領域で動作するようにする手順である。すなわち、端末がIEEE 802.16eシステムに定義されたMAC動作をIEEE 802.16mシステムに定義されたMAC動作に変更することを意味する。これは、逆に、AMSがMZoneからLZoneに移動することも含む。
【0029】
ところが、領域変更が行われるとき、端末が同一の基地局内で領域変更をするためには、事前にいくつかの情報を端末と対象基地局が知っていなければならない。例えば、ターゲット基地局の立場では、端末がIEEE 802.16mシステムをサポートする端末であるかどうかを知ると、これに合わせてハンドオーバー又は領域変更手順を行うようにスケジューリングする。また、端末の立場では、ターゲット基地局がIEEE 802.16mシステムをサポートする基地局であるかどうか、及び移動する領域に対する情報を知っていなければならない。具体的に、LZoneからMZoneに端末が領域変更を行う場合、端末は、MZoneに対するシステム情報(すなわち、スーパーフレームヘッダー:SFH)を受信しなければならなく、フレーム構造でMZoneの開始位置も知っていなければならない。
【0030】
端末がミックスモード基地局のLZoneにIEEE 802.16eシステムに定義されたハンドオーバーを行った後、MZoneへの領域変更を行う方法には大きく二つの方法がある。これは、領域変更モード0(Zone Switch mode 0)と領域変更モード1(Zone switch mode 1)に区分して定義することができる。Zone switch mode 0は、端末がLZoneとの連結を特定時点(例えば、zone switch Action Time)に切り、MZoneとの同期化を行うとともにシステム情報(SFH)を受信する。これを成功的に終了した端末はMZoneへの網進入を開始するが、それによる同期化及びSFH受信時間だけの遅延(latency)が発生するようになる。
【0031】
その一方、zone switch mode 1である場合、端末は、LZoneで行っていた動作を維持すると同時に、MZoneとの同期化及び網再進入を同時に行うことができる。従って、領域変更時に遅延が発生しない場合もある。
【0032】
遅延(Latency)の側面ではzone switch mode 1が最も良い方法であるが、端末の具現観点では、二つの領域と同時に通信を行わなければならないので、負担が大きくなり得る。その一方、端末具現の観点ではZone Switch mode 0に従うようにすると有利であり得るが、相当な遅延が発生するようになり、QoSに重大な影響を及ぼし得る。これは、上述したように、端末がMZoneへの網進入を行うためにはMZoneのシステム情報を受信しなければならないためである。さらに、zone switch mode 0への領域変更を行う、端末がMZoneに対するフレーム構成とスーパーフレームの開始点を知ることができないので、特定時点(例えば、zone switch action time)からMZoneの全ての区間をスキャンしながら領域変更を行わなければならないという負担がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
本発明は、前記のような一般的な技術の問題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、より効率的な領域変更手順を定義することにある。
【0034】
本発明の他の目的は、端末の領域変更時の遅延時間を減少できる方法を提供することにある。
【0035】
本発明で達成しようとする技術的課題は、以上で言及した各技術的課題に制限されず、言及していない更に他の技術的課題は、下記の記載から本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0036】
前記の技術的課題を達成するために、本発明の一実施例に係る広帯域無線接続システムのミックスモードで動作する改善基地局(Mixmode ABS)で改善端末(AMS)が領域変更を行う方法は、前記改善基地局のレガシー領域(LZone)から改善端末サポート領域(MZone)のシステム情報を含むレンジング応答メッセージ(RNG―RSP)を受信すること;及び前記システム情報を用いて前記改善端末サポート領域にレンジングを行うこと;を含むことができる。
【0037】
このとき、前記改善端末が行える領域変更モードを指示する領域変更能力情報を含むレンジング要請(RNG―REQ)メッセージを前記レガシー領域に伝送することをさらに含むことができる。
【0038】
また、前記レンジング要請メッセージは、前記端末に予め受信されたスーパーフレームヘッダーの変更カウントをさらに含み、前記レンジング応答メッセージに含まれるシステム情報は、前記の予め受信されたスーパーフレームヘッダーの変更カウントと前記改善端末サポート領域で放送されるスーパーフレームヘッダーの変更カウントとが異なる場合、前記レンジング応答メッセージに含まれることが望ましい。
【0039】
また、前記レンジング応答メッセージに含まれるシステム情報は、前記各変更カウントが異なる場合、変更された情報に該当するサブパケット(S―SFH SP IE)のみを含むものであり得る。
【0040】
