【文献】
Ericsson et al.,Further Refinements of Feedback Framework[online], 3GPP TSG-RAN WG1#60b R1-101742,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ra,2010年 4月 6日,検索日:2016年4月12日
【文献】
CATR,DL 8-Tx MIMO Codebook Design for LTE-A systems[online], 3GPP TSG-RAN WG1#60b R1-102012,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ra,2010年 4月 6日,検索日:2016年4月12日
【文献】
Texas Instruments,Possible Refinement on 8Tx Codebook Design[online], 3GPP TSG-RAN WG1#60b R1-102104,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ra,2010年 4月 6日,検索日:2016年4月12日
【文献】
CATT,Investigation on precoding codebooks for 8Tx DL MIMO,3GPP R1-101770,2010年 4月 6日,インターネット、URL<http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_60b/Docs/>、検索日:2016年4月12日
【文献】
LG Electronics,Feedback Codebook Design and Performance Evaluation, 3GPP TSG-RAN WG1#61b R1-103970,2010年 7月 2日
【文献】
LG Electronics,DL Codebook design for 8Tx precoding[online], 3GPP TSG-RAN WG1#60b R1-102380,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ra,2010年 4月 8日,検索日:2016年4月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Rが3≦R≦7によって示される場合に、前記R個のレイヤーのプリコーディング行列は、(R+1)個のレイヤーのプリコーディング行列の列サブセットから構成される、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定の形態で結合したものである。各構成要素または特徴は、別に明示しない限り、選択的なものと考慮しなければならない。各構成要素または特徴が他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施してもよく、一部の構成要素及び/または特徴を結合させて本発明の実施例を構成してもよい。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更してもよい。ある実施例の一部構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成または特徴に代えてもよい。
【0033】
本明細書では、本発明の実施例を、基地局と端末との間におけるデータ送受信の関係を中心に説明する。ここで、基地局は、端末と直接通信を行うネットワークの終端ノード(terminal node)としての意味を有する。本文書で、基地局により行われるとした特定動作は、場合によっては、基地局の上位ノード(upper node)により行われることもある。
【0034】
すなわち、基地局を含む多数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる種々の動作は、基地局、または基地局以外の他のネットワークノードにより行われうるということは自明である。「基地局(BS:Base Station)」は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(AP:Access Point)などの用語に代えてもよい。また、本文書で基地局という用語は、セルまたはセクターを含む概念として用いることができる。一方、中継機は、Relay Node(RN)、Relay Station(RS)などの用語に代えてもよい。「端末(Terminal)」は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)、SS(Subscriber Station)などの用語に代えてもよい。本文書で、アップリンク伝送主体は端末または中継機を意味でき、アップリンク受信主体は、基地局または中継機を意味できる。同様に、ダウンリンク伝送主体は基地局または中継機を意味でき、ダウンリンク受信主体は端末または中継機を意味できる。言い換えると、アップリンク伝送は、端末から基地局への伝送、端末から中継機への伝送、または中継機から基地局への伝送を意味できる。同様に、ダウンリンク伝送は、基地局から端末への伝送、基地局から中継機への伝送、中継機から端末への伝送を意味することができる。
【0035】
以下の説明で使われる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されたもので、これらの特定用語の使用は、本発明の技術的思想から逸脱することなく他の形態に変更可能である。
【0036】
場合によっては、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置は省略されたり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示されることがある。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素には同一の図面符号を付して説明する。
【0037】
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE 802システム、3GPPシステム、3GPP LTE及びLTE−A(LTE−Advanced)システム、及び3GPP2システムの少なくとも一つに開示された標準文書でサポートすることかできる。すなわち、本発明の実施例において本発明の技術的思想を明確にするために説明しない段階または部分を、上記の標準文書でサーポートすることができる。なお、本文書で開示している用語はいずれも、上記の標準文書により説明することができる。
【0038】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などのような種々の無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)とすることができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM(登録商標) Evolution)のような無線技術とすることができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術とすることができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project) LTE(long term evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、ダウンリンクでOFDMAを採用し、アップリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は、3GPP LTEの進展である。WiMAXは、IEEE 802.16e規格(WirelessMAN−OFDMA Reference System)及び進展したIEEE 802.16m規格(WirelessMAN−OFDMA Advanced system)によって説明することができる。明確性のために、以下では、3GPP LTE及びLTE−Aシステムを中心に説明するが、本発明の技術的思想はこれに制限されない。
【0039】
図1を参照してダウンリンク無線フレームの構造について説明する。
【0040】
セルラーOFDM無線パケット通信システムにおいて、アップリンク/ダウンリンクデータパケット伝送はサブフレーム(Subframe)単位に行われ、1サブフレームは、多数のOFDMシンボルを含む一定時間区間と定義される。3GPP LTE標準では、FDD(Frequency Division Duplex)に適用可能なタイプ1無線フレーム(radio frame)構造、及びTDD(Time Division Duplex)に適用可能なタイプ2の無線フレーム構造を支援する。
【0041】
図1(a)は、タイプ1無線フレームの構造を示す図である。ダウンリンク無線フレーム(radio frame)は、10個のサブフレーム(subframe)で構成され、1サブフレームは時間領域(time domain)で2個のスロット(slot)で構成される。1サブフレームが伝送されるのにかかる時間をTTI(transmission time interval)といい、例えば、1サブフレームの長さは1msであり、1スロットの長さは0.5msでよい。1スロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを有し、周波数領域で多数のリソースブロック(Resource Block;RB)を有する。3GPP LTEシステムでは、ダウンリンクでOFDMAを用いるので、OFDMシンボルが一つのシンボル区間を示す。OFDMシンボルをSC−FDMAシンボルまたはシンボル区間と呼ぶこともできる。リソースブロック(Resource Block;RB)は、リソース割当単位であり、1スロットで複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を有することができる。
【0042】
1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成(configuration)によって異なることがある。CPには、拡張されたCP(extended CP)と一般CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルが一般CPにより構成された場合に、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個でよい。OFDMシンボルが拡張されたCPにより構成された場合に、1 OFDMシンボルの長さが増加することから、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は、一般CPの場合に比べてより少ない。拡張されたCPの場合に、例えば、1スロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個でよい。端末が速い速度で移動するなどしてチャネル状態が不安定な場合に、シンボル間干渉をより減らすために、拡張されたCPを用いることができる。
【0043】
一般CPが用いられる場合に、1スロットは7個のOFDMシンボルを有するので、1サブフレームは14個のOFDMシンボルを有する。この場合、各サブフレームにおける先頭の2または3個のOFDMシンボルは、PDCCH(physical downlink control channel)に割り当てられ、残りのOFDMシンボルは、PDSCH(physical downlink shared channel)に割り当てられるとよい。
【0044】
図1(b)は、タイプ2無線フレームの構造を示す図である。タイプ2無線フレームは、2個のハーフフレーム(half frame)で構成され、各ハーフフレームは、5個のサブフレームとDwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(Guard Period;GP)、UpPTS(Uplink Pilot Time Slot)で構成され、1サブフレームは2個のスロットで構成される。DwPTSは、端末での初期セル探索、同期化またはチャネル推定に用いられる。UpPTSは、基地局でのチャネル推定、端末の上り伝送同期を合わせるのに用いられる。保護区間は、アップリンクとダウンリンクとの間にダウンリンク信号の多重経路遅延によりアップリンクで生じる干渉を除去するための区間である。一方、無線フレームのタイプを問わず1個のサブフレームは2個のスロットで構成される。
【0045】
無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数またはサブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボルの数は、様々に変更可能である。
【0046】
図2は、1ダウンリンクスロットのリソースグリッド(resource grid)を示す図である。これは、OFDMシンボルが一般CPで構成された場合である。
図2を参照すると、ダウンリンクスロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを有し、周波数領域で複数のリソースブロックを有する。ここで、1ダウンリンクスロットは、7 OFDMシンボルを有し、1リソースブロックは、12副搬送波を有する例が示されているが、本発明はこれに制限されない。リソースグリッと上の各要素(element)をリソース要素(RE)という。例えば、リソース要素a(k,l)は、k番目の副搬送波とl番目のOFDMシンボルに位置しているリソース要素を指す。一般CPの場合に、1リソースブロックは12×7リソース要素を有する(拡張されたCPでは、12×6リソース要素を有する)。各副搬送波の間隔は15kHzであるから、1リソースブロックは周波数領域で約180kHzを有する。N
