(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を、
図1〜
図12に基づいて説明する。
以下、「前面」とは、スロットマシン10において遊技を行う際に遊技者が向き合う面をいい、「右側」とは、スロットマシン10の前面に向き合って遊技を行う遊技者から見て右側をいい、「左側」とは、スロットマシン10の前面に向き合って遊技を行う遊技者から見て左側をいう。
(スロットマシン10)
図1に概略を示すように、遊技機としてのスロットマシン10は、前面に開口部を有する箱型の筐体11を備え、筐体11の前面には、開口部を塞ぐ前扉12を備え、筐体11の内部には、3個の回転リール45を横並びに配置したリールユニット40や、スロットマシン10を制御するための制御装置20や、遊技媒体としてのメダルを払い出すためのホッパーユニット(払出装置)13や、スロットマシン10が備える各装置に電力を供給するための電源ユニットなどを備えている。3個の回転リール45のうち、左側に位置するのが左リール46であり、中央に位置するのが中リール47であり、右側に位置するのが右リール48である。以下、左リール46、中リール47及び右リール48のいずれかを指す場合には、単に、「回転リール45」と称する。
【0016】
また、前扉12の略中央には、前方へ向けて突出する操作部16が設けられ、操作部16の上方には、各回転リール45の周囲に付されている図柄を遊技者に見せるための図柄表示窓15が設けられ、図柄表示窓15の上方には、画像を表示する表示装置55が設けられ、図柄表示窓15及び表示装置55の周囲縁には、演出用ランプ17が設けられている。図柄表示窓15は、
図1に示すように、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄を遊技者に見せるように形成されている。また、この9個の図柄が表示される位置には、図柄の並びを示す入賞ラインが設定されている。本実施の形態では、入賞ラインとして、
図2に示すように、中段の表示位置の3個の図柄を通る中段入賞ラインL1と、左上・中央・右下の表示位置の3個の図柄を通る右下り入賞ラインL2と、左下・中央・右上の表示位置の3個の図柄を通る右上り入賞ラインL3と、左上・中央・右上の表示位置の3個の図柄を通るV字入賞ラインL4と、左下・中央・右下の表示位置の3個の図柄を通る小山入賞ラインL5とが設けられている。入賞ラインは、メダルのベットにより有効となる。以下、有効となった入賞ラインを「有効入賞ライン」と称する。
【0017】
また、操作部16の上面右側には、メダルを投入するためのメダル投入口36が設けられ、操作部16の上面左側には、スロットマシン10に電子的に貯留(クレジット)されているメダルをベットするためのベットスイッチ32が設けられ、操作部16の上面左端付近には、クレジットされているメダルを返却するための精算スイッチ35が設けられ、操作部16の前面左側には、すべての回転リール45の回転を開始させるためのスタートスイッチ33が設けられ、操作部16の前面中央には、回転リール45の回転を停止させるためのものであって各回転リール45にそれぞれ対応している左停止スイッチ56、中停止スイッチ57及び右停止スイッチ58が横並びに設けられている。左停止スイッチ56は左リール46に対応しており、中停止スイッチ57は中リール47に対応しており、右停止スイッチ58は右リール48に対応している。以下、左停止スイッチ56、中停止スイッチ57及び右停止スイッチ58のいずれかを指す場合には、「ストップスイッチ34」と称する。
【0018】
また、前扉12の裏面のメダル投入口36に対応する位置には、メダル投入口36から投入されたメダルを検知するメダルセンサ19が設けられている。
また、前扉12の下部中央には、メダル払出口37が設けられ、メダル払出口37の下方には、メダル受け皿38が設けられている。さらに、前扉12の裏面下部には、スピーカ18が設けられている。
(リールユニット40)
リールユニット40は、横並びに設けた3個の回転リール45と、各回転リール45を回転させるためのものであって各回転リール45にそれぞれ対応しているステッピングモータと、これらを支持するためのフレームとを備えている。各回転リール45の周囲には、
図3に示すように、「赤7」、「青7」、「BAR」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」及び「リプレイ」などの複数種類の図柄が所定の配列で合計21個付されている。また、各ステッピングモータの出力軸には、対応する回転リール45がそれぞれ固定されている。
【0019】
また、ステッピングモータは、パルス信号によって駆動するものであって、入力されるパルス信号のパターンによって、加速・定速・減速のパターンが決まる。また、ステッピングモータは、一のパルス信号の入力により、回転リール45の周囲に付された図柄1個分に相当する量駆動する。ステッピングモータが図柄1個分に相当する量駆動すると、対応する回転リール45が、周囲に付された図柄1個分に相当する量回転する(1コマ回転する)。
また、各回転リール45には、インデックスセンサにより検知されるインデックスが設けられており、インデックスが検知されてからのステッピングモータのパルス数により回転リール45の回転位置及び停止位置を特定できるようになっている。
【0020】
(制御装置20)
制御装置20は、
図4に示すように、主として遊技を制御する遊技制御装置21と、遊技制御装置21からの信号を受信して、主として遊技の演出を制御する演出制御装置22とを備えている。
遊技制御装置21は、メイン基板などとも呼ばれるものであって、CPU、RAM、ROM、及びI/Oなどを備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。CPUがROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、遊技制御装置21を構成するマイクロコンピュータが、役の抽選(役抽選)、回転リール45の回転・停止及びメダルの払い出しなどの遊技の進行を制御する遊技制御手段60として機能する。具体的には、遊技制御手段60は、
図4に示すように、役抽選手段100、当選フラグ制御手段105、回転制御手段110、停止制御手段120、停止図柄判定手段130、払出制御手段135、遊技状態移行制御手段140及び再遊技役抽選状態制御手段150などを備えている。遊技制御装置21の入力手段としては、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33、ストップスイッチ34、精算スイッチ35、メダルセンサ19及びリールユニット40の各回転リール45のインデックスセンサなどが接続され、遊技制御装置21の出力手段としては、リールユニット40のステッピングモータや、ホッパーユニット13などが接続されている。
【0021】
また、演出制御装置22は、サブ基板などとも呼ばれるものであって、遊技制御装置21と同様に、CPU、RAM、ROM、及びI/Oなどを備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。CPUがROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、演出制御装置22を構成するマイクロコンピュータが、役抽選の結果や、遊技の進行に応じて遊技の演出を制御する演出制御手段160として機能する。演出制御装置22の入力手段としては、遊技制御装置21が接続され、演出制御装置22の出力手段としては、表示装置55や、演出用ランプ17や、スピーカ18などが接続されている。
また、遊技制御装置21と演出制御装置22との間における信号の送受信は、遊技制御装置21における役抽選に関するデータ等の内部データの信頼性を担保すべく、一方通行となるように形成されている。
【0022】
(役)
本実施の形態では、役として、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、遊技状態がボーナス状態(特別状態)であるボーナス遊技へ移行するボーナス役(特別役)と、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルが払い出される小役と、有効入賞ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示されることにより、メダルの払い出しはないがメダルを新たに投入することなく前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる再遊技を実行させる再遊技役とがある。
【0023】
ボーナス役としては、
図5に示すように、CBB役と、CB役とがある。CBB役は、「赤7」「赤7」「赤7」の図柄の組み合わせに対応している。CB役は、「ベル」「ベル」「赤7」の図柄の組み合わせに対応している。なお、ボーナス役としてはこれに限られるものではない。
小役としては、
