特許第5990275号(P5990275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5990275端末間でデータを伝送する方法、及び端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5990275
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月7日
(54)【発明の名称】端末間でデータを伝送する方法、及び端末
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/02 20090101AFI20160825BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20160825BHJP
【FI】
   H04W76/02
   H04W84/12
【請求項の数】16
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-546298(P2014-546298)
(86)(22)【出願日】2012年12月13日
(65)【公表番号】特表2015-500608(P2015-500608A)
(43)【公表日】2015年1月5日
(86)【国際出願番号】CN2012086525
(87)【国際公開番号】WO2013086993
(87)【国際公開日】20130620
【審査請求日】2014年7月24日
(31)【優先権主張番号】201110415231.5
(32)【優先日】2011年12月13日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512165101
【氏名又は名称】▲華▼▲為▼終端有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI DEVICE CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】魏 秋▲陽▼
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 辛
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 国▲喬▼
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−224279(JP,A)
【文献】 特開2011−124980(JP,A)
【文献】 特表2009−536484(JP,A)
【文献】 特開2011−114377(JP,A)
【文献】 特開2005−341618(JP,A)
【文献】 特開2010−102602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末間でデータを伝送する方法であって、
ユーザによるオペレーションに応答して、送信側端末によって、伝送すべきデータを選択し、ローカル・アドレス帳から少なくとも1つの連絡先を選択し、前記少なくとも1つの連絡先に相当する端末を受信側端末として決定するステップであり、前記少なくとも1つの連絡先に相当する前記受信側端末の無線周波数識別子が、前記ローカル・アドレス帳内に事前に格納されている、ステップと、
前記送信側端末の無線周波数識別モジュールによって、前記少なくとも1つの連絡先に相当する前記受信側端末の前記無線周波数識別子を探してスキャンを行うステップと、
前記送信側端末が、スキャンすることによって、前記少なくとも1つの連絡先に相当する前記受信側端末の前記無線周波数識別子を見つけ出した場合に、前記送信側端末によって、前記無線周波数識別モジュールによって開始された伝送ネゴシエーションに従って前記受信側端末へのWiFiダイレクト接続を確立して、前記WiFiダイレクト接続を通じて前記データを伝送するステップであり、前記送信側端末及び前記受信側端末の両方が、WiFiダイレクト通信機能を有する、ステップとを含む方法。
【請求項2】
前記送信側端末によって、前記無線周波数識別モジュールによって開始された伝送ネゴシエーションに従って前記受信側端末へのWiFiダイレクト接続を確立して、前記WiFiダイレクト接続を通じて前記データを伝送するステップが、
前記送信側端末の前記無線周波数識別モジュールによって、WiFiダイレクト接続要求を前記受信側端末へ送信するステップであって、前記WiFiダイレクト接続要求が、前記送信側端末のハードウェア識別子情報を含む、ステップと、
前記送信側端末によって、前記受信側端末によって送信された確認情報を受信するステップであって、前記確認情報が、前記受信側端末のハードウェア識別子情報を含む、ステップと、
前記送信側端末によって前記確認情報内の前記受信側端末の前記ハードウェア識別子情報に従って、WiFiダイレクトを有効にして、WiFiダイレクトが有効にされている前記受信側端末への前記WiFiダイレクト接続を確立するステップと、
前記送信側端末によって、伝送すべき前記データを前記受信側端末へ送信するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの連絡先のサーバ・アカウントが、前記ローカル・アドレス帳内に事前に格納されており、前記サーバ・アカウントが、前記受信側端末の端末識別子情報との対応を有しており、前記方法が、
前記送信側端末が、スキャンすることによって、前記少なくとも1つの連絡先に相当する前記受信側端末の前記無線周波数識別子を見つけ出すことができなかった場合に、前記送信側端末によって、データ転送要求及び伝送すべき前記データをサーバに送信し、それによって前記サーバが、前記少なくとも1つの連絡先の前記サーバ・アカウントに対応する前記端末識別子情報に従って、伝送すべき前記データを前記受信側端末に転送するステップをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記送信側端末が、スキャンすることによって、前記少なくとも1つの連絡先に相当する前記受信側端末の前記無線周波数識別子を見つけ出すことができなかった場合に、前記送信側端末によってワイヤレス電話ネットワークを通じて、伝送すべき前記データを前記受信側端末に送信するステップをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記サーバがクラウド・サーバであり、前記送信側端末が、前記少なくとも1つの連絡先に相当する前記受信側端末の前記無線周波数識別子を探してスキャンを行う前に、前記送信側端末が、前記サーバ・アカウントを使用することによって前記クラウド・サーバに既にログインしており、前記クラウド・サーバにログインするときに、前記送信側端末が、前記ローカル・アドレス帳内の前記少なくとも1つの連絡先に相当する前記受信側端末の無線周波数識別子情報を更新し、前記無線周波数識別子情報が、前記クラウド・サーバによって送信される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記サーバがクラウド・サーバであり、前記送信側端末が、前記データ転送要求及び伝送すべき前記データを前記サーバに送信する前に、前記送信側端末が、前記サーバ・アカウントを使用することによって前記クラウド・サーバに既にログインしており、前記クラウド・サーバにログインするときに、前記送信側端末が、前記ローカル・アドレス帳内の前記少なくとも1つの連絡先に相当する前記受信側端末の前記端末識別子情報を更新し、前記端末識別子情報が、前記クラウド・サーバによって送信される、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記送信側端末及び前記受信側端末が、前記WiFiダイレクト接続を確立して、前記WiFiダイレクト接続を通じて前記データを伝送するときに、前記送信側端末と前記受信側端末との間における距離が、WiFiダイレクトの伝送距離よりも長い場合には、前記方法が、