DLは、ダウンリンクスロットに含まれるリソースブロックの数である。N
DLの値は、基地局のスケジューリングにより設定されるダウンリンク伝送帯域幅(bandwidth)によって決定することができる。
【0047】
図3は、ダウンリンクサブフレームの構造を示す図である。1サブフレーム内で、1番目のスロットにおける先頭の最大3 OFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に該当し、残りのOFDMシンボルは、物理ダウンリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Chancel;PDSCH)が割り当てられるデータ領域に該当する。伝送の基本単位は1サブフレームとなる。すなわち、2スロットにわたってPDCCH及びPDSCHが割り当てられる。3GPP LTEシステムで用いられるダウンリンク制御チャネルには、例えば、物理制御フォーマット指示子チャネル(Physical Control Format Indicator Channel;PCFICH)、物理ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、物理HARQ指示子チャネル(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator Channel;PHICH)などがある。PCFICHは、サブフレームの1番目のOFDMシンボルで伝送され、サブフレーム内の制御チャネル伝送に用いられるOFDMシンボルの個数に関する情報を含む。PHICHは、アップリンク伝送の応答としてHARQ ACK/NACK信号を含む。PDCCHを通じて伝送される制御情報をダウンリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)という。DCIは、アップリンクまたはダウンリンクスケジューリング情報を含んだり、任意の端末グループに対するアップリンク伝送電力制御命令を含む。PDCCHは、ダウンリンク共有チャネル(DL−SCH)のリソース割当及び伝送フォーマット、アップリンク共有チャネル(UL−SCH)のリソース割当情報、ページングチャネル(PCH)のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCHで伝送されるランダムアクセス応答(Random Access Response)のような上位層制御メッセージのリソース割当、任意の端末グループ中の個別端末への伝送電力制御命令のセット、伝送電力制御情報、VoIP(Voice over IP)の活性化などを含むことができる。複数のPDCCHが制御領域で伝送され、端末は、複数のPDCCHをモニタリングすることができる。PDCCHは、1以上の連続する制御チャネル要素(Control Channel Element;CCE)の組み合わせで伝送される。CCEは、無線チャネルの状態に基づくコーディングレートでPDCCHを提供するために用いられる論理割当単位である。CCEは、複数個のリソース要素グループに対応する。PDCCHのフォーマット及び利用可能なビット数は、CCEの個数とCCEにより提供されるコーディングレート間の相関関係によって決定される。基地局は、端末に伝送されるDCIに基づいてPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check;CRC)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者または用途によって、無線ネットワーク臨時識別子(Radio Network Temporary Identifier;RNTI)という識別子でマスキングされる。PDCCHが特定端末に対するものであれば、端末のcell−RNTI(C−RNTI)をCRCにマスキングすることができる。または、PDCCHがページングメッセージに対するものであれば、ページング指示子識別子(Paging Indicator Identifier;P−RNTI)をCRCにマスキングすることができる。PDCCHがシステム情報(特に、システム情報ブロック(SIB))に対するものであれば、システム情報識別子及びシステム情報RNTI(SI−RNTI)をCRCにマスキングすることができる。端末のランダムアクセスプリアンブル伝送に対する応答であるランダムアクセス応答を表すために、ランダムアクセス−RNTI(RA−RNTI)をCRCにマスキングすることができる。
【0048】
図4は、アップリンクサブフレームの構造を示す図である。アップリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに区別することができる。制御領域には、アップリンク制御情報を含む物理アップリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)が割り当てられる。データ領域には、ユーザデータを含む物理アップリンク共有チャネル(Physical uplink shared channel;PUSCH)が割り当てられる。単一搬送波特性を維持するために、一つの端末は、PUCCHとPUSCHを同時に伝送しない。一つの端末に対するPUCCHは、サブフレームでリソースブロック対(RB pair)に割り当てられる。リソースブロック対に属するリソースブロックは、2スロットに対して異なる副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられるリソースブロック対がスロット境界で周波数−ホッピング(frequency−hopped)するという。
【0049】
参照信号
MIMOシステムでは、それぞれの送信アンテナごとに独立したデータチャネルを有する。受信機は、送信アンテナのそれぞれに対してチャネルを推定し、各送信アンテナから送信されたデータを受信することができる。チャネル推定(channel estimation)は、フェージング(fading)によって生じる信号の歪みを補償することによって、受信した信号を復元する過程のことをいう。ここで、フェージングとは、無線通信システム環境で多重経路(multi path)−時間遅延(time delay)によって信号の強度が急に変動する現象を指す。チャネル推定のためには、送信機と受信機の両方が知っている参照信号(reference signal)が必要である。また、参照信号は、RS(Reference Signal)と略したり、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ぶこともできる。
【0050】
既存の3GPP LTEリリース(release)−8またはリリース−9システムでは、基地局が伝送するダウンリンク参照信号について定義している。ダウンリンク参照信号(downlink reference signal)は、PDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)、PHICH(Physical HARQ Indicator CHannel)、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)などのコヒーレント(coherent)復調のためのパイロット信号である。ダウンリンク参照信号は、セル内の全ての端末が共有する共用参照信号(Common Reference Signal;CRS)と特定端末のみのための専用参照信号(Dedicated Reference Signal;DRS)がある。共用参照信号は、セル−特定(cell−specific)参照信号と呼び、専用参照信号は、端末−特定(UE−specific)参照信号または復調用参照信号(Demodulation Reference Signal;DMRS)と呼ぶこともできる。
【0051】
既存の3GPP LTEシステムにおけるダウンリンク参照信号割当方式について説明する。参照信号が伝送されるリソース要素の位置(すなわち、参照信号パターン)を、1つのリソースブロック(時間上で1個のサブフレーム長×周波数上で12個の副搬送波長)を基準に説明する。1つのサブフレームは、14個のOFDMシンボル(一般CPの場合)あるいは12個のOFDMシンボル(拡張されたCPの場合)で構成され、1個のOFDMシンボルにおいて副搬送波の個数として128、256、512、1024、1536または2048のいずれかを選定して用いることとなる。
【0052】
図5には、1−TTI(すなわち、1サブフレーム)が14個のOFDMシンボルを有する場合における共用参照信号(CRS)のパターンを示す。
図5(a)、
図5(b)及び
図5(c)はそれぞれ、1個、2個及び4個の伝送アンテナを有するシステムに対するCRSパターンを示している。
【0053】
図5で、R0は、アンテナポートインデックス0に対する参照信号を示す。また、
図5で、R1はアンテナポートインデックス1、R2はアンテナポートインデックス2、そしてR3はアンテナポートインデックス3に対する参照信号をそれぞれ示す。各アンテナポートに対する参照信号が伝送されるRE位置では、参照信号を伝送するアンテナポート以外は、干渉を防止するためにいかなるアンテナポートの信号も伝送されない。
【0054】
図6には、複数のセルの参照信号が衝突しないように参照信号パターンがセルごとにシフトされる例を示す。
図5(a)の1個のアンテナポートに対する参照信号パターンが、
図6の第1のセル(Cell 1)で用いられたとすれば、第1のセルに隣接した第2のセル、3番セルなどでセル間に参照信号の衝突が発生しないように、参照信号パターンを周波数領域または時間領域で副搬送波単位またはOFDMシンボル単位にシフト(遷移)させることで、参照信号を保護することができる。例えば、1伝送アンテナ伝送の場合には、参照信号が一つのOFDMシンボル上で6副搬送波間隔に位置するので、それぞれのセルで周波数領域副搬送波単位のシフトが適用されると、少なくとも5個の隣接セルは、異なるリソース要素上に参照信号を位置させることができる。例えば、参照信号の周波数シフトを、
図6の第2のセル乃至第6セルのようにすることができる。
【0055】
また、擬似雑音(Pseudo−Random Noise;PN)シーケンスをセル別ダウンリンク参照信号に掛けて伝送することによって、受信機において、隣接セルに受信される参照信号による干渉を減少させ、チャネル推定性能を向上させることもできる。このようなPNシーケンスは、一つのサブフレーム内のOFDMシンボル単位に適用されてもよく、セル識別子(Cell ID)、サブフレーム番号(subframe number)及びOFDMシンボル位置ごとに異なるシーケンスが適用されてもよい。
【0056】
4伝送アンテナを支援する既存の通信システム(例えば、3GPP LTEリリース8または9システム)に比べて拡張されたアンテナ構成を有するシステム(例えば、8伝送アンテナを支援する無線通信システム(例えば、3GPP LTEリリース−10または後続リリースに基づくシステム)では、効率的な参照信号の運用と発展した伝送方式を支援するためにDMRSベースのデータ復調を考慮している。すなわち、拡張されたアンテナを通じたデータ伝送を支援するために、2以上のレイヤーに対するDMRSを定義することができる。DMRSは、データと同じプリコーダによってプリコーディングされるため、別のプリコーディング情報無しに、受信側でデータを復調するためのチャネル情報を容易に推定することができる。一方、ダウンリンク受信側では、DMRSを用いて、拡張されたアンテナ構成に対してプリコーディングされたチャネル情報を獲得できるが、プリコーディングされなかったチャネル情報を獲得するためには、DMRS以外の別の参照信号が必要である。そのため、LTE−A標準に基づくシステムでは、受信側でチャネル状態情報(Channel State Information;CSI)を獲得するための参照信号、すなわち、CSI−RSを定義することができる。CSI−RSは、8個のアンテナポートを通じて伝送することができ、CSI−RSが伝送されるアンテナポートを、既存の3GPP LTEリリース−8/9におけるアンテナポートと区別するために、アンテナポートインデックス15乃至22を用いることができる。
【0057】
ダウンリンク制御チャネルの構成
ダウンリンク制御チャネルが伝送される領域として、基本的には、それぞれのサブフレームの先頭3個のOFDMシンボルを用いることができ、ダウンリンク制御チャネルのオーバーヘッドに応じて1乃至3個のOFDMシンボルを用いることができる。ダウンリンク制御チャネルのためのOFDMシンボルの個数を各サブフレームごとに調整するために、PCFICHを用いることができる。アップリンク伝送に対する確認応答(肯定確認応答(ACK)/否定応答(NACK))をダウンリンクを通じて提供するためにPHICHを用いることができる。また、ダウンリンクデータ伝送またはアップリンクデータ伝送のための制御情報を伝送するためにPDCCHを用いることができる。
【0058】
図7及び
図8には、上記のようなダウンリンク制御チャネルが、それぞれのサブフレームの制御領域においてリソース要素グループ(Resource Element Group;REG)単位に割り当てられる例を示す。
図7は、1個または2個の伝送アンテナ構成を有するシステムに関する例であり、
図8は、4個の伝送アンテナ構成を有するシステムに関する例である。
図7及び
図8に示すように、制御チャネルが割り当てられる基本的なリソース単位であるREGは、参照信号が割り当てられるリソース要素を除いて、周波数領域で連接した4個のREで構成される。ダウンリンク制御チャネルのオーバーヘッドに応じて特定個数のREGをダウンリンク制御チャネルの伝送に用いることができる。
【0059】
PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)