図5に示すように、第1小役〜第14小役がある。第1小役は、「ベル」「ベル」「ベル」の図柄の組み合わせに対応している。第2小役(第2の小役)は、「スイカ」「スイカ」「スイカ」の図柄の組み合わせに対応している。第3小役(第2の小役)は、「ベル」「スイカ」「スイカ」の図柄の組み合わせに対応している。第4小役(第2の小役)は、「BAR」「スイカ」「スイカ」の図柄の組み合わせに対応している。第5小役(第2の小役)は、「赤7」「スイカ」「スイカ」の図柄の組み合わせに対応している。第6小役(第2の小役)は、「青7」「スイカ」「スイカ」の図柄の組み合わせに対応している。第7小役(第2の小役)は、「リプレイ」「スイカ」「スイカ」の図柄の組み合わせに対応している。第8小役(第1の小役)は、「スイカ」「リプレイ」「スイカ」の図柄の組み合わせに対応している。第9小役(第1の小役)は、「ベル」「リプレイ」「スイカ」の図柄の組み合わせに対応している。第10小役(第1の小役)は、「BAR」「リプレイ」「スイカ」の図柄の組み合わせに対応している。第11小役(第1の小役)は、「赤7」「リプレイ」「スイカ」の図柄の組み合わせに対応している。第12小役(第1の小役)は、「青7」「リプレイ」「スイカ」の図柄の組み合わせに対応している。第13小役(第1の小役)は、「リプレイ」「リプレイ」「スイカ」の図柄の組み合わせに対応している。第14小役(第1の小役)は、「チェリー」「リプレイ」「スイカ」の図柄の組み合わせに対応している。
【0024】
第1小役に対しては払い出し枚数が9枚に設定され、第2小役〜第7小役のそれぞれに対しては払い出し枚数が15枚(n個)に設定され、第8小役〜第14小役のそれぞれに対しては払い出し枚数が14枚(m個)に設定されている。
再遊技役は、
図5に示すように、「リプレイ」「リプレイ」「リプレイ」の図柄の組み合わせに対応している。なお、再遊技役としてはこれに限られるものではない。
また、本実施の形態では、1回の遊技を開始するためにベット可能なメダルの数である規定数が遊技状態に応じて予め定められている。本実施の形態では、遊技状態として、通常状態と、RT状態と、内部中状態と、ボーナス状態とを備えている。そして、ボーナス状態では、2枚のメダルのベットにより、1回の遊技を開始することができるようになっている。一方、通常状態、RT状態及び内部中状態では、3枚のメダルのベットにより、1回の遊技を開始することができるようになっている。ここで、「メダルのベット」には、ベットスイッチ32の操作によるメダルのベット及びメダル投入口36からのメダルのベットのいずれをも含むものである。
【0025】
また、本実施の形態では、有効となる入賞ラインが遊技状態に応じて予め定められている。通常状態、RT状態及び内部中状態では、3枚のメダルのベットにより、右下り入賞ラインL2、右上り入賞ラインL3、V字入賞ラインL4及び小山入賞ラインL5のみが有効となるものとなっている。一方、ボーナス状態では、2枚のメダルのベットにより、中段入賞ラインL1のみが有効となるものとなっている。このように、本実施の形態では、遊技状態(言い換えればベット数)に応じて有効となる入賞ラインが可変するが、遊技状態と有効となる入賞ラインとの関係は、図柄の配列や、後述する停止制御など、その遊技機の仕様に応じて適宜設定可能である。
【0026】
(役抽選手段100)
役抽選手段100は、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選を行うものである。役抽選手段100は、スタートスイッチ33の操作を契機に、特に図示しないループカウンタの数値を読み取り、この数値と、ループカウンタがカウントする数値を全領域として各役の当選領域及びハズレの領域を規定した当選判定テーブルとを比較して、役の当否を決定する。
当選領域としては、一の役に対応付けられた当選領域である単独当選領域の他に、複数種類の役に対応付けられた重複当選領域を設定することができる。
【0027】
当選判定テーブルとしては、通常当選判定テーブル、RT当選判定テーブル、非RT内部中当選判定テーブル、RT内部中当選判定テーブル、非RT中ボーナス当選判定テーブル及びRT中ボーナス当選判定テーブルなどがある。なお、当選判定テーブルとしてはこれに限られるものではない。
当選判定テーブルは、現在の遊技状態及び再遊技役の抽選状態に基づいて、選択されるものとなっている。本実施の形態では、ボーナス状態として、CBB状態と、CB状態とが設けられている。また、再遊技役の抽選状態として、低確率状態及び高確率状態が設けられている。具体的には、遊技状態が通常状態でかつ再遊技役の抽選状態が低確率状態である遊技においては通常当選判定テーブルが選択され、遊技状態がRT状態でかつ再遊技役の抽選状態が高確率状態である遊技においてはRT当選判定テーブルが選択されるものとなっている。また、遊技状態が内部中状態でかつ再遊技役の抽選状態が低確率状態である遊技においては非RT内部中当選判定テーブルが選択され、遊技状態が内部中状態でかつ再遊技役の抽選状態が高確率状態である遊技においてはRT内部中当選判定テーブルが選択されるものとなっている。また、遊技状態がCBB状態でかつ再遊技役の抽選状態が低確率状態である遊技においては非RT中ボーナス当選判定テーブルが選択され、遊技状態がCBB状態でかつ再遊技役の抽選状態が高確率状態である遊技においてはRT中ボーナス当選判定テーブルが選択されるものとなっている。
【0028】
通常当選判定テーブル及びRT当選判定テーブルには、
図6に示すように、CBB役の単独当選領域、CB役の単独当選領域、第1小役の単独当選領域、第2小役〜第14小役の重複当選領域、及び、再遊技役の単独当選領域が設定されている。
非RT内部中当選判定テーブル及びRT内部中当選判定テーブルは、ボーナス役(CBB役及びCB役)の当選領域が存在しないように、すなわちボーナス役が役抽選の抽選対象から除外されるように設定されている。
非RT中ボーナス当選判定テーブル及びRT中ボーナス当選判定テーブルには、
図7に示すように、すべての小役(第1役〜第14役)及びCB役の重複当選領域、すべての小役、再遊技役及びCB役の重複当選領域、すべての小役及び再遊技役の重複当選領域、並びに、すべての小役の重複当選領域が設定されている。
【0029】
ここで、CBB状態は、後述するように、CBB役に対応した図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件として移行するものとなっている。そして、本実施の形態では、CBB役の当選時における再遊技役の抽選確率がCBB状態においても引き継がれるものとなっている。
具体的には、通常当選判定テーブル及び非RT内部中当選判定テーブルでは、
図8(A)及び(C)に示すように、再遊技役の抽選確率は、8978/65536に設定されている。さらに、非RT中ボーナス当選判定テーブルでは、すべての小役、再遊技役及びCB役の重複当選領域、並びに、すべての小役及び再遊技役の重複当選領域の抽選確率は、
図8(E)に示すように、それぞれ、4489/65536に設定されており、これらを合計すると、8978/65536となる。すなわち、非RT中ボーナス当選判定テーブルでは、再遊技役の抽選確率は、通常当選判定テーブル及び非RT内部中当選判定テーブルと同一に設定されているが、そのうちの一部が、すべての小役及びCB役との重複当選領域に設定され、他の一部が、すべての小役との重複当選領域に設定されている。
【0030】
同様に、RT当選判定テーブル及びRT内部中当選判定テーブルでは、
図8(B)及び(D)に示すように、再遊技役の抽選確率は、50000/65536に設定されている。さらに、RT中ボーナス当選判定テーブルでは、再遊技役の抽選確率は、RT当選判定テーブル及びRT内部中当選判定テーブルと同一に設定されているが、そのうちの一部が、すべての小役及びCB役との重複当選領域に設定され、他の一部が、すべての小役との重複当選領域に設定されている(
図8(F)参照)。
また、本実施の形態では、役抽選手段100は、遊技状態がCB状態である遊技では、役抽選を行わないものとなっている。なお、CB状態においても、CBB役及びCB役を除く役を対象にして役抽選を行うようにしてもよい。
【0031】
(当選フラグ制御手段105)
当選フラグ制御手段105は、役抽選で当選した役に対応する当選フラグを非内部当選状態から内部当選状態に設定するものである。
当選フラグには、ボーナス役に対応するボーナス当選フラグ(CBB当選フラグ及びCB当選フラグ)と、小役に対応する小役当選フラグ(第1小役当選フラグ〜第14小役当選フラグ)と、再遊技役に対応する再遊技当選フラグとがある。
そして、CB当選フラグ、小役当選フラグ及び再遊技当選フラグは、当選した遊技においてのみ内部当選状態となるものの、CBB当選フラグは、次の遊技へ持ち越すことができるものとなっており、CBB役に対応した図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されることにより非内部当選状態にリセットされるものとなっている。
【0032】
また、当選フラグ制御手段105は、遊技状態がボーナス状態である遊技においては、役抽選の結果に関わらず、すべての小役当選フラグ(第1小役当選フラグ〜第14小役当選フラグ)が内部当選状態となるように、小役当選フラグの設定状態を制御する。遊技状態がCBB状態である遊技では、上述の如く、役抽選によりすべての小役に必ず当選するので、当選フラグ制御手段105は、すべての小役当選フラグを内部当選状態に設定する。遊技状態がCB状態である遊技では、上述の如く、役抽選は行われないが、当選フラグ制御手段105は、すべての小役当選フラグを内部当選状態に設定する。
