【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、高圧ガスを受容するための高圧貯蔵容器であって、ガスから熱エネルギを受容するための高圧蓄熱手段を含む高圧貯蔵容器と、高圧貯蔵容器を、高圧蓄熱手段の作用を受けた後の高圧ガスを貯蔵するためのガス貯蔵手段に、または高圧蓄熱手段の作用を受けた後の高圧ガスを受容するためのガス処理手段に、連結するための連結手段と、を含み、装置がさらに、ガスから熱エネルギを受容するための低圧蓄熱手段を含む(例えば、低圧のみでガスを受容するのに適した)低圧貯蔵容器であって、高圧貯蔵容器に選択的に連結可能な低圧貯蔵容器と、低圧のガスを高圧貯蔵容器と低圧貯蔵容器との間において移送するためのガス移送手段であって、低圧ガスを高圧貯蔵容器と低圧貯蔵容器との間において(すなわち熱交換器を使用せずに直接)送ることにより貯蔵熱エネルギが高圧蓄熱手段と低圧蓄熱手段との間において伝達されるガス移送手段と、を含む、エネルギを貯蔵するための装置が提供される。
【0010】
このように、高圧ガスを含むように構成されている貯蔵容器に収容された蓄熱手段から、低ガス圧力を維持するように構成されている貯蔵容器(例えば、低圧または非加圧貯蔵容器)に収容された蓄熱手段に、熱を(すなわち、高圧側と低圧側両方のガスと固体蓄熱手段との間において)直接伝達することによって熱エネルギを伝達する、エネルギを貯蔵するための装置が提供される。したがって、本発明は、直接熱交換器と同等の性能を備えた高効率の蓄熱部を、非加圧貯蔵部を使用するコストに近いコストで提供する可能性を提供する。本発明は断熱式圧縮空気エネルギ貯蔵技術および本出願人の先願である、国際公開第2009/044139号パンフレット(追加の「蓄冷部」が蓄積段階時に膨張させたガスによって発生し、その後放出段階において圧縮の前にガスを冷却するために使用される)に開示される改良型のエネルギ貯蔵装置、ならびにまた太陽熱発電に適用可能であってもよい。さらに、放出段階時に加熱された高圧ガス(例えば、高圧蓄熱手段を通過する、ガス貯蔵手段またはガス処理手段から回収された高圧ガス)はその後、後のエネルギ回収工程時に膨張させてもよいため、高圧ガスは(例えば、発電段階において)膨張のための作業流体として付加的に機能してもよい。
【0011】
一実施形態において、高圧貯蔵容器は加熱された高圧ガスをガス源から受容するように構成されている。一実施形態において、ガス源は圧縮ガス源を含む。例えば、装置はガスを圧縮するための圧縮器手段を含んでもよい。高圧貯蔵容器は圧縮器手段によって圧縮されたガスを受容するように構成されている。圧縮器手段は電力供給によって駆動してもよい。このようにして、後の装置による回収のため、装置は電気エネルギを貯蔵熱エネルギに変換するために使用してもよい。別の実施形態においては、ガス源は太陽集熱器を含む。これら実施形態において、高圧蓄熱手段によって貯蔵された熱エネルギは(例えば、各サイクル時に高圧蓄熱手段によって貯蔵された熱エネルギが低圧蓄熱手段に伝達される割合でサイクル的に)低圧のガスを高圧貯蔵容器と低圧貯蔵容器との間において送ることによって低圧蓄熱手段に伝達される。
【0012】
別の実施形態においては、低圧貯蔵容器はガス源から加熱された低圧ガスを受容するように構成されている。一実施形態において、ガス源は太陽集熱器を含む。有利なことに、この機構は熱を低(場合によっては周囲)圧で収集および貯蔵することを可能にするため、高圧システムからの漏れに関する問題が低減される。
【0013】
ガス貯蔵手段は高圧貯蔵容器または低圧貯蔵容器の容積よりもかなり大きな容積を有してもよい(例えば、装置の貯蔵容量の少なくとも1000倍のガス貯蔵容積を有する)。例えば、ガス貯蔵手段は、岩塩ドーム、帯水層または他の適切な地下空間のような加圧地下空洞であってもよい。代替的に、ガス貯蔵手段は圧力容器であってもよい。ガス貯蔵手段は固定容積空間、固定圧力空間または両者の組み合わせのいずれかであってもよい。
【0014】
