特許第5990503号(P5990503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5990503
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】寝具の選択装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
   A47C 31/12 20060101AFI20160901BHJP
   A61B 5/107 20060101ALI20160901BHJP
【FI】
   A47C31/12
   A61B5/10 300D
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-250188(P2013-250188)
(22)【出願日】2013年12月3日
(65)【公開番号】特開2015-107149(P2015-107149A)
(43)【公開日】2015年6月11日
【審査請求日】2015年7月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010032
【氏名又は名称】フランスベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲
(74)【代理人】
【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(72)【発明者】
【氏名】池田 一実
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏和
(72)【発明者】
【氏名】黒須 和伸
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3845612(JP,B2)
【文献】 特開2008−212669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 31/12
A61B 5/107
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定者に適した硬さの寝具を選択する寝具の選択装置であって、
被測定者の背面の形状を撮像する撮像装置と、
上記撮像装置が撮像した被測定者の背面の形状の側方から見た画像を表示するとともに、上記画像上の複数のポイントを指定することで、各ポイントの位置を出力する表示装置と、
被測定者の身長及び体重を入力するための情報入力部と、
上記表示装置の画像上で指定されて出力された複数のポイントのX,Y座標を算出し、これらポイントのX,Y座標に基づいて被測定者の背面の凹凸形状基準寸法を算出するとともに、上記情報入力部からの信号を処理して被測定者の肥満度を算出し、上記基準寸法と上記肥満度を予め設定された設定値と比較して被測定者に適した硬さの寝具を選定する処理装置と
を具備したことを特徴とする寝具の選択装置。
【請求項2】
上記処理装置は、
上記撮像装置からの信号と被測定者の身長及び体重の信号を格納する格納部と、
上記撮像装置からの信号を処理して被測定者の背面の凹凸形状から基準寸法を算出するとともに、被測定者の身長及び体重の信号を処理して被測定者の肥満度を算出する演算処理部と、
この演算処理部で算出された上記基準寸法と上記肥満度を予め設定された設定値と比較する比較部と、
この比較での比較に基づいて被測定者に適した硬さの寝具を選定する判定部と
を具備したことを特徴とする請求項1記載の寝具の選択装置。
【請求項3】
被測定者に適した硬さの寝具を選択する寝具の選択方法であって、
被測定者の背面の形状を撮像する工程と、
被測定者の身長及び体重を入力する工程と、
撮像された被測定者の背面の形状の側方から見た画像を表示するとともに、上記画像上の複数のポイントを指定することで、各ポイントの位置を出力する工程と
上記画像上で指定されて出力された複数のポイントのX,Y座標を算出し、これらポイントのX,Y座標に基づいて被測定者の背面の凹凸形状の基準寸法を算出するとともに、入力された被測定者の身長及び体重から肥満度を算出し、上記基準寸法と上記肥満度を予め設定された設定値と比較して被測定者に適した硬さの寝具を選定する工程と
を具備したことを特徴とする寝具の選択方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は利用者に適した硬さの寝具を選択するときに利用される寝具の選択装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ベッドはベッドフレーム及びこのベッドフレームに載置される寝具としてのマットレスとから構成されている。上記ベッドの性能は、上記マットレスの硬さが利用者の体形などに合っているか否かによって大きく左右される。なお、上記マットレスはベッドフレーム上に載置せず、床面に直に置いて用いられることもある。
