特許第5990410号(P5990410)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5990410
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】移動体用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/12 20060101AFI20160901BHJP
   F21S 8/10 20060101ALI20160901BHJP
   F21W 101/10 20060101ALN20160901BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20160901BHJP
【FI】
   F21S8/12 110
   F21S8/10 531
   F21W101:10
   F21Y115:10
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-131536(P2012-131536)
(22)【出願日】2012年6月11日
(65)【公開番号】特開2013-257950(P2013-257950A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2015年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】安田 雄治
【審査官】 當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−063754(JP,A)
【文献】 特開2011−228041(JP,A)
【文献】 特開2009−101907(JP,A)
【文献】 特開2011−028906(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0091632(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S8/10−8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体発光素子と、
前記半導体発光素子を搭載する基板と、
ランプボディと、
前記ランプボディの開口を覆う前面カバーと、
を備え、前記ランプボディおよび前記前面カバーにより形成される灯室内に、前記半導体発光素子および前記基板が収容される移動体用灯具であって、
前記基板は、前記前面カバーの上面部内面に直接取り付けられることを特徴とする移動体用灯具。
【請求項2】
前記半導体発光素子から出射された光を灯具前方に反射するリフレクタをさらに備え、
前記リフレクタは、前記前面カバーに取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の移動体用灯具。
【請求項3】
所定の灯具取付位置周辺に他の熱源が存在しない移動体に搭載されることを特徴とする請求項1または2に記載の移動体用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体用灯具に関し、特にLED等の半導体発光素子を用いた移動体用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルモビリティと呼ばれる一人乗りの移動体が開発されている。パーソナルモビリティは、歩行と既存の車両との間を補完することを意図しており、人の移動にともなうエネルギー消費を低減するというコンセプトのもとに、既存の車両とは異なる移動体として提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−11704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パーソナルモビリティは、既存の車両に比べて小型であるため、灯具の取付可能位置が限られる。従って、既存の車両用灯具に比べて構造を簡素化した灯具が要求される。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、構造を簡素化した移動体用灯具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の移動体用灯具は、半導体発光素子と、半導体発光素子を搭載する基板と、ランプボディと、ランプボディの開口を覆う前面カバーとを備える。そしてランプボディおよび前面カバーにより形成される灯室内に、半導体発光素子および基板が収容される。基板は、前面カバーまたはランプボディの上面部内面に取り付けられる。
【0007】