併せて、前記レンジング応答メッセージに含まれるシステム情報は、前記端末が前記レガシー領域との連結を切り、前記改善端末サポート領域への領域変更を行うことを指示する値に前記領域変更能力情報が設定された場合、前記レンジング応答メッセージに含まれるものであり得る。
【0041】
前記の技術的課題を達成するために、本発明の一実施例に係る広帯域無線接続システムにおいてミックスモードで動作する改善基地局(Mixmode ABS)が改善端末(AMS)の領域変更をサポートする方法は、前記改善端末が行える領域変更モードを指示する領域変更能力情報を含むレンジング要請(RNG―REQ)メッセージをレガシー領域を通して受信すること;及び前記領域変更能力情報の値によって前記レガシー領域(LZone)を通して前記改善端末に改善端末サポート領域(MZone)のシステム情報を含むレンジング応答メッセージ(RNG―RSP)を伝送すること;を含むことができる。
【0042】
このとき、前記レンジング要請メッセージは、前記端末に予め受信されたスーパーフレームヘッダーの変更カウントをさらに含み、前記レンジング応答メッセージに含まれるシステム情報は、前記の予め受信されたスーパーフレームヘッダーの変更カウントと前記改善端末サポート領域で放送されるスーパーフレームヘッダーの変更カウントとが異なる場合、前記レンジング応答メッセージに含まれるものであり得る。
【0043】
また、前記レンジング応答メッセージに含まれるシステム情報は、前記各変更カウントが異なる場合、変更された情報に該当するサブパケット(S―SFH SP IE)のみを含むものであり得る。
【0044】
また、前記レンジング応答メッセージに含まれるシステム情報は、前記各変更カウントが異なる場合、変更された情報に該当するサブパケット(S―SFH SP IE)のデルタ(delta)情報のみを含むものであり得る。
【0045】
併せて、前記レンジング応答メッセージに含まれるシステム情報は、前記端末が前記レガシー領域との連結を切り、前記改善端末サポート領域への領域変更を行うすることを指示する値に前記領域変更能力情報が設定された場合、前記レンジング応答メッセージに含まれるものであり得る。
【0046】
前記の技術的課題を達成するために、本発明の一実施例に係る広帯域無線接続システムのミックスモードで動作する改善基地局(Mixmode ABS)で領域変更を行う改善端末(AMS)装置は、プロセッサ;及び前記プロセッサの制御によって外部との間で無線信号を送受信するための無線通信(RF)モジュールを含むことができる。ここで、前記プロセッサは、前記改善基地局のレガシー領域(LZone)から受信されるレンジング応答メッセージ(RNG―RSP)を介して改善端末サポート領域(MZone)のシステム情報を獲得し、前記システム情報を用いて前記改善端末サポート領域にレンジングを行うように制御することができる。
【0047】
このとき、前記プロセッサは、前記端末装置が行える領域変更モードを指示する領域変更能力情報を含むレンジング要請(RNG―REQ)メッセージが前記レガシー領域に伝送されるように制御することができる。
【0048】
また、前記レンジング要請メッセージは、前記端末装置に予め受信されたスーパーフレームヘッダーの変更カウントをさらに含み、前記レンジング応答メッセージに含まれるシステム情報は、前記の予め受信されたスーパーフレームヘッダーの変更カウントと前記改善端末サポート領域で放送されるスーパーフレームヘッダーの変更カウントとが異なる場合、前記レンジング応答メッセージに含まれるものであり得る。
【0049】
また、前記レンジング応答メッセージに含まれるシステム情報は、前記各変更カウントが異なる場合、変更された情報に該当するサブパケット(S―SFH SP IE)のみを含むことができる。
【0050】
併せて、前記レンジング応答メッセージに含まれるシステム情報は、前記端末装置が前記レガシー領域との連結を切り、前記改善端末サポート領域への領域変更を行うことを指示する値に前記領域変更能力情報が設定された場合、前記レンジング応答メッセージに含まれるものであり得る。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
広帯域無線接続システムのミックスモードで動作する改善基地局(Mixmode ABS)で改善端末(AMS)が領域変更を行う方法において、
前記改善基地局のレガシー領域(LZone)から改善端末サポート領域(MZone)のシステム情報を含むレンジング応答メッセージ(RNG―RSP)を受信すること;及び
前記システム情報を用いて前記改善端末サポート領域にレンジングを行うこと;含む、領域変更遂行方法。
(項目2)
前記改善端末が行える領域変更モードを指示する領域変更能力情報を含むレンジング要請(RNG―REQ)メッセージを前記レガシー領域に伝送することをさらに含む、項目1に記載の領域変更遂行方法。
(項目3)
前記レンジング要請メッセージは、前記端末に予め受信されたスーパーフレームヘッダーの変更カウントをさらに含み、
前記レンジング応答メッセージに含まれるシステム情報は、
前記の予め受信されたスーパーフレームヘッダーの変更カウントと前記改善端末サポート領域で放送されるスーパーフレームヘッダーの変更カウントとが異なる場合、前記レンジング応答メッセージに含まれることを特徴とする、項目2に記載の領域変更遂行方法。