【0003】
すなわち、利用者がマットレスに仰臥したとき、胸部の背面(背部)と臀部の背面とを結ぶ接線に対し、腰部の背面が2〜3cm(立位状態の約半分)の範囲内の高さ(凹んだ状態)に収まるように寝たときが快適であるとされている。
【0004】
これに対し、胸部の背面と臀部がマットレス内に極端に落ち込み、相対的に腰部が突き上げられる姿勢になると、利用者は苦痛を感じて安眠できないとされている。したがって、胸部と臀部との落ち込みを少なくするためには硬いマットレスがよいことになる。
【0005】
しかしながら、マットレスが硬すぎると胸部と臀部との落ち込みは少ないが、これらの部位だけによって身体が支えられることになるから、胸部と臀部との背面に圧力が集中してやはり寝心地がよくないということになる。
【0006】
ところで、寝心地のよいマットレスを選択するために、単に硬いマットレス、柔らかいマットレスというような判断でマットレスを選択しても、そのマットレスを利用する人の体格や体重などの条件によって胸部や臀部の落ち込み量が異なってくる。
【0007】
したがって、マットレスの良否は、マットレスが硬いとか、柔らかいというようなことだけでなく、マットレスの硬さがそのマットレスを利用する人の体格や体重に適合しているか否かによって決まる。したがって、マットレスの硬さが利用者の体格や体重に適しているか否かという基準で、利用者に適したマットレスを選択する必要がある。
【0008】
利用者の体格や体重に適した硬さのマットレスを選択するため、マットレスの選択装置が開発されている。その1つとして立位状態の利用者(被測定者)の背面の凹凸形状、身長及び体重をそれぞれ体形測定装置によって測定する。測定された身長と体重に基づいて利用者の肥満度を算出し、測定された利用者の背面の凹凸形状から基準寸法を算出する。
【0009】
そして、上記肥満度と基準寸法を予め設定された設定値と比較することで、被測定者に適した硬さのマットレスを選定するということが行なわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第3845612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、従来のマットレスの選択装置は、被測定者の背面の凹凸形状を測定するために体形測定装置が用いられているが、従来の体形測定装置は以下に述べるように構造が複雑であるばかりか、測定するための操作がし難いということがあった。
【0012】
すなわち、従来の体形測定装置は検体フレームを有し、この検体フレームには上下方向に所定間隔で多数の検体ロッドが設けられている。検体ロッドは、上記上下方向と交差する水平方向にスライド可能に支持されている。
【0013】
被測定者の背面の凹凸形状の測定は、まず、被測定者が背面を上記検体ロッドの先端に対向させて起立する。ついで、複数の検体ロッドを先端が被測定者の背面に当たるまでスライドさせる。そして、複数の検体ロッドの移動量を測定することで、被測定者の背面の凹凸形状を算出するということが行なわれていた。
【0014】
そのため、測定に際しては、複数の検体ロッドを被測定者の背面に当たるようスライドさせなければならないから、その測定操作に手間が掛かるということがあった。しかも、全ての検体ロッドを被測定者の背面に当てる前に、被測定者が身体を動かしてしまうと、複数の検体ロッドの相対的な移動量に誤差が生じるから、被測定者の背面の凹凸形状が正確に測定できず、測定精度が低下するということがあった。
【0015】
しかも、検体フレームに複数の検体ロッドをスライド可能に設ける構造や、それぞれの検体ロッドの移動量を測定できるよう、各検体ロッドの移動量を、たとえば光学的に測定するなどの構造としなければならないから、選択装置の構造が複雑化するということがあった。
【0016】
この発明は、被測定者の体格に適した硬さのマットレスを、簡単な構造の装置によって容易かつ精度よく選択することができるようにした寝具の選択装置及び選択方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この発明は、被測定者に適した硬さの寝具を選択する寝具の選択装置であって、
被測定者の背面の形状を撮像する撮像装置と、
上記撮像装置が撮像した被測定者の背面の形状の側方から見た画像を表示するとともに、上記画像上の複数のポイントを指定することで、各ポイントの位置を出力する表示装置と、