各サブフレームごとに当該サブフレームのリソース割当情報などを提供するために、OFDMシンボルインデックス0乃至2の範囲でPDCCHを伝送することができる。すなわち、制御チャネルのオーバーヘッドに応じてOFDMシンボルインデックス0を用いたり、OFDMシンボルインデックス0及び1を用いたり、OFDMシンボルインデックス0乃至2を用いたりしてPDCCHを伝送することができる。このように、制御チャネルが用いるOFDMシンボルの個数をサブフレームごとに変更することができるが、これに関する情報はPCFICHを通じて提供することができる。そのため、各サブフレームごとにPCFICHを伝送しなければならない。
【0060】
PCFICHを通じて3通りの情報を提供することができる。下記の表1は、PCFICHのCFI(Control Format Indicator)を表すものである。CFI=1は、OFDMシンボルインデックス0でPDCCHが伝送されることを表し、CFI=2は、OFDMシンボルインデックス0及び1でPDCCHが伝送されることを表し、CFI=3は、OFDMシンボルインデックス0乃至2でPDCCHが伝送されることを表す。
【0062】
PCFICHを通じて伝送される情報は、システム帯域幅(system bandwidth)によって異なるように定義することもできる。例えば、システムの帯域幅が特定臨界値よりも小さい場合に、CFI=1、2、3はそれぞれ、2、3、4個のOFDMシンボルがPDCCHのために用いられることを表すこともできる。
【0063】
図9は、PCFICHが伝送される方式を示す図である。
図9で示すREGは、4個の副搬送波で構成されており、RS(参照信号)を除いたデータ副搬送波でのみ構成されており、一般に伝送ダイバーシティ(transmit diversity)技法を適用することができる。また、REGの位置は、セル間に干渉を与えないようにセルごとに(すなわち、セル識別子に従って)周波数シフトすることができる。さらに、PCFICHは、常に、サブフレームの最初のOFDMシンボル(OFDMシンボルインデックス0)で伝送される。そのため、受信端ではサブフレームを受信する際に、まず、PCFICHの情報を確認し、PDCCHが伝送されるOFDMシンボルの個数を把握し、それに基づいて、PDCCHを通じて伝送される制御情報を受信することができる。
【0064】
PHICH(Physical Hybrid−ARQ Indicator Channel)
図10は、特定帯域幅で一般的に適用されるPCFICH及びPHICHチャネルの位置を示す図である。PHICHを通じて、アップリンクデータ伝送に対するACK/NACK情報を伝送する。一つのサブフレームで複数個のPHICHグループが生成され、一つのPHICHグループには複数のPHICHが存在する。したがって、一つのPHICHグループには、複数の端末に対するPHICHチャネルが含まれる。
【0065】
図10に示すように、複数のPHICHグループにおいて各端末機に対するPHICH割当は、PUSCHリソース割当(resource allocation)における最も低い物理リソースブロック(Physical Resource Block;PRB)インデックス(lowest PRB index)と、アップリンクグラントPDCCHを通じて伝送される復調参照信号(Demodulation RS;DMRS)のための巡回シフト(Cyclic Shift)インデックスを用いて行う。DMRSは、アップリンク参照信号であり、アップリンクデータの復調のためのチャネル推定のためにアップリンク伝送と共に提供される信号である。また、
【0067】
のようなインデックス対(index pair)を用いてPHICHリソースを知らせるが、
【0069】
PHICHグループ番号(PHICH group number)を意味し、
【0071】
は、当該PHICHグループ内での直交シーケンスインデックス(orthogonal sequence index)を意味する。
【0077】
は、PHICHに関連したアップリンク伝送で用いられたDMRSの巡回シフトである。また、
【0079】
は、PHICHに用いられる拡散因子サイズ(spreading factor size)である。
【0081】
は、アップリンクリソース割当における最も低いPRBインデックスである。
【0083】
は、設定されたPHICHグループの個数であり、下記の数学式2のように定義される。
【0087】
は、物理放送チャネル(Physical Broadcast Channel;PBCH)で伝送されるPHICHリソースの量に関する情報である。
【0092】
また、既存の3GPP LTEリリース−8/9で定義される直交シーケンスの例を、下記の表2に示す。
【0094】
図11は、PHICHグループがマッピングされるダウンリンクリソース要素位置を示す図である。PHICHグループは、PHICH区間(duration)に従って、
図11に示すように一つのサブフレーム内で異なる時間領域(すなわち、異なるOS(OFDM Symbol))上で構成されてもよい。
【0095】
PDCCH(Physical Downlink Control Channel)
PDCCHを通じて伝送される制御情報は、ダウンリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)フォーマットによって制御情報のサイズ及び用途が異なり、符号化率(coding rate)によってPDCCHのサイズが異なることがある。例えば、既存の3GPP LTEリリース−8/9で用いられるDCIフォーマットは、下記の表3のように定義される。
【0097】
上記の表3のDCIフォーマットは各端末別に適用することができ、一つのサブフレーム内で複数の端末機のPDCCHを同時に多重化(multiplexing)することができる。多重化した各端末機のPDCCHを、独立してチャネルコーディングし、CRCを適用する。各端末の固有の識別子をPDCCHのCRCにマスキングすることで、端末機が自身のPDCCHチャネルを受信できるように適用することができる。しかし、基本的に端末は自身のPDCCHチャネルの位置がわからず、毎サブフレームごとに当該DCIフォーマットの全PDCCHチャネルが自身のIDを有しているPDCCHチャネルであるか否か確認し、該当のPDCCHを受信するまでブラインド検出(blind detection)を行わなければならない。このようなPDCCHの基本リソース割当単位は、CCE(Control Channel Element)であり、一つのCCEは9個のREGで構成されている。一つのPDCCHは、1個、2個、4個または8個のCCEで構成可能である。各端末機に基づいて構成されたPDCCHは、CCEをREにマッピングする規則(CCE−to−RE mapping rule)に従って各サブフレームの制御チャネル領域にインターリービングしてマッピングされる。これは、各サブフレームの制御チャネルのためのOFDMシンボルの個数、PHICHグループの個数、伝送アンテナ及び周波数シフトなどによって、CCEがマッピングされるREの位置が異なってくることがある。
【0098】
アップリンク再伝送
アップリンク再伝送は、前述のPHICH及びDCIフォーマット0(PUSCH伝送をスケジューリングするDCIフォーマット)を通じて指示することができる。端末がPHICHを通じて以前の(previous)アップリンク伝送に対するACK/NACKを受信して、同期式(synchronous)非適応的(non−adaptive)再伝送を行うこともでき、端末が基地局からDCIフォーマット0 PDCCHを通じてアップリンクグラントを受信して、同期式適応的(adaptive)再伝送を行うこともできる。
【0099】
同期式伝送とは、一つのデータパケットを伝送した時点(例えば、n番目のサブフレーム)以降のあらかじめ定められた時点(例えば、n+k番目のサブフレーム)に再伝送が行われる方式のことを意味する(kは、例えば4でよい)。PHICHによる再伝送も、アップリンクグラントPDCCHによる再伝送も、同期式再伝送が行われる。
【0100】
PHICHを通じて再伝送を行う非適応的再伝送では、以前の伝送で用いられた周波数リソース(例えば、物理リソースブロック(PRB))領域及び伝送方法(例えば、変調手法など)と同じ周波数リソース及び伝送方法が再伝送に適用される。一方、アップリンクグラントPDCCHを通じて再伝送を行う適応的再伝送では、アップリンクグラントで指示されるスケジューリング制御情報に基づいて、再伝送に用いられる周波数リソース及び伝送方法が、以前の伝送とは異なるように設定されてもよい。
【0101】
もし、端末がPHICHを受信すると同時にアップリンクグラントPDCCHを受信する場合には、PHICHは無視し、アップリンクグラントPDCCHの制御情報に基づいてアップリンク伝送を行うことができる。アップリンクグラントPDCCH(例えば、DCIフォーマット0)には新規データ指示子(New Data Indicator;NDI)が含まれるが、NDIビットが、以前に提供されたNDI値に比べてトグル(toggle)された場合は、端末は、以前の伝送に成功したと見なし、新しいデータを伝送することができる。一方、端末がPHICHを通じて以前の伝送に対してACKを受信しても、PHICH受信と同時にまたは後に受信されるアップリンクグラントPDCCHにおいてNDI値がトグルされていないと、端末は、以前の伝送に対するバッファーをフラッシュ(flush)しないように構成される。
【0102】
アップリンク伝送の構成
図12は、SC−FDMA方式による送信機の構造を示す図である。
【0103】
送信機に入力されるN個のシンボルで構成された一つのブロックは、直列−並列変換器(Serial−to−Parallel Converter)1201で並列信号に変換される。並列信号は、N−ポイントDFTモジュール1202で拡散され、拡散された信号は、副搬送波マッピングモジュール1203により周波数領域にマッピングされる。それぞれの副搬送波上の信号は、N個のシンボルの線形結合(linear combination)である。周波数領域にマッピングされた信号は、M−ポイントIFFTモジュール1204を経て時間領域信号に変換される。時間領域信号は、並列−直列変換器1205で直列信号に変換され、CPが付加される。N−ポイントDFTモジュール1202のDFT処理により、M−ポイントIFFTモジュール1204のIFFT処理の影響がある程度打ち消される。この点から、SC−FDMA方式は、DFT−s−OFDMA(DFT−spread−OFDMA)方式と呼ぶこともできる。また、DFTモジュール1202に入力される信号は、低いPAPR(Peak−to−Average Power Ratio)またはCM(Cubic Metric)を有するが、DFT処理された後には高いPAPRを有することになり、IFFTモジュール1204のIFFT処理により、出力される信号は再び低いPAPRを有することができる。すなわち、SC−FDMA方式は、電力増幅器(Power Amplifier;PA)の非線形歪み区間を避けて伝送するようにし、送信端の具現コストを節減することができる。
【0104】
図13は、DFTモジュール1202から出力された信号が周波数領域にマッピングされる方式を説明するための図である。
図13に示す2方式のいずれかを行うことによって、SC−FDMA送信機から出力される信号が単一搬送波特性(Single Carrier Property)を満たすことができる。
図13(a)は、DFTモジュール1202から出力された信号が、副搬送波領域の特定部分に限ってマッピングされる局部マッピング(localized mapping)方式を示す。
図13(b)は、DFTモジュール1202から出力された信号が全体副搬送波領域に分散してマッピングされる分散マッピング(distributed mapping)方式を示す。既存の3GPP LTEリリース−8/9システムでは局部マッピング方式を用いると定義されている。
【0105】
図14は、SC−FDMA方式による伝送信号を復調(demodulation)するための参照信号(reference signal;RS)の送信処理を説明するためのブロック図である。既存の3GPP LTEリリース−8/9システムでは、データ部分は、時間領域で生成された信号がDFT処理を通じて周波数領域信号に変換された後に副搬送波マッピングされ、IFFT処理後に伝送されるが(
図12参照)、RSは、DFT処理を省略し、周波数領域で直接生成して副搬送波上にマッピングした後にIFFT処理及びCP付加を経て伝送されるものと定義している。
【0106】
図15は、SC−FDMA方式によるサブフレーム構造において参照信号(RS)がマッピングされるシンボル位置を示す図である。
図15(a)は、一般CPの場合に、一つのサブフレームで2個のスロットのそれぞれにおける4番目のSC−FDMAシンボルにRSが位置する例を示す。
図15(b)は、拡張されたCPの場合に、一つのサブフレームで2個のスロットのそれぞれにおける3番目のSC−FDMAシンボルにRSが位置する例を示す。
【0107】
図16乃至
図19を参照して、クラスター方式DFT−s−OFDMA手法について説明する。クラスター方式DFT−s−OFDMAは、前述したSC−FDMAの変形であり、DFT処理された信号を複数個のサブ−ブロック(sub−block)に分けた後、周波数領域において離隔した位置にマッピングする方式である。
【0108】
図16は、単一搬送波上におけるクラスター方式DFT−s−OFDMA手法を説明するための図である。例えば、DFT出力を、N
sb個のサブ−ブロック(サブ−ブロック#0乃至#N
sb−1)に分割することができる。これらサブ−ブロックを周波数領域にマッピングする際に、サブ−ブロック#0乃至#N
sb−1をいずれも一つの搬送波(例えば、20MHz帯域幅の搬送波)上にマッピングし、それぞれのサブ−ブロックを、周波数領域上で離隔した位置にマッピングすることができる。また、サブ−ブロックのそれぞれを周波数領域上で局部マッピングすることができる。