(項目4)
前記レンジング応答メッセージに含まれるシステム情報は、
前記各変更カウントが異なる場合、変更された情報に該当するサブパケット(S―SFH SP IE)のみを含むことを特徴とする、項目3に記載の領域変更遂行方法。
(項目5)
前記レンジング応答メッセージに含まれるシステム情報は、
前記端末が前記レガシー領域との連結を切り、前記改善端末サポート領域への領域変更を行うことを指示する値に前記領域変更能力情報が設定された場合、前記レンジング応答メッセージに含まれることを特徴とする、項目2に記載の領域変更遂行方法。
(項目6)
広帯域無線接続システムでミックスモードで動作する改善基地局(Mixmode ABS)が改善端末(AMS)の領域変更をサポートする方法において、
前記改善端末が行える領域変更モードを指示する領域変更能力情報を含むレンジング要請(RNG―REQ)メッセージをレガシー領域を通して受信すること;及び
前記領域変更能力情報の値によって前記レガシー領域(LZone)を通して前記改善端末に改善端末サポート領域(MZone)のシステム情報を含むレンジング応答メッセージ(RNG―RSP)を伝送すること;を含む、領域変更サポート方法。
(項目7)
前記レンジング要請メッセージは、前記端末に予め受信されたスーパーフレームヘッダーの変更カウントをさらに含み、
前記レンジング応答メッセージに含まれるシステム情報は、
前記の予め受信されたスーパーフレームヘッダーの変更カウントと前記改善端末サポート領域で放送されるスーパーフレームヘッダーの変更カウントとが異なる場合、前記レンジング応答メッセージに含まれることを特徴とする、項目6に記載の領域変更サポート方法。
(項目8)
前記レンジング応答メッセージに含まれるシステム情報は、
前記各変更カウントが異なる場合、変更された情報に該当するサブパケット(S―SFH SP IE)のみを含むことを特徴とする、項目7に記載の領域変更サポート方法。
(項目9)
前記レンジング応答メッセージに含まれるシステム情報は、
前記各変更カウントが異なる場合、変更された情報に該当するサブパケット(S―SFH SP IE)のデルタ情報のみを含むことを特徴とする、項目7に記載の領域変更サポート方法。
(項目10)
前記レンジング応答メッセージに含まれるシステム情報は、
前記端末が前記レガシー領域との連結を切り、前記改善端末サポート領域への領域変更を行うことを指示する値に前記領域変更能力情報が設定された場合、前記レンジング応答メッセージに含まれることを特徴とする、項目6に記載の領域変更サポート方法。
(項目11)
広帯域無線接続システムのミックスモードで動作する改善基地局(Mixmode ABS)で領域変更を行う改善端末(AMS)装置において、
プロセッサ;及び
前記プロセッサの制御によって外部との間で無線信号を送受信するための無線通信(RF)モジュール;を含み、
前記プロセッサは、
前記改善基地局のレガシー領域(LZone)から受信されるレンジング応答メッセージ(RNG―RSP)を介して改善端末サポート領域(MZone)のシステム情報を獲得し、前記システム情報を用いて前記改善端末サポート領域にレンジングを行うように制御することを特徴とする端末装置。
(項目12)
前記プロセッサは、
前記端末装置が行える領域変更モードを指示する領域変更能力情報を含むレンジング要請(RNG―REQ)メッセージが前記レガシー領域に伝送されるように制御することを特徴とする、項目11に記載の端末装置。
(項目13)
前記レンジング要請メッセージは、前記端末装置に予め受信されたスーパーフレームヘッダーの変更カウントをさらに含み、
前記レンジング応答メッセージに含まれるシステム情報は、
前記の予め受信されたスーパーフレームヘッダーの変更カウントと前記改善端末サポート領域で放送されるスーパーフレームヘッダーの変更カウントとが異なる場合、前記レンジング応答メッセージに含まれることを特徴とする、項目12に記載の端末装置。
(項目14)
前記レンジング応答メッセージに含まれるシステム情報は、
前記各変更カウントが異なる場合、変更された情報に該当するサブパケット(S―SFH SP IE)のみを含むことを特徴とする、項目13に記載の端末装置。
(項目15)
前記レンジング応答メッセージに含まれるシステム情報は、
前記端末装置が前記レガシー領域との連結を切り、前記改善端末サポート領域への領域変更を行うことを指示する値に前記領域変更能力情報が設定された場合、前記レンジング応答メッセージに含まれることを特徴とする、項目12に記載の端末装置。
【発明の効果】
【0051】
本発明の各実施例によると、次のような効果がある。
【0052】
第一に、本発明の各実施例を用いることによって、端末は効率的に領域変更を行うことができる。
【0053】
第二に、本発明の各実施例を通して、端末は、予め変更される領域のシステム情報を受信することができ、遅延時間が減少するという効果がある。
【0054】
本発明で得られる効果は、以上で言及した各効果に制限されなく、言及していない更に他の効果は、下記の記載から本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【