被測定者の身長及び体重を入力するための情報入力部と、
上記表示装置の画像上で指定されて出力された複数のポイントのX,Y座標を算出し、これらポイントのX,Y座標に基づいて被測定者の背面の凹凸形状基準寸法を算出するとともに、上記情報入力部からの信号を処理して被測定者の肥満度を算出し、上記基準寸法と上記肥満度を予め設定された設定値と比較して被測定者に適した硬さの寝具を選定する処理装置と
を具備したことを特徴とする寝具の選択装置にある。
【0022】
この発明は、被測定者に適した硬さの寝具を選択する寝具の選択方法であって、
被測定者の背面の形状を撮像する工程と、
被測定者の身長及び体重を入力する工程と、
撮像された被測定者の背面の形状の側方から見た画像を表示するとともに、上記画像上の複数のポイントを指定することで、各ポイントの位置を出力する工程と
上記画像上で指定されて出力された複数のポイントのX,Y座標を算出し、これらポイントのX,Y座標に基づいて被測定者の背面の凹凸形状の基準寸法を算出するとともに、入力された被測定者の身長及び体重から肥満度を算出し、上記基準寸法と上記肥満度を予め設定された設定値と比較して被測定者に適した硬さの寝具を選定する工程と
を具備したことを特徴とする寝具の選択方法にある。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、被測定者の背面の形状を撮像し、その撮像信号を処理して基準寸法を算出するとともに、被測定者の身長及び体重の信号を処理して被測定者の肥満度を算出し、上記基準寸法と上記肥満度を予め設定された設定値と比較することで、被測定者に適した硬さの寝具を選定することができる。
【0024】
そのため、被測定者の背面の形状を、複数の検体ロッドを用いて機械的に測定する場合に比べ、簡単な構成の装置によって正確に、しかも迅速に被測定者に適した硬さのマットレスを選択することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】この発明の一実施の形態を示す選択装置のブロック図。
図2】撮像装置によって側方から撮像されて表示装置に表示された被測定者の画像を示す図。
図3】表示装置に示された被測定者の背面の凹凸形状から基準寸法を算出するための手順を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0027】
図1はこの発明の寝具の選択装置1を示し、この選択装置1は処理装置2を備えている。この処理装置2はたとえばパソコンなどの表示装置3を有する。この表示装置3にはデジタルカメラやデジタルカメラを備えたスマートフォンなどの撮像装置4が接続されるようになっている。
【0028】
上記撮像装置4は、被測定者M(図2に示す)の背面の形状、この実施の形態では背面の凹凸形状から後述する基準値を求めるために、立位状態にある上記被測定者Mを図示しない測定者が側方から撮像し、その撮像信号である、被測定者Mを側方から撮像した画像Gを上記表示装置3に出力するようになっている。それによって、上記撮像装置4が撮像した被測定者Mの側方から見た画像Gが図2に示すように上記表示装置3に表示されるようになっている。
なお、被測定者Mとは、自分の身体に適した硬さのマットレスを選択しようとしている人のことである。また、撮像に際しては、被測定者Mの背面の凹凸形状が明瞭に測定できるよう、衣服はだぶつきのない、身体にフィットするものを着用することが好ましい。
【0029】
さらに、被測定者Mの背面の凹凸形状を測定する場合の被測定者Mの姿勢は、立位状態でなく、うつ伏せ状態や横臥状態であっても測定可能である。
【0030】
上記表示装置3に表示された画像G上の複数のポイントを、マウスや静電容量スイッチなどで指定することで、指定された位置が上記表示装置3に接続された演算処理部5に出力される。この演算処理部5で上記複数のポイントのX、Y座標が後述するように算出される。
【0031】
上記演算処理部5には格納部6が接続され、この格納部6には情報入力部7が接続されている。この情報入力部7には、被測定者Mの情報である、身長、体重、性別、年齢などのうち、少なくとも身長と体重が入力される。上記情報入力部7に入力された被測定者Mの情報は上記格納部6に格納される。
【0032】
なお、上記情報入力部7には、被測定者Mの身長と体重が数値入力されるようになっているが、被測定者Mの身長と体重は身長測定器と体重測定器とで測定し、その測定信号を上記格納部6に格納するようにしてもよい。
【0033】
上記格納部6に格納された情報のうち、身長と体重の信号は上記演算処理部5に出力される。演算処理部5では、上記格納部6からの身長と体重の情報に基づいて被測定者Mの肥満度(BMI)を算出する。BMIは身長をT,体重をWとすると、