【0109】
図17及び
図18は、多重搬送波上でクラスター方式DFT−s−OFDMA手法を説明するための図である。
【0110】
図17は、多重搬送波(または多重セル(cell))が隣接して(contiguously)構成された状況(すなわち、多重搬送波(または多重セル)のそれぞれの周波数帯域が連続して割り当てられた状況)において隣接した搬送波間に副搬送波間隔が整列(align)された場合に、一つのIFFTモジュールを用いて信号を生成できる例を示す図である。例えば、DFT出力をN
sb個のサブ−ブロック(サブ−ブロック#0乃至#N
sb−1)に分割することができる。サブ−ブロックを周波数領域にマッピングする際に、サブ−ブロック#0乃至#N
sb−1をそれぞれ、構成搬送波#0乃至#N
sb−1上にマッピングすることができる(それぞれの搬送波(またはセル)は、例えば、20MHz帯域幅を有することができる)。また、サブ−ブロックのそれぞれを周波数領域上で局部マッピングすることができる。それぞれの搬送波(またはセル)上にマッピングされたサブ−ブロックは、一つのIFFTモジュールを用いて時間領域信号に変換することができる。
【0111】
図18は、多重搬送波(またはセル)が非隣接して(non−contiguously)構成された状況(すなわち、多重搬送波(または多重セル)のそれぞれの周波数帯域が非連続して割り当てられた状況)において複数個のIFFTモジュールを用いて信号を生成する例を示す図である。例えば、DFT出力をN
sb個のサブ−ブロック(サブ−ブロック#0乃至#N
sb−1)に分割することができる。サブ−ブロックを周波数領域にマッピングする際に、サブ−ブロック#0乃至#N
sb−1をそれぞれ、搬送波(またはセル)#0乃至#N
sb−1上にマッピングすることができる(それぞれの搬送波(またはセル)は、例えば20MHz帯域幅を有することができる)。また、サブ−ブロックのそれぞれを周波数領域上で局部マッピングすることができる。それぞれの搬送波(またはセル)上にマッピングされたサブ−ブロックを、それぞれのIFFTモジュールを用いて時間領域信号に変換することができる。
【0112】
図16で説明した単一搬送波上でのクラスター方式DFT−s−OFDMAが搬送波−内(inter−carrier)(または、intra−cell)DFT−s−OFDMAであれば、
図17及び
図18で説明する多重搬送波(またはセル)上でのDFT−s−OFDMAは搬送波−間(inter−carrier)(または、inter−cell)DFT−s−OFDMAである。このような搬送波−内DFT−s−OFDMA及び搬送波−間DFT−s−OFDMAは混用されてもよい。
【0113】
図19は、部分(chunk)単位にDFT処理、周波数領域マッピング及びIFFT処理を行う部分−特定DFT−s−OFDMA(chunk−specific DFT−s−OFDMA)手法を説明するための図である。部分−特定DFT−s−OFDMAは、Nx SC−FDMAと呼ぶこともできる。コードブロック分割(code block segmentation)された信号を部分(chunk)分割し、それぞれの部分にチャネルコーディング及び変調を行う。変調された信号は、
図12で説明したような方式でDFT処理、周波数領域マッピング及びIFFT処理し、それぞれのIFFTからの出力を合算した後にCPを付加することができる。
図19で説明するNx SC−FDMA方式は、隣接する多重搬送波(または多重セル)にも、非隣接する多重搬送波(または多重セル)にも適用することができる。
【0114】
MIMOシステムの構造
図20は、多重送信アンテナ及び/または多重受信アンテナを有するMIMOシステムの基本的なシステム構造を示す図である。
図20のそれぞれのブロックは、MIMO伝送における送信端及び受信端の機能または動作を概念的に示すものである。
【0115】
図20のチャネルエンコーダは、入力データビットにリダンダンシ(redundancy)ビットを付加する動作を示すもので、これにより、チャネルからの雑音などによる影響を減らすことができる。マッパーは、データビット情報をデータシンボル情報に変換する動作を示すものである。直列/並列変換器は、直列のデータを並列のデータに変換する動作を示すものである。多重アンテナエンコーダは、データシンボルを時空間(time−spatial)信号に変換させる動作を示すものである。送信端の多重アンテナは、このような時空間信号をチャネルを通じて伝送する機能を果たし、受信端の多重アンテナは、チャネルを通じて信号を受信する機能を果たす。
【0116】
図20の多重アンテナデコーダは、受信された時空間信号をそれぞれのデータシンボルに変換する動作を示すものである。並列/直列変換器は、並列信号を直列信号に変換する動作を示すものである。デマッパーは、データシンボルをデータビット情報に変換する動作を示すものである。チャネルデコーダは、チャネルコードをデコーディングする動作を示すものであり、その結果、データを推定(estimation)可能になる。
【0117】
前述したようなMIMO送受信システムは、空間多重化率に基づいて空間的に1個または複数個のコードワードを有することができるが、空間的に1個のコードワードを有する場合を単一コードワード(Single CodeWord;SCW)構造といい、複数のコードワードを有する場合を多重コードワード(Multiple CodeWord;MCW)構造という。
【0118】
図21(a)は、SCW構造を有するMIMOシステムの送信端の機能を示すブロック図であり、
図21(b)は、MCW構造を有するMIMOシステムの送信端の機能を示すブロック図である。
【0119】
コードブックベースのプリコーディング手法
多重アンテナ伝送を支援するために、伝送情報をそれぞれのアンテナにチャネル状況などに応じて適宜分配するプリコーディング(precoding)を適用することができる。コードブック(Codebook)ベースのプリコーディング手法は、送信端と受信端でプリコーディング行列の集合をあらかじめ定めておき、受信端が送信端からのチャネル情報を測定して、最適のプリコーディング行列(すなわち、プリコーディング行列インデックス(Precoding Matrix Index;PMI))を送信端にフィードバックし、送信端は、PMIに基づいて適切なプリコーディングを信号伝送に適用する手法のことをいう。あらかじめ定めておいたプリコーディング行列の集合から適切なプリコーディング行列を選択する方式であるから、常に最適のプリコーディングを適用できるわけではないが、実際にチャネル情報に最適なプリコーディング情報を明示的に(explicitly)フィードバックすることに比べてフィードバックオーバーヘッドを減らすことができる。
【0120】
図22は、コードブックベースのプリコーディングの基本概念を説明するための図である。
【0121】
コードブックベースのプリコーディング方式によれば、送信端と受信端は、伝送ランク、アンテナ個数などに基づいてあらかじめ定められた所定個数のプリコーディング行列を含むコードブック情報を共有する。すなわち、フィードバック情報が有限な(finite)場合は、プリコーディングベースのコードブック方式を用いることができる。受信端は、受信信号からチャネル状態を測定し、上述したコードブック情報に基づいて有限個数の好むプリコーディング行列情報(すなわち、該当のプリコーディング行列のインデックス)を送信端にフィードバックすることができる。例えば、受信端では、ML(Maximum Likelihood)またはMMSE(Minimum Mean Square Error)方式で受信信号を測定し、最適のプリコーディング行列を選択することができる。
図22では、受信端が送信端にプリコーディング行列情報をコードワード別に伝送する例を示しているが、これに限定されるものではない。
【0122】
受信端からフィードバック情報を受信した送信端は、受信した情報に基づいてコードブックから特定プリコーディング行列を選択することができる。プリコーディング行列を選択した送信端は、伝送ランクに対応する個数のレイヤー信号に選択されたプリコーディング行列を掛ける方式でプリコーディングを行い、プリコーディングの行われた伝送信号を複数のアンテナを通じて伝送することができる。プリコーディング行列において行(row)の個数はアンテナの個数と同一であり、列(column)の個数はランク値と同一である。ランク値はレイヤーの個数と同一であるから、列(column)の個数はレイヤー個数と同一である。例えば、伝送アンテナの個数が4であり、伝送レイヤーの個数が2の場合は、プリコーディング行列を4×2行列で構成することができる。プリコーディング行列を用いて、それぞれのレイヤーを通じて伝送される情報をそれぞれのアンテナにマッピングすることができる。
【0123】
送信端でプリコーディングされて伝送された信号を受信した受信端は、送信端でなされたプリコーディングの逆処理を行って受信信号を復元することができる。一般に、プリコーディング行列は、U*U
H=Iのようなユニタリー行列(U)の条件を満たすから、上記のプリコーディングの逆処理は、送信端のプリコーディングに用いられたプリコーディング行列(P)のエルミート(Hermit)行列(P
H)を受信信号に掛ける方式で行えばよい。
【0124】
例えば、下記の表4は、3GPP LTEリリース−8/9において2伝送アンテナを用いたダウンリンク伝送に用いられるコードブックを示すもので、表5は、3GPP LTEリリース−8/9において4伝送アンテナを用いたダウンリンク伝送に用いられるコードブックを示すものである。
【0129】
のように表現される数学式で構成されるセット
【0136】
上記の表4に示すように、2個の送信アンテナに対するコードブックは、総7個のプリコーディングベクトル/行列を有しており、ここで、単一行列は、開−ループ(open−loop)システムのためのものであるから、閉−ループ(Closed−loop)システムのプリコーディングのためのプリコーディングベクトル/行列は、総6個となる。また、上記の表5に示すような4個の送信アンテナに対するコードブックは、総64個のプリコーディングベクトル/行列を有している。
【0137】
上記のようなコードブックは、定モジュラス(Constant modulus;CM)特性、ネストされた特性(Nested property)、制限されたアルファベット(Constrained alphabet)などの共通した特性を有する。CM特性は、コードブック内の全プリコーディング行列のそれぞれの要素(element)は‘0’を含まない他、同一のサイズを有するように構成される特性をいう。ネストされた特性は、低いランクのプリコーディング行列が、高いランクのプリコーディング行列の特定列のサブセット(subset)で構成されるように設計された特性をいう。制限されたアルファベット特性は、コードブック内の全プリコーディング行列のそれぞれの要素(element)のアルファベットが
【0140】
フィードバックチャネルの構造
基本的に、FDDシステムにおいて、ダウンリンクチャネルに対する情報を基地局は知らず、端末機がフィードバックするチャネル情報をダウンリンク伝送に用いる。既存の3GPP LTEリリース−8/9システムでは、PUCCHを通じてダウンリンクチャネル情報をフィードバックしたり、または、PUSCHを通じてダウンリンクチャネル情報をフィードバックしたりできる。PUCCHは、周期的(periodic)にチャネル情報をフィードバックし、PUSCHは、基地局の要請に応じて非周期的(aperiodic)にチャネル情報をフィードバックする。また、チャネル情報のフィードバックは、割り当てられた全体周波数帯域(すなわち、広帯域(WideBand;WB))に対してチャネル情報をフィードバックすることもでき、特定個数のRB(すなわち、サブ帯域(SubBand;SB))に対してチャネル情報をフィードバックすることもできる。
【0141】
拡張されたアンテナ構成
図23は、8伝送アンテナを構成する例示を示す図である。
【0142】
図23(a)は、N個のアンテナがグループ化することなくそれぞれ独立したチャネルを構成する場合を示しており、一般的に、ULA(Uniform Linear Array)という。このように多数個のアンテナを互いに空間的に離間して配置することでそれぞれ独立したチャネルを構成するには、送信機及び/または受信機の空間が足りないことがある。
【0143】
図23(b)では、2個のアンテナが対となるULA方式のアンテナ構成(Paired ULA)を示す。この場合、対となる2個のアンテナ同士は、関連したチャネルを有し、他の対のアンテナとは独立したチャネルを有することができる。
【0144】
一方、既存の3GPP LTEリリース−8/9ではダウンリンクで4伝送アンテナを用いるが、3GPP LTEリリース−10システムではダウンリンクで8伝送アンテナを用いることができる。このような拡張されたアンテナ構成を適用するためには、足りない空間に複数個の送信アンテナを設置しなければならず、
図23(a)及び
図23(b)のようなULAアンテナ構成は不適である。そこで、
図23(c)に示すように、二重極性(dual−pole)(またはクロス極性(cross−pole))アンテナ構成を適用することを考慮することができる。このように伝送アンテナを構成すると、アンテナ間の距離dが相対的に短くても、アンテナ相関度を下げ、高い収率のデータ伝送が可能になる。
【0145】
コードブック構造(codebook structures)
上述したように、あらかじめ定められた(pre−defined)コードブックを送信端及び受信端で共有することによって、送信端からのMIMO伝送に用いられるプリコーディング情報を受信端がフィードバックするためのオーバーヘッドを減らし、効率的なプリコーディングの適用が可能になる。
【0146】