図1】IEEE 802.16eシステムで行えるハンドオーバー手順の一例を示す図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る領域変更を通したハンドオーバー過程の一例を示す図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る領域変更を通したハンドオーバー過程の他の一例を示す図である。
【
図4】本発明の他の実施例に係る送信端及び受信端の構造の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
前記の技術的課題を解決するために、本発明は、改善端末(AMS)が領域変更を行うときの望ましいコンテキストマッピング方法を開示する。
【0057】
以下の各実施例は、本発明の各構成要素と各特徴を所定形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別途の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮することができる。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合されない形態で実施することができる。また、一部の構成要素及び/又は各特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の各実施例で説明する各動作の順序は変更可能である。一つの実施例の一部の構成や特徴は、他の実施例に含ませたり、又は他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替えることができる。
【0058】
本明細書において、本発明の各実施例は、基地局と端末との間のデータ送受信関係を中心に説明した。ここで、基地局は、端末と直接的に通信を行うネットワークの終端ノード(terminal node)としての意味を有する。本文書で基地局によって行われると説明した特定の動作は、場合によっては基地局の上位ノード(upper node)によって行うこともできる。
【0059】
すなわち、基地局を含む多数のネットワークノードからなるネットワークで端末との通信のために行われる多様な動作が、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行われ得ることは自明である。「基地局(BS:Base Station)」は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(AP:Access Point)などの用語に取り替えることができる。また、「端末(Terminal)」は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)又はSS(Subscriber Station)などの用語に取り替えることができる。
【0060】
本発明の各実施例は多様な手段を通して具現することができる。例えば、本発明の各実施例は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。
【0061】
ハードウェアによる具現の場合、本発明の各実施例に係る方法は、一つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0062】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の各実施例に係る方法は、以上で説明した機能又は各動作を行うモジュール、手順又は関数などの形態で具現することができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに格納してプロセッサによって駆動することができる。前記メモリユニットは、前記プロセッサの内部又は外部に位置し、既に公知の多様な手段によって前記プロセッサとデータを取り交わすことができる。
【0063】
本発明の各実施例は、無線接続システムであるIEEE 802システム、3GPPシステム、3GPP LTEシステム及び3GPP2システムのうち少なくとも一つに開示された各標準文書によって裏付けることができる。すなわち、本発明の各実施例のうち本発明の技術的思想を明確に示すために説明していない各段階又は各部分は、前記各文書によって裏付けることができる。また、本文書で開示している全ての用語は、前記標準文書によって説明することができる。特に、本発明の各実施例は、IEEE 802.16システムの標準文書であるP802.16―2005、P802.16e―2009、P802.16Rev2及びP802.16m文書のうち一つ以上によって裏付けることができる。
【0064】
以下の説明で使用される特定用語は、本発明の理解を促進するために提供されたものであって、このような特定用語の使用は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で他の形態に変更することができる。
【0065】