そして、本実施の形態に係るCBB状態では、役抽選の結果に応じて、下記の(A)〜(D)の4つのフラグ状態を設定可能となっている。
【0033】
(A)すべての小役当選フラグ及びCB当選フラグのみが内部当選状態に設定されたフラグ状態
(B)すべての小役当選フラグ、再遊技当選フラグ及びCB当選フラグが内部当選状態に設定されたフラグ状態
(C)すべての小役当選フラグ及び再遊技当選フラグのみが内部当選状態に設定されたフラグ状態
(D)すべての小役当選フラグのみが内部当選状態に設定されたフラグ状態
上記各フラグ状態が発生する発生確率は、当然のことではあるが、非RT中ボーナス当選判定テーブル及びRT中ボーナス当選判定テーブルのそれぞれにおける当選領域の抽選確率と同一となっている(
図8及び
図9参照)。また、各テーブルにおける、上記(A)及び(B)のそれぞれのフラグ状態の発生確率の合計と、上記(C)及び(D)のそれぞれのフラグ状態の発生確率の合計とは、等しいものとなっている(
図8及び
図9参照)。
【0034】
なお、ボーナス状態においては、すべての小役当選フラグを内部当選状態に設定しなくてもよく、予め定められていれば、一部の小役当選フラグのみを内部当選状態に設定するようにすることができる。
ここで、遊技制御手段60は、当選フラグの内部当選状態(役抽選の結果)を示す情報を演出制御装置22へ送信する。
(回転制御手段110)
回転制御手段110は、回転リール45の回転駆動を制御するものである。回転制御手段110は、スタートスイッチ33の操作を契機として、3個すべての回転リール45の回転を開始させて、その回転速度が所定の定常速度に達するまで加速させて、その回転速度が所定の定常速度に達したときには、回転リール45を所定の定常速度で定速回転させる。
【0035】
(停止制御手段120)
停止制御手段120は、当選フラグの設定状態及びストップスイッチ34が操作された時点における対応する回転リール45の回転位置に基づいて、回転リール45の回転を適位置で停止させるものである。
停止制御手段120は、各ストップスイッチ34が操作された際における対応する回転リール45の回転位置を、対応するインデックスが検知されてから対応するストップスイッチ34が操作されるまでの間における対応するステッピングモータのステップ数で特定しつつ、ストップスイッチ34が操作された時点で、有効入賞ライン上に直ちに停止できる図柄(すなわち、回転リール45の回転位置)を基準として、この図柄から回転方向に予め定められた個数(最大スベリコマ数、本実施の形態では4コマ)移動した図柄までの範囲内(具体的にはストップスイッチ34が操作されてから190msec以内)で、対応する回転リール45を停止させる。ここで、「コマ」とは、回転リール45の回転量であって、回転リール45の周囲に付された図柄1個分に相当する量を意味するものである。
【0036】
また、停止制御手段120は、いずれかの当選フラグが内部当選状態に設定されている場合には、各回転リール45の回転を停止させるに際し、内部当選状態に設定されている役に対応した図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に極力揃うように、かつ、非内部当選状態に設定されている役に対応した図柄の組み合わせについてはいずれの有効入賞ライン上にも揃わないように、引き込み制御及び蹴飛ばし制御を行い、一方、いずれの当選フラグも内部当選状態に設定されていない場合には、各回転リール45の回転を停止させるに際し、いずれの有効入賞ライン上にも、いずれの役に対応した図柄の組み合わせも揃わないように、蹴飛ばし制御を行う。
【0037】
また、本実施の形態では、複数の当選フラグが内部当選状態に設定される場合があり、このような場合に引き込み制御において、内部当選状態に設定されている複数の役のうちいずれの役に対応した図柄を優先して引き込むかを予め設定している。具体的には、引き込み優先順位を、「再遊技役」>「小役」>「ボーナス役」に設定している。さらに、小役間の引き込み優先順位として、払い出し数優先と、組み合わせ数優先との2種類の優先順位が設定されている。払い出し数優先とは、払い出し枚数が多いほど優先順位が高くなるように設定されたものである。組み合わせ数優先とは、有効入賞ライン上に停止表示される図柄の組み合わせの数が多いほど優先順位が高くなるように設定されたものである。なお、払い出し数優先においては、同一の払い出し枚数の小役に重複して当選した場合には、それらの小役の引き込み優先順位は同一となる。また、引き込み優先順位は、これに限られるものではない。
【0038】
そして、本実施の形態では、停止制御手段120は、引き込み制御及び蹴飛ばし制御を、回転リール45の停止位置を予め定めた停止テーブルを参照して制御を行うテーブル制御により行うものとなっている。停止テーブルには、フラグ状態(当選フラグの設定状態)、ストップスイッチ34の操作のタイミング、ストップスイッチ34の操作順序、既に停止している回転リール45の停止位置(言い換えれば有効入賞ライン上に停止している図柄の種類)、引き込み優先順位などに応じて、回転リール45の停止位置が設定されている。
また、本実施形態では、停止制御手段120は、遊技状態がボーナス状態である場合には、左リール46を1コマ以内(具体的には左停止スイッチ56が操作されてから75msec以内)で停止させる。すなわち、ボーナス状態において参照される左リール46の停止テーブルは、左停止スイッチ56が操作された時点における左リール46の回転位置から1コマ以内の位置が停止位置として決定されるように設定されている。なお、ボーナス状態において、中リール47及び右リール48については、停止制御手段120は、上述したものと同様に、最大スベリコマ数(4コマ)の範囲内で停止させる。
【0039】
また、本実施形態では、遊技状態がボーナス状態である場合にのみ、引き込み優先順位を上述したものとは異なるものに設定している。具体的には、ボーナス状態における引き込み優先順位を、「小役」>「再遊技役」>「ボーナス役」に設定している。小役間の引き込み優先順位については、上述したものと同様となっている。なお、引き込み優先順位を、「小役」>「ボーナス役」>「再遊技役」に設定してもよい。
また、停止制御手段120は、リールユニット40の各ステッピングモータへのパルス信号の供給を停止することにより、回転リール45の回転を適位置で停止させる。
(CBB状態における停止制御)
つぎに、CBB状態における停止制御について説明する。
【0040】
本実施の形態では、左リール46には、特に図示していないが、左停止スイッチ56がいずれのタイミングで操作されても有効入賞ラインに対して「スイカ」、「ベル」、「BAR」、「赤7」、「青7」及び「リプレイ」の図柄のうちのいずれかが1コマ以内に位置するように配列されている。このため、CBB状態では、左停止スイッチ56の操作のタイミングに関わらず、「スイカ」、「ベル」、「BAR」、「赤7」、「青7」及び「リプレイ」の図柄のうちいずれかを有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。
また、中リール47には、特に図示していないが、「スイカ」の図柄が4コマ以内の間隔で配列されているとともに、「リプレイ」の図柄が4コマ以内の間隔で配列されている。このため、中リール47における「スイカ」及び「リプレイ」の図柄のそれぞれについては、中停止スイッチ57の操作のタイミングに関わらず、有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。
【0041】
また、右リール48には、特に図示していないが、「スイカ」の図柄が4コマ以内の間隔で配列されている。このため、右リール48における「スイカ」の図柄については、右停止スイッチ58の操作のタイミングに関わらず、有効入賞ライン上に停止表示させることができるようになっている。
また、本実施の形態では、CBB状態において設定可能な上記した(A)〜(D)の4つのフラグ状態のそれぞれに対して、ストップスイッチ34の操作順序が割り当てられており、割り当てられている操作順序が特定の操作順序となっている。具体的には、上記(A)及び(B)のフラグ状態に対しては、中停止スイッチ57を最初に操作する順序が特定の操作順序として割り当てられており、上記(C)及び(D)のフラグ状態に対しては、右停止スイッチ58を最初に操作する順序が特定の操作順序として割り当てられている。
【0042】
そして、本実施の形態では、停止制御手段120は、