ガス処理手段は蓄積段階時に高圧貯蔵容器が受容した高圧ガスを膨張させるための膨張器手段を含んでもよい。ガス処理手段はさらに、膨張器手段によって膨張したガスに熱エネルギを伝達するための追加の蓄熱手段(例えば、蓄冷容器内に収容された蓄冷手段)を含んでもよい。装置は、閉サイクルにおいて高圧貯蔵容器と追加の蓄熱手段との間を通過するガスによって(例えば、加圧ガスを加熱するため圧縮手段によって圧縮される前に追加の蓄熱手段の作用を受けることにより(蓄積段階において)暖められたガスによって)動作するように構成してもよい。
【0015】
高圧蓄熱手段および低圧蓄熱手段の少なくとも1つが、ガスを受容するためのチャンバと、チャンバ内に収容された微粒子材料を含む。微粒子材料には、ガス透過性の蓄熱手段を形成するために充填される固体粒子および/または多孔質媒体および/または繊維およびまたは発泡材料(例えば、金属粒子、鉱物粒子またはセラミック粒子および/または繊維および/または発泡樹脂製品)を含んでもよい。
【0016】
高圧蓄熱手段と低圧蓄熱手段は同一であってもよい。しかしながら、高圧蓄熱手段と低圧蓄熱手段は異なっていてもよい。例えば、高圧蓄熱手段は低圧蓄熱手段の熱蓄積/放出効率よりも高い(例えば、かなり高い)熱蓄積/放出効率を提供するように構成してもよい。一実施形態において、高圧蓄熱手段は低圧蓄熱手段の表面積対容積比よりも高い(例えば、かなり高い、例えば、2倍、4倍またはさらには10倍高い)表面積対容積比を有する。加えてまたは代替的に、高圧蓄熱手段は低圧蓄熱手段よりも高い(例えば、かなり高い、例えば、2倍、4倍またはさらには10倍高い)伝導率を有してもよい。加えてまたは代替的に、高圧蓄熱手段は低圧蓄熱手段よりも小さな(例えば、かなり小さな、例えば、2分の1、4分の1またはさらには10分の1の)平均粒度を有してもよい。このように、高圧蓄熱手段は、有利なことに、熱エネルギを迅速に受容および伝達し、鋭い熱フロントを発生させるように構成され、それによって高圧貯蔵手段の通常の蓄積/放出の効率が向上してもよい。
【0017】
一実施形態において、低圧蓄熱手段は、有利なことに、体積熱容量、貯蔵部中の(ガス)圧力低下、ボイド率、伝導率および粒子の大きさが高圧蓄熱手段のものとは異なるように、異なる貯蔵材料および形状を有してもよい。例えば、低圧蓄熱手段は、砂利などの鉱物微粒子を含んでもよい。高圧貯蔵手段はランダムな微細銅繊維メッシュまたは発泡金属を含んでもよい。
【0018】
低圧蓄熱手段は高圧貯蔵手段よりも実質的に大きな容積(例えば、5倍、10倍またはさらには100倍)を有してもよい。加えて、圧力低下を減らすため、または貯蔵部を通過するガスの熱フロントの外形を変えるため、貯蔵部の断面積および長さを変えてもよい。
【0019】
高圧蓄熱手段は熱エネルギをガスから直接受容するための熱マトリックスを含んでもよい。低圧蓄熱手段は熱エネルギをガスから直接受容するための熱マトリックスを含んでもよい。例えば、低圧蓄熱手段および高圧蓄熱手段の少なくとも1つは微粒子蓄熱媒体を含んでもよい。
【0020】
一実施形態において、ガス移送手段はポンプ手段を含む。
装置は、さらに、低圧貯蔵容器に連結する前に、高圧貯蔵容器に貯蔵されたガスの圧力を減少させるための圧力減少手段を含んでもよい。一実施形態において、圧力減少手段は膨張器手段を含み、膨張のエネルギは装置によって回収可能である(例えば、電力の形態で、または異なる高圧容器の圧力を上昇させるために直接使用される−以下を参照のこと)。
【0021】
装置は、さらに、高圧貯蔵容器を低圧貯蔵容器から分離後、高圧貯蔵容器に貯蔵されたガスの圧力を増加させるための圧力増加手段を含んでもよい。
一実施形態において、装置は(例えば、圧縮器手段によって圧縮された)高圧ガスを受容するための(例えば、前に定義したような)追加の高圧貯蔵容器を含む。追加の高圧貯蔵容器は連結手段を介してガス貯蔵手段またはガス処理手段に連結可能であり、高圧ガスから熱エネルギを受容するための追加の高圧蓄熱手段を含む。
【0022】
最初に説明した高圧貯蔵容器と追加の高圧貯蔵容器とは交互に蓄積可能となるように構成してもよい。一実施形態において、装置は、(例えば、圧縮器手段によって圧縮された)受容した高圧ガスを、交互に蓄積可能な最初に説明した高圧貯蔵容器と追加の高圧貯蔵容器とに実質的に連続的に供給するように構成されている。このように、熱伝達プロセスは装置の蓄積または放出のいずれかにおいて事実上連続的である。