前記送信側端末によってワイヤレス電話ネットワークを通じて、伝送されずに残されているデータを前記受信側端末へ送信するステップ、
又は、前記送信側端末によって、伝送されずに残されている前記データをサーバへ送信し、それによって前記サーバが、伝送されずに残されている前記データを前記受信側端末へ送信するステップであって、前記少なくとも1つの連絡先のサーバ・アカウントが、前記ローカル・アドレス帳内に事前に格納されており、前記サーバ・アカウントが、前記受信側端末の端末識別子情報との対応を有している、ステップ、
又は、前記送信側端末によって、前記データの送信を保留し、前記送信側端末が、スキャンすることによって、前記少なくとも1つの連絡先に相当する前記受信側端末の前記無線周波数識別子を再び見つけ出した場合に、前記送信側端末によって、再び確立された前記WiFiダイレクト接続を通じて、伝送されずに残されている前記データを前記受信側端末へ送信することを継続するステップをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記送信側端末によって伝送される前記データが、前記受信側端末によって選択的に受信されることが可能である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
データ伝送中は送信側端末である端末であって、
ユーザによるオペレーションに応答して、伝送すべきデータを選択し、ローカル・アドレス帳から少なくとも1つの連絡先を選択し、前記少なくとも1つの連絡先に相当する端末を受信側端末として決定するように構成されている選択モジュールであり、前記少なくとも1つの連絡先に相当する前記受信側端末の無線周波数識別子が、前記ローカル・アドレス帳内に事前に格納されている、選択モジュールと、
前記少なくとも1つの連絡先に相当する前記受信側端末の前記無線周波数識別子を探してスキャンを行うように、及び、スキャンすることによって、前記少なくとも1つの連絡先に相当する前記受信側端末の前記無線周波数識別子を見つけ出した場合に、伝送ネゴシエーションを開始するように構成されている無線周波数識別モジュールと、
前記無線周波数識別モジュールによって開始された前記伝送ネゴシエーションに従って前記受信側端末へのWiFiダイレクト接続を確立して、前記WiFiダイレクト接続を通じて前記データを伝送するように構成されているWiFiダイレクト・モジュールであり、前記受信側端末が、WiFiダイレクト通信機能を有する、WiFiダイレクト・モジュールと、
を含む端末。
【請求項10】
前記少なくとも1つの連絡先のサーバ・アカウントが、前記ローカル・アドレス帳内に事前に格納されており、前記サーバ・アカウントが、前記受信側端末の端末識別子情報との対応を有しており、前記端末が、
前記無線周波数識別モジュールが、スキャンすることによって、前記少なくとも1つの連絡先に相当する前記受信側端末の前記無線周波数識別子を見つけ出すことができなかった場合に、データ転送要求及び伝送すべき前記データをサーバに送信するように構成されている送信モジュールであって、それによって前記サーバが、前記少なくとも1つの連絡先の前記サーバ・アカウントに対応する前記端末識別子情報に従って、伝送すべき前記データを前記受信側端末に転送する、送信モジュールをさらに含む、請求項9に記載の端末。
【請求項11】
前記無線周波数識別モジュールが、スキャンすることによって、前記少なくとも1つの連絡先に相当する前記受信側端末の前記無線周波数識別子を見つけ出すことができなかった場合に、伝送すべき前記データを前記受信側端末に送信するように構成されているワイヤレス電話ネットワーク・モジュールをさらに含む、請求項9に記載の端末。
【請求項12】
前記サーバがクラウド・サーバであり、前記端末が、
前記無線周波数識別モジュールが、前記少なくとも1つの連絡先に相当する前記受信側端末の前記無線周波数識別子を探してスキャンを行う前に、前記端末が、前記サーバ・アカウントを使用することによって前記クラウド・サーバにログインすることを可能にするように構成されているログイン・モジュールと、
前記ローカル・アドレス帳内の前記少なくとも1つの連絡先に相当する前記受信側端末の無線周波数識別子情報を更新するように構成されている更新モジュールであって、前記無線周波数識別子情報が、前記クラウド・サーバによって送信される、更新モジュールとをさらに含む、請求項10に記載の端末。
【請求項13】
前記ログイン・モジュールが、前記送信モジュールが前記データ転送要求及び伝送すべき前記データを前記サーバに送信する前に、前記端末が、前記サーバ・アカウントを使用することによって前記クラウド・サーバにログインすることを可能にするようにさらに構成されており、
前記更新モジュールが、前記ローカル・アドレス帳内の前記少なくとも1つの連絡先に相当する前記受信側端末の前記端末識別子情報を更新するようにさらに構成されており、前記端末識別子情報が、前記クラウド・サーバによって送信される、請求項12に記載の端末。
【請求項14】
前記WiFiダイレクト・モジュール及び前記受信側端末が、前記WiFiダイレクト接続を確立して、前記WiFiダイレクト接続を通じて前記データを伝送するときに、前記端末と前記受信側端末との間における距離が、WiFiダイレクトの伝送距離よりも長い場合には、
前記送信モジュールが、伝送されずに残されている前記データを前記サーバへ送信するようにさらに構成されており、それによって前記サーバが、伝送されずに残されている前記データを前記受信側端末へ送信し、
前記WiFiダイレクト・モジュールが、前記データの送信を保留し、前記無線周波数識別モジュールが、スキャンすることによって、前記少なくとも1つの連絡先に相当する前記受信側端末の前記無線周波数識別子を再び見つけ出した場合に、伝送されずに残されている前記データを前記受信側端末へ送信することを継続するようにさらに構成されている、請求項10に記載の端末。
【請求項15】
前記WiFiダイレクト・モジュール及び前記受信側端末が、前記WiFiダイレクト接続を確立して、前記WiFiダイレクト接続を通じて前記データを伝送するときに、前記端末と前記受信側端末との間における距離が、WiFiダイレクトの伝送距離よりも長い場合には、
前記ワイヤレス電話ネットワーク・モジュールが、伝送されずに残されているデータを前記受信側端末へ送信するようにさらに構成されており、
前記WiFiダイレクト・モジュールが、前記データの送信を保留し、前記無線周波数識別モジュールが、スキャンすることによって、前記少なくとも1つの連絡先に相当する前記受信側端末の前記無線周波数識別子を再び見つけ出した場合に、伝送されずに残されている前記データを前記受信側端末へ送信することを継続するようにさらに構成されている、請求項11に記載の端末。
