(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5990517
(24)【登録日】2016年8月19日
(45)【発行日】2016年9月14日
(54)【発明の名称】パラゴムノキの倍数体作製方法
(51)【国際特許分類】
A01H 1/08 20060101AFI20160901BHJP
【FI】
A01H1/08
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-519541(P2013-519541)
(86)(22)【出願日】2012年6月8日
(86)【国際出願番号】JP2012064780
(87)【国際公開番号】WO2012169613
(87)【国際公開日】20121213
【審査請求日】2015年2月26日
(31)【優先権主張番号】特願2011-130381(P2011-130381)
(32)【優先日】2011年6月10日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2011-130382(P2011-130382)
(32)【優先日】2011年6月10日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(73)【特許権者】
【識別番号】594201744
【氏名又は名称】バダン ペングカジアン ダン ペネラパン テクノロジ
【氏名又は名称原語表記】Badan Pengkajian Dan Penerapan Teknologi
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 訓江
【審査官】
上條 肇
(56)【参考文献】
【文献】
AMMA C.K.S. et al.,Cytomorphological studies in an induced polyploid of Hevea brasiliensis Muell. Arg.,Cytologia,1984年,Vol.49, No.4,p.725-729
【文献】
三廻部正子,コルヒチン処理による倍数体の実験,生物室,県立小田原城内高等学校生物部,1968年,Vol.2,p.15-19
【文献】
鄙徳本 他,ニセアカシアの試験管内コルヒチン処理による倍数体の作出,九大農学芸誌,1994年,Vol.49, No.1/2,p.9-14
【文献】
伊藤聡子 他,コルヒチンによる培養個体の倍数体の作出法,東北農業研究,1991年,No.44,p.343-344
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01H 1/08
A01G 7/06
JSTPlus(JDreamIII)
BIOSIS(DIALOG)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発根後発芽前のパラゴムノキ(Hevea brasiliensis)の種子にコルヒチン処理を行うコルヒチン処理工程
を含む、パラゴムノキの倍数体作製方法。
【請求項2】
前記コルヒチン処理工程の前に、
パラゴムノキの種子を、15〜25℃において水に含浸させて発根させる発根工程;
を含む、請求項1に記載のパラゴムノキの倍数体作製方法。
【請求項3】
前記コルヒチン処理工程が、前記種子を、コルヒチン濃度が400〜800ppmのコルヒチン溶液に接触させる工程である、請求項1に記載のパラゴムノキの倍数体作製方法。
【請求項4】
前記コルヒチン処理工程が、前記種子を、コルヒチン溶液に40〜90時間接触させる工程である、請求項3記載のパラゴムノキの倍数体作製方法。
【請求項5】
前記コルヒチン処理工程が、前記種子を、コルヒチン濃度が600〜800ppmであるコルヒチン溶液に60〜80時間接触させる工程である、請求項4に記載のパラゴムノキの倍数体作製方法。
【請求項6】
前記コルヒチン処理工程後に、種子を発芽させ、生育させる、請求項1に記載のパラゴムノキの倍数体作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パラゴムノキの倍数体を効率よく作製するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
天然ゴムは、弾性を有する高分子であり、ゴム製品の主原料として様々な用途において幅広く、かつ大量に用いられている。天然ゴムは、ゴムノキ等のラテックス産生植物が分泌するラテックスを採取し、これに所望の加工をすることにより製造される。このため、主にタイ・マレーシア・インドネシア等の熱帯諸国において、ラテックスを回収するためのゴムノキ、特にパラゴムノキ(Hevea brasiliensis)が、商業的に植樹されている。
【0003】