BMI=W/T
で求められる。
【0034】
さらに、上記演算処理部5は、上記情報入力部7に入力された被測定者Mの身長と、表示装置3に表示された画像Gの指定された複数のポイントを比較し、これらポイントのX、Y座標を算出する。
【0035】
上記表示装置3に表示された画像Gの指定される複数のポイントは、図2に示すようにa〜gの6点である。a点は被測定者Mの頭頂部、b点は足部下面である。したがって、情報入力部7から格納部6に格納され、上記演算処理部5で処理された被測定者Mの身長から、上記a点とb点のY座標を割り出すことができる。
【0036】
ここで、上記a点とb点のX座標を0とすることで、これらa点とb点のX、Y座標を算出することができる。
【0037】
上記c点は後頭部の最も後方に突出した点で、上記d点は頸部の最も凹んだ点である。上記e点は背部(肩部)背面の最も後方に突出した点であり、上記f点は腰部背面の最も凹んだ点であり、上記g点は臀部外面の最も後方に突出した点である。
【0038】
上記c〜g点のX、Y座標は、以下のようにして算出可能である。つまり、図2に示すb点のX、Y座標を(0,0)とし、a点のX座標も0とすると、aのX、Y座標は、上記情報入力部7に入力された被測定者Mの身長から割り出すことができる。
【0039】
被測定者Mの身長から割り出されたa点のY座標がYhとると、a点のX、Y座標は(0,Yh)として求めることができる。
【0040】
上記c〜g点のX、Y座標のうちのX座標は、上記a点とb点のY座標から割り出された被測定者Mの身長から、Y方向の単位長さをX方向に割り振って求めることができる。つまり、上記表示装置3に表示された被測定者Mの画像GのY方向における単位長さを実寸法に換算し、上記c〜g点のX座標の実寸法と比較することで、X座標を算出することができる。
【0041】
上記c〜g点のY座標は、被測定者Mの身長から割り出された上記aのY座標を基準にして算出することができる。
【0042】
このようにして、a〜gの各点のX、Y座標が算出されると、上記演算処理部5は図3にL1、L2、L3で示す、被測定者Mの背面の凹凸形状の基準寸法を算出する。
【0043】
上記L1は背部の最大突出位置であるe点と、臀部の最大突出位置のg点を結ぶ接線S1に対する腰部の凹み量に相当する基準寸法で、この基準寸法L1は腰部の最も凹んだ位置のf点のX座標と、このf点と同じY座標における上記接線S1上におけるf1点のX座標(Xf)との差によって求めることができる。
【0044】
なお、上記接線S1の一次方程式は、上記e点とg点のX、Y座標から求めることができるから、この一次方程式に上記f1点の既知のY座標を代入することで、上記f1点のX座標(Xf)を求めることができる。
【0045】
上記L2は頸部の最も凹んだd点と、腰部の最も凹んだf点を結ぶ接線S2に対する背部の突出に相当する基準寸法で、この基準寸法L2は背部の最も突出したe点のX座標と、このe点と同じY座標上における上記接線S2上におけるe1点のX座標(Xe)との差によって求めることができる。
【0046】
なお、上記接線S2の一次方程式は、上記d点と点fのX、Y座標から求めることができるから、この一次方程式に上記e点の既知のY座標を代入することで、上記e1点のX座標(Xe)を求めることができる。
【0047】
上記L3は、後頭部の最も後方へ突出した上記c点のX座標と、上記接線S1上における上記c点と同じY座標上におけるc1点のX座標(Xc)との差によって求めることができる。つまり、接線S1の一次方程式に上記c1点の既知のY座標を代入することで、上記c1点のX座標(Xc)を求めることができる。
【0048】
つまり、L3は、後頭部の高さを示す寸法であって、マットレスの硬さを選定するデータとしては必要ないが、枕の高さを選定するときに必要なデータであって、基準寸法L3に基づいて被測定者Mの頭部を最適な状態、つまりほぼ水平に支持することのできる高さの枕を選択することができる。
【0049】
このようにして演算処理部5で算出された基準寸法L1,L2,L3のうちのL1,L2と、BMIとは、比較部8においてこの比較部8に設定された設定値Pと比較される。つまり、予め多くの被測定者の基準寸法L1,L2とBMIを測定し、これら被測定者に硬さの異なる3つのマットレスX〜Zにそれぞれ寝てもらい、どの硬さのマットレスが最適であるかを判断してもらう。
【0050】
そして、最適な硬さのマットレスと基準寸法L1,L2及びBMIとを関係づけたデータを上記比較部8に設定値Sとして入力しておく。なお、マットレスの硬さはXを100とすると、Yは80、Zは60で、順次柔らかくなる。