【請求項16】
前記端末がモバイル電話を含み、前記モバイル電話が、無線周波数回路、マイクロフォン、ラウドスピーカー、及び電源をさらに含み、
前記無線周波数回路が、前記モバイル電話とワイヤレス・ネットワークとの間でデータの受信及び伝送を実施するために前記モバイル電話と前記ワイヤレス・ネットワークとの間で通信を確立するように構成されており、
前記マイクロフォンが、音声を収集して、前記収集された音声を音声データへと変換するように構成されており、それによって前記モバイル電話が、前記無線周波数回路を使用することによって前記音声データを前記ワイヤレス・ネットワークへ伝送し、
前記ラウドスピーカーが、前記モバイル電話が前記無線周波数回路を使用することによって前記ワイヤレス・ネットワークから受信する前記音声データを変換して、前記音声へと戻し、前記音声をユーザに向けて再生するように構成されており、
前記電源が、前記モバイル電話の回路又はコンポーネントに電力を供給するように構成されている、請求項9から15のいずれか一項に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「METHOD FOR TRANSMITTING DATA BETWEEN TERMINALS AND TERMINAL」と題されている、2011年12月13日に中国特許庁に出願された中国特許出願第CN201110415231.5号に対する優先権を主張するものであり、中国特許出願第CN201110415231.5号は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明の実施形態は、電子通信の分野に関し、詳細には、端末間でデータを伝送する方法、及び端末に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、モバイル電話及びコンピュータなどの端末間でデータを伝送する方法の中では、ブルートゥース及びWiFiを含む短距離伝送方法が、広く適用されている。たとえば、ブルートゥース・データ伝送プロセスは、一般には次のことを含む。1.送信者及び受信者の両方が、ブルートゥースを有効にする。2.送信者及び受信者が互いに発見可能であるようにブルートゥースを設定する。3.送信者及び受信者の両方が、ブルートゥース検索機能を有効にして、互いを発見する。4.ブルートゥース・ペアリングを選択し、パスワードを入力してペアリング・プロセスを完了する。5.送信者は、伝送すべきファイルを、ブルートゥースを介して送信する。6.受信者は、クリックしてそのファイルを受信し、ファイル転送を完了する。また、WiFiダイレクト伝送プロセスは、ブルートゥース伝送プロセスと同様である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術においては、短距離データ伝送のためにワイヤレス接続が手動で有効にされる必要があり、データ伝送プロセスは複雑であるということを見て取ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、端末間でデータを便利に伝送するために、端末間でデータを伝送する方法、及び端末を提供する。
【0006】
一態様によれば、本発明の一実施形態は、端末間でデータを伝送する方法であって、
送信側端末によって、伝送すべきデータを選択し、ローカル・アドレス帳から少なくとも1つの連絡先を受信側端末として選択するステップであり、アドレス帳が、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を保存している、ステップと、
送信側端末の無線周波数識別モジュールによって、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子に従って、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を探してスキャンを行うステップと、
送信側端末が、スキャンすることによって、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出した場合に、送信側端末によって、無線周波数識別モジュールによって開始された伝送ネゴシエーションに従って受信側端末へのWiFiダイレクト接続を確立して、そのWiFiダイレクト接続を通じてデータを伝送するステップであり、送信側端末及び受信側端末の両方が、WiFiダイレクト通信機能を有する、ステップとを含む方法を提供する。
【0007】
別の態様によれば、本発明の一実施形態は、
伝送すべきデータを選択し、ローカル・アドレス帳から少なくとも1つの連絡先を受信側端末として選択するように構成されている選択モジュールであって、アドレス帳が、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を保存している、選択モジュールと、
少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子に従って、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を探してスキャンを行うように、及び、スキャンすることによって、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出した場合に、伝送ネゴシエーションを開始するように構成されている無線周波数識別モジュールと、
無線周波数識別モジュールによって開始された伝送ネゴシエーションに従って受信側端末へのWiFiダイレクト接続を確立して、そのWiFiダイレクト接続を通じてデータを伝送するように構成されているWiFiダイレクト・モジュールであって、受信側端末が、WiFiダイレクト通信機能を有する、WiFiダイレクト・モジュールとを含む端末をさらに提供する。
【0008】
上述の技術的なソリューションから知ることができるように、本発明の実施形態によって提供される、端末間でデータを伝送する方法、及び端末では、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子が、送信側端末のローカル・アドレス帳内に保存されており、送信側端末は、選択されたデータを送信するときに、ローカル・アドレス帳から少なくとも1つの連絡先を受信側端末として選択し、次いで、送信側端末の無線周波数識別モジュールは、少なくとも1つの連絡先の受信側端末が無線周波数識別可能範囲内にあるかどうかを判定するために、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を探してスキャンを行い、送信側端末は、スキャンすることによって、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出した場合に、無線周波数識別モジュールによって開始された伝送ネゴシエーションに従って受信側端末へのWiFiダイレクト接続を確立して、そのWiFiダイレクト接続を通じてデータを伝送する。この方法においては、送信側端末のユーザは、伝送すべきデータを選択して、ローカル・アドレス帳から少なくとも1つの連絡先を受信側端末として選択するだけでよく、次いで送信側端末は、スキャンすることによって、受信側端末が無線周波数識別可能範囲内にあるかどうかを自動的に判定し、無線周波数識別モジュールは、スキャンすることによって、受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出した場合に、WiFiダイレクト接続を自動的に確立して、データ伝送を完了する。したがってユーザは、手動で受信側端末を検索すること、又はWiFiダイレクト接続を確立するためにWiFiダイレクトを有効にすることを伴わずに、便利にデータを伝送することができる。