あらかじめ定められたコードブックを構成する一例として、DFT(Discrete Fourier Transform)行列またはウォルシュ(Walsh)行列を用いてプリコーダ行列を構成することができる。または、位相シフト(phase shift)行列または位相シフトダイバーシティ(phase shift diversity)行列などと結合して様々な形態のプリコーダを構成することもできる。
【0147】
DFT行列ベースのコードブックを構成するにあたり、n×n DFT行列は、下記の数学式3のように定義することができる。
【0149】
数学式3のDFT行列は、特定サイズnに対して一つの行列のみ存在する。そのため、様々なプリコーディング行列を定義して状況に応じて適切に用いるには、DFTn行列の回転形態(rotated version)をさらに構成して用いることを考慮することができる。下記の数学式4は、例示的な回転(rotated)DFTn行列を示す。
【0151】
上記の数学式4のようにDFT行列を構成すると、G個の回転(rotated)DFTn行列を生成することができ、生成された行列はDFT行列の特性を満たす。
【0152】
次に、ハウスホルダーベース(Householder−based)のコードブック構造について説明する。ハウスホルダーベースのコードブック構造とは、ハウスホルダー行列で構成されるコードブックを意味する。ハウスホルダー行列は、ハウスホルダー変換(Householder Transform)に用いられる行列であり、ハウスホルダー変換は線形変換(linear transformation)の一種で、QR分解(QR decomposition)を行うのに用いることができる。QR分解とは、ある行列を直交(orthogonal)行列(Q)と上三角行列(upper triangular matrix)(R)に分解することを意味する。上三角行列は、主対角線成分の下の成分がいずれも0である正方行列を意味する。4×4ハウスホルダー行列の例は、下記の数学式5の通りである。
【0154】
ハウスホルダー変換によりCM特性を有する4×4ユニタリー行列を生成することができる。上記表5のような4伝送アンテナのためのコードブックのように、ハウスホルダー変換を用いてn×nプリコーディング行列を生成し、生成されたプリコーディング行列の列サブセット(column subset)を用いてnよりも小さいランク伝送のためのプリコーディング行列として用いるように構成することができる。
【0155】
8伝送アンテナのためのコードブック
拡張されたアンテナ構成(例えば、8伝送アンテナ)を有する3GPP LTEリリース−10システムにおいて、既存の3GPP LTEリリース−8/9システムで用いられたフィードバック方式を拡張して適用することができる。例えば、RI(Rank Indicator)、PMI(Precoding Matrix Index)、CQI(Channel Quality Information)などのチャネル状態情報(Channel State Information;CSI)をフィードバックすることができる。以下では、拡張されたアンテナ構成を支援するシステムで利用可能な二重プリコーダ(dual precoder)ベースのフィードバックコードブックを設計する方案について説明する。二重プリコーダベースのフィードバックコードブックにおいて、送信端のMIMO伝送に用いられるプリコーダを指示するために、受信端はプリコーディング行列インデックス(PMI)を送信端に伝送できるが、2個の異なるPMIの組み合わせによってプリコーディング行列を指示できる。すなわち、受信端は送信端に2個の異なるPMI(すなわち、第1のPMI及び第2のPMI)を送信端にフィードバックし、送信端は第1及び第2のPMIの組み合わせにより指示されるプリコーディング行列を決定してMIMO伝送に適用することができる。
【0156】
二重プリコーダベースのフィードバックコードブックの設計において、8伝送アンテナMIMO伝送、単一ユーザーMIMO(Single User−MIMO;SU−MIMO)及び多重ユーザー−MIMO(Multiple User−MIMO;MU−MIMO)支援、様々なアンテナ構成に対する適合性、コードブック設計基準、コードブックサイズなどを考慮することができる。
【0157】
8伝送アンテナMIMO伝送に適用されるコードブックとして、ランク2よりも大きい場合にはSU−MIMOのみを支援し、ランク2以下ではSU−MIMO、MU−MIMOの両方に最適化され、様々なアンテナ構成に適合するようにフィードバックコードブックを設計することを考慮することができる。
【0158】
MU−MIMOについては、MU−MIMOに参加する端末が相関領域(correlation domain)で区別される(separated)ようにすることが好ましい。したがって、MU−MIMOのためのコードブックは、高い相関を有するチャネルで正確に動作するように設計される必要がある。DFTベクトルは、高い相関を有するチャネルで良好な性能を提供するので、ランク−2までのコードブック集合にDFTベクトルを含めることを考慮することができる。また、多い空間チャネルを生成できる高い散乱伝播(scattering propagation)環境(例えば、反射波の多い屋内(indoor)環境など)では、MIMO伝送方式としてSU−MIMO動作がより適することがある。そのため、ランク−2よりも大きいランクのためのコードブックは、多重レイヤーを区別する性能が良好となるように設計することを考慮できる。
【0159】
MIMO伝送のためのプリコーダ設計において、一つのプリコーダ構造が様々なアンテナ構成(低い相関、高い相関、クロス極性などのアンテナ構成)について良好な性能を有するようにすることが好ましい。8伝送アンテナの配置において、低い相関アンテナ構成として、4λアンテナ間隔を有するクロス極性を構成したり、高い相関アンテナ構成として、0.5λアンテナ間隔を有するULAを構成したり、クロス極性アンテナ構成として0.5λアンテナ間隔を有するクロス極性を構成したりできる。DFTベースのコードブック構造は、高い相関アンテナ構成について良好な性能を提供することができる。一方、クロス極性アンテナ構成についてはブロック対角行列(block diagonal matrix)がより適することがある。そのため、8伝送アンテナのためのコードブックに対角行列が導入される場合に、全てのアンテナ構成について良好な性能を提供するコードブックを構成することができる。
【0160】
コードブック設計基準は、前述したように、ユニタリーコードブック、CM特性、有限アルファベット、適切なコードブックサイズ、ネストされた特性などを満たすようにする。これは、3GPP LTEリリース−8/9コードブック設計に適用されたものであり、拡張されたアンテナ構成を支援する3GPP LTEリリース−10コードブック設計にもこのようなコードブック設計基準を適用することを考慮することができる。
【0161】
コードブックサイズについては、8伝送アンテナを用いるメリットを十分に支援するためにコードブックサイズを増加させなければならない。低い相関を有する環境で8伝送アンテナから十分のプリコーディング利得を得るためには、大きいサイズのコードブック(例えば、ランク1及びランク2に対して4ビットを超えるサイズのコードブック)が要求されることがある。高い相関を有する環境ではプリコーディング利得を得るために4ビットサイズのコードブックで十分である。しかし、MU−MIMOの多重化利得を達成するためには、ランク1及びランク2のためのコードブックサイズを増加させることができる。
【0162】
前述の事項に基づき、8伝送アンテナのためのコードブック構造を下記のように定義することができる。
【0163】
多重単位(multi−granular)フィードバックを支援するために、2個の基底行列(base matrix)のクロネッカー積(Kroneker product、
【0165】
で表現。)によって8伝送アンテナのためのコードブック構造を定義することができる。クロネッカー積は、任意のサイズの2個の行列に対する演算であり、その結果としてブロック行列を得ることができる。例えば、m×n行列Aとp×q行列Bとのクロネッカー積
【0167】
は、下記の数学式6のように表現できる。数学式6で、a
mnは行列Aの要素(element)を表し、b
pqは行列Bの要素を表す。
【0171】
のクロネッカー積でコードブック構造を構成するものを示す。
【0175】
(ここで、mは、伝送ランクを意味する)は、共通極性をもって(co−polarized)隣接して配置されたアンテナのビームフォーミングに用いることができる。第1の基底行列のためにいくつかのタイプのコードブックを適用することができる。例えば、3GPP LTEリリース−8/9で定義される4伝送アンテナを通じたダウンリンクMIMO伝送のためのコードブック(すなわち、上記の表5のコードブック)を第1の基底行列として用いることができる。または、DFT行列を第1の基底行列として用いることもできる。
【0178】
を、直交極性(orthogonal polarizations)両者間の相対的な位相(relative phase)を調節(adjust)するために用いることができる。下記の数学式8のような行列を、第2の基底行列として用いることができる。例えば、3GPP LTEリリース−8/9で定義される2伝送アンテナを通じたダウンリンクMIMO伝送のためのコードブック(すなわち、上記の表4のコードブック)のランク−2プリコーディング行列を、第2の基底行列として用いることもできる。
【0180】
伝送ランクに従って8伝送アンテナのためのフィードバックコードブックを、下記の表6のように定義することができる。
【0182】
上記の表6において、W
2(;,x)は、W
2行列のx番目の列(column)を意味する。すなわち、W
1は、W
2の1番目の列で構成されたり、W
2の2番目の列で構成されることを意味する。同様に、W
n(;,x:y)は、W
n行列のx番目の列乃至y番目の列を表す。例えば、W
3は、W
4の1番目の列乃至3番目の列で構成可能である。
【0183】
上記の表6に示すように、偶数ランク(ランク2、4、6、8)に対するフィードバックコードブックは、2個の基底行列のクロネッカー積により生成することができる。例えば、8伝送アンテナのためのランク2コードブック(W
2)(8×2行列)は、
【0185】
で表現されるが、ここで、W
2として、上記の数学式8のような2伝送アンテナのためのランク2コードブック(上記表4参照)(2×2行列)が適用され、W
11は、4伝送アンテナのためのランク1コードブック(上記表5参照)(4×1行列)が適用されることを示す。また、例えば、8伝送アンテナのためのランク4コードブック(W
4)(8×4行列)は、
【0187】
で表現されるが、ここで、W
2として、上記の数学式8のような2伝送アンテナのためのランク2コードブック(上記表4参照)(2×2行列)が適用され、W
12は、4伝送アンテナのためのランク2コードブック(上記表5参照)(4×2行列)が適用されることを示す。
【0188】
また、上記の表6に示すように、奇数ランク(ランク1、3、5、7)に対するフィードバックコードブックは、上位ランクコードブックのサブセットで構成することができる。例えば、8伝送アンテナのためのランク1コードブックは、8伝送アンテナのためのランク2コードブックから選択されたサブセットで構成することができる。または、8伝送アンテナのためのランク3コードブックは、8伝送アンテナのためのランク4コードブックから選択されたサブセットで構成することができる。または、8伝送アンテナのためのランク5コードブックは、8伝送アンテナのためのランク6コードブックから選択されたサブセットで構成することができる。または、8伝送アンテナのためのランク7コードブックは、8伝送アンテナのためのランク8コードブックから選択されたサブセットで構成することができる。上記の表6のようなコードブックの構成は例示に過ぎず、表6に示すそれぞれのランクのコードブックの生成方法は、それぞれのランク別に個別に適用されてもよく、同時に適用されてもよい。また、表6に示すようなそれぞれのランクのコードブックの関係(例えば、下位ランクのコードブックが上位ランクのコードブックのサブセットで構成される関係)は、それぞれのランク別に個別に適用されてもよく、同時に適用されてもよい。
【0189】
上では、多重単位(multi−granular)フィードバックの適用において、8伝送アンテナのためのコードブックを2個の基底行列の組み合わせにより構成する方案と関連して、クロネッカー積を適用する方案について説明した。以下では、内積(inner product)を用いて2個の基底行列の組み合わせを構成する方案について説明する。
【0190】
まず、2個の基底行列の内積を用いる形態を、下記の数学式9のように表すことができる。
【0192】
8伝送アンテナのためのコードブックを内積の形態で表現する場合に、第1の基底行列は、共通極性アンテナグループのために、下記の数学式10のように対角行列で表現することができる。
【0194】
また、第2の基底行列を極性同士の相対的な位相を調節(adjust)するために用いる場合に、この第2の基底行列を、恒等行列(identity matrix)を用いて表現することができる。8伝送アンテナのためのコードブックの上位ランクに対して、第2の基底行列を下記の数学式11のように表現することができる。数学式11で、第2の基底行列の1番目の行(row)の係数1と2番目の行の係数aまたは−aとの関係は、前述の相対的な位相(relative phase)調節を反映するためである。
【0196】
これにより、8伝送アンテナのためのコードブックを第1の基底行列及び第2の基底行列の内積を用いて表現すると、下記の数学式12のようになる。
【0198】
上記の数学式12のように内積を用いて表現したコードブックは、下記の数学式13のようにクロネッカー積を用いて簡単に表現することができる。
【0200】