この態様によると、前面カバーまたはランプボディの上面部内面に基板を取り付けたことにより、基板を支持するための部材を別途設ける必要がないので、灯具の構造を簡素化できる。
【0008】
半導体発光素子から出射された光を灯具前方に反射するリフレクタをさらに備えてもよい。リフレクタは、前面カバーおよびランプボディのうち基板が取り付けられた方に取り付けられてもよい。
【0009】
リフレクタは、半導体発光素子からの光を反射するための反射部と、当該リフレクタを前面カバーまたはランプボディに取り付けるための取付部とを有してもよい。基板は、リフレクタの取付部を介して前面カバーまたはランプボディに取り付けられてもよい。
【0010】
前面カバーまたはランプボディの上面部の一部にヒートシンクが形成されており、基板は、ヒートシンクに取り付けられてもよい。
【0011】
本態様の移動体用灯具は、所定の灯具取付位置周辺に他の熱源が存在しない移動体に搭載されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、構造を簡素化した移動体用灯具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態に係る移動体用灯具を示す正面図である。
図2図1に示す移動体用灯具のX−X断面図である。
図3】本発明の別の実施形態に係る移動体用灯具の断面図である。
図4】本発明のさらに別の実施形態に係る移動体用灯具の断面図である。
図5】本発明のさらに別の実施形態に係る移動体用灯具の断面図である。
図6】本発明のさらに別の実施形態に係る移動体用灯具の断面図である。
図7】本発明のさらに別の実施形態に係る移動体用灯具の断面図である。
図8】本発明のさらに別の実施形態に係る移動体用灯具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る移動体用灯具10を示す正面図である。図2は、図1に示す移動体用灯具10のX−X断面図(鉛直断面図)である。図1および図2に示す移動体用灯具10は、例えばパーソナルモビリティ等の移動体の前方に設けられる前照灯である。
【0016】
移動体用灯具10は、灯具前方に開口された凹部を有するランプボディ14と、ランプボディ14の開口部を覆う透明な前面カバー12とを備える。ランプボディ14と前面カバー12は、灯室16を形成している。
【0017】
前面カバー12は、アクリルやポリカーボネート等の透明樹脂を射出成形することにより形成された断面凹形状の部材であり、主に、移動体の前方に面する前面部12aと、前面部12aの上端部から後方に水平に延在する上面部12bと、前面部12aの下端部から後方に延在する底面部12cと、前面部12aの左端部から後方に延在する左側面部12dと、前面部12aの右端部から後方に延在する右側面部12eとから成る。
【0018】
本実施形態では、移動体用灯具10が移動体に取り付けられた状態において、前面カバー12の前面部12aまたは前面部12aの一部のみが移動体の外部に露出している。すなわち、移動体前方に位置するフード部材に設けられた穴部101から前面部12aまたはその一部のみが外部に露出している。一方、上面部12bおよび底面部12cはフード部材100により覆われており、上面部12b、底面部12c、左側面部12dおよび右側面部12eは外部から視認し難くなっている。フード部材100は、移動体のフロントカウル、バンパー、ボンネット等であってよい。
【0019】
ランプボディ14は、前面の開口する容器状に形成されている。ランプボディ14は、主に、前面カバー12の前面部12aと対向する背面部14aと、背面部14aの上端部から前方に延在する上面部14bと、背面部14aの下端部から前方に延在する底面部14cと、背面部14aの左端部から前方に延在する左側面部(図示せず)と、背面部14aの右端部から前方に延在する右側面部(図示せず)とから成る。ランプボディ14は、例えばポリプロピレン樹脂を用いて形成されてよい。ランプボディ14の上面部14b、底面部14c、左側面部および右側面部の先端部には、ランプボディ14と前面カバー12とを接合固定するために接合部14dが設けられている。
【0020】
移動体用灯具10は、第1エイミングスクリュー103および第2エイミングスクリュー104を介して移動体に支持されている。第1エイミングスクリュー103および第2エイミングスクリュー104の一方の端部は、ランプボディ14の背面部14aに取り付けられ、第1エイミングスクリュー103および第2エイミングスクリュー104の他方の端部は、移動体のランプ支持部102に取り付けられている。第1エイミングスクリュー103および第2エイミングスクリュー104を回転することにより、移動体用灯具10の姿勢を変えることができ、例えば車両出荷時や車検時に移動体用灯具10のエイミング調整を行うことができる。