【0009】
本発明の実施形態における技術的なソリューションをより明確に説明するために、以降では、それらの実施形態を説明する上で必要とされる添付の図面を簡単に紹介する。明らかに、以降の説明における添付の図面は、本発明のいくつかの実施形態を示しており、当技術分野における標準的な技術者なら、創造的な取り組みを伴わずにこれらの添付の図面からその他の図面を導き出すこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態による、端末間でデータを伝送する方法のフローチャートである。
図2】本発明の一実施形態による端末の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態の目的、技術的なソリューション、及び利点をより明確にするために、以降では、本発明の実施形態における添付の図面を参照しながら本発明の実施形態における技術的なソリューションを明確にかつ完全に説明する。明らかに、説明されている実施形態は、本発明の実施形態のうちのすべてではなく、一部である。当技術分野における標準的な技術者によって本発明の実施形態に基づいて創造的な取り組みを伴わずに得られるその他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲内に収まるものとする。
【0012】
方法実施形態
図1において示されているように、本発明の一実施形態は、端末間でデータを伝送する方法を提供する。それらの端末は、固定端末及びモバイル端末を含み、固定端末は、コンピュータなどを含み、モバイル端末は、モバイル電話、タブレット・コンピュータ、ラップトップなどを含む。データを送信するために使用される端末は、送信側端末と称し、データを受信するために使用される端末は、受信側端末と称する。
【0013】
図1を参照すると、この方法は、下記のステップを含む。
ステップ11:送信側端末が、伝送すべきデータを選択し、ローカル・アドレス帳から1つの連絡先を受信側端末として選択し、
そのアドレス帳は、その連絡先に相当する受信側端末の少なくとも1つの無線周波数識別子を保存する。
【0014】
伝送すべきデータは、たとえば、単一のファイルであることが可能であり、又は複数のファイルであることも可能である。データを受信するときに、受信側端末は、データを選択的に受信することができる。たとえば、伝送されているデータが単一のファイルである場合には、受信側端末は、そのファイルを受信すること、又はそのファイルを受信するのを拒否することが可能であり、伝送されているデータが複数のファイルである場合には、受信側端末は、必要に応じて、受信すべきファイルを選択することができる。
【0015】
送信側端末のローカル・アドレス帳は、名前、番号、Eメール・アドレス、アバターなどを含む複数の連絡先の通信情報を保存する。ローカル・アドレス帳から1つの連絡先を受信側端末として選択するときに、送信側端末は、名前、番号、Eメール・アドレス、及びアバターなどの通信情報から任意の情報を(その情報が受信側端末にマッチすることが可能である限り)選択することができる。
【0016】
アドレス帳は、連絡先に相当する受信側端末の少なくとも1つの無線周波数識別子を保存する。RFID(Radio Frequency Identification、無線周波数識別)は、無線信号を使用することによって、リーダ、電子タグ、及びアプリケーション・ソフトウェア・システムを含む特定のターゲットを識別することができ、RFIDの作動原理及び作動プロセスは、従来技術に属しており、それについては、本明細書においては繰り返し述べない。本発明のこの実施形態は、2つの端末が互いの識別可能範囲内にあるかどうかを判定するためにRFIDを使用する(詳細については、以降の説明を参照されたい)。2つの端末が互いの識別可能範囲内にあるかどうかを判定するために、連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子は、送信側端末のアドレス帳内に保存されるべきである。この方法では、通信情報(たとえば、名前)と、無線周波数識別子とに基づくバインディング関係が、受信側端末と、送信側端末のローカル・アドレス帳内の連絡先との間において存在する。したがって、送信側端末が、連絡先、たとえば名前をローカル・アドレス帳から選択した場合には、その名前に対応する無線周波数識別子を有する端末が、データを受信する受信側端末になる。
【0017】
ステップ12:送信側端末の無線周波数識別モジュールが、連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子に従って、連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を探してスキャンを行う。
【0018】
連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子は、送信側端末のアドレス帳内に保存されているため、送信側端末は、受信側端末が識別可能範囲内にあるかどうかを判定する目的で、連絡先、すなわち、連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を探してスキャンを行うために、無線周波数識別モジュール(RFIDモジュール)を使用することができ、それについての具体的なプロセスは、従来技術に属しており、それについては、本明細書においては繰り返し述べない。たとえば、送信側端末のリーダは、特定の周波数の電波を受信側端末の電子フラグ(トランスポンダとしても知られている)へ送信して、受信側端末のその電子フラグに内部データ情報を送信させ、次いで送信側端末のリーダは、順次解釈を実行する。このプロセスは、受信側端末が識別可能範囲内にあるかどうかを判定するために使用されることが可能である。
【0019】
ステップ13:送信側端末は、スキャンすることによって、連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出した場合には、無線周波数識別モジュールによって開始された伝送ネゴシエーションに従って受信側端末へのWiFiダイレクト接続を確立して、そのWiFiダイレクト接続を通じてデータを伝送し、送信側端末及び受信側端末の両方が、WiFiダイレクト通信機能を有する。
【0020】
一般に、RFIDの識別可能範囲は、周波数及びチップなどの要因に応じてさまざまである。たとえば、受動的なタグに関しては、識別可能範囲は、さまざまな周波数に伴って約10cmから約10mまでさまざまであり、能動的なタグに関しては、識別可能範囲は、さまざまな周波数に従って100mに達することができるが、WiFiダイレクト(WiFi Direct)を介した伝送の距離は、一般に100mを上回る。