【0023】
一実施形態において、装置は、ガスから熱エネルギを受容するための(例えば、前に定義したような)追加の低圧蓄熱手段を含む追加の低圧貯蔵容器を含む。例えば、装置は、それぞれ前に定義したような複数の追加の低圧貯蔵容器(例えば、10または20の低圧貯蔵容器)を含んでもよい。複数の追加の低圧貯蔵容器はそれぞれガスから熱エネルギを受容するための追加の低圧蓄熱手段を含む。
【0024】
追加の低圧貯蔵容器は最初に定義した高圧貯蔵容器または追加の高圧貯蔵容器の少なくとも1つに選択的に連結可能であってもよい。一実施形態において、装置は、最初に説明した低圧蓄熱手段と追加の低圧蓄熱手段とに直列で、並列でまたは両者の組み合わせで蓄積するように構成されている。
【0025】
一実施形態において、最初に説明した低圧貯蔵容器は第1の圧力でガスを維持し、追加の低圧貯蔵容器は第1の圧力と異なる第2の圧力でガスを維持する。
追加の高圧貯蔵容器を含む装置の場合、装置は、さらに、各高圧貯蔵容器を最初に説明した低圧貯蔵容器または追加の低圧貯蔵容器に連結する前に、各高圧貯蔵容器に貯蔵されたガスの圧力を減少させるための圧力減少手段を含んでもよい。加えてまたはその代わりに、装置は、各高圧貯蔵容器を、最初に説明した低圧貯蔵容器または追加の低圧貯蔵容器から分離後、各高圧貯蔵容器に貯蔵されたガスの圧力を増加させるための圧力増加手段を含んでもよい。
【0026】
一実施形態において、圧力減少手段は膨張器手段を含み、高圧貯蔵容器の1つの減圧時に回収される膨張のエネルギは装置によって回収可能である。例えば、一実施形態において、回収した膨張のエネルギは別の高圧貯蔵容器の圧力を増加させるために圧力増加手段によって使用される。
【0027】
装置は、(例えば、圧縮器手段によって圧縮された、または太陽集熱器によって加熱された)高圧ガスを受容するための(例えば、それぞれ前に定義したような)少なくとも2つのさらなる追加の高圧貯蔵容器を含んでもよい。各さらなる追加の高圧貯蔵容器は連結手段を介してガス貯蔵手段またはガス処理手段に連結可能であり、高圧ガスから熱エネルギを受容するためのさらなる追加の高圧蓄熱手段を含む。
【0028】
一実施形態において、装置は、同時に、高圧貯蔵容器の1つに(例えば、圧縮器手段によって圧縮された、または太陽集熱器によって加熱された)高圧ガスが蓄積される;高圧貯蔵容器の1つがその圧力を圧力減少手段によって減少させたガスを含む;高圧貯蔵容器の1つがガス移送手段によって高圧貯蔵容器と低圧貯蔵容器との間において移送されるガスを含む;高圧貯蔵容器の1つがその圧力を圧力増加手段によって増加させたガスを含む;蓄積モードで作動可能である。このように、少なくとも1つの高圧貯蔵容器と少なくとも1つの低圧貯蔵容器は同時に蓄積され、装置の連続的な高圧蓄積と低圧蓄積を行うことができる。
【0029】
装置は、(例えば、圧縮器手段によって圧縮された、または太陽集熱器によって加熱された)高圧ガスを受容するための(例えば、前に定義したような)少なくとも1つのさらなる追加の高圧貯蔵容器を含んでもよい。少なくとも1つのさらなる追加の高圧貯蔵容器は連結手段を介してガス貯蔵手段またはガス処理手段に連結可能であり、高圧ガスから熱エネルギを受容するためのさらなる追加の高圧蓄熱手段を含む。このように、少なくとも2つの高圧貯蔵容器が低圧貯蔵容器に低圧ガスを同時に供給するように作動可能であってもよい。一実施形態において、装置は最初に説明した高圧貯蔵容器と追加の高圧貯蔵容器とから、それぞれ(例えば、圧縮器手段または太陽集熱器から)高圧ガスを受容するように構成された装置よりも低い移送速度で同時に低圧ガスを移送する蓄積モードにおいて作動可能である。加えてまたは代替的に、装置は、最初に説明した高圧貯蔵容器と追加の高圧貯蔵容器にそれぞれ高圧ガスを放出するように構成された装置よりも低い移送速度で同時に低圧ガスを移送する放出モードで作動可能であってもよい。このように、容器中の低圧流によるポンピング損失(または圧力低下)を低減する一方で、蓄積時における加圧ガスの入力/放出時における加圧ガスの出力の均衡を維持するために、低圧ガスの急速サイクルを高圧貯蔵容器と低圧貯蔵容器との間において実施してもよい。