【0021】
図1に示すように、灯室16内には、3つの灯具ユニット11が収容されている。これら3つの灯具ユニット11は、車幅方向に並んで配置されている。各灯具ユニット11の構成は同様である。各灯具ユニット11は、LED18と、LED18を搭載するとともにLED18に給電する基板20と、LED18から出射された光を灯具前方に反射するリフレクタ22とを備える。
【0022】
本実施形態において、LED18を搭載する基板20は、前面カバー12の上面部12bの内面12f上に直接取り付けられている。基板20は、LED18の発光面が鉛直下向きとなるように配置される。基板20上に搭載されるLED18は、例えば消費電力が1W程度の白色LEDであってよい。また、基板20上に複数のLED18が搭載されてもよい。
【0023】
基板20の上面部12bへの固定方法は特に限定されず、ネジ締結、接着剤固定などであってよい。あるいは、上面部12bの内面12fにピンを設け、ピンを基板20に設けた孔に嵌合した後に、ピンを熱カシメすることで基板20を上面部12bに固定してもよい。この場合、ネジ等の固定用の部材が不要となるので部品点数を削減でき、また組立工数を低減できる。
【0024】
リフレクタ22は、LED18からの光を反射するための反射部22aと、リフレクタ22を前面カバー12に取り付けるための取付部22bとを有する。本実施形態において、リフレクタ22の取付部22bは、基板20と同様に、前面カバー12の上面部12bの内面12f上に直接取り付けられている。リフレクタ22の上面部12bへの固定方法は特に限定されず、ネジ締結、接着剤固定、熱カシメなどであってよい。
【0025】
リフレクタ22の反射部22aは、図2に示すように、LED18から下方に出射された光を反射して灯具前方に照射する。反射部22aの形状は、反射光が所望の配光パターンを形成するように、搭載される移動体に応じて適宜設計される。
【0026】
以上、本実施形態に係る移動体用灯具10の構成について説明した。移動体用灯具10においては、LED18を搭載する基板20が前面カバー12の上面部12bの内面12f上に直接取り付けられている。このような構造を採用することにより、基板20を支持するための部材を別途設ける必要がないので、灯具の構造を簡素化できる。その結果、部品点数の削減、低コスト化、軽量化および小型化を実現することができる。
【0027】
本実施形態に係る移動体用灯具10が搭載されるパーソナルモビリティ等の小型の移動体は、エネルギー効率が良いため、ラジエター排熱が少ない。さらにエアコンを搭載していない場合が多いので、エアコンコンデンサ排熱も無い。すなわち、パーソナルモビリティ等の小型の移動体においては、移動体用灯具10の取付位置に他の大きな熱源が存在しない。それ故、灯具の環境温度は、外気温+数℃程度となる。また、小型の移動体では、求められる配光も既存の車両ほど高くなく、消費電力の少ない例えば1W程度のLEDを複数使用すれば十分である。従って、ヒートシンクを用いずに、基板20を直接前面カバー12の上面部12bに取り付けたとしても、十分にLED18の耐熱温度を満足することができる。
【0028】
また、本実施形態に係る移動体用灯具10では、LED18を搭載する基板20と、リフレクタ22とが共に前面カバー12の上面部12bに取り付けられている。このように、基板20とリフレクタ22とを共通の部材に取り付けることにより、LED18とリフレクタ22の位置合わせが容易となるので、組立工数を削減でき、さらに光学精度を向上できる。
【0029】
また、本実施形態に係る移動体用灯具10では、基板20は前面カバー12の上面部12bの内面12f上に設けられており、LED18の発光面は鉛直下方を向いている。仮に基板20を前面カバー12の底面部14cの内面上に設けた場合、LED18の発光面は鉛直上方を向くことになるが、この場合には、LED18からの直射光がグレア光となるおそれがある。本実施形態に係る移動体用灯具10によれば、このようなグレア光の発生を回避できる。
【0030】
図3は、本発明の別の実施形態に係る移動体用灯具310の断面図である。移動体用灯具310において、図1および図2に示す移動体用灯具10と同一又は対応する構成要素については同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0031】
本実施形態に係る移動体用灯具310では、LED18を搭載する基板20およびリフレクタ22が共に、ランプボディ14の上面部14bの内面14e上に直接取り付けられている。基板20およびリフレクタ22の上面部14bへの固定方法は特に限定されず、ネジ締結、接着剤固定、熱カシメなどであってよい。
【0032】