近年の遺伝子工学の発展に伴い、天然の植物体に、好ましい外来遺伝子を導入することによって、形質を改変することができるようになった。天然ゴムの製造分野においても、ラテックス産生植物を遺伝学的に改良し、より高品質のラテックスを産生し得る植物体や、より大量のラテックスを産生し得る植物体等の所望の形質を有する植物体を作成する方法が研究されている。なかでも、好ましい手法として、遺伝子組み換えによる分子育種があるが、遺伝子組み換えの植物体を得るためには、再分化と遺伝子導入のプロセスを経る必要がある。
【0004】
植物の遺伝子導入法としては、植物病原菌の1種であるアグロバクテリウム(Agrobacterium)属菌を植物細胞に感染させて遺伝子を導入する方法(アグロバクテリウム法)、遺伝子を担持させた金粒子をパーティクルガンにより植物細胞内に撃ち込む方法(パーティクルガン法)が、主として用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
アグロバクテリウム法により、パラゴムノキの形質転換体作成に成功している事例が幾つかある。例えば、パラゴムノキの葯由来カルスに、アグロバクテリウム属細菌のベクター系を用いて所望の遺伝子を導入し、この植物組織から植物を再生することにより、形質転換されたパラゴムノキを作成する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。また、パラゴムノキの珠皮由来カルスからアグロバクテリウム法により形質転換体が得られたという報告もある(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、パラゴムノキ等のラテックス産生植物では、他の種類の植物と比較して、遺伝子が導入され難く、遺伝子導入効率が非常に悪いという問題がある。上述の事例においても、カルスに感染させるときのアグロバクテリウムの菌濃度を調整して効率化を検討しているものの、遺伝子導入の十分な効率化は達成されていない。
【0007】
また、個体が有する染色体数を増大させることにより、形質を変化させることができる場合がある。通常、体細胞は、生存に必要な1セットの染色体を2セット有する2倍体(diploid)であり、生殖細胞(配偶子)は1セットの染色体を有する半数体(haploid)である。一般的に、3セット以上の染色体をもつ個体(すなわち、3倍体以上の個体)を倍数体(Polyploid)と呼ぶ。植物においては、倍数体は、2倍体よりも果実等の組織が大きくなったり、種子が形成されない等の傾向がある。
【0008】
このように、倍数体は、外来遺伝子を導入せずに、新たな形質を持つ新品種を育種し得るため、倍数体育種は、植物の品種改良の分野で従来から行われている。例えば、植物の種子等の組織を、コルヒチン溶液に浸漬させることにより、染色体数が倍加した倍数体を作製することができる。コルヒチンは、細胞分裂において紡錘糸形成を阻害するため、コルヒチン処理した細胞では、細胞分裂が阻害される。一方で、染色体分裂は阻害されないため、染色体数が倍加した細胞が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−130815号公報
【特許文献2】特許第3289021号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】ブラン(Blanc)、他4名、プラント・セル・レポート(Plant cell Report)、2006年、第24巻、第724〜733ページ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
倍数体の育種は、より好ましい形質を有する有用な新品種を作製する上で重要な育種方法であるが、コルヒチン処理の条件は、植物の種類によって大きく異なる。このため、植物種ごとに試行錯誤を繰り返しながら、好適な処理条件を検討する必要があり、パラゴムノキにおける有効な倍数体作製方法は未だ確立されていない。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、パラゴムノキにおいて、新品種育種に非常に有用な倍数体を、効率よく作製する方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、パラゴムノキの種子を発根させた後にコルヒチン処理を行うことにより、従来になく高い確率で倍数体を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0014】
すなわち、本発明は、下記の通り構成される。
(1) 発根させたパラゴムノキ(Hevea brasiliensis)の種子にコルヒチン処理を行うコルヒチン処理工程
を含む、パラゴムノキの倍数体作製方法。
(2)前記コルヒチン処理工程の前に、パラゴムノキの種子を、15〜25℃において水に含浸させて発根させる発根工程;を含む、前記(1)に記載のパラゴムノキの倍数体作製方法。
(3) 前記コルヒチン処理工程にかける種子が、発根後発芽前の種子である、前記(1)に記載のパラゴムノキの倍数体作製方法。