図9に示すように、遊技状態がCBB状態で、かつ、上記(A)のフラグ状態(所定のフラグ状態)の遊技において、中停止スイッチ57を最初に操作する順序(特定の操作順序)で各ストップスイッチ34が操作された場合には、組み合わせ数優先により(具体的には中リール47において「スイカ」の図柄に優先して「リプレイ」の図柄を優先して引き込むことにより)、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、第8小役〜第14小役のいずれかに対応した図柄の組み合わせが中段入賞ラインL1(特定の有効入賞ライン)上に停止表示されるように、回転リール45の回転を停止させる。すなわち、この場合に参照される停止テーブルには、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、第8小役〜第14小役のいずれかに対応した図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されるように、特に、中リール47に関しては、中停止スイッチ57の操作のタイミングに関わらず「リプレイ」の図柄が有効入賞ライン上に停止表示されるように、回転リール45の停止位置が設定されている。また、同遊技において、左停止スイッチ56又は右停止スイッチ58を最初に操作する順序(特定の操作順序以外の操作順序)で各ストップスイッチ34が操作された場合には、払い出し数優先により(具体的には中リール47において「リプレイ」の図柄に優先して「スイカ」の図柄を優先して引き込むことにより)、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、第2小役〜第7小役のいずれかに対応した図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されるように、回転リール45の回転を停止させる。
【0043】
また、遊技状態がCBB状態で、かつ、上記(B)のフラグ状態(所定のフラグ状態)の遊技における停止制御については、
図9に示すように、上記した、遊技状態がCBB状態で、かつ、上記(A)のフラグ状態の遊技における停止制御と同一である。なお、停止テーブルについては、これらの2つのフラグ状態において、共通のものとすることもできるし、別々のものとすることもできる。
また、停止制御手段120は、
図9に示すように、遊技状態がCBB状態で、かつ、上記(C)のフラグ状態(所定のフラグ状態)の遊技において、右停止スイッチ58を最初に操作する順序(特定の操作順序)で各ストップスイッチ34が操作された場合には、組み合わせ数優先により(具体的には中リール47において「スイカ」の図柄に優先して「リプレイ」の図柄を優先して引き込むことにより)、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、第8小役〜第14小役のいずれかに対応した図柄の組み合わせが中段入賞ラインL1(特定の有効入賞ライン)上に停止表示されるように、回転リール45の回転を停止させる。すなわち、この場合に参照される停止テーブルには、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、第8小役〜第14小役のいずれかに対応した図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されるように、回転リール45の停止位置が設定されている。また、同遊技において、左停止スイッチ56又は中停止スイッチ57を最初に操作する順序(特定の操作順序以外の操作順序)で各ストップスイッチ34が操作された場合には、払い出し数優先により(具体的には中リール47において「リプレイ」の図柄に優先して「スイカ」の図柄を優先して引き込むことにより)、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、第2小役〜第7小役のいずれかに対応した図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されるように、回転リール45の回転を停止させる。
【0044】
また、遊技状態がCBB状態で、かつ、上記(D)のフラグ状態(所定のフラグ状態)の遊技における停止制御については、
図9に示すように、上記した、遊技状態がCBB状態で、かつ、上記(C)のフラグ状態の遊技における停止制御と同一である。なお、停止テーブルについては、これらの2つのフラグ状態において、共通のものとすることもできるし、別々のものとすることもできる。
なお、本実施の形態では、
図9に示すフラグ状態の発生確率に示すように、特定の操作順序が、中停止スイッチ57を最初に操作する順序となる確率と、右停止スイッチ58を最初に操作する順序となる確率とは、同一となっている。
【0045】
(停止図柄判定手段130)
停止図柄判定手段130は、すべての回転リール45の回転が停止した際に、有効入賞ライン上に停止表示された図柄の組み合わせを判定するものである。停止図柄判定手段130により、たとえば再遊技役に対応した図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたと判定されると、遊技制御手段60は、再遊技を実行する制御、具体的には当該遊技においてベットされたメダル数と同数のメダルを自動的にベットする制御を行う。
ここで、遊技制御手段60は、判定結果を示す情報を演出制御装置22へ送信する。
(払出制御手段135)
払出制御手段135は、ホッパーユニット13によるメダルの払い出しを制御するものである。払出制御手段135は、停止図柄判定手段130により、小役に対応した図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたと判定された場合に、当該小役に応じて予め定められたメダルが払い出されるようにホッパーユニット13を制御する。たとえば、第2小役〜第7小役のいずれかに対応した図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたと判定された場合に、払出制御手段135は、当該役に応じて予め定められた15枚のメダルが払い出されるようにホッパーユニット13を制御する。また、たとえば、第8小役〜第14小役のいずれかに対応した図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたと判定された場合に、払出制御手段135は、当該役に応じて予め定められた14枚のメダルが払い出されるようにホッパーユニット13を制御する。
【0046】
ここで、遊技制御手段60は、払い出したメダルの枚数を示す情報を演出制御装置22へ送信する。
(遊技状態移行制御手段140)
遊技状態移行制御手段140は、複数の遊技状態の間で遊技状態の移行を制御するものである。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
【0047】
上述の如く、本実施の形態では、遊技状態として、通常状態と、RT状態と、内部中状態と、ボーナス状態(特別状態)とが設けられ、ボーナス状態として、CBB状態と、CB状態とが設けられている。なお、遊技状態としては、これに限られるものではない。
初期状態においては、通常状態に設定される。また、通常状態は、RT状態において第1の移行条件が成立したことにより、又は、ボーナス状態において後述するボーナス終了条件が成立したことにより、すなわちこれを契機として移行する。
RT状態は、通常状態において第2の移行条件が成立したことにより、又は、ボーナス状態において後述するボーナス終了条件が成立したことにより移行する。
【0048】
ここで、第1及び第2の移行条件は互いに異なる条件であり、移行条件としては、たとえば、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことや、予め定められた所定の遊技回数が経過したことなどとすることができる。また、この所定の図柄の組み合わせは、役に対応したものとすることもできるし、いずれの役にも対応しないものとすることもできる。
内部中状態は、CBB役に当選した遊技においてCBB役に対応した図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されなかったことを条件として移行する。
CBB状態は、CBB役に対応した図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件として移行する。そして、CBB状態では、左リール46を1コマ以内で停止させる停止制御が行われるとともに、役抽選の結果に関わらず、すべての小役の当選フラグを内部当選状態に設定する制御が行われるCB遊技がボーナス終了条件の成立まで連続して行なわれるように制御が行われる。さらに、CBB状態では、上述の如く、CB役などを対象とした役抽選が行われ、これによって、上述した(A)〜(D)のフラグ状態が発生するものとなっている。本実施の形態では、CBB状態におけるボーナス終了条件は、この状態において予め定められた払い出し数(本実施の形態では29枚(k=2、p=1))を超えるメダルを払い出したこととされており、このボーナス終了条件の成立により、遊技状態移行制御手段140は、再遊技役の抽選状態が低確率状態であれば遊技状態を通常状態へ移行させ、再遊技役の抽選状態が高確率状態であれば遊技状態をRT状態へ移行させる。
【0049】
CB状態は、CB役に対応した図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件として移行する。上述の如く、CB状態では、左リール46を1コマ以内で停止させる停止制御が行われるとともに、役抽選が行われなず、すべての小役の当選フラグを内部当選状態に設定する制御が行われる。本実施の形態では、CB状態におけるボーナス終了条件は、この状態において1回の遊技を消化したこととされており、このボーナス終了条件の成立により、遊技状態移行制御手段140は、再遊技役の抽選状態が低確率状態であれば遊技状態を通常状態へ移行させ、再遊技役の抽選状態が高確率状態であれば遊技状態をRT状態へ移行させる。