【0030】
ガスは、空気、アルゴンまたはネオンもしくは別の適切なガスであってもよい。例えば、ガスは周囲大気からの空気を含んでもよい。
最初に説明した低圧貯蔵容器または追加の低圧貯蔵容器はガスを実質的に大気圧で貯蔵してもよい。
【0031】
装置は、さらに、(例えば、放出段階において)装置内に貯蔵されたエネルギを回収するための膨張器手段を含んでもよい。一実施形態において、圧縮器手段と膨張器手段には、圧縮モードまたは膨張モードにおいて選択的に作動可能となるように構成されている組み合わせ圧縮器/膨張器デバイスが設けられている。
【0032】
本発明の第2の態様によれば、蓄積段階時、加熱された高圧ガスを受容するステップと、ガスから熱エネルギを受容するための高圧蓄熱手段を含む高圧貯蔵容器を介して高圧ガスをガス貯蔵手段またはガス処理手段に移送するステップと、高圧貯蔵容器から低圧で(例えば、高圧貯蔵容器内に収容されたガスの圧力を低下させることによって)高圧貯蔵容器と、ガスから熱エネルギを受容するための低圧蓄熱手段を含む低圧貯蔵容器との間においてガスを移送し、高圧貯蔵容器と低圧貯蔵容器との間を通過する低圧ガスによって、高圧蓄熱手段により貯蔵された熱エネルギを低圧蓄熱手段に伝達するステップと、放出段階時、低圧のガスを低圧貯蔵容器と高圧貯蔵容器との間において移送し、低圧貯蔵容器と高圧貯蔵容器との間を通過する低圧ガスによって低圧蓄熱手段により貯蔵された熱エネルギを高圧蓄熱手段に伝達するステップと、その後(例えば、ガス貯蔵手段またはガス処理手段から回収した高圧ガスを使用して)高圧貯蔵容器中にガスを高圧で通過させてガスを高圧蓄熱手段にさらすステップと、加熱された高圧ガスを膨張させるステップと、を含む、エネルギを貯蔵し、その後回収する方法を提供する。
【0033】
このように、低圧貯蔵部を使用して直接熱伝達(すなわち、熱交換器を使用することなくガスと固体蓄熱手段との間において直接)により高圧ガスから熱を貯蔵する方法が提供される。
【0034】
一実施形態において、蓄積段階時、ガスが高圧貯蔵容器と低圧貯蔵容器との間においてサイクル的に移送され、放出段階時、低圧貯蔵容器と高圧貯蔵容器との間においてガスがサイクル的に移送される。
【0035】
一実施形態において、高圧加熱ガスがガス源から受容される。一実施形態において、ガス源は圧縮ガス源である。別の実施形態において、ガス源は太陽集熱器である。
前に定義した本発明の第1の態様の特徴のすべてが本発明の第2の態様の特徴を形成してもよい。
【0036】
本発明の第3の態様によれば、蓄積段階時、加熱された低圧ガスを受容するステップと、ガスから熱エネルギを受容するための低圧蓄熱手段を含む低圧貯蔵容器中にガスを通過させるステップと、放出段階時、低圧貯蔵容器から低圧で、低圧貯蔵容器と、ガスから熱エネルギを受容するための高圧蓄熱手段を含む高圧貯蔵容器との間においてガスを移送し、低圧貯蔵容器と高圧貯蔵容器との間を通過する低圧ガスにより低圧蓄熱手段によって貯蔵された熱エネルギを高圧蓄熱手段に伝達するステップと、その後ガスを高圧で高圧貯蔵容器中に通過させ、高圧ガスを高圧蓄熱手段にさらすステップと、加熱された高圧ガスを膨張させるステップと、を含む、エネルギを貯蔵し、その後回収する方法が提供される。
【0037】
このように、低圧貯蔵装置と高圧貯蔵装置との間における直接熱伝達(すなわち、熱交換器を使用することなくガスと固体蓄熱手段との間において直接)により低圧ガスから熱を貯蔵する方法が提供される。
【0038】
一実施形態において、低圧加熱ガスはガス源から受容される。一実施形態において、ガス源は太陽集熱器である。
前に定義した本発明の第1の態様の特徴のすべてが本発明の第3の態様の特徴を形成してもよい。
【0039】
本発明の第4の実施形態によれば、圧縮されたガスを受容するための高圧貯蔵容器であって、高圧貯蔵容器を通過する圧縮ガスから熱エネルギを受容するための高圧蓄熱手段を含む高圧貯蔵容器と、高圧貯蔵容器からガスを放出するための流出口と、を含み、さらに、ガスから熱エネルギを受容するための低圧蓄熱手段を含む低圧貯蔵容器であって、高圧貯蔵容器に選択的に連結可能な低圧貯蔵容器と、高圧貯蔵容器と低圧貯蔵容器との間においてガスを移送し、高圧貯蔵容器と低圧貯蔵容器との間を通過するガスにより高圧蓄熱手段によって貯蔵された熱エネルギを低圧蓄熱手段に伝達するためのガス移送手段とを含む、エネルギを貯蔵するための装置が提供される。