(4) 前記コルヒチン処理工程が、前記種子を、コルヒチン濃度が400〜800ppmのコルヒチン溶液に接触させる工程である、上記(1)〜(3)の何れか一つに記載のパラゴムノキの倍数体作製方法。
(5) 前記コルヒチン処理工程が、前記種子を、コルヒチン溶液に40〜90時間接触させる工程である、上記(4)に記載のパラゴムノキの倍数体作製方法。
(6) 前記コルヒチン処理工程が、前記種子を、コルヒチン濃度が600〜800ppmであるコルヒチン溶液に60〜80時間接触させる工程である、上記(5)に記載のパラゴムノキの倍数体作製方法。
(7) 前記コルヒチン処理工程後に、種子を発芽させ、生育させる、上記(1)〜(6)の何れか一つに記載のパラゴムノキの倍数体作製方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明のパラゴムノキの倍数体作製方法を用いることにより、非常に効率よく倍数体を作製することができる。特に、本発明においては、コルヒチン処理を行った種子を、そのまま、2倍体の種子と同様に育成させることにより、簡便に倍数体の成体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施例1において、2倍体のフローサイトメトリーの分析結果を示した図である。
【
図2】実施例1において、4倍体のフローサイトメトリーの分析結果を示した図である。
【
図3】実施例1において、キメラ体のフローサイトメトリーの分析結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
コルヒチン処理は、種子のみならず、シュートや葉等の組織や、脱分化処理により得られたカルスに施されることが、一般的に行われている。例えば、シュート等の組織にコルヒチン処理を行った場合、組織から倍数体となった細胞を分取して発根等させることにより、倍数体の植物体を再生する。また、カルスにコルヒチン処理を行った場合も、同様に、当該カルスから常法により倍数体の植物体を再生する。しかしながら、カルスや植物体の一部の組織からの植物体の再生は、煩雑な工程であり、また、適切な植物ホルモン等を必要とするため、コストが高い。これに対して、種子にコルヒチン処理を行った場合には、当該種子を、未処理の種子と同様に栽培することにより、簡便に倍数体の植物体を得ることができる。
【0018】
しかしながら、パラゴムノキの種子をコルヒチン溶液に浸漬させただけでは、倍数体はほとんど得ることができない。本発明の発明者らは、パラゴムノキは堅い殻に覆われており、このため、コルヒチンが種子内部に十分に浸透しないために、常法ではパラゴムノキの種子にコルヒチン処理を有効に施すことができないのではないかと考えた。そこで、種子の殻の一部を割ってみたところ、コルヒチンは種子内部に十分に浸透していたが、発芽せず、倍数体を得ることができなかった。
【0019】
本発明のパラゴムノキの倍数体作製方法(以下、「倍数体作製方法」ということがある)は、発根させた後の種子に、コルヒチン処理を行うことを特徴とする。発根後の種子に対してコルヒチン処理を行うことにより、種子の発芽・成育を損なうことなく、種子に有効なコルヒチン処理を行うことができ、処理後の種子を、未処理の種子と同様に栽培することにより、簡便に倍数体の植物体を得ることができることを見出した。発根後の種子をコルヒチン処理することにより、処理前の種子の染色体数が倍加した倍数体を効率よく得ることができる理由は明らかではないが、硬い殻から出てきた根の部分からコルヒチンが効率よく種子内部に浸透するためと推察される。
【0020】
本発明の倍数体作製方法においてコルヒチン処理が行われる種子は、発根後のもの、すなわち、外部から根が視覚的に確認できる種子であれば特に限定されるものではない。本発明においては、発芽前の種子等のように、発根後早い時期の種子であることがより好ましい。種子の成育の初期段階でコルヒチン処理を行うことにより、植物体を構成するほぼ全ての細胞が倍数性である植物体を得ることができる。
【0021】
種子を発根させる方法は特に限定されるものではなく、一般的に種子を発根させる際に用いられる方法のいずれを用いてもよい。例えば、20〜30℃において、十分に水を浸み込ませたガーゼやティッシュ等の支持体上に種子を数日〜2週間静置することにより、発根させることができる。水を浸み込ませた支持体で種子を梱包しておいてもよい。本発明においては、15〜25℃において、水に含浸させることによって、パラゴムノキの種子を発根させる。種子を水に含浸させる期間は、種子から発根させるのに充分な期間であれば特に限定されるものではないが、発根後発芽前までに、次のコルヒチン処理に供されることが好ましい。
【0022】