【0021】
したがって、送信側端末が、スキャンすることによって、連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出した場合、それが意味しているのは、送信側端末と受信側端末との間における距離は、一般には100mよりも短く、全体的にはWiFiダイレクトを介した伝送の距離内に収まっており、それによって送信側端末は、受信側端末へのWiFiダイレクト接続を確立して、そのWiFiダイレクト接続を通じてデータを伝送することができる、ということである。
【0022】
さらに、送信側端末によって、無線周波数識別モジュールによって開始された伝送ネゴシエーションに従って受信側端末へのWiFiダイレクト接続を確立して、そのWiFiダイレクト接続を通じてデータを伝送するステップは、送信側端末の無線周波数識別モジュールによって、WiFiダイレクト接続要求を受信側端末へ送信するステップであって、WiFiダイレクト接続要求が、送信側端末のハードウェア識別子情報、たとえば識別名を含む、ステップと、送信側端末によって、受信側端末によって送信された確認情報を受信するステップであって、その確認情報が、受信側端末のハードウェア識別子情報、たとえば識別名を含む、ステップと、送信側端末によって、確認情報内の受信側端末のハードウェア識別子に従ってWiFiダイレクトを有効にして、WiFiダイレクトが有効にされている受信側端末へのWiFiダイレクト接続を確立するステップと、送信側端末によって、伝送すべきデータを受信側端末に送信するステップとを含むことができる。パスワードが必要とされるケースでは、送信側端末は、パスワードをランダムに生成して、そのランダム・パスワードを要求とともに受信側端末へ送信し、受信側端末は、ランダム・パスワードを受信した後に、そのランダム・パスワードを確認情報とともに返し、それによって、ペアリングが自動的に完了され、接続が確立され、データが送信される。
【0023】
その他に、1つの端末は通常、ブルートゥース通信機能及びWiFiダイレクト通信機能の両方を有する。送信側端末とモバイル端末との間における距離が相対的に短い、たとえば10m以内である場合には、送信側端末は、接続を確立するためにブルートゥース又はWiFiダイレクトを使用すること、及びデータを伝送するためにブルートゥース又はWiFiダイレクトを使用することも可能である。具体的には、ブルートゥースを使用することによって接続を確立すること及びデータを伝送することは、上述のWiFiダイレクトを使用することによって接続を確立すること及びデータを伝送することと同様であり、それについては、ここでは繰り返し述べない。しかしながら、送信側端末とモバイル端末との間における距離が相対的に長い場合には、ブルートゥース通信は、おそらくは失敗する可能性があり、その上、端末間におけるブルートゥース検索の試みの最中には、いくらかの電力消費が生じる。
【0024】
さらに、送信側端末のローカル・アドレス帳は、連絡先のサーバ・アカウントも保存しており、そのサーバ・アカウントは、受信側端末の端末識別子情報との対応を有している。この方法は、送信側端末が、スキャンすることによって、連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出すことができなかった場合に、送信側端末によって、データ転送要求及び伝送すべきデータをサーバへ送信し、それによってサーバが、連絡先のサーバ・アカウントに対応する端末識別子情報に従って、伝送すべきデータを受信側端末に転送するステップをさらに含む。
【0025】
送信側端末と受信側端末との間の距離が相対的に非常に長いために、送信側端末が、スキャンすることによって、連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出すことができなかった場合には、それらの端末間におけるデータ伝送は、サーバを使用することによって実行されることが可能である。そのサーバは、それらの2つの端末によって合意されて同じプロトコルを介してそれらの2つの端末と対話するサーバであることが可能であり、好ましくはクラウド・サーバである。送信側端末のアドレス帳は、連絡先のサーバ・アカウントを保存しており、そのアカウントは、端末識別子情報との対応を有しているため、サーバ・アカウントと、端末識別子情報とに基づくバインディング関係が、受信側端末と、送信側端末のローカル・アドレス帳内の連絡先との間において存在する。したがって、送信側端末が、連絡先、たとえば名前をローカル・アドレス帳から選択した場合には、その名前に対応する端末識別子情報を有する端末が、データを受信する受信側端末になる。端末識別子情報は、端末IDを識別するための一意の情報である。一例としてモバイル電話を使用すると、端末識別子情報は、IMEI(International Mobile Equipment Identity、国際移動体装置識別番号)であることが可能である。次の内容は、サーバを使用することによってデータを転送することの作動プロセスを示している。送信側端末は、スキャンすることによって、連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出すことができなかった場合に、データ転送要求及び伝送すべきデータをサーバに送信し、そのデータ転送要求は、連絡先のサーバ・アカウントを搬送し、サーバは、送信側端末によって送信されるデータ転送要求及び伝送すべきデータを受信した後に、伝送すべきデータを保存し、次いで、連絡先のサーバ・アカウントに対応する端末識別子情報を見つけ出して、その端末識別子情報を有する受信側端末へデータを送信する。サーバは、データ送信通知を受信側端末へ送信することができ、受信側端末がそのデータ送信通知を確認した後に、サーバは、データを送信することができる。
【0026】
さらに、送信側端末は、スキャンすることによって、連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出すことができなかった場合には、ワイヤレス電話ネットワークを通じて、伝送すべきデータを受信側端末へ送信する。
【0027】
送信側端末と受信側端末との間の距離が相対的に非常に長いために、送信側端末が、連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出すことができなかった場合には、それらの端末間におけるデータ伝送は、ワイヤレス電話ネットワークを通じて実行されることが可能である。そのワイヤレス電話ネットワークは、2G(第2世代)、3G(第3世代)、又は4G(第4世代)ネットワーク(CDMA(Code Division Multiple Access)及びLTE(Long Term Evolution)など)であることが可能である。具体的な接続及び伝送プロセスは、従来技術に属しており、それについては、本明細書においては繰り返し述べない。
【0028】