以下、本発明に係る効率的な領域変更遂行方法を説明する。特に、本発明の各実施例は、領域変更以前に連結された領域との連結を解除するZone switch mode 0が行われるときにさらに効果的である。すなわち、端末がLZoneで動作しながらMZoneのSFHデコーディングを同時に行えない場合により効果的である。
【0066】
上述したように、一般に、端末がLZoneからMZoneへの領域変更を行うとき、Zone switch mode 0ではLZoneとの連結を特定時点(例えば、zone switch Action Time)に切り、MZoneとの同期化を行うとともにシステム情報(すなわち、SFH)を受信する。このとき、端末がMZone SFHの受信を完了するまでは遅延時間が発生するようになる。このような問題を解決するために、本発明の一実施例では、基地局がLZoneを通して予め端末にMZoneのSFHに含まれる情報を伝送することを提案する。
【0067】
具体的に、MZoneのシステム情報は、領域変更過程で基地局がLZoneを通して端末に伝送する媒体接続制御管理(MAC management)メッセージに含ませることができる。このような媒体接続制御管理メッセージの一例として、領域変更情報(ZS TLV)を含むレンジング応答(RNG―RSP)メッセージを挙げることができる。
【0068】
一般に、ZS TLVには、下記の表1のような情報を含ませることができる。
【0069】
【表1】
表1を参照すると、ZS TLVには、MZoneで使用されるプリアンブルインデックス(MZone A―Preamble index)情報、TDDフレーム構造でLZoneとMZoneとの区分境界(又は割合)を示すタイムオフセット(Time offset)情報、領域変更過程で端末がLZoneとの連結を維持するかどうかを指示する領域変更モード(Zone Switch Mode)情報、MZoneで臨時的に端末を識別するための臨時ステーション識別子(Temporary STID)情報及び臨時ステーション識別子の有効時間を示すレンジング開始限界点(Ranging initiation deadline)情報などを含ませることができる。
【0070】
レンジング応答メッセージに上述したZS TLVの他にMZoneのスーパーフレームヘッダーに含まれる情報がさらに含まれる場合、該当の情報は、RNG―RSPメッセージ内で下記の表2のような形態を有することができる。
【0071】
表2は、本発明の一実施例に係るレンジング応答メッセージにMZoneのシステム情報が含まれる情報の一例を示す。
【0072】
【表2】
表2を参照すると、LZoneから端末に伝送されるレンジング応答メッセージには、MZoneのSFHに含まれる情報をTLV(type、length、value)エンコーディング形態で含ませることができる。表2に示したMZoneのシステム情報(SFH)を含むTLVエンコーディングをより具体的に示すと、下記の表3のような形態になり得る。
【0073】
【表3】
上述した構造のレンジング応答メッセージを用いた領域変更手順の一例を
図2を参照して説明する。
【0074】
図2は、本発明の一実施例による領域変更を通したハンドオーバー過程の一例を示す。
【0075】
図2を参照すると、端末(AMS)は、レガシーサービング基地局との通信中にハンドオーバトリガー(HO trigger)条件を用いて各候補基地局(candidate HO BS)に対するスキャンを開始することができる。端末は、ハンドオーバー条件、例えば、所定の履歴マージン(Hysterisis margin)値を超えた場合、ハンドオーバー要請(MOB_MSHO―REQ)メッセージを伝送し、サービング基地局にハンドオーバー手順遂行を要請することができる(S201)。
【0076】
サービング基地局は、各候補基地局から獲得したハンドオーバーと関連した各情報をハンドオーバー応答(MOB_BSHO―RSP)メッセージを介して端末に伝達することができる。ここで、MOB_BSHO―RSPメッセージには、ハンドオーバーのための動作時間(Action Time)、ハンドオーバー識別子(HO―ID)及び専用ハンドオーバーCDMAレンジングコード(Dedicated HO CDMA ranging code)などのハンドオーバーを行うための各情報を含ませることができる(S202)。
【0077】
端末は、サービング基地局から受信したMOB_BSHO―RSPメッセージに含まれた情報に基づいて、各候補基地局のうちレガシーサポートABSをターゲット基地局と決定することができる。それによって、端末は、サービングレガシー基地局にハンドオーバー指示メッセージを伝送することができる(S203)。
【0078】
以後、端末は、ターゲット基地局のLZoneにレンジング要請(RNG―REQ)メッセージを伝送する(S204)。
【0079】
このとき、レンジング要請メッセージには、端末の媒体接続制御バージョン(MAC version)情報を含ませることができ、その値は、AMSに該当する値に設定される。また、レンジング要請メッセージには、端末が遂行可能な領域変更の形態を指示する領域変更能力(Zone Switch Capability)フィールドを含ませることができる。領域変更能力フィールドは、下記の表4のような形態を有することができる。
【0080】
【表4】