【0050】
ここで、遊技制御手段60は、現在の遊技状態を示す情報を演出制御装置22へ送信する。
(再遊技役抽選状態制御手段150)
再遊技役抽選状態制御手段150は、再遊技役の抽選状態を制御するものである。上述の如く、本実施の形態では、再遊技役の抽選状態として、低確率状態と、高確率状態とが設けられている。
初期状態においては、低確率状態に設定される。また、低確率状態は、RT状態において前記第1の移行条件が成立したことにより、すなわちこれを契機として設定される。
高確率状態は、通常状態において前記第2の移行条件が成立したことにより設定される。
【0051】
ここで、第1及び第2の移行条件は、上記したRT状態から通常状態への遊技状態の移行条件及び通常状態からRT状態への遊技状態の移行条件とそれぞれ同一である。
なお、本実施の形態では、CBB役に当選したこと、CBB役に対応した図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたこと(遊技状態がCBB状態であるCBB遊技の開始)、及び、CBB状態において前記ボーナス終了条件が成立したこと(CBB遊技の終了)が再遊技役の抽選状態の変動契機となっていない。
ここで、遊技制御手段60は、現在の再遊技役の抽選状態を示す情報を演出制御装置22へ送信する。
【0052】
(演出制御手段160)
演出制御手段160は、表示装置55や演出用ランプ17やスピーカ18を制御して、役抽選の結果や、遊技の進行に応じて、遊技の演出の実行を制御するものである。具体的には、演出制御手段160は、表示装置55に特定の画像を表示させたり、演出用ランプ17を点灯又は点滅させたり、スピーカ18から所定の音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げる演出を実行する。
また、本実施の形態では、演出制御装置22には、演出状態として、AT状態が設けられている。AT状態は、役抽選の結果に関する情報を遊技者に対して報知する報知演出を実行する状態である。役抽選の結果に関する情報(報知の内容)としては、当選した役の情報や、当選した役に対応した図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させるための3個のストップスイッチ34の操作順序(押し順)などがある。
【0053】
遊技者は、たとえば当選した小役が報知されると、当選した小役に対応した図柄が有効入賞ライン上に停止するようタイミングを図ってストップスイッチ34を操作することにより、報知がない場合と比較してより多くの小役を有効入賞ライン上に停止表示させることができ、ひいてはより多くの枚数のメダルを獲得することができる。このため、演出状態がAT状態であるAT遊技は、通常遊技(演出状態がAT状態でなくかつ遊技状態が通常状態である遊技)よりも遊技者にとって有利な遊技(有利遊技)となっている。
そして、本実施の形態では、演出制御手段160は、
図4に示すように、AT状態制御手段170及び報知演出実行手段180などを備えている。
【0054】
(AT状態制御手段170)
AT状態制御手段170は、AT状態を制御するものである。AT状態制御手段170は、所定のAT開始条件(AT抽選で当選、AT抽選で当選後所定の遊技回数の経過など)が成立した場合に、演出制御装置22のRAMにおける所定の記憶領域にATフラグを成立させることにより、演出状態をAT状態に設定する。
また、AT状態制御手段170は、所定のAT終了条件が成立した場合に、ATフラグを消去して、AT状態を終了する。AT終了条件としては、所定の遊技回数の経過、所定の遊技回数を1セットとするセット数の消化、1セット毎に行う継続抽選の結果がハズレとなった、1セット毎に行うミッションの不達成などとすることができる。
【0055】
また、AT状態制御手段170は、演出状態がAT状態である遊技において、役抽選によりCBB役に当選した場合には、AT状態を中断し、CBB遊技が終了した後、次の遊技からAT状態を再開する。
なお、AT状態は、RT状態において実行されるように制御するようにしてもよい。
(報知演出実行手段180)
報知演出実行手段180は、報知演出を実行するものである。報知演出実行手段180は、AT状態において、報知演出を実行する。
また、報知演出実行手段180は、上述した(A)〜(D)のいずれかのフラグ状態のCBB遊技において、14枚払出報知演出(報知演出)又は15枚払出報知演出を実行する。14枚払出報知演出は、第8小役〜第14小役のいずれかに対応した図柄の組み合わせを中段入賞ラインL1上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作順序(特定の操作順序)を遊技者に報知するものである。15枚払出報知演出は、第2小役〜第7小役のいずれかに対応した図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させるためのストップスイッチ34の操作順序(特定の操作順序以外の操作順序)を遊技者に報知するものである。
【0056】
報知演出実行手段180は、一のCBB遊技において、原則として1回だけ14枚払出報知演出を実行し、その後は15枚払出報知演出を実行する。報知演出に従ってストップスイッチ34を操作することにより、遊技者は、一のCBB遊技において、44枚(=15×2+14)の払い出しを受けることができるようになる。
たとえば、報知演出実行手段180は、一のCBB遊技において14枚払出報知演出を実行したことを示す実行フラグ、又は、14枚のメダルを1回の遊技において払い出したことを示す14枚払出フラグを演出制御装置22のRAMにおける所定の記憶領域に成立させることができる。これにより、CBB遊技において報知演出を実行する際に、実行フラグ又は14枚払出フラグが成立していれば15枚払出報知演出を実行し、成立していなければ14枚払出報知演出を実行するようにすることができる。
【0057】
そして、報知演出実行手段180は、AT状態において役抽選によりCBB役に当選した場合には、上述した(A)〜(D)のいずれかのフラグ状態のCBB遊技において、14枚払出報知演出又は15枚払出報知演出を実行する。なお、この場合には、15枚払出報知演出を設けずに14枚払出報知演出のみを実行するようにしてもよい。このようにした場合には、報知演出が実行されないときには、遊技者は、左停止スイッチ56を最初に操作する順序で各ストップスイッチ34を操作するようにすることで、一のCBB遊技において、44枚の払い出しを受けることができるようになる。
一方で、演出状態がAT状態ではない遊技において役抽選によりCBB役に当選した場合には、CBB遊技において、所定の抽選により、14枚払出報知演出又は15枚払出報知演出を実行する。報知演出が実行されなければ、遊技者は特定の操作順序が分からないので、一のCBB遊技において、30枚(=15×2)又は44枚の払い出しを受けることができるようになる。なお、この場合には、報知演出を一切実行しないようにしてもよい。
【0058】
(スロットマシン10の動作)
以下、
図10〜
図12に示すフローチャートに基づいて、本実施の形態に係るスロットマシン10におけるCBB遊技の動作の概略を説明する。
図10に示すステップ100において、スタートスイッチ33が操作されたか否かが判断される。ここで、操作されたと判断されると、ステップ101に進む。一方、操作されていないと判断されると、再度ステップ100となる。
ステップ101において、役抽選手段100により、役抽選が行われる。そして、次のステップ102に進む。
【0059】
ステップ102において、当選フラグ制御手段105により、当選フラグを内部当選状態に設定するフラグ設定処理が行われる。そして、次のステップ103に進む。
ステップ103において、回転制御手段110により、すべての回転リール45の回転が開始される。そして、次のステップ104に進む。
ステップ104において、停止制御手段120により、操作されたストップスイッチ34に対応する回転リール45の回転を停止させるリール停止処理が行われる。この処理は、上述した「CBB状態における停止制御」の項で説明した通りである。すなわち、フラグ状態に対して割り当てられている特定の操作順序で各ストップスイッチ34が操作された場合には、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、第8小役〜第14小役のいずれかに対応した図柄の組み合わせが中段入賞ラインL1上に停止表示されるように、回転リール45の回転を停止させ、特定の操作順序以外の操作順序で各ストップスイッチ34が操作された場合には、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、第2小役〜第7小役のいずれかに対応した図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されるように、回転リール45の回転を停止させる。そして、次のステップ105に進む。
【0060】
ステップ105において、すべての回転リール45の回転が停止したか否かが判断される。ここで、停止したと判断されると、ステップ106に進む。一方、停止していないと判断されると、ステップ104に戻る。