さらに、送信側端末が、連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を探してスキャンを行う前に、送信側端末は、クラウド・アカウントを使用することによってクラウド・サーバに既にログインしており、送信側端末は、クラウド・サーバにログインするときに、アドレス帳内の連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子情報を更新し、その無線周波数識別子情報は、クラウド・サーバによって送信され、受信側端末は、クラウド・アカウントを使用することによってクラウド・サーバにログインするときに、自分の無線周波数識別子をクラウド・サーバに報告及び送信し、クラウド・サーバは、無線周波数識別子情報を更新した後に、その更新された無線周波数識別子情報を送信側端末へ送信し、それによって送信側端末は、アドレス帳内の連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子情報を更新する。
【0029】
無線周波数識別子情報は、端末に伴って変わる。一般に、送信側端末のユーザ及び受信側端末のユーザは両方とも、データを送信及び受信するために自分自身の端末を使用する。したがって、受信側端末に相当する連絡先に対応する受信側端末の無線周波数識別子は、送信側端末のローカル・アドレス帳内で変わらず、送信側端末は、連絡先と受信側端末の無線周波数識別子との間におけるバインディング関係を使用することによって、データを受信側端末へ成功裏に伝送することができる。しかしながら、受信側端末のユーザが、何らかの理由でその端末を使用することができない(たとえば、そのユーザの受信側端末が電力切れである)が、その受信側端末のユーザが、それでもなおデータを受信するつもりである場合には、その受信側端末のユーザは、別の端末上でデータを受信するためにクラウド・サービスの同期化機能を使用することができる。
【0030】
クラウド・サーバは、ユーザのクラウド・アカウントと、ユーザによってクラウド・サーバにログインするために使用された端末の無線周波数識別子との間における対応を格納することができる。ユーザが、クラウド・アカウントを使用することによってクラウド・サーバにログインして、クラウド・サービスを有効にしたときに、ユーザによってサーバにログインするために使用された端末は、その現在の端末の無線周波数識別子をクラウド・サーバへ送信し、クラウド・サーバは、その送信された無線周波数識別子を受信した後に、ログインのために使用されたクラウド・アカウントと、クラウド・サーバにログインした端末の無線周波数識別子との間における対応を自動的に更新し、自分のローカル・アドレス帳内にそのユーザを連絡先として記憶している別の端末が、クラウド・サーバにログインしたときには、その別の端末は、クラウド・サーバによって送信されるその更新された対応を自動的に受信し、それによって、その別の端末は、その別の端末のローカル・アドレス帳内でそのユーザとしての連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を更新する。上述の内容は、ユーザが別の端末のローカル・アドレス帳内のそのユーザの無線周波数識別子を更新するためにクラウド・サーバを使用する場合に準拠する原理を示している。同様に、クラウド・サーバにログインしてクラウド・サービスを開始するときに、それぞれのユーザは、そのクラウド・サーバを使用して、別の端末のローカル・アドレス帳内のそのユーザの無線周波数識別子を更新する。クラウド・サービスの上述の同期化機能を示した後に、次の内容は、送信側端末がデータを伝送するためにクラウド・サービスの同期化機能を使用する作動プロセスを示している。受信側端末は、クラウド・アカウントを使用することによってクラウド・サーバにログインしてクラウド・サービスを有効にしたときに、自分の無線周波数識別子をクラウド・サーバへ送信し、サーバは、その無線周波数識別子を受信した後に、クラウド・アカウントと無線周波数識別子との間における対応を更新し、送信側端末は、クラウド・サーバにログインしてクラウド・サービスを有効にした後に、クラウド・サーバに既にログインしている自分のローカル・アドレス帳内に保存されているすべての連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子、特に、データを受信することになる連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を自動的に更新し、次いで送信側端末は、データを受信することになる連絡先の更新された無線周波数識別子を探してスキャンを行い、それによって、WiFiダイレクト接続を確立してデータを伝送することができる。この方法においては、送信側端末のアドレス帳内のデータを受信することになる連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子は、現在の受信側端末と整合しているため、受信側端末のユーザは、別の端末を使用してもなおデータを受信することができる。
【0031】
同様に、受信側端末の連絡先のサーバ・アカウントも、送信側端末のアドレス帳内に保存されており、そのアカウントは、受信側端末の端末識別子情報との対応を有している。サーバが、好ましくはクラウド・サーバである場合には、端末識別子情報は、クラウド・サービスの同期化機能を使用することによって自動的に更新されることも可能である。この方法においては、受信側端末のユーザは、クラウド・サーバにログインするために別の端末を使用してもなおデータを受信することができる。
【0032】
さらに、送信側端末及び受信側端末が、WiFiダイレクト接続を確立して、そのWiFiダイレクト接続を通じてデータを伝送するときに、送信側端末と受信側端末との間における距離が、WiFiダイレクトの効果的な伝送距離よりも長い場合には、送信側端末は、データを伝送することを継続するために、下記の3つの様式を使用することができる。
【0033】
様式1:送信側端末は、ワイヤレス電話ネットワークを通じて、伝送されずに残されているデータを受信側端末へ送信する。
【0034】
様式2:送信側端末は、伝送されずに残されているデータをサーバへ送信し、それによってサーバは、伝送されずに残されているデータを受信側端末へ送信し、少なくとも1つの連絡先のサーバ・アカウントも、アドレス帳内に保存されており、そのアカウントは、受信側端末の端末識別子情報との対応を有している。
【0035】
様式3:送信側端末は、データの送信を保留し、送信側端末は、スキャンすることによって、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を再び見つけ出した場合に、WiFiダイレクト接続を通じて、伝送されずに残されているデータを受信側端末へ送信することを継続する。
【0036】
当業者なら、上述の説明における「送信側端末は、スキャンすることによって、連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出すことができなかった場合には、ワイヤレス電話ネットワークを通じて、伝送すべきデータを受信側端末へ送信すること」、「送信側端末は、スキャンすることによって、連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出すことができなかった場合には、データ転送要求及び伝送すべきデータをサーバに送信し、それによってサーバは、連絡先のサーバ・アカウントに対応する端末識別子情報に従って、伝送すべきデータを受信側端末に転送すること」、並びに「送信側端末は、スキャンすることによって、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出した場合には、受信側端末へのWiFiダイレクト接続を確立して、そのWiFiダイレクト接続を通じてデータを伝送すること」の関連した内容を理解した後に、上述の3つの様式を容易に理解することができ、それらについては、ここでは繰り返し述べない。