ターゲット基地局は、レンジング要請メッセージに含まれたMACバージョン情報や以前のサービングレガシー基地局から獲得した情報を通してレンジングメッセージを伝送した端末が改善端末(AMS)であることを確認し、MZoneへの領域変更を行うことができる。また、基地局は、上述した領域変更能力情報を通して端末が行えるZone Switch Modeを知ることができる。このとき、端末は、レンジング要請メッセージの領域変更能力フィールドをZone Switch Mode 0を指示する値に設定する。
【0081】
それによって、ターゲット基地局は、領域変更のために端末に要求される情報(Zone switch TLV、以下、「ZS TLV」と称する。)を含むレンジング応答(RNG―RSP)メッセージをLZoneを通して端末に伝送する。このとき、端末がZone Switch Mode 0をサポートするので、レンジング応答メッセージにはMZoneのシステム情報が含まれる。
【0082】
端末は、MZoneのシステム情報を予めレンジング応答メッセージを介して獲得したので、別途にMZoneのSFHを受信する必要なく、ターゲット基地局のMZoneとの同期化を行い(S206)、領域変更を行うためにレンジング要請(AAI_RNG―REQ)メッセージを伝送するためのアップリンク資源を要請(BR request for AAI_RNG―REQ)する。
【0083】
MZoneから要請したアップリンク資源が割り当てられると、端末は、MZoneにレンジング要請(AAI_RNG―REQ)メッセージを伝送する(S207)。このとき、レンジング要請メッセージのレンジング目的指示(Ranging Purpose Indication)フィールドの値は、LZoneからMZoneへの領域変更を指示する値(例えば、0b1010)に設定される。
【0084】
ターゲットABSは、端末が伝送したレンジング要請メッセージに対する応答としてレンジング応答(AAI_RNG―RSP)メッセージを端末に伝送する(S208)。
【0085】
以後、端末は、MZoneへの領域変更を終了し、MZoneを通してターゲットABSと正常な通信を行うことができる(S209)。
【0086】
図2を参照して説明した方法は、端末がターゲット基地局のLZoneへの網再進入を終了していない状態でMZoneへの領域変更を行うが、端末がLZoneへの網再進入を終了した後でMZoneへの領域変更を行うこともできる。これを
図3を参照して説明する。
【0087】
図3は、本発明の一実施例に係る領域変更を通したハンドオーバー過程の他の一例を示す。
図3において、S301段階〜S304段階は
図2のS201段階〜S204段階と類似するので、明細書の簡明さのために重複する説明は省略する。
【0088】
端末から領域変更能力フィールドがZone Switch Mode 0を指示する値に設定されたRNG―REQメッセージを受信したターゲット基地局は、レンジング要請メッセージに含まれた情報を通してレンジング要請メッセージを伝送した端末が改善端末(AMS)であることを確認し、MZoneへの領域変更を行うことができる。ただし、ターゲット基地局は、LZoneとMZoneとの間の負荷バランシング(Load balancing)などの理由で端末の領域変更を留保することができる。
【0089】
それによって、ターゲット基地局は、ZS TLVやMZoneのシステム情報が含まれていないレンジング応答(RNG―RSP)メッセージを端末に伝送し(S305)、端末は、ターゲット基地局のLZoneへの網再進入を終了して正常な通信を行うことができる(S306)。
【0090】
以後、ターゲット基地局が該当の端末にMZoneへの領域変更を指示することに決定した場合、ZS TLV及びMZoneのシステム情報を含むレンジング応答(RNG―RSP)メッセージを非要請で(unsolicited)LZoneを通して端末に伝送することができる(S307)。
【0091】
端末は、MZoneのシステム情報を予めレンジング応答メッセージを介して獲得したので、別途にMZoneのSFHを受信する必要なく、ターゲット基地局のMZoneとの同期化を行い(S308)、領域変更を行うためにレンジング要請(AAI_RNG―REQ)メッセージを伝送するためのアップリンク資源を要請(BR request for AAI_RNG―REQ)する(図示せず)。
【0092】
MZoneから要請したアップリンク資源が割り当てられると、端末は、MZoneにレンジング要請(AAI_RNG―REQ)メッセージを伝送する(S309)。このとき、レンジング要請メッセージのレンジング目的指示(Ranging Purpose Indication)フィールドの値は、LZoneからMZoneへの領域変更を指示する値(例えば、0b1010)に設定される。
【0093】
ターゲットABSは、端末が伝送したレンジング要請メッセージに対する応答としてレンジング応答(AAI_RNG―RSP)メッセージを端末に伝送する(S310)。
【0094】
以後、端末は、MZoneへの領域変更を終了し、MZoneを通してターゲットABSと正常な通信を行うことができる(S311)。
【0095】
一方、本実施例の他の様相では、ターゲット基地局のLZoneから伝送されるMZoneのシステム情報を必要に応じて部分的に伝送することもできる。