【0040】
前に定義した本発明の第1の態様の特徴のすべてが本発明の第4の態様の特徴を形成してもよい。
本発明の第5の態様によれば、高圧ガス(例えば、蓄積段階時の高圧加熱ガス)を受容するための高圧貯蔵容器であって、第1のガス透過性の蓄熱構造を収容する第1のチャンバを含む高圧蓄熱手段を含む高圧貯蔵容器と、低圧ガスを受容するための低圧貯蔵容器であって、第2のガス透過性の蓄熱構造を収容している第2のチャンバを含む低圧蓄熱手段を含む低圧貯蔵容器と、を含み、第1の蓄熱構造が第2の蓄熱構造の単位容積あたりの平均表面積よりも大きい単位容積あたりの平均表面積を有する、エネルギを貯蔵するための装置が提供される。
【0041】
有利なことに、本出願人は、高圧側に比較的大きな単位容積あたりの(すなわち、蓄熱構造の単位容積あたりの)平均表面積および低圧側に比較的小さな単位容積あたりの平均表面積を有する蓄熱構造を設けると、蓄積/放出性能が向上することを見出した。特に、本出願人は、高圧貯蔵容器を通過するガスに生じる圧力低下の増加に勝る蓄積/放出サイクルにおける不可逆性と熱フロント長さの両方の低減を高圧貯蔵装置において達成することができることを見出した。
【0042】
高圧貯蔵容器は低圧貯蔵容器に連結可能であってもよい。一実施形態において、蓄積段階時、低圧蓄熱手段はガス(例えば、高圧貯蔵容器が受容した低圧ガス)から熱エネルギを受容するように構成されている。別の実施形態においては、蓄積段階時、低圧蓄熱手段は熱エネルギをガス(例えば、蓄冷部を発生させるため、低圧貯蔵容器によって受容された膨張低圧ガスに)に伝達するように構成される。
【0043】
一実施形態において、第1の蓄熱構造は第1のチャンバ内に収容された微粒子材料を含む。
一実施形態において、第2の蓄熱構造は第2のチャンバ内に収容された微粒子材料を含む。
【0044】
一実施形態において、第1の蓄熱構造および第2の蓄熱構造の一方は耐火材(例えば耐火煉瓦)を含み、第1の蓄熱構造および第2の蓄熱構造のもう一方は金属材料を含む。
一実施形態において、第1の蓄熱構造および第2の蓄熱構造の一方が金属材料を含み、第1の蓄熱構造および第2の蓄熱構造のもう一方は天然鉱物材料(例えば砂利などの破砕鉱物)を含む。
【0045】
一実施形態において、微粒子材料は、ガス透過性の構造を形成するために充填された、固体粒子、多孔質媒体、繊維、発泡材料(例えば、金属粒子、鉱物粒子またはセラミック粒子および/または繊維および/または発泡樹脂製品)の少なくとも1つを含む。
【0046】
一実施形態において、第1のチャンバは注入口からガス(例えば高圧加熱ガス)を受容するように構成されており、第1の蓄熱構造は、注入口からの距離が(例えば、チャンバ内のガスの流れの方向に)増加するにつれて第1の蓄熱構造の単位容積あたりの平均表面積が減少する領域を有する。このように、第1の高表面積層が短い熱フロントを発生させ、ガスを第2の比較的低い表面積層に供給する高圧蓄熱手段が提供される。有利なことに、低表面積層に続き高表面積層(蓄積時のガスの流れの方向に)を設けると、高圧側における圧力低下を低減することを可能にする一方、より短い熱フロントを発生させ、熱吸収が向上し、不可逆性が低減する。
【0047】
一実施形態において、領域は第1の蓄熱構造の注入口に実質的に最も近い部分から延びる。
一実施形態において、単位容積あたりの平均表面積の変化が領域の長さ全体にわたって漸次的に(例えば、実質的に等しい増分で着実に)生じる。一実施形態において、(例えば、第1のチャンバ内に収容された微粒子材料と、徐々にサイズが増加する粒子状物質の層を含む第1の蓄熱構造の場合)領域における単位容積あたりの平均表面積の変化は実質的に滑らかに生じる。別の実施形態においては、(例えば、第1のチャンバ内に収容された微粒子材料を含み、第1の層と第2の層の粒子状物質のサイズが実質的に異なる第1の蓄熱構造の場合)領域における単位容積あたりの平均表面積の変化は段階的なステップで生じる。各段階的なステップは実質的に同等の長さを有してもよい.