ここで、コードブックWに含まれるプリコーディング行列は、4*2個の行及びN*M個の列を有し、よって、8伝送アンテナN*Mランク伝送に対するコードブックとして用いることができる。例えば、8伝送アンテナランクR伝送のためのプリコーディングコードブックを構成する場合に、W
2が2×Mで構成されると、W
1に対するN値はR/Mになる。例えば、8伝送アンテナランク4伝送のためのプリコーディングコードブックを構成する場合に、W
2が2×2(すなわち、M=2)行列(例えば、上記数学式8の行列)で構成されると、W
1は4×2(すなわち、N=R/M=4/2=2)行列(例えば、DFT行列)を適用することができる。
【0201】
多重−コードブックベースのプリコーダの生成
多重アンテナ伝送に用いられるプリコーディング動作は、レイヤーを通じて伝送される信号をアンテナにマッピングさせる動作ということができる。すなわち、X×Yプリコーディング行列によってY個の伝送レイヤー(または、ストリーム)をX個の伝送アンテナにマッピングすることができる。
【0202】
N
t個の送信アンテナを通じてR個のストリーム(すなわち、ランクR)を伝送するのに用いられるN
t×Rプリコーディング行列を構成するために、送信端は、受信端から一つ以上のプリコーディング行列インデックス(PMI)をフィードバックされ、プリコーダ行列を構成することができる。下記の数学式14は、n
c個の行列で構成されるコードブックの一例を示す。
【0204】
上記の数学式14で、kは、特定リソースインデックス(副搬送波インデックス、仮想リソース(virtual resource)インデックスまたはサブ帯域インデックス)を表す。上記の数学式14は下記の数学式15のような形態で構成することができる。
【0208】
を特定複素重み(complex weight)
【0210】
だけシフトした形態とすることができる。したがって、
【0212】
との差を特定複素重みで表現すると、下記の数学式16のようになる。
【0214】
また、上記の数学式16をクロネッカー積を用いて下記の数学式17のように表現することができる。
【0216】
上記の数学式17で、プリコーディングの部分行列である
【0218】
は独立して受信端からフィードバックされ、送信端は、それぞれのフィードバック情報を用いて上記の数学式16または数学式17のようにプリコーダを構成して用いることができる。上記の数学式16または数学式17のような形態を適用する場合に、
【0220】
は常に2×1ベクトルの形態とし、下記の数学式18のようにコードブック形態とすることができる。
【0222】
上記の数学式18で、Nは、コードブックが有している総プリコーディングベクトルの個数を表し、iはベクトルのインデックスに用いることができる。フィードバックオーバーヘッドを最小化しながら適切な性能を得るために、iを2、4または8に定めて用いることができる。また、
【0224】
は、4伝送アンテナのためのコードブックまたは2伝送アンテナのためのコードブックなどで構成できるが、これに対して上記の表4または表5のコードブック(3GPP LTEリリース−8/9で定義される2または4伝送アンテナのためのコードブック)が用いられるとよく、回転(rotated)DFTの形態で構成することもできる。
【0227】
行列を2×2行列の形態で用いることもできる。下記の数学式19は、
【0231】
上記の数学式19のように構成する場合に、
【0233】
コードブックの最大ランクがRであると、2Rのランクまでコードブックを設計することができる。例えば、
【0235】
として上記の表4のコードブックを用いる場合に、上記の数学式17によれば、最大ランクとして4(R=4)まで用いることができる。一方、上記の数学式18によれば、最大ランクとして8(2R=8)まで用いることができる。したがって、8個の送信アンテナを構成するシステムにおいて8×8伝送が可能なようにプリコーダを構成することができる。この時、
【0237】
は、下記の数学式20のようなコードブックの形態とすることができる。
【0239】
上記の数学式17及び数学式18のプリコーダ構成方法はランクに従って別々に適用することができる。例えば、上記の数学式17の方式は、ランク4以下
【0241】
の場合に用いられ、上記の数学式18の方式は、ランク5以上
【0243】
の場合に用いられるようにすることができる。または、上記の数学式17の方式は、ランク1
【0245】
の場合にのみ用いられ、残りの場合(ランク2以上
【0247】
)には、上記の数学式18の方式を用いられるようにすることもできる。上記の数学式17及び上記の数学式18と関連して説明したW及びPは、下記の表7のような特性を有するようにフィードバックされるとよい。
【0249】
上記の数学式17及び数学式18の方式を適切に用いてコードブックを構成することができる。しかし、状況によっては、両者の組み合わせを用いないとプリコーダの構成が不可能になることもある。このような問題を解決するために、下記の数学式21のようにプリコーダを構成して用いることができる。
【0253】
を用いて、ランク値が伝送アンテナの個数と同じ場合(R=N
t)のためのプリコーダを構成し、構成されたプリコーダの列サブセット(column subset)を下位ランクのために用いることができる。このような方式でプリコーダを構成する場合に、ネストされた特性を満たすので、CQI計算を簡単にすることができる。上記の数学式21で、
【0255】
はR=N
tの場合のプリコーダを示す。このような場合に、例えば、R=2に対するプリコーダは、
【0257】
の0番目及び2番目の列で構成されるサブセットを用いることができ、これを
【0259】
のように表現することができる。ここで、
【0261】
は、回転(rotated)DFT行列または他の形態のコードブックで構成されてもよい。
【0262】
一方、開ループ環境でダイバーシティ利得を高めるために、前述の方式で構成されたプリコーダに基づいて、特定リソースに従ってプリコーダを変えて用い、これでビームダイバーシティ利得を極大化することができる。例えば、上記の数学式17の方式によるプリコーダを用いる場合に、特定リソースに従ってプリコーダを適用する方式を、下記の数学式22のように表現できる。
【0264】
上記の数学式22で、kは、特定リソース領域を表す。特定リソース領域kに対するプリコーディング行列は、上記の数学式22のように、モジューロ演算(modulo operation)により決定され、ここで、
【0266】
はそれぞれ、W行列とP行列のためのコードブックのサイズを表してもよく、それぞれのサブセットを表してもよい。
【0267】
上記の数学式22のように、両行列とも循環(cycling)を適用すると、ダイバーシティ利得を極大化させることはできるが、複雑度が増加することがある。そのため、特定行列は長期間(long−term)で循環(cycling)を適用し、残りの行列は短期間(short−term)で循環(cycling)を適用するように設定することもできる。
【0268】
例えば、W行列は物理リソースブロックインデックス(PRB index)によってモジューロ演算を行い、P行列はサブフレームインデックス(subframe index)によってモジューロ演算を行うように構成することができる。または、W行列はサブフレームインデックスによってモジューロ演算を行い、P行列は物理リソースブロックインデックスによってモジューロ演算を行うように構成することもできる。
【0269】
他の例として、W行列はPRBインデックスによってモジューロ演算を行い、P行列はサブ帯域インデックス(subband index)によってモジューロ演算を行うように構成することもできる。または、W行列はサブ帯域インデックスによってモジューロ演算を行い、P行列はPRBインデックスによってモジューロ演算を行うように構成することもできる。
【0270】
また、両行列のいずれか一方のみ、モジューロ演算を用いたプリコーダ循環(precoder cycling)を適用し、いずれか他方は、固定されたものを用いることもできる。
【0271】
このように2個の行列を用いてプリコーダを構成する場合に、コードブック構造は、上記の数学式9乃至数学式12と関連して説明したように、内積の形態で表現したり、同一の意味を、上記の数学式13と関連して説明したように、クロネッカー積の形態で表現することもできる。
【0272】
8伝送アンテナのためのコードブック構成の細部事項
前述した最大8個の送信アンテナを構成するシステムに適用できるプリコーダ構成に関する説明に基づき、以下では、多重アンテナシステムにプリコーディングが適用されるための具体的な事項(プリコーダサイズ、要素成分など)に関する本発明の例示について説明する。また、様々なアンテナ構成を支援できるプリコーディング構成の本発明の例示について説明する。
【0273】
コードブック構造
8伝送アンテナのためのコードブックを、2個の基底行列の組み合わせによって構成することができる。この場合、2つの組み合わせ方法を適用することができるが、その一つは内積を適用する方法であり、もう一つはクロネッカー積を適用する方法である。
【0274】
まず、2個の基底行列の内積形態で表現されるコードブックは、下記の数学式23の通りである。
【0276】
8伝送アンテナのためのコードブックを内積の形態で表現する場合に、第1の基底行列は、共通極性アンテナグループのために、下記の数学式24のように対角行列で表現することができる。
【0278】
また、極性同士の相対的な位相を調節するために第2の基底行列を用いる場合に、この第2の基底行列は恒等行列(identity matrix)を用いて表現することができる。また、8伝送アンテナのためのコードブックの上位ランクに対して、第2の基底行列を数学式25のように表現することができる。数学式25で、第2の基底行列の1番目の行(row)の係数1と2番目の行の係数aとの関係は、前述した相対的な位相(relative phase)調節を反映するためのものである。
【0280】
これにより、8伝送アンテナのためのコードブックを第1の基底行列及び第2の基底行列の内積を用いて表現すると、下記の数学式26のようになる。
【0282】
上記の数学式26のように内積を用いて表現したコードブックを、下記の数学式27のようにクロネッカー積を用いて簡単に表現することができる。
【0284】
DFTベースのコードブック
n×n DFT行列を下記の数学式28のように定義することができる。
【0286】
例えば、8伝送アンテナMIMO伝送のためのコードブックを生成する時に、最も簡単な形態のコードブックは、下記の数学式29のように表現することができる。
【0288】
上記の数学式29のようなDFT_8のコードブックにおいて、8個の列(column)は、互いに異なる応答を有するプリコーディング重み(precoding weight)と定義することができる。
【0289】
空間チャネルを構成するにあって、ULA環境において伝送アンテナの応答を下記の数学式30のように表現できる。
【0291】
上記の数学式30で、dは、アンテナ間の間隔を意味し、lは、中心周波数が持つ波長の距離を意味する。位相qは、平面波がアンテナアレイと作る角度を意味するもので、DoA(Direction Of Arrival)またはAoA(Angle Of Arrival)と表現することができる。高い相関を有するチャネル(high correlated channel)において、上記の数学式29により生成されたコードブックによる伝送アンテナ応答は、上記の数学式30との内積(inner product)により生成することができる。この点で、上記の数学式30のベクトルは、アンテナアレイに従う送信方向または受信方向に対する操向ベクトル(steering vector)と呼ぶこともできる。
【0292】
図24には、上記の数学式29のDFT_8のコードブックのアンテナ応答を示す。
図24において、縦軸は、アンテナ周波数応答のサイズを表すものであり、横軸は、qをラジアン(radian)値で表したものである。
図24で、最大周波数応答を有する8個のほう物線を見ることができるが、それぞれのほう物線は、DFT_8のそれぞれの列ベクトル(column vector)が作るアンテナ応答を意味する。DFT_8の第1の列ベクトルは、q=0°(0 rad)で最大のアンテナ応答を有し、第2の列ベクトルは、q=14°(約0.24 rad)で最大のアンテナ応答を有し、第3の列ベクトルは、q=30°(約0.52 rad)で最大のアンテナ応答を有し、第4の列ベクトルは、q=49°(約0.85 rad)で最大のアンテナ応答を有し、第5の列ベクトルは、q=90°(約1.57 rad)で最大のアンテナ応答を有し、第6の列ベクトルは、q=−49°(約−0.85 rad)で最大のアンテナ応答を有し、第7の列ベクトルは、q=−30°(約−0.52 rad)で最大のアンテナ応答を有し、第8の列ベクトルは、q=−14°(約0.24 rad)で最大のアンテナ応答を有する。本発明において、アンテナ応答は、説明の便宜のためにビーム(beam)と表現することもできる。すなわち、DFT_8は、0°、14°、30°、49°、90°、−49°、−30°、−14°のビームを発生することができる。
【0293】
より狭い間隔を有するビームを形成するために、DFT行列において基準位相を小さくさせることを考慮することができる。例えば、下記の数学式31のように、オーバーサンプリング(over sampling)されたDFT行列を導入することができる。
【0295】
上記の数学式31で、Nは、伝送アンテナの数、aは、オーバーサンプリング係数、kは、アンテナインデックスを意味し、nは、コードブックインデックスを意味する。上記の数学式31を用いて作ったコードブックは、N個の伝送アンテナで互いに異なる位相を有するN*a個のビームを形成することができる。例えば、8伝送アンテナのためのDFTコードブックを構成するが、2倍のオーバーサンプリングが適用される場合に、下記の数学式32のように表現することができる。
【0297】
上記の数学式32を用いて8伝送アンテナのための16個のベクトルを形成することができ、これに対するアンテナ応答は、