【0037】
本発明のこの実施形態は、1つの端末が別の端末へデータを伝送するほんの一例を示しているということを当業者なら理解することができ、1つの端末が複数の端末へデータを伝送することも実施可能であり、その作動原理は、上述と同様であるが、違いがあるのは、送信側端末がローカル・アドレス帳から複数の連絡先を受信側端末として選択し、したがってマルチスレッド伝送が可能にされるという点であり、また同様に、複数の端末の間におけるデータ伝送の作動原理及び作動プロセスも、上述と同様であり、それらについては、ここでは繰り返し述べない。
【0038】
本発明のこの実施形態では、送信側端末は、伝送すべきデータを選択し、ローカル・アドレス帳から少なくとも1つの連絡先を受信側端末として選択し、送信側端末は、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子に従って、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を探してスキャンを行い、送信側端末は、スキャンすることによって、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出した場合には、受信側端末へのWiFiダイレクト接続を確立して、そのWiFiダイレクト接続を通じてデータを伝送する。この方法では、送信側端末は、無線周波数識別テクノロジーを使用してスキャンを行うことによって、受信側端末が識別可能範囲内にあるということを見いだし、次いで、データを伝送するためにWiFiダイレクト接続を自動的に確立する。したがって、送信を行っている端末のユーザは、伝送すべきデータを選択して、アドレス帳から少なくとも1つの連絡先を受信側端末として選択するだけでよく、次いで端末は、データ伝送を自動的に完了することができる。ユーザは、便利にデータを伝送するために、手動で受信側端末を検索すること、又はWiFiダイレクトを有効にすることを伴わずに、WiFiダイレクト接続を確立することができる。さらに、送信側端末は、スキャンすることによって、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出すことができなかった場合には、データ転送要求及び伝送すべきデータをサーバに送信し、それによってサーバは、少なくとも1つの連絡先のサーバ・アカウントに対応する端末識別子情報に従って、伝送すべきデータを受信側端末に転送する。この方法では、便利なデータ伝送という利点を確保することに基づいて、たとえ端末間における距離が相対的に長くてもデータが伝送されることが可能であるという利点も実現される。さらに、クラウド・サービスの同期化機能を使用することによって、ユーザは、任意の端末を使用して、クラウド・サーバにログインしてデータを受信することができる。さらに、送信側端末及び受信側端末が、WiFiダイレクト接続を確立して、そのWiFiダイレクト接続を通じてデータを伝送するときに、送信側端末と受信側端末との間における距離が、WiFiダイレクトの効果的な伝送距離よりも長い場合には、それらの端末は、データを伝送することを継続するために、3つの様式(上述の説明を参照されたい)を使用することができ、それによって伝送の継続性を確保する。
【0039】
デバイス実施形態
図2に示されているように、本発明の一実施形態は、下記のモジュールを含む端末を提供する。
伝送すべきデータを選択し、ローカル・アドレス帳から少なくとも1つの連絡先を受信側端末として選択するように構成されている選択モジュール21であって、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子が、アドレス帳内に保存されている、選択モジュール21、
少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子に従って、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を探してスキャンを行うように、及び、スキャンすることによって、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出した場合に、伝送ネゴシエーションを開始するように構成されている無線周波数識別モジュール22、並びに
無線周波数識別モジュールによって開始された伝送ネゴシエーションに従って受信側端末へのWiFiダイレクト接続を確立して、そのWiFiダイレクト接続を通じてデータを伝送するように構成されているWiFiダイレクト・モジュール23であって、受信側端末が、WiFiダイレクト機能を有する、WiFiダイレクト・モジュール23。
【0040】
さらに、アドレス帳は、少なくとも1つの連絡先のサーバ・アカウントも保存しており、そのアカウントは、受信側端末の端末識別子情報との対応を有しており、この端末は、
無線周波数識別モジュールが、スキャンすることによって、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出すことができなかった場合に、データ転送要求及び伝送すべきデータをサーバに送信するように構成されている送信モジュール24であって、それによってサーバが、少なくとも1つの連絡先のサーバ・アカウントに対応する端末識別子情報に従って、伝送すべきデータを受信側端末に転送する、送信モジュール24をさらに含む。
【0041】
さらに、この端末は、無線周波数識別モジュールが、スキャンすることによって、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出すことができなかった場合に、伝送すべきデータを受信側端末に送信するように構成されているワイヤレス電話ネットワーク・モジュール25をさらに含む。
【0042】
さらに、サーバはクラウド・サーバであり、この端末は、
無線周波数識別モジュールが、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を探してスキャンを行う前に、クラウド・アカウントを使用することによってクラウド・サーバにログインするように構成されているログイン・モジュール26と、
アドレス帳内の少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子情報を更新するように構成されている更新モジュール27であって、無線周波数識別子情報が、クラウド・サーバによって送信される、更新モジュール27とをさらに含み、
受信側端末は、クラウド・アカウントを使用することによってクラウド・サーバにログインするときに、その受信側端末の無線周波数識別子をクラウド・サーバに報告及び送信し、クラウド・サーバは、無線周波数識別子情報を更新した後に、その更新された無線周波数識別子情報を更新モジュールへ送信し、それによって更新モジュールは、アドレス帳内の少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子情報を更新する。