ステップ106において、停止図柄判定手段130により、有効入賞ライン上に停止表示された図柄の組み合わせを判定する停止表示図柄判定処理が行われる。そして、次のステップ107に進む。
ステップ107において、遊技制御手段60により、停止表示された図柄の組み合わせに応じた処理が行われる。たとえば、第2小役〜第7小役のいずれかに対応した図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合には、払出制御手段135により、15枚のメダルの払い出しが行われ、第8小役〜第14小役のいずれかに対応した図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示された場合には、払出制御手段135により、14枚のメダルの払い出しが行われる。そして、CBB状態においては、払い出した枚数の累計が所定のカウンタによりカウントされる。そして、次のステップ108に進む。
【0061】
ステップ108において、遊技状態移行制御手段140により、遊技状態に関する処理である状態処理が行われる。そして、1回の遊技に係る処理が終了する。
次に、上述したステップ102のフラグ設定処理について説明する。
図11に示すステップ200において、すべての小役及びCB役にのみ当選したか否かが判断される。ここで、当選したと判断されると、ステップ201に進む。一方、当選していないと判断されると、ステップ202に進む。
ステップ201において、当選フラグ制御手段105により、すべての小役当選フラグ及びCB当選フラグが内部当選状態に設定される。そして、当該フラグ設定処理が終了する。
【0062】
ステップ202において、すべての小役、再遊技役及びCB役に当選したか否かが判断される。ここで、当選したと判断されると、ステップ203に進む。一方、当選していないと判断されると、ステップ204に進む。
ステップ203において、当選フラグ制御手段105により、すべての小役当選フラグ、CB当選フラグ及び再遊技当選フラグが内部当選状態に設定される。そして、当該フラグ設定処理が終了する。
ステップ204において、すべての小役及び再遊技役にのみ当選したか否かが判断される。ここで、当選したと判断されると、ステップ205に進む。一方、当選していないと判断されると、ステップ206に進む。
【0063】
ステップ205において、当選フラグ制御手段105により、すべての小役当選フラグ及び再遊技役当選フラグが内部当選状態に設定される。そして、当該フラグ設定処理が終了する。
ステップ206において、すべての小役にのみ当選したか否かが判断される。ここで、当選したと判断されると、ステップ207に進む。一方、当選していないと判断されると、当該フラグ設定処理が終了する。
ステップ207において、当選フラグ制御手段105により、すべての小役当選フラグが内部当選状態に設定される。そして、当該フラグ設定処理が終了する。
【0064】
次に、上述したステップ108の状態処理について説明する。
図12に示すステップ300において、CBB状態のボーナス終了条件(具体的には29枚を超えるメダルを払い出すこと)が成立したか否かが判断される。ここで、成立したと判断されると、ステップ301に進む。一方、成立していないと判断されると、当該状態処理が終了する。
ステップ301において、再遊技役の抽選状態が低確率状態であるか否かが判断される。ここで、低確率状態であると判断されると、ステップ302に進む。一方、低確率状態でない、すなわち高確率状態であると判断されると、ステップ303に進む。
【0065】
ステップ302において、遊技状態移行制御手段140により、遊技状態が通常状態へ移行される。そして、当該状態処理が終了する。
ステップ303において、遊技状態移行制御手段140により、遊技状態がRT状態へ移行される。そして、当該状態処理が終了する。
(作用・効果)
以上説明したように、本実施の形態では、CBB遊技においてCB役を対象として役抽選を行うことで、上述した(A)〜(D)の4つのフラグ状態を設定可能となる。そして、これら4つのうちのいずれかのフラグ状態のCBB遊技において、当該フラグ状態に対して割り当てられている特定の操作順序で各ストップスイッチ34が操作された場合には14枚のメダルを払い出し、特定の操作順序以外の操作順序で各ストップスイッチ34が操作された場合には15枚のメダルを払い出すようにする。そして、本実施の形態では、14枚のメダルが払い出されることとなる特定の操作順序として2通りの操作順序が設けられており、いずれの操作順序が特定の操作順序となるかは役抽選の結果によって決まる。これにより、特定の操作順序が1通りとなることによる攻略性を無くすことができ、CBB遊技において、ストップスイッチ34の操作順序によって遊技結果が異なるという遊技性を実現することができる。さらに本実施の形態によれば、CBB状態のボーナス終了条件との関係により、CBB遊技において、メダルの払い出し枚数を調整することができる。
【0066】
また、本実施の形態よれば、CBB遊技において用いられる当選判定テーブルにおいて、CBB役当選時の再遊技の抽選確率を維持しつつ、その一部をすべての小役及びCB役との重複当選領域に設定し、他の一部をすべての小役との重複当選領域にすることによって、CBB役当選時の再遊技役の抽選状態に関わらず、CBB遊技において、いつでも、ストップスイッチ34の操作順序によって異なる遊技結果となる遊技を行うことができる。
さらには、この当選判定テーブルにおいて、すべての小役と再遊技役とCB役との重複当選領域を所定の抽選確率に設定することによって、2通りの操作順序のそれぞれが特定の操作順序となる確率を均等にすることができる(
図9参照)。均等となっていないと、確率の高い操作順序で操作すればそれ以外の操作順序で操作した場合に比べてより高い確率で、14枚の払い出しを受けることができることとなってしまい攻略性につながってしまう。しかしながら、本実施の形態によれば、このような攻略性を無くすことができつつ、CBB遊技において、いつでも、ストップスイッチ34の操作順序によって異なる遊技結果となる遊技を行うことができる。
【0067】
また、本実施の形態では、CBB役の当選、CBB遊技の開始及び終了が再遊技役の抽選状態の変動契機となっていない。これにより、演出状態がAT状態でかつ遊技状態がRT状態である、いわゆるART(アシストリプレイタイム)遊技と、CBB遊技との両方を搭載していても、遊技者がストレスを感じることとのない遊技性を実現することができる。具体的に説明すると、CBB役の当選などの前記契機を再遊技役の抽選状態の変動契機としCBB遊技の終了後遊技状態が通常状態へ移行するようにした場合には、ART遊技中にCBB役に当選するとCBB遊技の終了後遊技状態が通常状態へ移行しその後RT状態へ移行することによって中断されたART遊技を再開することができるようになる。そして、CBB役の抽選確率を高く設定しCBB役に頻繁に当選するようにすると、このサイクルが短い周期で起こることとなり、遊技者がストレスを感じ易い仕様となってしまう。しかしながら、本実施の形態によれば、ストップスイッチ34の操作順序によって異なる遊技結果となるという遊技性のCBB遊技を実現しつつ、ART遊技との関係において遊技者がストレスを感じることとのない遊技性を実現することができる。
【0068】
なお、本実施の形態では、CBB遊技において、14枚払出報知演出又は15枚払出報知演出が実行されてない場合に、中停止スイッチ57又は右停止スイッチ58を最初に操作する順序で各ストップスイッチ34を操作されたときや、1回の遊技で14枚のメダルを払い出したときには、演出制御手段160は、所定のペナルティを課すようにしてもよい。ペナルティの内容としては、ART遊技(具体的にはAT状態)を付与するか否かのAT抽選を所定の期間にわたって禁止するなどとすることができる。
また、本実施の形態では、2通りの操作順序のそれぞれが特定の操作順序となる確率が均等となるように、CBB遊技において用いられる当選判定テーブル及び停止制御が設定されているが、2通りの操作順序のそれぞれが特定の操作順序となる確率に偏りを持たせるように設定してもよい。この場合には、14枚払出報知演出又は15枚払出報知演出が実行されてない場合に、特定の操作順序となる確率が高く設定されている操作順序でストップスイッチ34が操作されたときに、所定のペナルティを課すようにすることができる。このように構成することで、遊技者は、ペナルティを回避しようとして、特定の操作順序となる確率が高く設定されている操作順序以外の操作順序で遊技を行うようになるので、設計者の意図する出玉率(メダルの投入枚数に対する払い出し枚数の比率)を実現することができるようになる。たとえば、中停止スイッチ57を最初に操作する順序が特定の操作順序となる確率よりも、右停止スイッチ58を最初に操作する順序が特定の操作順序となる確率の方が高くなるように設定した場合には、14枚払出報知演出又は15枚払出報知演出が実行されてない遊技において、右停止スイッチ58を最初に操作する順序でストップスイッチ34が操作されたときに、所定のペナルティを課すようにすることができる。
【0069】