【0096】
具体的に、MZoneのシステム情報であるSFHはP―SFHとS―SFHに区分することができ、S―SFHは、再び三つのサブパケット(S―SFH SP IE 1/2/3)に区分することができる。P―SFHは、S―SFHをデコーディングするための制御情報を含み、実質的なシステム情報は各サブパケットに含まれる。各サブパケットは所定の周期を有して伝送されるが、このようなサブパケットは独立的に更新することができる。従って、端末が予めターゲット基地局のMZoneのSFHを受信したことがあり、再びLZoneからMZoneへの領域変更を行うとき、以前に受信したSFHで一部のパケットのみが変更された場合、変更されたパケットのみを受信すると、シグナリングオーバーヘッドがより減少し得る。SFHの変更可否は、SFHに含まれるSFH変更カウント(SFH change count)の同一性可否で判断することができる。
【0097】
したがって、本実施例の他の様相では、端末がターゲット基地局のLZoneにレンジング要請メッセージを伝送するとき、自分が保有したSFHのSFH変更カウントを共に伝送し、基地局は、レンジング応答メッセージに端末が保有したSFHと異なるサブパケットのみを含ませることを提案する。
【0098】
このために、レンジング要請メッセージにSFH変更カウントが含まれる形態は、下記の表5の通りである。
【0099】
【表5】
表5のようにSFH変更カウントがレンジング要請メッセージに含まれると、基地局は、レンジング要請メッセージに含まれたSFH変更カウントとMZoneの現在のSFH変更カウントとを比較し、これらが同一である場合、レンジング応答メッセージにMZoneのシステム情報を含ませないこともある。SFH変更カウント値が異なる場合、基地局は、端末が保有したSFHカウントに該当するSFH及び現在のMZoneのSFHのうち異なるサブパケット全体又は異なるサブパケットの部分パケット(Full or partial subpacket information)のみをレンジング応答メッセージに含ませることができる。部分パケットは、該当のサブパケットで相違(又は変更)した情報(すなわち、デルタ情報)のみを意味することができる。
【0100】
レンジング応答メッセージにMZone SFHの一部又は全体のサブパケットが含まれる形態の一例を下記の表6に示している。
【0101】
【表6】
表6を参照すると、端末がレンジング要請メッセージを介して伝送したSFH変更カウントと現在のMZoneのSFH変更カウントとの差により、レンジング応答メッセージにスーパーフレームヘッダーの各サブパケットの全体又は一部に該当する情報を含ませることができる。
【0102】
一方、表1に示したように、ZS TLVにはMZoneのプリアンブルインデックス(preamble index)を含ませることができる。これは、端末がMZoneへの領域変更を行うとき、MZoneのプリアンブルを認識するための手順を減少させるためである。この他にも、端末のMZone網再進入を促進するために、本実施例の更に他の様相では、スーパーフレームヘッダーが伝送される時点を指示するスーパーフレームヘッダー開始オフセット時間(SFH start offset time)情報をZS TLVにさらに含ませることを提案する。この場合、レンジング応答メッセージを介してMZoneのシステム情報(SFH)を受信できないとしても、SFHが伝送される時点を知ることができるので、網再進入を開始する時点を効率的に決定することができる。従って、MZoneでの端末の網再進入に要される遅延時間(latency)を減少させることができる。
【0103】
上述した各実施例では、Zone switch mode 0の場合を基準にして説明したが、本発明はこれに限定されなく、Zone switch mode 1の場合にも適用可能であることは当然である。すなわち、Zone switch mode 1の場合も、端末は、LZoneでRNG―RSPメッセージを介してMZoneのSFHを予め受信し、MZoneへの網再進入を迅速に行うことができる。
【0104】
(端末及び基地局の構造)
以下、本発明の他の実施例として、上述した本発明の各実施例を行える端末及び基地局(FBS、MBS)を説明する。
【0105】
端末は、アップリンクでは送信機として動作し、ダウンリンクでは受信機として動作することができる。また、基地局は、アップリンクでは受信機として動作し、ダウンリンクでは送信機として動作することができる。すなわち、端末及び基地局は、情報又はデータの伝送のために送信機及び受信機を含むことができる。
【0106】
送信機及び受信機は、本発明の各実施例を行うためのプロセッサ、モジュール、部分及び/又は手段などを含むことができる。特に、送信機及び受信機は、メッセージを暗号化するためのモジュール(手段)、暗号化されたメッセージを解釈するためのモジュール、メッセージを送受信するためのアンテナなどを含むことができる。このような送信端と受信端の一例を
図4を参照して説明する。
【0107】
図4は、本発明の他の実施例に係る送信端及び受信端の構造の一例を示すブロック図である。
【0108】