【0043】
さらに、ログイン・モジュール26は、送信モジュールがデータ転送要求及び伝送すべきデータをサーバに送信する前に、端末が、クラウド・アカウントを使用することによってクラウド・サーバにログインすることを可能にするようにさらに構成されており、
更新モジュール27は、アドレス帳内の少なくとも1つの連絡先の端末識別子情報を更新するようにさらに構成されており、端末識別子情報は、クラウド・サーバによって送信され、
受信側端末は、クラウド・アカウントを使用することによってクラウド・サーバにログインするときに、その受信側端末の端末識別子をクラウド・サーバに報告及び送信し、サーバは、端末識別子情報を更新した後に、その更新された端末識別子情報を更新モジュールへ送信し、それによって更新モジュールは、アドレス帳内の少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の端末識別子情報を更新する。
【0044】
さらに、WiFiダイレクト・モジュール23及び受信側端末が、WiFiダイレクト接続を確立して、そのWiFiダイレクト接続を通じてデータを伝送するときに、端末と受信側端末との間における距離が、WiFiダイレクトの効果的な伝送距離よりも長い場合には、
ワイヤレス電話ネットワーク・モジュール25は、受信側端末に伝送されずに残されているデータを送信するようにさらに構成されており、
送信モジュール24は、伝送されずに残されているデータをサーバへ送信するようにさらに構成されており、それによってサーバは、伝送されずに残されているデータを受信側端末へ送信し、
WiFiダイレクト・モジュール23は、データの送信を保留し、無線周波数識別モジュールが、スキャンすることによって、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を再び見つけ出した場合に、伝送されずに残されているデータを受信側端末へ送信することを継続するようにさらに構成されている。
【0045】
さらに、この端末はモバイル電話を含み、モバイル電話は、無線周波数回路、マイクロフォン、ラウドスピーカー、及び電源をさらに含み、
無線周波数回路は、モバイル電話とワイヤレス・ネットワークとの間でデータの受信及び伝送を実施するためにモバイル電話とワイヤレス・ネットワークとの間で通信を確立するように構成されており、
マイクロフォンは、音声を収集して、収集された音声を音声データへと変換するように構成されており、それによってモバイル電話は、無線周波数回路を使用することによって音声データをワイヤレス・ネットワークへ伝送し、
ラウドスピーカーは、モバイル電話が無線周波数回路を使用することによってワイヤレス・ネットワークから受信する音声データを変換して、音声へと戻し、その音声をユーザに向けて再生するように構成されており、
電源は、モバイル電話の回路又はコンポーネントに電力を供給するように構成されている。
【0046】
本発明のこの実施形態では、端末に関連した作動プロセス及び作動原理は、上述の方法実施形態で説明した作動プロセス及び作動原理と同様であり、それらについては、ここでは繰り返し述べない。
【0047】
本発明のこの実施形態では、選択モジュール21は、伝送すべきデータを選択し、ローカル・アドレス帳から少なくとも1つの連絡先を受信側端末として選択し、無線周波数識別モジュール22は、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子に従って、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を探してスキャンを行い、無線周波数識別モジュールが、スキャンすることによって、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出した場合には、WiFiダイレクト・モジュール23は、無線周波数識別モジュール22によって開始された伝送ネゴシエーションに従って、受信側端末へのWiFiダイレクト接続を確立して、そのWiFiダイレクト接続を通じてデータを伝送する。この方法では、送信側端末は、無線周波数識別テクノロジーを使用してスキャンを行うことによって、受信側端末が識別可能範囲内にあるということを見いだし、次いで、データを伝送するためにWiFiダイレクト接続を自動的に確立する。したがって、送信を行っている端末のユーザは、伝送すべきデータを選択して、アドレス帳から少なくとも1つの連絡先を受信側端末として選択するだけでよく、次いで端末は、データ伝送を自動的に完了することができる。ユーザは、便利にデータを伝送するために、手動で受信側端末を検索すること、又はWiFiダイレクトを有効にすることを伴わずに、WiFiダイレクト接続を確立することができる。さらに、無線周波数識別モジュール22が、スキャンすることによって、少なくとも1つの連絡先に相当する受信側端末の無線周波数識別子を見つけ出すことができなかった場合には、送信モジュール24は、データ転送要求及び伝送すべきデータをサーバに送信し、それによってサーバは、少なくとも1つの連絡先のサーバ・アカウントに対応する端末識別子情報に従って、伝送すべきデータを受信側端末に転送する。この方法では、便利なデータ伝送という利点を確保することに基づいて、たとえ端末間における距離が相対的に長くてもデータが伝送されることが可能であるという利点も実現される。さらに、ログイン・モジュール26及び更新モジュール27は、クラウド・サービスの同期化機能を使用し、それによってユーザは、任意の端末を使用して、クラウド・サーバにログインしてデータを受信することができる。さらに、送信側端末及び受信側端末が、WiFiダイレクト接続を確立して、そのWiFiダイレクト接続を通じてデータを伝送するときに、送信側端末と受信側端末との間における距離が、WiFiダイレクトの効果的な伝送距離よりも長い場合には、それらの端末は、データを伝送することを継続するために、ワイヤレス電話ネットワーク・モジュール25、送信モジュール24、及びWiFiダイレクト・モジュール23を使用することができ、それによって伝送の継続性を確保する。
【0048】
これらの実施形態における方法のプロセスのうちのすべて又は一部は、関連するハードウェアに命令するコンピュータ・プログラムによって実施されることが可能であるということを当技術分野における標準的な技術者なら理解することができる。上述のプログラムは、コンピュータ可読ストレージ・メディア内に格納されることが可能である。そのプログラムが稼働するときに、これらの実施形態における方法のプロセスが実行される。上述のストレージ・メディアは、磁気ディスク、光ディスク、読み取り専用メモリ(Read−Only Memory、ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(Random Access Memory、RAM)などであることが可能である。
【0049】
結論として、上述の実施形態は、本発明の好ましい実施形態にすぎず、本発明を限定することを意図されているものではない。本発明の原理から逸脱することなく作成されるいかなる修正形態、均等な代替形態、及び改良形態もすべて、本発明の実施形態の保護範囲内に収まる。
図1
図2