図25のように表現することができる。
【0298】
上記の数学式31及び数学式32のコードブックは、ULAのアンテナ構成に適合するコードブックである。
【0299】
一方、二重極性(dual−polarization)アンテナ構成を效果的に支援するためのコードブック構造として、上記の数学式14乃至数学式22、及び数学式23乃至数学式27と関連して説明したようなブロック対角(Block Diagonal)形態のコードブック構造を適用することが好ましい。このようにブロック対角形態の行列を導入すると、対角に位置する要素は、4伝送アンテナを支援するコードブックで構成することができる。また、2個の共通極性(co−polarization)アンテナを結合するために、2伝送アンテナを支援するコードブックを用いることができる。この場合、4伝送アンテナのためのコードブック及び2伝送アンテナのためのコードブックとして、DFT形態のコードブックを用いてもよく、上記の表4及び表5のように3GPP LTEリリース−8/9で定義するコードブックを用いてもよい。特に、DFT形態のコードブックを用いる場合に、下記の数学式33のようなコードブックを考慮することができる。
【0301】
上記の数学式33のDFT_2及びDFT_4はそれぞれ、サイズ2×2及びサイズ4×4の行列を生成することができる。これを行列で表現すると、数学式34のようになる。
【0303】
上記の数学式34で、W
2は2個のベクトルを有する行列で構成し、W
1は4個のベクトルを有する行列で構成することができる。上記の数学式34のW
1及びW
2を基底コードブック(base codebook)として上記の数学式17のような形態で8伝送アンテナのためのコードブックを作ると、下記の数学式35のように表すことができる。
【0305】
上記の数学式35のコードブックは、8伝送アンテナ伝送のためのコードブックであり、8個のベクトルを有する行列とすることができる。このように生成されたコードブックの8個の伝送アンテナで構成されるULAアンテナ構成に対するアンテナ応答は、
図26のように示すことができる。
【0306】
図26に示すように、DFT_4及びDFT_2の組み合わせで生成されたコードブックは、8個の要素(element)を有するが、4個のアンテナ応答のみを得ることになる。これは、2個のコードブックで作られたコードブックにおける要素が有する位相が90°間隔で構成されているからである。2個の基底行列のうち、いずれか一行列の要素が表現できる位相の最小値は、コードブックで表現できるアンテナ応答の最小間隔となり得る。DFT_4は90°を表現でき、DFT_2は180°まで表現可能である。したがって、4伝送アンテナのためのコードブックのために、より狭い間隔を有するDFT_8を用いると、表現できる周波数応答の間隔が増加する。上記の数学式31によって2倍オーバーサンプリングされた4伝送アンテナのためのコードブックを、下記の数学式36のように生成することができる。
【0308】
上記の数学式36のDFT_8は、サイズ4×8の行列を生成することができる。これを行列で表現すると、下記の数学式37のようになる。
【0310】
上記の数学式37は、4個の要素で構成された8個のベクトルを表す。上記の数学式37の行列は、下記の数学式38のように、位相シフト(phase shift)を有する対角行列と結合された形態で表現することもできる。
【0312】
2倍オーバーサンプリングされた4伝送アンテナのためのコードブック(上記の数学式36のDFT_8)を一つの基底行列(W
1)とし、DFT_2を用いる2伝送アンテナのためのコードブック(上記の数学式33のDFT_2)を他の基底行列(W
2)とし、上記の数学式17を用いて生成された8伝送アンテナのためのコードブックは、下記の数学式39のように表すことができる。
【0314】
上記の数学式39を用いて獲得した8伝送アンテナのためのコードブックのアンテナ応答は、
図27のように示すことができる。
【0315】
図27で表現されたアンテナ応答は、
図24(上記の数学式29の8伝送アンテナのためのコードブックのアンテナ応答を示す図)におけるアンテナ応答と同一の応答を示している。上記の数学式39を用いて獲得した8伝送アンテナのためのコードブックは16個のベクトルで構成されるが、上記の数学式29の8伝送アンテナのためのコードブックは8個のベクトルで構成される。上記の数学式39によって生成されたコードブック中の8個のベクトルは、上記の数学式29によるコードブックにおける8個のベクトルと一致したり、全要素の符号が反転された(すなわち、‘+’は‘−’に、‘−’は‘+’に反転された)形態のベクトルである。そのため、上記の数学式39によるコードブックのアンテナ応答と上記の数学式29によるコードブックのアンテナ応答が同一に示される。また、上記の数学式39は、8個のさらなるベクトルを有するが、これらのさらなるベクトルによって形成されるビームは、2個の小さいアンテナ応答を有することを特徴とする。
【0316】
一方、オーバーサンプリング因子(oversampling factor)によって下記の数学式40乃至数学式53のような基底コードブック(base codebook)を定義することができる。
【0331】
上記の数学式40乃至数学式53は、基底コードブック(base codebook)にオーバーサンプリングを適用した時に生成されるコードブックの形態に関するものである。上記の数学式40乃至数学式53は、行列形態で表現することもでき、位相対角行列(phase diagonal matrix)との結合形態で表現することもできる。
【0332】
オーバーサンプリングされた基底行列の結合により生成されるコードブックは、高い解像度(high resolution)を有する(すなわち、より狭い間隔を有するビームが形成される)コードブックとすることができる。これと関連して、フィードバックオーバーヘッドを減らしてもビーム解像度が大幅に低下することがなく、よって、基底行列においてまたは2個の基底行列の結合により生成されたコードブックにおいて一部のインデックスは除いて(すなわち、基底行列またはコードブックのインデックスに対するサブサンプリング(sub−sampling)を適用して)、残るインデックスでフィードバックを行い、プリコーダを決定することができる。
【0333】
2つの基底行列のいずれか一行列からプリコーダを選択した場合は、いずれか他の基底行列からプリコーダを選択する時には、先に選択されたプリコーダに従属して(dependently)選択すればよい。
【0334】
図28乃至
図43は、2個の基底行列のそれぞれに対するオーバーサンプリング因子(oversampling factor)に従うアンテナ応答を示す図である。第1の基底行列に対するオーバーサンプリング因子をOS1(OS1=1、2、3または4)で表し、第2の基底行列に対するオーバーサンプリング因子をOS2(OS2=1、2、3または4)で表す時に、それぞれの組み合わせに対するアンテナ応答(
図28乃至
図43)は、下記の表8のようにまとめることができる。例えば、第1の基底行列に対するオーバーサンプリング因子OS1=3であり、第2の基底行列に対するオーバーサンプリング因子OS2=2の場合に対するアンテナ応答は、
図37のようになる。
【0336】
前述した本発明の様々な実施例によれば、2個の基底行列を用いて最大8伝送アンテナ伝送に適用されるプリコーダコードブックを構成する際に、フィードバックオーバーヘッドを減少させながらも良好な性能のコードブックを提供することができ、かつ、様々なアンテナ構成において良好な性能を保障するコードブックを提供することができる。
【0337】
図44を参照して本発明の好ましい実施例に係るアップリンクMIMO伝送及び受信方法について説明する。
【0338】
段階S4410で、端末は、第1及び第2のPMIを基地局に伝送でき、基地局は、それを受信することができる。段階S4410の前に、端末は基地局からのダウンリンクチャネルを測定してチャネル状態情報(RI/PMI/CQI)を生成でき、段階S4410で、チャネル状態情報フィードバックとしてPMIを基地局に伝送することができる。また、基地局からのダウンリンクMIMO伝送には、増加した伝送アンテナ(最大8伝送アンテナ)に起因する、フィードバック情報のオーバーヘッドの増加を防止するために、異なる2個のPMI(第1及び第2のPMI)の組み合わせにより、ダウンリンク伝送に用いられるプリコーディング行列を指示する方式を適用することができる。
【0339】
段階S4420で、基地局は、受信された第1及び第2のPMIの組み合わせにより指示されるプリコーディング行列をコードブックから決定することができる。当該コードブックは、前述した本発明の様々な例示によって構成すればよい。
【0340】
段階S4430で、基地局は、ダウンリンク信号をR(1≦R≦8)個のレイヤーにマッピングさせることができる。ここで、レイヤーの個数Rはランク値に相当する。
【0341】
段階S4440で、基地局はプリコーディングを行うことができる。プリコーディングは、伝送レイヤーをアンテナにマッピングさせる動作に相当する。基地局は、段階S4420で決定されたプリコーディング行列を用いて、R個のレイヤーを通じて伝送されるダウンリンク信号を伝送アンテナにマッピングさせることができる。
【0342】
段階S4450で、基地局は、プリコーディングされた(すなわち、伝送アンテナにマッピングされた)ダウンリンク信号を端末に伝送でき、端末はこれを受信することができる。段階S4460の後に、端末は、受信したダウンリンク信号を、基地局が適用したプリコーディング行列と同じプリコーディング行列に基づいて処理して(例えば、受信したダウンリンク信号にプリコーディング行列のエルミート行列を掛ける方式のプリコーディング逆処理を行うことによって)ダウンリンク信号を復元することができる。
【0343】
上記の段階S4420で基地局が用いる(あらかじめ保存されている)コードブックの構成の例示について説明する。例えば、基地局で2・N(Nは自然数)個の伝送アンテナを有する場合を仮定する。例えば、基地局は8個の伝送アンテナを有することができる。
【0344】
この場合、2・N伝送アンテナを通じたMIMO伝送に用いられるコードブックは、偶数であるRに対して下記の数学式54のような形態の行列を含むことができる。
【0346】
上記の数学式54の行列は、上記の数学式12などと関連して説明した特性を有する。例えば、aは、相対的な位相を調節する値である。また、上記の数学式12でW
2が2×2のサイズを有する場合に該当するので、W
1を、伝送アンテナの個数の1/2に該当するN個の行で構成でき、伝送レイヤー個数(ランク)の1/2に該当するR/2個の列で構成することができる。すなわち、W
1をN×(R/2)サイズの行列で構成ことができる。また、W
1はDFT行列で構成することもできる。例えば、W
1を上記表4の4伝送アンテナのためのコードブックの行列で構成することができる。
【0347】
また、Rが偶数の場合に、W
1を[v1…v(R/2)]の行列で構成することができる。すなわち、R/2個の列ベクトル(column vector)でW
1を構成することができる。例えば、W
1は、[v1 v2]の2個の列ベクトルで構成される。ここで、W
1は、N×(R/2)サイズの行列であるから、v1…v(R/2)のそれぞれはN×1サイズの行列で構成できる。また、v1…v(R/2)のそれぞれはDFT行列で構成することもできる。
【0348】
これにより、伝送レイヤーの個数R=4の場合に、W
1を下記の数学式55のように構成することができる。これは、上記の表6のランク4に対するコードブック構成と同じ形態を有する。
【0350】
また、本発明の例示によるコードブックは、ネストされた特性を有することができる。例えば、伝送レイヤーの個数が3≦R≦7の場合に、R個のレイヤーに対するプリコーディング行列を、R+1個のレイヤーに対するプリコーディング行列の列サブセット(column subset)で構成することができる。例えば、上記の表6で説明したように、ランク8に対するコードブックから一つの列を除外した形態でランク7のコードブックを構成することができ、ランク6に対するコードブックから一つの列を除外した形態でランク5のコードブックを構成することができる。または、ランク4に対するコードブックから一つの列を除外した形態でランク3のコードブックを構成することができる。
【0351】
図44のような本発明のコードブックベースの信号送受信方法において、前述した本発明の様々な実施例で説明した事項が独立して適用されてもよく、2以上の実施例が同時に適用されてもよい。なお、重複する内容は、明確性のために説明を省略する。
【0352】
また、基地局と中継機間の(バックホールアップリンク及びバックホールダウンリンクにおける)MIMO伝送、及び中継機と端末間の(アクセスアップリンク及びアクセスダウンリンクにおける)MIMO伝送に対するアップリンクMIMO伝送及び受信にも、本発明で提案する同一の原理を適用することができる。
【0353】
図45は、本発明に係る基地局装置及び端末装置の構成を示す図である。
【0354】
図45を参照すると、本発明に係る基地局装置4510は、受信モジュール4511、伝送モジュール4512、プロセッサ4513、メモリー4514及び複数個のアンテナ4515を備えることができる。複数個のアンテナ4515は、MIMO送受信を支援する基地局装置を意味する。受信モジュール4511は、端末からのアップリンク上の各種信号、データ及び情報を受信することができる。伝送モジュール4512は、端末へのダウンリンク上の各種信号、データ及び情報を伝送することができる。プロセッサ4513は、基地局装置4510の動作全般を制御することができる。
【0355】