段階的なステップの場合、領域には第1のサブ領域と第2のサブ領域を画定してもよい。第1のサブ領域は第2のサブ領域の単位容積あたりの平均表面積よりも大きな単位容積あたりの平均表面積を有する。一実施形態において、第1のサブ領域は蓄熱構造の長さの少なくとも10%の長さを有する。別の実施形態においては、第1のサブ領域は蓄熱構造の長さの少なくとも20%の長さを有する。チャンバ内に収容された微粒子材料を含む蓄熱構造の場合、第1の領域および第2の領域の少なくとも1つは各層が異なる平均粒度を有する複数の層の粒子状物質を含んでもよい。
【0048】
一実施形態において、領域は第1の蓄熱構造の全長に沿って延びる。
別の実施形態においては、領域は第1の蓄熱構造の長さの一部分に沿って延び、第1の蓄熱構造は最初に画定した領域の単位容積あたりの最小平均表面積よりも大きな単位容積あたりの平均表面積を有するさらなる領域を含む。このように、第1の蓄熱構造は高圧蓄熱手段中において流れを逆にした場合、より短い熱フロントを発生させるように構成してもよい。
【0049】
一実施形態において、さらなる領域は、注入口からの距離が増加するにつれて増加する単位容積あたりの平均表面積を有する。
一実施形態において、さらなる領域の単位容積あたりの平均表面積の変化が領域の長さ全体にわたって漸次的に(例えば、実質的に等しい増分で着実に)生じる。一実施形態において、(例えば、徐々にサイズが増加する粒子状物質の層を有する)領域における単位容積あたりの平均表面積の変化は実質的に滑らかに生じる。別の実施形態においては、(例えば、第1の層と第2の層の粒子状物質のサイズが実質的に異なる)領域における単位容積あたりの平均表面積の変化は段階的なステップで生じる。各段階的なステップは実質的に同等の長さを有してもよい。
【0050】
一実施形態において、さらなる領域がさらなる領域の長手方向に実質的に一定のままである単位容積あたりの平均表面積を有する。
一実施形態において、第1のチャンバは第2のチャンバの有効長さ対幅比よりも大きな有効長さ対幅比を有する。
【0051】
一実施形態において、第1のチャンバの有効長さ対幅比は第2のチャンバの有効長さ対幅比よりも少なくとも10%大きい。
一実施形態において、高圧蓄熱手段は低圧蓄熱手段のボイド率よりも低いボイド率を有する。有利なことに、装置の高圧側においてボイド率を削減すると、高圧貯蔵容器の体積を削減することが可能となる(それによって場合によっては製造コストが削減される)が、高圧側における圧力低下の増加は許容できるものとなる。
【0052】
一実施形態において、高圧蓄熱手段は低圧蓄熱手段のボイド率よりも少なくとも5%低いボイド率を有する。
一実施形態において、高圧蓄熱手段は低圧蓄熱手段のボイド率よりも少なくとも10%低いボイド率を有する。
【0053】
一実施形態において、高圧蓄熱手段は低圧蓄熱手段によって生じた絶対圧力低下の2倍の絶対圧力低下を生じるように構成される。
一実施形態において、高圧蓄熱手段は低圧蓄熱手段によって生じた絶対圧力低下の3倍の絶対圧力低下を生じるように構成される。
【0054】
一実施形態において、高圧蓄熱手段は低圧蓄熱手段によって生じた絶対圧力低下の5倍の絶対圧力低下を生じるように構成される。
一実施形態において、高圧蓄熱手段は低圧蓄熱手段によって生じた絶対圧力低下の10倍の絶対圧力低下を生じるように構成される。
【0055】
一実施形態において、第1の蓄熱構造と第2の蓄熱構造は、実質的に同じ材料、または材料の混合物の場合、実質的に同等の比率の同じ材料を含む。
一実施形態において、第1の蓄熱構造と第2の蓄熱構造は異なる材料または異なる比率の同じ材料を含む。
【0056】
一実施形態において、第1の蓄熱構造は第2の蓄熱構造の単位質量あたりの平均熱容量よりも大きな単位質量あたりの平均熱容量を有する。
一実施形態において、第1の蓄熱構造の単位質量あたりの平均熱容量は第2の蓄熱構造の単位質量あたりの平均熱容量よりも少なくとも10%大きい。
【0057】
一実施形態において、第1の蓄熱構造は第2の蓄熱構造の単位容積あたりの平均熱容量よりも大きな単位容積あたりの平均熱容量を有する。
一実施形態において、第1の蓄熱構造の単位容積あたりの平均熱容量は第2の蓄熱構造の単位容積あたりの平均熱容量よりも少なくとも10%大きい。