本実施形態のように構成した場合も、基板20を支持するための部材を別途設ける必要がないので、灯具の構造を簡素化できる。また、LED18を搭載する基板20と、リフレクタ22とが共にランプボディ14の上面部14bに取り付けられているので、LED18とリフレクタ22の位置合わせが容易となり、組立工数の削減および光学精度の向上を図ることができる。
【0033】
図4は、本発明のさらに別の実施形態に係る移動体用灯具410の断面図である。移動体用灯具410においても、図1および図2に示す移動体用灯具10と同一又は対応する構成要素については同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0034】
本実施形態に係る移動体用灯具410では、LED18を搭載する基板20が、リフレクタ22の取付部22bを介して前面カバー12の上面部12bの内面12fに取り付けられている。すなわち、基板20は、リフレクタ22の取付部22bを挟んで前面カバー12の上面部12bの内面12fに取り付けられている。基板20およびリフレクタ22の上面部14bへの固定方法は特に限定されず、ネジ締結、接着剤固定、熱カシメなどであってよい。
【0035】
本実施形態のように構成した場合も、基板20を支持するための部材を別途設ける必要がないので、灯具の構造を簡素化できる。その結果、部品点数の削減、低コスト化、軽量化および小型化を実現することができる。また、LED18を搭載する基板20と、リフレクタ22とが共に前面カバー12の上面部12bに取り付けられているので、LED18とリフレクタ22の位置合わせが容易となり、組立工数の削減および光学精度の向上を図ることができる。
【0036】
さらに本実施形態に係る移動体用灯具410によれば、基板20と前面カバー12の上面部12bとの間にリフレクタ22の取付部22bを挟んだことにより、取付部22bが放熱板として機能し、LED18で発生した熱をより好適に放熱できる。この目的のために、リフレクタ22または少なくともリフレクタ22の取付部22bは、金属等の放熱性の高い材料で形成されることが好ましい。
【0037】
図5は、本発明のさらに別の実施形態に係る移動体用灯具510の断面図である。移動体用灯具510においても、図1および図2に示す移動体用灯具10と同一又は対応する構成要素については同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0038】
本実施形態に係る移動体用灯具510では、LED18を搭載する基板20が、金属板19を介して前面カバー12の上面部12bの内面12fに取り付けられている。すなわち、基板20は、金属板19を挟んで前面カバー12の上面部12bの内面12fに取り付けられている。基板20および金属板19の上面部14bへの固定方法は特に限定されず、ネジ締結、接着剤固定、熱カシメなどであってよい。
【0039】
本実施形態のように構成した場合も、基板20を支持するための部材を別途設ける必要がないので、灯具の構造を簡素化できる。その結果、部品点数の削減、低コスト化、軽量化および小型化を実現することができる。また、LED18を搭載する基板20と、リフレクタ22とが共に前面カバー12の上面部12bに取り付けられているので、LED18とリフレクタ22の位置合わせが容易となり、組立工数の削減および光学精度の向上を図ることができる。
【0040】
さらに本実施形態に係る移動体用灯具510によれば、基板20と前面カバー12の上面部12bとの間に金属板19を挟んだことにより、金属板19が放熱板として機能し、LED18で発生した熱をより好適に放熱できる。金属板19は、バスバー等のLED18への通電機能を備えた部材であってもよい。
【0041】
図6は、本発明のさらに別の実施形態に係る移動体用灯具610の断面図である。移動体用灯具610においても、図1および図2に示す移動体用灯具10と同一又は対応する構成要素については同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0042】
本実施形態に係る移動体用灯具610では、前面カバー12の上面部12bの一部に金属製のヒートシンク21が一体に形成されており、ヒートシンク21にLED18を搭載する基板20が取り付けられている。ヒートシンク21は、例えばインサート成形を用いて前面カバー12の上面部12bと一体に形成できる。基板20のヒートシンク21への固定方法は特に限定されず、ネジ締結、接着剤固定、熱カシメなどであってよい。
【0043】
本実施形態のように構成した場合も、基板20を支持するための部材を別途設ける必要がないので、灯具の構造を簡素化できる。その結果、部品点数の削減、低コスト化、軽量化および小型化を実現することができる。また、LED18を搭載する基板20と、リフレクタ22とが共に前面カバー12の上面部12bに取り付けられているので、LED18とリフレクタ22の位置合わせが容易となり、組立工数の削減および光学精度の向上を図ることができる。