また、本実施の形態では、ART遊技中にCBB役に当選したにより移行したCBB遊技において、演出制御手段160は、ART遊技の遊技回数やセット数(具体的にはAT状態の遊技回数やセット数)を加算(上乗せ)するようにしてもよい。このような構成とすると、この場合のCBB遊技を上乗せに特化した遊技であると遊技者に見せることができるとともに、ART中にCBB役に当選する程、ART遊技が継続することとなるので、遊技の興趣を向上させることができる。また、特定の操作順序で操作されたか否かによって、上乗せ数が異なる(遊技結果が異なる)ようにすることもできる。さらには、上述の如く、本実施の形態では、CBB遊技の終了後、次の遊技からART遊技を再開することができるので、ART遊技中に移行したCBB遊技において、ART遊技中の演出(たとえば表示装置55による表示など)を継続することによって、当該CBB遊技をART遊技中であるかのように見せることもできる。
【0070】
また、本実施の形態では、CBB状態とCB状態とで、規定数が異なるように設定してもよい。たとえば、CBB状態では、通常状態、RT状態及び内部中状態と同様に、3枚のメダルのベットにより、1回の遊技を開始することができるように設定し、CB状態では、2枚のメダルのベットにより、1回の遊技を開始することができるように設定することができる。
また、本実施の形態では、CBB状態とCB状態とで、有効となる入賞ライン(の本数や種類)が異なるように設定してもよい。たとえば、CBB状態では、右下り入賞ラインL2、右上り入賞ラインL3、V字入賞ラインL4及び小山入賞ラインL5のみが有効となるように設定し、CB状態では、中段入賞ラインL1のみが有効となるように設定することができる。また、たとえば、CBB状態では、中段入賞ラインL1のみが有効となるように設定し、CB状態では、右下り入賞ラインL2のみが有効となるように設定することができる。
【0071】
また、本実施の形態では、複数のCB状態を設けるようにしてもよい。たとえば、CB1役に対応した図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件として移行するCB1状態と、CB2役に対応した図柄の組み合わせが有効入賞ライン上に停止表示されたことを条件として移行するCB2状態などを設けることができる。この場合には、CB1状態とCB2状態とで、異なる役を対象として役抽選を行うように設定こともできるし、規定数が異なるように設定することもできるし、有効となる入賞ライン(の本数や種類)が異なるように設定することもできる。
(変形例)
本変形例では、CBB遊技の開始及び終了が再遊技役の抽選状態の変動契機に設定されているとともに、CBB遊技においてCB役のみを対象として役抽選を行う点が、上記第1の実施の形態と相違する。以下、上記第1の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付しそれらの詳細な説明は簡略化するとともに、相違点を中心に本発明の第1の実施の形態の変形例を説明する。
【0072】
(役抽選手段100)
本実施の形態では、当選判定テーブルとして、非RT中ボーナス当選判定テーブル及びRT中ボーナス当選判定テーブルに代えてボーナス当選判定テーブルを備えている。このテーブルは、CBB遊技において選択されるものとなっている。
そして、本実施の形態では、ボーナス当選判定テーブルには、すべての小役及びCB役の重複当選領域と、すべての小役の重複当選領域とが、それぞれ同一の、32768/65536の抽選確率で設定されている。
(CBB状態におけるフラグ状態)
本実施の形態に係るCBB状態では、役抽選の結果に応じて、下記の(E)及び(F)の2つのフラグ状態を設定可能となっている。
【0073】
(E)すべての小役当選フラグ及びCB当選フラグが内部当選状態に設定されたフラグ状態
(F)すべての小役当選フラグのみが内部当選状態に設定されたフラグ状態
(CBB状態における停止制御)
本実施の形態では、上記(E)のフラグ状態に対しては、中停止スイッチ57を最初に操作する順序が特定の操作順序として割り当てられており、上記(F)のフラグ状態に対しては、右停止スイッチ58を最初に操作する順序が特定の操作順序として割り当てられている。
【0074】
そして、本実施の形態では、停止制御手段120は、上記第1の実施の形態と同様に、上記(E)又は(F)のフラグ状態(所定のフラグ状態)のCBB遊技において、割り当てられている特定の操作順序で各ストップスイッチ34が操作された場合には、組み合わせ数優先により、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、第8小役〜第14小役のいずれかに対応した図柄の組み合わせを中段入賞ラインL1(特定の有効入賞ライン)上に停止表示させ、特定の操作順序以外の操作順序で各ストップスイッチ34が操作された場合には、払い出し数優先により、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、第2小役〜第7小役のいずれかに対応した図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させる。
【0075】
(遊技状態の移行)
本実施の形態では、RT状態は、通常状態において第2の移行条件が成立したことにより移行する。また、CBB状態からは通常状態へ移行する。
(再遊技役の抽選状態の変動)
本実施の形態では、再遊技役の抽選状態として、低確率状態及び高確率状態に加えて無抽選状態が設けられている。
本実施の形態では、低確率状態は、RT状態において前記第1の移行条件が成立したことにより、又は、CBB遊技の終了により設定される。
【0076】
無抽選状態は、CBB遊技の開始により設定される。
なお、CBB役の当選を、再遊技役の抽選状態の変動契機とするようにしてもよい。
このような構成としても、上記第1の実施の形態と同様に、CBB役当選時の再遊技役の抽選状態に関わらず、CBB遊技において、いつでも、ストップスイッチ34の操作順序によって異なる遊技結果となる遊技を行うことができるとともに、メダルの払い出し枚数を調整することができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を、
図13〜
図16に基づいて説明する。
【0077】
以下、上記第1の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付しそれらの詳細な説明は簡略化するとともに、相違点を中心に本発明の第2の実施の形態を説明する。
(役)
本実施の形態では、ボーナス役として、
図13に示すように、CBB役が設けられている。
再遊技役として、
図13に示すように、リプレイA役と、リプレイB役とが設けられている。リプレイA役は、「リプレイ」「リプレイ」「リプレイ」の図柄の組み合わせに対応している。リプレイB役は、「リプレイ」「リプレイ」「ベル」の図柄の組み合わせに対応している。
【0078】
(役抽選手段100)
本実施の形態では、通常当選判定テーブルには、
図14(A)に示すように、CBB役の単独当選領域、第1小役の単独当選領域、第2小役〜第14小役の重複当選領域、及び、リプレイA役の単独当選領域が設定されている。RT当選判定テーブルには、
図14(B)に示すように、CBB役の単独当選領域、第1小役の単独当選領域、第2小役〜第14小役の重複当選領域、リプレイB役の単独当選領域、及び、リプレイA役とリプレイB役との重複当選領域が設定されている。
非RT内部中当選判定テーブル及びRT内部中当選判定テーブルは、
図14(C)及び(D)に示すように、ボーナス役の当選領域が存在しないように、すなわちボーナス役が役抽選の抽選対象から除外されるように設定されている。
【0079】
非RT中ボーナス当選判定テーブルには、
図14(E)に示すように、すべての小役の重複当選領域、すべての小役及びリプレイA役の重複当選領域が設定されている。RT中ボーナス当選判定テーブルには、
図14(F)に示すように、すべての小役の重複当選領域、すべての小役及びリプレイB役の重複当選領域、並びに、すべての小役、リプレイA役及びリプレイB役の重複当選領域が設定されている。
また、本実施の形態では、役抽選手段100は、遊技状態がCB状態である遊技では、役抽選を行わないものとなっている。なお、CB状態においても、再遊技役を対象にして役抽選を行うようにしてもよい。
【0080】
(当選フラグ制御手段105)
本実施の形態では、再遊技当選フラグとして、リプレイA役に対応するリプレイA当選フラグと、リプレイB役に対応するリプレイB当選フラグとが設けられている。
本実施の形態に係るCBB状態では、役抽選の結果に応じて、下記の(G)〜(J)の4つのフラグ状態を設定可能となっている。
(G)すべての小役当選フラグのみが内部当選状態に設定されたフラグ状態
(H)すべての小役当選フラグ及びリプレイA当選フラグのみが内部当選状態に設定されたフラグ状態
(I)すべての小役当選フラグ及びリプレイB当選フラグのみが内部当選状態に設定されたフラグ状態
(J)すべての小役当選フラグ、リプレイA当選フラグ及びリプレイB当選フラグが内部当選状態に設定されたフラグ状態
本実施の形態では、非RT中ボーナス当選判定テーブルが用いられるCBB遊技においては、
図14及び
図15に示すように、上記(I)及び(J)のフラグ状態は発生しないものとなっている。一方、RT中ボーナス当選判定テーブルが用いられるCBB遊技においては、上記(H)のフラグ状態は発生しないものとなっている。また、RT中ボーナス当選判定テーブルが用いられるCBB遊技においては、上記(I)のフラグ状態の発生確率と、上記(G)及び(J)のそれぞれのフラグ状態の発生確率の合計とは、等しいものとなっている(