【0058】
一実施形態において、第1の蓄熱構造は第2の蓄熱構造の平均密度よりも少なくとも10%大きい平均密度を有する。
一実施形態において、第1の蓄熱手段と第2の蓄熱手段はそれぞれ断熱材を有する。
【0059】
一実施形態において、第1の蓄熱手段および第2の蓄熱手段の一方はその断熱材のほぼすべてをその各々のチャンバ内側に有し、第1の蓄熱手段および第2の蓄熱手段のもう一方はその断熱材のほぼすべてをその各々のチャンバの実質的に外側に有する。
【0060】
本発明の第6の態様によれば、高圧ガス(例えば、蓄積段階時の高圧加熱ガス)を受容するための高圧貯蔵容器であって、第1のガス透過性の蓄熱構造を収容する第1のチャンバを含む高圧蓄熱手段を含む高圧貯蔵容器と、低圧ガスを受容するための低圧貯蔵容器であって、第2のガス透過性の蓄熱構造を収容している第2のチャンバを含む低圧蓄熱手段を含む低圧貯蔵容器と、を含み、高圧蓄熱手段が低圧蓄熱手段のボイド率よりも低いボイド率を有する、エネルギを貯蔵するための装置が提供される。
【0061】
有利なことに、装置の高圧側においてボイド率を低減すると、高圧貯蔵容器の体積を低減することが可能となる(それによって、場合によっては製造コストが削減される)が、高圧側における圧力低下の増加は許容できるものとなる。
【0062】
一実施形態において、高圧蓄熱手段が低圧蓄熱手段のボイド率よりも少なくとも5%低いボイド率を有する。
一実施形態において、高圧蓄熱手段が低圧蓄熱手段のボイド率よりも少なくとも10%低いボイド率を有する。
【0063】
高圧貯蔵容器は低圧貯蔵容器に連結可能であってもよい。一実施形態において、蓄積段階時、低圧蓄熱手段は熱エネルギをガス(例えば、高圧貯蔵容器が受容した低圧ガス)から受容するように構成されている。別の実施形態においては、蓄積段階時、低圧蓄熱手段は熱エネルギをガス(例えば、蓄冷部を発生させるため、低圧貯蔵容器によって受容された膨張低圧ガスに)に伝達するように構成されている。
【0064】
一実施形態において、第1の蓄熱構造は第1のチャンバ内に収容された微粒子材料を含む。
一実施形態において、第2の蓄熱構造は第2のチャンバ内に収容された微粒子材料を含む。
【0065】
一実施形態において、第1の蓄熱構造および第2の蓄熱構造の一方は耐火材(例えば耐火煉瓦)を含み、第1の蓄熱構造および第2の蓄熱構造のもう一方は金属材料を含む。
一実施形態において、第1の蓄熱構造および第2の蓄熱構造の一方が金属材料を含み、第1の蓄熱構造および第2の蓄熱構造のもう一方は天然鉱物材料(例えば砂利などの破砕鉱物)を含む。
【0066】
一実施形態において、微粒子材料は、ガス透過性の構造を形成するために充填された、固体粒子、多孔質媒体、繊維、発泡材料(例えば、金属粒子、鉱物粒子またはセラミック粒子および/または繊維および/または発泡樹脂製品)の少なくとも1つを含む。
【0067】
一実施形態において、第1のチャンバは第2のチャンバの有効長さ対幅比よりも大きな有効長さ対幅比を有する。
一実施形態において、第1のチャンバの有効長さ対幅比は第2のチャンバの有効長さ対幅比よりも少なくとも10%大きい。
【0068】
一実施形態において、高圧蓄熱手段は低圧蓄熱手段によって生じた絶対圧力低下の2倍の絶対圧力低下を生じるように構成される。
一実施形態において、高圧蓄熱手段は低圧蓄熱手段によって生じた絶対圧力低下の3倍の絶対圧力低下を生じるように構成される。
【0069】
一実施形態において、高圧蓄熱手段は低圧蓄熱手段によって生じた絶対圧力低下の5倍の絶対圧力低下を生じるように構成される。
一実施形態において、高圧蓄熱手段は低圧蓄熱手段によって生じた絶対圧力低下の10倍の絶対圧力低下を生じるように構成される。
【0070】
一実施形態において、第1の蓄熱構造と第2の蓄熱構造は、実質的に同じ材料または材料の混合物の場合、実質的に同等の比率の同じ材料を含む。
一実施形態において、第1の蓄熱構造と第2の蓄熱構造は異なる材料または異なる比率の同じ材料を含む。
【0071】
一実施形態において、第1の蓄熱構造は第2の蓄熱構造の単位質量あたりの平均熱容量よりも大きな単位質量あたりの平均熱容量を有する。
一実施形態において、第1の蓄熱構造の単位質量あたりの平均熱容量は第2の蓄熱構造の単位質量あたりの平均熱容量よりも少なくとも10%大きい。