本発明の一実施例に係る基地局装置4510は、2・N(Nは自然数)個の伝送アンテナを通じてダウンリンク伝送を行うように構成することができる。また、基地局装置のメモリー4514は、プリコーディング行列を含むコードブックを保存することができる。基地局装置のプロセッサ4513は、受信モジュール4511を介して、端末から第1及び第2のプリコーディング行列指示子(PMI)を受信するように構成することができる。また、プロセッサ4513は、メモリー4514に保存されたコードブックから、第1及び第2のPMIの組み合わせにより指示されるプリコーディング行列を決定するように構成することができる。また、プロセッサ4513は、ダウンリンク信号をR(1≦R≦8)個のレイヤーにマッピングさせるように構成することができる。また、プロセッサ4513は、R個のレイヤーにマッピングされたダウンリンク信号に、プリコーディング行列を用いてプリコーディングを行うように構成することができる。また、プロセッサ4513は、伝送モジュール4512を介して、プリコーディングされた信号を2・N個の伝送アンテナを通じて端末に伝送するように構成することができる。ここで、あらかじめ保存されたコードブックは、Rが偶数の場合に、上記の数学式54のように構成されたプリコーディング行列を含むことができる。上記の数学式54で説明したように、上記の数学式54のW
1はN×(R/2)サイズの行列であり、aは、位相に対する係数である。
【0356】
基地局装置4510のプロセッサ4513は、その他にも、基地局装置4510が受信した情報、外部に伝送する情報などを演算処理する機能を有し、メモリー4514は、演算処理された情報などを所定時間保存することができ、バッファー(図示せず)などの構成要素に代えてもよい。
【0357】
図45を参照して本発明に係る端末装置4520は、受信モジュール4521、伝送モジュール4522、プロセッサ4523、メモリー4524及び複数個のアンテナ4525を備えることができる。複数個のアンテナ4525は、MIMO送受信を支援する端末装置を意味する。受信モジュール4521は、基地局からのダウンリンク上の各種信号、データ及び情報を受信することができる。伝送モジュール4522は、基地局へのアップリンク上の各種信号、データ及び情報を伝送することができる。プロセッサ4523は、端末装置4520の動作全般を制御することができる。
【0358】
本発明の一実施例に係る端末装置4520は、2・N(Nは自然数)個の伝送アンテナを有する基地局装置4510から伝送されるダウンリンク信号を処理するように構成することができる。また、端末装置のメモリー4524は、プリコーディング行列を含むコードブックを保存することができる。端末装置のプロセッサ4523は、メモリー4524に保存されたコードブックから選択されたプリコーディング行列を指示する第1及び第2のプリコーディング行列指示子(PMI)を、伝送モジュール4522を介して、基地局装置4510に伝送するように構成することができる。また、プロセッサ4523は、基地局装置4510でR(1≦R≦8)個のレイヤーにマッピングされ、第1及び第2のPMIの組み合わせにより指示されたプリコーディング行列によってプリコーディングされ、2・N個の伝送アンテナを通じて伝送されたダウンリンク信号を、受信モジュール4521を介して、受信するように構成することができる。また、プロセッサ4523は、プリコーディング行列を用いてダウンリンク信号を処理するように構成することができる。ここで、あらかじめ保存されたコードブックは、Rが偶数の場合に、上記の数学式54のように構成されたプリコーディング行列を含むことができる。上記の数学式54で説明したように、上記の数学式54のW
1は、N×(R/2)サイズの行列であり、aは、位相に対する係数である。
【0359】
端末装置4520のプロセッサ4523は、その他にも、端末装置4520が受信した情報、外部に伝送する情報などを演算処理する機能を有し、メモリー4524は、演算処理された情報などを所定時間保存することができ、バッファー(図示せず)などの構成要素に代えてもよい。
【0360】
上記のような基地局装置及び端末装置の具体的な構成は、前述した本発明の様々な実施例で説明した事項が独立して適用されるようにしてもよく、2以上の実施例が同時に適用されるようにしてもよい。重複する内容は、明確性のために説明を省略する。
【0361】
また、
図45の説明において、基地局装置4510に関する説明は、ダウンリンク伝送主体またはアップリンク受信主体としての中継機装置にも同一に適用することができ、端末装置4520に関する説明は、ダウンリンク受信主体またはアップリンク伝送主体としての中継機装置にも同一に適用することができる。
【0362】
上述した本発明の実施例は様々な手段を通じて具現可能である。例えば、本発明の実施例は、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェアまたはそれらの結合などにより具現可能である。
【0363】
ハードウェアによる具現の場合に、本発明の実施例に係る方法は、一つまたはそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどにより具現することができる。
【0364】
ファームウェアやソフトウェアによる具現の場合に、本発明の一実施例による方法は、以上で説明された機能または動作を行うモジュール、手順、関数などの形態とすることができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶されて、プロセッサにより駆動されるようにすることができる。メモリユニットは、プロセッサの内部または外部に設けられ、既に公知の様々な手段によりプロセッサとデータを授受することができる。
【0365】
以上開示された本発明の好ましい実施例についての詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供された。以上では本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術の分野における熟練した当業者には、本発明の領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更できるということが理解されるであろう。例えば、当業者は、上記の実施例に記載された各構成を互いに組み合わせる方式で用いることができる。したがって、本発明は、ここに開示されている実施形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えるためのものである。
【0366】
本発明は、本発明の精神及び必須特徴から逸脱することなく、他の特定の形態に具体化できる。そのため、上記の詳細な説明はいずれの面においても制約的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付した請求項の合理的解釈により定めなければならず、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。本発明は、ここに開示されている実施形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を有するものである。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係を有しない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正により新しい請求項として含めることができる。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
基地局で2・N(Nは自然数)個の伝送アンテナを用いてダウンリンク信号を伝送する方法であって、
端末から第1及び第2のプリコーディング行列指示子(PMI)を受信すること、
あらかじめ保存されたコードブックから、前記第1及び第2のPMIの組み合わせにより指示されるプリコーディング行列を決定すること、
R(1≦R≦8)個のレイヤーマッピングされる前記ダウンリンク信号に、前記決定されたプリコーディング行列を用いてプリコーディングを行うこと、及び
前記プリコーディングされた信号を、前記2・N個の伝送アンテナを通じて前記端末に伝送すること、を含み、
前記あらかじめ保存されたコードブックは、Rが偶数の場合に、
【化50】
の形態で構成されたプリコーディング行列を含み、ここで、W
1は、N×(R/2)サイズの行列であり、aは、位相(phase)に対する係数である、ダウンリンク信号伝送方法。
(項目2)
前記W
1は、DFT(Discrete Fourier Transform)行列で構成される、項目1に記載のダウンリンク信号伝送方法。
(項目3)
Rが偶数の場合に、前記W
1は[v1…v(R/2)]の行列で構成され、前記v1…v(R/2)のそれぞれは、N×1サイズの行列で構成される、項目1に記載のダウンリンク信号伝送方法。
(項目4)
前記v1…v(R/2)のそれぞれは、DFT行列で構成される、項目3に記載のダウンリンク信号伝送方法。
(項目5)
R=4の場合に、前記W
1は、
【化51】
の形態で構成される、項目3に記載のダウンリンク信号伝送方法。
(項目6)
3≦R≦7の場合に、前記R個のレイヤーに対するプリコーディング行列は、
R+1個のレイヤーに対するプリコーディング行列の列サブセット(column subset)で構成される、項目1に記載のダウンリンク信号伝送方法。
(項目7)
N=4である、項目1に記載のダウンリンク信号伝送方法。
(項目8)
端末で2・N(Nは自然数)個の伝送アンテナを通じて伝送されるダウンリンク信号を処理する方法であって、
あらかじめ保存されたコードブックから選択されたプリコーディング行列を指示する第1及び第2のプリコーディング行列指示子(PMI)を基地局に伝送すること、
R(1≦R≦8)個のレイヤーにマッピングされ、且つ前記第1及び第2のPMIの組み合わせにより指示されたプリコーディング行列によってプリコーディングされて前記2・N個の伝送アンテナを通じて伝送された前記ダウンリンク信号を、前記基地局から受信すること、及び
前記プリコーディング行列を用いて前記ダウンリンク信号を処理すること、を含み、
前記あらかじめ保存されたコードブックは、Rが偶数の場合に、
【化52】
の形態で構成されたプリコーディング行列を含み、ここで、W
1は、N×(R/2)サイズの行列であり、aは、位相(phase)に対する係数である、ダウンリンク信号処理方法。
(項目9)
前記W
1は、DFT(Discrete Fourier Transform)行列で構成される、項目8に記載のダウンリンク信号処理方法。
(項目10)
Rが偶数の場合に、前記W
1は、[v1…v(R/2)]の行列で構成され、前記v1…v(R/2)のそれぞれは、N×1サイズの行列で構成される、項目8に記載のダウンリンク信号処理方法。
(項目11)
前記v1…v(R/2)のそれぞれは、DFT行列で構成される、項目10に記載のダウンリンク信号処理方法。
(項目12)
R=4の場合に、前記W
1は、
【化53】
の形態で構成される、項目10に記載のダウンリンク信号処理方法。
(項目13)
3≦R≦7の場合に、前記R個のレイヤーに対するプリコーディング行列は、
R+1個のレイヤーに対するプリコーディング行列の列サブセット(column subset)で構成される、項目8に記載のダウンリンク信号処理方法。
(項目14)
N=4である、項目8に記載のダウンリンク信号処理方法。
(項目15)
ダウンリンク信号を伝送する基地局であって、
2・N(Nは自然数)個の伝送アンテナと、
前記伝送アンテナを通じて端末に前記ダウンリンク信号を伝送する伝送モジュールと、
前記端末からアップリンク信号を受信する受信モジュールと、
プリコーディング行列を含むコードブックを保存するメモリーと、
前記基地局を制御するプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記受信モジュールを介して、端末から第1及び第2のプリコーディング行列指示子(PMI)を受信し、
前記メモリーに保存されたコードブックから、前記第1及び第2のPMIの組み合わせにより指示されるプリコーディング行列を決定し、
前記ダウンリンク信号をR(1≦R≦8)個のレイヤーにマッピングさせ、
前記R個のレイヤーにマッピングされた前記ダウンリンク信号に、前記決定されたプリコーディング行列を用いてプリコーディングを行い、
前記伝送モジュールを介して、前記プリコーディングされた信号を前記2・N個の伝送アンテナを通じて前記端末に伝送するように構成され、
前記あらかじめ保存されたコードブックは、Rが偶数の場合に、
【化54】
の形態で構成されたプリコーディング行列を含み、ここで、W
1は、N×(R/2)サイズの行列であり、aは、位相(phase)に対する係数である、ダウンリンク信号伝送基地局。
(項目16)
2・N(Nは自然数)個の伝送アンテナを有する基地局から伝送されるダウンリンク信号を処理する端末であって、
前記基地局から前記ダウンリンク信号を受信する受信モジュールと、
前記基地局にアップリンク信号を伝送する伝送モジュールと、
プリコーディング行列を含むコードブックを保存するメモリーと、
前記端末を制御するプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記メモリーに保存されたコードブックから選択されたプリコーディング行列を指示する第1及び第2のプリコーディング行列指示子(PMI)を、前記伝送モジュールを介して、前記基地局に伝送し、
R(1≦R≦8)個のレイヤーにマッピングされ、且つ前記第1及び第2のPMIの組み合わせにより指示されたプリコーディング行列によってプリコーディングされて前記2・N個の伝送アンテナを通じて伝送された前記ダウンリンク信号を、前記受信モジュールを介して、前記基地局から受信し、
前記プリコーディング行列を用いて前記ダウンリンク信号を処理するように構成され、
前記あらかじめ保存されたコードブックは、Rが偶数の場合に、
【化55】
の形態で構成されたプリコーディング行列を含み、ここで、W
1は、N×(R/2)サイズの行列であり、aは、位相(phase)に対する係数である、ダウンリンク信号処理端末。