図14及び
図15参照)。
【0081】
(CBB状態における停止制御)
つぎに、CBB状態における停止制御について説明する。
また、本実施の形態では、CBB状態において設定可能な上記した(G)〜(J)の4つのフラグ状態のそれぞれに対して、ストップスイッチ34の操作順序が割り当てられており、割り当てられている操作順序が特定の操作順序となっている。具体的には、上記(G)及び(J)のフラグ状態に対しては、中停止スイッチ57を最初に操作する順序が特定の操作順序として割り当てられており、上記(H)及び(I)のフラグ状態に対しては、右停止スイッチ58を最初に操作する順序が特定の操作順序として割り当てられている。
【0082】
そして、本実施の形態では、停止制御手段120は、上記第1の実施の形態と同様に、上記(G)〜(J)のいずれかのフラグ状態のCBB遊技において、割り当てられている特定の操作順序で各ストップスイッチ34が操作された場合には、組み合わせ数優先により、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、第8小役〜第14小役のいずれかに対応した図柄の組み合わせを中段入賞ラインL1(特定の有効入賞ライン)上に停止表示させ、特定の操作順序以外の操作順序で各ストップスイッチ34が操作された場合には、払い出し数優先により、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、第2小役〜第7小役のいずれかに対応した図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させる(
図15参照)。
【0083】
また、本実施の形態では、RT中ボーナス当選判定テーブルが用いられるCBB遊技においては、
図15に示すフラグ状態の発生確率に示すように、特定の操作順序が、中停止スイッチ57を最初に操作する順序となる確率と、右停止スイッチ58を最初に操作する順序となる確率とは、同一となっている。
(演出制御手段160)
本実施の形態では、CBB遊技において、14枚払出報知演出又は15枚払出報知演出が実行されない場合に、中停止スイッチ57又は右停止スイッチ58を最初に操作する順序で各ストップスイッチ34を操作されたときには、演出制御手段160は、所定のペナルティを課すようにする。
【0084】
(報知演出実行手段180)
本実施の形態では、報知演出実行手段180は、ART遊技中にCBB役に当選した場合には、上記(G)、(I)又は(J)のフラグ状態のCBB遊技において、14枚払出報知演出又は15枚払出報知演出を実行する。
(スロットマシン10の動作)
以下、
図16に示すフローチャートに基づいて、本実施の形態に係るフラグ設定処理について説明する。
ステップ400において、すべての小役及びリプレイA役にのみ当選したか否かが判断される。ここで、当選したと判断されると、ステップ401に進む。一方、当選していないと判断されると、ステップ402に進む。
【0085】
ステップ401において、当選フラグ制御手段105により、すべての小役当選フラグ及びリプレイA当選フラグが内部当選状態に設定される。そして、当該フラグ設定処理が終了する。
ステップ402において、すべての小役及びリプレイB役にのみ当選したか否かが判断される。ここで、当選したと判断されると、ステップ403に進む。一方、当選していないと判断されると、ステップ404に進む。
ステップ403において、当選フラグ制御手段105により、すべての小役当選フラグ及びリプレイB当選フラグが内部当選状態に設定される。そして、当該フラグ設定処理が終了する。
【0086】
ステップ404において、すべての小役、リプレイA役及びリプレイB役に当選したか否かが判断される。ここで、当選したと判断されると、ステップ405に進む。一方、当選していないと判断されると、ステップ406に進む。
ステップ405において、当選フラグ制御手段105により、すべての小役当選フラグ、リプレイA当選フラグ及びリプレイB当選フラグが内部当選状態に設定される。そして、当該フラグ設定処理が終了する。
ステップ406において、すべての小役にのみ当選したか否かが判断される。ここで、当選したと判断されると、ステップ407に進む。一方、当選していないと判断されると、当該フラグ設定処理が終了する。
【0087】
ステップ407において、当選フラグ制御手段105により、すべての小役当選フラグが内部当選状態に設定される。そして、当該フラグ設定処理が終了する。
(作用・効果)
このような構成としても、上記第1の実施の形態と同様に、CBB遊技において、ストップスイッチ34の操作順序によって異なる遊技結果となる遊技を行うことができるとともに、メダルの払い出し枚数を調整することができる。
また、本実施の形態によれば、所定の操作順序に対してペナルティを課すようにしたので、非RT中ボーナス当選判定テーブルが用いられるCBB遊技において、2通りの操作順序のそれぞれが特定の操作順序となる確率が均等となっていないことによる攻略性を無くすことができる。
【0088】
また、上記第1の実施の形態の変形例と同様に、本実施の形態においても、CBB役の当選、CBB遊技の開始又は終了を、再遊技役の抽選状態の変動契機に設定することができる。
(ストップスイッチ34の操作順序による停止制御の変形例)
本実施の形態に係る停止制御の変形例について説明する。以下、上記第1の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付しそれらの詳細な説明は簡略化するとともに、相違点を中心に本変形例を説明する。
たとえば、ベル役(第1の役)に対応した図柄の組み合わせを、複数の入賞ライン上に同時に停止表示させることが可能なように配列する。
【0089】
そして、フラグ状態に対して割り当てられている特定の操作順序で各ストップスイッチ34が操作された場合には、ベル役に対応した図柄の組み合わせを複数の有効入賞ライン(特定の有効入賞ライン)上に同時に停止表示させ、特定の操作順序以外の操作順序で各ストップスイッチ34が操作された場合には、ベル役に対応した図柄の組み合わせが、特定の操作順序の場合とは異なる本数の有効入賞ライン上に、又は、特定の操作順序の場合と同一の本数であって少なくとも1本は異なる有効入賞ライン上に停止表示させるように設定してもよい。
また、たとえば、ベル役(第1の役)と、ストップスイッチ34の操作のタイミングによっては対応した図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させることができない他の小役とを設け、払い出し枚数を同数に設定する。
【0090】
そして、フラグ状態に対して割り当てられている特定の操作順序で各ストップスイッチ34が操作された場合には、他の役に優先してベル役に対応した図柄の組み合わせを特定の有効入賞ライン上に停止表示させ、特定の操作順序以外の操作順序で各ストップスイッチ34が操作された場合には、ストップスイッチ34の操作のタイミングに応じて、ベル役に優先して他の役に対応した図柄の組み合わせを有効入賞ライン上に停止表示させるように設定してもよい。
この場合には、特定の操作順序でストップスイッチ34が操作された場合にのみ、AT抽選を行ったり、その後にART遊技が行われる(遊技結果が異なる)ようにしてもよい。
【0091】
(他の実施の形態)
上述した実施の形態では、CBB遊技においては、すべての小役が役抽選の抽選対象に設定されているが、すべての小役を抽選対象から除外して役抽選を行うようにしてもよい。たとえば、上述した第1の実施の形態における非RT中ボーナス当選判定テーブル及びRT中ボーナス当選判定テーブルを、CB役の単独当選領域、再遊技役及びCB役の重複当選領域、再遊技役の単独当選領域、並びに、ハズレの領域から構成することができる。また、上述した第1の実施の形態の変形例におけるボーナス当選判定テーブルを、CB役の単独当選領域、及び、ハズレの領域から構成することができる。また、たとえば、上述した第2の実施の形態における非RT中ボーナス当選判定テーブルを、リプレイA役の単独当選領域、及び、ハズレの領域から構成し、RT中ボーナス当選判定テーブルを、リプレイB役の単独当選領域、リプレイA役及びリプレイB役の重複当選領域から構成することができる。この場合には、役抽選により当選した役の当選フラグに加えてすべての小役の当選フラグを内部当選状態に設定することによって、上述した各実施の形態と同様に、複数のフラグ状態をCBB遊技において設定することが可能となる。
【0092】
また、上述した実施の形態では、特定の操作順序は2通りであるが、これに限られるものではなく、3通りや、6通り(「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」及び「右中左」)などとすることができる。
また、上述した実施の形態では、小役の払い出し枚数は、規定数に応じて可変するように設定してもよい。
また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形および改良なども含むものである。また、本発明は、上述した実施の形態を適宜組み合わせる、または組み替えることもできる。