【0051】
それによって、演算処理部5からの被測定者Mの測定データが上記比較部8で予め設定された設定値Sと比較されることで、その被測定者Mに適した硬さのマットレスを選定することができる。
【0052】
上記比較部8での比較の結果は判定部9で判定される。この判定部9での判定結果は表示装置3に表示されるようになっている。それによって、被測定者Mは自分に適した硬さのマットレスを選択することができる。
【0053】
以下に、BMI,L1,L2の値と、被測定者Mが自分に適した硬さのマットレスを実際に選択してもらった結果を示す。
【0054】
判定基準をBMIだけとすると、
BMI<20の場合、マットレスはZ
20≦BMI≦24の場合、マットレスはZ、Y
24≦BMI≦26.5の場合、マットレスはY、X
26.5<BMIの場合、マットレスはX
であった。
【0055】
判定基準をL1だけとすると、
L1<3.0の場合、マットレスはX
3.0<L1<3.5の場合、マットレスはY
3.5<L1の場合、マットレスはZ
であった。
【0056】
判定基準をL2だけとすると、
L2<4.5の場合、マットレスはX
4.5<L2<5.0の場合、マットレスはY
5.0<L2の場合、マットレスはZ
であった。
【0057】
したがって、被測定者MのBMIの測定データでは、マットレスの硬さはY或いはZがよく、基準寸法L1からはYがよく、さらに基準寸法L2からはYがよいとなった場合、総合的には被測定者Mには硬さがYのマットレスがよいとの判定となる。
【0058】
被測定者Mの基準寸法L1,L2と、BMIとから総合的にこの被測定者Mに最適な硬さのマットレスを選択したが、L1,L2と、BMIのそれぞれ個別のデータによっても、これらの個別データを、上記比較部8に設定される設定値Pと比較することで、被測定者Mに適した硬さのマットレスを選定することができる。
【0059】
さらに、被測定者Mの基準寸法L1,L2だけを、記憶部55に記憶された基準データと比較し、肥満度BMIを参考とせずに、被測定者Mに適した硬さのマットレスを選定することができる。
【0060】
このように、上述した構成の選択装置1によれば、被測定者Mの背面の凹凸形状を測定するために、被測定者Mを側方から撮像装置4によって撮像し、その撮像信号を処理することで、被測定者Mの背面の凹凸形状、つまり被測定者に適した硬さのマットレスを選択するためのデータとなる基準寸法L1、L2を算出することができる。
【0061】
そのため、被測定者Mの背面の凹凸形状を機械的に測定する従来に比べ、測定精度を向上させることができるばかりか、被測定者に適した硬さのマットレスの選択を比較的簡単な構成の選択装置1によって容易に行なうことが可能となる。
【0062】
しかも、販売店では上記選択装置1を用いることで、来客に対して最適の硬さのマットレスを迅速且つ的確に推奨することが可能となるから、来客の信頼が向上し、販売効果を促進することができるということもある。
【0063】
上記一実施の形態において、選択装置は処理装置に対して撮像装置、表示装置及び情報入力部が接続されて構成されている場合を例に挙げて説明したが、上記処理装置、撮像装置、表示装置及び情報入力部が1つの機器によって構成されていてもよい。
【0064】
たとえば、機器としてスマートフォンを用いた場合、そのスマートフォンに、被測定者の背面の凹凸形状から上述した実施の形態で説明したように、被測定者に適した硬さのマットレスを選択して表示するアプリケーションを設定しておく。
【0065】
それによって、スマートフォンによって被測定者の背面の凹凸形状を撮像することで、スマートフォンに内蔵されたアプリケーションによって直ちに被測定者に適した硬さのマットレスを知ることができる。
【0066】
それと同時に、たとえば寝具メーカや寝具の販売店等に、スマートフォンによって設定されたデータに対応できるシステムを設定することで、スマートフォンによって設定された被測定者に適した硬さのマットレスのデータを、寝具メーカや寝具の販売店等に送ることで、被測定者に適した硬さのマットレスの価格やそのマットレスの有無などの情報を被測定者に提供することが可能となる。
【0067】
つまり、処理装置、撮像装置、表示装置及び情報入力部が1つの機器によって構成された選択装置を用いることで、装置全体の小型化や情報処理の迅速化などを図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0068】
1…選択装置、2…処理装置、3…表示装置、4…撮像装置、5…演算処理部、6…格納部、7…情報入力部、8…比較部、9…判定部
図1
図2
図3