図4を参照すると、左側は送信端の構造を示し、右側は受信端の構造を示す。送信端と受信端のそれぞれは、アンテナ5、10、プロセッサ20、30、伝送モジュール(Tx module)40、50、受信モジュール(Rx module)60、70及びメモリ80、90を含むことができる。各構成要素は、互いに対応する機能を行うことができる。以下、各構成要素をより詳細に説明する。
【0109】
アンテナ5、10は、伝送モジュール40、50で生成された信号を外部に伝送したり、外部から無線信号を受信して受信モジュール60、70に伝達する機能を行う。多重アンテナ(MIMO)機能がサポートされる場合は2個以上のアンテナを備えることができる。
【0110】
アンテナ、伝送モジュール及び受信モジュールは、共に無線通信(RF)モジュールを構成することができる。
【0111】
プロセッサ20、30は、通常、移動端末機全体の全般的な動作を制御する。例えば、上述した本発明の各実施例を行うためのコントローラ機能、サービス特性及び伝播環境によるMAC(Medium Access Control)フレーム可変制御機能、ハンドオーバー(Hand Over)機能、認証及び暗号化機能などを行うことができる。より具体的に、プロセッサ20、30は、
図2及び
図3に示した領域変更を通したハンドオーバーを行うための全般的な制御を行うことができる。
【0112】
特に、移動端末機(AMS)のプロセッサは、ミックスモード基地局のLZoneへの網(再)進入時に自分が行える領域変更モードを基地局に知らせ、LZoneを通して受信されるレンジング応答メッセージを介してMZoneのシステム情報を予め獲得することができる。それによって、端末のプロセッサは、より迅速にMZoneへの網再進入を行うことができる。
【0113】
この他にも、端末のプロセッサは、上述した各実施例に開示された動作過程の全般的な制御動作を行うことができる。
【0114】
伝送モジュール40、50は、プロセッサ20、30からスケジューリングされて外部に伝送されるデータに対して所定の符号化及び変調を行った後、これをアンテナ10に伝達することができる。
【0115】
受信モジュール60、70は、外部でアンテナ5、10を介して受信された無線信号に対する復号及び復調を行い、これを原本データの形態に復元してプロセッサ20、30に伝達することができる。
【0116】
メモリ80、90は、プロセッサ20、30の処理及び制御のためのプログラムを格納することもでき、入出力される各データの臨時格納のための機能を行うこともできる。また、メモリ80、90は、フラッシュメモリタイプ、ハードディスクタイプ、マルチメディアカードマイクロタイプ、カードタイプのメモリ(例えば、SD又はXDメモリなど)、RAM(Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、ROM(Read―Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read―Only Memory)、PROM(Programmable Read―Only Memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクのうち少なくとも一つのタイプの格納媒体を含むことができる。
【0117】
一方、基地局は、上述した本発明の各実施例を行うためのコントローラ機能、直交周波数分割多重接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)パケットスケジューリング、時分割デュプレックス(TDD:Time Division Duplex)パケットスケジューリング及びチャンネル多重化機能、サービス特性及び伝播環境によるMACフレーム可変制御機能、高速トラフィック実時間制御機能、ハンドオーバー機能、認証及び暗号化機能、データ伝送のためのパケット変復調機能、高速パケットチャンネルコーディング機能及び実時間モデム制御機能などを上述したモジュールのうち少なくとも一つを通して行ったり、このような機能を行うための別途の手段、モジュール又は部分などをさらに含むことができる。
【0118】
本発明は、本発明の精神及び必須的特徴を逸脱しない範囲で他の特定の形態に具体化することができる。従って、前記の詳細な説明は、全ての面で制限的に解釈してはならなく、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈によって決定しなければならなく、本発明の等価的範囲内での全ての変更は本発明の範囲に含まれる。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係のない各請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正によって新しい請求項を含ませることができる。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明の各実施例は、3GPPシステム、3GPP2システム、及び/又はIEEE 802.xxシステムを含む多様な無線接続システムに適用可能である。これら無線接続システムの他に、 本発明の各実施例は、無線接続システムが適用される全ての技術分野に適用可能である。