【0044】
さらに本実施形態に係る移動体用灯具510によれば、前面カバー12の上面部12bの形成したヒートシンク21に基板20を取り付けたことにより、LED18で発生した熱をより一層好適に放熱できる。その結果、よりハイパワーのLED18を用いることができる。
【0045】
図7は、本発明のさらに別の実施形態に係る移動体用灯具710の断面図である。移動体用灯具710においても、図1および図2に示す移動体用灯具10と同一又は対応する構成要素については同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0046】
本実施形態に係る移動体用灯具710では、LED18を搭載する基板20が、直接前面カバー12の上面部12bの内面12fに取り付けられている。基板20の上面部14bへの固定方法は特に限定されず、ネジ締結、接着剤固定、熱カシメなどであってよい。
【0047】
そして本実施形態では、リフレクタ22の取付部22bが基板20上に固定されている。図7の要部拡大図に示すように、取付部22bには、位置決め用突起22cが形成されている。この位置決め用突起22cを基板20に設けられた位置決め用凹部20aに挿入することにより、リフレクタ22を基板20に対して正確に位置決めできる。取付部22bの基板20への固定方法は特に限定されず、ネジ締結、接着剤固定、熱カシメなどであってよい。
【0048】
本実施形態のように構成した場合も、基板20を支持するための部材を別途設ける必要がないので、灯具の構造を簡素化できる。その結果、部品点数の削減、低コスト化、軽量化および小型化を実現することができる。
【0049】
また、基板20上にLED18とリフレクタ22とが取り付けられているので、LED18とリフレクタ22の位置合わせ精度を高くでき、光学精度の向上を図ることができる。
【0050】
図8は、本発明のさらに別の実施形態に係る移動体用灯具810の断面図である。移動体用灯具810においても、図1および図2に示す移動体用灯具10と同一又は対応する構成要素については同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0051】
本実施形態に係る移動体用灯具810では、ランプボディ14の背面部14aの前面が反射部22aとして形成されている。すなわち、ランプボディ14の背面部14aがリフレクタとしての機能を兼ねている。
【0052】
そして本実施形態では、ランプボディ14の背面部14aの上端部から後方に上面部14bが延びており、該上面部14bに基板20がネジ812により固定されている。基板20の上面部14bへの固定方法はネジ締結に限定されず、接着剤固定、熱カシメなどであってよい。基板20は、互いに干渉しない程度に前面カバー12の上面部12bに近づけられる。
【0053】
本実施形態のように構成した場合も、基板20を支持するための部材を別途設ける必要がないので、灯具の構造を簡素化できる。その結果、部品点数の削減、低コスト化、軽量化および小型化を実現することができる。
【0054】
また、ランプボディ14の背面部14aがリフレクタを兼ねているので、部品点数をさらに削減できるとともに、LED18と反射部22aの位置合わせ精度を高くでき、光学精度の向上を図ることができる。さらに、本実施形態に係る移動体用灯具810は、灯室16外への排熱性が良いという利点がある。
【0055】
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。これらの実施形態は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0056】
例えば、上述の実施の形態では、光源としてLEDを用いたが、たとえば半導体レーザ等の半導体発光素子を用いることも可能である。
【0057】
上述の実施形態では、移動体用灯具10をパーソナルモビリティ等の小型の移動体に適用することについて説明したが、移動体用灯具10の取付位置に他の大きな熱源が存在しない移動体、例えば二輪車や電気自動車にも適用できる。
【符号の説明】
【0058】
10、310,410、510、610、710、810 移動体用灯具、 11 灯具ユニット、 12 前面カバー、 14 ランプボディ、 18 LED、 19 金属板、 20 基板、 21 ヒートシンク、 22 リフレクタ、 100 フード部材、 102 ランプ支持部、 移動体用灯具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8