【0072】
一実施形態において、第1の蓄熱構造は第2の蓄熱構造の単位容積あたりの平均熱容量よりも大きな単位容積あたりの平均熱容量を有する。
一実施形態において、第1の蓄熱構造の単位容積あたりの平均熱容量は第2の蓄熱構造の単位容積あたりの平均熱容量よりも少なくとも10%大きい。
【0073】
一実施形態において、第1の蓄熱構造は第2の蓄熱構造の平均密度よりも少なくとも10%大きな平均密度を有する。
一実施形態において、第1の蓄熱手段と第2の蓄熱手段はそれぞれ断熱材を有する。
【0074】
一実施形態において、第1の蓄熱手段および第2の蓄熱手段の一方はその断熱材のほぼすべてをその各々のチャンバ内側に有し、第1の蓄熱手段および第2の蓄熱手段のもう一方はその断熱材のほぼすべてをその各々のチャンバの実質的に外側に有する。
【0075】
本発明の第7の態様によれば、注入口からガス(例えば、蓄積段階時に加熱されたガス)を受容するためのチャンバを含む蓄熱手段が提供される。チャンバはガス透過性の蓄熱構造を収容する。蓄熱構造は注入口からの距離が(例えば、チャンバ内のガスの流れの方向に)増加するにつれて蓄熱構造の単位容積あたりの平均表面積が減少する領域を有する。
【0076】
一実施形態において、蓄熱構造がチャンバ内に収容された微粒子材料を含む。
一実施形態において、微粒子材料は、ガス透過性の構造を形成するために充填された、固体粒子、多孔質媒体、繊維、発泡材料(例えば、金属粒子、鉱物粒子またはセラミック粒子および/または繊維および/または発泡樹脂製品)の少なくとも1つを含む。
【0077】
一実施形態において、領域は蓄熱構造の注入口に実質的に最も近い部分から延びる。
一実施形態において、単位容積あたりの平均表面積の変化が領域の長さ全体にわたって漸次的に(例えば、実質的に等しい増分で着実に)生じる。一実施形態において、(例えば、徐々にサイズが増加する粒子状物質の層を有する)領域における単位容積あたりの平均表面積の変化は実質的に滑らかに生じる。別の実施形態においては、(例えば、第1の層と第2の層の粒子状物質のサイズが実質的に異なる)領域における単位容積あたりの平均表面積の変化は段階的なステップで生じる。各段階的なステップは実質的に同等の長さを有してもよい。
【0078】
段階的なステップの場合、領域には第1のサブ領域と第2のサブ領域を画定してもよい。第1のサブ領域は第2のサブ領域の単位容積あたりの平均表面積よりも大きな単位容積あたりの平均表面積を有する。一実施形態において、第1のサブ領域は蓄熱構造の長さの少なくとも10%の長さを有する。別の実施形態においては、第1のサブ領域は蓄熱構造の長さの少なくとも20%の長さを有する。チャンバ内に収容された微粒子材料を含む蓄熱構造の場合、第1の領域および第2の領域の少なくとも1つが、各層が異なる平均粒度を有する複数の層の粒子状物質を含んでもよい。
【0079】
一実施形態において、領域は蓄熱構造の全長に沿って延びる。
別の実施形態においては、領域は蓄熱構造の長さの一部分に沿って延び、蓄熱構造は、最初に画定した領域の単位容積あたりの最小平均表面積よりも大きな単位容積あたりの平均表面積を有するさらなる領域を含む。
【0080】
一実施形態において、さらなる領域は、注入口からの距離が増加するにつれて増加する単位容積あたりの平均表面積を有する。
一実施形態において、さらなる領域の単位容積あたりの平均表面積の変化は領域の長さ全体にわたって漸次的に生じる(例えば、実質的に等しい増分で着実に)。一実施形態において、(例えば、徐々にサイズが増加する粒子状物質の層を有する)領域における単位容積あたりの平均表面積の変化は実質的に滑らかに生じる。別の実施形態においては、(例えば、第1の層と第2の層の粒子状物質のサイズが実質的に異なる)領域における単位容積あたりの平均表面積の変化は段階的なステップで生じる。各段階的なステップは実質的に同等の長さを有してもよい。
【0081】
一実施形態において、さらなる領域はさらなる領域の長手方向に実質的に一定のままである単位容積あたりの平均表面積を有する。
一実施形態において、蓄熱手段は高圧蓄熱手段である。
【0082】
一実施形態において、蓄熱手段は低圧蓄熱手段である。
本発明の実施形態がここで添付の図面を参照して例として説明される。