本発明の倍数体作製方法においてコルヒチン処理が行われる種子は、パラゴムノキの種子であれば特に限定されるものではなく、天然に存在する2倍体のパラゴムノキであってもよく、遺伝子組換え技術等により、遺伝子の一部が欠損した改変体や、外来遺伝子等が組み込まれた遺伝子組換え体であってもよい。また、3倍体や4倍体等の倍数体であってもよい。例えば、3倍体のパラゴムノキの種子に対して、本発明の倍数体作製方法を行うことにより、染色体数が倍加した6倍体のパラゴムノキを得ることができる。
【0023】
コルヒチン処理は、発根後の種子をコルヒチン溶液に接触させることにより行う。接触方法は特に限定されるものではなく、例えば、コルヒチン溶液に種子を浸漬させてもよく、コルヒチン溶液を浸み込ませたガーゼ等の支持体上に種子を静置したり、当該支持体で種子を梱包しておいてもよい。なお、コルヒチン溶液を浸み込ませた支持体を用いる場合には、種子の根の部分がコルヒチン溶液と接触するようにしておくことが好ましい。
【0024】
コルヒチン処理を行う際の温度は、その後の種子の成育を損なうことのない温度あれば特に限定されるものでない。また、温度制御環境であってもよく、室温等の特段の温度制御を行わない環境であってもよい。本発明においては、例えば、0〜35℃、好ましくは20〜30℃においてコルヒチン処理を行うことができる。簡便であるため、室温で行うことも好ましい。
【0025】
コルヒチン溶液中のコルヒチン濃度は、コルヒチン処理の方法や温度、処理時間等を考慮して適宜決定することができる。コルヒチン濃度が低すぎる場合には、種子の内部にまで十分にコルヒチンが浸透せず、染色体数を倍加させることができない。一方、コルヒチン濃度が高すぎる場合には、奇形ができてしまう恐れがある。本発明においては、種子を接触させるコルヒチン溶液中のコルヒチン濃度が400〜800ppmであることが好ましく、600〜800ppmであることがより好ましい。
【0026】
種子をコルヒチン溶液に接触させる時間(処理時間)は、コルヒチン処理の方法や温度、コルヒチン溶液中のコルヒチン濃度等を考慮して適宜決定することができる。処理時間が短すぎる場合には、種子の内部にまで十分にコルヒチンが浸透せず、染色体数を倍加させることができない。一方、処理時間が長すぎる場合には、奇形ができてしまう恐れがある。本発明においては、コルヒチン溶液に接触させ時間は、室温で40〜90時間であることが好ましく、60〜80時間であることがより好ましい。
【0027】
本発明の倍数体作製方法においては、20〜30℃の温度制御環境下又は非制御環境下において、発根後の種子を、コルヒチン濃度が400〜800ppm、好ましくは600〜800ppm、より好ましくは600ppmであるコルヒチン溶液に、40〜90時間、好ましくは60〜80時間、より好ましくは72時間浸漬させることによりコルヒチン処理を行うことが好ましい。
【0028】
コルヒチン処理後の種子は、蒸留水等により洗浄し、残存するコルヒチンを除去した後、未処理の種子と同様に、常法により栽培することにより、倍数体を成育することができる。例えば、20〜30℃において、十分に水を浸み込ませたガーゼやティッシュ等の支持体上に種子を数日間静置して発芽させた後、栽培用培地に移植し、十分な水を与えつつ栽培することにより、倍数体を成育させることができる。
【0029】
例えば、2倍体のパラゴムノキの種子に対して本発明の倍数体作製方法を行うことにより、4倍体のパラゴムノキを作製することができる。この4倍体を成育させて、2倍体と交配させることにより、3倍体のパラゴムノキを得ることができる。
【実施例】
【0030】
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0031】
[実施例1]
天然の2倍体のパラゴムノキの種子を、水を含ませたガーゼの上に、室温(約20〜30℃)で数日〜1週間置き、発根させた。目視で発根が確認された発芽前の種子を、コルヒチン濃度が200〜800ppmであるコルヒチン溶液中に2〜5日間浸漬させた。その後、蒸留水で洗浄した種子をプランターに植えた。
この成育させた植物体から3枚の葉を採取し、フローサイトメトリーにより、染色体数(倍数性)を確認し、当該植物体が、2倍体であるのか、4倍体であるのか、2倍性の細胞と4倍性の細胞が混在したキメラ体であるのかを確認した。結果を
図1〜3及び表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
表1に示すように、発根後の種子を、コルヒチン濃度が400〜800ppm、好ましくは600〜800ppm、より好ましくは600ppmであるコルヒチン溶液に、40〜90時間、好ましくは60〜80時間、より好ましくは72時間浸漬させることにより、元の染色体数が倍加した倍数体を効率よく作製することができた。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明のパラゴムノキの倍数体作製方法により、パラゴムノキの倍数体を効率よく作製することができるため、パラゴムノキの品種改良の分野や、天然ゴムの産生の分野で有用である。